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JP4710618B2 - チューブクランプ装置 - Google Patents

チューブクランプ装置 Download PDF

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JP4710618B2 JP2006005132A JP2006005132A JP4710618B2 JP 4710618 B2 JP4710618 B2 JP 4710618B2 JP 2006005132 A JP2006005132 A JP 2006005132A JP 2006005132 A JP2006005132 A JP 2006005132A JP 4710618 B2 JP4710618 B2 JP 4710618B2
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Description

本発明は、柔軟性を有するチューブを挟持して、その内腔を閉塞し、あるいはチューブ内腔の流路断面積を調整するために用いられるチューブクランプ装置に関する。
輸液や輸血に際しては、輸液バッグまたは輸血バッグから、柔軟性を有するチューブを用いて薬液や血液を患者に送る。例えば、腹膜透析療法においては、透析患者の腹腔にシリコーンゴム製の腹膜カテーテルを埋植し、この腹腔カテーテルに接続されたトランスファーチューブ(エキステンションチューブ)を通して、腹腔内に対する腹膜透析液の導入及び排出を行う。このトランスファーチューブには、腹腔内に貯留した腹膜透析液が漏出しないように、チューブを閉塞するためのチューブクランプが装着されている。
従来、一般的に使用されているチューブクランプとしては、例えば特許文献1に記載されたような、チューブを閉塞するための押圧部材として機能するローラを、ハウジング中に移動可能に装着したものがある。ローラを指で回転させることにより位置を変化させると、ローラの位置に応じてハウジングの底面とのクリアランスが変化し、チューブを閉塞する状態と開放する状態が得られる。
また、特許文献2には、チューブをクランプする作用は特許文献1と同様であるが、操作をし易いように改良されたチューブクランプが記載されている。すなわち、ハウジングの内部にローラに代えて、移動可能な押圧部材と、押圧部材を移動させるためのレバー状の操作部材とを組み合わせて装着した構造を有する。押圧部材を指で直接操作する必要がなく、操作部材を、ハウジングへの取り付け箇所を支軸として回動させる。操作部材の端部の回動の軌跡が、押圧部材の端部と交差するように設定されており、その交差位置で操作部材の端部が押圧部材の端部に当接し、チューブをクランプする向きに押圧部材を移動させる。押圧部材自体を操作するよりも操作部材を操作する方が、小さい力でクランプ操作を容易かつ確実に行うことができる。
特開昭55−72986号公報 特開平7−100207号公報
特許文献1に記載のローラを指で操作する構造の場合、ローラを回転させて直線方向に移動させる操作に力を要し、微妙な操作をするのは困難である。操作力を軽減して操作性を向上させようとすると、ローラの径を大きくする必要がある。一方、小さな押圧力でチューブを確実に閉塞するには、ローラの径が小さい方が有利である。従って、特許文献1に記載の構造は、操作の容易性と閉塞作用の確実性を同時に良好にするには、構造的な矛盾が障害となる。
一方、特許文献2の構造を用いることにより、操作性は改善される。しかしながら、操作部材の端部の回動に伴う当接により押圧部材を移動させるため、十分な移動量を確保するためには押圧部材がある程度大きな寸法を有することが必要である。従って、押圧部材の寸法を小さくして、小さな力で確実な閉塞作用を得るには不適当な構造である。また、押圧部材は回転しないので、閉塞作用を得るために押圧部材を移動させると、チューブに対して押圧部材が摺動する状態が発生する。そのため、摩擦によりチューブに対するダメージが大きくなるおそれがある。
また、いずれの構造の場合も、チューブの開放状態と閉塞状態の区別を確認し難いため、不測の事故が発生する恐れがある。
以上のことを考慮して、本発明は、操作が容易で、チューブの開放状態と閉塞状態の区別を容易に確認可能なチューブクランプ装置を提供することを目的とする。
