以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
初めに、図4を参照して、一般的なマルチポイントの測距方法について説明する。
図4(a)に示されるように、画面内のA、B、Cの3ポイントの測距が行われる場合、図4(c)のフローチャートに示されるように、先ず、Aのポイントについて、積分制御(ステップS1)、相関演算(ステップS2)、補間演算(ステップS3)が行われ、先ず距離が求められる。次に、同じプロセスがB点について行われる(ステップS4〜S6)。そして、Cのポイントについても同じプロセスで距離が求められ(ステップS7〜S9)、各ポイントの距離が求められる。その後、各ポイントから主要被写体距離が選択される(ステップS10)。
上記積分制御とは、後述する図6に示されるようなセンサアレイ3a、3bで被写体1の像信号を検出する時、センサアレイを構成する画素の出力電流をコンデンサに変えて、電圧に変換する時に処理回路のダイナミックレンジ内に電圧信号を収める技術である。
また、各画素について、図7(b)、(c)に示されるような像信号が得られた時、センサアレイ3a側、3b側の像位置の相対ズレ量xを画素のピッチ単位で求めるのが、相関演算である。これは2つのセンサアレイ3a、3bの画素データ毎に差をとって、これらを加算した結果を求め、次に、センサアレイ3bの画素データを1画素のみずらして、再び同じプロセスで各画素データの差の加算を行い、これを繰返す演算で2つの像信号が一致した時に相関度が高いとして、ズレ量xの概略値が求められるものである。
何画素分かずらした時、両データは一致して加算値は最小値となり、相関度は最も良くなる。しかし、加算値が0にならない場合は、画素のピッチ以下のずれ量があると考えられ、更に詳細な補間演算が必要となる。
このように複雑な演算制御が、図4(a)のフローチャートのように繰返されていると、例えば、図4(b)に示されるように、30ポイントもの測距が行われる時、図4(b)に示される測距の場合の10倍もの時間がかかってしまい、撮影者は、シャッタチャンスを逃すことになりかねない。
そのため、本発明は、図5(a)に示されるように、多数のポイントを測距可能なカメラの場合、先ず、全画面の積分制御結果より画面内各点の輝度分布に従って測距ポイントの優先度を決定し、優先度の高い限られたポイントを画面内に表示し(図5(c))、その表示結果に従ってユーザが測距ポイントを選択できるようにしている。
すなわち、図5(a)に示される多数の測距ポイントについての測距が、図5(b)のフローチャートに従って動作される。
先ず、ステップS21にて、図5(a)に示される全画面の積分制御結果が得られ、次いでステップS22にて、上記積分制御結果より画面内各点の輝度分布に従って測距ポイントの優先度が決定される。
ステップS23では、図5(c)に示されるように、優先度の高い限られたポイントが画面内に表示される。続くステップS24に於いて、上記ステップS23で表示された結果に従って、ユーザにより測距ポイントが選択される。
その後、ステップS25にて相関演算及び補間演算が行われ、ステップS26にて上記ステップS24で選択されたポイントにピント合わせが行われる。こうして、最終的に選択されたポイントは、図5(d)に示されるように表示される。
上述したように、上記ステップS25にて、複雑な相関演算や補間演算等、細かい測距動作を行えば、限られたポイントのみを測距すれば良いので、タイムラグを短くすることができる。
また、上述したように、多数の測距ポイントから特定のポイントを選択して測距する場合、例えば図5(e)のフローチャートに従って動作することも可能である。
すなわち、ステップS31にて全画面積分制御が行われた後、ステップS32にて上記積分制御結果から得られた画面内各点の輝度分布と、各ポイントの相関演算結果に従って測距ポイントの優先度が決定される。
そして、ステップS33にて、優先度の高い限られたポイントが画面内に表示される。次いで、ステップS34にて、上記ステップS33の表示結果に従って、ユーザにより測距ポイントが選択される。
その後、ステップS35にて補間演算が行われ、ステップS36にて上記ステップS34で選択されたポイントにピント合わせが行われる。
このように、優先度決定の際に相関演算まで行っても良い。この場合は、輝度分布と粗い距離分布から優先度を決定するようにする。
上述した何れの場合も、図5(a)に白丸印で示される測距ポイントは、普段は表示されておらず、撮影に入る前(例えばレリーズ釦半押し時)にのみ、しかも限られたポイントだけがスーパーインポーズ表示されるので、画面内がすっきりして見やすくなり、更にユーザの選択操作が簡単なカメラとすることができる。
次に、この発明に係わるパッシブタイプの測距装置に於ける光パターンの相対位置差算出の方法について、図6及び図7を参照して説明する。
図6に於いて、被写体1から距離Lだけ離れて配置される受光レンズ2a、2bの位置の差B(基線長)により、センサアレイ3a、3b上に入射する光分布の相対位置差xは、被写体1の距離Lに依存して変化する。各受光レンズの焦点距離をfとすると、被写体距離Lは下記(1)式で求められる。
L=B×f/x …(1)
センサアレイの各センサは、光の入射量に従った電流信号を出力するので、これらをA/D変換部4によりデジタル信号に変換すれば、像ズレ量を算出する演算部5による相関演算によって上記相対位置差xを検出することができる。この検出結果を、ワンチップマイクロコンピュータ等から成る演算制御手段であるCPU6に入力して、上記(1)式に基いて演算することで、被写体距離Lが求められる。
以上がパッシブタイプの三角測距方式の基本原理と一般的な装置構成である。
上記のズレ量演算機能は、一般的に後述するように2つのプロセスから成るが、これらはCPU6内に制御プログラムとして内蔵していても良い。このような技術を用いてカメラのピント合せを行う場合、このCPU6がカメラの動作を制御し、撮影用ピント合わせ用レンズ等をモータ等のアクチュエータを介して適宜制御すれば、自動焦点(AF)機能付きカメラを提供することができる。
像のズレ量の演算のためには、両方のラインセンサに於けるセンサピッチの単位で、どれだけ像がブレているかを調べる演算ステップ(すなわち相関演算)を必要とする。そして、これより細かい分解能で更に正確にズレ量を算出する演算ステップ(以下、補間演算と称する)を必要とする。
例えば、センサアレイ3a上に、図6に示される波形8aのようなパターンで光が入射した場合は、該センサアレイ3aの各センサR1 〜R6 の出力の大きさは、図7(b)に棒グラフで示されるような分布8aとなる。
ここで“R”は右側センサを表し、“L”は左側センサを表すものとし、これらに付された添字の1〜6が、例えば受光レンズ光軸基準でのセンサの位置の絶対位置を表しているとすると、左側センサの出力L1 〜L6 から出力R1 〜R6 と同じ信号が出る場合には、上記相対位置差xは0となるので、求める被写体距離Lは「無限遠」になる。
また、被写体が「有限距離」に存在すると、上記xとセンサピッチSPから決定されるセンサの数Sだけシフトしたところの左側センサLには、図7(c)に示されるような、上記出力R1 〜R6 に類似する値の出力信号が得られる。
図7(a)に示されるグラフに於ける縦軸の値FF(i) は、次式に従って求められる。
FF(i) =Σ|R(i) −L(i) | …(2)
