JP4792446B2 - Fuel cell separator - Google Patents
Fuel cell separator Download PDFInfo
- Publication number
- JP4792446B2 JP4792446B2 JP2007264082A JP2007264082A JP4792446B2 JP 4792446 B2 JP4792446 B2 JP 4792446B2 JP 2007264082 A JP2007264082 A JP 2007264082A JP 2007264082 A JP2007264082 A JP 2007264082A JP 4792446 B2 JP4792446 B2 JP 4792446B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- fuel cell
- separator
- graphite
- cell separator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Description
本発明は、板状に形成された予備成形体を、成形型を用いてプレス成形することによって作成される燃料電池セパレータに関するものである。 The present invention relates to a fuel cell separator produced by press-molding a preform formed in a plate shape using a mold.
燃料電池セパレータとは、MEA(膜・電極接合体)を適切に燃料電池セル(燃料電池セパレータの間にMEAを挟み込んだ単位体)内に保持するとともに前記電気化学反応に必要な燃料(水素)及び空気(酸素)を供給する役割、さらには燃料電池として機能するための電気化学反応により得られた電子を損失なく集電する役割等を担っている。これらの役割を担うために燃料電池セパレータには、1.機械的強度、2.可撓性、3.導電性、4.成形加工性、5.ガス不透過性という特性が要求される。
A fuel cell separator refers to a fuel (hydrogen) required to hold an MEA (membrane / electrode assembly) appropriately in a fuel cell (a unit body in which the MEA is sandwiched between fuel cell separators) and for the electrochemical reaction. And the role of supplying air (oxygen) and collecting the electrons obtained by the electrochemical reaction for functioning as a fuel cell without loss. In order to play these roles, the fuel cell separator includes: 1.
従来、この種の燃料電池セパレータの材料としては、耐食性に優れたものとする点から黒鉛を主原料とするものが一般的であり、開発の初期段階では、焼結カーボンを切削することによって燃料電池セパレータを製作していた。しかしながら、コスト的な問題から近年ではフェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と黒鉛とのコンパウンドを成形材料として作成し、そのコンパウンドを圧縮成形することによって燃料電池セパレータとする手段が採られていた。成形材料のコンパウンドは、通常、粉末の状態で供給されるので、一旦樹脂の反応しない低温で予備成形体を作成する一次成形を行ってから、二次成形であるプレス成形型に送られるようになる。このように、一次成形によって一旦予備成形体を作ってから二次成形を行うことで、前記成形加工性に優れる燃料電池セパレータやその製造方法としては特許文献1において開示されたものが知られている。 Conventionally, as a material for this type of fuel cell separator, graphite is the main material because it has excellent corrosion resistance. In the initial stage of development, fuel is obtained by cutting sintered carbon. A battery separator was manufactured. However, due to cost problems, in recent years, a method has been adopted in which a compound of a thermosetting resin such as phenol resin or epoxy resin and graphite is prepared as a molding material, and the compound is compression molded to form a fuel cell separator. It was. Since the compound of the molding material is usually supplied in a powder state, it is first sent to the secondary mold press mold after the primary molding to create the preform at a low temperature where the resin does not react. Become. As described above, the fuel cell separator having excellent molding processability and the manufacturing method thereof are known by performing a secondary molding after making a preformed body by primary molding. Yes.
一方、燃料電池セパレータの主原料である黒鉛として膨張黒鉛を用いるものがあり、例えば特許文献2において開示されたものが知られている。膨張黒鉛を用いた燃料電池セパレータでは、膨張黒鉛が本来有する耐熱性、耐食性、電気特性(導電性)、熱伝導特性等を有効に利用して所定の電池性能を発揮させることができる手段として望ましいものである。つまり、前記導電性に優れるものとすることができる。そして、数百枚〜千枚といった多量のセパレータを用いる自動車用等として求められる軽量でコンパクトな燃料電池とするには、セパレータ単体での厚さを、必要な機能を損なうことなく極力薄くすることが必要になる。
On the other hand, there is one using expanded graphite as graphite which is the main raw material of the fuel cell separator, and for example, one disclosed in
しかしながら、膨張黒鉛を主原料とする従来の燃料電池セパレータでは、薄くすると割れ易くなるとともに、ガスを透過し易くなるので、前述の機械的強度、ガス不透過性の各点で難点がある。
そこで本発明の目的は、導電性と成形加工性とに優れるものとなるよう、膨張黒鉛を主原料とする予備成形体のプレス成形によって作成される燃料電池セパレータを、その予備成形体を抄造法を用いて作成するように工夫することにより、機械的強度、可撓性、ガス不透過性の各特性が改善され、自動車用等に好適となる軽量、コンパクト化が可能となるようにする点にある。 Therefore, an object of the present invention is to produce a fuel cell separator produced by press-molding a preform using expanded graphite as a main material so as to be excellent in conductivity and molding processability. By devising so as to create using, the characteristics of mechanical strength, flexibility, and gas impermeability are improved, and it is possible to make it lightweight and compact suitable for automobiles etc. It is in.
