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JP4793210B2 - フォールデッドダイポールアンテナ - Google Patents

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JP4793210B2
JP4793210B2 JP2006270520A JP2006270520A JP4793210B2 JP 4793210 B2 JP4793210 B2 JP 4793210B2 JP 2006270520 A JP2006270520 A JP 2006270520A JP 2006270520 A JP2006270520 A JP 2006270520A JP 4793210 B2 JP4793210 B2 JP 4793210B2
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Description

本発明は、面上に展開される金属配線から構成された小形の広帯域アンテナに関する。このアンテナは、ダイポールアンテナを簡潔に低コストで構成する場合に有用であり、例えば車載アンテナを車窓等の誘電体に配設する際などに用いる。
広帯域で整合する平面型の小形アンテナを実現しようとした従来技術としては、例えば下記の特許文献1に記載されているものが公知である。この従来のループアンテナは、その一部分としてフォールデッドダイポールを備えることによって、広帯域化を図った点に大きな特徴がある。
また、可変容量素子を用いて、アンテナの広帯域化を図ろうとする従来技術としては、例えば下記の非特許文献1に記載されているものが公知である。このアンテナは、アンテナの周辺環境の変化(例:人体の接近など)によって、アンテナの入力インピーダンスが内部回路(受信回路)に整合し難くなる場合が生じ得ると言う問題を解決するために提案されたものであり、バラクタダイオードを用いたπ型のマッチング回路と、このマッチング回路の整合特性を動的に制御するアナログ回路に特徴がある。
特開2005−204194 井田、高田、外2名「アダプティブ制御による移動体通信機用アンテナ自動整合装置」,2004年電子情報通信学会総合大会,B-1-262.
しかしながら、可変容量素子を用いてアンテナの広帯域化を図ろうとする場合には、その容量制御のためのバイアス制御回路などが複雑となるので、コスト面などで明らかに不利となる。
また、アンテナ自体に可変容量素子を組み付ける方式も考えられるが、回路の複雑化、コスト、アンテナの美観、或いは、アンテナの放射パターン形状に対するバイアス線路の悪影響などの点に、未だ多くの問題が残っており、その様な方式も必ずしも望ましいとは言えない。
一方、上記の特許文献1に記載されている従来のループアンテナの場合、何らかの追加または変形による更なる広帯域化が期待されるが、低コスト化の観点からすると、その広帯域化手段は、できるだけ簡潔なものが望ましい。
本発明は、これらの課題を解決するために成されたものであり、その目的は、アンテナの複雑化やコスト上昇を抑えつつ、更なる広帯域化を図ることである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、面上にパターン展開された金属配線から構成されるフォールデッドダイポールアンテナにおいて、互いに接近した左右2点1組の給電点(α,β)からなる1つの給電部Oとその反対側に位置する容量とを備えた最外周ループZ(経路α−e−f−a−b−c−d−h−g−β)から成る第1のフォールデッドダイポールと、最外周ループZの内側に配置され、かつ、両端(g,h)が最外周ループZの左側半周の途中の相異なる2点にそれぞれ接続された無分岐の線路sと、最外周ループZの内側に配置され、両端(e,f)が最外周ループZの右側半周の途中の相異なる2点にそれぞれ接続され、かつ、線路sと交点も接点も持たない無分岐の線路tとを有し、線路sと線路tと給電部Oと容量と、最外周ループZの一部分(経路f−a−b−c−d−h)とから成り、給電点(α,β)を両端点とし途中に容量を有する無分岐の1本の開曲線を形成する金属配線p(経路α−e−線路t−f−a−b−c−d−h−線路s−g−β)は、第2のフォールデッドダイポールを構成しており、容量は、最外周ループZを形成する金属配線上の中点上において、最外周ループZを形成する金属配線(経路b−c)が有する隙間でパターン形成されており、線路sと、その両端(g,h)間を結ぶ線路とは、1本の単純閉曲線である金属配線q(経路g−線路s−h−g)を構成し、線路tと、その両端(e,f)間を結ぶ線路とは、他の1本の単純閉曲線である金属配線r(経路e−線路t−f−e)を構成し、金属配線pと金属配線qは、互いに線路sを共有し、金属配線pと金属配線rは、互いに線路tを共有し、金属配線qと金属配線rは、互いに離れて配置され、金属配線p,q,rから線路sと線路tとを除いた残りの部分は、最外周ループZを形成し、金属配線qと金属配線rの間に位置する金属配線pの部分ppは、給電部Oを備え、かつ、給電部Oを介して、金属配線qと金属配線rとをつないでおり、面上にパターン展開された金属配線は、左右2点1組の給電点(α,β)を左右に分割する1本の中心線に対して、左右対称に展開されており、第1のフォールデッドダイポールの長手方向の長さL(経路b−c)は、それと直交する方向の第1のフォールデッドダイポールの長さW(経路a−b)の10倍以上50倍以下であり、第2のフォールデッドダイポールを形成する、長手方向に平行な金属配線の間隔D2は、第1のフォールデッドダイポールの長手方向の長さLに対して、L/200≦D2≦L/50を満たし、給電点(α,β)から見たインピーダンスが純インピーダンスとなる周波数であって、低い側から第1周波数、第2周波数、第3周波数とする時に、容量の減少に対して、第2周波数と第3周波数との増加が、第1周波数の増加よりも大きくなる特性にして、利用周波数帯域を拡大させたことを特徴とするフォールデッドダイポールアンテナである。
ただし、上記の金属配線を展開する面は、誘電体基板やフィルム基板やガラスなどの表面を考えることができ、これらの金属配線はその後更に、任意の誘電体材料で封止してもよい。
また、上記の容量は、複数の容量を直列接続したものでも、並列接続したものでもよい。特にその場合には、それらの合成容量が上記の容量に相当する。
また、上記の容量の望ましい数値範囲は、凡そ0.1pF〜2pF程度であり、より望ましくは凡そ0.1pF〜1.0pF程度であり、更に望ましくは概ね0.2pF前後である。この値が大き過ぎると、本発明の広帯域化作用を得ることが難しくなり、また、この値が小さ過ぎると、アンテナが良好に動作すべき周波数帯域の中央部において、局所的に整合特性が劣化する帯域が生じ得て望ましくない。即ち、アンテナの共振周波数に対する電圧定在波比(VSWR)のグラフに極大点が生じてしまい、かつ、その極大値が3以上の大きな値を示す場合が生じることがあり望ましくない。
ここで言う開曲線や単純閉曲線は、金属配線の中心線などと解釈すれば良い。この金属配線は、実際には金属ワイヤー等の周知の金属導体で形成するものであるので、勿論、厳密に言及すれば太さや体積を有する。
また、厳密には、上記の開曲線は上記の容量の所で切れているが、ここでは、その隙間を無視して上記の開曲線(金属配線p)を考えるものとする。
上記の容量を形成するための上記の隙間(スリット)は、必ずしも左右対称形に形成する必要はない。この場合に重要となるのは、容量または合成容量の実効的な重心の位置であり、その位置が上記の中心線上にあれば十分である。
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段において、給電部O寄りに位置する線路sの一部分ssと給電部O寄りに位置する線路tの一部分ttとを距離D1だけ離して互いに平行に対峙させて配置することである。
また、本発明の第3の手段は、上記の第2の手段において、上記の第1のフォールデッドダイポールの長手方向の長さLに対して、L/10≦D1≦L/4が満たされる様に、上記の距離D1を設定することである。