本発明のチューブクランプ装置は、前後方向に貫通し輸液チューブを挿通可能な内腔、および前記内腔を開口させて形成された上部窓を有するハウジングと、前記上部窓に上面が露出し前記内腔の前後方向に直線移動可能なように前記ハウジングに装着されたスライダと、前記上部窓に面して配置され前記ハウジングに回動可能に支持されて、その回動支点から伸びた基体部と前記基体部の先端から前記ハウジングの内腔に向かって屈曲して形成されたクランプヘッドとを有し、回動に伴い前記クランプヘッドの先端が前記内腔の内外方向に回動するクランプ部材とを備え、前記内腔の左右側壁内面に、前記上部窓に沿って前後方向に延びる案内溝が形成され、前記クランプ部材は前記基体部の側面に連係溝を有し、前記スライダは前記案内溝に係合してその移動が前後方向の直線移動に規制されるように案内されるとともに、前記クランプ部材側の端部に前記クランプ部材の回動支点よりも外方に位置する内方突起を有し、前記スライダの内方突起が前記クランプ部材の前記連係溝に係合して連係部を形成し、前記スライダの直線移動に伴い、前記連係部での係合を介して、前記スライダの直線移動が前記クランプヘッドの回動に変換されることを特徴とする。
上記構成のチューブクランプ装置によれば、上部窓から平面的に大きな面積で露出するスライダを平行移動させることにより、スライダとクランプ部材の連係を介して、容易にチューブをクランプすることができ、操作性が向上する。また、開放状態と閉塞状態との間で、クランプ部材の上部窓に対する状態が明確に相違するため、開閉状態の視認性がよく、指の触覚で開閉状態を把握することも可能である。
本発明のチューブクランプ装置において、好ましくは、前記クランプ部材の回動位置が外方端にある状態では、前記クランプ部材の上面が前記上部窓から外部に突出し、前記クランプ部材の回動位置が内方端にある状態では、前記クランプ部材の上面が前記上部窓内に収納されるように構成する。この構成によれば、クランプ部材がハウジングから突出した状態と、ハウジング内に収容された状態とを、視認あるいは指の触覚によりにより区別することが、更に容易になる。
また、好ましくは、前記クランプヘッドの回動位置が内方端にある状態では、前記内腔の前後方向における前記クランプ部材の回動支点に対して、前記クランプヘッドの先端の方が前記連係溝と前記内方突起の係合位置よりも近くなるように構成される。
この構成によれば、クランプされた輸液チューブ等からの反発力によりクランプヘッドの先端に押し戻す力が作用しても、クランプ状態は解除され難く、クランプ状態を安定して保持することができる。
また、前記クランプ部材が、前記ハウジング及び前記スライダとは異なる色彩を有することが好ましい。それにより、クランプ部材の動作状態、すなわちクランプの開閉状態の視認性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態におけるチューブクランプ装置について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態におけるチューブクランプ装置の斜視図である。なお、同図は、チューブ開放状態にあるチューブクランプ装置を示す。図2はその平面図、図3は
図2におけるA−A断面を示す断面図である。図4は、チューブクランプ装置の分解斜視図である。
このチューブクランプ装置は、ハウジング1と、スライダ2と、クランプ部材3とから構成される。
ハウジング1は、その前後方向に貫通した内腔4を有する。内腔4は、輸液チューブ5(図3参照)のような流路を形成するチューブを挿通できるように形成されている。ハウジング1の上面には、内腔4を開口させて形成された上部窓6を有する。スライダ2は、ハウジング1の上部窓6に上面が露出し、内腔4の前後方向に直線移動可能なようにハウジング1に装着されている。クランプ部材3は、上部窓6に面して配置され、ハウジング1に回動可能に支持されている。クランプ部材3は、その回動支点から伸びた基体部3aと、基体部3aの先端からハウジング1の内腔4に向かって屈曲して形成されたクランプヘッド3bとからなる。基体部3aの回動に伴い、クランプヘッド3aの先端は、内腔4の内外方向に回動する。