請求項1に係る発明は、板状に形成された予備成形体14を、成形型を用いてプレス成形することによって作成される燃料電池セパレータにおいて、
前記予備成形体14が、膨張黒鉛に繊維質充填材が加えられて成る原料を用いての抄造によって得られる第1シート14Aが、黒鉛に熱可塑性樹脂を塗して成る第2シート14Bの一対の間に介装されるサンドイッチ構造に構成されていることを特徴とするものである。
The invention according to
A pair of a
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の燃料電池セパレータにおいて、前記第1シート14Aは、前記抄造後において含浸される熱可塑性樹脂を有していることを特徴とするものである。
The invention according to
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の燃料電池セパレータにおいて、前記第1シート14Aに用いられる前記熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂であることを特徴とするものである。
The invention according to
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の燃料電池セパレータにおいて、前記第1シート14Aに用いられる膨張黒鉛の材料比率が60〜90%に設定されていることを特徴とするものである。
The invention according to
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のうちの何れか一項に記載の燃料電池セパレータにおいて、前記第2シート14Bに用いられる前記熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂であることを特徴とするものである。
The invention according to
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の燃料電池セパレータにおいて、前記ポリプロピレン樹脂の材料比率が5〜20%の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
The invention according to
請求項1の発明によれば、詳しくは実施形態の項において説明するが、予備成形体が、抄造による第1シートが黒鉛と熱可塑性樹脂とを主原料とする第2シートの二枚の間に挟まれる計三層のサンドイッチ構造のもの、即ち、機械的、電気的特性に優れ、薄肉で、かつ、固有抵抗値等の特性のばらつきが少なく、大量生産が容易で製造コストも有利となる第1シートを、成形性に優れる第2シートの一対の間に挟む構成となっている。その結果、導電性と成形加工性とに優れるものとなるよう、膨張黒鉛を主原料とする予備成形体のプレス成形によって作成される燃料電池用セパレータを、その予備成形体を抄造法を用いて作成する抄造シートを間に挟んで成形性に優れる第2シートが表面に位置するサンドイッチ構造に工夫することにより、機械的強度、可撓性、ガス不透過性の各特性が改善されながら成形性に優れ、自動車用等に好適となる軽量、コンパクト化が可能となる燃料電池用セパレータを提供することができる。
According to the invention of
そして、添加される樹脂が熱可塑性のものであるから、容易に再利用が可能であって、優れたリサイクル性を有する利点があるとともに、自己接着性が生じて、隣合うセパレータどうしをガスケットを用いることなくシール状態で接合できるといった具合に、ガスケットレス化が可能となり(詳しくは実施形態の項において説明する)、部品点数削減によるコストダウンが行える利点もある。 And since the added resin is thermoplastic, it can be easily reused, and has the advantage of having excellent recyclability, as well as self-adhesiveness. Gasket-less can be achieved in such a manner that it can be joined in a sealed state without being used (details will be described in the section of the embodiment), and there is an advantage that the cost can be reduced by reducing the number of parts.
請求項2の発明によれば、膨張黒鉛を主原料とする抄造によって成る第1シートに熱可塑性樹脂を後から含浸させてあるので、熱可塑性樹脂が配合されることによる一般的な作用、効果に加えて、抄造されたシート状体の隙間に熱可塑性樹脂が入り込んで隙間を埋めるようになり、ガス透過性やかさ密度に好影響を与えてさらなる性能向上が可能となる利点がある。この場合、請求項3のように、熱可塑性樹脂をポリプロピレン樹脂とすれば、絶縁性・耐水性・耐薬品性等に優れるというより好ましい作用、効果が追加される。
According to the invention of
請求項4の発明によれば、膨張黒鉛の材料比率を60〜90%に設定してあるので、接触抵抗30mΩ・cm2以下 、固有抵抗30mΩ・cm以下、曲げ強度60MPa以上、曲げ歪1%以上、ガス透過係数2×10−9mol・m/m2・s・MPa以下の各特性の目標値をクリアすることが可能となって好都合である(図6,7参照)。
According to the invention of
請求項5の発明によれば、第2シートに用いられる熱可塑性樹脂をポリプロピレン樹脂としてあるので、ガス透過係数の向上と優れた成形性との双方をより効果的に得ることが可能となるサンドイッチ構造の燃料電池セパレータを提供することができる。この場合、請求項6のように、ポリプロピレン樹脂の材料比率を5〜20%にすれば、請求項1〜5の発明による前記効果を安定して発揮させることができる利点がある。
According to the invention of
以下に、本発明による燃料電池セパレータの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1〜図3は、スタック構造の分解斜視図、セパレータの外観正面図、セル構造を示す要部の拡大断面図、図4は別構造の単セルを示す要部の拡大図、図5はセパレータの製造原理例を示す概略の工程図、図6,7は各種実施例や比較例の特性表を示す図、図8,9は従来と本発明のセル構造の模式図、図10は第2シートの黒鉛添加率とガス透過係数との関係グラフを示す図、図11,12はガス透過係数に関する実験原理を示す図である。尚、以下においては「燃料電池セパレータ」を、単に「セパレータ」と略称する。また、ポリプロピレンを「PP」と省略することもある。 Embodiments of a fuel cell separator according to the present invention will be described below with reference to the drawings. 1 to 3 are an exploded perspective view of a stack structure, an external front view of a separator, an enlarged sectional view of a main part showing a cell structure, FIG. 4 is an enlarged view of a main part showing a single cell of another structure, and FIG. FIGS. 6 and 7 are diagrams showing characteristics tables of various examples and comparative examples, FIGS. 8 and 9 are schematic diagrams of the conventional and the cell structures of the present invention, and FIG. The figure which shows the relationship graph of the graphite addition rate of 2 sheets, and a gas permeability coefficient, FIG.11, 12 is a figure which shows the experimental principle regarding a gas permeability coefficient. In the following, the “fuel cell separator” is simply referred to as “separator”. Also, polypropylene may be abbreviated as “PP”.
