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JP4791700B2 - 半導体装置、半導体装置の調整方法および電子装置 - Google Patents

半導体装置、半導体装置の調整方法および電子装置 Download PDF

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Description

本発明は抵抗素子を有する半導体装置、半導体装置の調整方法および電子装置に関する。
従来、半導体装置や電子装置に組み込まれる抵抗素子を構成する抵抗体の材料としては、例えば、Siの不純物拡散層を用いた抵抗体や、ポリシリコンからなる抵抗体が広く用いられてきた。このような抵抗素子の抵抗値の調整方法としては、例えば、抵抗素子を構成する複数の抵抗体をそれぞれ短絡する複数の配線を予め設けておき、当該配線を、回路の測定結果に応じて切断する方法がとられていた。この場合、短絡する配線が切断された部分では抵抗素子において抵抗体が機能し、抵抗素子の抵抗値が増大することになる。
このような方法で抵抗素子の抵抗値を調整する場合、以下の問題が生じていた。まず、第1には、抵抗値の調整の精度が悪く、得られる抵抗値のばらつきが大きい問題があった。第2に抵抗素子の温度変化に対する抵抗値の変化率、すなわち温度係数の正確な調整が困難である問題があった。第3に、配線を切断して抵抗値を調整するため、抵抗値を増大させる一方向の調整しか行う事ができず、また一度行った調整に関しては修正が困難であるという問題を有していた。
これらの問題を解決するため、以下に示す方法が提案されていた。
例えば、抵抗素子の温度係数の調整が困難である問題を解決するため、温度などの条件が変化した場合の、CPUの発振周波数変動の補正装置および補正方法が提案されている。(例えば特許文献1参照)。図1は、当該補正装置の全体構成を示すブロック図である。
図1を参照するに、本図における補正装置では、CPU1の端子Vccには電源2の正極が接続され、当該電源2の負極はCPU1のGND端子に接続されている。さらに前記電源2の正極はスイッチ3を介してライン11に接続されており、当該ライン11には電圧検出器4、温度検出器5、およびE2PROM6が接続されている。
さらに、前記電源2の負極は、ライン12に接続され、当該ライン12には、前記電圧検出器4、温度検出器5、およびE2PROM6の負極側がそれぞれ接続されている。
また、前記ライン11、12には、抵抗7とコンデンサ9の直列回路と、抵抗8とコンデンサ10の直列回路がそれぞれ接続されており、CR発信器の発振素子を構成している。
本図に示す補正装置では、電源電圧および周囲温度が基準測定条件にあるときのCR発振素子の発振周波数を、基準の発振周波数として前記E2PROM6に記憶しておき、前記温度検出器5と電圧検出器4によって測定される、当該基準測定条件からの温度、電圧の変動に対応して、CPUが発振周波数を基準の値より補正するものである。
この場合、例えばCPUが、温度、電圧の変動に対応して、システムクロックをカウントすることで実現している時間的な制御手段に対して、カウント数を補正する。
また、上記の装置の他に、温度変化による周波数の変動が抑制された、CR発振回路が提案されている。(例えば特許文献2参照)。図2には当該CR発振回路の概要を示す。
図2を参照するに、本図に示す発振回路では、コンパレータ21、基準信号発生回路22、コンデンサ23、抵抗24、インバータ25、26から構成されており、当該コンデンサ23と抵抗24は、当該インバータ26の出力とグランド間に直列に接続されて、充放電回路を形成している。
前記コンパレータ21の反転入力端子は前記コンデンサ23と前記抵抗24の接続ノードN1へ接続され、非反転入力端子は前記基準信号発生回路22の出力である基準信号が入力される。
前記基準電圧発生回路22では、電源とグランド間に直列に接続された、抵抗27、28および29により、分圧されて生成された基準電圧が、FET30または31を介して、前記コンパレータ21に印加される。
一般的には、前記抵抗24の抵抗値が温度により変化した場合には、発振される周波数が変動することが懸念されるが、本図に示す発振回路の場合、前記抵抗28の温度係数を、抵抗27または29に対して異なる値のものを用いているため、このような周波数の変動が抑制される。
すなわち、CR回路が充放電を行う場合の上限電圧VHと下限電圧VLが、温度によって変動するように、基準電圧発生回路を構成したことにより、前記抵抗24の温度による抵抗値の変動が周波数に与える影響を緩和して、温度変化による発振周波数の変動が抑制される。
また、上記の発振回路の他に、温度変化に応じて増幅度を変更することを可能とした増幅回路が提案されている。(例えば特許文献3参照。)図3には、当該増幅回路の概要を示す。
図3を参照するに、本図に示す増幅回路では、入力端子38,39間に入力信号Vinを供給して用いる構造となっている。前記入力端子38は、直列接続された抵抗42a、42bを介して増幅器35の反転入力端子に接続されており、入力端子39は抵抗43a、43bを介して増幅器35の非反転入力端子に接続され、演算増幅器35の出力端子は、出力端子37に接続されている。
また、増幅器35の反転入力端子は抵抗40を介して出力端子37に接続され、増幅器35の非反転入力端子は抵抗41を介して基準電圧Vrefが印加される端子36に接続されている。
当該増幅回路では、前記抵抗42aと42bの温度係数が異なるように形成しているため、当該抵抗42aと42bの抵抗値の比を変更することで増幅度の温度係数を可変設定することが可能となるようにしている。
特開平5−75445号公報 特開2000−91890号公報 特開2002−246849号公報
しかし、図1に示した補正装置を用いた場合には、当該補正装置の構成が複雑となり、回路規模が大きくなってしまうという問題が生じていた。
また、図2に示した発振回路と、図3に示した増幅回路では、温度係数の異なる複数の抵抗を組み合わせて用いる方法が提案されているが、この場合、特に温度係数が正の抵抗体を用いることが以下の理由により困難であり、所望の温度係数を得ることが困難であるという問題が生じていた。
例えば、従来抵抗体として用いられてきたSiの不純物拡散層を用いた抵抗体や、ポリシリコンからなる抵抗体を用いた場合、シート抵抗を高くすることが困難であった。そのため、形成しようとする回路において所望の抵抗値を得ようとする場合に抵抗体が大きくなり、当該抵抗体を通常の大きさの回路に用いることは困難であり、さらに当該回路の微細化が困難となる問題があった。
さらに、上記の温度係数が正の抵抗体と、従来用いられてきた温度係数が負の抵抗体を組み合わせた抵抗素子を用いる場合、シート抵抗が大きく異なるために、それぞれの抵抗体を組み合わせて当該抵抗素子の温度係数を調整しようとした場合、問題となる場合があった。
例えば、回路の中で、正の温度係数を有する抵抗体と負の温度係数を有する抵抗体の大きさが大きく異なるため、抵抗体を形成する工程、例えばエッチング工程などにおいて、加工精度が異なり、また加工工程が複雑化してしまう。また、所望の抵抗値が得られる最小単位の抵抗体の大きさ、すなわち抵抗値や抵抗の温度係数を調整する場合の抵抗体の分解能が、正の温度係数を有する抵抗体と負の温度係数を有する抵抗体で大きく異なり、抵抗体の温度係数や抵抗値を正確に調整することが困難となる場合があった。