すなわち、ある右側センサRの出力から対応する左側センサLの出力を減算し、その絶対値を各センサ毎に加算した結果FFを用いるのであれば良い。すなわち、先ず、Ri からLi を減算してその絶対値をとり、ある幅でiを変化させてこれらを加算する。
次に、Ri またはLi の一方のセンサを1単位だけずらして、先に差をとった隣接するセンサと同様に差をとると、次のような式でFF(i+1) は表現できる。
FF(i+1) =Σ|R(i+1) −L(i) | …(3)
このように、順次、ずらし量(以下、SIFT量と記す)を変更しながらFFを得ることができるが、RとLとの差の和であるFFが最小値(Fmin )となるSIFT量の所が最もよく対応がとれている位置と考えられるため、この場合のSIFT量が上記Sとして求められる。
以上が相関演算に関するプロセスの概略手順である。
また、上記Sを加味して両センサアレイの出力分布を図示すると、図7(b)に示されるように、L側のSだけずれた各センサから対応する添字の付いたR側各センサと同様の出力が得られる。
続いて、図7(b)〜(d)を参照して、「補間演算」プロセスについて詳しく説明する。
実際の2つのセンサアレイ上の像のズレ量は、ぴったりとセンサのピッチでずれるわけではなく、また正確な測距にはピッチより細かい精度にて像ズレ量を検出しなければならない。そこで、補間演算が行われる。
図7(b)、(c)に於けるRとLは、各々図6に示されるセンサアレイ3a、3bを構成する一部のセンサ出力を表している。
また、図7(d)は、すでに「相関演算」が終了した上記Sだけシフトさせた後で比較しやすい状態に直したグラフを示したものである。すなわち、L0 〜L4 は正確にはLs 〜Ls+4 と記述するべきであるが、記載上繁雑になるのを避けるために、ここではこのSは省略して示されている。
ここで、Lのセンサには、上記Sだけシフトした後もR基準でまだxだけずれた光が入射しているとする。このとき、例えば、L
1 のセンサにはR
0 とR
1 に入射する光が混じり合って入射し、同様に、各LのセンサにもR基準でxだけずれた光が順次に入射するので、各Lの出力(L
1 〜L
3 )は、下記(4)式に示されるように表現されることがわかる。
L
1 =(1−x)・R
1 +xR
0
L
2 =(1−x)・R
2 +xR
1
L
3 =(1−x)・R
3 +xR
2 …(4)
上記F
min と、このF
min から上記シフト量をプラス方向とマイナス方向にずらしたFFの値F
-1とF
+1は、この各Rn、Ln の出力を用いて表現すると、下記(5)式のように表される。
F
min =Σ|R
n −L
n |
F
-1=Σ|R
n-1 −L
n |
F
+1=Σ|R
n+1 −L
n | …(5)
更に、上記(4)式を用いて上記(5)式を展開すると、値F
min 、F
-1、F
+1のそれぞれは、下記(6)式のように表される。
また、上記(6)式中の{|R
0 −R
1 |+|R
1 −R
2 |+|R
2 −R
3 |}を(ΣΔR)として表現すると、この(ΣΔR)に依存せず、先のズレ量xが、下記(7)式によって求められる。これが「補間演算」である。
尚、これらの演算は、図6に示される演算部5にて行われるが、ワンチップマイクロコンピュータ等のCPU6に於いて所定のプログラムに従って行割れるようにしても良い。
このようにして得られた値Sとxに基いて、CPU6がピント合わせレンズの繰出し量を算出し、制御すれば、オートフォーカス(AF)カメラを提供することができるが、1つのポイントを測距するだけで、これだけ複雑な演算が必要となる。
但し、多くの部分を測距する時、どのポイントについて、以上の演算を行って測距を行うかは、非常に大きな問題となる。
例えば、図1(b)に示されるようなシーンでは、人物10にピントを合わせて良いのか、花10aにピントを合わせて良いかは、カメラ側では完全には判断できない。花の成長を記録するような写真ならば花にピントを合わせるべきであり、旅先でのスナップならば人物にピント合わせをするべきである。測距ポイントが多くなっても、このような問題までは解決されない。
そこで、この発明では、ユーザが操作することのできるスイッチを具備し、その操作によってピントを花に合わせるか、人物に合わせるかをユーザが選択できるようにしている。この時、この装置は太陽や空を同時に測距可能な構成になっているが、そこは測距の優先度が低いことまでは判断している。
ここで、この発明の第1の実施の形態に従ったカメラの概略構成を説明する。
図1(a)は、第1の実施の形態によるカメラの測距装置の概略構成を示した図である。
図1(a)に於いて、被写体10からの光束は、受光レンズ11a、11bを介して入射されてセンサアレイ12a、12b上に結像される。これらセンサアレイ12a、12bからの出力信号は、CPU13内のA/D変換回路13aでデジタル信号に変換されて相関演算部13bに供給される。
上記CPU13は、ワンチップマイクロコンピュータ等から構成される演算制御手段であり、更に積分制御部13c及び選択部13dを内部に有している。更に、CPU13の外部は、上述したユーザが測距ポイントを選択するための選択スイッチ14と、ピント合わせ部15が接続される。
上記受光レンズ11a、11bは、視差Bを有して配置された一対の受光レンズであり、被写体10の像は、これら受光レンズ11a、11bによってセンサアレイ12a、12b上に結像される。この像は、上記視差Bによって三角測距の原理に従って、2つのセンサアレイ上で異なる相対位置の所に結像される。
この相対位置の差xを検出すれば、被写体10までの距離Lは、受光レンズ11a、11bの焦点距離fと上記視差Bに従って、上記(1)式を計算することによって求めることができる。この結果に従って、CPU13によりピント合わせ部15が制御されれば、被写体10にピントが合った撮影を楽しむことができる。
このとき、例えば、図1(b)に示されるようなシーンでは、ユーザが選択スイッチ14を切換えることによって、ピントを合わせるのが人物か花かを選択することができる。
上記相対位置の差xの算出方法は、CPU13内に設けられたA/D変換回路13aによって、各センサアレイの各センサの出力がデジタル信号としてCPU内の図示されないメモリに記憶される。この結果が用いられて、CPU13では所定のプログラムによって、いわゆる相関演算が行われる。この相関演算は、2つのセンサアレイ12a、12bの出力をセンサアレイの並び方向にずらしながら差をとり、最も差が小さくなった時のずらし量の“相関”が高いと判定する方法である。このずらし量とセンサアレイのピッチが、つまり、上述した相対位置差xを表す値となる。そして、この相関演算は、CPU13内の相関演算部13bに於いて行われる。
図2は、このようなセンサアレイの一部をより詳細に示した構成図である。
図2に於いて、電源となるバイアス回路20には、センサアレイ21a〜21dが接続されている。これらのセンサアレイ21a〜21dからは、該センサアレイを形成する受光素子の受光面により、受光量に応じた信号電流が出力される。この信号電流は、積分開始/終了を切換える積分スイッチ22aのオン時は積分アンプ23a〜23dに導かれる。
そして、リセットスイッチ22bがオフ時には、各積分アンプ23a〜23dの出力に、積分量に応じた電圧信号が現れる。この結果が、CPU13に内蔵されたA/D変換回路13aによって読取られることにより、上述した相関演算を経て、ピント合わせをすることができる。
