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JP4788750B2 - パターン形成体の製造方法 - Google Patents

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JP4788750B2 JP2008232067A JP2008232067A JP4788750B2 JP 4788750 B2 JP4788750 B2 JP 4788750B2 JP 2008232067 A JP2008232067 A JP 2008232067A JP 2008232067 A JP2008232067 A JP 2008232067A JP 4788750 B2 JP4788750 B2 JP 4788750B2
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Description

本発明は、レジスト材等に用いることが可能な、機能性薄膜がパターン状に形成されたパターン形成体の製造方法に関するものである。
従来より、機能性を有する薄膜をパターニングすることにより、種々の機能を有する機能性素子を形成する方法が知られている。
例えば、金属配線形成においては、レジスト材を金属薄膜を有する基材上に形成し、このレジスト材をフォトリソグラフィー法等によりパターニング・現像し、露出した金属薄膜をエッチングすることにより形成されている。しかしながら、この方法においては、レジスト材に感光性を付与する必要があること、現像の際に使用されるアルカリ溶液が大量であることや、複雑な工程が必要であり、コストや環境面等からも、問題があった。
なお、本発明に関する先行技術文献は発見されていない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、パターン形成体の製造に際して、高精度にパターンを形成することが可能であり、かつコスト負荷および環境負荷が小さいパターン形成体の製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は請求項1において、
基体と、上記基体上に形成され、光触媒の作用により分解除去され、かつ膜自体に機能性を有する機能性薄膜とを有するパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、
光触媒を含有する光触媒含有層および基体を有する光触媒含有層側基板における上記光触媒含有層と上記機能性薄膜とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記機能性薄膜がパターン状に分解除去されたパターンを形成するパターン形成工程と
を有することを特徴とするパターン形成体の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記機能性薄膜はエネルギー照射に伴う光触媒の作用により分解除去されることから、エネルギー照射されていない領域のみに、特に露光後の後処理も必要無く、膜自体に機能性を有する機能性薄膜を劣化させることなく、パターン状に形成することが可能であり、種々の用途展開を図ることが可能となる。
また、光触媒含有層と機能性薄膜との間隔が、上述した範囲内であるので、効率よくかつ精度が良好に機能性薄膜がパターン状に形成されたパターン形成体を得ることができる。
上記請求項1に記載された発明においては、請求項2に記載するように、上記光触媒含有層側基板が、基材と、上記基材上にパターン状に形成された光触媒含有層とからなることが好ましい。このように、光触媒含有層をパターン状に形成することにより、フォトマスクを用いることなくパターン形成体上に、機能性薄膜が分解除去されたパターンを形成することが可能となるからである。また、光触媒含有層に対応する面のみの機能性薄膜が分解除されるものであるので、照射するエネルギーは特に平行なエネルギーに限られるものではなく、また、エネルギーの照射方向も特に限定されるものではないことから、エネルギー源の種類および配置の自由度が大幅に増加するという利点を有するからである。
上記請求項1に記載された発明においては、請求項3に記載するように、上記光触媒含有層側基板が、基材と、上記基材上に形成された光触媒含有層と、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部とからなり、上記パターン形成工程におけるエネルギーの照射が、光触媒含有層側基板から行なわれるものであることが好ましい。
このように光触媒含有層側基板に光触媒含有層側遮光部を有することにより、露光に際してフォトマスク等を用いる必要がないことから、フォトマスクと位置合わせ等が不要となり、工程を簡略化することが可能となるからである。
上記請求項3に記載された発明においては、請求項4に記載するように、上記光触媒含有層側基板において、上記光触媒含有層側遮光部が上記基材上にパターン状に形成され、さらにその上に上記光触媒含有層が形成されているものであってもよく、また請求項5に記載するように上記光触媒含有層側基板において、上記基材上に光触媒含有層が形成され、上記光触媒含有層上に上記光触媒含有層側遮光部がパターン状に形成されているものであってもよい。
光触媒含有層側遮光部は、機能性薄膜と近い位置に配置されることが、得られる分解除去されたパターンの精度上好ましいものであるといえる。したがって、上述した位置に光触媒含有層側遮光部を配置することが好ましいのである。また、光触媒含有層上に光触媒含有層側遮光部を形成した場合は、上記パターン形成工程における光触媒含有層と機能性薄膜との配置に際してのスペーサとして用いることができるという利点を有するものである。
上記請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項6に記載するように、上記光触媒含有層が、光触媒からなる層であることが好ましい。光触媒含有層が光触媒のみからなる層であれば、機能性薄膜を分解除去する効率を向上させることが可能であり、効率的にパターン形成体を製造することができるからである。
上記請求項6に記載された発明においては、請求項7に記載するように、上記光触媒含有層が、光触媒を真空製膜法により基材上に製膜してなる層であることが好ましい。このように真空製膜法により光触媒含有層を形成することにより、表面の凹凸が少なく均一な膜厚の均質な光触媒含有層とすることが可能であり、機能性薄膜表面へのパターンの形成を均一にかつ高効率で行うことができるからである。
一方、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項8に記載するように、上記光触媒処含有層が、光触媒とバインダとを有する層であってもよい。このようにバインダを用いることにより、比較的容易に光触媒含有層を形成することが可能となり、結果的に低コストでパターン形成体の製造を行うことができるからである。