また、例えばN型ウェル層を用いた抵抗体では、正の温度係数を有して、シート抵抗値が高い抵抗体を構成することが可能であるが、当該抵抗体では線幅の細い抵抗体を形成することが困難であり、抵抗体が占める面積が大きくなり、当該抵抗体を用いた回路の微細化が困難となる場合があった。
また、上記の問題に加えて、以下に示す問題が懸念されていた。
図2に示した発振回路と、図3に示した増幅回路で、温度係数の異なる複数の抵抗体を組み合わせた抵抗素子を用いる場合には、2種類の抵抗体の温度係数に関する特性や抵抗値を、正確に測定する必要があるが、このような正確な測定を行う方法、技術が完全には確立されていない問題があった。
例えば、抵抗体の温度特性を測定するために発振回路内の抵抗体に直接テスト端子などを設けると、端子の寄生容量やノイズにより正確な回路動作を期待することができない。そのため、抵抗体の温度特性を測定するモニター手段が別に必要となるが、モニター手段のシート数やバイアス電圧などの測定条件を、実際の回路に組み込まれた動作状態と同一にすることは困難であり、抵抗体の抵抗値や温度係数の調整結果にずれを生じやすい。例えば、図2に示した発振回路では、抵抗体の調整前後で容量、抵抗に加わるバイアスが変化するため、これらの影響も懸念される。
また、従来の抵抗体の調整方法で、問題になる場合がさらに考えられる。例えば、抵抗素子を構成する複数の抵抗体をそれぞれ短絡する複数の配線を予め設けておき、当該配線を、回路の測定結果に応じて切断するのみの方法では、図2に示した発振回路や、図3に示した増幅回路の抵抗体の調整を困難としてしまう場合が考えられる。
この場合、最初に抵抗素子の抵抗値や温度係数を測定した測定値に応じて、複数の抵抗体をそれぞれ短絡する複数の配線を切断する、すなわち測定値に応じて抵抗値を増やすという一方向の調整となるため、抵抗素子の調整段階で抵抗値を増減の両方向に変動させて変化の程度を確認することが困難であった。
そのため、初期状態では予め抵抗素子の抵抗値を小さく設定しておき、抵抗値を増やす方向で調整をすることになる。そうすると、例えば図2に示した発振回路の場合には、調整前の周波数が目的とする周波数とずれている場合、コンパレータ、インバータなどの動作遅延が与える影響が調整後の周波数と異なり、正確な周波数の補正値が得られないという問題が生じる。
また、図3に示した増幅回路においても、調整の前後において抵抗値が大きく異なる場合に、ノイズなどの影響で特性変動を招き、所望の特性が得られない可能性が生じていた。
すなわち、これらの回路において、実際に使用される形態に近い状態で、抵抗体の抵抗値と、抵抗体の温度係数を正確に測定することが困難であり、そのために、抵抗体の抵抗値と温度係数の調整を正確に行って所望の特性を得ることが困難である問題が生じていた。
そこで、本発明では上記の問題を解決した、新規で有用な半導体装置、半導体装置の調整方法、および電子装置を提供することを統括的課題としている。
本発明の具体的な第1の課題は、半導体装置の抵抗素子に、温度係数が正であってシート抵抗値が高い抵抗体を用いることで、当該抵抗素子の抵抗値や温度係数のばらつきを抑制し、動作特性に優れた半導体装置および当該半導体装置を用いた電子装置を提供することである。
本発明の第2の課題は、単純な構造で構成された上記半導体装置および電子装置を提供することである。
本発明の第3の課題は、抵抗素子を有する半導体装置の調整方法において、当該抵抗素子の抵抗値と温度係数を高精度に調整することを可能とすることである。
本発明では、上記の課題を、正の温度係数を有し、金属膜からなる第1の抵抗体と、負の温度係数を有する第2の抵抗体とがそれぞれ複数接続されている抵抗素子を有する半導体装置であって、前記抵抗素子で機能する、前記第1の抵抗体の個数または前記第2の抵抗体の個数を変更するスイッチング回路と、複数の前記第1の抵抗体または複数の前記第2の抵抗体それぞれごとに設けられた、当該第1の抵抗体または第2の抵抗体を短絡する、切断可能に形成された配線とを含む、接続変更手段と、前記抵抗素子の周囲環境の温度変化を検出する、検出手段とを有し、前記検出手段によって検出される温度変化に対応した信号によって、前記接続変更手段に含まれる前記スイッチング回路を制御し、前記抵抗素子で機能する、前記第1の抵抗体の個数または前記第2の抵抗体の個数を変更することを特徴とする半導体装置により、解決する。
本発明によれば、金属膜からなる第1の抵抗体を用いたことで、正の温度係数を有する当該第1の抵抗体のシート抵抗値を高くすることが可能となり、当該抵抗素子の抵抗値や温度係数のばらつきを抑制し、当該抵抗素子を用いた半導体装置の動作特性を良好とすることが可能となる。また、当該抵抗素子で機能する前記第1の抵抗体および第2の抵抗体の個数を変更することが容易となる。また、当該抵抗素子の抵抗値または温度係数を変更することが容易となる。また、当該抵抗素子の抵抗値と温度係数の調整を高精度に行うことが可能となる効果を奏する。また、前記半導体装置が、周囲環境の変動に関わらず、良好な特性を有するようになり、好適である。
また、前記金属膜はCrSiを含む膜からなると、正の温度係数を有する当該第1の抵抗体のシート抵抗値を高くすることが可能となる。
また、前記第2の抵抗体は、ポリシリコンからなると、負の温度係数を有する当該第1の抵抗体のシート抵抗値を高くすることが可能となる。
また、前記接続変更手段は、複数の前記第1の抵抗体または複数の前記第2の抵抗体それぞれに設けられた、当該第1の抵抗体または第2の抵抗体を短絡する、切断可能に形成された配線を含むと、当該抵抗素子の抵抗値または温度係数を変更することが容易となる。
また、当該半導体装置に、前記検出手段によって検出される温度変化に対応した信号を記憶する、記憶手段をさらに設けると、周囲環境の変動に対して速やかに前記抵抗素子の抵抗値や温度係数の調整を行う事が可能となる。
また、上記半導体装置を、CR発信回路の抵抗の一部に用いた電子装置を形成することができる。
また、上記半導体装置を、定電流回路の電流制御抵抗に用いたことを特徴とする電子装置を形成することができる。
また、上記半導体装置を、定電圧回路の出力電圧検出用抵抗に用いたことを特徴とする電子装置を形成することができる。
また、上記半導体装置を、電圧検出回路の検出用抵抗に用いたことを特徴とする電子装置を形成することができる。
また、上記半導体装置を用いた演算増幅回路を有することを特徴とする電子装置を形成することができる。
また、上記半導体装置と、コンデンサを用いたフィルタ回路を有することを特徴とする電子装置を形成することができる。
また、上記課題は、正の温度係数を有し、金属膜からなる第1の抵抗体と、負の温度係数を有する第2の抵抗体とがそれぞれ複数接続されている抵抗素子と、前記抵抗素子で機能する、前記第1の抵抗体の個数または前記第2の抵抗体の個数を変更するスイッチング回路と、複数の前記第1の抵抗体または複数の前記第2の抵抗体それぞれごとに設けられた、当該第1の抵抗体または第2の抵抗体を短絡する、切断可能に形成された配線とを含む、接続変更手段と、前記抵抗素子の周囲環境の温度変化を検出する、検出手段とを有する半導体装置の調整方法であって、前記抵抗素子の抵抗値を測定する第1の工程と、前記抵抗値に対応して、前記抵抗素子で機能する、前記第1の抵抗体または前記第2の抵抗体の個数を変更する、第2の工程を含み、前記検出手段によって検出される温度変化に対応した信号によって、前記接続変更手段に含まれる前記スイッチング回路を制御し、前記抵抗素子で機能する、前記第1の抵抗体の個数または前記第2の抵抗体の個数を変更することを特徴とする半導体装置の調整方法により、解決する。
当該半導体装置の調整方法によれば、当該抵抗素子の抵抗値と温度係数を高精度に調整することが可能となる。また、前記抵抗素子の温度係数の調整が容易となり、好適である。
また、前記金属膜はCrSiを含む膜からなると、前記第1の抵抗体の温度係数を正としながら、シート抵抗値を高くすることが可能となり、好適である。
また、前記第2の工程は、複数の前記第1の抵抗体または複数の前記第2の抵抗体それぞれに設けられた、当該第1の抵抗体または第2の抵抗体を短絡する配線を切断する工程を含むと、半導体装置の構造を単純にすることが可能となる。
また、前記第1の工程では、前記抵抗素子の温度を変更して、当該抵抗素子の抵抗値の測定を繰り返すと、当該抵抗素子の抵抗値と温度係数の調整を高精度に行うことが可能となる効果を奏する。
本発明によれば、半導体装置の抵抗素子に、温度係数が正であってシート抵抗値が高い抵抗体を用いたことで、当該抵抗素子の抵抗値や温度係数のばらつきを抑制し、動作特性に優れた半導体装置を提供することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態に関して図面に基づき、以下に説明する。
図4は、本発明の実施例1による、抵抗素子を有する半導体装置100の構成を模式的に示した図面である。
図4を参照するに、本実施例による半導体装置100は、端子Aと端子Bの間に形成された抵抗素子Rfを有しており、当該抵抗素子Rfには、温度係数が異なる抵抗素子、例えば、正の温度係数を有する抵抗素子Pabと、負の温度係数を有する抵抗素子Nabが、例えば直列に接続された構造となっている。
前記抵抗素子Pabと、前記抵抗素子Nabは、それぞれ正の温度係数を有する抵抗体と、負の温度係数を有する抵抗体が、複数接続されて構成されている。当該半導体装置100は、これら複数の抵抗体の接続の状態を変更する接続変更手段を有しており、当該接続変更手段によって、前記抵抗素子Rfに接続される温度係数の異なる抵抗体、例えば、正の温度係数を有する抵抗体と負の温度係数を有する抵抗体が、抵抗素子で機能する個数を変更して、当該抵抗素子Rfの抵抗値と、抵抗値の温度変化に対する変化率、すなわち温度係数を調整することが可能となっている。
前記抵抗素子Pabは、抵抗素子Paと抵抗素子Pbが例えば直列に接続されてなる構造を有しており、当該抵抗素子Paは正の温度係数を有する抵抗体Rp1〜Rp14が、当該抵抗素子Pbは、正の温度係数を有する抵抗体Rp15〜Rp17が、例えば直列に接続されて構成される。
同様に、前記抵抗素子Nabは、抵抗素子Naと抵抗素子Nbが例えば直列に接続されてなる構造を有しており、当該抵抗素子Naは負の温度係数を有する抵抗体Rn1〜Rn14が、当該抵抗素子Nbは、負の温度係数を有する抵抗体Rn15〜Rn17が、例えば直列に接続されて構成される。
前記抵抗素子Paおよび抵抗素子Naには、接続調整手段102が設けられている。当該接続調整手段102は、当該抵抗素子Paおよび抵抗素子Naに接続された複数の抵抗体を、それぞれに短絡する配線105からなり、初期状態では当該抵抗素子Paと抵抗素子Naの抵抗体は全て短絡された状態であり、当該抵抗素子Paと抵抗素子Naは、抵抗素子Rfの抵抗値と温度係数に実質的に寄与しない状態、すなわち抵抗体として機能しない状態となっている。
前記接続調整手段102は、必要に応じて前記配線105が切断され、抵抗体が前記抵抗素子Rfにおいて機能する、すなわち実質的に当該抵抗素子Rfに接続されるようにすることが可能であり、必要な個数の正の温度係数を有する抵抗体または負の温度係数を有する抵抗体を、前記抵抗素子Rfにおいて機能させて、当該抵抗素子Rfの抵抗値と温度係数を調整することが可能となっている。
さらに、前記抵抗素子Pbおよび抵抗素子Nbには、接続変更手段101が設けられている。当該接続変更手段101は、例えば複数のインバータ103とFET(電界効果型トランジスタ)104を有するスイッチング回路106からなる。当該スイッチング回路106では、当該スイッチング回路106に接続された信号線FP1およびFP0に入力されるコードに応じて前記抵抗体Rp15〜Rp17のうち、前記抵抗素子Rfで機能する、すなわち実質的に抵抗素子に接続される抵抗体の個数が選択される。同様に、当該スイッチング回路106に接続された信号線FN1およびFN0に入力されるコードに応じて前記抵抗体Rn15〜Rn17のうち、前記抵抗素子Rfで機能する抵抗体の個数が選択される。このようにして、前記接続変更手段101によって、前記抵抗素子Rfの抵抗値と温度係数を調整することが可能となっている。
例えば、前記信号線FP1およびFP0には、後述する制御手段または記憶手段などの外部機器より信号が入力されることで、前記抵抗素子Pbで機能する抵抗体の個数を任意に変更することが可能な構造になっている。そのため、当該抵抗素子Pbの抵抗値や温度係数を変更することが可能になっている。
例えば、当該信号線にコード11が入力されることで、前記抵抗素子Pbには抵抗体Rp15〜Rp17は接続されない状態、すなわち前記抵抗素子Pbでは抵抗体が機能しない状態となり、コード10が入力されることで、抵抗体Rp15が、コード01が入力されることで抵抗体Rp15およびRp16が、コード00が入力されることで抵抗体Rp15〜Rp17が実質的に前記抵抗素子Pbに接続され、抵抗体として機能するようになる。
同様に、前記信号線FN1およびFN0には、後述する制御手段または記憶手段などの外部機器より信号が入力されることで、前記抵抗素子Nbで機能する抵抗体の個数を任意に変更することが可能な構造になっている。そのため、当該抵抗素子Nbの抵抗値や温度係数を変更することが可能になっている。
例えば、当該信号線にコード11が入力されることで、前記抵抗素子Nbには抵抗体Rn15〜Rn17は接続されない状態、すなわち前記抵抗素子Nbでは抵抗体が機能しない状態となり、コード10が入力されることで、抵抗体Rn15が、コード01が入力されることで抵抗体Rn15およびRn16が、コード00が入力されることで抵抗体Rn15〜Rn17が実質的に前記抵抗素子Nbに接続され、抵抗体として機能するようになる。
このように、前記接続変更手段101と、接続変更手段102によって正の温度係数を有する抵抗体と、負の温度係数を有する抵抗体が、前記抵抗素子Rfで機能する個数が変更される。そのため、前記抵抗素子Rfの抵抗値と温度係数、すなわち前記半導体装置100の抵抗値と温度係数が調整される。
前記半導体装置100の前記抵抗素子Rfの抵抗値と温度係数を調整する場合、前記接続変更手段101と、前記接続変更手段102のいずれかを用いて調整を行う事が可能である。このため、前記抵抗素子Rfの抵抗値と温度係数を調整する接続変更手段としては、前記接続変更手段101のみ、または前記接続変更手段102のみからなるようにすることも可能である。
しかし、接続変更手段を、接続変更手段101のみからなるようにした場合、半導体装置100の構成が複雑となり、回路規模が大きくなってしまうことが懸念され、また、接続変更手段を、接続変更手段102のみからなるようにした場合には、温度係数に関する特性や抵抗値を、正確に測定し、調整することが困難となる可能性がある。そのため、本実施例では、前記抵抗素子Rfの抵抗値と温度係数を調整する接続変更手段として、前記接続変更手段101と接続変更手段102の双方を設けている。
このため、前記半導体装置100の構成が単純となり、回路規模を小さくすることが可能となると共に、当該抵抗素子Rfの、すなわち当該半導体素子100の温度係数に関する特性や抵抗値を、正確に調整することを可能としている。
また、例えば温度測定手段や電圧測定手段と、これらに対応した補正手段を付加して、温度変化に対する回路の特性を補正する方法に比べて、回路の構成が単純であり、回路規模が小さくできる。
例えば、前記半導体素子100の、前記抵抗素子Rfの抵抗値と温度係数を調整するには、以下のようにして行う事ができる。
まず、前記半導体装置100の、テスト工程では、抵抗素子Rfで機能する抵抗体の個数を変更して抵抗値の測定を行い、この測定を、温度条件を変更して繰り返すことを行う。
はじめに、第1の温度条件で、前記抵抗素子Rfの抵抗値の測定を行い、さらに前記信号線FP0,FP1およびFN0,FN1に与えるコードを変更して、正の温度係数を有する抵抗体である前記抵抗体Rp15〜Rp17と、負の温度係数を有する抵抗体である前記抵抗体Rn15〜Rn17が前記抵抗体Rfで機能する個数を変更して、前記抵抗素子Rfの抵抗値の測定を行う。
次に、第2の温度条件で第1の温度条件の場合と同様の測定を行う。すなわち、温度が変更された条件においても同様に、前記抵抗素子Rfの抵抗値の測定を行い、さらに前記信号線FP0,FP1およびFN0,FN1に与えるコードを変更して、正の温度係数を有する抵抗体である前記抵抗体Rp15〜Rp17と、負の温度係数を有する抵抗体である前記抵抗体Rn15〜Rn17が前記抵抗素子Rfで機能する個数を変更して、前記抵抗素子Rfの抵抗値の測定を繰り返す。
また、この場合、雰囲気温度を所定の温度にした後、抵抗素子Rfが雰囲気温度になじむまでの時間を充分にとっているため、雰囲気温度は実質的に抵抗素子Rfの温度と考えられる。
この結果、当該抵抗素子Rfの異なる温度条件における抵抗値が測定され、また当該抵抗値から前記抵抗素子Rfを構成する抵抗体Rp15〜17およびRn15〜17のシート抵抗値と温度変化に対する抵抗値の変化率、すなわち温度係数が算出される。
次に、前記半導体装置100の、調整工程では、当該テスト工程で測定されたシート抵抗値と温度係数に基づき、前記半導体装置100が所望の抵抗値と温度係数となるように、前記接続変更手段102によって、前記抵抗素子Rfで機能する抵抗体の個数が調整される。この場合、前記配線105を、例えばレーザーなどの切断手段などによって切断し、前記抵抗素子Pa、Naにおいて実質的に接続される抵抗体の数を調整することで、当該抵抗素子Rfの抵抗値と温度係数を調整する。この結果、半導体装置100が、所望の抵抗値と温度係数を有するように調整される。例えば、半導体装置100が使用される温度領域において、温度係数の小さい、すなわち温度変化に対して抵抗値の変動の小さい半導体装置を形成することが可能となる。
この場合、最終的に形成される抵抗素子Rfにおいて、例えば前記信号線FP0,FP1,FN0,FN1のコードは全て1となるようにし、前記抵抗素子Pb、Nbでは抵抗体が実質的に機能しないように設定する。また、例えば後述する記憶手段などによって、コードに必要な値を入力して、所望の抵抗体が抵抗素子Pb、Nbで機能し、前記抵抗素子Rfが抵抗素子Pb、Nbを含んだ形となるようにしてもよい。
従来は、例えば、CR発振回路などの場合、抵抗素子の抵抗値や温度係数を調整する場合には発振周波数もそれらに対応して変化するため、抵抗素子の調整段階で、抵抗値や温度係数が1方向にしか変化させられない場合、正確な調整が困難な場合があった。
本実施例においては、前記接続調整手段101を有しているため、前記半導体装置100の抵抗値を増大させる方向と減少させる方向、また、温度係数を増大させる方向と減少させる方向の2方向に変化させることがそれぞれ可能であり、例えば従来の1方向にのみ変化させて調整する場合に比べて、当該半導体装置100の抵抗値と温度係数を正確に測定し、また正確に調整することが可能となっている。
また、前記接続変更手段101によって、抵抗体が抵抗素子Rfで機能する個数を変更する場合には、変更の前後において、機能する抵抗体の個数以外は略同一の回路構造となるように、スイッチング回路を構成している。そのため、機能する抵抗体の個数の変更以外の要因での、抵抗値や温度係数、インピーダンスなどが変動する要因が最小限に抑えられ、抵抗値や温度係数のより正確な測定が可能となっている。
また、抵抗素子Pa,Pb,Na,Nbに用いる抵抗体の個数は任意に変更することが可能である。例えば、これらの抵抗体の個数は、前記テスト工程で用いる、抵抗素子Pb、Nbで実現する抵抗素子Rfの抵抗値および温度係数と、前記調整工程後の抵抗素子Pab、Nabで実現する抵抗素子Rfの抵抗値および温度係数の値が、できるだけ近い値となるように予め設置しておくことが好ましく、より正確な抵抗値と温度係数の調整が可能となる。
また、前記半導体装置100を用いた電子装置を製造する場合には、テスト工程においては、必ずしも半導体装置100の温度係数や抵抗値を測定する必要は無い。すなわち、前記テスト工程において、当該半導体装置100を有する電子装置の出力を測定し、当該出力が所望の値となるように、または当該出力の温度依存性が所望の特性となるように前記調整工程で、前記抵抗素子Rfで機能する正の温度係数を有する抵抗体のシート数、また負の温度係数を有する抵抗体のシート数を調整すればよい。このため、電子装置の製造において出力の調整が容易になる効果を奏する。
さらにこの場合、電子装置の回路の温度特性に影響を与える様々な要因に対して、前記調整工程において、電子装置が所望の出力をするように調整することが可能である。
例えば、当該半導体装置100を用いた発振回路では、前記テスト工程で発振回路の周波数を測定し、調整工程では所望の周波数となるように調整が可能である。このため、発振回路の発振周波数の調整が正確、かつ容易に実施できる。
このような電子装置の回路と、電子装置の出力の組み合わせの例としては、例えば、発振回路と発振周波数、電流制御回路と電流値、電圧制御回路と電圧値、電圧検出回路と検出電圧、増幅回路と利得、フィルタ回路とカットオフ周波数、などの組み合わせが考えられるが、これらに限定されるものではなく、様々な電子装置の回路の製造に広範囲に適用できる。
また、本実施例で用いる正の温度係数を有する抵抗体Rp1〜Rp17には、金属膜からなる抵抗体を用いることが好ましい。例えばこのような抵抗体としては、CrSiが特に好ましく、前記抵抗体Rp1〜Rp17にはCrSiからなる抵抗体を用いている。
例えば、従来用いられてきたポリシリコンの不純物濃度を調整することで、温度係数を調整し、温度係数が正の抵抗体を形成しようとした場合、シート抵抗を高くすることが困難であったが、本実施例では、前記抵抗体Rp1〜Rp17のシート抵抗値を高くすることが可能となっている。そのため、所望の抵抗値を得ようとする場合に抵抗体を小さくすることが可能となり、当該回路の微細化を可能としている。
さらに、本実施例では、正の温度係数を有する抵抗体と負の温度係数を有する抵抗体の双方のシート抵抗値を高くすることが可能となり、また、正の温度係数を有する抵抗体と負の温度係数を有する抵抗体の、シート抵抗値の差を小さくすることが可能となっている。
そのため、本実施例では、シート抵抗値の差が大きい場合に比べて、例えば、回路の中で、正の温度係数を有する抵抗体と負の温度係数を有する抵抗体を形成する工程、例えばエッチング工程などにおいて、加工精度が良好となり、加工工程を単純化することが可能となる効果を奏する。さらに、所望の抵抗値が得られる最小単位の抵抗体の大きさ、すなわち抵抗値や抵抗の温度係数を調整する場合の抵抗体の分解能の差が、正の温度係数を有する抵抗体と負の温度係数を有する抵抗体で小さくなり、抵抗素子の構造を単純にし、また、抵抗素子の抵抗値、温度係数の調整などを容易にする効果を奏する。
次に、図5には、本実施例に用いられる抵抗体の断面構造を模式的に示す。
