しかしながら、上述した従来のビーズ状、ファイバー状のギャップ材を用いて基板間ギャップを制御する技術によれば、各画素の領域が二分された反射表示用の領域と透過表示用の領域とで、相異なる基板間ギャップを規定することは、技術的に困難である。
更に、上述した従来の貝柱状或いは柱状のスペーサを用い基板間ギャップを制御する技術によっても、やはり各画素の領域が二分された反射表示用の領域と透過表示用の領域とで、相異なる基板間ギャップを規定することは、困難である。
より具体的には、二種類の高さのスペーサを形成すること自体の困難性に加えて、その上に形成される配向膜のラビング処理を二種類の高さのスペーサが存在する場合に、配向ムラを引き起こさないように行うことが技術的に困難となる。特に、広い方の基板間ギャップを制御する方の、例えば高さが4μ〜10μm程度である、より高い貝柱状或いは柱状のスペーサについては、その高さに応じて相当量のラビング不良が発生してしまい、これにより液晶の配向不良等の電気光学物質の動作不良が起こる。よって、高品位の画像表示が困難となる。或いは、各画素についてこのような動作不良が起こる領域を遮光膜で覆う必要により、表示画像が暗くなってしまうという技術的問題点が生じる。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、例えば液晶の配向不良等の電気光学物質の動作不良が低減されており、透過表示及び反射表示のいずれの表示時にも高品位で且つ明るい画像表示が可能である半透過反射型の電気光学装置及びそのような電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、一対の第1基板及び第2基板と、複数の画素からなる画像表示領域と、前記第1基板及び第2基板のいずれか一方の基板上に、第1方向及び該第1方向と交差する第2方向に延在し、前記複数の画素間に格子状に設けられた遮光膜と、前記遮光膜上に、前記第1及び第2基板間のギャップを規定する柱状部と、前記柱状部を覆うように形成された配向膜とを備え、前記画素は、透過表示用の領域と反射表示用の領域とを有しており、前記反射表示用の領域における前記ギャップは、前記透過表示用の領域における前記ギャップより狭くされており、前記柱状部は、前記反射表示用の領域のギャップを規定するように配置されており、前記柱状部は、前記第1方向に延在する遮光膜と前記第2方向に延在する遮光膜との交差領域と重なると共に、当該柱状部を基準として前記配向膜のラビング方向の下流側に青色の画素の前記反射表示用の領域が位置するように配置される。
本発明の電気光学装置によれば、例えば素子アレイ基板からなる第2基板上には、複数の半透過反射型の表示用電極が備えられている。このような表示用電極は、画素毎に分断形成された画素電極でもよいし、ストライプ状電極或いはセグメント状電極でもよい。そして特に、各表示用電極は、透過表示用の領域及び反射表示用の領域を有する。例えば、各表示用電極は、各画素の片側半分や中央半分等を占める透過表示用の領域においては、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム・ティン・オキサイド)等の透明導電膜からなり、それ以外の反射表示用の領域においては、係る透明導電膜にAl(アルミニウム)膜等の反射膜が積層されてなったり、或いはこのような反射膜単独からなる。当該電気光学装置の動作時には、このような表示用電極に、データ線等の配線や、TFT、TFD等の電子素子から画像信号が供給され、例えばアクティブマトリクス駆動、パッシブマトリクス駆動、セグメント駆動等により、例えば明所にて第1基板における電気光学物質層と反対側からの外光を用いて反射表示が可能とされ、暗所にて第2基板における電気光学物質層と反対側からの光源光を用いて透過表示が可能とされる。
ここで、画像表示領域における第1及び第2基板のいずれか一方上には、柱状部が、電気光学物質層に面する側の表面に立設されている。即ち、柱状部が、ギャップ材として第1及び第2基板間のギャップを規定する。このような柱状部は、例えば円筒状、角柱状、円錐台状、角錐台状等の島状でもよいし、配線に沿って若干延びる十字状或いは長手状であってもよい。そして、第1及び第2基板の少なくとも一方における電気光学物質層に対向する側の表面には、反射表示用の領域を含む所定領域に凸状の段差部が形成されている。この際、好ましくは、凸状の段差部は、反射表示領域のみならず、実際に表示に寄与する光が透過或いは反射する各画素の開口領域以外の、配線や電子素子が形成された各画素の非開口領域、即ち各画素の開口領域の間隙となる領域にも延設されており、柱状部は、各画素の非開口領域における凸状の段差部に対向する位置に配置されている。いずれにせよ、柱状部は、凸状の段差部に対向する位置に配置されている。よって、凸状の段差部の高さを調整すると共に、ギャップ材としての柱状部の高さを調整することで、透過表示用の領域における電気光学物質層の層厚を、反射表示用の領域におけるそれよりも厚くでき、例えば2倍程度にすることも可能となる。即ち、反射表示用の領域で基板間ギャップを狭くできると同時に透過表示用の領域で基板間ギャップを広くできる。