クランプ部材3は、基体部3aの側面に連係溝7を有する。スライダ2は、クランプ部材3側の端部に内方突起8を有し、その内方突起8がクランプ部材3の連係溝7に係合している。この連係溝7と内方突起8の係合により、クランプ部材3とスライダ2の連係部が形成されている。それにより、スライダ2の直線移動に伴い、連係溝7と内方突起8の係合を介して、スライダ2の直線移動がクランプヘッド3bの回動に変換される。すなわち、スライダ2を前後方向に直線移動させることにより、クランプヘッド3bの先端が、上部窓6を通して内腔4の内部に向かって押し込まれ、あるいは、上部窓6から外側に引き出される。図1〜図3は、クランプヘッド3bの先端が、上部窓6から外側に引き出されている状態を示す。この状態では、スライダ2がクランプ部材3から最も離間する側に位置しており、図3の断面図に示されるように、クランプヘッド3bの先端3cは、輸液チューブ5を押圧することがなく、輸液チューブ5の内腔は開放状態である。
図3に示されるように、内腔4の左右側壁内面に、上部窓6に沿って前後方向に延びる案内溝9が形成されている。スライダ2は、図3においては上部窓6から露出し内方突起8が形成された操作部2aと、内腔4内に位置し規制突起10が形成された摺動部2bとからなる。規制突起10は案内溝9に係合し、それにより、スライダ2はその移動が前後方向の直線移動に規制される。スライダ2の全体構造は、図4の分解斜視図に明確に示される。クランプ部材3は、基体部3aの基端部に支軸11を有する。支軸11は、ハウジング1の側壁の上部窓6近傍に設けられた嵌合孔12に嵌合して回動支点を形成し、それによりクランプ部材3がハウジング1に回動自在に支持されている。嵌合孔12、すなわちクランプ部材3の回動支点の位置に対して、スライダ2の内方突起8は、より外側に位置する。従って、スライダ2がクランプ部材3から遠ざかる向きに移動させられるときには、クランプヘッド3bの先端3cが、上部窓6から外側に引き出される向きに回動させられる。
図5〜図7は、上記構成のチューブクランプ装置により、輸液チューブ5を閉塞させている状態を示す。図5はその斜視図、図6は平面図である。図7は、図6におけるB−B断面を示す。
この状態では、スライダ2は、クランプ部材3の側にスライドさせられている。従って図7に示すように、スライダ2の内方突起8は、クランプ部材3の基体部3aの連係溝7
に対して、支軸11からの最遠端に位置している。その結果、クランプヘッド3bの先端3cが、内腔4に最も深く押し込まれ、輸液チューブ5を押圧してその内腔を閉塞させている。
図7に示されるように、クランプヘッド3bの回動位置が内方端にある状態では、内腔4の前後方向におけるクランプ部材3の支軸11(回動支点)に対して、クランプヘッド3bの先端3cの方が、連係溝7と内方突起8の係合位置よりも近くなるように構成されている。このような位置関係によれば、輸液チューブ5からの反発力によりクランプヘッド3bの先端3cを押し戻す力が作用しても、スライダ2に対して作用するクランプ状態を解除する向きの力は僅かである。従って、クランプ状態を安定して保持することができる。
以上のように、本実施の形態のチューブクランプ装置は、その内腔4に輸液チューブ5を挿通し、スライダ2の操作部2aに指を押し当ててスライドさせて、図5〜図7に示した状態にスライダ2を位置させることにより、輸液チューブ5の内腔が閉塞されて、クランプ状態となる。一方、図1〜図3に示した状態にスライダ2を位置させることにより、輸液チューブ5の内腔が開放されて、クランプ状態が解除される。このように、スライダ2の並行移動により状態の変化を操作できるので、従来例のように小径のローラを操作する場合に比べて、軽い力で容易に操作できる。
また、図1〜図3の開放状態では、クランプ部材3が上部窓6から露出し、図5〜図7の閉塞状態では、クランプ部材3が上部窓6から露出する面積は極めて小さくなる。従って、開放状態と閉塞状態を容易に視認できる。また、視認しなくても、指の感触により状態の認識が可能である。このような状態の認識性は、本実施の形態の次の特徴により、更に向上する。すなわち、図1〜図3の開放状態では、クランプ部材3の上面が上部窓6から外部に突出し、図5〜図7の閉塞状態では、クランプ部材3上面が上部窓6内に収納される。このように本実施の形態によれば、ハウジング1から突出している部分の存在の有無を視認あるいは指の触覚により容易に感知することができるので、クランプの開閉状態を容易に認識可能である。
例えば腹膜透析患者は視覚が不自由な場合が多いので、この点は効果的である。なお、腹膜透析の際にはクランプを腹部の近くに配置するので、クランプ部材3の突出を触覚で認識することは操作に便利である。また、クランプ部材3に周囲の部分と異なる着色を施すことで、視認性を更に高めることもできる。