上記請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項9に記載するように、上記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることが好ましく、中でも請求項10に記載するように、上記光触媒が酸化チタン(TiO)であることが好ましい。これは、二酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易だからである。
請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項11に記載するように、上記機能性薄膜の膜厚が、0.5nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。照射されるエネルギー量や機能性薄膜の材質等にもよるが、機能性薄膜の膜厚を上記範囲内とすることにより、問題無くパターニングが可能であると共に、機能を発揮するのに十分な膜厚とすることができる。
上記請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項12に記載するように、上記機能性薄膜が、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、吸着膜、もしくは交互吸着膜のいずれかであることが好ましい、このような製法で得られた膜は、種々の機能性薄膜として好適に用いることができるからである。
上記請求項1から請求項12までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項13に記載するように、上記機能性薄膜が、レジスト材としての機能を有することが好ましい。このように上記機能性薄膜をレジスト材として用いれば、レジスト材に感光性等の従来要求されていた特性が不要となるため、極めて多様な材料をレジスト材として用いることができる。これによりエッチング剤の選択の幅も広がることから、種々の材料のパターン化に用いることが可能となる。
本発明においては、請求項14に記載するように、請求項13記載のパターン形成体の製造方法において得られるパターン形成体の基体が、基板と基板上に形成された導電性層とからなるものであり、上記レジスト材としての機能を有する機能性薄膜をレジスト材として用い、上記導電性層をエッチングする工程を有することを特徴とする導電性パターン形成体の製造方法を提供する。本発明によれば、レジスト材の現像のための現像液を用いる必要もなく、かつレジスト材を剥離する必要がある場合でも、再度光触媒を作用させることにおり、容易にレジスト材の剥離を行うことができる。
本発明は、さらに請求項15に記載するように、請求項1から請求項12までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法において得られるパターン形成体の機能性薄膜が、生体物質と付着性を有することを特徴とするバイオチップ用基材の製造方法を提供する。生体物質との付着性を有する機能性薄膜を全面に形成し、これをパターニングすることにより、極めて容易にバイオチップ用基材を得ることができるからである。
本発明によれば、上記機能性薄膜はエネルギー照射に伴う光触媒の作用により分解除去されることから、エネルギー照射されていない領域のみに、特に露光後の後処理も必要無く膜自体に機能性を有する機能性薄膜がパターン状に形成されたパターンを劣化させることなく容易に形成することが可能であり、種々の用途展開を図ることが可能となる。
また、光触媒含有層と機能性薄膜との間隔が、上述した範囲内であるので、効率よくかつ精度が良好に機能性薄膜がパターン状に形成されたパターン形成体を得ることができる。
まず、本発明のパターン形成体の製造方法について説明する。本発明のパターン形成体の製造方法は、
基体と、上記基体上に形成され、光触媒の作用により分解除去され、かつ膜自体に機能性を有する機能性薄膜とを有するパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、
光触媒を含有する光触媒含有層および基体を有する光触媒含有層側基板における上記光触媒含有層と上記機能性薄膜とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記機能性薄膜がパターン状に分解除去されたパターンを形成するパターン形成工程と
を有することを特徴とするものである。
また、本発明においては、光触媒を含有する光触媒含有層および基材を有する光触媒含有層側基板を調整する光触媒含有層側基板調整工程を有していてもよく、この場合、光触媒を含有する光触媒含有層および基材を有する光触媒含有層側基板を調整する光触媒含有層側基板調整工程と、上記光触媒含有層中の光触媒の作用により表面の特性が変化する特性変化層を有するパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、上記光触媒含有層および前記特性変化層を、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記特性変化層表面に特性の変化したパターンを形成するパターン形成工程とを有することを特徴とするパターン形成体の製造方法であって、上記パターン形成体用基板調製工程が、基体上に特性変化層としての機能性薄膜を形成する工程であり、上記パターン形成工程が、上記特性変化層である機能性薄膜をパターン状に分解除去する工程であるものである。
このように、本発明のパターン形成体の製造方法においては、光触媒含有層および機能性薄膜を所定の間隙を有するように配置した後、所定の方向からエネルギー照射することにより、光触媒含有層中の光触媒の作用により、露光された部分の機能性薄膜がパターン状に分解除去され、機能性薄膜のパターンが基体上に形成される。したがって、パターン形成に際して露光後の現像・洗浄等の後処理が不要となるので、従来より少ない工程で、かつ安価に、パターン状に形成された機能性薄膜の劣化等の問題がないパターン形成体とすることができる。さらに、この膜自体が機能性を有する機能性薄膜の材料を選択することにより、様々な用途に用いることができるパターン形成体とすることができる。
また、本発明においては、機能性薄膜を光触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去した後、光触媒含有層側基板を取り外してパターン形成体側基板をパターン形成体としたものであるので、得られるパターン形成体には必ずしも光触媒が含有されている必要がない。したがって、得られるパターン形成体が光触媒の作用により経時的に劣化するといった不具合を防止することができる。
このような、本発明のパターン形成体の製造方法について、図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示すものである。
この例においては、まず、基材1上に光触媒含有層2が形成されてなる光触媒含有層側基板3と、基体4上に機能性薄膜5が形成されてなるパターン形成体用基板6とを調整する(図1(a))。
次に、図1(b)に示すように、上記光触媒含有層側基板3とパターン形成体用基板6とを、それぞれの光触媒含有層2および機能性薄膜5が所定の間隔を有するように配置した後、必要とされるパターンが描かれたフォトマスク7を用い、これを介して紫外光8を光触媒含有層側基板3側から照射する。これにより、図1(c)に示すように、機能性薄膜5が分解除去されたパターン9が形成される(パターン形成工程)。
なお、この際、光触媒含有層2と機能性薄膜5とは、図1では所定の間隔をおいて配置されているが、本発明においては、必要であれば物理的に密着状態で接触するようにしてもよい。
また、上記紫外線の照射は、上記例ではフォトマスク7を介したものであるが、後述するように光触媒含有層がパターン状に形成されたものや、光触媒含有層側基板内に遮光部(光触媒含有層側遮光部)が形成されたものを用いてもよく、この場合は、フォトマスク7等を用いることなく、全面に露光することになる。
そして、上記パターン形成体用基板6上から光触媒含有層側基板を外す工程が行われ(図1(d))、表面に機能薄膜をパターン状に有するパターン形成体6を得ることができる。
このような本発明のパターン形成体の製造方法について、各工程毎に詳細に説明する。
1.パターン形成体用基板調製工程
まず、本発明におけるパターン形成体用基板調整工程について説明する。本発明おけるパターン形成体用基板調製工程とは基体と、上記基体上に形成され、光触媒の作用により分解除去され、かつ膜自体に機能性を有する機能性薄膜とを有するパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程を調製する工程である。
本発明におけるパターン形成体用基板は、後述するパターン形成工程において、光触媒の作用により基体上に形成された機能性薄膜が除去されて、膜自体が機能性を有する機能性薄膜のパターンが基体上に形成される点に特徴を有する。これにより、パターン状に残存している機能性薄膜の機能性を利用して、様々な用途に利用することが可能なパターン形成体を製造することが可能となるのである。
本発明においては、機能性薄膜の膜厚は光触媒の作用により除去される程度の膜厚である必要がある。このような膜厚としては、用いる材料や照射するエネルギー、さらには光触媒の種類等によって大きく異なるものではあるが、0.5nm〜300nmの範囲内、特に1.5nm〜150nmの範囲内とすることが好ましい。上記範囲より膜厚が厚い場合は、パターン形成工程における機能性薄膜の除去が困難であることから好ましくなく、上記範囲より膜厚が薄い場合は、機能性薄膜としての機能を発揮できない可能性があることから好ましくない。
このような機能性薄膜の形成方法は特に限定されるものではなく、フッ素系や炭化水素系の撥液性を有する樹脂を溶媒に溶解させ、例としてスピンコート法等の一般的な成膜方法により形成することが可能であるが、機能性を有する薄膜を形成するうえで好適であり、欠陥のない膜を形成することが可能であることから、機能性薄膜、すなわち、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、吸着膜、および交互吸着膜等を用いることがより好ましいといえる。
本発明に用いられる機能性薄膜の材料としては、後述するパターン形成工程において、パターン化された際に機能を有するような機能性材料であれば特に限定されるものではない。ここで、本発明の機能性薄膜の機能とは、例えば化学的機能、電子・電気的機能、または生態的機能等が挙げられる。
ここで、化学的機能とは、具体的には吸着性、耐レジストエッチング剤性等が挙げられる。
上記機能性薄膜が吸着性を有する場合には、例えば例えばガスセンサー、湿度センサー、DNAマイクロアレイ、たんぱく質マイクロアレイ、細胞培養基板等に応用することができ、材料としてはポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリリジン、キトサン、ポリアクリル酸、ポリスチレン、アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、上記機能性薄膜が耐エッチング剤性を有する場合には、例えばレジスト材等とすることができ、材料としてはポリメチルメタクリレート、ノボラック樹脂、カリックスアレーン等が挙げられる。
電子・電気的機能とは、具体的には導電性、圧電性、焦電性、光電変換性、半導体性等が挙げられる。
上記機能性薄膜が導電性を有する場合には、例えばフレキシブルな電気配線等とすることができ、材料としてはポリアセチレン、ポリビロール、ポリエチレンオキサイド−リチウムトリフレート錯体、ポリビスメトキシエトキシドホスファセン(MEEP)、ポリチオフェン、ポリフルオレン等が挙げられる。
上記機能性薄膜が圧電性を有する場合には、例えばアクチュエータ、圧力センサー、歪みセンサー等とすることができ、材料としてはポリアセチレン・ポリパラフェニレン、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
上記機能性薄膜が焦電性を有する場合には、例えば温度センサー等とすることができ、材料としてはトリグリシンサルフェート、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合等が挙げられる。
上記機能性薄膜が光電変換性を有する場合には、例えば有機EL素子、光電変換素子等とすることができ、材料としてはフタロシアニンポリビニルアセテート、ポリメタクリル酸4−N,Nジフェニルアミノフェニル、フタロシアニン、ポルフィリン等が挙げられる。
上記機能性薄膜が半導体性を有する場合には、例えば有機トランジスタ等とすることができ、材料としてはポリビニルカルバゾール(PVK)、チアビリリューム誘導体/トリフェニルメタン、クロルジャンブルー誘導体/ピラゾリン、オリゴチオフェン、ペンタセン、フタロシアニン等が挙げられる。
上記機能性薄膜が液晶配向性を有する場合には、例えば液晶配向膜等とすることができ、材料としてはポリイミド、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
生態的機能とは、生体適合性等が挙げられる。
上記機能性薄膜が生体適合性を有する場合には、例えば選択的細胞培養基材等とすることができ、材料としてはポリテトラフルオロエチレン、セグメント化ポリウレタン、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン、セグメント化ポリウレタン、多孔質ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミノ酸、キチン、シリコン、ポリメタクリル酸2ヒドロキシエチル、ポリビニルピロリドン、シリコン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ−αシアノアクリル酸エステル等が挙げられる。
また、本発明においては、機能性薄膜は基体上に形成される。このような機能性薄膜が形成される基体としては、シリコンウェハ、金属、クオーツ、ガラス、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、アルミナ、高分子材料などを用いることができ、これらは後述する用途に応じて適宜選択されて用いられるものである。