以上の本発明の手段により、上記の前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
以上の本発明の手段によって得られる効果は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の手段によれば、上記の容量の配設によって、アンテナの利用可能な周波数帯域を従来よりも広くすることができる。また、この広帯域アンテナは、金属配線や容量を誘電体基板の面上にパターン展開することによって、非常に簡潔かつ安価に形成することができる。また、特に、上記の容量は、それらの面上に展開される金属配線の隙間で形成することができるので、その導入に伴うコスト上昇の恐れはなく、更に、この容量は、例えば0.2pF程度の非常に小さなものでよいので、上記の構成はアンテナの小形化にも適している。
また、本発明によれば、金属配線上の電流が強い部分に上記の容量が配設されるので、これにより、この容量に基づく周波数広帯域化作用を最も効果的に得ることができる。
また、本発明によれば、アンテナの利得を最大にすることができる。ただし、フォールデッドダイポールアンテナの配線パターンは最終的には設置場所の形状(例:ガラスを支持する窓枠の形状)や面積や、さらには視覚的な効果などをも総合的に考慮して決定することがより望ましい。
また、本発明によれば、アンテナの占有領域を細く形成することができるので、例えば車両のフロントガラスなどに当該アンテナを配設する場合に、アンテナの搭載性を改善することができる。また、本発明の第5の手段によれば、広帯域にわたって所謂8の字型の指向性を得ることもできる。
また、本発明の第2の手段によれば、第2のフォールデッドダイポールを略T字形状に形成することができ、更に、上記の距離D1の調整によって、この第2のフォールデッドダイポールの入力インピーダンスを容易に調整することができる。
また、本発明の第3の手段や第1の手段によれば、各チューニングパラメータ(D1またはD2)の最適化に基づいて、アンテナの電圧定在波比(VSWR)を効果的に小さくすることができる。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
図1に本実施例1のフォールデッドダイポールアンテナA1の平面図を示す。図中の各金属配線は何れも板状のストリップ導体からなる。
第1のフォールデッドダイポールは、点a,b,c,dを頂点とする矩形の最外周ループZによって構成されている。一方、第2のフォールデッドダイポールは、中央の略T字型の平面領域Pを取り囲むストリップ導体からなる金属配線pで構成されており、この金属配線pの両端点で給電点α,βが構成されている。以下、これらの給電点α,βを合わせて給電部Oと呼ぶ。
最外周ループZの内側に配置された線路sの各端点は、この最外周ループZ上の点h,gにそれぞれ接続されている。また、最外周ループZの内側に配置された線路tの各端点は、この最外周ループZ上の点e,fにそれぞれ接続されている。金属配線pの一部を構成する線路sの更なる一部分ssと、金属配線pの一部を構成する線路tの更なる一部分ttは、互いに距離D1だけ離して平行に対峙させて配置されている。この対峙部分ss、ttを、以下、スタブ(ss、tt)と呼ぶことがある。
また、点g,e間を結ぶ金属配線ppの中央には、上記の給電部Oが挿入されている。言い換えれば、この金属配線ppは、給電部Oの右側に位置して給電点αと点eとをつなぐ金属配線(pp右部)と、給電部Oの左側に位置して給電点βと点gとをつなぐ金属配線(pp左部)との総称であり、このpp右部とpp左部も金属配線pの一部を構成している。その給電点αから出発して、左回りに順次点a、b、c、dを通り、最後に給電点βに戻る順路上に、上記の最外周ループZが金属配線で形成されている。