しかし、上記センサアレイ23a〜23dに入る光の量は、シーンの明るさや被写体の色や反射率によって種々の値にバラつくので、限られたダイナミックレンジの積分手段で適正な値に積分量を収めるためには、正確な積分制御技術が必要になる。例えば、積分時間が短かすぎる時、積分結果が平坦になってしまって差が得られないが、長すぎても回路の飽和によって積分結果が均一になってしまう。
先の相関演算の説明からも明らかなように、像に変化が乏しいと、2つのセンサアレイで得られた2つの像の相関がとりにくく、結果として正しい測距ができなくなってしまう。
そこで、積分結果をリアルタイムでモニタして適正なレベルになったところで積分を終了させる技術が用いられる。つまり、最大積分値検出回路24に接続された選択スイッチ22cの何れをオンするかによって、どのセンサの出力がモニタされるかが決まる。
図3(a)は、上記選択スイッチ22cをオンさせて、積分制御を行う動作を説明するタイミングチャートである。
センサアレイ21a〜21dに光が入っている時、最初にリセットスイッチ22bがオンされ、出力が基準レベルにリセットされた後、積分スイッチがオン、リセットスイッチ22bがオフされると、T1のタイミングで積分が開始される。
最大積分値検出回路24の出力は、選択部13dのスイッチが該最大積分値出力回路24に接続されている時、最も積分量の大きい出力が選択されてCPU13内のA/D変換回路13aに入力される。したがって、CPU13は、この出力を、A/D変換回路13aを動作させて逐次モニタし、この最大値が回路のダイナミックレンジを越えない時点T2で積分スイッチ22aがオフされれば、各センサの積分出力がダイナミックレンジを越えることはない。
そして、積分停止後、センサアレイ21a、21b、21c、21dの積分出力をA/D変換するために、選択部13dのスイッチが切換え制御されれば、CPU13にて各センサ出力が順次モニタ可能となる。
このようにして得られた像信号は、図3(b)に示されるようなもので、光の入射状態に従って暗い部分は低い出力、明るい部分は高い出力として表される。このような技術によって、カメラの測距装置は、適正な像信号を得ることができ、更に、画面上の像パターンの表示にふさわしいコントラスト域を見つけるための情報も得ることができる。
また、CPU13のスイッチ22cの制御によって、所定のセンサのみを最大積分値検出回路24と接続することができる。
更に、図1(a)に示される装置の構成で、受光レンズ11aからの破線で示された光線を利用する、と画面中心のポイント17C以外のポイント、つまり基線長方向にずれたポイント17L、17Rの測距も可能となる。
また、図8(a)に示されるように、受光レンズ11a、11bの後方に配置されたセンサアレイ12a、12bを基線長方向と垂直の方向に上下各々1本追加すると、同図に示される光線のように、基線長方向とは垂直な方向であるポイント17Uの部分とポイント17Dの部分を測距可能となる。したがって、この時、図8(b)のように、模式的にセンサアレイのモニタ域を示したように、画面内の多くのポイントが測距可能になる。
この考え方を拡張すれば、1本や3本のラインセンサではなく、図9に示されるように、センサが連続して配設された、いわゆるエリアセンサを用いることによって、画面内をくまなくモニタすることができ、例えば図8(c)に示されるように、測距可能ポイント数を30ポイント以上の数に増加させることが可能になる。
このような工夫によって、測距ポイント数を増加させれば、画面の何処に主要被写体が存在しても正確な測距が可能な測距装置を提供することができる。例えば、従来の画面中央しか測距できなかった、図10に示されるような構図で画面の端の方に人物がいる場合も、正確なピント合わせのできるカメラを提供可能となる。更に、この構成によって画面内各部のコントラストや輝度分布の測定ができる。
但し、上述したように、測距域が広くなる程、測距時に余計ものを無駄に測距することが多くなり、副作用として誤測距に到る確率も増加する。
例えば、図1(b)に示されるようなシーンでは、先ず、最初から人物10や花10aの位置のみを測距して、そこを測距候補ポイントとしてしまえば、空や太陽等、他のポイントを測距することによる誤測距によるピンボケや、タイムラグによる問題を起こすことはない。
この人物10の位置を一番高い優先度とし、花10aの位置をその次とし、更に太陽の位置は最も低い優先度によって測距するようにすれば、上述した図5のフローチャートに従って高速の測距が可能となる。
図11乃至図14は、こうした優先度決定の動作を説明するフローチャートである。ここでは、撮影者が構図を横にしたり縦にしたりすることを考慮して、それを検出する手段があることを想定している。
尚、画面の真ん中より上では空や太陽等、主要被写体より高輝度のものがあるケースが多いので、本実施の形態では、こうした情報を基に、主要被写体判定の一助とする。
ところで、この縦横検知、また、上向き検知は、図15に示されるように、カメラ27内に水銀等の流体の導電物質29を収めた球状のケース28を内蔵させ、このケース28内に差し込まれた複数の電極30a〜30dの何れの電極同士が流体導電体で短絡されるかを、CPUが判定することによって可能になる。
つまり、電極30bと電極30cが短絡すれば横、電極30bと電極30aならば縦、更に電極30bと電極30dならば上向きと判定することができる。
以下、上述した図11乃至図14のフローチャートを参照して、優先度決定の動作について説明する。また、図16(a)は、この優先度決定の動作を説明するにあたって、撮影画面を例えば9分割した測距領域(以下、測距ポイントと記す)[1]〜[9]に分割した例を示した図、図16(b)及び(c)は、撮影画面の例を示した図である。
以下の説明に於いて、これらの測距ポイントを横方向に分割した、[1]、[2]、[3]をAブロック、[4]、[5]、[6]をBブロック、そして[7]、[8]、[9]をCブロックとし、縦方向に分割した、[1]、[4]、[7]をDブロック、[2]、[5]、[8]をEブロック、及び[3]、[6]、[9]をFブロックとする。
尚、この第1の実施の形態では、一例として、図16(a)に示されるように測距ポイントを9分割としたが、勿論これに限定されるものではなく、更に細かく分割するようにしても良い。
先ず、ステップS41にて、図15に示されるようなカメラの縦横検知機構が用いられて、撮影画面の上方がどの位置かが検出される。次いで、ステップS42に於いて、何れのブロックが上方であるかが判定される。
この判定結果は、[1]、[2]、[3]のブロック、[1]、[4]、[7]のブロック、[3]、[6]、[9]のブロックの何れが上方になるかを判定するものであり、本実施の形態では、(i)撮影画面上方は「空(主要被写体が存在しない領域)」、(ii)主要被写体は一番上方の測距ポイントより下方に存在、(iii)撮影画面の中央は、主要被写体の存在確率が高い、という考え方でシーケンスが構成されている。ここでは、先ず、通常にカメラを構えた横長構図([1]、[2]、[3]のブロックが上方)を例として説明する。
このような構図では、[1]、[2]、[3]のブロックは、「空」である確率が高いので、ステップS43に移行して、上記[1]、[2]、[3]のブロックの平均輝度BVvが求められ、これが「空」である部分の判定基準とされる。これは、図16(b)に示される構図では、[1]、[2]、[3]のブロックの他、測距ポイント[5]及び[6]の部分も「空」であると判定される時に、この明るさ情報が用いられる。