また、用いられる基体の形状としては、特に制限されるものではなく、これも後述する用途に応じて好適な形状とすることが可能であり、具体的には、用途がバイオチップ等の場合は板状のものが好適に用いられる。
本発明においては、パターン形成体用基板にパターン形成体用基板側遮光部をパターン状に形成したものを用いることが可能である。
この場合は、後述するパターン形成工程におけるエネルギー照射を、パターン形成体用基板側から行う必要が生じることから、パターン形成体用基板が透明であることが必要である。
このようなパターン形成体用基板側遮光部の形成方法としては、上述した光触媒含有層側遮光部と同様であるので、ここでの説明は省略する。
このようパターン形成体用基板側遮光部の形成方法は、特に限定されるものではなく、パターン形成体用基板側遮光部の形成面の特性や、必要とするエネルギーに対する遮蔽性等に応じて適宜選択されて用いられる。
例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成されてもよい。このパターニングの方法としては、スパッタ等の通常のパターニング方法を用いることができる。
また、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層をパターン状に形成する方法であってもよい。用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。このよう樹脂製遮光部のパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
2.パターン形成工程
次に、本発明におけるパターン形成工程について説明する。本発明のパターン形成工程は、光触媒を含有する光触媒含有層および基体を有する光触媒含有層側基板における上記光触媒含有層と上記機能性薄膜とを、所定の間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記機能性薄膜をパターン状に分解除去する工程である。
以下、本工程の各構成について説明する。
(光触媒含有層側基板)
まず、本発明に用いられる光触媒含有層側基板について説明する。本発明に用いられる光触媒含有層側基板とは、光触媒を含有する光触媒含有層および基材を有するものである。本発明において用いられる光触媒含有層側基板は、このように、少なくとも光触媒含有層と基材とを有するものであり、通常は基材上に所定の方法で形成された薄膜状の光触媒含有層が形成されてなるものである。また、この光触媒含有層側基板には、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部が形成されたものも用いることができる。以下、光触媒含有層側基板の各構成について説明する。
a.光触媒含有層
本発明に用いられる光触媒含有層は、光触媒含有層中の光触媒が、対象とする機能性薄膜を分解除去するような構成であれば、特に限定されるものではなく、光触媒とバインダとから構成されているものであってもよいし、光触媒単体で製膜されたものであってもよい。また、その表面の濡れ性は特に親液性であっても撥液性であってもよい。
本発明において用いられる光触媒含有層は、例えば上記図1(a)等に示すように、基材1上に全面に形成されたものであってもよいが、例えば図2に示すように、基材1上に光触媒含有層2がパターン上に形成されたものであってもよい。
このように光触媒含有層をパターン状に形成することにより、後述するパターン形成工程において説明するように、光触媒含有層を機能性薄膜と所定の間隔をおいて配置させてエネルギーを照射する際に、フォトマスク等を用いるパターン照射をする必要がなく、全面に照射することにより、機能性薄膜が分解除去されたパターンを形成することができる。
この光触媒処理層のパターニング方法は、特に限定されるものではないが、例えばフォトリソグラフィー法等により行うことが可能である。
また、実際に光触媒含有層に面する機能性薄膜のみが分解除去され、分解除去されるものであるので、エネルギーの照射方向は上記光触媒含有層と機能性薄膜とが面する部分にエネルギーが照射されるものであれば、いかなる方向から照射されてもよく、さらには、照射されるエネルギーも特に平行光等の平行なものに限定されないという利点を有するものとなる。
このような光触媒含有層における、後述するような二酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。本発明においては、このキャリアが光触媒含有層近傍に配置される機能性薄膜中の化合物に作用を及ぼすものであると思われる。
本発明で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
本発明における光触媒含有層は、上述したように光触媒単独で形成されたものであってもよく、またバインダと混合して形成されたものであってもよい。
光触媒のみからなる光触媒含有層の場合は、機能性薄膜の分解除去に対する効率が向上し、処理時間の短縮化等のコスト面で有利である。一方、光触媒とバインダとからなる光触媒含有層の場合は、光触媒含有層の形成が容易であるという利点を有する。
光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法等の真空製膜法を用いる方法を挙げることができる。真空製膜法により光触媒含有層を形成することにより、均一な膜でかつ光触媒のみを含有する光触媒含有層とすることが可能であり、これにより機能性薄膜の分解除去を均一に行うことが可能であり、かつ光触媒のみからなることから、バインダを用いる場合と比較して効率的に機能性薄膜上の分解除去を行うことが可能となる。
また、光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方法としては、例えば光触媒が二酸化チタンの場合は、基材上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
また、バインダを用いる場合は、バインダの主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えばオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
このようにオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒とバインダであるオルガノポリシロキサンとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基材上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することができる。
