以下、この発明を実施するための最良の形態(単に「実施形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1及び図2は第1の実施形態に係る画像形成装置及び現像剤回収装置を示すものであり、図1はその画像形成装置100の全体を、図2はその現像剤回収装置1の全体をそれぞれ示している。
画像形成装置100は、図1に示すように、筐体101の内部空間に、現像剤としてのトナーで構成されるトナー像を形成して用紙Pに転写する作像装置102と、この作像装置102で使用する用紙Pを収容するとともに搬送する給紙装置103と、作像装置102で転写されたトナー像を用紙Pに定着する定着装置104とが主に設置されている。筐体101は、支持部材、外装カバー等で構成されるものであり、そのうち支持部材等は接地(アース処理)されている。図1中の符号105は、画像形成装置100及び現像剤回収装置1の各動作などについて制御する制御装置を示し、また、矢付き一点鎖線は用紙Pが搬送されるときの主な搬送経路を示す。
作像装置102は、例えば公知の電子写真方式を利用して各色成分のトナー像を形成する複数の作像ユニット110と、作像ユニット110で形成される各色成分のトナー像を一時的に保持して搬送した後に用紙Pに転写する中間転写ユニット120とで構成されている。この実施形態では、複数の作像ユニット110として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色成分のトナー像が個々に形成される4つの作像ユニットを使用している。
作像ユニット110Y,110M,110C,110Kは、基本的に共通した構成のものであって、矢印で示す方向(図中において時計回りの方向)に回転駆動する感光体ドラム111をそれぞれ備えている。また、これらの各ユニット110(Y,M,C,K)全体は、その各感光体ドラム111の回転軸の方向が互いにほぼ平行な状態で間隔をあけて並列的に並べられた状態となるように配置されている。
各作像ユニット110(Y,M,C,K)は、感光体ドラム111の周囲に、感光体ドラム111の像形成領域となる周面を所要の電位に帯電させる帯電装置112と、帯電後の感光体ドラム111の表面に画像情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色成分用の)静電潜像を形成する露光装置113と、その静電潜像に各色(Y,M,C,K)のトナーを転移付着させて顕像化する現像を行う現像装置114(Y,M,C,K)と、そのトナー像を中間転写ユニット120(の中間転写ベルト121)に転写する一次転写装置115と、転写後の感光体ドラム111の表面に残留するトナー等を除去する第1の清掃装置116を主に配置した構成になっている。
このうち露光装置113は、画像形成装置100に接続又は装備される原稿読取装置、外部接続機器、記憶媒体読取装置等の画像生成源から入力される画像情報を図示しない画像処理装置で所要の処理をすることで得られる画像情報に基づいて露光が行われる。また、現像装置114は、例えば非磁性トナーと磁性キャリアを含む現像剤を用い、その現像剤を収容部で回転する攪拌搬送部材114bにより攪拌してトナーを摩擦帯電させながら現像ロール114aに搬送して感光体ドラム111と対向する現像領域に供給するものである。さらに、帯電装置112、現像装置114(の現像ロール114a)及び一次転写装置115には、作像時になると、図示しない電源装置から帯電用電圧、現像用電圧、一次転写用電圧がそれぞれ供給される。
また、上記現像装置114は、図示しない現像剤補給装置から新たな現像剤Gを所要の時期に補給する現像剤補給方式と、予め設定する量を超える余剰の現像剤Gaをあふれ出させて排出させる、いわゆるトリクル方式を採用している。また、上記第1の清掃装置116は、感光体ドラム111に接触して転写残りの現像剤(主にトナー)等を除去するブレード、回転ブラシ等の清掃部材を設置し、その清掃部材で除去した現像剤Gb等を搬送部材116aにより排出させるものである(図1参照)。
中間転写ユニット120は、各作像ユニット110の感光体ドラム111と一次転写装置115の間(一次転写位置)を通過しながら矢印で示す方向(図中において反時計回りの方向)に回転する中間転写ベルト121と、この中間転写ベルト121を所望の状態に架け回して回転自在に支持する複数の支持ロール122〜123と、支持ロール123に支持されている中間転写ベルト121に接触して回転する二次転写ロール125と、転写後の中間転写ベルト121の表面に残留するトナー等を除去する第2の清掃装置128で主に構成されている。
このうち中間転写ベルト121としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の導電剤を所要量分散した材料を用いて無端状のベルトに形成したものが使用される。支持ロール122は、駆動ロールとして構成されている。支持ロール123又は二次転写ロール125には、作像時になると、図示しない電源装置から二次転写用電圧が印加される。また、上記第2の清掃装置128は、中間転写ベルト121の外周面に接触して転写残りの現像剤(主にトナー)等を除去するブレード、回転ブラシ等の清掃部材を設置し、その清掃部材で除去した現像剤Gd等を搬送部材128aにより排出させるものである(図1参照)。
給紙装置103は、画像の形成に使用する所要のサイズ、種類等からなる複数枚の用紙Pをトレイ形式、カセット形式等の用紙収容体131に積み重ねた状態で収容しており、用紙収容体131に収容される用紙Pを送出装置132により1枚ずつ送り出すようになっている。用紙収容体131については、使用態様に応じて複数装備される。
定着装置104は、矢印で示す方向に回転駆動するとともに表面温度が加熱手段により所要の温度に加熱されて保持されるロール形態、ベルト形態等の加熱回転体141と、この加熱回転体141の軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動回転するロール形態、ベルト形態等の加圧回転体142とを設置したものである。
図1において符号133〜134は、給紙装置103の用紙収容体131と二次転写位置(中間転写ベルト121と二次転写ロール125)との間に形成される給紙搬送路に設置される用紙搬送ロール対である。また、符号135〜136は、二次転写位置と定着装置104の間に形成される転写後搬送路に設置されるベルト状等の搬送装置である。さらに、符号137は、定着装置104と筐体101の側壁部との間に形成される排紙搬送路に設置される用紙搬送ロール対である。