但し、一番上方のブロックが「空」であって、全く測距の必要がないか否かは
これだけではわからないので、ステップS44に移行して、予め設定した所定の輝度BVsと、一番上のブロックの平均輝度BVvが比較される。このステップS44にて、所定の明るさ以上ならば、「空」である確率が高いので、ステップS45に移行して、優先度係数P(P1 ,P2 ,P3 )が1×1とされる。
ここで、“1×1”の前方の“1”は、図16(a)に示される測距ポイント[1]〜[9]の位置に関する重み付けの値であり、撮影画面の四隅の測距ポイント[1],[3],[7],[9]と上方中央の測距ポイント[2]は、主要被写体の存在確率が低いものとして“1”と設定され、これらの領域を除く四辺部中央の測距ポイント[4],[6],[8]は位置の重み付け(以下、位置重み付けと記す)が“2”に設定され、更に撮影画面中央の測距ポイント[5]は、存在確率が極めて高いため“3”と設定される。
また、“1×1”の後方の数字“1”は、輝度やその変化による重み付け(以
下、輝度重み付けと記す)であり、例えば、「空」である時、測距の必要が低いものとして“1”、これ以外ならば、“2,3,6”と、を増すようにしている。
この実施の形態に於いて、「空」は、主要被写体の存在確率の低い領域であり、優先度係数を、(位置重み付け)×(輝度重み付け)として、1×1=1と定義している。
また、上記ステップS44に於いて、平均輝度BVvが所定の輝度BVs以下であれば、ステップS46に移行して、優先度係数が“1×2”とされる。例えば、図16(c)に示される撮影画面のように、空の一部に「山」があるような構図の優先度係数である。但し、前方の“1”は、位置依存であるため変化しない。
このように、[1]、[2]、[3]のブロックの優先度係数が決定された後、下方の測距ポイントの判定に移行する。
ステップS47に於いては、[4]、[5]、[6]のブロック列内での輝度比較が行われて、その変化の有無が判定される。例えば、図16(b)に示されるような構図では変化があり、図16(c)に示されるような構図では変化がない。
この判定で変化があれば、ステップS48に移行して、[4]、[5]、[6]のブロックの測距ポイント[4]の輝度と、先に求められた[1]、[2]、[3]のブロック(画面上方)の輝度BVvとが比較される。
ここで、輝度が異なるならば、ステップS49に移行して、輝度重み付けが“6(優先度係数P4 :2×6)”に設定される。一方、上記ステップS48にて、同様な輝度であれば、その測距ポイント[4]は、「空」であると考え、ステップS50に移行して、この輝度重み付けが“2(優先度係数P4 :2×2)”に設定される。
続いて、ステップS51にて、同様に、[4]、[5]、[6]の測距ポイント[5]の輝度と、輝度BVvとが比較される。そして、両者の輝度が異なるならば、ステップS52に移行して、輝度重み付けが“6(優先度係数P5 :3×6)”に設定され、一方、同様な輝度であれば、ステップS53に移行して、その測距ポイント[5]の輝度重み付けが“2(優先度係数P5 :3×2)”に設定される。
更に、ステップS54に於いて、[4]、[5]、[6]の測距ポイント[6]に於いても同様に輝度BVvと比較される。その結果、両者の輝度が異なるならば、ステップS55に移行して、輝度重み付けが“6(優先度係数P6 :2×6)”に設定される。一方、同様な輝度であれば、ステップS56に移行して、その測距ポイント[6]の輝度重み付けが“2(優先度係数P6 :2×2)”に設定される。
次いで、ステップS57にて、測距ポイント[7]、[9]の位置重み付けが“1”にされ、輝度重み付けが“3(優先度係数P7 ,P9 :1×3)”に設定される。その後、ステップS58にて、測距ポイント[8]の位置重み付けが“2”とされ、輝度重み付けが“3(優先度係数P8 :2×3)”に設定される。
また、上記ステップS47に於いて、[4]、[5]、[6]のブロック内の輝度比較で変化が無かった場合は、ステップS59に移行して、測距ポイント[5]の位置重み付けが“3”とされ、輝度重み付けが“2(優先度係数P5 :3×2)”に設定される。ちなみに変化が無い構図は、図16(c)が該当し、測距ポイント[4]、[5]、[6]とも同じような輝度分布となる。
そして、ステップS60にて、測距ポイント[4]、[6]の位置重み付けが“2”とされ、輝度重み付けが“2(優先度係数P4 ,P6 :2×2)”に設定される。
更に、[4]、[5]、[6]のブロックより下方の[7]、[8]、[9]のブロックは、主要被写体が存在する確率が高いと想定されて、測距ポイント[7]、[8]、[9]の輝度重み付けは、“6”に設定される。よって、ステップS61では、測距ポイント[7]、[9]の位置重み付けが“1”とされ、輝度重み付けは“6(優先度係数P7 ,P9 :1×6)”に設定される。更に、ステップS62では、測距ポイント[8]の位置重み付けが“2”とされて、輝度重み付けは“6(優先度係数P8 :2×6)”に設定される。
その後、ステップS103に移行して、上述したように設定された優先度係数の重み付けの大きい測距ポイントから測距に関する処理が行われるように、優先順位が決定される。
ここで、この優先順位の決定について説明する。
これらの重み付けの設定により、測距ポイント[7]、[9]の優先度係数は、“6”となり、測距ポイント[8]の優先度係数は、“12”の重み付けとなる。
この場合、測距ポイント[8]の優先度係数が“12”、測距ポイント[5]、[7]、[9]の優先度係数が“6”となり、これらが優先度の高い測距ポイントとなる。
例えば、図16(b)に示されるような構図では、測距ポイント[4]、[5]、[6]の優先度係数が、各々、“12”、“6”、“4”となり、最下段の測距ポイント[7]、[8]、[9]は、位置の重み付けに対し、これまでの輝度判定の残りの予測から、“3”の重み付けを乗じて、測距ポイント[7]、[9]の優先度係数は“3”、測距ポイント[8]の優先度係数は“6”となる。したがって、優先度の高いのは、測距ポイント[4]、[5]、[8]の順となる。
そして、上述したように、測距ポイント[1]〜[9]の優先度係数P1 〜P9 の重み付け結果より、図16(b)に示されるような構図では、[4]、[5]、[8]、…、図16(c)に示されるような構図では、[8]、[5]、[7]、[9]、…の順で、優先順位付けが行われる。
また、上記ステップS42の判定に於いて、ブロック[1]、[4]、[7]が最上段であった場合には、カメラを立てて構えた縦長構図となり、最上段がブロック[1]、[4]、[7]、中段がブロック[2]、[5]、[8]、最下段がブロック[3]、[6]、[9]の構図となる。
したがって、上述した横長構図のブロック[1]、[2]、[3]、ブロック[4]、[5]、[6]及びブロック[7]、[8]、[9]に於ける優先度係数の設定を、ブロック[1]、[2]、[3]をブロック[1]、[4]、[7]に、ブロック[4]、[5]、[6]をブロック[2]、[5]、[8]に、そしてブロック[7]、[8]、[9]をブロック[3]、[6]、[9]に置換えると、ステップS63〜S82が、測距ポイントを変えたのみで、上述したステップS43〜S62と同等のシーケンスとなる。