例えば、ハウジング1、スライダ2を白色などの淡色とし、クランプ部材3を赤色、黄色などにすれば、ハウジング1及びスライダ2に対してクランプ部材3を色彩的に明確なコントラストをもって識別できるので、クランプの開閉状態が認識容易となる。また、クランプ部材3が赤色、黄色などに呈色されていれば、警告表示あるいは注意を喚起する色彩として表示されるため、視認性向上のためにはより効果的である。なお、ハウジング1とスライダ2とを異なる色彩としてもよい。更にクランプの色彩に基づいてその開閉状態が認識可能になれば、患者のみならず患者を監視する医療従事者、介護者にとって、遠目にその開閉状態の認識が可能になるため、より安全なチューブクランプ装置の提供が可能となる。
さらに、本実施の形態におけるチューブクランプ装置によれば、クランプヘッド3bの先端3cが、内腔4に押し込まれ、輸液チューブ5を押圧してその内腔を閉塞させる際には、輸液チューブ5を実質的に横方向に圧搾するだけである。従って、輸液チューブ5の内腔に存在する輸液がクランプ操作に伴って移動する量は僅かであり、輸液が患者側コネクタ先端側に押し出されることがなく、液漏れすることがない。一方、従来のローラを前後方向に移動させて流路を閉塞させる構造の場合は、輸液チューブを閉塞したときに、患者側コネクタ先端からチューブ内の輸液が漏れ出ることがあり、不衛生である。
本発明のチューブクランプ装置は、操作が容易で、チューブの開放状態と閉塞状態の区別を容易に確認可能であって、輸液や輸血に用いるのに有用である。
本発明の実施の形態におけるチューブクランプ装置のチューブ開放状態における斜視図 同チューブクランプ装置の平面図 同チューブクランプ装置の図2におけるA−A断面を示す断面図 同チューブクランプ装置の分解斜視図 同チューブクランプ装置のチューブ閉塞状態における斜視図 同チューブクランプ装置の平面図 同チューブクランプ装置の図6におけるB−B断面を示す断面図
符号の説明
1 ハウジング
2 スライダ
2a 操作部
2b 摺動部
3 クランプ部材
3a 基体部
3b クランプヘッド
4 内腔
5 輸液チューブ
6 上部窓
7 連係溝
8 内方突起
9 案内溝
10 規制突起
11 支軸
12 嵌合孔

Claims (4)

  1. 前後方向に貫通し輸液チューブを挿通可能な内腔、および前記内腔を開口させて形成された上部窓を有するハウジングと、
    前記上部窓に上面が露出し前記内腔の前後方向に直線移動可能なように前記ハウジングに装着されたスライダと、
    前記上部窓に面して配置され前記ハウジングに回動可能に支持されて、その回動支点から伸びた基体部と前記基体部の先端から前記ハウジングの内腔に向かって屈曲して形成されたクランプヘッドとを有し、回動に伴い前記クランプヘッドの先端が前記内腔の内外方向に回動するクランプ部材とを備え、
    前記内腔の左右側壁内面に、前記上部窓に沿って前後方向に延びる案内溝が形成され、
    前記クランプ部材は前記基体部の側面に連係溝を有し、
    前記スライダは前記案内溝に係合してその移動が前後方向の直線移動に規制されるように案内されるとともに、前記クランプ部材側の端部に前記クランプ部材の回動支点よりも外方に位置する内方突起を有し、
    前記スライダの内方突起が前記クランプ部材の前記連係溝に係合して連係部を形成し、
    前記スライダの直線移動に伴い、前記連係部での係合を介して、前記スライダの直線移動が前記クランプヘッドの回動に変換されることを特徴とするチューブクランプ装置。
  2. 前記クランプ部材の回動位置が外方端にある状態では、前記クランプ部材の上面が前記上部窓から外部に突出し、前記クランプ部材の回動位置が内方端にある状態では、前記クランプ部材の上面が前記上部窓内に収納される請求項1に記載のチューブクランプ装置。
  3. 前記クランプヘッドの回動位置が内方端にある状態では、前記内腔の前後方向における前記クランプ部材の回動支点に対して、前記クランプヘッドの先端の方が前記連係溝と前記内方突起の係合位置よりも近くなるように構成された請求項1に記載のチューブクランプ装置。
  4. 前記クランプ部材が、前記ハウジング及び前記スライダとは異なる色彩を有する請求項1からのいずれかの項に記載のチューブクランプ装置。
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