そして特に、このような柱状部は、凸状の段差部に対向する位置に、即ち狭い方の基板間ギャップを規定するように配置されており、広い方の基板間ギャップに対応する相対的に凹状となる第1又は第2基板の表面には設けられていない。
この際、画素ピッチが、例えば数μから十数μm程度、或いは数百〜数千μmよりも小さい程度であれば、このように透過表示用の領域に対応する広い基板間ギャップを規定するギャップ材を設けなくとも、二種類の基板間ギャップを安定して規定できる。しかも、このように相対的に高さが低い柱状部であれば、当該電気光学装置の製造プロセス中に柱状部を形成した後に、配向膜を塗布し更にこれにラビング処理を行った際に、相対的に高さが高い柱状部を形成した場合と比較して、柱状部を基準としてラビング方向の下流側に広がるラビング不良の発生領域が小さくて済む。
以上の結果、二種類の基板間ギャップにより反射表示及び透過表示間で電気光学物質層での偏光特性を揃えることが可能となる。しかも、反射表示時にも透過表示時にも、例えば液晶の配向不良等の電気光学物質の動作不良を低減できるので、最終的に高品位の画像表示が可能となり、更に電気光学物質の動作不良を隠すために遮光膜を形成する領域を狭められるので、明るい表示が可能となる。本発明の電気光学装置の一態様では、前記第1及び第2基板の一方上に、前記段差部を少なくとも部分的に形成するための透明な段差形成膜を更に備える。
この態様によれば、例えば酸化シリコン膜等の透明な段差形成膜の存在によって、第1及び第2基板の一方上に、段差部を比較的容易に形成でき、更にその高さ制御も比較的容易にして高精度に行える。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記段差部は、平面的に見て前記複数の表示用電極に跨って所定方向に延びている。
この態様によれば、段差部は、平面的に見て複数の表示用電極に跨って、例えば表示用電極の配列に沿った方向或いは走査線やデータ線等の配線に沿った方向に帯状に延びているので、各画素毎に分断して形成するよりも容易に形成でき、その平面パターンにおける寸法制御や高さ制御も高精度で行うことが可能となる。
但し、このような段差部は、画素毎に分断して形成されてもよい。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記段差部は、前記第1基板に形成されており、前記柱状部は、前記第1基板に形成されている。
この態様によれば、例えば対向基板である第1基板側に、段差部及び柱状部の両者を形成すればよいので、例えば素子アレイ基板であり製造が比較的困難である第2基板側の製造プロセスとは切り離して、これら段差部及び柱状部を形成できる。よって、全体として製造が容易となる。
或いは本発明の電気光学装置の他の態様では、前記段差部は、前記第2基板に形成されており、前記柱状部は、前記第1基板に形成されている。
この態様によれば、例えば対向基板である第1基板側に、柱状部を形成すればよいので、例えば素子アレイ基板であり製造が比較的困難である第2基板側の製造プロセスとは切り離して、柱状部を形成できる。更に、段差部については第2基板側に設けることで、第2基板を構成する配線や電子素子等の存在を利用して、段差部を少なくとも部分的に形成することが可能となる。
但し、これとは逆に、段差部が第1基板に形成され、柱状部が第2基板に形成されてもよいし、更に、段差部及び柱状部共に、第2基板に形成されてもよい。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記柱状部は、前記所定領域内における前記反射表示用の領域を外れた領域内で、前記段差部に対向する位置に配置されている。
この態様によれば、柱状部は、例えば各画素の非開口領域などの、反射表示用の領域を外れた領域内に配置されているので、柱状部の存在が、反射表示の妨げとなる事態を未然防止できる。この場合、段差部を、平面的に見て各画素の開口領域にある反射表示領域から各画素の非開口領域に延設すればよい。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記配線及び電子素子の少なくとも一方は、格子状又はストライプ状に平面配置されており、前記柱状部は、前記段差部に対向する位置であって前記配線及び電子素子の少なくとも一方に対向する位置に配置されている。
この態様によれば、配線や電子素子が形成された各画素の間隙となる格子状の非開口領域内に、柱状部が配置されるので、柱状部の存在が、反射表示の妨げとなる事態を未然防止できると共に、柱状部の存在によって、各画素の開口領域を狭める事態も回避できる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記段差部の少なくとも一部は、前記配線及び電子素子の少なくとも一方の存在によって形成されている。
