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JP4709511B2 - マスクパターン補正方法、マスクパターン補正プログラム、フォトマスクの作製方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

マスクパターン補正方法、マスクパターン補正プログラム、フォトマスクの作製方法及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マスクパターンの補正技術に関し、特に、マスクパターン補正方法、マスクパターン補正プログラム、フォトマスクの作製方法及び半導体装置の製造方法に関する。
近年の半導体集積回路の製造技術の進歩は非常に目覚しく、最小加工寸法0.13μmサイズの半導体集積回路が量産されている。半導体集積回路の微細化は、マスクプロセス技術、フォトリソグラフィ技術、及びエッチング技術等の微細パターン形成技術の飛躍的な進歩により実現されている。パターンサイズが十分大きい時代には、ウェハ上に形成したいデバイスパターンの平面形状をそのまま設計パターンとして描き、設計パターンに忠実なマスクパターンを作成し、マスクパターンを投影光学系によってウェハ上に転写し、下地を加工していた。その結果、ほぼ設計パターン通りのデバイスパターンが形成できた。
しかし、パターンの微細化が進むにつれて、デバイスパターンの寸法が設計パターン寸法通りにならない問題が生じてきた。このため、デバイスパターンの寸法が設計パターン寸法と等しくなるようにマスクパターンを補正する処理(以下、「マスクデータ処理」という。)が非常に重要になっている。マスクデータ処理には、光近接効果(OPE)を補正するための光近接効果補正(OPC)処理が知られている。
近年では、デバイスパターンの微細化に伴いリソグラフィプロセスにおけるk1値((k1=W/(NA/λ)、W:設計パターン寸法、λ:露光波長、NA:投影レンズの開口数)がますます低減している。その結果、OPEがより増大する傾向にあるため、OPC処理の負荷が非常に大きくなっている。OPC処理の高精度化を達成する手法としては、光強度シミュレータを用いてOPEを予測してマスクパターンを補正する「モデルベースOPC」が主流となっている。
モデルベースOPCにおいては、ベストフォーカス値等の特定のプロセス条件においてデバイスパターンの寸法が設計パターンの寸法通りとなるようにマスクパターンを補正する(例えば、特許文献1参照。)。このため、マスクパターンを転写してデバイスパターンを形成するときに、特定のプロセス条件からずれてしまうと、デバイスパターンの寸法がずれてしまいデバイスパターンにより実現される素子の所望のスペックが得られない場合がある。所望のスペックを得るためには、特定のプロセス条件でデバイスパターンを形成しなければならず、プロセスマージンを十分に確保できない。
特開2001−013668号公報
本発明は、デバイスパターンを形成するときのプロセスマージンを十分に確保でき、且つデバイスパターンにより実現される素子の所望のスペックを確保できるマスクパターン補正方法、マスクパターン補正プログラム、フォトマスクの作製方法及び半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の特徴は、(イ)位置ずれ量予測部が、マスクパターン記憶装置に格納されたデバイスパターンを形成するマスクパターンを読み出す手順と、(ロ)位置ずれ予測部が、ばらつき量記憶装置に格納されたプロセス条件のばらつき量を読み出す手順と、(ハ)位置ずれ量予測部が、マスクパターン及びばらつき量を用いて、ばらつき量に応じたデバイスパターンの位置ずれ量を予測する手順と、(ニ)補正部が、許容位置ずれ量記憶装置に格納されたデバイスパターンの許容位置ずれ量を読み出す手順と、(ホ)補正部が、位置ずれ量が許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定する手順と、(ヘ)補正部が、光近接効果補正量を用いてマスクパターンを補正する手順とを含み、位置ずれ量を予測する手順は、ばらつき量内の複数のプロセス条件に応じた複数の位置ずれ量をそれぞれ予測し、複数の位置ずれ量の平均値を算出するマスクパターン補正方法であることを要旨とする。また、本発明の他の特徴は、(イ)位置ずれ量予測部が、マスクパターン記憶装置に格納されたデバイスパターンを形成するマスクパターンを読み出す手順と、(ロ)位置ずれ予測部が、ばらつき量記憶装置に格納されたプロセス条件のばらつき量を読み出す手順と、(ハ)位置ずれ量予測部が、マスクパターン及びばらつき量を用いて、ばらつき量に応じたデバイスパターンの位置ずれ量を予測する手順と、(ニ)補正部が、許容位置ずれ量記憶装置に格納されたデバイスパターンの許容位置ずれ量を読み出す手順と、(ホ)補正部が、位置ずれ量が許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定する手順と、(ヘ)補正部が、光近接効果補正量を用いてマスクパターンを補正する手順とを含み、位置ずれ量を予測する手順は、複数のプロセス条件に応じた複数の位置ずれ量をそれぞれ予測し、複数の位置ずれ量にそれぞれ重み付けし、重み付けされた複数の位置ずれ量の平均値を算出するマスクパターン補正方法であることを要旨とする。また、本発明の更に他の特徴は、(イ)位置ずれ量予測部が、マスクパターン記憶装置に格納されたデバイスパターンを形成するマスクパターンを読み出す手順と、(ロ)位置ずれ予測部が、ばらつき量記憶装置に格納されたプロセス条件のばらつき量を読み出す手順と、(ハ)位置ずれ量予測部が、マスクパターン及びばらつき量を用いて、ばらつき量に応じたデバイスパターンの位置ずれ量を予測する手順と、(ニ)補正部が、許容位置ずれ量記憶装置に格納されたデバイスパターンの許容位置ずれ量を読み出す手順と、(ホ)補正部が、位置ずれ量が許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定する手順と、(ヘ)補正部が、光近接効果補正量を用いてマスクパターンを補正する手順とを含み、位置ずれ量を予測する手順は、デバイスパターンの寸法を予測し、予測されたデバイスパターンの寸法とデバイスパターンに対応する設計パターン寸法の差分を位置ずれ量として算出するマスクパターン補正方法であることを要旨とする。