このような縦長構図では、ブロック[1]、[4]、[7]は、「空」である確率が高いので、ステップS63で平均輝度BVvが求められて、判定基準とされる。そして、上記ステップS44と同様に、この平均輝度BVvと所定輝度BVsとがステップS64に於いて比較される。ここで、所定の明るさ以上ならば、「空」である確率が高いので、ステップS65に移行して、優先度係数P(P1 ,P4 ,P7 )が1×1とされる。
尚、この構図に於ける位置重み付けは、測距ポイント[1]、[3]、[7]、[9]、[4]が“1”に設定され、測距ポイント[2]、[6]、[8]が“2”に設定され、更に撮影画面中央の測距ポイント[5]は、存在確率が極めて高いため、“3”と設定される。
また、上記ステップS64に於いて、平均輝度BVvが所定の輝度BVs以下であれば、ステップS66に移行して、測距ポイント[1]、[4]、[7]は優先度係数が“1×2”とされる。
次に、ステップS67に於いて、ブロック[2]、[5]、[8]内で輝度比較がなされて、その変化の有無が判定される。ここで変化があれば、ステップS68に移行して、ブロック[2]の測距ポイントの輝度と、平均輝度BVvとが比較される。
そして、この比較判定で輝度が異なるならば、ステップS69に移行して、その測距ポイント[2]の輝度重み付けが“6(優先度係数P2 :2×6)”に設定される。一方、上記ステップS68にて、同様な輝度であれば、ステップS70に移行して、上記輝度重み付けは“2(優先度係数P2 :2×2)”に設定される。
続いて、ステップS71にて、同様に、測距ポイント[5]の輝度と輝度BVvとが比較される。ここで、輝度が異なるならば、ステップS72に移行して、その測距ポイント[5]の輝度重み付けが“6(優先度係数P5 :3×6)”に設定される。一方、上記ステップS71にて、同様な輝度であれば、ステップS73に移行して、輝度重み付けが“2(優先度係数P5 :3×2)”に設定される。
更に、測距ポイント[8]も同様に、ステップS74にて輝度BVvと比較される。そして、その測距ポイント[8]の輝度が異なるならば、ステップS75に移行して、輝度重み付けが“6(優先度係数P8 :2×6)”に設定される。一方、上記ステップS74にて同様な輝度であれば、ステップS76に移行して、輝度重み付けが“2(優先度係数P8 :2×2)”に設定される。
次に、ステップS77にて、測距ポイント[3]、[9]の位置重み付けが“1”とされ、輝度重み付けが“3(優先度係数P3 ,P9 :1×3)”に設定される。更に、ステップS78では、測距ポイント[6]の位置重み付けが“2”とされ、輝度重み付けが“3(優先度係数P6 :2×3)”に設定される。
一方、上記ステップS67に於いて、ブロック[2]、[5]、[8]内の輝度比較で変化が無かった場合は、ステップS79に移行して、測距ポイント[5]の位置重み付けが“3”とされる。また、輝度重み付けが“2(優先度係数P5 :3×2)”に設定される。
次いで、ステップS80では、測距ポイン[2]、[8]の位置重み付けが“2”とされ、輝度重み付けが“2(優先度係数P2 ,P8 :2×2)”に設定される。
更に、ステップS81にて、ブロック[2]、[5]、[8]より下方のブロック[3]、[6]、[9]は、主要被写体が存在する確率が高いと想定して、測距ポイント[3]、[6]、[9]の輝度重み付けは、“6”に設定される。したがって、測距ポイント[3]、[9]の位置重み付けが“1”とされ、輝度重み付けが“6(優先度係数P3 ,P9 :1×6)”に設定される。そして、ステップS82にて、測距ポイント[6]の位置重み付けが“2”とされ、輝度重み付けが“6(優先度係数P6:2×6)”に設定される。この後、上記ステップS103に移行して、優先順位が決定される。
また、上記ステップS42の判定に於いて、ブロック[3]、[6]、[9]が最上段であった場合には、カメラを立てて構えた縦長構図となり、最上段がブロック[3]、[6]、[9]、中段がブロック[2]、[5]、[8]、最下段がブロック[1]、[4]、[7]の縦長構図となり、上述したステップS63〜S82の構図とは上下を逆にカメラを構えた構図となる。
したがって、以下に述べるステップS83〜S102では、上述したステップS63〜S82の縦長構図に於ける優先度係数の設定を、ブロック[1]、[4]、[7]をブロック[3]、[6]、[9]に、ブロック[3]、[6]、[9]をブロック[1]、[4]、[7]に置換えると、測距ポイントを変えたのみで、同等のシーケンスとなる。
このような縦長構図では、ブロック[3]、[6]、[9]は、「空」である確率が高いので、ステップS83にて、平均輝度BVvが求められて判定基準とされる。次いで、ステップS84に於いて、この平均輝度BVvと所定輝度BVsとが比較される。ここで、所定の明るさ以上ならば、ステップS85に移行して、測距ポイント[3]、[6]、[9]の優先度係数P(P3 ,P6 ,P9 )が1×1とされる。
尚、この構図に於ける位置重み付けは、測距ポイント[1]、[3]、[7]、[9]、[6]が“
1”、測距ポイント[2]、[4]、[8]が“2”、及び測距ポイント[5]が“3”と設定される。
また、上記ステップS84に於いて、平均輝度BVvが所定の輝度BVs以下であれば、ステップS86に移行して、測距ポイント[3]、[6]、[9]は優先度係数が“1×2”とされる。
次に、ブロック[2]、[5]、[8]に於ける輝度重み付け(ステップS87〜S102)は、上述したステップS67〜S82と同一のシーケンスであり、ブロック[2]、[5]、[8]の測距ポイント[2]、[5]、[8]の輝度と、平均輝度BVvと比較により決定される。
次に、ステップS87に於いて、ブロック[2]、[5]、[8]の輝度比較の結果、輝度が異なるならば、ステップS88に移行して、その測距ポイント[2]の輝度が比較される。ここで、測距ポイント[2]が平均輝度BVvと異なれば、ステップS89に移行して優先度係数P2 :2×6に設定され、同じ輝度であれば、ステップS90に移行して優先度係数P2 :2×2に設定される。
続いて、同様に、ステップS91にて、測距ポイント[5]が異なる輝度であれば、ステップS92に移行して優先度係数P5 :3×6に設定され、同じ輝度であれば、ステップS93に移行して優先度係数P5 :3×2に設定される。
更に、ステップS94にて、測距ポイント[8]が異なる輝度であれば、ステップS95に移行して優先度係数P8 :2×6に設定され、同じ輝度であれば、ステップS96に移行して優先度係数P8 :2×2に設定される。
次に、ステップS97にて、測距ポイント[1]、[7]が優先度係数P3 ,P9 :1×3に設定され、更にステップS98にて、測距ポイント[4]が優先度係数P6 :2×3に設定される。
一方、上記ステップS87に於いて、ブロック[2]、[5]、[8]内の輝度比較で変化が無かった場合は、ステップS99に移行して、測距ポイント[5]が優先度係数P5 :3×2に設定され、続くステップS100にて、測距ポイン[2]、[8]が優先度係数P2 ,P8 :2×2に設定される。
更に、ブロック[2]、[5]、[8]より下方のブロック[1]、[4]、[7]は、主要被写体が存在する確率が高いと想定されて、ステップS101にて、測距ポイント[1]、[7]が優先度係数P1 ,P7 :1×6に設定される。次いで、ステップS102にて、測距ポイント[4]が優先度係数P6 :2×6に設定される。
この後、上記ステップS103に移行して優先順位が決定される。