この態様によれば、データ線、走査線、容量線等の各種配線や、TFT、TFD等の各種素子の存在を利用して、段差部を少なくとも部分的に形成するので、段差部を形成するために専用膜や専用工程を用いる場合と比較して、基板上の積層構造及び製造プロセスを簡略化可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1及び第2基板の少なくとも一方に、前記表示用電極に対向するカラーフィルタを更に備えており、前記カラーフィルタの色は、前記透過表示用の領域における色度域が前記反射表示用の領域における色度域より広くなるように、相異なっている。
この態様によれば、カラーフィルタの色は、光源光がカラーフィルタを一度だけ通過する透過表示用の領域における色度域が、外光がカラーフィルタを往復で2度通過する反射表示用の領域における色度域より広いので、透過表示と反射表示との両者において、適切な色で表示できる。
このカラーフィルタに係る態様では、前記カラーフィルタは、前記透過表示用の領域における色材膜部分が、前記反射表示用の領域における色材膜部分よりも膜厚であるように構成されてもよい。
このように構成すれば、色材膜の膜厚を変えることで、比較的容易にして、透過表示用の領域における色度域が、反射表示用の領域における色度域よりも広くなるカラーフィルタを構築可能となる。例えば、透過表示用の領域における色材膜の膜厚を、反射表示用の領域におけるそれの2倍程度にすれば、透過表示と反射表示との両者において、適切な色で表示できる。
但し、カラーフィルタは、透過表示用の領域における色材膜中の色材濃度が、反射表示用の領域における色材膜中の色材濃度よりも濃くなるように構成されてもよい。
更にこのカラーフィルタに係る態様では、前記カラーフィルタは、前記第1基板に設けられてもよい。
このように構成すれば、例えば対向基板である第1基板側に、カラーフィルタを形成すればよいので、例えば素子アレイ基板であり製造が比較的困難である第2基板側の製造プロセスとは切り離して、カラーフィルタを形成できる。
但し、カラーフィルタは、第2基板に形成されてもよい。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1及び第2基板のうち前記段差部が形成された方の基板上に、前記電気光学物質層に面する表面に塗布され且つラビングされた配向膜を更に備えており、平面的に見て前記柱状部を基準として前記配向膜のラビング方向の下流側に向かって、前記段差部が延在している。
この態様によれば、柱状部の存在によってラビング不良が発生する可能性が高いラビング方向の下流側に向かって、凸状の段差部が延在している。従って、このような段差部が延在していない場合と比較して、高さが相対的に低められた柱状部付近におけるラビング不良を低減できる。
この配向膜に係る態様では、前記第1及び第2基板の少なくとも一方に、前記配線及び電子素子の少なくとも一方を覆うと共に前記表示用電極の間隙を覆う遮光膜を更に備えており、前記ラビング方向は、前記遮光膜の延びる方向に沿っているように構成してもよい。
このように構成すれば、柱状部の存在によってラビング不良が発生する可能性が高いラビング方向の下流側に向かって、遮光膜が延びている。従って、このような遮光膜が存在していない場合と比較して、柱状部付近における、例えば液晶の配向不良の如き電気光学物質の動作不良を、遮光膜によって効率良く隠すことが可能となる。逆に言えば、遮光膜により遮光すべき領域を小さくでき、これにより画像品位を低下させないようにしつつ各画素の開口領域を相対的に大きくすることが可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1及び第2基板のうち前記段差部が形成された方の基板上に、前記電気光学物質層に面する表面に塗布され且つラビングされた配向膜を備え、前記第1及び第2基板の少なくとも一方に、前記表示用電極に対向するカラーフィルタを備え、平面的に見て前記柱状部を基準としての前記ラビング方向の下流側には前記カラーフィルタのうち青色部分が位置するように、前記カラーフィルタ及び前記柱状部の相対的位置関係が規定されている。
この態様によれば、柱状部を基準としてのラビング方向の下流側には、例えば液晶の配向不良の如き電気光学物質の動作不良が発生するが、当該動作不良の影響が、カラーフィルタを構成する色の中で、人間の視覚に対して最も影響を与え難い青色の部分が位置する。よって、視覚上は、柱状部の存在による悪影響を低減できる。この結果、柱状部の付近を隠す遮光膜の幅を狭く出来き、画像品位を維持しつつ明るい画像表示を行える。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記表示用電極は、画素電極からなり、前記配線及び電子素子の少なくとも一方は、前記画素電極をスイッチング制御するためのスイッチング素子と、該スイッチング素子を介して画像信号を前記画素電極に供給するためのデータ線と、前記スイッチング素子を駆動するための走査線とを含む。