また、本発明の更に他の特徴は、(イ)位置ずれ量予測部が、マスクパターン記憶装置に格納されたデバイスパターンを形成するマスクパターンを読み出す手順と、(ロ)位置ずれ予測部が、ばらつき量記憶装置に格納されたプロセス条件のばらつき量を読み出す手順と、(ハ)位置ずれ量予測部が、マスクパターン及びばらつき量を用いて、ばらつき量に応じたデバイスパターンの位置ずれ量を予測する手順と、(ニ)補正部が、許容位置ずれ量記憶装置に格納されたデバイスパターンの許容位置ずれ量を読み出す手順と、(ホ)補正部が、位置ずれ量が許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定する手順と、(ヘ)補正部が、光近接効果補正量を用いてマスクパターンを補正する手順とを含み、位置ずれ量を予測する手順は、デバイスパターンのエッジを複数に分割し、複数のエッジ毎に位置ずれ量をそれぞれ予測するマスクパターン補正方法であることを要旨とする。また、本発明の更に他の特徴は、(イ)位置ずれ量予測部が、マスクパターン記憶装置に格納されたデバイスパターンを形成するマスクパターンを読み出す手順と、(ロ)位置ずれ予測部が、ばらつき量記憶装置に格納されたプロセス条件のばらつき量を読み出す手順と、(ハ)位置ずれ量予測部が、マスクパターン及びばらつき量を用いて、ばらつき量に応じたデバイスパターンの位置ずれ量を予測する手順と、(ニ)補正部が、許容位置ずれ量記憶装置に格納されたデバイスパターンの許容位置ずれ量を読み出す手順と、(ホ)補正部が、位置ずれ量が許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定する手順と、(ヘ)補正部が、光近接効果補正量を用いてマスクパターンを補正する手順と、ばらつき量決定部が、複数のデバイスパターンに共通のばらつき量を決定する手順とを含むマスクパターン補正方法であることを要旨とする。
本発明の更に他の特徴は、マスクパターン補正システムにおいて、(イ)位置ずれ量予測部が、マスクパターン記憶装置に格納されたデバイスパターンを形成するマスクパターンを読み出す命令と、(ロ)位置ずれ予測部が、ばらつき量記憶装置に格納されたプロセス条件のばらつき量を読み出す命令と、(ハ)位置ずれ量予測部が、マスクパターン及びばらつき量を用いて、ばらつき量に応じたデバイスパターンの位置ずれ量を予測する命令と、(ニ)補正部が、許容位置ずれ量記憶装置に格納されたデバイスパターンの許容位置ずれ量を読み出す命令と、(ホ)補正部が、位置ずれ量が許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定する命令と、(ヘ)補正部が、光近接効果補正量を用いてマスクパターンを補正する命令とを実行させ、位置ずれ量を予測する命令は、ばらつき量内の複数のプロセス条件に応じた複数の位置ずれ量をそれぞれ予測する命令と、複数の位置ずれ量の平均値を算出する命令とを含むマスクパターン補正プログラムであることを要旨とする。
本発明の更に他の特徴は、(イ)プロセス条件のばらつき量に応じたデバイスパターンの位置ずれ量を予測し、位置ずれ量がデバイスパターンの許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定し、光近接効果補正量を用いて補正されたマスクパターンのマスクデータを生成し、マスクデータをマスクパターン記憶装置に格納する手順と、(ロ)遮光膜上にフォトレジスト膜を塗布されたマスク基板をパターンジェネレータのマスク基板ステージに搭載する手順と、(ハ)マスクデータをマスクパターン記憶装置から読み出し、パターンジェネレータにより、マスクデータに基づいてフォトレジスト膜を露光し、現像することにより、フォトレジスト膜に補正されたマスクパターンを転写する手順と、(ニ)フォトレジスト膜をマスクとして用いて遮光膜を加工し、遮光膜により補正されたマスクパターンをマスク基板に形成する手順を含み、位置ずれ量を予測することは、ばらつき量内の複数のプロセス条件に応じた複数の位置ずれ量をそれぞれ予測し、複数の位置ずれ量の平均値を算出することを含むマスク作製方法であることを要旨とする。
本発明の更に他の特徴は、(イ)プロセス条件のばらつき量に応じた設計パターンに対応するデバイスパターンの位置ずれ量を予測し、位置ずれ量がデバイスパターンの許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定し、光近接効果補正量を用いてマスクパターンを補正し、補正されたマスクパターンが形成されたフォトマスクを作製する工程と、(ロ)半導体ウェハにレジスト膜を塗布する工程と、(ハ)フォトマスクを用いてマスクパターンをレジスト膜に転写し、加工用マスクを形成する工程と、(ニ)加工用マスクを用いて半導体ウェハを加工する工程とを含み、位置ずれ量を予測することは、ばらつき量内の複数のプロセス条件に応じた複数の位置ずれ量をそれぞれ予測し、複数の位置ずれ量の平均値を算出することを含む半導体装置の製造方法であることを要旨とする。
本発明によれば、デバイスパターンを形成するときのプロセスマージンを十分に確保でき、且つデバイスパターンにより実現される素子の所望のスペックを確保できるマスクパターン補正方法、マスクパターン補正プログラム、フォトマスクの作製方法及び半導体装置の製造方法を提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
(第1の実施の形態)
本発明の実施の形態に係るマスクパターン補正システムは、図1に示すように、中央処理装置(CPU)1、設計パターン記憶装置2、マスクパターン記憶装置3、許容位置ずれ量記憶装置4、ばらつき量記憶装置5、入力装置7、出力装置8及び主記憶装置9を備える。設計パターン記憶装置2は、半導体集積回路の設計パターンを格納する。設計パターンとしては、孤立パターンや、ライン・アンド・スペース(L/S)パターン等の種々の図形がある。設計パターン記憶装置2は、例えば図2に示すような設計パターン(孤立パターン)101を格納する。
図1に示したマスクパターン記憶装置3は、設計パターン記憶装置2に格納された設計パターンに対応する補正前のマスクパターンを格納する。「補正前のマスクパターン」とは、光近接効果補正される前のパターンや、仮設定された光近接効果補正量で補正されたパターンを意味する。マスクパターン記憶装置3は、例えば図2に示した設計パターン101に対応する図3に示すような補正前のマスクパターン102を格納する。
実際の半導体集積回路の製造工程においては、図3に示したマスクパターン102を含むマスクデータに基づいて、電子ビーム描画装置(パターンジェネレータ)を用いて石英ガラスなどのマスク基板上にフォトマスクが作製される。そして、露光装置(ステッパ)を用いてフォトマスクのマスクパターンが半導体ウェハ上のフォトレジスト膜に転写され現像され、フォトレジスト膜がパターニングされる。パターニングされたフォトレジスト膜を加工用マスクとして用いて下地膜が加工される。この結果、図4に示すようなデバイスパターン103が形成される。本発明の実施の形態では、後述するように、図2に示した設計パターン101及び図3に示したマスクパターン102から、図に示したデバイスパターン103がシミュレーションで予測される。
ここで、デバイスパターン103を形成するときに、種々のプロセス条件がばらつくために、図4に示すように設計パターン101の寸法Wdに対してデバイスパターン103の寸法Wpの位置ずれ量(以下、単に「位置ずれ量」という。)ΔWpが生じる場合がある。ここで、「プロセス条件」としては、例えばマスクパターンをレジスト膜に転写するときの露光量、フォーカス値、収差、及び照明形状や、マスクパターンが転写されたレジストパターンの寸法、及びマスクパターンが転写されたレジストパターンをマスクとして下地膜を加工するときのエッチング条件等がある。
図1に示したCPU1は、許容位置ずれ量決定部11、ばらつき量決定部12、位置ずれ量予測部13、及び補正部14を備える。許容位置ずれ量決定部11は、設計パターン記憶装置2に格納された設計パターン101に対応するデバイスパターン103で実現される素子の所望のスペック等に基づいて許容位置ずれ量を決定する。「許容位置ずれ量」とは、デバイスパターン103により実現される素子の所望のスペックを得ることのできる、許容される位置ずれ量を意味する。なお、許容位置ずれ量は、入力装置7等を介して許容位置ずれ量記憶装置4に予め格納されていても良い。
図1に示したばらつき量決定部12は、許容位置ずれ量記憶装置4に格納された許容位置ずれ量や、露光装置のスペック等に基づいて、デバイスパターン103を形成するときのプロセス条件のばらつき量を決定する。「プロセス条件のばらつき量」としては、例えばマスクパターンをレジスト膜に転写するときの露光量のばらつき量、フォーカス値のばらつき量、収差のばらつき量、及び照明形状のばらつき量や、マスクパターンが転写されたレジストパターンの寸法のばらつき量、及びマスクパターンが転写されたレジストパターンをマスクとして下地膜を加工するときのエッチング条件のばらつき量等がある。
図5に示すEDツリーに、図2に示した設計パターン(孤立パターン)101における位置ずれ量が±10%の場合の露光量及びフォーカス値を実線(ΔWp=±10%)でそれぞれ示す。また、位置ずれ量が0、即ち設計パターン101の寸法Wdとデバイスパターン103の寸法Wpが一致する場合の露光量及びフォーカス値を一点鎖線(ΔWp=0)で示す。ここで、許容位置ずれ量が−10〜10%の場合、実線(ΔWp=±10%)で挟まれた領域内が許容位置ずれ量を達成できる露光量及びフォーカス値となる。
許容位置ずれ量が−10〜10%の場合、図1に示したばらつき量決定部12は、図5に示すように例えば四角形のプロセス条件のばらつき量(ウインドウ)ΔP1を決定する。プロセス条件のばらつき量ΔP1のX軸には露光量の下限値d1〜上限値d2のばらつき量ΔD1が定義される。Y軸にはフォーカス値の下限値f1〜上限値f2のばらつき量ΔF1が定義される。なお、プロセス条件のばらつき量ΔP1は、図1に示した入力装置7等を介してばらつき量記憶装置5に予め格納されていても良い。
位置ずれ量予測部13は、マスクパターン記憶装置3に格納された図3に示した補正前のマスクパターン102、及びばらつき量記憶装置5に格納された図5に示したプロセス条件のばらつき量ΔP1を読み出して、プロセス条件のばらつき量ΔP1に応じた図4に示した位置ずれ量ΔWpをシミュレーションにより予測する。図1に示した位置ずれ量予測部13は、寸法予測モジュール131、位置ずれ量算出モジュール132、及び平均値算出モジュール133を備える。
寸法予測モジュール131は、ばらつき量記憶装置4に格納された図5に示したプロセス条件のばらつき量ΔP1を読み出して、プロセス条件のばらつき量ΔP1の限界値P11〜P16のプロセス条件にそれぞれ応じた複数のデバイスパターン103の寸法Wpをそれぞれ予測する。プロセス条件のばらつき量ΔP1の限界値P11〜P16はそれぞれ、フォーカス値の上限値f2における露光量の下限値d1及び上限値d2、ベストフォーカス値f0における露光量の下限値d1及び上限値d2、フォーカス値の下限値f1における露光量の下限値d1及び上限値d2に選ばれる。
図1に示した位置ずれ量算出モジュール132は、図4に示した複数のデバイスパターン103の寸法Wpと設計パターン101の寸法Wdの差分(Wd−Wp)を位置ずれ量ΔWpとしてそれぞれ算出する。例えば、図5に示したプロセス条件のばらつき量ΔP1の複数の限界値P11〜P16のプロセス条件に応じた複数の位置ずれ量ΔWpの値として、2nm、−7nm、4nm、−6nm、2nm、−7nmがそれぞれ算出される。図1に示した平均値算出モジュール133は、位置ずれ量算出モジュール132により算出された複数の位置ずれ量ΔWpの平均値(例えば2nm)を算出する。
補正部14は、補正量決定モジュール141及び補正モジュール142を備える。補正量決定モジュール141は、許容位置ずれ量記憶装置4に格納された許容位置ずれ量を読み出して、平均値算出モジュール133により算出された複数の位置ずれ量ΔWpの平均値が許容位置ずれ量内に収まるか判定して、許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量ΔWcを決定する。補正量決定モジュール141は、例えば許容位置ずれ量が−1nm〜1nmで且つ複数の位置ずれ量ΔWpの平均値が−2nmの場合、光近接効果補正量ΔWcを1nmと決定する。補正モジュール142は、図6に示すように、補正量決定モジュール141により決定された光近接効果補正量ΔWcを用いて、補正前のマスクパターン102の寸法Wmを光近接効果補正量ΔWcだけ補正(拡大)する。
図1に示したCPU1は、図示を省略した記憶装置管理手段を更に備える。設計パターン記憶装置2、許容位置ずれ量記憶装置4、ばらつき量記憶装置5、及びマスクパターン記憶装置3との入出力が必要な場合は、この記憶装置管理手段を介して、必要なデータのやりとりがなされる。
図1に示したマスクパターン記憶装置3は、補正部14により補正された補正後のマスクパターン102も格納する。入力装置7としては、例えばキーボード、マウス、OCR等の認識装置、イメージスキャナ等の図形入力装置、音声入力装置等の特殊入力装置が使用可能である。出力装置8としては、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ等の表示装置や、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ等の印刷装置等を用いることができる。
主記憶装置9には、ROM及びRAMが組み込まれている。ROMは、CPU1において実行されるプログラムを格納しているプログラム記憶装置等として機能する(プログラムの詳細は後述する。)。RAMは、CPU1におけるプログラム実行処理中に利用されるデータ等を一時的に格納したり、作業領域として利用される一時的なデータメモリ等として機能する。主記憶装置9としては、例えば半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクや磁気テープ等が採用可能である。また、入力装置7及び出力装置8等をCPU1につなぐ図示を省略した入出力制御装置(インターフェース)を備える。
次に、本発明の実施の形態に係るマスクパターン補正方法を図7のフローチャートを参照しながら説明する。
(イ)ステップS1において、図1に示した許容位置ずれ量決定部11は、素子の所望のスペック等に基づいて、図4に示したデバイスパターン103の許容位置ずれ量を決定する。なお、許容位置ずれ量は図1に示した許容位置ずれ量記憶装置4に予め格納されていても良い。ばらつき量決定部12は、許容位置ずれ量記憶装置4に格納されたデバイスパターンの許容位置ずれ量に基づいて、図に示すように許容プロセス条件のばらつき量ΔP1を決定する。なお、プロセス条件のばらつき量ΔP1は、図1に示したばらつき量記憶装置5に予め格納されていても良い。
(ロ)ステップS21において、図1に示した寸法予測モジュール131は、マスクパターン記憶装置3に格納されたマスクパターン102、及びばらつき量記憶装置5に格納された図に示したプロセス条件のばらつき量ΔP1を読み出して、プロセス条件のばらつき量ΔP1の複数の限界値P11〜P16におけるプロセス条件にそれぞれ応じた、複数の図4に示したデバイスパターン103の寸法Wpをそれぞれ予測する。ステップS22において、図1に示した位置ずれ量算出モジュール132は、図4に示した予測されたデバイスパターン103の寸法Wpと設計パターン101の寸法Wdとの差分をとり複数の位置ずれ量ΔWpをそれぞれ算出する。ステップS23において、図1に示した平均値算出モジュール133は、位置ずれ量算出モジュール132により算出された複数の位置ずれ量ΔWpの平均値を算出する。
(ハ)ステップS31において、補正量決定モジュール141は、許容位置ずれ量記憶装置4に格納された許容位置ずれ量ΔWpを読み出して、平均値算出モジュール133により算出された複数の位置ずれ量ΔWpの平均値が、許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量ΔWcを決定する。ステップS32において、補正モジュール142は、補正量決定モジュール141により決定された光近接効果補正量ΔWcを用いて図6に示すようにマスクパターン102を補正する。
本発明の実施の形態によれば、図5に示したプロセス条件のばらつき量ΔP1に応じた図4に示した位置ずれ量ΔWpを予測して図6に示すようにマスクパターン102を補正しているので、図5に示したプロセス条件のばらつき量ΔP1をプロセスマージンとして得ることができる
また、複数の位置ずれ量ΔWpがそれぞれ許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量ΔWcを決定することは、非常に計算処理負荷が大きい。これに対して、図1に示した平均値算出モジュール133が複数の位置ずれ量ΔWpの平均値を算出し、補正量決定モジュール141は平均値が許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量ΔWcを決定するので、計算負荷を小さくできる。このため、光近接効果補正量ΔWcを容易に決定することができるうえ、プロセス条件のばらつき量ΔP1をプロセスマージンとして安定して確保できる。
図7に示した一連の操作は、図7と等価なアルゴリズムのプログラムにより、図1に示したマスクパターン補正システムを制御して実行できる。プログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に保存し、この記録媒体をマスクパターン補正システムのプログラム記憶装置に読み込ませることにより、本発明の一連の操作を実行することができる。ここで、「コンピュータ読取り可能な記録媒体」とは、例えばコンピュータの外部メモリ装置、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録することができるような媒体などを意味する。具体的には、フレキシブルディスク、CD−ROM,MOディスク、カセットテープ、オープンリールテープなどが「コンピュータ読取り可能な記録媒体」に含まれる。例えば、マスクパターン補正システムの本体は、フレキシブルディスク装置(フレキシブルディスクドライブ)及び光ディスク装置(光ディスクドライブ)を内蔵若しくは外部接続するように構成できる。フレキシブルディスクドライブに対してはフレキシブルディスクを、また光ディスクドライブに対してはCD−ROMをその挿入口から挿入し、所定の読み出し操作を行うことにより、これらの記録媒体に格納されたプログラムをマスクパターン補正システムを構成するプログラム記憶装置にインストールすることができる。また、所定のドライブ装置を接続することにより、例えばゲームパック等に利用されているメモリ装置としてのROMや、磁気テープ装置としてのカセットテープを用いることもできる。更に、インターネット等の情報処理ネットワークを介して、このプログラムをプログラム記憶装置に格納することが可能である。
次に、本発明の実施の形態に係る半導体集積回路(LSI)の製造方法を図のフローチャートを参照しながら説明する。
(イ)まず、ステップS100において、プロセス・マスクシミュレーションやデバイスシミュレーションにより、電気的特性を得る。電気的特性を用いてLSIの回路シミュレーションが行われ、製造工程の各段階に対応したデバイスパターンの設計パターンのレイアウトデータ(設計データ)を層毎に生成する。
(ロ)次に、ステップS210において、ステップS100で生成された各層に対応するレイアウトデータの設計パターンに対して、光近接効果補正量を仮設定したマスクパターンを生成する。生成されたマスクパターンは、図1に示したマスクパターン記憶装置3に格納される。図1に示した位置ずれ量予測部13が、マスクパターン記憶装置3に格納されたマスクパターン、及びばらつき量記憶装置5に格納されたプロセス条件のばらつき量を用いて、プロセス条件のばらつき量に応じた位置ずれ量を算出する。補正部14が、位置ずれ量が許容位置ずれ量内に収まるようにマスクパターンの光近接効果補正量を決定し、光近接効果補正量を用いて補正されたマスクパターンのマスクデータを生成する。マスクデータは、図1に示したマスクパターン記憶装置2に格納される。一方、ステップS211において、石英ガラス等の透明基板上にクロム(Cr)等の遮光膜(金属膜)を成膜されたマスク基板を用意する。一般にはマスク基板上にはフォトレジスト膜が塗布されているが、塗布されていない場合にはフォトレジストを塗布して、プリベークする。ステップS212において、図1に示したマスクパターン記憶装置2に格納されたマスクデータが読み出され、描画データ変換手段により描画データに変換される。マスク基板をパターンジェネレータ(PG)のマスク基板ステージに搭載後、描画データを用いてマスク基板上のフォトレジスト膜に露光して現像することで、フォトレジスト膜に補正されたマスクパターンを転写する。その後、洗浄及びポストベーク(キュア)が実施される。ステップS213において、フォトレジスト膜(レジストパターン)をマスクとして用いて、反応性イオンエッチング(RIE)等により、マスク基板の遮光膜を加工する。ステップS214において、アッシングにより残存したフォトレジスト膜が除去される。この結果、補正されたマスクパターンがマスク基板に形成され、フォトマスクが作製される。なお、フォトマスクはLSIの製造工程の各段階に対応した各層分作製されてフォトマスクのセットが用意される。
(ハ)ステップS302におけるフロントエンド工程(基板工程)では、ステップS310における酸化工程、ステップS311におけるレジスト塗布工程、ステップS312におけるフォトリソグラフィ工程、ステップS313におけるイオン注入工程及びステップS314における熱処理工程等が繰り返して実施される。ステップS311において、半導体ウェハ上にレジスト膜を塗布する。ステップS312において、ステップS200で作製されたフォトマスクを用いてマスクパターンを半導体ウェーハ上のレジスト膜に転写する。その後現像して、レジスト膜からなる加工用マスクが形成される。ステップS312において、加工用マスクを用いて、半導体ウェハに不純物をイオン注入する。一連の工程が終了すると、ステップS303へ進む。
(ニ)ステップS303において、基板表面に対して配線処理が施されるバックエンド工程(表面配線工程)が行われる。バックエンド工程では、ステップS315における化学気相成長(CVD)工程、ステップS316におけるレジスト塗布工程、ステップS317におけるフォトリソグラフィ工程、ステップS318におけるエッチング工程、ステップS319における金属堆積工程等が繰り返し実施される。ステップS316において、半導体ウェハ上にレジスト膜を塗布する。ステップS317においては、ステップS200で作製されたフォトマスクを用いてマスクパターンを半導体ウェーハ上のレジスト膜に転写する。その後現像して、レジスト膜からなる加工用マスクを形成する。ステップS318において、加工用マスクをマスクとして半導体ウェハを加工する。一連の工程により多層配線構造が完成したら、ステップS304へ進む。
(ホ)ステップS304において、ダイヤモンドブレード等のダイシング装置により、所定のチップサイズに分割される。そして、金属若しくはセラミックス等のパッケージング材料にマウントされ、チップ上の電極パッドとリードフレームのリードを金線で接続された後、樹脂封止などの所要のパッケージ組み立ての工程が実施される。ステップS400において、半導体集積回路の性能・機能に関する特性検査、リード形状・寸法状態、信頼性試験などの所定の検査を経て、半導体集積回路が完成される。ステップS500において、以上の工程をクリアした半導体集積回路は、水分、静電気などから保護するための包装を施され、出荷される。
実施の形態に係る半導体集積回路の製造方法によれば、ステップS200において露光量、フォーカス値、収差、照明形状、レジストパターンの寸法、エッチング条件等のプロセス条件ばらつきに応じた位置ずれ量を予測して、マスクパターン102をマスクパターン補正して、フォトマスクのセットを作製しているので、露光量、フォーカス値、収差、照明形状、レジストパターンの寸法、エッチング条件等のプロセス条件が変化しても、デバイスパターン103により実現される半導体集積回路の所望のスペックが得られる。
(第1の変形例)
本発明の実施の形態の第1の変形例においては、図1に示したばらつき量決定部12が、複数の設計パターンに共通のプロセス条件のばらつき量を決定する。図には、L/Sパターンにおける露光量及びフォーカス値を示す。位置ずれ量ΔWpが0、即ち設計パターンの寸法とデバイスパターンの寸法が一致する場合の露光量及びフォーカス値を一点鎖線(ΔWp=0)で示す。位置ずれ量が±10%の場合の露光量及びフォーカス値を実線(ΔWp=±10%)でそれぞれ示す。図5に示した孤立パターンにおけるプロセス条件との比較から分かるように、周囲のパターン配置により回折光の強度が変化するために、同一の位置ずれ量に対応するプロセス条件は、設計パターンの種類毎に異なる。
OPCにおいては、すべての設計パターンに共通するプロセスマージンを大きく得ることが重要である。図1に示したばらつき量決定部12は、図5に示した孤立パターンのプロセス条件及び図に示したL/Sパターンのプロセス条件に基づいて、図10に示すように孤立パターン及びL/Sパターンに対して共通のプロセス条件のばらつき量ΔP2を決定する。
図1に示した位置ずれ量予測部13は、図10に示したプロセス条件のばらつき量ΔP2の限界値P21〜P26のプロセス条件に応じた孤立パターンの複数の位置ずれ量、及びL/Sパターンの複数の位置ずれ量の平均値をそれぞれ予測する。補正部14は、孤立パターン及びL/Sパターンにおける複数の位置ずれ量の平均値が許容位置ずれ量に収まるように、孤立パターン及びL/Sパターンに対応するマスクパターンをそれぞれ補正する。
11に示す比較例では、特定のプロセス条件(露光量d0、ベストフォーカス値f0)において孤立パターン及びL/Sパターンのそれぞれと設計パターンが一致するようにマスクパターンを補正している。これに対して、第1の変形例によれば、図10に示すように、ベストフォーカス値f0においてデバイスパターンの寸法が設計パターンの寸法通りとなるときの露光量を、露光量d0から露光量d3にずらして、プロセス条件のばらつき量ΔP2を図11に示したプロセス条件のばらつき量ΔP3より大きく決定している。したがって、プロセス条件のばらつき量ΔP2より大きいプロセス条件のばらつき量ΔP2をプロセスマージンとして得ることができる。
(第2の変形例)
本発明の実施の形態の第2の変形例に係るマスクパターン補正システムは、図12に示すように、重み付けモジュール134を備える点が、図1に示したマスクパターン補正システムと異なる。図5には四角形のプロセス条件のばらつき量ΔP1を示したが、プロセス条件は、実際にはある確率分布にしたがって設定したプロセス条件からばらつく。現実的にはプロセス条件のばらつき量が0、即ち設定したプロセス条件である確率が最も高く、プロセス条件のばらつき量ΔP1の限界値P11,P12,P15,P16に近いほどばらつく確率が低い確率分布となる場合がある。
12に示したばらつき量決定部12は、図13に示すように、プロセス条件のばらつきの確率分布を考慮して、楕円形のプロセス条件のばらつき量ΔP4を決定する。図12に示した位置ずれ量算出モジュール132は、図13に示したプロセス条件のばらつき量ΔP4の複数の限界値P1〜P4における複数の位置ずれ量をそれぞれ算出する。
12に示した重み付けモジュール134は、位置ずれ量算出モジュール132により算出された複数の位置ずれ量に対して、プロセス条件のばらつき量ΔP4の確率分布に応じて0以上1以下の重み係数をそれぞれ決定する。更に、重み付けモジュール134は、位置ずれ量算出モジュール132により算出された複数の位置ずれ量と重み係数との積をそれぞれとり、複数の位置ずれ量に対してそれぞれ重み付けする。平均値算出モジュール133は、重み付けモジュール134により重み付けされた複数の位置ずれ量の平均値を算出する。他の構成は、図1に示したマスクパターン補正システムと実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。
第2の変形例によれば、プロセス条件のばらつき量ΔP4の限界値P31〜P34に応じた位置ずれ量が許容位置ずれ量に収まるようにマスクパターンを補正するので、図5に示したプロセスマージンΔP1よりも現実的なプロセス条件のばらつき量ΔP4をプロセスマージンとして得ることができる。
なお、第2の変形例に係るマスクパターン補正方法は、図14に示すように、ステップS22において位置ずれ量を算出する手順までは図7に示したマスクパターン補正方法と同様である。図14のステップS23において重み付けモジュール134が、位置ずれ量算出モジュール132により算出された位置ずれ量に対して、プロセス条件のばらつき量の確率分布曲線に応じて重み付けする点が、図7に示したマスクパターン補正方法と異なる。
また、ばらつき量決定部12は、孤立パターンとL/Sパターンに共通のプロセス条件のばらつき量を決定する際も、図10に示した四角形のプロセス条件のばらつき量ΔP2の代わりに、図15に示すように、確率分布を考慮して楕円形の共通のプロセス条件のばらつき量ΔP5を決定しても良い。
(第3の変形例)
本発明の実施の形態の第3の変形例に係るマスクパターン補正システムは、図16に示すように、分割モジュール130を更に備える点が、図1に示したマスクパターン補正システムと異なる。分割モジュール130は、図17に示すように、設計パターン101のエッジを複数のエッジE1〜E8に分割する。なお、複数のエッジE1〜E8の長さや分割数は、入力装置7を介して任意に設定可能である。
16に示した位置ずれ量算出モジュール132は、図18に示すようにプロセス条件のばらつき量に応じた複数の位置ずれ量ΔWp1〜ΔWp8を複数のエッジE1〜E8毎にそれぞれ算出する。図16に示した平均値算出モジュール133は、複数のエッジE1〜E8毎に複数の位置ずれ量ΔWp1〜ΔWp8の平均値をそれぞれ算出する。
補正量決定モジュール141は、複数のエッジE1〜E8毎に、複数の位置ずれ量ΔWp1〜ΔWp8のそれぞれ平均値が許容位置ずれ量を満たすように光近接効果補正量ΔWc1〜ΔWc8をそれぞれ決定する。補正モジュール142は、図19に示すように、マスクパターン102を複数のエッジE1〜E8毎に、光近接効果補正量ΔWc1〜ΔWc8を用いて補正する。
第3の変形例によれば、複数のエッジE1〜E8毎に複数の位置ずれ量ΔWp1〜ΔWp8を予測してマスクパターン102を補正しているので、図20に示すようにより設計パターン101により近いデバイスパターン103xを行うことができる。
第3の変形例に係るマスクパターン補正方法は、図21に示すように、ステップS20において図16に示した分割モジュール130が設計パターン101のエッジを複数のエッジE1〜E8に分割し、ステップS21〜S32において複数のエッジE1〜E8にマスクパターンを補正する点が、図7に示したマスクパターン補正方法と異なる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。例えば、その他の実施の形態に係るマスクパターン補正システムは、図22に示すように、図12に示した分割モジュール130及び図16に示した重み付けモジュール134を更に備える点が、図1に示したマスクパターン補正システムと異なる。図22に示した分割モジュール130は、設計パターンのエッジを複数のエッジに分割する。重み付けモジュール134は、複数のエッジ毎に算出されたデバイスパターンの位置ずれ量に対して重み付けする。他の構成は、図1に示したマスクパターン補正システムと実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。また、その他の実施の形態に係るマスクパターン補正方法では、図23に示すように、ステップS20で設計パターン101のエッジを複数のエッジに分割する点と、ステップS24で複数のエッジ毎に算出された位置ずれ量に対して重み付けする点が、図7に示したマスクパターン補正方法と異なる。
また、図1に示したばらつき量決定部12は、図2に示したプロセス条件のばらつき量ΔP1として、露光量及びフォーカス値の他のプロセス条件のばらつき量を決定しても良い。また、ばらつき量決定部12は、1種類のプロセス条件のばらつき量を決定しても良く、3種類以上のプロセス条件に共通のばらつき量を予測しても良い。
また、位置ずれ量ΔWpを予測するために選ばれるプロセス条件の点は、図5に示したプロセス条件のばらつき量ΔP1の限界値P11〜P16に特に限定されない。例えば、プロセス条件のばらつき量ΔP1内における複数の任意点のプロセス条件に応じた位置ずれ量ΔWpを予測しても良い。更に、位置ずれ量ΔWpを予測するために選ばれるプロセス条件の点数も特に限定されない。
また、設計パターンとして、孤立パターン及びL/Sパターンの例を示したが、設計パターンの種類や数は限定されない。図1に示したばらつき量決定部12は、3つ以上、例えばすべての設計パターンに対して共通のプロセス条件のばらつき量を決定しても良い。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の実施の形態に係るマスクパターン補正システムの一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る形成された設計パターンの一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る予測されたデバイスパターンの一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る補正前のマスクパターンの一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る孤立パターンのEDツリーの一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る補正後のマスクパターンの一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係るマスクパターン補正方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る半導体集積回路の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係るL/SパターンのEDツリーの一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る孤立パターン及びL/SパターンのEDツリーの一例を示すグラフである。 比較例に係る孤立パターン及びL/SパターンのEDツリーの一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係るマスクパターン補正システムの一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る孤立パターンのEDツリーの一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係るマスクパターン補正方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る孤立パターン及びL/SパターンのEDツリーの一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態の第3の変形例に係るマスクパターン補正システムの一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態の第3の変形例に係る設計パターンの一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の第3の変形例に係る予測されたデバイスパターンの一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の第3の変形例に係るマスクパターンの一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の第3の変形例に係る形成されたデバイスパターンの一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の第3の変形例に係るマスクパターン補正方法の一例を示すブロック図である。 本発明のその他の実施の形態に係るマスクパターン補正システムの一例を示すブロック図である。 本発明のその他の実施の形態に係るマスクパターン補正方法の一例を示すフローチャートである。
1…CPU
2…設計パターン記憶装置
3…マスクパターン記憶装置
4…許容位置ずれ量記憶装置
5…ばらつき量記憶装置
11…ばらつき量決定部
12…許容位置ずれ量決定部
13…位置ずれ量予測部
14…補正部
101…設計パターン
102…マスクパターン
103…デバイスパターン
130…分割モジュール
131…寸法予測モジュール
132…位置ずれ量算出モジュール
133…平均値算出モジュール
134…重み付けモジュール
141…補正量決定モジュール
142…補正モジュール

Claims (12)

  1. 位置ずれ量予測部が、マスクパターン記憶装置に格納されたデバイスパターンを形成するマスクパターンを読み出す手順と、
    前記位置ずれ予測部が、ばらつき量記憶装置に格納されたプロセス条件のばらつき量を読み出す手順と、
    前記位置ずれ量予測部が、前記マスクパターン及び前記ばらつき量を用いて、前記ばらつき量に応じた前記デバイスパターンの位置ずれ量を予測する手順と、
    補正部が、許容位置ずれ量記憶装置に格納された前記デバイスパターンの許容位置ずれ量を読み出す手順と、
    前記補正部が、前記位置ずれ量が前記許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定する手順と、
    前記補正部が、前記光近接効果補正量を用いて前記マスクパターンを補正する手順とを含み、
    前記位置ずれ量を予測する手順は、
    前記ばらつき量内の複数の前記プロセス条件に応じた複数の前記位置ずれ量をそれぞれ予測し、
    前記複数の位置ずれ量の平均値を算出する
    ことを特徴とするマスクパターン補正方法。
  2. 前記位置ずれ量を予測する手順は、前記ばらつき量の限界値に応じた前記位置ずれ量を予測することを特徴とする請求項1に記載のマスクパターン補正方法。
  3. 位置ずれ量予測部が、マスクパターン記憶装置に格納されたデバイスパターンを形成するマスクパターンを読み出す手順と、
    前記位置ずれ予測部が、ばらつき量記憶装置に格納されたプロセス条件のばらつき量を読み出す手順と、
    前記位置ずれ量予測部が、前記マスクパターン及び前記ばらつき量を用いて、前記ばらつき量に応じた前記デバイスパターンの位置ずれ量を予測する手順と、
    補正部が、許容位置ずれ量記憶装置に格納された前記デバイスパターンの許容位置ずれ量を読み出す手順と、
    前記補正部が、前記位置ずれ量が前記許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定する手順と、
    前記補正部が、前記光近接効果補正量を用いて前記マスクパターンを補正する手順とを含み、
    前記位置ずれ量を予測する手順は、
    複数の前記プロセス条件に応じた複数の前記位置ずれ量をそれぞれ予測し、
    前記複数の位置ずれ量にそれぞれ重み付けし、
    前記重み付けされた複数の位置ずれ量の平均値を算出することを特徴とするマスクパターン補正方法。
  4. 前記マスクパターンを補正する手順は、前記平均値が前記許容位置ずれ量内に収まるように前記マスクパターンを補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマスクパターン補正方法。
  5. 位置ずれ量予測部が、マスクパターン記憶装置に格納されたデバイスパターンを形成するマスクパターンを読み出す手順と、
    前記位置ずれ予測部が、ばらつき量記憶装置に格納されたプロセス条件のばらつき量を読み出す手順と、
    前記位置ずれ量予測部が、前記マスクパターン及び前記ばらつき量を用いて、前記ばらつき量に応じた前記デバイスパターンの位置ずれ量を予測する手順と、
    補正部が、許容位置ずれ量記憶装置に格納された前記デバイスパターンの許容位置ずれ量を読み出す手順と、
    前記補正部が、前記位置ずれ量が前記許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定する手順と、
    前記補正部が、前記光近接効果補正量を用いて前記マスクパターンを補正する手順とを含み、
    前記位置ずれ量を予測する手順は、
    前記デバイスパターンの寸法を予測し、
    前記予測されたデバイスパターンの寸法と前記デバイスパターンに対応する設計パターン寸法の差分を前記位置ずれ量として算出する
    ことを特徴とするマスクパターン補正方法。
  6. 位置ずれ量予測部が、マスクパターン記憶装置に格納されたデバイスパターンを形成するマスクパターンを読み出す手順と、
    前記位置ずれ予測部が、ばらつき量記憶装置に格納されたプロセス条件のばらつき量を読み出す手順と、
    前記位置ずれ量予測部が、前記マスクパターン及び前記ばらつき量を用いて、前記ばらつき量に応じた前記デバイスパターンの位置ずれ量を予測する手順と、
    補正部が、許容位置ずれ量記憶装置に格納された前記デバイスパターンの許容位置ずれ量を読み出す手順と、
    前記補正部が、前記位置ずれ量が前記許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定する手順と、
    前記補正部が、前記光近接効果補正量を用いて前記マスクパターンを補正する手順とを含み、
    前記位置ずれ量を予測する手順は、
    前記デバイスパターンのエッジを複数に分割し、
    前記複数のエッジ毎に前記位置ずれ量をそれぞれ予測する
    ことを特徴とするマスクパターン補正方法。
  7. 前記マスクパターンを補正する手順は、前記複数のエッジ毎の前記位置ずれ量のそれぞれが前記許容位置ずれ量内に収まるように前記光近接効果補正量をそれぞれ決定することを特徴とする請求項に記載のマスクパターン補正方法。
  8. 位置ずれ量予測部が、マスクパターン記憶装置に格納されたデバイスパターンを形成するマスクパターンを読み出す手順と、
    前記位置ずれ予測部が、ばらつき量記憶装置に格納されたプロセス条件のばらつき量を読み出す手順と、
    前記位置ずれ量予測部が、前記マスクパターン及び前記ばらつき量を用いて、前記ばらつき量に応じた前記デバイスパターンの位置ずれ量を予測する手順と、
    補正部が、許容位置ずれ量記憶装置に格納された前記デバイスパターンの許容位置ずれ量を読み出す手順と、
    前記補正部が、前記位置ずれ量が前記許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定する手順と、
    前記補正部が、前記光近接効果補正量を用いて前記マスクパターンを補正する手順と、
    ばらつき量決定部が、複数の前記デバイスパターンに共通の前記ばらつき量を決定する手順
    とを含むことを特徴とする記載のマスクパターン補正方法。
  9. 前記プロセス条件は、前記マスクパターンを転写するときの露光量、前記マスクパターンを転写するときのフォーカス値、前記マスクパターンを転写するときの収差、前記マスクパターンを転写するときの照明形状、前記マスクパターンが転写されたレジストパターンの寸法、及び前記レジストパターンを加工用マスクとして用いて下地膜を加工するときのエッチング条件のうち少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のマスクパターン補正方法。
  10. マスクパターン補正システムにおいて、
    位置ずれ量予測部が、マスクパターン記憶装置に格納されたデバイスパターンを形成するマスクパターンを読み出す命令と、
    前記位置ずれ予測部が、ばらつき量記憶装置に格納されたプロセス条件のばらつき量を読み出す命令と、
    前記位置ずれ量予測部が、前記マスクパターン及び前記ばらつき量を用いて、前記ばらつき量に応じた前記デバイスパターンの位置ずれ量を予測する命令と、
    補正部が、許容位置ずれ量記憶装置に格納された前記デバイスパターンの許容位置ずれ量を読み出す命令と、
    前記補正部が、前記位置ずれ量が前記許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定する命令と、
    前記補正部が、前記光近接効果補正量を用いて前記マスクパターンを補正する命令
    とを実行させ、
    前記位置ずれ量を予測する命令は、
    前記ばらつき量内の複数の前記プロセス条件に応じた複数の前記位置ずれ量をそれぞれ予測する命令と、
    前記複数の位置ずれ量の平均値を算出する命令
    とを含むことを特徴とするマスクパターン補正プログラム。
  11. プロセス条件のばらつき量に応じたデバイスパターンの位置ずれ量を予測し、前記位置ずれ量が前記デバイスパターンの許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定し、前記光近接効果補正量を用いて補正されたマスクパターンのマスクデータを生成し、前記マスクデータをマスクパターン記憶装置に格納する手順と、
    遮光膜上にフォトレジスト膜を塗布されたマスク基板をパターンジェネレータのマスク基板ステージに搭載する手順と、
    前記マスクデータを前記マスクパターン記憶装置から読み出し、前記パターンジェネレータにより、前記マスクデータに基づいて前記フォトレジスト膜を露光し、現像することにより、前記フォトレジスト膜に前記補正されたマスクパターンを転写する手順と、
    前記フォトレジスト膜をマスクとして用いて前記遮光膜を加工し、前記遮光膜により前記補正されたマスクパターンを前記マスク基板に形成する手順
    とを含み、
    前記位置ずれ量を予測することは、
    前記ばらつき量内の複数の前記プロセス条件に応じた複数の前記位置ずれ量をそれぞれ予測し、
    前記複数の位置ずれ量の平均値を算出する
    ことを含むことを特徴とするフォトマスクの作製方法。
  12. プロセス条件のばらつき量に応じた設計パターンに対応するデバイスパターンの位置ずれ量を予測し、前記位置ずれ量が前記デバイスパターンの許容位置ずれ量内に収まるように光近接効果補正量を決定し、前記光近接効果補正量を用いてマスクパターンを補正し、前記補正されたマスクパターンが形成されたフォトマスクを用意する工程と、
    半導体ウェハにレジスト膜を塗布する工程と、
    前記フォトマスクを用いて前記マスクパターンを前記レジスト膜に転写し、加工用マスクを形成する工程と、
    前記加工用マスクを用いて前記半導体ウェハを加工する工程
    とを含み、
    前記位置ずれ量を予測することは、
    前記ばらつき量内の複数の前記プロセス条件に応じた複数の前記位置ずれ量をそれぞれ予測し、
    前記複数の位置ずれ量の平均値を算出する
    ことを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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