なお、線路sは、最外周ループZで囲まれた矩形の内部領域上のみを通って、最外周ループZ上の2点g、hをつないでおり、最外周ループZ上には位置していない。同様に線路tは、最外周ループZで囲まれた矩形の内部領域上のみを通って、最外周ループZ上の2点e、fをつないでいる。線路tと線路sは、互いに交点も接点も有していない。
以下、これらの構造を2次元領域Uを使って説明する。
この2次元領域Uは、給電点α,βを繋ぐ線分と上記の最外周ループZとで囲まれる領域であり、点a、b、c、dを各頂点とする矩形の内部領域と一致する。そして、この2次元領域Uは、図1に示された3つの2次元領域P、Q、Rの和領域と、上記の2本の線路sとtから構成されている。ただし、P、Q、R、s、tは何れも互いに交わらない。2次元領域Pを囲む開曲線を形成する金属配線pと、2次元領域Qの周(単純閉曲線)を成す金属配線qとは、一部の金属配線sを共有している。同様に、2次元領域Pを囲む開曲線を形成する金属配線pと、2次元領域Rの周(単純閉曲線)を成す金属配線rとは、一部の金属配線tを共有している。
また、略T字型の2次元領域Pを囲む金属配線pは開曲線を構成しており、この開曲線の2つの端点が、上記の給電部Oの給電点α,βに相当する。即ち、2次元領域Pを囲む開曲線を形成する金属配線pの2つの端点α,βは、給電部Oの所で互いに接近している。この給電部Oを備えた金属配線pの部分ppは、2次元領域Qの周(単純閉曲線)を形成する金属配線q上の点gと、2次元領域Rの周(単純閉曲線)を形成する金属配線r上の点eとを給電部Oを介してつないでいる。
図中の幅D2は、第2のフォールデッドダイポールを構成する略平行形状の2線の間隔を示している。そして、そのT字型の左側端部は、点cよりも先の部分がy軸方向の負の向き、およびx軸方向の正の向きに直角に折り曲げられている。同様に、このT字型の右側端部は、点bよりも先の部分がy軸方向の負の向き、およびx軸方向の負の向きに直角に折り曲げられている。また、給電部Oは、このT字の最下部の略中央に設けられている。
最外周ループZによる第1のフォールデッドダイポールと第2のフォールデッドダイポールが共有する金属配線p上には、容量C1が設けられている。この容量C1は、幅D3のスリットpsを有する金属配線でパターン形成されている。スリットpsは、直角の屈曲部を2つ有する。この構成によれば、プリント技術等により、必要な容量C1をアンテナの金属配線と同様に形成することができる。従って、広帯域な特性を有する低コストなアンテナを実現することができる。
また、第1のフォールデッドダイポールと第2のフォールデッドダイポールによって共有されるT字形の上部を構成する金属配線pの中央部は、電流が強い部分であるので、ここに容量C1を設けることにより、当該アンテナA1の許容周波数帯域幅を最大にすることができる。
以下、金属配線の各部の長さについて、その適正範囲を開示する。
このフォールデッドダイポールアンテナA1のx,y各方向の各長さL,Wに関しては、L/50≦W≦L/10とすれば、アンテナをy軸方向に細くすることができ、かつ、広い周波数に渡って安定した8の字型の指向性を得ることができる。
また、上記のスタブの幅D1(ワイヤssとワイヤttとの間隔)の適正範囲は、L/10〜L/4であり、このとき、給電部Oでの電圧定在波比(VSWR)を小さくすることができる。
また、第2のフォールデッドダイポールの2線間の間隔D2の適正範囲は、L/200〜L/50であり、この設定により、給電部Oでの電圧定在波比(VSWR)をさらに小さくすることができる。
次に、図2−Aに、図1のフォールデッドダイポールアンテナA1の給電部Oにおけるインピーダンス特性を示す。このインピーダンス特性は、以下の数値を仮定したシミュレーションによって得られたものである。
(仮定条件1)
W = 15mm
L = 284mm
τ = 5μm
D = 1mm
D1= 40mm
D2= 2mm
D3= 60μm
LL= 5mm
C1= 0.2pF
ただし、ここで、τとDは各金属配線の厚さと幅であり、LLはスリットpsのx軸方向の長さである。