まず最初に、本発明のセパレータを備えた固体高分子電解質型燃料電池の構成及び動作について、図1〜図3を参照して簡単に説明する。固体高分子電解質型燃料電池Eは、例えばフッ素系樹脂より形成されたイオン交換膜である電解質膜1と、炭素繊維糸で織成したカーボンクロスやカーボンペーパー或いはカーボンフェルトにより形成され、上記電解質膜1を両側から挟みサンドイッチ構造をなすガス拡散電極となるアノード2及びカソード3と、そのサンドイッチ構造をさらに両側から挟むセパレータ4,4とから構成される単セル5の複数組を積層し、その両端に図示省略した集電板を配置したスタック構造に構成されている。電解質膜1、アノード2、カソード3でMEAが構成される。
First, the configuration and operation of a solid polymer electrolyte fuel cell equipped with the separator of the present invention will be briefly described with reference to FIGS. The solid polymer electrolyte fuel cell E is formed of, for example, an
両セパレータ4は、図2に示すように、その周辺部に、水素を含有する燃料ガス孔6,7と酸素を含有する酸化ガス孔8,9と冷却水孔10とが形成されており、前記単セル5の複数組を積層した時、各セパレータ4の各孔6,7、8,9、10がそれぞれ燃料電池E内部をその長手方向に貫通して燃料ガス供給マニホールド、燃料ガス排出マニホールド、酸化ガス供給マニホールド、酸化ガス排出マニホールド、冷却水路を形成するようになされている。各セパレータ4は、基本の断面形状が角波型となるように表裏に凸条(リブ)11が形成されており、アノード2と各凸条11とが当接することによる燃料ガス流路12、及びカソード3と各凸条11とが当接することによる酸化ガス流路13が形成されている。また、電解質膜1の存在側を内とした場合において、各セパレータ4,4における外向き凸条11の裏側(内側)部分が隣合わされることにより、独立した冷却水通路10に形成することができる。
As shown in FIG. 2, both
前記構成の固体高分子電解質型燃料電池Eにおいては、外部に設けられた燃料ガス供給装置から燃料電池Eに対して供給された水素を含有する燃料ガスが上記燃料ガス供給マニホールドを経由して各単セル5の燃料ガス流路12に供給されて各単セル5のアノード2側において電気化学反応を呈し、その反応後の燃料ガスは各単セル5の燃料ガス流路12から燃料ガス排出マニホールドを経由して外部に排出される。同時に、外部に設けられた酸化ガス供給装置から燃料電池Eに対して供給された酸素を含有する酸化ガス(空気)が上記酸化ガス供給マニホールドを経由して各単セル5の酸化ガス流路13に供給されて各単セル5のカソード3側において電気化学反応を呈し、その反応後の酸化ガスは各単セル5の酸化ガス流路13から上記酸化ガス排出マニホールドを経由して外部に排出される。
In the solid polymer electrolyte fuel cell E having the above-described configuration, the fuel gas containing hydrogen supplied to the fuel cell E from the fuel gas supply device provided outside is passed through the fuel gas supply manifold. The fuel gas is supplied to the fuel
前述の電気化学反応に伴い、燃料電池E全体としての電気化学反応が進行して、燃料が有する化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換することで、所定の電池性能が発揮される。なお、この燃料電池Eは、電解質膜1の性質から約80〜100℃の温度範囲で運転されるために発熱を伴う。そこで、燃料電池Eの運転中は、外部に設けられた冷却水供給装置から燃料電池Eに対して冷却水を供給し、これを前記冷却水路に循環させることによって、燃料電池E内部の温度上昇を抑制している。
Along with the electrochemical reaction described above, the electrochemical reaction of the fuel cell E as a whole proceeds to convert the chemical energy of the fuel directly into electrical energy, thereby exhibiting predetermined battery performance. In addition, since this fuel cell E is operated in a temperature range of about 80 to 100 ° C. due to the nature of the
尚、セルの構造としては、図4に示す構造のものでも良い。即ち、図4のセルは、各セパレータ4を、その表面が縦横に点状のリブ(所定形状のリブ)11の多数が均等間隔毎に並べられて成るものとして、それらリブ11とアノード2の表面との間に縦横の燃料ガス流路12が形成されるとともに、リブ11とカソード3の表面との間に縦横の酸化ガス流路13が形成される構造のものに構成してある。二次成形S2において、中間層で成形性の良い第2シート14Bが厚みの大きい部分に流れて密度不均一状態に容易に変化できることから、機械的、電気的特性を向上させるべく両端に厚み変化が不得意な第1シート14Aを設ける構成としながらも、従来では困難であったリブ11等の凹凸を有する(厚み分布のある)タイプのセパレータ4の実現を可能としている。
The cell structure may be the one shown in FIG. That is, in the cell of FIG. 4, each
次に、セパレータ4についてその作り方(製造方法)の例も交えて説明する。セパレータ4の製造方法は、板状に形成された予備成形体を、成形型を用いてプレス成形することによって作成するものであり、図5に示すように、セパレータの形に近似した板状の予備成形体14を作成する一次成形工程S1と、その予備成形体14を成形金型15で加圧して最終形状のセパレータ4を形成する二次成形工程S2とから成る。ここで、セパレータ4の目標とする特性は、接触抵抗が30mΩ・cm2以下、固有抵抗が30mΩ・cm以下、曲げ強度が60MPa以上、曲げ歪が1%以上、ガス透過係数が2×10−9mol・m/m2・s・MPa以下、厚さ0.15mm以下である。
Next, the
一次成形工程S1は、図5に示すように、第1シート作成工程dと積層工程cとを有している。第1シート作成工程dは、膨張黒鉛に繊維質充填材が加えられて成る原料を用いての抄造によって第1シート14Aを得る工程であり、抄造工程aと後含浸工程bとを有している。積層工程cは、抄造工程a及び後含浸工程bで作成された第1シート14Aを、ポリプロピレン樹脂(熱可塑性樹脂の一例)に黒鉛粉末を塗して成る第2シート14Bの一対の上下間に挟むことで成る三層構造、即ちサンドイッチ構造で、かつ、所定の大きさに形成される予備成形体14を作成する工程である。
As shown in FIG. 5, the primary forming step S <b> 1 includes a first sheet creation step d and a lamination step c. The first sheet creation step d is a step of obtaining the
抄造工程aは、膨張黒鉛に繊維質充填材が加えられて成る原料を用いての抄造によって第1シート14Aを作成する工程であり、主原料である膨張黒鉛(導電材)と繊維質充填材とを所定の配合比率で有する原料を用いて抄造し、それによって予備成形体14用の第1シート14Aを形成する。抄造の本来の意味は「紙の原料をすいて紙を作ること」であるが、ここで言う抄造は『第1シート用の上記材料をすいて第1シートを作ること』である。
The paper making step a is a step of creating the
後含浸工程bは、抄造工程aによって抄造された抄紙(いわば第1シート14Aの主体部)にポリプロピレン樹脂(熱可塑性樹脂の一例)を含浸する工程であり、それによって予備成形体14の構成部品たる第1シート14Aが作成される。積層工程cは、抄造工程a及び後含浸工程bで作成された第1シート14Aを、黒鉛(黒鉛粉末等)にポリプロピレン樹脂(熱可塑性樹脂の一例)を塗して成る第2シート14Bの一対の間に介装して一体化することにより、図5に示すように、中間の第1シート14Aと表裏(上下)の第2シート14B,14Bとの三層によるサンドイッチ構造の予備成形体14を作成する工程である。
The post-impregnation step b is a step of impregnating the paper made by the paper making step a (so-called main portion of the
第1シート14Aとしては二種類のものを用意した。一つ目の第1シート14Aは、実施例1〜4及び比較例2,3に適用されているものであって、上述の抄紙にPP(ポリプロピレン)樹脂を溶着させる後含浸手段を採用して成るものである。詳述すると、坪量100g/m2の抄紙(膨張黒鉛82%、炭素繊維3%、アクリル繊維10%、PET5%)に、20g/m2のポリプロピレンフィルムを載せ、190℃に加熱後に1Mpaの面圧を掛けながら冷却することにより、抄紙/PPフィルムが100/20の第1シート14Aを作成する。
Two types of
二つ目の第1シート14Aは、実施例5〜8及び比較例4,5に適用されているものであって、上述の抄紙そのもので成るもの、即ち「膨張黒鉛に繊維質充填材が加えられて成る原料を用いての抄造によって得られる第1シート」である。つまり、一つ目の第1シート14Aにおけるポリプロピレン樹脂の後含浸を省略したものであるとも言える。尚、図6においては、一つ目の第1シート14Aを用いることを「中層に抄紙+PPフィルムを使用」と欄外に表し、図7においては、二つ目の第1シート14Aを用いることを「中層のPPフィルムを省略」と欄外に表してある。
The second
二次成形工程S2は、例えば、上金型15aと下金型15bから成る成形金型15を用いて三層構造の予備成形体14をプレスによって加圧することにより、所定の最終形状を呈するセパレータ4を作成する工程である。次に、作り方やその実施例等について説明する。
In the secondary molding step S2, for example, a separator having a predetermined final shape is formed by pressurizing the three-layered
まず、一次成形工程S1における抄造工程aに関しては、次のようである。炭素繊維3%、アクリル繊維10%、PET繊維5%を配合して成る繊維質充填材を、家庭用ミキサーを用いて離解し、所定のパルプ濃度(例:1%)に調整する。調整後のパルプスラリーに、例えば40μmの膨張黒鉛を82%添加し、さらに水を追加して固形分濃度0.1%に再調整してから、若干のその他の配合材[硫酸バンド、歩留り向上材〔ハイモロックNR11−LH(商品名)〕]を添加して抄紙用原料として抄造(図5参照)し、シート状体の第1シート14Aを得る。尚、この段階で、標準角型シートマシンを用いて加工することにより、坪量70g/m2で25cm角シート形状の第1シート14Aを得ることも可能である。
First, the papermaking step a in the primary forming step S1 is as follows. A fibrous filler formed by blending 3% carbon fiber, 10% acrylic fiber, and 5% PET fiber is disaggregated using a home mixer and adjusted to a predetermined pulp concentration (eg, 1%). For example, 82% of expanded graphite of 40 μm is added to the adjusted pulp slurry, and water is further added to readjust the solid content to 0.1%. Then, some other compounding materials [sulfuric acid band, yield improvement] The material [Himoloc NR11-LH (trade name)]] is added and papermaking is performed as a raw material for papermaking (see FIG. 5) to obtain a sheet-like
一次成形工程S1における後含浸工程bに関しては、ポリプロピレン樹脂液、或いはポリプロピレンフィルムを加熱溶融させて含浸を行い、予備成形体14用の第1シート14Aを得る。例えば、実施例1におけるポリプロピレン樹脂の含浸量は、含浸後における配合率が20%になるように定められる(5%以上で、好ましくは5〜35%が良い)。抄造による第1シート14Aは、曲げ難い等、成形性にはやや劣る面があるが、優れた機械的及び電気的特性を持っている。
In regard to the post-impregnation step b in the primary molding step S1, the polypropylene sheet is impregnated by heating and melting a polypropylene resin liquid or a polypropylene film to obtain a
