JP4789541B2 - 偏光分離素子 - Google Patents
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Description
また、他の偏光分離素子としては、ガラス基板等に光学薄膜を形成した光学薄膜PBS,異方性光学結晶を接着剤で接合したグラン−トムソン型PBS,異方性光学結晶を空気層を介して対向させたグラン−テーラー型PBS,異方性光学結晶を接合したウォーラストンプリズムが知られている。
グラン−トムソン型PBSは、接着剤によって紫外光が吸収されてしまうため紫外光領域で使用できないという問題がある。
グラン−テーラー型PBSは、一般的に反射光の消光比が悪いと共に、開口が狭く使用用途が限定されるという問題がある。
ウォーラストンプリズムは、偏光分離した2本の光線が共に直進しないこと、分離角が小さいこと、分離角が波長依存性を有し広帯域化できない等の問題がある。
また、Li2B4O7とα‐SiO2は紫外光領域から近赤外光領域まで透明であるため、本発明の偏光分離素子は、この範囲において用いることが可能となる。
したがって、本発明では、所定の角度を適当に設定することにより、第1プリズムに入射した入射光のうち常光線を第1プリズムと平板との界面で全反射させ、異常光線をこの界面を透過して平板を介して第2プリズムに透過させる構成とすることができる。このとき、Li2B4O7とα‐SiO2の異常光屈折率が紫外光領域から近赤外光領域まで略一致しているので、異常光線はほとんど界面において反射されることなく界面を透過する。これにより、界面における反射光および透過光の消光比を極めて高く保持することができる。
また、Li2B4O7とα‐SiO2は紫外光領域から近赤外光領域まで透明であるため、本発明の偏光分離素子は、この範囲において用いることが可能となる。
図1〜図4は本発明の一実施形態に係るものであり、図1は偏光分離素子の構成を表す説明図、図2は偏光分離素子を構成する光学結晶の波長と屈折率との関係を表すグラフ、図3は偏光分離素子の入射角と反射率との関係を表すグラフ、図4は偏光分離素子の反射光の波長と消光比の関係を表わすグラフである。
図5、図7、図10は本発明の他の実施形態に係るものであり、図5、図7は偏光分離素子の構成を表す説明図、図10は図7の偏光分離素子の入射角と反射率との関係を表すグラフである。
また、図6、図8、図9、図11は参考例に係るものであり、図6、図8は偏光分離素子の構成を表す説明図、図9は図6の偏光分離素子の入射角と反射率との関係を表すグラフ、図11は図8の偏光分離素子の入射角と反射率との関係を表すグラフである。
本例では、反射光(常光線)は、光軸Lと略28度の角度をなす方向に反射される。第1反射光出射面13は、この反射光が略垂直に入射するように角度設定されている。そして、第1反射光出射面13に入射した反射光は、第1反射光出射面13から外部へ出射する。
このように、本例では、常光線と異常光線を2方向に分離することが可能であり、その分離角を約28度と大きく設定することができる。
そして、偏光分離素子1は、平板30が第1プリズム10の第1透過光出射面12と第2プリズム20の第2入射面22に挟持されて構成されている。すなわち、偏光分離素子1は、第1プリズム10の第1透過光出射面12に平板30の入射面31が接合され、平板30の出射面32に第2プリズム20の第2入射面22が接合されている。これらは、接着剤を用いずにオプティカルコンタクトによって接合されている。したがって、第1プリズム10から第2プリズム20への透過光が接着剤によって吸収されてしまう不都合が生じない。
平板30を介して第1プリズム10と第2プリズム20が接合されることにより、第1プリズム10の第1入射面11と第2プリズム20の第2透過光出射面21は、略平行となる。
Li2B4O7の常光屈折率をn1o、異常光屈折率をn1eで表し、α‐SiO2の常光屈折率をn2o、異常光屈折率をn2eで表す。
そして、Li2B4O7の異常光屈折率n1eとα‐SiO2の異常光屈折率n2eは、上記波長範囲において略一致している。
本例では、図3から分かるように、第1プリズム10から平板30への入射角が約73°以上で常光線が全反射するようになる(a1)。また、入射角が約88°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(a2)。このように、本例では、入射角73°〜88°(−3°〜+12°)において使用することが可能であり、約15°の広い開口を有する。
波長350nm以上では、異常光屈折率n1eおよび異常光屈折率n2eが極めてよく一致しているため、反射光の消光比は55dBと極めて良好となる。
また、本例では、190〜2000nmの波長範囲における透過光の消光比は、55dB程度となっている。
また、第1プリズム10,平板30,第2プリズム20は、接着剤を用いずにオプティカルコンタクトにて接合されているので、従来のグラン−トムソン型PBSのように接着剤によって紫外光領域で使用することができないという不都合を回避することができる。
さらに、本例では、分離された2つの光線は、大きな分離角度で分離することが可能である。