以上説明したように、主要被写体の存在する確率を考慮した撮影画面内の位置、及び輝度の分布の解析によって、測距を行うべき測距ポイントの絞り込みが可能となる。
図17(a)に示されるようなシーンに於いて、このように優先的に測距される領域が決定されると、図中[5]、[7]、[8]、[9]のエリアの優先度が高いとして、図17(b)に示されるような白丸印の測距点表示が、ファインダ内にスーパーインポーズ表示される。この技術は、ファインダ光学系中に挿入されたLCDのセグメントを、透過にしたり非透過にしたりすることによって実現することができる。
また、このポイントからのユーザによる選択は、カメラ外装に設けられた選択スイッチ14を押すことによって、図17(c)に示されるように、優先順位の高いものから、順次表示が切換わるようにすれば良い。
こうして、ユーザが意図したポイントに選択表示が来た時に、レリーズ釦を押し込めば、ユーザの思いどおりの所に簡単にピント合わせをすることができる。
次に、第1の実施の形態の変形例について説明する。
上述した第1の実施の形態に於いて、選択スイッチ14を、図18に示されるような操作部材38にすることにより、更に操作性のよいカメラにすることができる。
図18(a)に於いて、カメラ27の前面部には撮影レンズ34が設けられており、背面部の中央部にはファインダ接眼部が設けられている。また、カメラ27の上部IF、フィルム駒数を表示するための液晶パネル36と、レリーズスイッチ37と、上方からの押し方によって前後左右に傾いてスイッチオンする、十字形状の操作部材38が配置されている。
このカメラ27のCPU40には、図18(b)に示されるように、上記操作部材38の押され方によってオン、オフするスイッチ38a〜38dが接続されており、これらのスイッチ38a〜38dの状態に応じてユーザの操作が検出されるようになっている。例えば、操作部材38の前の方を押せば(スイッチ38aオン)測距ポイント候補が下に、後ろの方を押せば(スイッチ38bオン)候補が上になる。また、操作部材38を左右に押せば(スイッチ38cオン/スイッチ38dオン)、それに応じて測距ポイントの表示が変化する。
そして、図19に示されるフローチャートに従ってCPU40がカメラを制御すれば、上記スイッチ38a〜38dを有効に使った撮影を行うことができる。
先ず、ステップS111に於いて、操作部材38が操作されて、スイッチ38a〜38dの何れの方向にダブルクリックでオンされたことが判定されると、ステップS112に移行して、上述した図11乃至図14のようなフローチャートによりシーンが判定される。これにより、図17(b)に示されるように測距候補点がファインダ内に表示される。
そして、ステップS113にて、測距ポイントの候補表示によってファインダ内表示がなされる。次いで、ステップS114に於いて、操作部材38の操作によりユーザの操作が判定される。
例えば、図17(a)に示されるように、例えば柵の向こう側に山が見えるシーンでは、図16(c)に示される山の前の人物のシーンと極めて類似のシーンとなるので、手前の柵にピントが合う確率が高まる。しかしながら、上記候補表示によってファインダ内表示がなされるので、操作部材38の操作によりユーザの操作が判定され、その操作の方向に測距ポイント表示が切換わる。
上記ステップS114にて操作方向が検知された場合は、ステップS115に移行して測距ポイントの候補点が検出される。ここで、該候補点が存在する場合は、ステップS116に移行して選択点が決定されたことにより、該選択点が点灯される。その後、上記ステップS114に移行する。
一方、上記ステップS115にて、候補点が存在しない場合には上記ステップS116の選択点点灯には移行せずに上記ステップS114に移行する。
このように、ステップS114〜S116のループでは、ユーザはファインダ画面を見ながら測距ポイントの切換えを行うことができ、候補点の中の任意のポイントにピント合わせをすることができる。尚、候補点以外を選択可能な仕様にすると、測距点が増加した場合に選択操作が困難になるので、ここでは説明は省略する。
上記ステップS114に於いて、方向検知がなされない場合は、続いてステップS117にてレリーズスイッチ37のオン、オフが判定される。ここで、再測距を行いたい場合、すなわちレリーズスイッチ37がオンされない場合は、ステップS118に移行して再度操作部材38の何れかのスイッチ38a〜38dがダブルクリックされる。その後、上記ステップS117に移行する。
上記ステップS117でレリーズスイッチ37がオンされると、続くステップS119にて選択点が判定される。ここで、選択点が決定されれば、ステップS120に移行して、その測距ポイントにピント合わせが行われる。一方、選択点が無い場合、すなわち選択動作前にレリーズされた場合には、ステップS121に移行して、最も優先度の高い点にピント合わせが行われる。そして、ステップS122にて、撮影が行われる。
以上説明したように、この変形例では、十字形状の操作部材で前後左右に押し込み操作することにより、候補ポイントのうち任意のポイントに迅速にピント合わせを行うことができる。
図17(a)に示されるシーンの例をとると、操作部材38の左釦(スイッチ38d)で[7]、右釦(スイッチ38c)で[9]、前方の釦(スイッチ38b)が押されれば[8]、後方の釦(スイッチ38a)が押されれば[5]のポイントが選択され、それらの選択ポイントがファインダに表示されるので、ユーザが誤ることのない簡単な操作での撮影が可能となる。
また、カメラの測距装置の撮像機能を有効利用して、図20及び図21に示されるように、撮影者が測距ポイント付近を指さして、それをカメラが検出することにより、選択できるようにしても良い。
図20(a)に示されるように、[5]のポイント付近を指させば、[5]のポイントが選択表示されてピント合わせポイントとなる。また、図20(b)に示されるように、[9]のポイントを指させば、[9]のポイントが表示され、ピント合わせできるようにすれば、上述した変形例に於ける操作部材38のように特別なスイッチを必要とすることなく、簡単にピント合わせポイントを決定することができる。
図21は、指さしによる操作シーンを表したものである。図21に於いて、り、ユーザ42は、カメラ27ファインダを覗きながらカメラ27の画面43を確認し、左手で主要被写体10を指さして、測距ポイントを選択している。
また、図22に示されるようなフローチャートを用いて、カメラのCPUが図8に示されるようなエリアセンサを用いて画面内の像信号を何度もモニタして、撮影者の指が画面内に入ってきたか否かを検出し、像変化があれば、その変化位置の先端付近の測距ポイントを選択するようにすれば、ユーザの思いどおりのポイントにピント合わせをすることができる。
先ず、ステップS131にて、ユーザのレリーズ釦半押し(ファーストレリーズスイッチのオン)が検出されると、続くステップS132にて画面内が撮像されて、上述したような手順で優先ポイントが決定され、ステップS133にてその優先ポイントが表示される。また、この優先ポイントは、ステップS134で記憶され、ステップS135にて、再度画面内撮像が行われる。
そして、ステップS136に於いて、上記ステップS132で得られた撮像データZ1 と上記ステップS135で得られた撮像データZ2 とが比較される。ここで、変化があった場合は、ステップS137及びS138に移行して、選択ポイントの判定、表示が行われる。
この状態で、ステップS139に於いて、レリーズ釦が押し込まれる、すなわちセカンドレリーズスイッチの状態が判定される。ここで、セカンドレリーズスイッチがオン(レリーズ釦全押し)されていなければ、ステップS140に移行して、ファーストレリーズスイッチの状態(レリーズ釦の半押し状態)が検出される。ここで、レリーズ釦の半押しがされていないと、リセットされて上記ステップS131に移行する。一方、半押し状態では、上記ステップS135の再度撮像のステップに移行し、何度でも指さし動作をやり直し可能となる。
そして、上記ステップS139にて、セカンドレリーズスイッチがオンされていれば、ステップS141に移行して、その選択ポイントが測距され、ステップS142にて撮影がなされる。
また、上述したステップS131のファーストレリーズスイッチオンの検出ステップでは、ユーザは指さしを行わないでおくようにして、ファーストレリーズスイッチのオンの後、指さし決定を行う仕様で、この2つのタイミングでの像変化を利用すれば、より単純で余計な操作のない撮影を楽しむことができる。
更に、図23に示されるように、レーザポインタ45を用いてユーザ42が測距したいポイントを指示し、カメラは、レーザポインタの波長やスポットの形状をエリアセンサ等で判断し、そのポイント近くの測距ポイント46に対し、ピント合わせを行うようにしても良い。
この場合、図24のフローチャートに従って撮影が行われる。
すなわち、ステップS151にて画面無いが撮像されると、続くステップS152にて、レーザポインタ45による測距ポイントの判定、検出が行われる。次いで、ステップS153にて、上記レーザポインタ45で支持された点に最も近い測距ポイントが選択される。そして、ステップS154にて、この選択された測距ポイントにピントが合わせられる。
このように、第1の実施の形態による選択部、切換スイッチ手段は、必ずしもカメラに取付けられているものに限定されるものではない。
また、撮像センサ等、カメラのセンサ機能を有効に活用した、上述した操作部材等のスイッチにてユーザの意図を反映するようにしても良い。
以上述べた第1の実施の形態では、複数のポイントから手動選択する例を説明したが、以下に述べる実施の形態では、最も優先度の高いもののみ表示し、ユーザーのスイッチ操作があった時に、次の候補点が出るような応用例を示している。この方がたくさんの表示が一度に出ることなく、より画面内をすっきりさせることができる。また、スイッチ操作としては、ユーザの視線の動きを検出して判定するものが考えられる。
図25は、この発明の第2の実施の形態を示すもので、(a)はカメラの内部構成を示すブロック図であり、(b)は該カメラの外観斜視図である。
図25(a)に於いて、CPU50はカメラのシーケンス制御や各種演算を行うためのワンチップマイクロコンピュータ等から成る演算制御手段である。このCPU50は、内部に像検知部51、相関演算部52及び表示制御部53を有している。
上記CPU50には、レリーズスイッチ等から成るスイッチ群54が接続されると共に、測距部55や図示されない測光部が接続されている。
上記測距部55は、投光部57を駆動するためのドライバ56と、図示されない被写体に測距用光を投射する投光部57と、該被写体からの反射光を導く受光レンズ58a及び58bと、上記反射光を結像させるセンサアレイ59a及び59bと、これらセンサアレイ59a及び59bの信号出力をA/D変換するA/Dコンバータ60とから構成される。
上記CPU50には、また、露出制御部63及びピント合わせ部64と、ズームレンズ65の位置を検知するズーム検知部66と、ファインダ光学系68内に挿入された表示用の液晶(LCD)67と、撮影者の視線を検知する視線検知部69とが接続されている。
また、図25(b)に示されるように、カメラボディ70には、その前面部に撮影レンズ71が設けられると共に、測距窓72、ファインダ73、ストロボ74等が、設けられている。
上記CPU50は、上述したように、図示されない測光部や測距部55を制御し、その出力に従って、露出制御部63やピント合わせ部64を制御して、正しくピントの合った正確な露出の写真撮影を行う。カメラの撮影レンズ71にズームレンズ65が採用されると画角が変えられるため、それに応じた測距・測光や表示制御が必要となる。したがって、ズーム位置を検知するズーム検知部66により、CPU50にズーム情報が入力される。更に、ズーミングによってファインダ73の画像も機械的に連動する。
このように得られた各種情報を、ファインダ光学系の間に設けられたLCD67上に表示するために、CPU50はこれらのセグメントの点灯、消灯制御を行う表示制御部53を有している。
上記測距部55は、一対の受光レンズ58a、58b及び一対のセンサアレイ59a、59bを有しており、図示されない被写体の像信号をA/Dコンバータ60にてA/D変換し、CPU50に出力する。
受光レンズ58a、58bは、視差となる基線長分の距離Bだけ離して配置されているので、受光レンズ58a、58bの焦点距離fと、被写体距離Lの関係より、2つのセンサアレイ59a、59b上には、相対位置xだけずれた所に同じ像が結ぶことになる。この三角測距の原理より、像のずれ量xを求めれば被写体距離Lが算出できることがわかる。
また画面の広い範囲を測距するためには、例えば、光軸からθだけずらした所を測距する場合は、図中に破線で示されるように
a=ftan θ …(8) の所のセンサを基準にして、相対ズレ量を検出すれば良い。
このような構成のカメラならば、図26(a)に示されるような主要被写体77がファインダ画面76の中央に存在しないシーンでもピントを合わせることができる。
図26(b)は、このようなシーンで得られる像信号を示したものであるが、背景が壁等から主要被写体である人物の所に、特徴的な像信号変化がみられる。したがって、図27のようなフローチャートでこの変化を検出し、それが画面右側ならば、ファインダ画面内のLCDセグメント78のうち、右側のLCDセグメント79を点灯させれば、図26(c)に示されるように、画面内に測距ポイントが表示されて、正しく撮影したい被写体が測距され、撮影者はその被写体にピントが合うことを認識することができ、安心して撮影を楽しむことができる。
すなわち、図27のフローチャートに於いて、先ずステップS161にて被写体の像信号が入力されると、続くステップS162及びS163にて、左右のエッジが判定される。次いで、ステップS164にて上記ステップS162及びS163で判定された左右エッジの中央部分の座標が判定される。そして、ここで判定された座標のLCDセグメントが選択されて、例えば図26(c)に示されるように点灯される。
また、このように測距ポイントを十字状のセグメントで表し、その中央部を見えるようにしたので、被写体の表情等がよく確認でき、すっきりっとした画面にすることが可能となる。
また、図28に示されるようなシーンでは、カメラが誤って手前の木にピントを合わせるケースがある。この場合、撮影者が図示されない操作釦を押すことにより、次の測距ポイントの候補に切り換えるようにしても良い。
例えば、写真の8割以上は画面中央部に主要被写体が存在するので、この実施の形態では、変更操作によって画面中央部に測距ポイントを移し、正しく被写体の城にピントを合わせることを可能とした。また、主要被写体が判別できないシーンでは、画面中央に表示をリセットする仕様にしても良い。
また、この操作であるが、わざわざ指を使用して変更するのは大変なので、図29に示されるように、視線検知によるファインダ光学系を構成して使用しても良い。