この画像形成装置100による画像形成は、次のようにして行われる。ここでは、用紙Pの片面に、前記4色の現像剤を使用して構成されるカラー画像、いわゆるフルカラー画像を形成するときの基本的な画像形成動作を例に挙げて説明する。
画像形成装置100の制御装置105が画像形成動作の開始指令を受けると、まず、作像装置102の各作像ユニット110(Y,M,C,K)において、回転する感光体ドラム111の表面が帯電装置112により所定の極性及び電位に帯電された後、その帯電した感光体ドラム111に露光装置113により画像情報に基づく露光を行って所要の電位差で構成される静電潜像が形成される。続いて、各作像ユニット100における各感光体ドラム111に形成された静電潜像が、現像装置114を通過する際に、その現像ロール114aから供給される所要の極性に帯電された状態のトナーにより現像されてトナー像として顕像化される。これにより、各作像ユニット110(Y,M,C,K)における感光ドラム111上に各色成分(Y,M,C,K)のトナー像が専用に形成される。
しかる後、各作像ユニット110(Y,M,C,K)の感光体ドラム111上に形成されたトナー像は、感光体ドラム111の回転により一次転写位置まで搬送されると、作像装置102の中間転写ユニット120における中間転写ベルト121に対して一次転写装置115により順次重ね合わせられるように一次転写される。この中間転写ベルト121上に転写された多重のトナー像は、二次転写位置まで搬送されると、このタイミングに合わせて給紙装置103から給紙搬送路を通して二次転写位置に搬送される用紙Pに対して二次転写ロール125により一括して二次転写される。この一次転写と二次転写が終了すると、作像ユニット110では一次転写後の各感光体ドラム111の表面が第1の清掃装置116で清掃され、中間転写ユニット120では二次転写後の中間転写ベルト121が第2の清掃装置128で清掃される。
続いて、トナー像が二次転写された用紙Pが中間転写ベルト121から剥離されて転写後搬送路により搬送されて定着装置104に導入させる。定着装置104では、その加熱回転体141と加圧回転体142が接触する接触部に、トナー像が転写された用紙Pを導入して通過させて加熱及び加圧させることにより、トナー像のトナーを溶融させて用紙Pに定着させる。この定着が終了した後の用紙Pは、排紙搬送路を通して図示しない排紙収容部等に搬送されて収容される。
以上により、1枚の用紙Pの片面に対して4色のトナーで構成されるフルカラー画像が形成され、基本的な画像形成動作が終了する。複数枚の画像形成動作の指示がある場合には、上記した一連の動作がその枚数分だけ同様に繰り返されることになる。
また、この画像形成装置100においては、画像形成時等の動作時期に、各作像ユニット110(Y,M,C,K)における現像装置114及び第1の清掃装置116から前記した現像剤Ga(Y,M,C,K)及び現像剤Gb(Y,M,C,K)がそれぞれ排出される。また、中間転写ユニット120における第2の清掃装置128から前記した現像剤Gdが排出される。このため、画像形成装置1には、現像装置114、第1の清掃装置116及び第2の清掃装置128からそれぞれ排出される現像剤Ga,Gb,Gdをまとめて回収する現像剤回収装置1が装備されている。
次に、現像剤回収装置1について説明する。
現像剤回収装置1は、図2〜図4等に示すように、各作像ユニット110(Y,M,C,K)から排出される前記現像剤Ga,Gbをまとめて収容する回収容器2と、その各現像剤Ga,Gbが発生する現像装置114及び第1の清掃装置116と回収容器2との間を接続して現像剤Ga、Gbを搬送する搬送装置4と、回収容器2に収容されて堆積する現像剤Gc(Ga、Gbの混合物)を検出する検出装置8とを有している。図3は図2の現像剤回収装置における回収容器2及び搬送装置3の一部の断面図、図4は図3のQ−Q線に沿う一部断面図である。
回収容器2は、その外観形状がほぼ長方体状の容器本体20を有するものであり、図1に示すように、画像形成装置100の筐体101の一部(定着装置104寄りの端部の下部)に形成された装着スペース部に対して例えば矢印Z1,Z2で示す方向に出し入れする状態で着脱して使用するものである。
回収容器2は、容器本体20の上部で装着押し込み時の奥側となる部分20bの側面部に、回収対象の現像剤を受け入れる受入口21が形成されている。また、図4、図6等に示すように、容器本体20の側壁面20c,20dの片方の側壁面20cにおける所要の位置に、検出装置8による検出が行われる検出測定部22が形成されている。検出測定部22は、容器本体20の例えば装着押し込み時の手前側となる端部に容器外部の側に突出して隆起する形状の検出用の隆起部22bを形成したものである。検出測定部22の形成位置は、容器本体20に収容される現像剤Gcの量が設定量に達したことを検出するのに適した位置である。図2、図6、図7等において符号23は回収容器2を持ち運ぶ際に掴む掴み部(凹部)を示し、符号24は着脱作業時に利用される取っ手部を示す。
ここで、検出装置8は、回収容器2に収容されて堆積する現像剤Gcの量が設定量に達したことを検出するものとして構成されている。このような検出装置8は、図4に示すように、検出測定部22の隆起部22bを挟んだ状態で配置される発光部81及び受光部82を有する光学式の検出器(いわゆるフォトセンサ)80を用いて構成される。この光学式の検出器80は、発光部81から発した検出光Hが検出測定部22の隆起部22bとその内部空間(容器内部)を通過して受光部82に受光され、その受光量の変化(光の量的変化)を検出するものである。この検出器80は、画像形成装置の筐体101などに固定して設置される。また、検出器80の検出情報は、制御装置105に送信される。
この検出器80では、回収対象の現像剤Gcが回収容器2(容器本体20)の内部に収容されて、検出測定部22の隆起部22bの内部空間を埋める高さまで堆積して存在し始めると、上記検出光Hの通過が現像剤により次第に遮られ、これにより受光部82における受光量が変化することになる。検出器80は、このときの受光量が設定値を下回る程度に低下した時点で、回収容器2に収容された現像剤Gcの量が設定量(例えば、容器2が交換すべき満杯の状態になったと知らせるべき量)に達したことを検出するようになっている。この設定量に達したか否かの判断は、制御装置105において行われる。