一次成形工程S1における第2シート形成工程は、図示は省略するが、黒鉛粉末(粒径1〜200μm程度が好ましい)にポリプロピレン樹脂をコーティングして樹脂カーボンである第2シート14Bを作成する工程である。樹脂カーボンである第2シート14Bは、機械的特性の点では劣るが成形性には優れている。
The second sheet forming step in the primary molding step S1 is a step of forming a
二次成形工程S2に関しては、一次成形工程S1によって作成された三層構造の予備成形体14を、170℃の金型を用いて20MPaの面圧で5分間加熱加圧成形し、セパレータ4を得る。この場合(実施例1)のセパレータ4の各種特性は、接触抵抗12mΩ・cm2、固有抵抗6mΩ・cm、ガス透過係数5×10−11mol・m/m2・s・MPa、曲げ強さ80MPa、曲げ歪2.2%、厚さ0.15mmであった。次に、セパレータ4の各比較例及び各実施例の緒元について述べる(図6参照)。
Regarding the secondary molding step S2, the three-layered
〔比較例1〕
比較例1によるセパレータは、黒鉛83%、フェノール樹脂17%の材料(樹脂カーボン)による1層構造のものであり、その特性を図6の特性表に示す。尚、樹脂カーボンは強度が低いという性質がある。
[Comparative Example 1]
The separator according to Comparative Example 1 has a one-layer structure made of a material (resin carbon) of 83% graphite and 17% phenol resin, and the characteristics are shown in the characteristic table of FIG. Resin carbon has the property of low strength.
〔比較例2〕
比較例2によるセパレータは、図6に示すように、第1シート(14A)として、膨張黒鉛粉末82%、炭素繊維3%、アクリル繊維10%、PET繊維5%の原料を使用して抄造法にて作製された抄紙に、ポリプロピレンフィルムを加熱加圧して目詰め材として一体化させる手段により、ポリプロピレン樹脂20%を後含浸させたシート(前述の「一つ目の第1シート14A」)を用いる。第2シート(14B)として、黒鉛97%とポリプロピレン樹脂3%とを混練した黒鉛粉末を用いる。第1シート(14A)を、一対の第2シート(14B)の間に挟み込み170℃で成形を行う。
[Comparative Example 2]
As shown in FIG. 6, the separator according to Comparative Example 2 uses the raw material of expanded
〔比較例3〕
比較例3によるセパレータは、図6に示すように、第2シート(14B)用の黒鉛粉末の材料比を、黒鉛75%、ポリプロピレン樹脂25%とした以外は、比較例2のものと同じである。
[Comparative Example 3]
As shown in FIG. 6, the separator according to Comparative Example 3 is the same as that of Comparative Example 2 except that the material ratio of the graphite powder for the second sheet (14B) is 75% graphite and 25% polypropylene resin. is there.
〔実施例1〕
実施例1によるセパレータは、図6に示すように、第2シート(14B)用の黒鉛粉末の材料比を、黒鉛95%、ポリプロピレン樹脂5%とした以外は、比較例2のものと同じである。
[Example 1]
As shown in FIG. 6, the separator according to Example 1 is the same as that of Comparative Example 2 except that the material ratio of the graphite powder for the second sheet (14B) is 95% graphite and 5% polypropylene resin. is there.
〔実施例2〕
実施例2によるセパレータは、図6に示すように、第2シート(14B)用の黒鉛粉末の材料比を、黒鉛90%、ポリプロピレン樹脂10%とした以外は、比較例2のものと同じである。
[Example 2]
As shown in FIG. 6, the separator according to Example 2 is the same as that of Comparative Example 2 except that the material ratio of the graphite powder for the second sheet (14B) is 90% graphite and 10% polypropylene resin. is there.
〔実施例3〕
実施例3によるセパレータは、図6に示すように、第2シート(14B)用の黒鉛粉末の材料比を、黒鉛85%、ポリプロピレン樹脂15%とした以外は、比較例2のものと同じである。
Example 3
As shown in FIG. 6, the separator according to Example 3 is the same as that of Comparative Example 2 except that the material ratio of the graphite powder for the second sheet (14B) is 85% graphite and 15% polypropylene resin. is there.
〔実施例4〕
実施例4によるセパレータは、図6に示すように、第2シート(14B)用の黒鉛粉末の材料比を、黒鉛80%、ポリプロピレン樹脂20%とした以外は、比較例2のものと同じである。
Example 4
As shown in FIG. 6, the separator according to Example 4 is the same as that of Comparative Example 2 except that the material ratio of the graphite powder for the second sheet (14B) is 80% graphite and 20% polypropylene resin. is there.