図5を参照するに、基板301上には素子分離酸化膜302が形成され、当該素子分離酸化膜302上には負の温度係数を有する抵抗体を構成する、パターニングされたポリシリコンからなる抵抗体303が形成されている。また、当該抵抗体303を覆うように層間絶縁膜304が形成され、当該層間絶縁膜304に形成されたコンタクトホールには、金属からなるビアプラグ305が形成されている。
前記層間絶縁膜304上には、パターニングされた、例えばAlを主成分とする金属配線306が形成されている。当該金属配線306は、その表面にパターニングの際の露光の反射防止膜、またはバリアの機能を有する膜が形成されるようにしてもよい。
また、前記金属配線306を覆うように、層間絶縁膜307が形成され、さらに当該層間絶縁膜307を平坦化するために当該層間絶縁膜307上の凹部に、絶縁膜310が形成されている。
また、パターニングされて複数形成されている前記金属配線306の一部は、前記ビアプラグ305に電気的に接続されており、また当該金属配線306の別の一部には、CrSiからなる正の温度係数を有する抵抗体308が接続されるように形成されている。この場合、前記層間絶縁膜307に形成された、前記金属配線306まで達する、複数のコンタクトホールの内壁にCrSiからなる薄膜が形成され、さらに複数のコンタクトホール内壁のCrSiを電気的に接続するように当該層間絶縁膜307上にCrSiからなる薄膜が形成され、前記抵抗体308を構成している。
当該抵抗体308は、例えば以下のようにして形成される。まず、前記層間絶縁膜307に、フォトリソグラフィによるパターニングとエッチングによりコンタクトホールを形成する。次に、当該コンタクトホール内壁を含む当該層間絶縁膜307上に、例えばCrSiターゲットを用いたスパッタリングにより、CrSi薄膜を形成する。次に、例えばフォトリソグラフィによるパターニングとエッチングにより、図5に示すようにパターニングされたCrSi薄膜からなる抵抗体308を形成することができる。
また、前記抵抗体308および層間絶縁膜307を覆うように、保護膜(パッシベーション膜)309が形成されている。
また、前記素子分離絶縁膜302は、例えば熱CVD法により、また前記層間絶縁膜304、307および保護膜309は、例えばプラズマCVD法により形成することが可能であり、前記層間絶縁膜304には、必要に応じてB(ホウ素)やP(リン)を添加してもよい。
また、前記絶縁膜310は、例えばSOG法(スピン・オン・グラス法)を用いて塗布膜により形成する。この場合、当該塗布膜をCMP法(科学機械研磨法)により、平坦化すると、さらに前記絶縁膜310の平坦度が良好となり、好適である。
このように、薄膜形成と当該薄膜のエッチングより形成される、正の温度係数を有する抵抗体は、例えば不純物の拡散により形成される抵抗体と比べて高いシート抵抗値がえられ、また微細化が可能である特徴を有している。
また、前記半導体装置100は、さらに以下のように構成することが可能である。図6は、前記半導体装置100の変形例を模式的に示した図である。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図6を参照するに、前記半導体装置100には検出手段111が設けられている。当該検出手段111は、当該半導体装置100の周囲環境の変化、例えば温度変化を検出する。
ここで、前記検出手段111によって検出される温度変化に対応して、前記接続変更手段101によって、前記抵抗素子Rfで機能する、すなわち実質的に抵抗素子Rfに接続される正の抵抗体の個数(シート数)および負の抵抗体の個数(シート数)が選択されるようにしてもよい。
上記の場合、実施例1に記載した場合より、さらに広い温度域で前記抵抗素子Rfの温度係数を正確に調整することを可能とする効果を奏する。
例えば、実施例1に記載の方法で温度係数を調整した場合、調整に用いた2点の間の温度域では、良好な温度係数の調整結果が得られるが、当該温度域から乖離した温度域では、所望の調整結果が得られない場合があるが、本実施例においては、このような温度域でも正確な温度係数の調整が可能となる。この具体的な事例については図8の説明で後述する。
また、この場合、前記半導体装置100は、前記検出手段111によって検出される温度変化に対応して、例えば、前記接続変更手段101に入力されるべき、コードなどの信号、すなわち前記接続変更手段101を駆動するための情報を記憶する、記憶手段110を有していても良い。この場合、温度変化に対応して速やかに前記抵抗素子Rfで機能する、すなわち実質的に抵抗素子Rfに接続される正の抵抗体の個数(シート数)および負の抵抗体の個数(シート数)を変更することが可能となる。
また、例えば、前記検出手段111、前記記憶手段110および前記接続変更手段101にそれぞれ接続される、制御手段112を用いても良い。当該制御手段112は、前記検出手段111によって検出される温度変化(環境変化)に対して、抵抗素子で機能させるべき抵抗体の個数(シート数)を前記記憶手段110より読み出し、それに応じて前記接続変更手段101を制御して前記抵抗素子で機能させる抵抗体の個数を変更する。
また、前記制御手段112が、前記記憶手段110と検出手段111を含む構成にしてもよく、また、同様にして前記検出手段111が前記記憶手段110を含む構成や、前記検出手段111が、前記記憶手段110および前記制御手段112を含む構成にするなど、様々に変更・変形して用いることが可能である。
前記半導体装置100は、様々な電子装置などに広く適用することが可能であるが、その電子装置の一例として、CR発振回路に適用した電子装置の実施例を図7に示す。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
また、前記半導体100の抵抗体の数は図4に示した場合から変更している。このように半導体装置100では、抵抗体の数および各抵抗体のシート数は任意に変更して用いており、以下の実施例においても同様とする。
図7を参照するに、本図に示す発振回路を有する電子装置150では、コンパレータ121、基準電圧発生回路120、コンデンサ130、半導体装置100、インバータ122、123、124から構成されており、当該コンデンサ130と半導体装置100は、当該インバータ124の出力とグランド間に直列に接続されて、充放電回路を形成している。前記コンパレータ121の反転入力端子は前記コンデンサ130と前記半導体装置100の接続ノードへ接続され、非反転入力端子へは前記基準信号発生回路120の出力である基準信号が入力される。
前記基準電圧発生回路120は、電源とグランド間に抵抗127、128および129が直列に接続され、さらに当該抵抗128と129の接続ノードにはFET126が接続されている。当該基準電圧発生回路で分圧されて生成された基準電圧は、前記コンパレータ121の非反転入力端子に接続されている。
本実施例による発振回路を有する電子装置の場合、前記半導体装置100の抵抗値と温度係数を所望の値に正確に調整することが可能となり、発振周波数を所望の値に正確に調整することが可能となる効果を奏する。
従来、抵抗素子の抵抗値と温度係数を測定する場合、測定器具の影響が実際の動作条件と異なったり、また回路動作の遅延、コンデンサや抵抗素子のバイアス条件の影響を反映できないという問題があった。そのため、抵抗値や温度係数の正確な調整が困難であり、また、最終的に用いる所望の周波数を用いて、実際の回路の動作に則した抵抗値の調整を行う事が困難であった。
一方、本実施例においては、前記半導体装置100の抵抗値の調整を、所望の周波数において行うことが可能である。すなわち、周波数が所望の値になるように抵抗値を調整しながら、さらに実際の回路を動作させる中で、温度係数が異なる2種類の抵抗体の割合を変更して出力変化を調べることが可能である。そのため、発振回路の周波数を高精度に合わせこむことが可能になる効果を奏する。また、発振回路に変動を与える影響を、前記半導体装置100の抵抗素子Rfの抵抗値と温度係数を変更することで調整して抑制することが可能となる。
このため、半導体装置100は、当該半導体装置100そのものの抵抗値と温度係数が高精度に調整可能であることのみならず、当該半導体装置100が用いられる回路において、当該半導体装置100以外で、回路に影響がある様々な要因を抑制することが可能である。例えば、温度変化による、回路の様々な部分での抵抗値の増減などが回路動作におよぼす影響についても、調整または抑制することが可能である効果を奏している。
また、図8は、図7に示す、本実施例による電子装置の発振回路の発振周波数が、温度により変動する状態を示したものであり、温度に対する発振周波数、および温度に対する常温の発振周波数からの偏差(ppm)を示したものである。図中、EX1は、抵抗素子Rfに、温度係数が正である抵抗体を480シート、温度係数が負である抵抗体を384シート接続した場合の発振周波数の結果であり、EX2は、同様にして温度係数が正である抵抗体を768シート、温度係数が負である抵抗体を64シート接続した場合の発振周波数を示したものである。それぞれの場合において、抵抗素子の周囲温度が0℃、25℃の場合において測定を行っている。この場合、測定の前に抵抗素子が周囲温度になじむ時間を充分にとっているため、周囲温度は、実質的に抵抗素子の温度を示している。
また、EX3Aは、上記EX1とEX2の結果より、半導体装置100に接続される、正の温度係数を有する抵抗体と負の温度係数を有する抵抗体の数(シート数)を最適に調整した場合の、調整後の発信周波数を、EX3Bは同様に調整後の発信周波数偏差を示している。
この場合、正の温度係数を有する金属膜(CrSi)の温度係数は28.6ppm/℃であり、負の温度係数を有する抵抗体(ポリシリコン)の温度係数はー1800ppm/℃、目標周波数は8kHzであった。
図8に示すように、調整後は発振周波数の絶対精度が調整されていることがわかる。また、発振周波数の温度依存性が抑制されており、これは半導体装置100を含む回路の温度変化による状態の変化、例えば抵抗値の温度係数が小さくなっていることを示している。また、本図に示した場合に加えて、正の温度係数を有する金属膜(CrSi)の温度係数が、18.4ppm/℃、46.0ppm/℃の場合についても調査したが、そのいずれの場合にも、常温(25℃)での周波数絶対精度1%未満、0〜50℃の温度範囲での常温(25℃)からの周波数偏差が±200ppm未満を達成している。
また、温度が0℃以下、および50℃以上では、発振周波数偏差がやや大きくなっているが、これは以下の方法により、さらに正確に補正することが可能になる。
例えば、実施例2に記載したように、前記半導体装置100に前記検出手段111を設け、当該半導体装置100の周囲環境の変化、例えば温度変化を検出し、温度変化に対応して、前記接続変更手段101によって、前記抵抗素子Rfで機能する、すなわち実質的に抵抗素子Rfに接続される正の抵抗体の個数(シート数)および負の抵抗体の個数(シート数)が選択されるようにすればよい。
上記の場合、さらに広い温度域、例えば0℃以下や50℃以上の温度域で、前記抵抗素子Rfの温度係数を正確に調整し、発振周波数偏差を小さくすることが可能となる。
また、この場合、温度係数が最適化されていない部分での最適解を、例えばE2PROMなどの前記記憶手段110に記憶しておけば、当該記憶手段110が記憶しているコードなどの信号、すなわち前記接続変更手段101を駆動するための情報に応じて、温度変化に対応して速やかに前記抵抗素子Rfで機能する、すなわち実質的に抵抗素子Rfに接続される正の抵抗体の個数(シート数)および負の抵抗体の個数(シート数)を変更することが可能となる。
また、前記半導体装置100を用いることが可能な電子装置は、本実施例に限定されるものではなく、以下に示す電子装置にも同様に用いることが可能である。
図9(A),(B)は、本発明の実施例4による、電流制御回路、例えば定電流回路を有する電子装置の回路図を示したものである。なお、図9(B)においては図9(A)と同一の構成要素には同一の符号を付し、一部説明を省略する。
まず、図9(A)を参照するに、本図に示す電子装置200Aでは、基準電圧(Vref)を、ソースフォロアを形成するFET203のゲートに入力し、当該FET203の貫通電流を、Vrefの電圧/(半導体装置100の抵抗値)に等しく制御している。そして、当該FET203を通過する貫通電流を、FET201,202のカレントミラー回路によって係数倍し、定電流を出力することが可能となっている。
また、図9(B)に示す電子装置200Bのように、ソースフォロアを形成する部分に、増幅器204を用いてもよい。
本実施例において、前記FET203とグランド間に、電流制御抵抗として前記半導体装置100を接続して用いると、当該半導体装置100の抵抗値と、温度変化による抵抗の変化率を調整することが可能となるため、出力電圧の絶対精度および温度特性をより高精度に制御することが可能となる。
例えば、与えられる基準電圧が温度により変動する場合や、FET203のしきい値、FET201,202の変動などによって出力電流が変動する要因を有している場合、前記半導体装置100によって、これらの変動する要因を補正して安定した出力電流を得ることが可能となる。また、積極的に出力電流に温度傾斜を持たせることも可能である。
図10(A),(B)は、本発明の実施例5による、電圧制御回路、例えば定電圧回路を有する電子装置の回路図を示したものである。なお、図10(B)においては図10(A)と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
まず、図10(A)を参照するに、本図に示す電子装置210Aでは、増幅器211、FET213、抵抗215、および前記半導体装置100から構成されている。電源とグランド間には、前記FET213、抵抗215および半導体装置100が直列に接続され、当該抵抗215と半導体装置100の接続ノードと当該増幅器211の非反転入力端子が接続され、当該増幅器211の反転入力端子には基準電圧(Vref)が入力され、当該増幅器211の出力端子は当該FET213のゲートに入力されている。本実施例では前記半導体装置100を、定電圧回路の出力電圧検出用抵抗に用いている。
本実施例による電子装置210Aでは、前記増幅器211にて分圧成分と基準電圧を比較し、出力ドライバーのFET213のゲート電圧を前記増幅器211で制御する構成になっている。また、当該分圧成分は、前記半導体装置100と抵抗215の分圧抵抗により、形成される。この場合、出力電圧は、Vrefの電圧×(抵抗215の抵抗値+半導体装置100の抵抗値)/(半導体装置100の抵抗値)、に等しく制御される。
また、前記電子装置210Aは、図10(B)に示す電子装置210Bのように、分圧成分を形成する分圧抵抗を構成する半導体装置100と抵抗215を、入れ換えるように構成することも可能である。
本実施例によれば、前記半導体装置100を用いたことによって出力電圧の絶対精度および温度特性を高精度に調整可能となる。また、基準電圧や構成要素の温度変動の影響を抑制することが可能となり、さらには積極的に出力電圧に温度傾斜を持たせることも可能となる。