容器本体20は、ポリプロピレン等の合成樹脂を用いてブロー成形法等により所要の形状に成形することにより作製される。また、容器本体20は、検出装置8として前記した光学式の検出器80を使用する場合には、少なくとも検出測定部22(特に隆起部22b)が検出時の光Hを透過させることができる透明性を有するように形成される。さらに、容器本体20は、前記したような合成樹脂を用いて作製される成形品であることから、その全体が電気絶縁性の物性を示すものになっている。
また、回収容器2は、その受入口21から容器内部に存在する状態で搬送管受入保持体25が設けられている。搬送管受入保持体25は、容器2の装着押し込み時に容器本体20の内部に挿し入れられる搬送装置4の後述する最下流の搬送管(62)を保持するものである。
搬送管受入保持体25は、例えば、その搬送管(62)を挿入できる内径からなる筒状の構造物として形成されており、その一端部25aが受入口21に容器外部に一部露出して固定された状態で取り付けられている。また、受入保持体25は、そのほぼ中央部の下面部に、搬送管(62)により搬送されて排出される現像剤Gを容器本体20の内部に落下させて搬入するための搬入口26が形成されている。
搬送管受入保持体25の搬入口26から更に容器内部側に存在する部分には、その保持体25の内部を長手方向(矢印Z1,Z2で示す方向)に移動して搬入口26を開閉する開閉シャッター27が設けられている。開閉シャッター27は、回収容器2の非装着時には、図7に示すように、コイルスプリング等の弾性部材28により受入口21側に近づく方向(矢印Z2で示す方向)に弾性的に押されて搬入口26を閉じる位置に移動させられており、また回収容器2の装着挿し込み時には、前記搬送管(62)の挿入により弾性部材28の押す力に抗して受入口21から離れる方向(矢印Z1で示す方向)に押されることにより、搬入口26を開放する位置に移動させられる(図3)。
さらに、回収容器2は、図3や図7に示すように、容器本体20に収容される現像剤Gcを容器内で搬送する内部搬送部材30が容器本体20の内部に存在する状態で設けられている。内部搬送部材30としては、例えばステンレス製等の金属線材を螺旋状に巻いた構造物が使用される。
内部搬送部材30は、その一端部30aが、容器本体20の受入口21のある端部20bの側面部分のほぼ下半分を容器2の装着時挿し込み方向(矢印Z2の方向)に突出させた下部突出部20eの側面上部に支持されている。具体的には、内部搬送部材30の一端部30aは、その下部突出部20eの側面上部に軸受33を介して回転自在に取り付けられた支持軸31の装着孔に、隙間を確保した状態で差し込まれている。軸受33の一部は、容器本体20の下部突出部20eの外部に露出した状態で取り付けられている。また、内部搬送部材30は、その他端部30bが、容器本体20の内部の長手方向における中央部に届く長さで形成されており、何ら支持されていない自由端になっている。上記支持軸31は、内部搬送部材30が取り付けられる側とは反対側の端部に、後述する回転駆動伝達機構の軸連結材(37)の突起と接触して噛み合う状態で連結される突起を有する接触型の軸連結材(いわゆるカップリング部材)32が取り付けられている。
また、この内部搬送部材30は、容器本体20の内部に片持ち状態で支持されており、その一端部30bが容器本体20の内部で上下方向に変位して首振りをする状態になる。これにより内部搬送部材30は、容器本体20の内部に現像剤Gcが収容されていないときには(図7)、その自由端30bが自重により垂れ下がって容器本体20の内部底面20fに接触した状態に保たれる。また、現像剤Gcが収容されて存在するときには(図3)、その自由端30bが現像剤Gcの収容量に応じて容器本体20の内部の上方にむけて次第に移動して変位する(図3)。図3に二点鎖線で示す曲線Eは、搬送部材30の自由端である端部30bが上下方向に変位するときの軌跡を示す。また、内部搬送部材30は、回転駆動力を受けて所要の方向に回転することにより、容器本体20の内部に収容される現像剤Gcを、その支持される端部30aの側から自由端30bの側にむけて搬送する搬送力が発生する。
搬送装置4は、図2や図3に示すように、現像剤を搬送する方向が切り替えられて変更される複数の搬送部(搬送路区間)41〜45で構成されている。
この実施形態では、各作像ユニット110(Y,M,C,K)における現像装置114、第1の清掃装置116及び第2の清掃装置128から排出される各現像剤Ga,Gb,Gdを受け入れて現像剤回収装置1(画像形成装置100)の奥側の方向(矢印Z2の方向)にむけて搬送する3種の第一搬送部41,42,403と、第一搬送部41,42,403から搬送される各現像剤Ga,Gb,Gdをそれぞれ集めて同じ方向に搬送する第二搬送部43と、第二搬送部43で集められて混合された状態の現像剤Geを回収容器2にむけて落下させた状態で搬送する第三搬送部44と、第三搬送部44で搬送された現像剤Geを最終的に回収容器2まで搬送する第四搬送部45とで構成されている。これらの各搬送部41〜45,403(具体的には各搬送管や駆動伝達機構など)は、画像形成装置の筐体101の設置時における裏面(リア)側に配置され、その筐体101を構成する一部の支持フレーム等の支持部材に固定した状態で取り付けられる。
このうち第一搬送部41,42,403はいずれも、図3に示すように、ほぼ水平の状態で配置される円筒状の第一搬送管46と、第一搬送管46の搬送空間内で回転して現像剤Ga,Gb,Gdを矢印Z2で示す方向に搬送するオーガー(回転軸の周りに搬送羽根(突条部)を螺旋状に巻きつけた状態で形成した形態の搬送部材)47とで形成されている。図2における符号46aは、各第一搬送管46の搬送方向(矢印Z2の方向)上流側の端部に設けられた、現像装置114、清掃装置116又は第2の清掃装置128から排出される現像剤Ga,Gb,Gdをそれぞれ受け入れる受入口を示す。また、図3における符号46bは、第一搬送管46を通して搬送される現像剤を排出する排出口である。
第二搬送部43は、図2や図3に示すように、第一搬送部41,42の各第一搬送管46における各排出口46bとそれぞれ接続されるとともにほぼ水平の状態で配置される筒状の第二搬送管48と、第二搬送管48の搬送空間内で回転して現像剤Ga,Gbを矢印X2で示す方向に搬送するオーガー49とで形成されている。図3における符号48bは、第二搬送管48の搬送方向(矢印X2の方向)下流側の端部の下部に形成された、現像剤の排出口48bである。