この態様によれば、例えばTFTであるスイッチング素子に対して、データ線により画像信号をそのソースに供給しつつ走査線により走査信号をそのゲートに供給することによって、当該電気光学装置をアクティブマトリクス駆動可能となる。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む)を具備する。
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置を具備するので、基板間ギャップが高精度で制御されている。このため、透過表示及び反射表示の両方の表示について、表示品質に優れた、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル、投射型表示装置などの各種電子機器を実現できる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を、半透過反射型の液晶装置に適用したものである。
(第1実施形態)
先ず、本発明の第1実施形態における電気光学装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここでは、電気光学装置の一例として、バックライトを備えており駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の半透過反射型の液晶装置を例にとる。
図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図であり、図2は、図1のH−H’断面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。
本実施形態では特に、画像表示領域10aの全域に渡って、基板間ギャップを規定するギャップ材として多数の柱状部520が、液晶層50が封入されたセル内に設けられている。但し、このような柱状部520に加えて、シール材52中に、グラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材を散布してもよい。柱状部520については、後で詳述する。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
画像表示領域の周辺に広がる領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する周辺領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また図1に示すように、対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナーに対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10は、その基板本体として、石英板、ガラス板等からなる透明な第2透明基板202を備えてなる。第2透明基板202の上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線、画素電極9aが形成され、更にその最上層部分に配向膜が形成されている。他方、対向基板20上は、その基板本体として、石英板、ガラス板等からなる透明な第1透明基板201を備えてなる。第1透明基板201上には、対向電極21及び格子状の遮光膜23が形成されており、更にその最上層部分に配向膜が形成されている。
また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
対向基板20は更に、第1透明基板201における液晶層50と反対側には、偏光板207及び位相差板208を備えて構成されている。
TFTアレイ基板10は更に、第2透明基板202における液晶層50と反対側に、偏光板217及び位相差板218を備える。加えて、偏光板217の外側に、蛍光管220と蛍光管220からの光を偏光板217から液晶パネル内に導くための導光板219とを備えて構成されている。導光板219は、裏面全体に散乱用の粗面が形成され、或いは散乱用の印刷層が形成されたアクリル樹脂板などの透明体であり、光源である蛍光管220の光を端面にて受けて、図の上面からほぼ均一な光を放出するようになっている。尚、図1では説明の便宜上、このようなTFTアレイ基板10に対して外付けされる蛍光管220の図示を省略してある。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。更に、本実施形態では、データ線駆動回路101や走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。
次に図3から図5を参照して、図1に示した対向基板20について詳細に説明する。ここに、図3は、対向基板20の部分平面図であり、図4は、そのK−K’断面図であり、図5は、図3の部分拡大図である。尚、図4において、厚み関係の理解のため、高さ方向を拡大してある。また、図4は、図1に示した対向基板20を上下逆転して示したものであり、偏光板及び位相差板ついては省略してある。