〔比較例4〕
比較例4によるセパレータは、図7に示すように、第1シート(14A)として、膨張黒鉛粉末82%、炭素繊維3%、アクリル繊維10%、PET繊維5%の原料を使用して抄造法にて作製された抄紙を、熱可塑性樹脂による後含浸をすることなくそのまま(前述の「二つ目の第1シート14A」)用いるものであり、それ以外は比較例2のものと同じである。
[Comparative Example 4]
As shown in FIG. 7, the separator according to Comparative Example 4 uses a raw material made of 82% expanded graphite powder, 3% carbon fiber, 10% acrylic fiber, and 5% PET fiber as the first sheet (14A). The papermaking prepared in
〔比較例5〕
比較例5によるセパレータは、図7に示すように、第2シート(14B)用の黒鉛粉末の材料比を、黒鉛75%、ポリプロピレン樹脂25%とした以外は、比較例4のものと同じである。
[Comparative Example 5]
As shown in FIG. 7, the separator according to Comparative Example 5 is the same as that of Comparative Example 4 except that the material ratio of the graphite powder for the second sheet (14B) is 75% graphite and 25% polypropylene resin. is there.
〔実施例5〕
実施例1によるセパレータは、図7に示すように、第2シート(14B)用の黒鉛粉末の材料比を、黒鉛95%、ポリプロピレン樹脂5%とした以外は、比較例4のものと同じである。
Example 5
As shown in FIG. 7, the separator according to Example 1 is the same as that of Comparative Example 4 except that the material ratio of the graphite powder for the second sheet (14B) is 95% graphite and 5% polypropylene resin. is there.
〔実施例6〕
実施例6によるセパレータは、図7に示すように、第2シート(14B)用の黒鉛粉末の材料比を、黒鉛90%、ポリプロピレン樹脂10%とした以外は、比較例4のものと同じである。
Example 6
As shown in FIG. 7, the separator according to Example 6 is the same as that of Comparative Example 4 except that the material ratio of the graphite powder for the second sheet (14B) is 90% graphite and 10% polypropylene resin. is there.
〔実施例7〕
実施例7によるセパレータは、図7に示すように、第2シート(14B)用の黒鉛粉末の材料比を、黒鉛85%、ポリプロピレン樹脂15%とした以外は、比較例4のものと同じである。
Example 7
As shown in FIG. 7, the separator according to Example 7 is the same as that of Comparative Example 4 except that the material ratio of the graphite powder for the second sheet (14B) is 85% graphite and 15% polypropylene resin. is there.
〔実施例8〕
実施例8によるセパレータは、図7に示すように、第2シート(14B)用の黒鉛粉末の材料比を、黒鉛80%、ポリプロピレン樹脂20%とした以外は、比較例4のものと同じである。
Example 8
As shown in FIG. 7, the separator according to Example 8 is the same as that of Comparative Example 4 except that the material ratio of the graphite powder for the second sheet (14B) is 80% graphite and 20% polypropylene resin. is there.
接触抵抗、固有抵抗、曲げ強度、曲げ歪、ガス透過係数の測定のうち、固有抵抗はJISに則って測定し、曲げ強度と曲げ歪は3点曲げ試験(支点間距離20mm、試験速度1mm/分)により測定する。接触抵抗は、面圧1MPaで接触させて4端子法により測定する。そして、ガス透過係数はJISに則って測定し、その原理を図11に示す。即ち、セパレータ4の表裏面の周囲を所定の容器で挟み込んで密閉し、その内部において上下にガス圧を付加し、セパレータ4を通って出てくるガスを測定するのである。図11においては、上から下にガスを通し、下方の測定範囲において材料内通過ガスを測定する例である。この図11に示す原理の試験によるデータが、図6,7における「ガス透過係数」を示している。
Among the measurement of contact resistance, specific resistance, bending strength, bending strain, and gas permeability coefficient, the specific resistance is measured according to JIS, and the bending strength and bending strain are determined by a three-point bending test (distance between
図12は、セパレータ4どうしの接着性に関する評価となる試験である。所定の直径に切り出された2枚のセパレータ4を用意し、一方は、その中央にガス通過用の大孔が開けられた環状のセパレータ環4K(4)に形成して他方に重ね合せ、190℃に加熱後、2MPaをかけて冷却する。セパレータ環4Kを下にして、ガス透過試験機Tにセットして、2枚重ねになっている部分に面圧0.2MPaをかけて固定し、図11のように材料内を通過してくるガスと、接着面内(上下のセパレータ4,4Kの境目部分)を通過してくるガスとの合計を測定する試験である。この図12に示す原理の試験によるデータが、図6,7における「接着、ガス透過係数」を示している。
FIG. 12 shows a test for evaluating the adhesiveness between the
本発明によるサンドイッチ構造のセパレータ4では、その裏表の両側にポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を含んだ第2シート14Bが配置されているので、加熱溶融及び冷却させることによって直接接着させることが可能になるという効果がある。従来の燃料電池においては、図8に示す模式図のように、セルどうしの境目はセルを構成するセパレータどうしが接触することとなり、それら両者間のシール手段としてセパレータの外周部に配される環状のガスケットが装備されているのが一般的であった。
In the
それに対して本発明による燃料電池では、図9に示すように、隣合うセル5,5のセパレータ4,4どうしを溶融固化により、各セパレータの外側面が接着面mとなって接着ささることができる。従って、セパレータ4自身がシール手段を兼ねることができるので、ガスケットを要することなくセパレータ4,4どうしをシールすることができる。これにより、ガスケットが不要になる分のコスト削減だけでなく、ガスケットを配する工数や設備も不要になることから生産性も向上させることができる。
On the other hand, in the fuel cell according to the present invention, as shown in FIG. 9, the
図6に示す特性表から、比較例1のものは曲げ強さ、曲げ歪、角欠けの三点で目標値に達せず、比較例2のものは角欠けの点で目標値に達せず、比較例3のものは接触抵抗と固有抵抗の点で目標値に達していないことが理解できる。これに対して、第2シート(14B)におけるポリプロピレン樹脂の配合割合が5〜20%の範囲内にある実施例1〜4のものでは、全ての項目で目標値をクリアしていることが理解できる。 From the characteristic table shown in FIG. 6, the comparative example 1 does not reach the target value at the three points of bending strength, bending strain, and corner breakage, and the comparative example 2 does not reach the target value at the corner breakage point. It can be understood that Comparative Example 3 does not reach the target value in terms of contact resistance and specific resistance. On the other hand, in the thing of Examples 1-4 in which the compounding ratio of the polypropylene resin in a 2nd sheet | seat (14B) exists in the range of 5-20%, it understands that the target value is cleared in all the items. it can.