図2−Aのグラフでは、実線が該インピーダンスの実部の値を示しており、点線が虚部である。横軸は、中心周波数f0 (710MHz)により規格化した周波数を示す。また、虚部が0となる横軸切片の周波数を、低いほうからf1 、f2 、f3 とする。
また、図2−Bには、このアンテナA1の電圧定在波比(VSWR)を示す。周波数fは、給電部Oにおけるインピーダンスが230Ωを示す周波数f0 (即ち、上記の中心周波数:710MHz)を1として規格化した。この時、周波数fが0 .66f0 (470MHz)〜1 .34f0 (950MHz)の範囲に渡って、電圧定在波比が3以下となる。したがって、例えばアンテナを特性インピーダンス50ΩのRFケーブルに接続する際には、50Ω〜230Ωのバランを給電部OとRFケーブルとの間に挿入すればよい。
一方、特許文献1の図1の従来のループアンテナ10に対して、以下の2条件で同様のシミュレーションを行った結果、何れの場合も、電圧定在波比が3以下となる周波数帯域は、470MHz〜710MHzであった。
(仮定条件2)
W = 50mm
L = 200mm
τ = 5μm
D = 1mm
D1= 40mm
D2= 5mm
(仮定条件3)
W = 20mm
L = 250mm
τ = 5μm
D = 1mm
D1= 40mm
D2= 2mm
このシミュレーション結果より、上記の容量C1を金属配線p上に設けたこと、及び、同時に従来よりもアンテナを細長くしたことなどにより、周波数帯域が従来の2倍に広がったことが分かる。また、人体の接近などの悪影響によってアンテナの送受信可能な周波数帯域は、下方にシフトすることが多いので、送受信可能な周波数帯域が上方に大幅に拡張されたことは、非常に望ましい結果であると言える。
図3−Aに、上記のフォールデッドダイポールアンテナA1の容量C1の値と上記の各周波数f1 、f2 、f3 との関係を示す。このグラフから分かる様に、容量値を小さくするにつれ、周波数f2 、f3 は高くなるが、この時、周波数f1 はあまり変化していない。即ち、このグラフより、容量値を小さくするとアンテナの利用周波数帯域が広くなることがわかる。
また、図3−Bに、上記のフォールデッドダイポールアンテナA1の容量C1の値とインピーダンスの関係を示す。このグラフから分かる様に、容量値を小さくするにつれて、f2 、f3 におけるインピーダンスは高くなっているが、この時、周波数f1 におけるインピーダンスはあまり変化していない。ここで、f3 におけるインピーダンスが高くなることは、アンテナの利用周波数が広くなることを示している。
また、図4−A〜Cに、フォールデッドダイポールアンテナA1の、f=0 .66f0 、f=f0 =710MHz、f=1.34f0 におけるxy平面上での各指向性を示す。これらのグラフから分かる様に、電圧定在波比が3以下となる周波数帯域において、フォールデッドダイポールアンテナA1の指向性は略8の字となる。
図5に本実施例2のフォールデッドダイポールアンテナA2の平面図を示す。このフォールデッドダイポールアンテナA2は、先の実施例1のフォールデッドダイポールアンテナA1を若干変形したものであり、給電部Oの反対側に位置する容量が、容量C2によって構成されている点に特徴がある。この容量C2は、第2のフォールデッドダイポールのT字の上部を構成する金属配線pを、間隔D1の内側において二重に平行に重ねて形成したものであり、その平行な金属配線間の僅かな隙間が、容量C2のスリットpsを構成している。このスリットpsの幅は、先の実施例1の幅D3と同程度でよい。
また、この容量C2の構造は、金属配線pの給電部Oの反対側の位置に、太い部位を形成し、その極太部の中央に左右方向(x軸方向)のスリットpsを形成することによって構成されたものと考えてもよい。
この様な容量C2の形成形態によっても、勿論先の実施例1と略同様の作用・効果を得ることができる。