図11(A)〜(D)は、本発明の実施例6による、検出回路、例えば電圧検出回路を有する電子装置の回路図を示したものである。なお、なお、図11(B)〜(D)において図11(A)と同一の構成要素には同一の符号を付し、図11(A)の説明以外では一部説明を省略する。
まず、図11(A)を参照するに、本図に示す電子装置220Aでは、増幅器221、抵抗224、および前記半導体装置100から構成されている。電源とグランド間には、分圧成分を形成する分圧抵抗を構成する、前記抵抗224および半導体装置100が直列に接続され、当該抵抗224と半導体装置100の接続ノードと当該増幅器221の非反転入力端子が接続され、当該増幅器221の反転入力端子には基準電圧(Vref)が入力されている。本実施例では、前記半導体装置100を、電圧検出回路の検出用抵抗に用いている。
また、図11(B)に示す電子装置220Bのように、分圧成分を形成する分圧抵抗を構成する半導体装置100と抵抗224を、入れ換えるように構成することも可能である。また、図11(C)に示す電子装置220Cのように、分圧成分を形成する分圧抵抗を前記半導体装置100の、前記抵抗素子Pab、Nabから構成されるようにし、前記増幅器221の非反転入力端子が接続される接続ノードを、前記抵抗素子PabおよびNabの間となるように構成してもよい。
図11(A)〜(C)に示した電子装置においては、前記増幅器221において、電源電圧の分圧成分と基準電圧を比較し、電源電圧の分圧電圧が基準電圧を下回ると前記増幅器221の出力222が反転して検出動作となる。もちろん、電源以外の電圧を検出対象とする場合には電源が入力されている部分に検出対象の電圧を入力すればよい。また、増幅器221の両入力端子を入れ替えても良い。
また、図11(D)に示す電子装置220Dのように、前記増幅器221の反転入力端子に入力される電圧を、電源とグランド間に接続された抵抗225、226により形成される分圧成分としてもよい。この場合、反転入力端子と非反転入力端子に入力される、それぞれの分圧を比較することになる。
本実施例の図11(A)〜(C)に示した電子装置によれば、分圧抵抗の一部または全てを、前記半導体装置100を用いて構成したことによって、基準電圧と比較している分圧成分に任意の温度傾斜を持たせることが可能となり、検出電圧の温度傾斜を任意に設定することが可能となる。また、実施例5の場合と同様に、基準電圧や構成要素の温度変動の影響を抑制することが可能となる。
また、図11(D)に示した電子装置220Dでは、上記の効果に加えて、特定の温度で出力が反転する温度検出回路を実現することも可能となる。また、このような温度検出回路は、図11(C)に示した電子装置において、電源電圧を一定とした場合にも実現することが可能である。
図12(A)〜(D)は、本発明の実施例7による、増幅回路、例えば演算増幅回路を有する電子装置の回路図を示したものであり、図12(A),(B)は、例えば反転増幅回路を、また図12(C),(D)は、例えば非反転増幅回路を有する電子装置の回路図を示したものである。なお、図12(B)〜(D)において図12(A)と同一の構成要素には同一の符号を付し、図12(A)の説明以外では一部説明を省略する。
まず、図12(A)を参照するに、本図に示す電子装置230Aは、演算増幅器231、抵抗232、および前記半導体装置100から構成されている。前記演算増幅器231の非反転入力端子はグランドに接続され、反転入力端子は電圧入力端子Vinに前記半導体装置100を介して接続されている。また、前記演算増幅器231の出力端子Voutと前記反転入力端子は抵抗232を介して接続されている。
また、図12(B)に示す電子装置230Bでは、前記電子装置230Aと同様の構造を有しており、当該電子装置230Bでは、当該電子装置230Aの前記半導体装置100に該当する部分に抵抗233が、前記抵抗232に該当する部分に前記半導体装置100が接続される構成になっている。
また、図12(C)に示す電子装置230Cでは、前記演算増幅器231の反転入力端子は前記半導体装置100を介してグランドに接続され、非反転入力端子は電圧入力端子Vinに接続されている。また、前記増幅器231の出力端子Voutと前記反転入力端子は抵抗232を介して接続されている。
また、図12(D)に示す電子装置230Dは、前記電子装置230Cと同様の構造を有しており、当該電子装置230Dでは、当該電子装置230Cの前記半導体装置100に該当する部分に抵抗233が、前記抵抗232に該当する部分に前記半導体装置100が接続される構成になっている。
このような増幅回路の一部に前記半導体装置100を用いた場合、電子装置の構成要素の温度変動による影響を抑制することが可能となり、例えば、利得の温度特性を補正することが可能となる。また、利得が任意の温度特性を有するようにすることも可能である。
図13(A),(B)は、本発明の実施例8による、フィルタ回路を有する電子装置の回路図を示したものであり、図13(A)は、例えばローパスフィルタ回路を、また図13(B)は、例えばハイパスフィルタ回路を有する電子装置の回路図を示したものである。
図13(A)の電子装置240Aでは、電圧入力端子Vinと電圧出力端子Voutの間に前記半導体装置100が接続され、さらに当該電圧出力端子Voutがコンデンサ241を介してグランドに接続され、ローパスフィルタを構成している。また、図13(B)の電子装置240Bでは、電圧入力端子Vinと電圧出力端子Voutの間にコンデンサ241が接続され、さらに当該電圧出力端子Voutが前記半導体装置100を介してグランドに接続され、ハイパスフィルタを構成している。
本実施例によるフィルタ回路を有する電子装置では、前記半導体装置100を用いたことで、カットオフ周波数の絶対値、温度変動を高精度に調整したり、また一方、積極的に温度によってカットオフ周波数を変化させるようにすることが可能となる。また、前記半導体装置100を用いる電子装置は、本実施例で図示したようなCR回路による1次フィルタに限定されるものではなく、例えば増幅器を組み合わせた様々なアクティブフィルタ回路に用いることも可能である。
また、前記半導体装置100は、図7に示した電子装置以外でも、様々な発振回路を有する電子装置に用いることが可能である。
図14(A),(B)は、発振回路を有する電子装置の回路図を示したものであり、いわゆるウィーンブリッジ発振回路を有する電子装置を示した回路図である。
図14(A)を参照するに、本実施例による電子装置250Aでは、増幅器251の反転入力端子は抵抗254を介してグランドに接続され、また当該反転入力端子は抵抗253を介して、当該増幅器251の出力端子252に接続されている。
また、前記増幅器251の非反転入力端子と前記出力端子252の間には、抵抗255、コンデンサ258が直列に接続されており、さらに当該非反転入力端子は、コンデンサ256を介してグランドに、また前記半導体装置100を介してグランドに接続される構成になっている。
前記電子装置250Aでは、抵抗255、半導体装置100、コンデンサ258、256でバンドパスフィルタを形成し、増幅器251と共に正帰還回路を構成して特定の周波数で発振動作を行わせている。このときの発振周波数は1/2π(コンデンサ256の容量×コンデンサ258の容量×抵抗255の抵抗値×半導体装置100の抵抗値)1/2となる。
また、前記電子装置250Aは、図14(B)に示す電子装置250Bのように変形して用いることも可能である。当該電子装置250Bは、当該電子装置250Aと同様の構造を有しており、当該電子装置250Bでは、当該電子装置250Aで半導体装置100と抵抗255に該当する部分に、それぞれ抵抗257と半導体装置100が接続されている。