図7に示す特性表から、比較例4のものは角欠けの点で目標値に達せず、比較例5のものは接触抵抗と固有抵抗の点で目標値に達していないことが理解できる。これに対して、第2シート(14B)におけるポリプロピレン樹脂の配合割合が5〜20%の範囲内にある実施例5〜8のものでは、全ての項目で目標値をクリアしていることが理解できる。また、参考として図10に、第2シート14Bにおける黒鉛の添加率とセパレータ4としてのガス透過係数との関係を示す。この充填材である黒鉛の量とガス透過との関係から、黒鉛添加率が20%以上であればガス透過係数を2×10−9mol・m/m2・s・MPa以下となることが理解できる。
From the characteristic table shown in FIG. 7, it can be understood that the comparative example 4 does not reach the target value in terms of missing corners, and the comparative example 5 does not reach the target value in terms of contact resistance and specific resistance. On the other hand, in Examples 5 to 8 in which the blending ratio of the polypropylene resin in the second sheet (14B) is in the range of 5 to 20%, it is understood that the target values are cleared in all items. it can. For reference, FIG. 10 shows the relationship between the addition rate of graphite in the
以上説明したように、本発明は、板状に形成された予備成形体を、成形型を用いてプレス成形することによって作成されるセパレータにおいて、予備成形体が、膨張黒鉛に繊維質充填材が加えられて成る原料を用いての抄造によって得られる第1シートを、黒鉛に熱可塑性樹脂をその材料比率が5〜20%の範囲で塗して成る第2シートの一対の間に介装させて成るサンドイッチ構造に構成されていることにより、厚さを0.15mmとした場合において、接触抵抗が30mΩ・cm2以下 、固有抵抗が30mΩ・cm以下、曲げ強度60MPa以上、曲げ歪1%以上、ガス透過係数2×10−9mol・m/m2・s・MPa以下の各特性値目標をクリアすることができる。その結果、導電性と成形加工性とに優れるものとなるよう、膨張黒鉛を主原料とする予備成形体のプレス成形によって作成される燃料電池セパレータを、抄造法による第1シートを、樹脂カーボン製の第2シートの一対の間に挟むサンドイッチ構造のものとする工夫により、機械的強度、可撓性、ガス不透過性の各特性が改善され、自動車用等に好適となる軽量、コンパクト化が可能となるセパレータを提供することができる。
As described above, the present invention relates to a separator formed by press-molding a preform formed in a plate shape using a mold, and the preform is expanded graphite with a fibrous filler. The first sheet obtained by papermaking using the added raw material is interposed between a pair of second sheets obtained by coating graphite with a thermoplastic resin in a range of 5 to 20%. When the thickness is 0.15 mm, the contact resistance is 30 mΩ · cm 2 or less, the specific resistance is 30 mΩ · cm or less, the bending strength is 60 MPa or more, and the bending strain is 1% or more. Each of the characteristic value targets of
また、機械的、電気的特性に優れる第1シート14Aを、成形性に優れる第2シート14Bの一対の間に挟むサンドイッチ構造としてあるので、上述の各特性を満たすに加えて、シール性(ガス透過係数)のさらなる向上を図りながら成形性も良好なものとなっており、トータル性能により優れる燃料電池セパレータ、及び燃料電池セパレータの製造方法が実現できている。加えて、第1シートや第2シートに加える樹脂として、例えば、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いると、一度硬化させると材料の再利用が不可能になるが、本発明のように熱可塑性樹脂を用いた場合では、再利用が可能となる利点、即ちリサイクル可能になる利点がある。
In addition, since the
さらに、セパレータのガスケットレス化により、コスト削減効果やガスケット締結時の応力による割れの防止効果が得られる。例えば、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いたセパレータでは、図8に示す従来の燃料電池セルのように、ガスケット(特開2002−33109号公報にて開示されるガスケットを参照)を介して隣合うセパレータの周囲をシールさせる構造が必要になる。これに対して、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を表裏の両面に用いる本発明のセパレータでは、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂とは異なり、溶融させることが可能であり、セパレータどうしを直接接着することでガスケットを用いることなく良好なシール性が得られる、という優れた効果がある。 Furthermore, the effect of cost reduction and the prevention of cracking due to stress at the time of gasket fastening can be obtained by making the gasket less of the separator. For example, in a separator using a thermosetting resin such as a phenol resin, a gasket (see the gasket disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 2002-33109) is used as in the conventional fuel cell shown in FIG. A structure for sealing the periphery of adjacent separators is required. On the other hand, in the separator of the present invention using a thermoplastic resin such as polypropylene on both the front and back sides, unlike a thermosetting resin such as a phenol resin, it can be melted and the separators are directly bonded to each other. Thus, there is an excellent effect that a good sealing property can be obtained without using a gasket.