第三搬送部44は、図2、図3、図5に示すように、第二搬送部43における第二搬送管48の下流側端部(排出口)と接続されて、第二搬送管48よりも下方の位置に配置される回収容器2の奥側端部20bの近くの位置にむけて斜め下方に延びる管状の第三搬送管51と、第三搬送管51の搬送空間内で上下方向に変位するように駆動して第二搬送部43から送り込まれる現像剤Ga又はGbの凝集した状態をほぐしながら落下させるように誘導する上下動ほぐしコイル52、53とで形成されている。図5における符号51a,51bは第二搬送管48から排出される現像剤Ga又はGb、Gcを受け入れる受入開口51a,51bであり、符号51cは現像剤の排出開口である。
上下ほぐしコイル52、53は、その上方の端部が第三搬送管51の上部の管内で回転するクランク軸54の各クランク水平部に吊り下げられた状態で取り付けられており、これにより第搬送管51の管内で矢印Y1,Y2の方向に上下動(往復動)するようになっている。クランク軸54は、その一端部が第三搬送管51の上部に設置された回転支持軸55に取り付けられており、これにより回転動力が得られる。上下ほぐしコイル52の下端部52bは、第三搬送管51の下部の排出開口51cから突出し、後述する第四搬送部45の接続管61の管内に位置して作動する。
第四搬送部45は、図3、図8、図9等に示すように、第三搬送部44における第三搬送管51の下部の排出開口51cと接続される接続管61と、接続管61の下部端部とほぼ直交する状態で接続されるとともに回収容器2の受入口21に挿し入れられるようにほぼ水平方向に伸びる長さで形成される円筒状の第四搬送管62と、第四搬送管62の搬送空間内で回転して第三搬送管51からの現像剤Gc(Ga,Gb,Gd)を矢印Z1の方向に搬送するオーガー63で形成されている。接続管61は、第四搬送管62の接続支持部69と接続された状態で一体に形成されている。図8等における符号69aは、筐体101の支持板106に取り付けて固定するときに使用する取付け面部である。
第四搬送管62は、図3、図9等に示すように、その一端部において接続管61の下部開口と接続されており、また、その他端部62bが、装着されたときの回収容器2における搬送管受入保持体25の所要の位置(例えば開閉シャッター27を押して搬入口26を開ける位置まで移動させることができる位置)まで達する長さで形成されている。また、第四搬送管62は、その他端部62bの下部に、装着されたときの回収容器2における搬送管受入保持体25の搬入口26と対向する排出口64が形成されている。さらに、第四搬送管62は、その他端部62bに、排出口64を開閉する開閉シャッター65が設けられている。
開閉シャッター65は、第四搬送管62の他端部62bにその外側に嵌め入れて移動させることができる円筒状の構造体として構成されたものであり、その外周部の長手方向のほぼ中央部に形成した突起部65aと接続支持部69との間に取り付けたコイルスプリング等の弾性部材66によりシャッター全体が矢印Z1で示す方向に押された状態に保たれている。開閉シャッター65は、第四搬送管62が収容容器2の搬送管受入保持体25に挿し入れられていないときには、弾性部材66により自然に押されて、図8や図9に示すように、その一部が第四搬送管62の排出口64を塞いで閉じる位置に移動している。また、開閉シャッター65は、第四搬送管62が搬送管受入保持体25に挿し入れられたときには、弾性部材66の押す力に抗して、図3に示すように、第四搬送管62に対し矢印Z2で示す方向に相対的に移動してその排出口64を塞ぐことなく開ける位置に変位させられる。
オーガー63は、回転軸63aの周りに搬送羽根63bを螺旋状に連続して巻きつけた状態で形成したものである。オーガー63は、図9、図11等に示すように、両端部が開口された第四搬送管62の管内に差し込まれるとともに、その回転軸63aが搬送管62の端部開口62a,62bに嵌め入れられて固定される環状の軸受(ベアリング)67,68により回転自在に支持される。
また、搬送装置4における各搬送部41〜45の搬送部材であるオーガー47、49、63及び上下動ほぐしコイル52、53(のクランク軸54)は、以下の回転駆動伝達機構7から動力を得て駆動する。なお、第1搬送部403の搬送部材であるオーガー47は、図示しない別の回転駆動伝達機構7から動力を得て駆動する。
回転駆動伝達機構7は、図2、図3等に示すように、第二搬送部43の第二搬送管48の長手方向(矢印X1,X2の方向)にそって回転自在に設置され、モーター(不図示)の回転動力が入力されて回転する駆動軸71を備えている。第一搬送部41,42における各オーガー47には、駆動軸71に間隔をあけて固定された複数のウォームギヤ72から複数の伝達ギヤ73a,73b,73cを介して回転動力が伝達される。第二搬送部43におけるオーガー49には、駆動軸71に固定された伝達ギヤ71aとそれに接続される伝達ギヤから回転動力が伝達される。第三搬送部44における上下動ほぐしコイル52、53を駆動するクランク軸54と第四搬送部45におけるオーガー63には、駆動軸71の動力を受けて回転するベルト駆動伝達機構を介して回転動力が伝達される。
そのベルト駆動伝達機構は、駆動軸71の一端部に固定されたウォームギヤ72と接続されて回転する駆動プーリ74と、クランク軸54の回転支持軸55に取り付けられた第一従動プーリ75と、オーガー63の回転軸63aの一端部に取り付けられた第二従動プーリ76と、これら各プーリ74〜76に架け渡された駆動ベルト77から構成されている。図2中の符号78は張力付与ロールである。このベルト駆動伝達機構により、クランク軸54は第一従動プーリ75から回転動力が伝達され、オーガー63は第二従動プーリ76から伝達される。
また、この回転駆動伝達機構7には、図3、図9等に示すように、回収容器2の内部搬送部材30に回転動力を伝えるための伝達機構部70が付設されている。