図5に示す例では、第1プリズム10には、第1入射面11と、第1透過光出射面12と、第1透過光出射面12で反射された反射光を反射させるための第1反射光反射面14が形成されている。
第1反射光反射面14で反射した反射光は、第1透過光出射面12を透過して平板30および第2プリズム20を通過して、第2反射光出射面23に入射する。第2反射光出射面23は、この反射光が垂直に入射するように角度設定されており、この第2反射光出射面23に入射した反射光は、第2反射光出射面23を透過して外部へ出射される。
図6の参考例では、第1プリズム10および第2プリズム20の光学軸は紙面に対して略垂直な第1方向(第1入射面11および第1透過光出射面12の幅方向と略平行)に設定され、平板30の光学軸は紙面上下方向(第1入射面11の上下方向)と略平行(光軸Lと垂直)、かつ、第1プリズム10および第2プリズム20の光学軸と垂直である第2方向に設定されている。
図8の参考例では、第1プリズム10および第2プリズム20の光学軸は紙面上下方向(第1入射面11の上下方向)と略平行な第2方向に設定され、平板30の光学軸は紙面に対して略垂直(第1入射面11および第1透過光出射面12の幅方向と略平行、第1プリズム10および第2プリズム20の光学軸と垂直)である第1方向に設定されている。
なお、図6〜図8の参考例では、光学軸の方向以外は図1の実施形態と同様である。
図9から分かるように、図6の例では、入射角が約74°以上で常光線が全反射するようになり(b1)、約82°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(b2)。このように、図6の例では、入射角74°〜82°(−2°〜+6°)において使用することが可能であり、約8°の開口を有する。
しかしながら、図1や図7の例で示したように、第1プリズム10,第2プリズム20,平板30の光学軸を同一方向とするのがよい。
また、図6〜図8の光学軸配置とした場合に、図5のように第1反射光反射面14,第2反射光出射面23を形成してもよい。
10 第1プリズム
11 第1入射面
12 第1透過光出射面
13 第1反射光出射面
14 第1反射光反射面
20 第2プリズム
21 第2透過光出射面
22 第2入射面
23 第2反射光出射面
30 平板
31 入射面
32 出射面
Claims (3)
- 第1プリズムと、第2プリズムと、前記第1プリズムと第2プリズムとの間に介在すると共にオプティカルコンタクトにて接合された平板とを備えた偏光分離素子であって、
前記第1プリズムは、外部からの入射光を入射させるための第1入射面と、該第1入射面と所定の角度をなし外部からの入射光を透過および反射する第1透過光出射面と、を備え、
前記第2プリズムは、前記第1プリズムからの透過光を外部へ出射させる第2透過光出射面と、該第2透過光出射面と所定の角度をなす第2入射面と、を備え、
前記平板は、前記第1透過光出射面と前記第2入射面によって挟持され、
前記第1プリズムと前記第2プリズムは、異方性結晶材料であるLi2B4O7で形成され、
前記平板は、異方性結晶材料であるα‐SiO2で形成され、
前記第1プリズムには、前記第1透過光出射面で反射された反射光が略垂直に入射するように角度設定され、該反射光を外部へ透過させるための第1反射光出射面が形成され、
前記第1プリズム、前記第2プリズムおよび前記平板は、その光学軸が同一方向に設定され、前記第1入射面と略平行かつ前記第1透過光出射面と略平行な第1方向、または、該第1方向に対して略垂直かつ前記第1入射面と略平行な第2方向に設定されたことを特徴とする偏光分離素子。 - 第1プリズムと、第2プリズムと、前記第1プリズムと第2プリズムとの間に介在すると共にオプティカルコンタクトにて接合された平板とを備えた偏光分離素子であって、
前記第1プリズムは、外部からの入射光を入射させるための第1入射面と、該第1入射面と所定の角度をなし外部からの入射光を透過および反射する第1透過光出射面と、を備え、
前記第2プリズムは、前記第1プリズムからの透過光を外部へ出射させる第2透過光出射面と、該第2透過光出射面と所定の角度をなす第2入射面と、を備え、
前記平板は、前記第1透過光出射面と前記第2入射面によって挟持され、
前記第1プリズムと前記第2プリズムは、異方性結晶材料であるLi2B4O7で形成され、
前記平板は、異方性結晶材料であるα‐SiO2で形成され、
前記第1プリズムには、前記第1透過光出射面で反射された反射光を、前記第2プリズム側へ反射させるための第1反射光反射面が形成され、
前記第2プリズムには、前記第1反射光反射面で反射された反射光が略垂直に入射するように角度設定され、該反射光を外部へ出射させるための第2反射光出射面が形成され、
前記第1プリズム、前記第2プリズムおよび前記平板は、その光学軸が同一方向に設定され、前記第1入射面と略平行かつ前記第1透過光出射面と略平行な第1方向、または、該第1方向に対して略垂直かつ前記第1入射面と略平行な第2方向に設定されたことを特徴とする偏光分離素子。 - 前記第1反射光反射面は、前記第2透過光出射面から出射する透過光に対して、該第1反射光反射面で反射された反射光を略直行させるように形成されたことを特徴とする請求項2に記載の偏光分離素子。
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