尚、セパレータ4の作り方としては、第2シート14Bの原料であるポリプロピレン等の熱可塑性樹脂と黒鉛との混合粉末を、第1シート14Aへの吹付けやコーティングによって膜状に形成させることも可能である。そして、その膜状第2シート14B付第1シート14Aの一対を、互いの第1シート14Aが重なり合うように背中合せ状態(反転状態)で重ね合せて加熱加圧(熱プレス)させて圧着一体化させ、結果的に三層(圧着させる前は一時的に4層になる)の予備成形体14を作成して用いる、というものでも良い。
In addition, as a method of making the
4 燃料電池セパレータ
14 予備成形体
14A 第1シート
14B 第2シート
4
Claims (6)
前記予備成形体が、膨張黒鉛に繊維質充填材が加えられて成る原料を用いての抄造によって得られる第1シートが、黒鉛に熱可塑性樹脂を塗して成る第2シートの一対の間に介装されるサンドイッチ構造に構成されている燃料電池セパレータ。 A fuel cell separator produced by press-molding a preform formed in a plate shape using a mold,
A first sheet obtained by papermaking using a raw material obtained by adding a fibrous filler to expanded graphite is formed between a pair of second sheets formed by coating graphite with a thermoplastic resin. A fuel cell separator configured in a sandwich structure.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007264082A JP4792446B2 (en) | 2007-10-10 | 2007-10-10 | Fuel cell separator |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007264082A JP4792446B2 (en) | 2007-10-10 | 2007-10-10 | Fuel cell separator |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009093938A JP2009093938A (en) | 2009-04-30 |
JP4792446B2 true JP4792446B2 (en) | 2011-10-12 |
Family
ID=40665725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007264082A Expired - Fee Related JP4792446B2 (en) | 2007-10-10 | 2007-10-10 | Fuel cell separator |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4792446B2 (en) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11942665B2 (en) | 2020-06-05 | 2024-03-26 | Arisawa Mfg. Co., Ltd. | Separator member for fuel cell, and method for manufacturing said separator member |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002093431A (en) * | 2000-09-11 | 2002-03-29 | Toyo Tanso Kk | Separator for fuel cell |
JP2003223906A (en) * | 2002-01-30 | 2003-08-08 | Aisin Seiki Co Ltd | Manufacturing method of conductive component and manufacturing method of separator for fuel cell |
JP2006164816A (en) * | 2004-12-09 | 2006-06-22 | Jfe Chemical Corp | Sheet manufactured by papermaking method and separator for fuel cell |
JP2007188696A (en) * | 2006-01-12 | 2007-07-26 | Nippon Pillar Packing Co Ltd | Separator for fuel cell and its manufacturing method |
JP4580889B2 (en) * | 2006-04-05 | 2010-11-17 | 日本ピラー工業株式会社 | Fuel cell separator and method for producing the same |
JP4625785B2 (en) * | 2006-05-16 | 2011-02-02 | 日本ピラー工業株式会社 | Manufacturing method of fuel cell separator |
-
2007
- 2007-10-10 JP JP2007264082A patent/JP4792446B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009093938A (en) | 2009-04-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4580889B2 (en) | Fuel cell separator and method for producing the same | |
JP5077290B2 (en) | Fuel cell module and manufacturing method thereof | |
JP5865685B2 (en) | End plate for a fuel cell having a sandwich insert | |
KR101483282B1 (en) | Method for manufacturing graphite coated composite bipolar plate of cell | |
WO2008059980A1 (en) | Fuel cell, method for manufacturing fuel cell, and unit cell assembly | |
US20070059581A1 (en) | Electrochemical cell component | |
JP4792448B2 (en) | Fuel cell separator and manufacturing method thereof | |
JP4625785B2 (en) | Manufacturing method of fuel cell separator | |
JP4792445B2 (en) | Fuel cell separator | |
US20090311566A1 (en) | Separating plate for fuel cell stack and method of manufacturing the same | |
JP2009129601A (en) | Fuel cell separator, and manufacturing method thererof | |
JP4792446B2 (en) | Fuel cell separator | |
JP6131973B2 (en) | Method for producing reinforced electrolyte membrane, method for producing membrane electrode assembly, and membrane electrode assembly | |
JP5907054B2 (en) | Manufacturing method of fuel cell | |
US9208921B2 (en) | Electrolyte membrane and process for producing the same | |
JP2010123360A (en) | Fuel cell separator and method of manufacturing the same | |
JP2000251902A (en) | Gas separator for fuel cell, its manufacture and fuel cell | |
JP2010225484A (en) | Fuel cell and method for manufacturing the same | |
JP2019139993A (en) | Fuel cell module and manufacturing method thereof | |
JP2002164058A (en) | Gas diffusion layer of fuel cell | |
KR100546016B1 (en) | Current collector for fuel cell, manufacturing method thereof and fuel cell having same | |
JP5582176B2 (en) | Fuel cell module and manufacturing method thereof | |
JP2011222329A (en) | Fuel cell separator and method of manufacturing the same | |
JP5867379B2 (en) | Manufacturing method of fuel cell | |
US7833680B2 (en) | Fuel cell separator plate reinforcement via bonding assembly |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110608 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110719 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110725 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140729 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4792446 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |