JP4788825B2 - ジッタ抑圧回路及びジッタ抑圧方法 - Google Patents
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Description
この他関連する技術としては、例えば、特許文献3〜7が挙げられる。
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係るジッタ抑圧回路の一実施例を示すブロック図である。
図1に示すジッタ抑圧回路は、大きく分けてクロック載せ換え部1とディジタル位相同期ループ(DPLL)2とから構成される。
クロック載せ換え部1は、シリアル/パラレル変換回路4、入力側タイミング信号生成回路5および出力側タイミング信号生成回路11、Dフリップフロップ10、パラレル/シリアル変換回路14から構成される。DPLL2は、入力側分周器6および出力側分周器12、位相比較器7、パラメータ選択回路8、ループフィルタ9、数値制御発振器13から構成される。以下に、クロック載せ換え部1およびDPLL2の各構成要素について説明する。
入力側分周器6は、入力クロックを分周して、その出力を入力側タイミング信号生成回路5および位相比較器7に出力する。
入力側タイミング信号生成回路5では、入力側分周器6から入力される分周クロックをもとに、シリアル/パラレル変換を行うためのタイミング信号を生成し、シリアル/パラレル変換回路4に供給する。
位相比較器7は、入力側の位相比較信号と出力側の位相比較信号との位相誤差を検出し、位相誤差情報としてパラメータ選択回路8およびループフィルタ9に出力する。
パラメータ選択回路8は、位相誤差情報として入力された位相誤差の絶対値を求め、予め設定された位相誤差閾値と比較を行う。比較結果が所定の前方保護段数回連続して、位相誤差閾値以上であれば、ループが非同期状態にあると判定し、広帯域に対応するパラメータα1、β1をループフィルタ9に出力する。
また、後方保護段数回連続して、位相誤差閾値未満であれば、狭帯域に対応するパラメータα2、β2の値を出力する。
ループフィルタ9は、パラメータ選択回路8から供給される係数α、βを用いて、位相誤差を平均化し、位相制御値を出力する。数値制御発振器13は、ループフィルタ9から供給される位相制御値に応じて、出力クロックの位相を制御する。出力側分周器12は、出力クロックを分周して、分周クロックを出力側タイミング信号生成回路11および位相比較器7に出力する。
出力側タイミング信号生成回路11では、シリアル/パラレル変換回路4の出力をDフリップフロップ10で取り込むためのタイミング信号を生成する。パラレル/シリアル変換回路14では、Dフリップフロップ10出力のパラレルデータをシリアルデータに戻して、外部に出力する。
図2に示すように、シリアル/パラレル変換回路4は、Dフリップフロップ40〜42を直列に接続したシフトレジスタと、その出力をタイミング信号に基づいてラッチするイネーブル付Dフリップフロップ43〜46の組み合わせにより実現する。シリアル/パラレル変換の比率は、入力クロックのジッタ量および必要な抑圧量によって決定する。入力クロックのジッタが大きい場合、十分なタイミングマージンを確保するため、変換比率を大きくする必要がある。図2は、入力データを4ビットごとに、4並列のパラレルデータに変換する例である。
図3において、立ち上がりエッジ検出回路70および立ち上がりエッジ検出回路71は、それぞれ入力側位相比較信号および出力側位相比較信号の立ち上がりエッジを検出してパルスを生成し、カウンタ72に出力する。立ち上がりエッジ検出回路70および立ち上がりエッジ検出回路71から出力されるパルスは、カウンタ72において、それぞれカウント開始信号およびカウント停止信号として用いられる。また、カウント停止信号は、Dフリップフロップ73によりリタイミングされ、同期判定タイミング信号として、パラメータ選択回路8に出力される。カウンタ72は、カウント開始信号が入力されてから、カウント停止信号が入力されるまでをサンプリングクロックでカウントし、カウント停止信号が入力された時点のカウント値を出力する。
図4において、絶対値変換器80は、位相比較器7から位相誤差情報として入力された位相誤差を絶対値に変換する。
比較器81は、位相誤差絶対値と予め設定された位相誤差閾値(図4では2)とを比較し、比較結果をカウンタ84および、反転ゲート82を通してカウンタ83に出力する。
カウンタ83では、位相比較器7から入力される同期判定タイミング信号に基づき、サンプリングクロックでカウントアップする。また、反転ゲート82の出力が‘1’である場合は、カウント値をクリアする。
比較器85は、カウンタ83のカウント値と所定の前方保護段数(図4では3)とを比較し、その結果をセット/リセットフリップフロップ(S/Rフリップフロップ)87のセット端子に入力する。カウンタ84も同様に同期判定タイミング信号に基づき、サンプリングクロックでカウントアップを行う。
また、比較器81の出力が‘1’である場合は、カウント値をクリアする。比較器86では、カウント値と所定の後方保護段数(図4では2)とを比較し、その比較結果をS/Rフリップフロップ87のリセット端子に入力する。S/Rフリップフロップ87では、比較器85および比較器86からの入力に従って、パラメータ選択信号を生成し、セレクタ88に出力する。
セレクタ88では、S/Rフリップフロップ87から供給されるパラメータ選択信号に基づき、広帯域に対応する係数α1、β1と狭帯域に対応する係数α2、β2とのいずれか一方を選択して、ループフィルタ9に出力する。
図5において、位相誤差は、乗算器90および乗算器91により、それぞれパラメータ選択回路8から供給される係数α、βと乗算される。加算器92は、位相誤差と係数αとの乗算結果と、Dフリップフロップ93の出力を加算する。Dフリップフロップ93は加算器92の出力を保持することにより、乗算器91出力の累積加算を行う。加算器94は、乗算器90の出力と加算器92の出力とを加算し、位相制御値として、数値制御発振器13に出力する。
図6において、加算器130は、入力された位相制御値と予め設定された周波数オフセット値、およびDフリップフロップ132の出力を加算し、モジュロ8演算器131に出力する。モジュロ8演算器131では、加算器130から入力された値が8以上である場合、入力値から8だけ差し引いた余りを出力する。比較器133は、モジュロ8演算器131の出力値と予め定められた閾値とを比較し、閾値未満であれば‘0’、閾値以上であれば‘1’を出力する。Dフリップフロップ134は、比較器133の出力をリタイミングして、Dフリップフロップ10、パラレル/シリアル変換回路14、出力側タイミング信号生成回路11、出力側分周器12に動作クロックとして供給する。また、出力クロックとして外部に出力する。
図7において、選択信号生成回路140は、出力側タイミング信号生成回路11から入力されるタイミング信号を基準に選択信号を生成する。セレクタ141は、選択信号生成回路140から入力される選択信号に基づき、4本の入力パラレルデータから出力するデータを選択してDフリップフロップ142へ出力する。Dフリップフロップ142では、セレクタ141から入力されたデータを出力クロックでリタイミングして、外部へ出力する。
図1を用いて、本発明の実施例の動作について説明する。
入力データは入力クロックに同期して入力される。また、入力クロックはジッタ成分を含んでいるが、平均的には一定の周波数であるものとする。
クロック載せ換え部1は、入力データをパラレルデータに変換することにより、時間幅を引き伸ばし、ジッタを吸収するためのタイミングマージンを確保した上で、ジッタの少ない出力クロックへの載せ換えを行う。その後、パラレルデータを元のシリアルデータに逆変換して出力する。以下にクロック載せ換え部1の詳細な動作について、図8のタイミングチャートを用いて説明する。
入力データは、シリアル/パラレル変換回路4に入力され、Dフリップフロップ40〜42で構成されるシフトレジスタに順次格納される。入力データおよびDフリップフロップ40〜42の各出力は、入力側の入力側タイミング信号生成回路5から供給されるタイミング信号が‘1’のときに、入力クロックの立ち上がりエッジでイネーブル付Dフリップフロップ43〜46に取り込まれ、パラレルデータに変換される。
図8に示すように、選択信号生成回路140は、0〜3までカウントするカウンタであり、出力側タイミング信号が‘1’のときに、出力クロックの立ち上がりエッジでカウント値を0に初期化する。セレクタ141では、選択信号生成回路140の出力値に対応する入力データを選択して出力する。セレクタ出力はDフリップフロップ142により、出力クロックでリタイミングされて外部回路に出力される。
入力側タイミング信号生成回路5および出力側タイミング信号生成回路11では、2分周クロックが‘1’かつ4分周クロックが‘0’の場合に、クロックの立ち上がりエッジで出力を‘1’にする。また、入力側分周器6および出力側分周器11は、それぞれ入力側および出力側の位相比較信号として、4分周クロックを位相比較器7に出力する。DPLL2は同期状態において、入力側と出力側との位相比較信号が180°の位相差になるように、出力クロックの位相を制御する。従って、入力側と出力側とのタイミング信号の位相差も180°となり、Dフリップフロップ10において、クロック載せ換えのタイミングマージンを最大にすることが出来る。
DPLL2では、入力クロックおよび出力クロックをそれぞれ分周して位相比較信号を生成し、それらの位相比較を行う。さらに、位相比較結果を平均化して位相制御値を生成し、それを用いて、入出力の位相比較信号の位相差が180°になるように出力クロックの位相を制御する。これにより、クロック載せ換え部1において、必ずタイミングマージン内でクロックが載せ換えられる構成となっている。以下にDPLL2の詳細な動作について、図を用いて説明する。
立ち上がりエッジ検出回路70および立ち上がりエッジ検出回路71では、発振器3から入力されるサンプリングクロックを用いて、入力側および出力側の位相比較信号をサンプリングして、立ち上がりエッジを検出する。エッジを検出したら‘1’パルスを生成し、カウンタ52に出力する。カウンタ52では、立ち上がりエッジ検出回路50からパルスが入力されるとカウントを開始し、立ち上がりエッジ検出回路51からパルスが入力されるとカウントを停止し、カウント値を0に初期化する。そして、パルスが入力された時点のカウント値を出力する。
図3に示す場合、位相比較信号の周期は、サンプリングクロックで32クロックである。従って、位相オフセット値を16と設定すれば、入力側と出力側との間の位相差が180°(半周期)ずれのところで同期させることができる。また、Dフリップフロップ73は、カウント停止信号をリタイミングし、同期判定タイミング信号として、パラメータ選択回路8に出力する。
図10に示すように、同期判定タイミング信号は、位相誤差情報の先頭で‘1’となる。これにより、パラメータ選択回路8において、位相誤差情報を同期判定に使用するまでの時間を最小限にしている。
図4および11を用いて、パラメータ選択回路8の動作を説明する。
絶対値変換器80は、位相誤差情報として入力された位相誤差を絶対値に変換し、比較器81に出力する。比較器81は、位相誤差絶対値が2以上であれば、‘1’を出力し、2未満であれば‘0’を出力する。カウンタ83は、位相比較器7から入力される同期判定タイミング信号が‘1’のときに、サンプリングクロックの立ち上がりエッジでカウントアップを行う。このとき、反転ゲート82の出力が‘1’、すなわち位相誤差が2未満であれば、カウント値をクリアする。
H(jω)=β+α/(1−exp-jω) …(1)
位相誤差情報として入力された位相誤差は、ループフィルタ9により平均化され、最終的に位相制御値として、数値制御発振器13に出力される。
図12は、図6に示した数値制御発振器13のタイミングチャートの一例である。
加算器130は、ループフィルタ9から入力された位相制御値と、予め設定された周波数オフセット値と、Dフリップフロップ132の出力とを加算し、モジュロ8演算器131に出力する。Dフリップフロップ132は、1クロック前のモジュロ8演算器出力を保持している。同期状態の場合、位相制御値はほぼ0に近い値であるから、加算器130の出力は、1クロックごとに1(周波数オフセット値)ずつ増加していく。
モジュロ8演算器131では、加算器出力が8(モジュロ演算器の設定値)まで増加すると、加算器出力から8を減算した余りをDフリップフロップ132および比較器133に出力する。
以上の動作を繰り返すことにより、モジュロ8演算器の出力は、0〜7の値を繰り返す。
図13では、パラメータ選択回路8において、同期判定のための位相誤差情報をループフィルタ9の出力としている。図1に示したジッタ抑圧回路のように、位相比較器7の出力を同期判定に使用する場合と比較して、平均化された位相誤差を位相誤差情報として用いているため、素早いパラメータ切替を行うことはできないが、より正確な同期判定を行うことができる。
図5に示した場合と同様に低域通過特性をもつディジタルフィルタであり、その周波数特性は数式(2)で表される。数式(2)より、図14の構成を用いても、α、βの値を変化させることにより、帯域幅を設定できることが分かる。
H(jω)=β/(1−α・exp-jω) …(2)
また、所定の後方保護段数回連続して、位相誤差閾値未満の場合は、ループが同期状態にあると判定して、帯域幅を狭くする係数α2およびβ2の値を出力する。
このように、ループが非同期状態にあると判断した場合は、ループフィルタ9の帯域幅を広げて引き込み時間の短縮を図ると共に、同期状態にある場合は、ループフィルタ9の帯域幅を狭くすることにより、ジッタ抑圧効果を高める。
〔効果の説明〕
以上説明したように、本発明においては、以下に記載するような効果を奏する。
第1の効果は、DPLLを使用したジッタ抑圧回路において、入力クロックと出力クロックの位相差を用いて、ループが同期状態にあるかどうかを判定し、その結果によりループフィルタの特性を変化させることで、引込み時間の短縮と高いジッタ抑圧効果を両立させることができることである。
2 ディジタル位相同期ループ(DPLL)
3 発振器
4 シリアル/パラレル変換回路
5 入力側タイミング信号生成回路
6 入力側分周器
7 位相比較器
8 パラメータ選択回路
9 ループフィルタ
10 Dフリップフロップ
11 出力側タイミング信号生成回路
12 出力側分周器
13 数値制御発振器
14 パラレル/シリアル変換回路
Claims (4)
- ディジタル位相同期ループを使用したジッタ抑圧回路において、
入力データをリタイミングするクロック載せ換え部と、
ディジタル位相同期ループとを備え、
前記クロック載せ換え部は、入力データをパラレルデータに変換するシリアル/パラレル変換回路と、該シリアル/パラレル変換回路からのパラレルデータのタイミングを変更するフリップフロップ回路と、該フリップフロップ回路からのパラレルデータをシリアルデータに変換して出力データとして出力するパラレル/シリアル変換回路とを備え、
前記ディジタル位相同期ループは、出力クロックを出力する数値制御発振器と、前記クロック載せ換え部の入力クロックを分周した入力側位相比較信号と前記出力クロックを分周した出力側位相比較信号との位相誤差を検出する位相比較器と、前記位相比較器と前記数値制御発振器との間に挿入されたループフィルタと、前記位相誤差に応じて前記ループフィルタのパラメータを選択して変更するパラメータ選択回路とを備え、
前記数値制御発振器は、前記出力クロックを前記フリップフロップ回路及び前記パラレル/シリアル変換回路に供給し、
前記パラメータ選択回路は、前記位相誤差に基づいて前記ディジタル位相同期ループが同期状態にあるか否かを判定し、判定の結果に応じて、前記ループフィルタの特性を変化させることで、引込み時間の短縮と前記クロック載せ換え部の出力データ及び前記出力クロックのジッタの抑圧とを行うことを特徴とするジッタ抑圧回路。 - 前記位相比較器は、前記入力側位相比較信号の立ち上がりエッジを検出する入力側立ち上がりエッジ検出回路と、前記出力側位相比較信号の立ち上がりエッジを検出する出力側立ち上がりエッジ検出回路と、前記入力側位相比較信号の立ち上がりエッジと前記出力側位相比較信号の立ち上がりエッジまでの間をサンプリングクロックでカウントすることにより前記入力側位相比較信号と前記出力側位相比較信号との位相差を検出するカウンタと、を備えたことを特徴とする請求項1記載のジッタ抑圧回路。
- ディジタル位相同期ループで用いられるジッタ抑圧方法において、
クロック載せ換え部が入力データをリタイミングするステップ、及びディジタル位相同期ループがループが同期状態にあるか否かの判定結果に応じてループフィルタの特性を変化させるステップを備え、
前記入力データをリタイミングするステップは、入力データをパラレルデータに変換し、前記パラレルデータに変換されたパラレルデータのタイミングを変更し、及び前記タイミングを変更された前記パラレルデータをシリアルデータに変換して出力データとして出力し、
前記ループフィルタの特性を変化させるステップは、前記クロック載せ換え部の入力クロックを分周した入力側位相比較信号と、前記パラレルデータのタイミングの変更及び前記シリアルデータへの変換に用いられるクロック信号を供給する数値制御発振器の出力クロックを分周した出力側位相比較信号との位相誤差を位相比較器で検出し、前記数値制御発振器と前記位相比較器との間に挿入されたループフィルタのパラメータを前記位相誤差に基づいて選択して変更し、
前記位相誤差に基づいて前記ディジタル位相同期ループが同期状態にあるか否かを判定し、判定の結果に応じて、前記ループフィルタの特性を変化させることで、引込み時間の短縮と前記出力データ及び前記出力クロックのジッタの抑圧とを行う、ジッタ抑圧方法。 - 前記位相比較器は、前記入力側位相比較信号の立ち上がりエッジを検出し、前記出力側位相比較信号の立ち上がりエッジを検出し、前記入力側位相比較信号の立ち上がりエッジと前記出力側位相比較信号の立ち上がりエッジまでの間をサンプリングクロックでカウントすることにより前記入力側位相比較信号と前記出力側位相比較信号との位相差を検出する、請求項3記載のジッタ抑圧方法。
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