その付設の伝達機構部70は、前記ベルト駆動伝達機構における第二従動プーリ76の内側に一体に設けた第一伝達ギヤ35と、この第一伝達ギヤ35からの動力を受けて回転する複数の第二伝達ギヤ36と、この第二伝達ギヤのうち最後段の伝達ギヤ36dの軸部36eに取り付けられた接触型の軸連結材37とで構成されている。複数の第二伝達ギヤ36としては、例えば4つの二段ギヤ36a〜36dが使用されている。軸連結材37は、回収容器2における内部搬送部材30の軸連結材32と接触して噛み合う突起を有するものであり、最後段の伝達ギヤ36dの軸部36eに対して軸方向(矢印Z1,Z2の方向)に移動し得るように取り付けられているとともに、伝達ギヤ36dとの間に設置されるコイルスプリング等の弾性部材38により矢印Z1の方向に弾性的に押された状態に保たれている。図2、図3、図9等において符号39は、複数の第二伝達ギヤ36を取り付ける支持フレームであり、例えば、第四搬送部45における第四搬送管62の接続支持部69に接続した状態で取り付けられている。また、符号39aは筐体101の支持板106に取り付けて固定するときに使用する取付け面部である。
この現像剤回収装置1による現像剤の回収は、次のようにして行われる。
この回収装置1では、現像剤の回収に先立って、回収容器2を画像形成装置100の筐体101に形成された容器装着スペース部に装着することになる。このときの装着は、回収容器2を装着スペース部内に矢印Z1で示す方向に沿って押し込み、最終的に搬送装置4等と結合させることにより行われる。
その回収容器の装着時には、回収容器2は、搬送装置4の最下流となる第四搬送部45の第四搬送管62が受入口21から容器内部に挿し入れられ、最終的に搬送管受入保持体25に保持されることで、搬送装置4と結合した状態になる。この際、第四搬送管62の排出口64は、その開閉シャッター65がその突起部65aを介して、矢印Z2の方向に押し込まれる回収容器2の搬送管受入保持体25の露出端部25a(図7)により同じ方向に押されて第四搬送管62と相対的に移動する結果、開いた状態になる(図3)。また、搬送管受入保持体25の搬入口26は、その開閉シャッター27が、その保持体25の内部に挿し入れられる第四搬送管62(オーガー63)の端部62bにより矢印Z1の方向に移動する結果、開いた状態になる(図3)。最終的に、第四搬送管62の排出口64は、搬送管受入保持体25の搬入口26と対向する位置まで差し入れられて停止する。この搬送装置4との結合が完了すると、回収容器2は搬送装置4で搬送される現像剤を受け入れて収容することができる状態になる。
また、その回収容器の装着時には、回収容器2は、その内部搬送部材30の軸連結材32が搬送装置4の伝達機構部70における軸連結材37と噛み合って接触することで、回転駆動伝達機構と結合した状態になる(図3)。この伝達機構との結合が完了すると、内部搬送部材30は容器内部で回転駆動することができる状態になる。
そして、この回収装置1では、画像形成動作等の時期になると、回転駆動伝達機構7、伝達機構部70等の駆動装置が作動し、これにより搬送装置4における各搬送部41〜45,403の搬送部材であるオーガー47、49、63及び上下動ほぐしコイル52、53が動力を受けて各搬送管46,48,51,62の内部でそれぞれ回転等の駆動をする。一方、画像形成装置100の各作像ユニット101(Y,M,C,K)における現像装置114、第1の清掃装置116及び第2の清掃装置128からは、前記したトリクル方式に伴って発生する現像剤Ga(Y,M,C,K)と清掃作業に伴って発生する現像剤Gb(Y,M,C,K)及び現像剤Gdがそれぞれ排出される。
まず、現像装置114から排出される現像剤Gaは、第一搬送部41の搬送管46を通してその管内で回転駆動するオーガー47により矢印Z2の方向に搬送され、第二搬送部43に送り込まれる。また、第1の清掃装置116から排出される現像剤Gbは、第一搬送部42の搬送管46を通してその管内で回転駆動するオーガー47により矢印Z2の方向に搬送され、第二搬送部43に送り込まれる。さらに、第2の清掃装置128から排出される現像剤Gdは、第一搬送部403の搬送管46を通してその管内で回転駆動するオーガー47により矢印Z2の方向に搬送され、第三搬送部44に送り込まれる。
続いて、第一搬送部41、42,403で搬送された現像剤Ga,Gbは、第二搬送部43の搬送管48に順次送り込まれるようにして集められながら、その搬送管48を通してその管内で回転駆動するオーガー49により矢印X2の方向に搬送され、第三搬送部44に送られる。第一搬送部403で搬送された現像剤Gdは、第三搬送部44に直接送られる。次いで、第二搬送部43で搬送された現像剤Ga,Gbと第一搬送部403で搬送された現像剤Gdは、第三搬送部44の搬送管51にそれぞれ送り込まれると、その搬送管51の下方部にむけて落下し、第四搬送部45に送られる。第三搬送部44では、現像剤Ga,Gb,Gdが、搬送管51の管内で上下方向に駆動する上下動ほぐしコイル52、53に接触し、これにより、たとえ凝集していてもその凝集した状態がほぐされ、また、搬送管51の内壁面に付着することやさらにはその付着の進行によって堆積することが防止される。
第四搬送部45に搬送された現像剤Ge(Ga,Gb,Gd)は、その第三搬送管51から第四搬送管62に送られた後、搬送管62を通してその管内で回転駆動するオーガー63により矢印Z1の方向に搬送され、最後に、搬送管62の排出口64から搬送管受入保持体25の搬入口26を通して回収容器2の内部に落下するように排出される。
このように現像装置114及び第1の清掃装置116から排出された現像剤Ga及び現像剤Gbは、搬送装置4の最上流の搬送路区間である第一搬送部41,42から中継的な搬送路区間である第二搬送部43及び第三搬送部44を経由して最下流の搬送路区間である第四搬送部45に搬送されることで、回収容器2の内部に落下するように収容されて回収される。
回収容器2の内部に収容される現像剤Gcは、図15に示すように、搬送管受入保持体25の搬入口26の真下の容器内部の底面20fから堆積した状態で収容され始める。その堆積し始めた現像剤Gcは、回収容器2の内部でその底面20fに接触した初期状態で回転駆動している内部搬送部材30に接触する状態になるまで堆積すると、その回転駆動する内部搬送部材30の搬送力を受けて自由端の端部30bの側にむけて搬送され、その一部が底面20fの奥側(矢印Z1の方向)に移動させられる。図15に実線S1は、内部搬送部材30の搬送力が機能し始めた直後の現像剤Gcの堆積状態(形状)を示す。