図3から図5に示すように、本発明に係る「第1基板」の一例を構成する対向基板20は、第1透明基板201、遮光膜23、カラーフィルタ500、段差形成膜510、対向電極21、柱状部520及び配向膜22から構成されている。
遮光膜23は、画像表示領域内において各画素の非開口領域を規定すべく格子状に、第1透明基板201上に形成されている。遮光膜23は、例えばCr(クロム)、Ni(ニッケル)等の金属から形成されている。前述したTFTアレイ基板側に形成される配線部や素子部は、遮光膜23によって隠される。即ち、各画素の非開口領域内に配置される。遮光膜23は、各画素の非開口領域を規定すると共に各画素の間隙における光抜けを防止し、更にカラーフィルタ500における混色防止の機能を有すると共に入射光に起因する電気光学装置の温度上昇を防ぐ機能を有する。
カラーフィルタ500は、画像表示領域内に設けられており、各画素に対応してマトリクス状に、赤(R)、緑(G)及び青(B)に分けられており、更に各画素内において各色のカラーフィルタ部分は、更に、透過表示用の領域に形成された色が濃い部分と反射表示用の領域に形成された色が薄い部分とに分けられている。即ち、カラーフィルタ500は、赤、緑、青3色×2=6色のカラーフィルタとして構築されている。
より具体的には、カラーフィルタ500において、カラーフィルタ部分RRは、赤色(R)の反射表示用であり、カラーフィルタ部分TRは、赤色(R)の透過表示用である。カラーフィルタ部分RGは、緑色(G)の反射表示用であり、カラーフィルタ部分TGは、緑色(G)の透過表示用である。カラーフィルタ部分RBは、青色(B)の反射表示用であり、カラーフィルタ部分TBは、青色(B)の透過表示用である。これらのカラーフィルタ部分RR〜TBのうち透過表示用のものは、反射表示用のものよりも、約半分の明るさが得られるように色度域としては広くなっている。
カラーフィルタ500は、顔料分散法などのフォトリソグラフィを用いて製造され、各カラーフィルタ部分RR〜TBは、アクリル等の有機絶縁材料で作られる。各カラーフィルタ部分RR〜TBは、本例では、同一顔料で濃度を変える又は顔料成分を変えることにより、色度域を変えて形成されており、6色のカラーフィルタ部分は、相互に同一の膜厚となっている。
カラーフィルタ500は、図3では、ストライプ配列とされているが、その他に、デルタ配列、モザイク配列、トライアングル配列等で配列されてもよい。
段差形成膜510は、図4に示すように反射表示用の領域に形成されたカラーフィルタ部分RR、RG及びRB上に形成されており、その平面形状が、図3に示すように左右の画素の配列方向に沿って延びるストライプ状に形成されている。段差形成膜510は、後述の如く対向基板20をTFTアレイ基板10と対向配置して構成された電気光学装置における基板間ギャップのうち狭い方の第1ギャップを直接的に規定するものであり、これらのうち広い方の2ギャップの半分程度の高さを有する。より具体的には、段差形成膜510の高さは、例えば、2〜4μm程度であり、アクリル等の透明有機絶縁材料で形成されている。
各画素内の領域のうち、このようにストライプ状の段差形成膜510が形成されることで相対的に凸状とされた段差部或いは土手部の上に存在する領域は、反射表示領域とされており、段差形成膜510が形成されないことで相対的に凹状とされた平坦部或いは底部にある領域は、透過表示用の領域とされている。即ち、このような段差部の存在によって、光源光が1回だけ液晶層50を通過する透過表示と、外光が2回液晶層50を通過する反射表示との間で、液晶層50における偏光特性を揃えることが可能とされている。これらの反射表示用の領域と透過表示用の領域との間の領域には、なだらかなスロープで形成されており、配向膜22に対するラビング処理を良好に施すことが可能とされている。
対向電極21は、段差形成膜510及びカラーフィルタ500上の全面に渡って、ITO膜等の透明電極膜から形成されている。
柱状部520は、対向電極21上であって、段差形成膜510の形成された領域内に形成されている。柱状部は、例えば、6色分のカラーフィルタ500部分に対して1個、つまり3画素に1個の割合で形成されている。柱状部520の高さは、第2ギャップの半分程度で例えば2〜4μm程度であり、アクリル等の有機絶縁材料から形成されている。柱状部520は、本例では、円柱の形状を有する。但し、これは、例えば八角や六角の角柱でもよく、また製造プロセル中のラビング処理を考慮して、ラビング方向に流線型をした形状でもよい。柱状部520の径は、例えば10〜15μm程度である。柱状部520は、透明ではないので、好ましくは、各画素の非開口領域内に配置されている。即ち遮光膜23によって表示時に観察者から見えないように隠されている。
配向膜23は、柱状部520及び対向電極21上の全面に渡って、形成されている。配向膜23は、例えば、ポリイミド樹脂による配向膜が塗布された後、焼成され、更にラビング処理が行われることで形成されている。