また、バインダとして無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一般式SiXで表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、基材上に空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
バインダを用いた場合の光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
また、光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
さらに、光触媒含有層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
b.基材
本発明においては、図1(a)に示すように、光触媒含有層側基板3は、少なくとも基材1とこの基材1上に形成された光触媒含有層2とを有するものである。
この際、用いられる基材を構成する材料は、後述するパターン形成工程におけるエネルギーの照射方向や、得られるパターン形成体が透明性を必要とするか等により適宜選択される。
すなわち、例えばパターン形成体が不透明なものを基体として用いる場合においては、エネルギー照射方向は必然的に光触媒含有層側基板側からとなり、図1(b)に示すように、フォトマスク7を光触媒含有層側基板3側に配置して、エネルギー照射をする必要がある。また、後述するように光触媒含有層側基板に光触媒含有層側遮光部を予め所定のパターンで形成しておき、この光触媒含有層側遮光部を用いてパターンを形成する場合においても、光触媒含有層側基板側からエネルギーを照射する必要がある。このような場合、基材は透明性を有するものであることが必要となる。
一方、パターン形成体が透明である場合であれば、パターン形成体用基板側にフォトマスクを配置してエネルギーを照射することも可能である。また、後述するようにこのパターン形成体用基板内にパターン形成体側遮光部を形成する場合は、パターン形成体用基板側からエネルギーを照射する必要がある。このような場合においては、基材の透明性は特に必要とされない。
また本発明に用いられる基材は、可撓性を有するもの、例えば樹脂製フィルム等であってもよいし、可撓性を有さないもの、例えばガラス基板等であってもよい。これは、後述するパターン形成工程におけるエネルギー照射方法により適宜選択されるものである。
このように、本発明における光触媒含有層側基板に用いられる基材は特にその材料を限定されるものではないが、本発明においては、この光触媒含有層側基板は、繰り返し用いられるものであることから、所定の強度を有し、かつその表面が光触媒含有層との密着性が良好である材料が好適に用いられる。
具体的には、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等を挙げることができる。
なお、基材表面と光触媒含有層との密着性を向上させるために、基材上にアンカー層を形成するようにしてもよい。このようなアンカー層としては、例えば、シラン系、チタン系のカップリング剤等を挙げることができる。
c.光触媒含有層側遮光部
本発明に用いられる光触媒含有層側基板には、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部が形成されたものを用いても良い。このように光触媒含有層側遮光部を有する光触媒含有層側基板を用いることにより、露光に際して、フォトマスクを用いたり、レーザ光による描画照射を行う必要がない。したがって、光触媒含有層側基板とフォトマスクとの位置合わせが不要であることから、簡便な工程とすることが可能であり、また描画照射に必要な高価な装置も不必要であることから、コスト的に有利となるという利点を有する。
このような光触媒含有層側遮光部を有する光触媒含有層側基板は、光触媒含有層側遮光部の形成位置により、下記の二つの実施態様とすることができる。
一つが、例えば図3に示すように、基材1上に光触媒含有層側遮光部12を形成し、この光触媒含有層側遮光部12上に光触媒含有層2を形成して、光触媒含有層側基板3とする実施態様である。もう一つは、例えば図4に示すように、基材1上に光触媒含有層2を形成し、その上に光触媒含有層側遮光部12を形成して光触媒含有層側基板3とする実施態様である。
いずれの実施態様においても、フォトマスクを用いる場合と比較すると、光触媒含有層側遮光部が、上記光触媒含有層と機能性薄膜とが間隙をもって位置する部分の近傍に配置されることになるので、基材内等におけるエネルギーの散乱の影響を少なくすることができることから、エネルギーのパターン照射を極めて正確に行うことが可能となる。
さらに、上記光触媒含有層上に光触媒含有層側遮光部を形成する実施態様においては、光触媒含有層と機能性薄膜とを所定の間隙をおいて配置する際に、この光触媒含有層側遮光部の膜厚をこの間隙の幅と一致させておくことにより、上記光触媒含有層側遮光部を上記間隙を一定のものとするためのスペーサとしても用いることができるという利点を有する。
すなわち、所定の間隙をおいて上記光触媒含有層と機能性薄膜とを接触させた状態で配置する際に、上記光触媒含有層側遮光部と機能性薄膜とを密着させた状態で配置することにより、上記所定の間隙を正確とすることが可能となり、そしてこの状態で光触媒含有層側基板からエネルギーを照射することにより、機能性薄膜上にパターンを精度良く形成することが可能となるのである。
本発明に用いられる光触媒含有層側遮光部の形成方法については、上述したパターン形成体用基板におけるパターン形成体用基板側遮光部の形成方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、上記説明においては、光触媒含有層側遮光部の形成位置として、基材と光触媒含有層との間、および光触媒含有層表面の二つの場合について説明したが、その他、基材の光触媒含有層が形成されていない側の表面に光触媒含有層側遮光部を形成する態様も採ることが可能である。この態様においては、例えばフォトマスクをこの表面に着脱可能な程度に密着させる場合等が考えられ、パターン形成体を小ロットで変更するような場合に好適に用いることができる。
d.プライマー層
次に、本発明の光触媒含有層側基板に用いられるプライマー層について説明する。本発明において、上述したように基材上に光触媒含有層側遮光部をパターン状に形成して、その上に光触媒含有層を形成して光触媒含有層側基板とする場合においては、上記光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層との間にプライマー層を形成してもよい。
このプライマー層の作用・機能は必ずしも明確なものではないが、光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層との間にプライマー層を形成することにより、プライマー層は光触媒の作用による機能性薄膜の分解除去を阻害する要因となる光触媒含有層側遮光部および光触媒含有層側遮光部間に存在する開口部からの不純物、特に、光触媒含有層側遮光部をパターニングする際に生じる残渣や、金属、金属イオン等の不純物の拡散を防止する機能を示すものと考えられる。したがって、プライマー層を形成することにより、高感度で分解除去の処理が進行し、その結果、高解像度のパターンを得ることが可能となるのである。
なお、本発明においてプライマー層は、光触媒含有層側遮光部のみならず光触媒含有層側遮光部間に形成された開口部に存在する不純物が光触媒の作用に影響することを防止するものであるので、プライマー層は開口部を含めた光触媒含有層側遮光部全面にわたって形成されていることが好ましい。
本発明におけるプライマー層は、光触媒含有層側基板の光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層とが接触しないようにプライマー層が形成された構造であれば特に限定されるものではない。
このプライマー層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、光触媒の作用により分解されにくい無機材料が好ましい。具体的には無定形シリカを挙げることができる。このような無定形シリカを用いる場合には、この無定形シリカの前駆体は、一般式SiXで示され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物であり、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
また、プライマー層の膜厚は、0.001μmから1μmの範囲内であることが好ましく、特に0.001μmから0.1μmの範囲内であることが好ましい。
(パターンの形成)
次に、本発明のパターンの形成について説明する。本発明のパターン形成工程においては、上述した光触媒含有層および機能性薄膜を200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射し、上記機能性薄膜をパターン状に分解除去し、機能性薄膜がパターン状に形成されたパターン形成体とする。
本発明において上記間隙は、パターン精度および機能性薄膜の分解除去の効率の面を考慮して、100μ以下、特に0.2μm〜10μmの範囲内とすることが好ましい。
このように光触媒含有層と機能性薄膜表面とを所定の間隔で離して配置することにより、酸素と水および光触媒作用により生じた活性酸素種が脱着しやすくなる。すなわち、上記範囲より光触媒含有層と機能性薄膜との間隔を狭くした場合は、上記活性酸素種の脱着がしにくくなり、結果的に機能性薄膜の分解除去の速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくなく、上記範囲より間隔を離して配置した場合は、生じた活性酸素種が機能性薄膜に届き難くなり、この場合も機能性薄膜の分解除去の速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくないのである。
本発明においては、このような間隙をおいた配置状態は、少なくとも露光の間だけ維持されればよい。
このような極めて狭い間隙を均一に形成して光触媒含有層と機能性薄膜とを配置する方法としては、例えばスペーサを用いる方法を挙げることができる。そして、このようにスペーサを用いることにより、均一な間隙を形成することができると共に、このスペーサが接触する部分は、光触媒の作用が機能性薄膜表面に及ばないことから、このスペーサを上述したパターンと同様のパターンを有するものとすることにより、機能性薄膜上に所定のパターンを形成することが可能となる。
本発明においては、このようなスペーサを一つの部材として形成してもよいが、工程の簡略化等のため、上記光触媒含有層側基板調整工程の欄で説明したように、光触媒含有層側基板の光触媒含有層表面に形成することが好ましい。なお、上記光触媒含有層側基板調製工程における説明においては、光触媒含有層側遮光部として説明したが、本発明においては、このようなスペーサは機能性薄膜表面に光触媒の作用が及ばないように表面を保護する作用を有すればよいものであることから、特に照射されるエネルギーを遮蔽する機能を有さない材料で形成されたものであってもよい。
次に、上述したような接触状態を維持した状態で、接触する部分へのエネルギー照射が行われる。なお、本発明でいうエネルギー照射(露光)とは、光触媒含有層による機能性薄膜表面を分解除去させることが可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であり、可視光の照射に限定されるものではない。
通常このような露光に用いる光の波長は、400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定される。これは、上述したように光触媒含有層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。
このような露光に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。
上述したような光源を用い、フォトマスクを介したパターン照射により行う方法の他、エキシマ、YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。
また、露光に際してのエネルギーの照射量は、機能性薄膜表面が光触媒含有層中の光触媒の作用により機能性薄膜の分解除去が行われるのに必要な照射量とする。
この際、光触媒含有層を加熱しながら露光することにより、感度を上昇させることが可能となり、効率的な分解除去を行うことができる点で好ましい。具体的には30℃〜80℃の範囲内で加熱することが好ましい。
本発明における露光方向は、光触媒含有層側遮光部もしくはパターン形成体用基板側遮光部が形成されているか否か等のパターンの形成方法や、光触媒含有層側基板もしくはパターン形成体用基板が透明であるか否かにより決定される。
すなわち、光触媒含有層側遮光部が形成されている場合は、光触媒含有層側基板側から露光が行なわれる必要があり、かつこの場合は光触媒含有層側基板が照射されるエネルギーに対して透明である必要がある。なお、この場合、光触媒含有層上に光触媒含有層側遮光部が形成され、かつこの光触媒含有層側遮光部を上述したようなスペーサとしての機能を有するように用いた場合においては、露光方向は光触媒含有層側基板側からでもパターン形成体用基板側からであってもよい。
一方、パターン形成体用基板側遮光部が形成されている場合は、パターン形成体用基板側から露光が行われる必要があり、かつこの場合は、パターン形成体用基板が照射されるエネルギーに対して透明である必要がある。なお、この場合も、機能性薄膜上にパターン形成体用基板側遮光部が形成され、このパターン形成体用基板側遮光部が上述したようなスペーサとしての機能を有するように用いられた場合、露光方向は光触媒含有層側基板側からでもパターン形成体用基板側からであってもよい。
また、光触媒含有層がパターン状に形成されている場合における露光方向は、上述したように、光触媒含有層と機能性薄膜とが接触する部分にエネルギーが照射されるのであればいかなる方向から照射されてもよい。
同様に、上述したスペーサを用いる場合も、接触する部分にエネルギーが照射されるのであればいかなる方向から照射されてもよい。
フォトマスクを用いる場合は、フォトマスクが配置された側からエネルギーが照射される。この場合は、フォトマスクが配置された側の基板、すなわち光触媒含有層側基板もしくはパターン形成体用基板のいずれかが透明である必要がある。
上述したようなエネルギー照射が終了すると、光触媒含有層側基板が機能性薄膜との接触位置から離され、これにより図1(d)に示すように機能性薄膜がパターン状に分解除去されたパターン9が機能性薄膜5上に形成される。
本発明においては、基体上に形成された機能性薄膜を、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、エネルギーが照射された部分のみを除去し、これにより、劣化等の問題がない機能性薄膜からなるパターンを形成することができるのである。
本発明においては、このような機能性薄膜のパターンを容易に形成することができることから、この機能性薄膜の特性を利用して、後述するようにレジスト材としての用途、バイオチップとしての用途等に用いることが可能である。
3.用途
上述したような本発明のパターン形成体の製造方法により得られるパターン形成体は、その機能性薄膜の変化による種々のパターンを容易に形成することが可能である。例えば、機能性薄膜表面に凹部を有するパターンを形成することが可能であり、これにより例えば後述するマイクロ流体チップ用基板の凹部を形成することも可能となる。このように、本発明で得られるパターン形成体は種々の用途に用いることが可能である。
本発明における用途は、機能性薄膜の種類やパターンの形成方法により、上記表中にも記載したように種々のものを挙げることができる。その中の一例として、レジスト材およびバイオチップ用基材を挙げて説明する。
(a)レジスト材
本発明においては、上記機能性薄膜が、レジスト材として機能するものを用いることにより、レジストワークを極めて簡便化することができる。
すなわち、本発明においては、機能性薄膜としての機能性薄膜が、何らかのエッチング剤に対して耐性を有するレジスト材としての機能を有しており、基体が基板上に被処理層が形成されている点に特徴を有するものである。
このように機能性薄膜がレジスト材としての機能を有するものであれば、上記パターン形成工程において、エネルギー照射時の光触媒の作用により、機能性薄膜、すなわちレジスト材をパターン状に除去することが可能となる。この後、上記被処理層をエッチングすることができるエッチング剤を用いて現像することにより、被処理層のパターニングを容易に行なうことが可能となる。そして、必要に応じて行われるレジスト材の剥離は、同様に光触媒の存在下における露光、すなわち上記パターン形成工程において行われる方法を用いることにより容易に剥離することができる。
本発明によれば、レジスト材の現像が単に光触媒の存在下におけるエネルギー照射により行うことが可能となる。したがって、レジスト材に対して光照射による現像性の変化に関する材料設計をする必要がないことから、レジスト材の選択の自由度が極めて高いものとなる。また、レジスト材の現像工程は基本的に必要がなく、従って現像液を使う必要もない。よって、現像液の処理等において問題が生じることはない。
本発明においては、このようなレジスト材を用いた導電性パターン形成体を得ることも可能である。すなわち、上記基体を基板と基板上に形成された導電性層とから形成し、上記レジスト材として機能する機能性薄膜を用い、上記導電性層をエッチングする工程を行うことにより、導電性パターン形成体を得ることができるのである。
このような導電性パターン形成体の用途としては、例えば、プリント配線基板、電気的検出法用DNAチップ、電気的検出法用タンパク質チップ、電気的検出法用細胞チップ等の電気的検出法用バイオチップ用機能性基板、電気泳動工程等の電力の入力を必要とする化学チップ(Lab-on-a-Chip)、分析チップ等のマイクロ流体チップ用機能性基板等に用いることが可能となる。
なお、自己組織化単分子膜(SAM膜)をレジスト材として用い、下地の金属薄膜をエッチングする技術に関する参考文献としては、例えばアルカンチオレート膜/Auの組み合わせとしては、J. L. Wilbur et al., Advanced Materials, vol. 6, 600-604 (1994) を挙げることができる。また。アルカンチオレート類/Agの組み合わせとしては、Younan Xie et al., Journal of the Electrochemical Society, vol. 143, 1070-1079 (1996)を挙げることができる。さらに、アルカンカンチオレート膜/Cuの組み合わせとしては、Younan Xie et al., Chemistry of Materials, vol. 8, 601-603 (1996)を挙げることができる。
(b)バイオチップ
本発明においては、上記機能性薄膜を生体物質を固定化することができる固定化膜とすることにより、容易にバイオチップ用基材を製造することができる。すなわち、機能性薄膜として生体物質と付着性(生体物質の固定化性)を有する固定化膜を用い、これを基体上の全面に付着させる。次いで、パターン形成工程において、必要な部分を残してこの固定化膜を分解除去する。これにより、高精細なパターンを有するバイオチップ用基材を得ることができるのである。
このようなバイオチップ用基材上に、生体物質を固定化させることにより、バイオチップを得ることができる。このようなバイオチップ表面では、上記機能性薄膜が固定化層として働き、ここにDNAやタンパク質等の生体物質が固定化されて種々の用途に用いられるのである。
このような生体物質の固定化技術は、酵素を不溶性担体に固定化したバイオリアクターの研究開発において盛んに研究された固定化技術を応用することができる。その技術内容については、例えば、千畑一郎編、“固定化酵素”、講談社サイエンティフィック、1975及び、その参考文献に詳しい。
固定化方式としては、共有結合による固定化、イオン結合(静電的相互作用)による固定化、物理的吸着による固定化の3種に大別することができる。本発明に関する生体物質の固定化においては、一般的に基板上に生体物質を一層固定化する。そのため、生体物質の脱着があってはならず、この点で物理的吸着による固定化技術は不適である。よって、本発明に関する生体物質の固定化法としては、共有結合による固定化及びイオン結合(静電的相互作用)による固定化が適しているといえる。
共有結合による固定化においては、例えば機能性薄膜がカルボニル基(アルデヒド基)を有する場合は、生体物質のアミノ基と直接反応させていわゆる“シッフ塩基”を形成し固定化することができる。また、機能性薄膜がアミノ基を有する場合は、生体物質と共に系中にグルタルアルデヒドなどの架橋剤を共存させて直接“シッフ塩基”を形成し固定化することができる。しかし、機能性薄膜あるいは生体物質の官能基のいずれかを活性化させた後に固定化反応させる技術の方が参考にできる多様な報告例がある。この時、生体物質がタンパク質の場合は、活性化処理中に構造が損なわれるなど悪影響が生じる可能性があるので、一般に機能性薄膜を活性化させることが好ましい。
活性化法としては機能性薄膜がアミノ基を有する場合はジアゾ化により活性化する方法、機能性薄膜が有する官能基がカルボキシル基の場合はアジド化、クロリド化、イミド化、イソシアナート化などにより活性化する方法、水酸基の場合は臭化シアンで活性化する方法、エチルクロロフォルメートで活性化する方法などが挙げられる。
なお、バイオチップには、電気的読み取り法を用いる場合があり、このような場合は上記バイオチップ用基材表面に電極を形成する必要がある。この際には、上述したレジスト材の欄で説明した方法により電極を形成してもよく、また一般的なフォトレジスト法等により形成するようにしてもよい。
また、本発明においては、上記基体上に固定化膜を全面に付着させ、この上に全面にわたって生体材料を固定化させておき、その後上記パターン形成工程により、生体材料のみ、もしくは生体材料および固定化膜を分解除去することによりバイオチップを得るようにしてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
石英クロムマスク(開光部パターン:φ200μm、ピッチ500μm)表面に、テイカ(株)製の光触媒用酸化チタンコーティング剤TKC301をコーティングし、350℃で3時間乾燥させ、光触媒含有層側基板を調整した。
次に、バイオチップ作製用ポリリジンコート済みスライドガラス(松浪ガラス製)を被露光基板として用い、上記光触媒含有層側基板を該露光基板上にソフトコンタクトさせ、常温・常圧下で紫外線露光した。その結果、露光部のポリリジンがエッチングされ親水性表面となり、直径約200μmのポリリジンパターンが規則的に配置された、パターン化ポリリジン付き基板を作製することができた。
[実施例2]
オクタデシルトリクロロシランの化学蒸着により自然酸化膜付きシリコンウェハ表面を疎水化した。これを被露光基板とし、実施例1と同様の光触媒含有層側基板(遮光部パターン:φ200μm、ピッチ500μm)を該基板上にギャップ10μmでセットし、紫外線露光した。その結果、露光部のオクタデシル基がエッチングされ基板表面のシラノ−ル基が露出した。この基板をグリシジルプロピルトリメトキシシランの1%イソプロパノール溶液に24時間浸漬した。その後、基板をイソプロパノール、エタノール、水の順で洗浄し、表面にパターン状にグリシジルプロピル基を有し周囲をオクタデシル基でマスクされたシリコンウェハを得た。
[実施例3]
所定の位置に幅200μm、長さ5cm、深さ50μmの溝とアライメントマークが形成された10cm角のポリスチレン板をUV/オゾン処理した後、ポリジアリルジメチルアンモニウム(PDDA)の0.4%溶液に2分間浸漬、イオン交換水で3分間洗浄した。次いでポリスチレンスルホン酸(PSS)の0.4%溶液に2分間浸漬、イオン交換水で3分間洗浄した。次いでPDDA溶液に2分間浸漬、イオン交換水で3分間洗浄した。この処理により、溝付きポリスチレン板の全面にPDDA/PSS/PDDA複合吸着膜を形成した。
次に、この基板に対応する石英クロムマスク(遮光部パターン:幅210μm、長さ5cm)を用いて実施例1と同様に光触媒含有層側基板を形成し、該ポリスチレン板の上にアライメントし、ソフトコンタクトさせて紫外線照射した。その結果、溝の底面および側面以外のPDDA/PSS/PDDA複合吸着膜がエッチングされたポリスチレン板を得た。
本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明に用いられる光触媒含有層側基板の一例を示す概略断面図である。 本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 基材
2 … 光触媒含有層
3 … 光触媒含有層側基板
4 … 基体
5 … 機能性薄膜
6 … パターン形成体用基板
9 … 分解除去領域

Claims (9)

  1. 基体と、前記基体上に形成され、光触媒の作用により分解除去され、かつ膜自体に機能性を有する機能性薄膜とを有するパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、
    光触媒を含有する光触媒含有層および基体を有する光触媒含有層側基板における前記光触媒含有層と前記機能性薄膜とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記機能性薄膜がパターン状に分解除去されたパターンを形成するパターン形成工程とを有し、
    前記機能性薄膜が、前記光触媒含有層の光触媒に対するエネルギーの照射により、酸素または水の存在下で発生する活性酸素種により分解除去される材料で形成されたものであり、かつ、その膜厚が0.5nm〜300nmの範囲内であり、
    前記光触媒含有層が、エネルギーの照射により酸素または水の存在下で活性酸素種を生じ得る光触媒を含有するものであり、
    前記光触媒含有層側基板が、前記基材上に光触媒含有層が形成され、前記光触媒含有層上に遮光部がパターン状に形成されたものであり、
    前記パターン形成工程におけるエネルギーの照射が、前記遮光部を前記機能性薄膜に密着させた状態で行われることにより、前記遮光部が前記光触媒含有層側基板と前記パターン形成体用基板との間のスペーサとして用いられるものであることを特徴とするパターン形成体の製造方法。
  2. 前記光触媒含有層が、光触媒からなる層であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成体の製造方法。
  3. 前記光触媒含有層が、光触媒を真空製膜法により基材上に製膜してなる層であることを特徴とする請求項2に記載のパターン形成体の製造方法。
  4. 前記光触媒含有層が、光触媒とバインダとを有する層であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成体の製造方法。
  5. 前記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  6. 前記光触媒が酸化チタン(TiO)であることを特徴とする請求項5記載のパターン形成体の製造方法。
  7. 前記機能性薄膜が、自己組織化単分子膜、吸着膜、ラングミュア−ブロジェット膜、もしくは交互吸着膜のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  8. 前記機能性薄膜が、レジスト材としての機能を有することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  9. 請求項8記載のパターン形成体の製造方法において得られるパターン形成体の基体が、基板と基板上に形成された導電性層とからなるものであり、前記レジスト材としての機能を有する機能性薄膜をレジスト材として用い、前記導電性層をエッチングする工程を有することを特徴とする導電性パターン形成体の製造方法。
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