そして、この回収装置1では、収容される現像剤Gcが回収容器2の検出測定部22の隆起部22bに達する高さまで堆積されると、検出装置8である光学式の検出器80が、その発光部81から発する検出光Hの透過が現像剤Gcで遮られてその受光部82における受光量が低下したことを検出する。このときの検出器80の検出情報は制御装置105に送信される。制御装置105では、送信された検出情報から現像剤Gcの収容された量が設定量に達したと判断すると、例えば、画像形成装置100に設けられる図示しない表示部や、画像形成装置100に接続される接続機器の表示部に、回収容器2の交換を促すためのメッセージなどを表示する。
ところで、この現像剤回収装置1においては、図15の実線S2,S3に例示するように、回収容器2に収容される現像剤Gcが実際に検出測定部22の隆起部22bに達する高さまで堆積していない状態であるにもかかわらず、検出器80がそのときの現像剤Gcの収容量が設定量に達したと検知する、いわゆる誤検知が発生することがある。
本発明者らの研究によれば、この誤検知が発生したときに、回収容器2の状態を観察すると、容器2の少なくとも検出測定部22の隆起部22bとなる内壁面部分に収容された現像剤Gcの一部が付着して、その内壁面部分が現像剤で汚染されて光が通過しにくい状態になっていることが確認されている。そして、このように検出測定部22などに付着する現像剤Gcは、回収容器2の内部に落下して収容されたときに、その容器内部で拡散するように浮遊し、電気的な作用(静電気の作用)により容器2の内壁面に吸い寄せられて付着しているものと考えられる。
ちなみに、この不具合が発生する場合、回収装置1における各搬送部41,42、403の搬送管46、48、51、61、62及び接続支持部69はABS樹脂(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)等の高抵抗又は電気絶縁性の材料で形成されており、そのオーガー47、63はABS樹脂、PC(ポリカーボネート)−ABS樹脂等の高抵抗又は電気絶縁性の材料で形成されている(ちなみに実施形態におけるオーガー47も同様の材料で形成されている)。また、上下動ほぐしコイル52、53はステレンレス鋼等の低抵抗又は電気導電性の材料で形成されているが、接地されていない。
また、その不具合が発生する場合、回収容器2は、前記したように電気絶縁性の物性を示すものであった。さらに、回収対象の現像剤Gcがキャリアを含むものであるため、当初より帯電された状態にあるうえに、転写工程で形成される転写電界内を通過することによる再帯電する可能性や、その回収時の搬送過程や容器内への収容過程で摩擦帯電により再帯電する可能性があった。
そこで、現像剤回収装置1では、この不具合を解消する対策として、搬送装置4の最下流となる第四搬送部45におけるオーガー63をステンレス等の金属で形成して導電性を有するものとし、しかも、そのオーガー63を接地するように構成している。また、これに加えて、回収容器2の内部搬送部材30も金属で形成して導電性を有するものとするとともに、その内部搬送部材30を接地するように構成している。
第四搬送部45におけるオーガー63の接地は、図10、図11等に示すように、接地用の金属板9を用い、その金属板9の一部をオーガー63の一方の軸受67を介してオーガー63と電気的に接続する一方で、その金属板9の他部を画像形成装置の筐体101の接地している金属製の支持板106に取り付けることで行っている。この場合、軸受67は、金属材料で形成されており、導電性を有している。
接地用の金属板9は、図12に示すように、例えば、ほぼL字の形状に裁断した基板をその取付け箇所の形状に応じた状態に曲げ加工等をしたものである。この実施形態における金属板9は、そのほぼ中央部を、第四搬送部45の接続支持部69にほぼ平行する突起(リブ)で区画された位置決め保持部69bに設置する胴部90として形成している。また、金属板9はステンレス鋼で形成している。
また、金属板9は、その胴部90の一端部を、搬送管62の端部開口62aの縁に差し込んで引っ掛けることができる形態に曲げ加工した差込部91として形成している。差込部91の軸受67の外周面67aと接触する先端接触面91aには、図13に示すように、その一部に差込方向(矢印Z1の方向)が自由端92aとなる切り欠き片92を形成し、その切り欠き片92を外側(軸受67の外周面に近づく側)に突出した状態に保つよう折り曲げている。
さらに、金属板9は、その胴部90の他端部を、第四搬送部45の接続支持部69における取付け面部69aに接触させた状態で取り付けることができる形態に曲げ加工して取付け部93として形成している。取付け部93の端部には、金属板9の取り付け固定に使用する固定ネジ98を通すためのネジ通し孔94が形成されている。このネジ孔94は、接続支持部69における取付け面部69aに形成されるネジ通し孔69c(図11)と同じ位置になるように形成される。
この金属板9の取り付けは、初めに、その金属板9の胴部90を第四搬送部45の接続支持部69における差位置決め保持部69bにあたかも設置するように対向させた姿勢に保ちながら、その差込部91を矢印Z1の方向にずらして第四搬送管62の端部開口62aの縁に差し込んで引っ掛けた状態にする。続いて、その取付け部93を、第四搬送部45の接続支持部69における取付け面部69aに接触させた状態にしてから、ネジ通し孔94を通した金属製の固定ネジ98により筐体101の支持板106(のネジ孔)に対して固定する。これにより、金属板9の取り付けが終了する。
そして、オーガー63を接地状態にするに際しては、図11等に示すように、金属板9が取り付けられた第四搬送管62の内部にオーガー63を差し入れるとともに、軸受67,68をその軸受孔67bにオーガー63の軸63aを通した状態で搬送管62の両端部開口62a,62bに嵌め入れて固定する。これにより、搬送管62の端部開口62aに嵌め入れた軸受67の外周面67aが、金属板9の差込部91の先端接触面91aと接触した状態になる。
この結果、オーガー63は、図10に示すように、その回転軸63aが軸受67を介して金属板9と電気的に接続された状態になるとともに、その金属板9(固定ネジ98を含む)を通して接地された筐体101の支持板106とも電気的に接続されることとなり、これにより接地された状態に保たれる。図11等における符号79aはオーガーの軸63aの端部に形成した溝に嵌めるE型留め金、符号79bは座金を示す。
このオーガー63の接地においては、図14に示すように、金属板9の差込部91における切り欠き片92が、その差込部91の先端接触部91aよりも軸受67に近づいた状態にあり、軸受の外周面67aに対して確実に接触した状態となる。