図5に示すように、このラビング処理の際に、柱状部520から見てラビング方向550の下流側に、ラビング不良の領域570が発生する。例えば柱状部520の横幅が10〜15μmであり且つ高さが2〜3μmであると想定すると、ラビング不良の領域570は、ラビング方向に550に、柱状部の高さの2倍である約5〜6μmの長さを持つように発生する。
従って、図5でラビング不良の領域570として示すように、横方向に走る遮光膜23の幅を広げ、さらに柱状部520の位置を横方向に走る遮光膜23の中心から透過表示領域に近い側に(即ち、図5で上側に)距離Sだけ偏らせるとよい。これにより、ラビング不良の領域570を各画素の非開口領域内に隠すことが容易となる。尚、ここでの距離Sは、柱状部520の横方向の中心線565と、横方向に走る遮光膜23の中心線560との距離である。
加えて本実施形態では特に、ラビング方向550は、カラーフィルタ部分RBに向かう方向に一致されている。これは、柱状部520により生じるラビング不良の領域570で発生する液晶層50の配向不良が、青色表示の画素で発生する場合が、表示として一番目立たないからである。
次に、図6から図9を参照して、図1に示したTFTアレイ基板10について詳細に説明する。ここに、図6は、TFTアレイ基板上に構成される配線、電子素子等の等価回路図であり、図7は、TFTアレイ基板の部分平面図であり、図8は、図7の部分拡大図であり、図9は、図7に示したJJ’線に沿って切断したときの電気光学装置の断面図である。尚、図9においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
図6において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には夫々、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20に形成された対向電極21(図2参照)との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極21との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。蓄積容量70は、容量線300の一部からなる固定電位側容量電極と、TFT30のドレイン側及び画素電極に9aに接続された画素電位側容量電極とを備える。
次に図7及び図8に示すように、TFTアレイ基板10上には、半透過反射型の画素電極9aがマトリクス状に配列されており、画素電極9aに対応する画素の領域は、透過表示用の領域と反射表示用の領域とに二分されている。尚、図7は、図3に示した対向基板20の平面図に対応しているが、左右反転した平面図である。即ち、図3における線分ABが、図7における線分A’B’に対して平面図上で一致するように両基板は、対向配置される。加えて、図7では、6色のカラーフィルタ部分RR〜TBに夫々対応させる意味で、カラーフィルタ部分RR’〜TB’として表示している。
図8に拡大して示すように、TFTアレイ基板10には、半透過反射型の画素電極9a(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。また、半導体層1aのうち図8中ハッチングで示したのがチャネル領域1a’である。角状のゲート電極405は、チャネル領域1a’において半導体層1aに対向するように走査線3aから突出して形成されている。尚、ゲート電極405は、走査線3aと同一導電材料から一体形成されてもよいし、別材料から形成されてもよい。このように、画素には夫々、チャネル領域1a’に走査線3aに接続するゲート電極405が対向配置された画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
図7から図9に示すように、蓄積容量70は、画素電極9aに重なるように配置された平面形状を有する。蓄積容量70の画素電位側容量電極は、半導体層1aのドレイン領域1eから延設された部分からなり、その固定側容量電極は、走査線3aと並んで配列された容量線300から延設された部分からなる。容量線300は、画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされる。半導体層1aのドレイン領域1eは、コンタクトホール83、中継層71及びコンタクトホール85を介して画素電極9aと電気的に接続されている。半導体層1aのソース領域1dはコンタクトホール81を介してデータ線6aと接続されている。
図8に示すように本実施形態では特に、半透過反射電極の一例を構成する画素電極9aに対応する画素の領域は、透過表示用の領域と反射表示用の領域とに二分されている。より具体的には、図8中KK’線の上側が、反射表示用の領域であり、カラーフィルタ部分RR’に対応している。他方、図8中KK’線の下側が、透過表示用の領域であり、カラーフィルタ部分TR’に対応している。
図8及び図9に示すように、反射表示用の領域には、表面に多数の微小な略半球状の凹部420が形成されたAl(アルミニウム)膜からなる反射膜430が、画素電極9aの下に重なるように積層されている。これにより、反射表示用の領域には、画素電極9a及び反射膜430から反射電極が構築されることになる。尚、凹部420は、鏡面反射を避けるためのものであり、凸部であっても構わない。