本実施例に示す電子装置250A、250Bでは、前記半導体装置100を用いているため、構成要素の特性の変動を吸収しながら、発振周波数の絶対値と温度特性を高精度に調整することが可能となる。また、積極的に発振周波数に任意の温度傾斜を持たせることも可能である。
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明は上記の特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
本発明によれば、半導体装置の抵抗素子に、温度係数が正であってシート抵抗値が高い抵抗体を用いたことで、当該抵抗素子の抵抗値や温度係数のばらつきを抑制し、動作特性に優れた半導体装置を提供することが可能となる。
従来の発振周波数変動の補正装置を示す回路図である。 従来のCR発振回路を示す図である。 従来の増幅回路を示す図である。 実施例1による半導体装置の概略を示す回路図である。 図4の半導体装置に用いられる抵抗体の断面構造を模式的に示した図である。 実施例2による半導体装置の概略を模式的に示す図である。 実施例3による電子装置を示す回路図である。 図7に示した電子装置の発振周波数が変動する状態を、発振周波数および常温からの偏差(ppm)で示した図である。 (A),(B)は、実施例4による電子装置を示す回路図である。 (A),(B)は、実施例5による電子装置を示す回路図である。 (A)〜(D)は、実施例6による電子装置を示す回路図である。 (A)〜(D)は、実施例7による電子装置を示す回路図である。 (A),(B)は、実施例8による電子装置を示す回路図である。 (A),(B)は、実施例9による電子装置を示す回路図である。
符号の説明
7,8,24,27,28,29,40,41,42a,42b,43a,43b,127,128,129,215,224,225,226,232,233,253,254,257 抵抗
9.10,23,130,241,256,258 コンデンサ
30,31,104,126,201,202,203,213 トランジスタ
25,26,103,122,123,124 インバータ
21,121 コンパレータ
11,12 ライン
150,200A,200B,210A,210B,220A,220B,220C,220D,230A,230B,230C,230D,240A,240B,250A,250B 電子装置
100 半導体装置
101,102 接続変更手段
110 記憶手段
111 検出手段
112 制御手段
120 基準電圧発生回路
Rf,Pab,Nab,Pa,Na,Pb,Nb 抵抗素子
FN1,FN0,FP1,FP0 信号線
Rp1,Rp2,Rp3,Rp4,Rp5,Rp6,Rp7,Rp8,Rp9,Rp10,Rp11,Rp12,Rp13,Rp14,Rp15,Rp16,Rp17,Rn1,Rn2,Rn3,Rn4,Rn5,Rn6,Rn7,Rn8,Rn9,Rn10,Rn11,Rn12,Rn13,Rn14,Rn15,Rn16,Rn17 抵抗体
301 基板
302 素子分離酸化膜
303,308 抵抗体
304,307 層間絶縁膜
310 絶縁膜
305 ビアプラグ
306 金属配線
309 保護膜
1 CPU
2 電源
3 スイッチ
4 電圧検出器
5 温度検出器
6 E2PROM

Claims (14)

  1. 正の温度係数を有し、金属膜からなる第1の抵抗体と、負の温度係数を有する第2の抵抗体とがそれぞれ複数接続されている抵抗素子を有する半導体装置であって、
    前記抵抗素子で機能する、前記第1の抵抗体の個数または前記第2の抵抗体の個数を変更するスイッチング回路と、複数の前記第1の抵抗体または複数の前記第2の抵抗体それぞれごとに設けられた、当該第1の抵抗体または第2の抵抗体を短絡する、切断可能に形成された配線とを含む、接続変更手段と、
    前記抵抗素子の周囲環境の温度変化を検出する、検出手段とを有し、
    前記検出手段によって検出される温度変化に対応した信号によって、前記接続変更手段に含まれる前記スイッチング回路を制御し、前記抵抗素子で機能する、前記第1の抵抗体の個数または前記第2の抵抗体の個数を変更することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記金属膜はCrSiを含む膜からなることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第2の抵抗体は、ポリシリコンからなることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
  4. 前記検出手段によって検出される温度変化に対応した信号を記憶する、記憶手段をさらに設けたことを特徴とする請求項1乃至のうち、いずれか1項記載の半導体装置。
  5. 請求項1乃至のうち、いずれか1項記載の半導体装置を、CR発振回路の抵抗の一部に用いたことを特徴とする電子装置。
  6. 請求項1乃至のうち、いずれか1項記載の半導体装置を、定電流回路の電流制御抵抗に用いたことを特徴とする電子装置。
  7. 請求項1乃至のうち、いずれか1項記載の半導体装置を、定電圧回路の出力電圧検出用抵抗に用いたことを特徴とする電子装置。
  8. 請求項1乃至のうち、いずれか1項記載の半導体装置を、電圧検出回路の検出用抵抗に用いたことを特徴とする電子装置。
  9. 請求項1乃至のうち、いずれか1項記載の半導体装置を用いた演算増幅回路を有することを特徴とする電子装置。
  10. 請求項1乃至のうち、いずれか1項記載の半導体装置と、コンデンサを用いたフィルタ回路を有することを特徴とする電子装置。
  11. 正の温度係数を有し、金属膜からなる第1の抵抗体と、負の温度係数を有する第2の抵抗体とがそれぞれ複数接続されている抵抗素子と、前記抵抗素子で機能する、前記第1の抵抗体の個数または前記第2の抵抗体の個数を変更するスイッチング回路と、複数の前記第1の抵抗体または複数の前記第2の抵抗体それぞれごとに設けられた、当該第1の抵抗体または第2の抵抗体を短絡する、切断可能に形成された配線とを含む、接続変更手段と、前記抵抗素子の周囲環境の温度変化を検出する、検出手段とを有する半導体装置の調整方法であって、
    前記抵抗素子の抵抗値を測定する第1の工程と、
    前記抵抗値に対応して、前記抵抗素子で機能する、前記第1の抵抗体または前記第2の抵抗体の個数を変更する、第2の工程を含み、
    前記検出手段によって検出される温度変化に対応した信号によって、前記接続変更手段に含まれる前記スイッチング回路を制御し、前記抵抗素子で機能する、前記第1の抵抗体の個数または前記第2の抵抗体の個数を変更することを特徴とする半導体装置の調整方法。
  12. 前記金属膜はCrSiを含む膜からなることを特徴とする請求項11記載の半導体装置の調整方法。
  13. 前記第2の工程は、複数の前記第1の抵抗体または複数の前記第2の抵抗体それぞれに設けられた、当該第1の抵抗体または第2の抵抗体を短絡する配線を切断する工程を含むことを特徴とする請求項11または12記載の半導体装置の調整方法。
  14. 前記第1の工程は、前記抵抗素子の温度を変更して、当該抵抗素子の抵抗値の測定を繰り返すことを特徴とする請求項11乃至13のうち、いずれか1項記載の半導体装置の調整方法。
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