また、切り欠き片92は、その自由端92aが差込部91の差込方向に形成されて軸受67に近づく状態に曲げられて突出した状態になっているので(図14)、軸受67を搬送管62の端部開口62aに嵌め入れる際には、軸受67に押されて倒れ込む状態になって、軸受67の嵌め入れ作業の障害とならない。一方、切り欠き片92は、その自由端92aが搬送管62の端部開口62aに嵌め入れた後の軸受67の外周面67aに対して食い込んだ状態になるので、軸受67が端部開口62aから抜ける方向(矢印Z2の方向)への動きに対する抵抗となり、軸受67の端部開口62aからの抜けを防止するように作用する。
回収容器2の内部搬送部材30の接地については、内部搬送部材30の支持軸31及び軸連結材32を金属材料又は導電性を有する材料で形成したうえで、その支持軸31の軸受33を金属材料又は導電性を有する材料で形成し、その支持軸31の軸受33(図7参照)を接地することで対応している。軸受33の接地は、例えば筐体101の接地した支持板106に例えば後記する接地用の金属板(95)を取り付け、その接地用の金属板の一部を軸受33の容器外部に露出した部分に接触させる状態に保つように構成することで実現している。
このような構成により、内部搬送部材30は、回収容器2を装着した際に、その支持軸31の軸受33が、接地された支持板106に取り付けられている接地用の金属板の一部に接触した状態になって接地される。この結果、内部搬送部材30は、その接地された軸受33と支持軸31を介して電気的に接続された状態となることで、接地された状態に保たれる。
以上の対策(接地に関する構成)をとった現像剤回収装置1による現像剤の回収を行い、検出器80が現像剤Gcの収容量が設定量に達したと検知した時点で回収容器2に収容された現像剤Gcの状態を観察したところ、図15に実線S4として示すように、現像剤Gcが回収容器2における検出測定部22の隆起部22bに達する高さまで堆積した状態になっていることが確認された。つまり、検出器80が正常な検知を行うことができたことが判明した。
また、本発明者らがこの回収装置1による現像剤の回収に際して検出器80が設定量に達する前の段階における回収容器2の内部の状態を種々観察したところ、回収容器2の現像剤Gcが実際に堆積していない領域の内壁面部分(特に検出測定部22)には、現像剤(厳密にはトナー)が付着していないか又は対策前に比べて激減した量の現像剤Gcが付着している程度であった。この他、検出器80で検知された後の現像剤収容済みの回収容器2に手で直接触れた場合でも、容器2から手に対して静電気の放電が起こることはなかった。
さらに、この回収装置1では、その搬送装置4における最下流となる第4搬送部45のオーガー63として導電性の部材(この例では金属材料)で構成されるものを使用しているため、非導電性の合成樹脂で構成されるオーガーに比べてコストアップが発生する。しかし、かかるオーガー63等を含む搬送装置4を画像形成装置100の筐体101側に設置して残す構成を採用しているため、例えば、かかる導電性の部材で構成したオーガー63を交換部品となる回収容器2に設置した構成に比べて、製造数量が(交換部品の回収容器2よりも)少なくなる分、コストアップが抑制される。また、その接地したオーガー63は、回収容器2を画像形成装置100に装着した際に、その容器2の内部空間に配置された状態になるので、その内部空間内の除電性能が高められる。
図16は、前記対策前及び対策後の各現像剤回収装置1による現像剤の回収試験をそれぞれ行い、そのときの回収容器2の外壁面の電圧を現像剤Gcの収容量(設定量に対する百分率)ごとに測定した結果を示すものである。
現像剤の回収試験は、未使用の回収容器2を装着して使用するとともに、帯電させた非磁性トナーと磁性キャリア(フェライト粒子)を含む現像剤(トナー比率:50〜70wt%)を第一搬送部41の受入口46aから所要の量(15g/分)ずつ投入し、その現像剤の各収容量(%)に達した時点で回収容器2の外壁面の電圧を測定するという内容で行った。非磁性トナーとしては、ポリエステル樹脂製の乳化重合トナー(平均粒径5.8μm。帯電性制御、清掃容易性等の機能を付加する外添剤が外添されている。)を使用した。電圧を測定した容器外壁面の場所は、図6に示すように、(1)検出測定部22の隆起部(センサ部)、(2)取っ手23の凹部(取っ手部)、(3)搬入口26から落下して収容される現像剤Gcが主に溜まる容器内部の底面部分(溜まり部)、という計3箇所である。電圧の測定は、温度23℃、湿度10%RHの環境下で、測定機として高電圧プローブ(春日電機社製:型名KDS−0103)を用いて行った。
また、対策後の回収装置は、前記実施形態に係る回収装置1において内部搬送部材30(具体的には支持軸31の軸受33)を接地しない構成としたものを採用した。一方、対策前の回収装置は、前記実施形態に係る回収装置1において内部搬送部材30を接地しないことに加え、第四搬送部45のオーガー63を接地していない(具体的には接地用の金属板9を取り付けない)という構成とした点で、対策後の回収装置1と相違するだけである。
図16に示す結果から、対策後の回収装置1では、現像剤の回収過程において回収容器2の内部の電圧が現像剤の収容量が増えても増大しないか又は増大しにくいことが推認さされる。ちなみに、この試験について、上記した温度湿度の環境条件から温度が25℃、湿度が50%RHとなる環境条件に至るまで数種類の条件に分けて設定したうえで同様に行ったが、いずれも上記試験結果(図16の下のグラフに示す結果)と類似した傾向の結果が得られた。
この他にも、対策後の回収装置1として、前記実施形態の場合と同様にオーガー63を接地することに加え、内部搬送部材30についても接地した構成の回収装置を用いて上記試験を同様の条件で行ったところ、図16の下のグラフに示す結果よりも更に外壁面電圧が小さくなる結果が得られた。また、対策後の回収装置1として、オーガー63を接地せずに(具体的にはオーガー63を非導電性の材料で形成して非接地の状態にした)、前記実施形態の場合と同様に内部搬送部材30について接地した構成の回収装置を用いて上記試験を同様の条件で行ったところ、図16の下部に示す結果とほぼ同様の良好な結果が得られた。
[他の実施形態]
第1の実施形態においては、第四搬送部45のオーガー63の接地の形態について、前記した金属板9を使用し軸受67を介して接地する構成に限らず、他の接地の構成を適用することもできる。