TFTアレイ基板10側には、画素単位で液晶層50部分を駆動可能となるように、画素電極9a及びこれに接続されたTFT30及び配線部が設けられている。対向基板20側には、画素電極9aに対向した全面ベタの透明な対向電極21が形成されている。
画素スイッチング用のTFT30下には、下地絶縁膜12が設けられている。
下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能の他、第2透明基板202の全面に形成されることにより、その表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用のTFT30の特性変化を防止する機能を有する。
図9において、画素スイッチング用のTFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、ゲート405、当該ゲート405からの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、ゲート405と半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。前述したようにゲート405は走査線3aに接続され、高濃度ソース領域1dは、データ線6aに接続され、高濃度ドレイン領域1eは、蓄積容量70の画素電位側容量電極に接続されている。
データ線6aは、Al等の低抵抗な金属膜や金属シリサイド等の合金膜などから構成されている。
走査線3a、ゲート405及び容量線300の上には、第1層間絶縁膜41が形成されている。第1層間絶縁膜41には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔されている。
第1層間絶縁膜41上には、中継層71とデータ線6aが形成されており、これらの上には、コンタクトホール85と反射光を散乱させるための凹部410とが開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。凹部410は、反射表示用の領域に形成され、すり鉢状をしており、凹部410の上縁における内径は、例えば1〜10μm程度である。
第2層間絶縁層42の上には、コンタクトホール85が形成された第3層間絶縁膜43が形成されている。第3層間絶縁膜43では、第2層間絶縁膜42のすり鉢状の凹部410に起因して、略半球状の凹部420が形成されている。画素電極9aは、このように構成された第3層間絶縁膜43の上面に形成されており、コンタクトホール85を介して中継層71に接続されている。
画素電極9aの上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。配向膜16は例えば、ポリイミド膜などの有機膜からなる。画素電極9aには前述したように、反射表示用の領域における反射膜430が下地側に重ねられた反射部と、透過表示用の領域における反射膜430が重ねられない透過部とを含んでなる。また、反射部には、多数の半球状の凹部420が形成されており、鏡面反射を避けた反射表示が可能とされている。
尚、図9では、図2に示した如き第1透明基板201の外面に取り付けられる偏光板207及び位相差板208、並びに第2透明基板202の外面に取り付けられる偏光板217、位相差板218、導光板219及び蛍光管220については、説明の簡便化のために省略してある。
次に以上のように構成された半透過反射型の電気光学装置の動作ついて図2を参照して説明する。
まず、反射表示について説明する。
この場合には、図2において、偏光板207の側(即ち、図2で上側)から外光が入射すると、偏光板207、位相差板208、透明な第1基板201及び液晶層50等を介して、第2基板202上に設けられた半透過反射型の画素電極9aのうち反射表示用の領域により反射され、液晶層50等を介して、カラーフィルタ500によって所定色に着色され、更に位相差板208により色補正済みの反射光として偏光板207側から出射される。ここで、外部回路から所定タイミングでデータ線6aに画像信号を供給すると共に走査線3aに走査信号を供給すれば、画素電極9aにおける液晶層50部分には、画像信号に対応する電界が印加される。従って、この印加電圧により液晶層50の配向状態を各画素単位で制御することにより、偏光板207から出射する光量を変調し、カラーの階調表示が可能となる。
次に透過表示について説明する。
この場合には、図2において第2基板202の下側から導光板219、偏光板217等を介してバックライト220からの光源光が入射すると、半透過反射型の画素電極9aにおける透過表示用の領域を透過し、カラーフィルタ500によって所定色に着色され、更に位相差板208により色補正済みの透過光として、偏光板207側から出射される。ここで、外部回路から所定タイミングでデータ線6aに画像信号を供給すると共に走査線3aに走査信号を供給すれば、画素電極9aにおける液晶層50部分には、画像信号に対応する電界が印加される。従って、この印加電圧により液晶層50の配向状態を各画素単位で制御することにより、偏光板207から出射する光量を変調し、カラーの階調表示が可能となる。