図6に本実施例3の容量C3の平面図を示す。この容量C3は実施例1のフォールデッドダイポールアンテナA1において、容量C1の代わりに適用可能なものである。この容量C3の構造は、若干入り組んだ所謂メアンダ状に該容量をパターン形成したものであり、容量C1を複数並列接続したものと考えてもよい。したがって、この容量C3は、容量C1を適用する場合よりも、その容量値を大きくしたい場合などに有用である。
また、これらの容量値は、その並列接続段数の他にも、スリットpsの幅やx軸方向の長さやy軸方向の長さや、金属パターンの厚さ(z軸方向の長さ)などによっても、最適化することができる。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
(変形例1)
例えば、上記の各実施例では、容量を形成するスリットpsの少なくとも一部を左右方向(x軸方向)に形成したが、スリットpsは縦方向(y軸方向)に形成するだけでもよい。図7−Aに本変形例1の容量C4の平面図を示す。この容量C4は、金属配線pの給電部Oの反対側に位置する部位を太くして、縦方向に真っ直ぐにスリットpsを形成したものである。この様な容量の形成形態に従えば、金属配線p上の容量の構造を簡単にすることができる。また、所望のフォールデッドダイポールアンテナを完全な左右対称形にすることもできる。
(変形例2)
また、図7−Bに本変形例2の容量C5の平面図を示す。この変形例2は、アンテナの中心線を外して、その中心線に対して左右対称に容量C5aと容量C5bを配設したものである。即ち、本変形例2の容量C5は、直列接続された容量C5aと容量C5bとの合成容量からなる。例えばこの様に、個々の容量は、必ずしもアンテナの中心線上に配置しなくてもよい。また、容量C5aや容量C5bの形状は、最も簡単なものであり、この様な構造に従えば、給電部Oの反対側の金属配線p上に配設すべき容量を極めて簡単に形成することができる。
なお、本変形例2の容量C5の直列接続の構造は、例えば容量C1を適用する場合よりも、その容量値を小さくしたい場合などに有用である。
(変形例3)
また、上記の実施例1では、直線(線分)と直角を基調として、金属配線のパターンを形成したが、アンテナの配線パターンは、必ずしも直線(線分)や直角を基調として形成する必要はない。例えば、先の特許文献1に開示されている様な、曲線を基調とする配線パターンによって、本発明のフォールデッドダイポールアンテナを形成してもよい。
(変形例4)
その他にも、本発明のアンテナには、種種の変形を与えることができ、例えば、先に言及した特許文献1に開示されている様な各種の実施例や変形例などを参考にして、それらの実施形態を部分的に真似たり応用したりしてもよい。
本発明のフォールデッドダイポールアンテナは、例えば窓ガラス等の透明な絶縁体に配設すると、その優位性が特に顕著となる構成を有するが、しかしながら、本発明のアンテナは、上記の用途や使用形態に何ら限定されることなく、通信に使用可能な任意の周波数の電波の送受信に、任意の使用形態で利用することができるものである。
実施例1のフォールデッドダイポールアンテナA1の平面図 実施例1のアンテナA1のインピーダンスを示すグラフ アンテナA1の電圧定在波比(VSWR)を示すグラフ アンテナA1の容量値と周波数の関係を示すグラフ アンテナA1の容量値とインピーダンスの関係を示すグラフ アンテナA1の指向性を示すグラフ(f=0.66f0 アンテナA1の指向性を示すグラフ(f=f0 アンテナA1の指向性を示すグラフ(f=1.34f0 実施例2のフォールデッドダイポールアンテナA2の平面図 実施例3の容量C3の平面図 変形例1の容量C4の平面図 変形例2の容量C5の平面図
A1 : フォールデッドダイポールアンテナ
C1 : 容量
O : 給電部
p : ワイヤー(開曲線を形成する)
q : ワイヤー(単純閉曲線を形成する)
r : ワイヤー(単純閉曲線を形成する)
s : pとqとの共有部
t : pとrとの共有部
pp : pの部分(給電部Oの近傍)
ss : sの一部分(ttとの対峙部)
tt : tの一部分(ssとの対峙部)
ps : ワイヤーpに設けられたスリット
D1: ssとttとの距離
D2: 第2のフォールデッドダイポールの平行2線間の間隔
D3: スリットpsの幅

Claims (3)

  1. 面上にパターン展開された金属配線から構成されるフォールデッドダイポールアンテナにおいて、
    互いに接近した左右2点1組の給電点(α,β)からなる1つの給電部Oとその反対側に位置する容量とを備えた最外周ループZ(経路α−e−f−a−b−c−d−h−g−β)から成る第1のフォールデッドダイポールと、
    前記最外周ループZの内側に配置され、かつ、両端(g,h)が前記最外周ループZの左側半周の途中の相異なる2点にそれぞれ接続された無分岐の線路sと、
    前記最外周ループZの内側に配置され、両端(e,f)が前記最外周ループZの右側半周の途中の相異なる2点にそれぞれ接続され、かつ、前記線路sと交点も接点も持たない無分岐の線路tと
    を有し、
    前記線路sと前記線路tと前記給電部Oと前記容量と、前記最外周ループZの一部分(経路f−a−b−c−d−h)とから成り、前記給電点(α,β)を両端点とし途中に前記容量を有する無分岐の1本の開曲線を形成する金属配線p(経路α−e−線路t−f−a−b−c−d−h−線路s−g−β)は、第2のフォールデッドダイポールを構成しており、
    前記容量は、前記最外周ループZを形成する金属配線上の中点上において、前記最外周ループZを形成する金属配線(経路b−c)が有する隙間でパターン形成されており、
    前記線路sと、その両端(g,h)間を結ぶ線路とは、1本の単純閉曲線である金属配線q(経路g−線路s−h−g)を構成し、
    前記線路tと、その両端(e,f)間を結ぶ線路とは、他の1本の単純閉曲線である金属配線r(経路e−線路t−f−e)を構成し、
    前記金属配線pと前記金属配線qは、互いに前記線路sを共有し、
    前記金属配線pと前記金属配線rは、互いに前記線路tを共有し、
    前記金属配線qと前記金属配線rは、互いに離れて配置され、
    前記金属配線p,q,rから前記線路sと前記線路tとを除いた残りの部分は、前記最外周ループZを形成し、
    前記金属配線qと前記金属配線rの間に位置する前記金属配線pの部分ppは、前記給電部Oを備え、かつ、前記給電部Oを介して、前記金属配線qと前記金属配線rとをつないでおり、
    面上にパターン展開された前記金属配線は、前記左右2点1組の給電点(α,β)を左右に分割する1本の中心線に対して、左右対称に展開されており、
    前記第1のフォールデッドダイポールの長手方向の長さL(経路b−c)は、それと直交する方向の前記第1のフォールデッドダイポールの長さW(経路a−b)の10倍以上50倍以下であり、
    前記第2のフォールデッドダイポールを形成する、長手方向に平行な金属配線の間隔D2は、前記第1のフォールデッドダイポールの長手方向の長さLに対して、
    L/200≦D2≦L/50を満たし、
    前記給電点(α,β)から見たインピーダンスが純インピーダンスとなる周波数であって、低い側から第1周波数、第2周波数、第3周波数とする時に、前記容量の減少に対して、第2周波数と第3周波数との増加が、第1周波数の増加よりも大きくなる特性にして、利用周波数帯域を拡大させた
    ことを特徴とするフォールデッドダイポールアンテナ。
  2. 前記給電部O寄りに位置する前記線路sの一部分ssと
    前記給電部O寄りに位置する前記線路tの一部分ttは、
    距離D1だけ離して互いに平行に対峙させて配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のフォールデッドダイポールアンテナ。
  3. 前記距離D1は、前記第1のフォールデッドダイポールの長手方向の長さLに対して、 L/10≦D1≦L/4を満たす
    ことを特徴とする請求項2に記載のフォールデッドダイポールアンテナ。
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