他の接地の構成としては、例えば、図17に示すように、オーガー63の回転軸63a(の端部側面63e)に、筐体101の接地した支持板107に取り付けた接地用の金属板95を接触させることができる。金属板95としては、例えば、その一端部に回転軸63aの端部側面63eに(点状又は面状に)接触させる形状の接触突部95aを曲げ加工等により形成し、その他端部にネジ孔を形成したものを使用する。この金属板95は、その接触突部95aをオーガー63の回転軸端部側面63eに接触させるとともに、その他端部を金属製の固定ネジ99で支持板107に固定して取り付ける。この際、金属板95は、図17に例示するように回転軸端部側面63eから離れる方向(矢印Z2の方向)に反って弾性変形する状態で取り付け、これにより接触突部95aを回転軸端部側面63eに対して弾性的に接触させるようにする。この場合、オーガー63は、その回転軸63aが金属板95(固定ネジ99を含む)を介して接地された筐体101の支持板107と電気的に接続されることとなり、これにより接地された状態に保たれる。
ちなみに、この構成の場合は、金属板95が回転する回転軸63に直接、接触した状態で設置されるので、その両者の接触部で擦れ音(騒音)が発生する。この点、第1の実施形態で示した軸受67を介して金属板9を設置した場合には、そのような接触部が存在しないので、かかる接触部に起因した騒音が発生することがない。
また、第1の実施形態においては、第四搬送部45のオーガー63と回収容器2の内部搬送部材30の双方について接地したが、その一方のみを接地するように構成することもできる。この一方のみを接地する構成にした場合も、前記した誤検知が発生せず、正常に検知されることが確認されている。
また、内部搬送部材30の接地については、例えば、その軸連結部材32が接続される回転駆動伝達機構の軸連結材37及び伝達ギヤ36を接地することで対応することも可能である。この場合、回転駆動伝達機構の軸連結材37及び伝達ギヤ36の接地は、その部材及びギヤを導電性のもので形成したうえで、オーガー63の回転軸63aが前述したとおり接地されており、またその回転軸63aに導電性の第二従動プーリ76及び伝達ギヤ35が一体で取り付けられているので、その接地されたオーガー63を通して接地されることになる。この結果、内部搬送部材30は、回収容器2を装着し、内部搬送部材30の軸連結材32を回転駆動伝達機構の軸連結材37に接触させて噛み合わせることにより、回転駆動伝達機構の接地された軸連結材37及び伝達ギヤ36と(厳密には接地されたオーガー63とも)電気的に接続されることとなり、これによって接地された状態に保たれる。
また、第1の実施形態においては、搬送装置4のうち最下流の搬送路区間となる第四搬送部45のオーガー63を接地する構成例について説明したが、それに加えて、第一搬送部41,42のオーガー47、第二搬送部43のオーガー49及び第三搬送部44の上下動搬送コイル52、53の一部又は全部について導電性の材料で形成したうえで、接地するように構成することもできる。ちなみに、搬送装置4のうち接地する箇所として、最下流の搬送路区間(第四搬送部45)でなく、それよりも上流側の搬送路区間(第一〜第三の搬送部41〜44など)を接地した場合には、回収容器2の内壁面への現像剤の付着が発生し、誤検知が発生するときがあることが確認されている。また、搬送装置4が複数の搬送部41〜45で構成されるものでなく、単一の搬送部(1つの搬送管と搬送部材で構成されるもの)で構成されるものである場合は、その単一の搬送部における1つの搬送部材を導電性の部材で形成したうえで、接地することになる。なお、接地する対象のオーガー等の搬送部材や軸受67等について導電性の部材として構成する場合は、金属材料で形成するほか、導電性を付与した合成樹脂等で形成する場合も含まれる。接地する対象の部材については、全体が導電性を有する部材として形成する場合に限らず、少なくとも表面が導電性を有する部材として形成しても差し支えない。
さらに、第1の実施形態においては、搬送装置4のうち最下流の搬送路区間となる第四搬送部45として、その一部を容器内部に(搬送管受入保持体25を介して)挿し入れる接続構造の構成例について説明したが、その構成に限らず、例えば、図18に示すように、搬送装置における最下流の搬送部40が回収容器2の外部で接続される構造であっても構わない。図18において符号40aは搬送部40の搬送管における現像剤の排出口、29は回収容器2の現像剤の受入口を示す。このような外部接続構造の搬送装置4及び回収容器2を適用する場合においても、その少なくとも最下流の搬送管におけるオーガー63等を接地するように構成することが有効である。
この他、回収容器2としては、内部搬送部材30が装備されていない容器を使用することもできる。搬送装置4における搬送部材としては、オーガー47,49,63でなく、搬送路(菅)内で回転して現像剤を搬送することができる他の搬送部材を使用することもできる。この他の搬送部材を使用する場合には、搬送装置4の最下流となる搬送路区間(例えば前記第四搬送部45)における他の搬送部材について少なくとも導電性を有する部材として形成する。また、搬送装置4における接地すべき搬送部材の接地は、第1の実施形態で例示したような画像形成装置100の筐体101における接地した支持部材を介して行う構成に限らず、その搬送部材から直接的に接地する構成を適用しても構わない。さらに、回収容器2に回収する対象となる現像剤としては、前記したトナー及びキャリアを含む現像剤以外の現像剤を適用することが可能である。その例としては、例えば、非磁性のトナーで構成される現像剤(いわゆる一成分現像剤)であって帯電させた状態で使用するものが挙げられる。
また、検知装置8としては、光学式の検知器80に限らず、他の方式の検知装置を適用することも可能である。例えば、光学式の検知器80に比べてコスト面等で不利になるが、現像剤のキャリア等の磁性を利用して現像剤の収容量に関する検出を行う透磁率センサなどを適用してもよい。さらに、回収装置1では、中間転写ベルト21の表面を清掃する第2の清掃装置28で発生する現像剤を回収容器2に回収するようにすることもできる。
さらに、画像形成装置100については、作像装置102として作像ユニット110が4つ以外の複数の作像ユニットを装備するものであってもよい。また、画像形成装置100は、作像装置102が第1の実施形態で例示したような中間転写ユニット120を採用しない方式のものであっても差し支えない。