以上の結果、第1実施形態によれば、透過表示と反射表示との間で、液晶層50における偏光特性を揃えることが可能となると共に、カラーフィルタ500による色付け濃度についても揃えることが可能となる。
尚、図2では、説明の便宜上、位相差板や偏光板を、TFTアレイ基板10及び対向基板20の外面側に夫々一枚ずつ配置しているが、偏光板や位相差板の光学特性、配置個所、枚数等については、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて各種の態様を採用可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態における電気光学装置の構成及び動作について図10及び図11を参照して説明する。ここに、図10は、TFTアレイ基板の部分平面図であり、図11は、図10に示したLL’線に沿って切断したときの電気光学装置の断面図である。図10及び図11においては、図1から図9に示した第1実施形態の場合と同様の構成要素については同様の参照符号を付し、それらの説明は適宜省略する。尚、図11においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
第1実施形態では、対向基板側に、段差形成膜と柱状部との両方が形成されているが、第2実施形態では、対向基板側に段差形成膜が形成され、且つTFTアレイ基板側に柱状部が形成されている。
即ち図10及び図11に示すように、対向基板20’側には、遮光膜23及び柱状部520が形成されていない。他方、TFTアレイ基板10’側には、第1実施形態における遮光膜23とほぼ同様の平面領域に格子状の遮光膜11aが第2透明基板202に密着して形成されており、その上に透明な下地絶縁膜12が形成され、更にその上にTFT30等が形成されている。そして、第3層間絶縁膜43上であって、配向膜16の下地側に、柱状部53’が形成されている。加えて、図10に示した配向膜16に対するラビング方向550’についても、柱状部520’を基準としてラビング方向550’の下流側が大きく遮光膜11aで覆われるように規定されており、更に柱状部520’を基準とするラビング方向550’の下流側には、青のカラーフィルタ部分RB’が位置するように、ラビング方向550’とカラーフィルタ500との相対的な位置関係が規定されている。その他の構成及び動作については、図1から図9を参照して説明した第1実施形態の場合と同様である。
尚、第2実施形態では、遮光膜11aを、柱状部520’の存在するTFTアレイ基板10’側に形成しているが、第2実施形態においても、第1実施形態の場合と同様に遮光膜11a代えて又は加えて、対向基板20’側に遮光膜23を形成してもよい。
(電子機器)
次に、上述した各実施形態に係る半透過反射型の電気光学装置を電子機器に用いた例について図12から図14を参照して説明する。
先ず、上述した電気光学装置を、モバイル型コンピュータの表示部に適用した例について説明する。図12は、この構成を示す斜視図である。図12において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、表示部として用いられる表示装置1005とを備えている。
次に、上述した電気光学装置を、携帯電話の表示部に適用した例について説明する。図13は、この構成を示す斜視図である。図13において、携帯電話1250は、複数の操作ボタン1252のほか、受話口、送話口とともに、上述した電気光学装置を表示装置1005として備えるものである。
次に、上述した電気光学装置を、ファインダに用いたデジタルスチルカメラについて説明する。図14は、この構成を背面から示す斜視図である。デジタルスチルカメラ1300におけるケース1302の背面には、上述した電気光学装置が表示装置1005として設けられ、ケース1302の前面に設けられたCCD1304による撮像信号に基づいて、表示を行うようになっている。即ち、表示装置1005は、被写体を表示するファインダとして機能することになる。
なお、電子機器としては、これらの他、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーションシステム、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう電気光学装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
9a…画素電極、10…TFTアレイ基板、20…対向基板、21…透明電極、50…液晶層、201…第1透明基板、202…第2透明基板、500…カラーフィルタ、510…段差形成膜、520,520’…柱状部、550,550’…ラビング方向。