すなわち、ファインダ光学系80に於いて、対物レンズ81より入射される被写体像と共に、プリズム82や赤外発光ダイオード(IRED)83を用いて、接眼レンズ84を介して撮影者の目に赤外光が照射される。そして、その反射光が、マスクLCD85を介してフォトダイオード86で受光されるようにする。
上記マスクLCD85は、光路中に図30(c)に示されるように、開口部90が切換えられるように配置されている。マスクLCD85の開口部を切換えることにより、何れの開口部を開いた時が一番反射光が入射するかの判定を行って、視線の方向を判別できるようにすれば、撮影者の目の動きで測距ポイントを切換えることが可能となる。
例えば、図30(a)に示されるような目89の配置ならば、S1とS3の開口部に白目の部分があるので、S1、S3の開口部を開いた時に、フォトダイオードに入射するIREDによる反射信号光が多くなる。
しかしながら、図30(b)に示されるように視線をずらすと、S3の信号光は減少してS2の開口部を開いた時の反射光が多くなる。撮影者がレリーズ釦を半押し状態にして、第1候補を表示した後、このような考え方でカメラのCPUが図31のようなフローチャートでIREDやマスクを制御して目の動きを検出すれば、撮影者が測距ポイントを切換えたい時に目を動かすだけで、測距ポイントが切換わり、手動の動作は不要となる。
図31のフローチャートを参照すると、先ず、ステップS171にて像検出が行われて第1候補が表示される。次いで、ステップS172にて、セカンドレリーズスイッチがオンされていれば、ステップS173に移行して通常の撮影シーケンスが実行される。
一方、セカンドレリーズスイッチがオンされていなければ、ステップS174に移行して、赤外発光ダイオード83が照射される。そして、ステップS175及びS176にて、順次開口部が変更されて反射信号光の大きい2つのブロックS01、S02が記憶される。
次に、ステップS177に於いて、上記2つのブロックS01、S02が比較される。その結果、変化があれば、視線が変化したとしてステップS178に移行し、測距ポイントが変更される。
つまり、2回全ての開口部を順次開きながら反射信号光の多い2つのブロックを選び、その間隔が変化するか否かで視線の動きがあったか否かを判定する。そして、視線の動きがあった場合には、撮影者が測距ポイントを気に入っていると判断して、次に優先度の高いポイントに表示を切換え、そのポイントに対して測距を行ってピント合わせを行うようにする。
これによって、撮影者は煩わしい手動動作から開放されてレリーズ動作に集中でき、目の動きだけで測距ポイントの選択が行うことができる。
尚、撮影者が見たポイントを判別して、そのポイントにピント合わせをするようにしても良いが、技術が複雑でコストがかかるわりに、撮影者が必ずしも撮影したいものばかりを見ているわけではないことがわかっている。
そのため、この第2の実施の形態では、カメラが画面内の測距ポイントのうち、予め自動的に優先順位を決定し、それに追加・補助する形で撮影者の目の動き等の動作または操作を加味したので、非常に簡単で精度の高いピント合わせが可能となる。
ところで、ファインダとAF用受光レンズが別の光学系であると、視差(パララックス)によって、測距ポイントと表示ポイントに誤差が生じやすい。
ここで、図32を参照して、上述したパララックスを考慮した画面内表示制御方法について説明する。
先に説明した像信号による主要被写体位置検出によって、図32にθ1 の方向に主要被写体がいると判定され、尚且つその被写体の距離が上述の方法で検出されていて、これをLとすると、ファインダ内ではその光軸を基準に右側に
S−L・tan θ1 …(9) の位置に上記被写体が見えることになる。ここで、Sは2つの光学系の視差である。
ファインダ内の基準位置を画面端部(図32に於ける「枠基準位置」)にとると、この基準位置からファインダ光軸までの距離が
L1 tan φ1 …(10) であるので(ここでφ1 は光軸からファインダの画角端までの角度)、基準位置から、測距ポイントまでの距離は
L1 tan φ1 +S−L1 tan θ1 …(11) となる。
ここで、表示用LCDがドットマトリクスタイプのものであるとし、画面の端から端までを、図33に示されるように、H個のセグメントで埋めることのできるLCDがファインダ内に収められているとする。このH個が上記L1 tan θ1 の2倍に対応するため、測距ポイントに対応するセグメントは、上記H個のうち、
H×(tan φ1 +S/L−tam θ1 )/(2・tan φ1 )番目
=x1 番目 …(12) のものとなる。尚、上記(12)式でHを除いた(tan φ1 +S/L−tam θ1 )/(2・tan φ1 )の部分は、枠比と称することとする。
したがって、このセグメントを消灯し、その上下左右のセグメントを2つずつ点灯させれば、図33(b)に示されるようなセグメントの表示が可能となる。
また、この消灯制御によって、被写体の様子を見やすくしている。画面上下方向にも測距ポイントが広げられる場合、左右方向の枠比(枠比1)だけでなく、上下方向の枠比(枠比2)を考慮して、ファインダ内表示の制御が必要である。
図34に示されるように、上下方向の画角をφ2 として表し、測距ポイントをθ2 とすると、画面枠上端基準の測距ポイント位置の画角に対する比率(枠比2)は、
(tan φ2 −tan θ2 )/2tan φ2 …(13) となるので、図33(a)に示されるように、画面内上下方向にT個のセグメントが並んだLCDを想定すると、上から
T(tan φ2 −tan θ2 )/(2・tan φ2 )番目=y1 番目
…(14) のセグメントの所に被写体が存在すると考えられている。
したがって、図33(b)に示されるような表示を上下に移動させる場合は、上下方向に関しては、この関係から点灯、消灯制御を行うようにする。
つまり、xy座標形式で表現すると、
(x1 ,y1 )=(H×枠比1、T×枠比2) …(15) のポイントを消灯させ、その上下2セグメントずつを点灯させれば、図33(b)に示されるような表示を上下左右に移動させて、撮影者に測距光をかかりやすく伝えることができる。
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、優先度の高いポイントのみを表示し、視線の動きによって次に優先度の高いポイント(画面中央)に切りかえることができるようにしたので、ユーザの意図どおりのピント合せが高速でできるカメラを提供することができる。
また、ファインダと測距系のパララックスも考慮したので、より正確なポイント表示が可能となる。
尚、この発明の上記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
(1) 画面内の複数のポイントを測距可能なカメラに於いて、
上記複数の測距ポイントについて、測距時の優先順位を決定する優先順位決定手段と、
上記優先順位に応じて、上記複数の測距ポイントのうちの複数の限られた測距ポイントを選択する第1の選択手段と、
撮影者の操作によって、上記限られた複数の測距ポイントのうちの特定の測距ポイントを選択する第2の選択手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。
(2) 上記優先順位は、主要被写体位置に応じて決定されることを特徴とする上記(1)に記載のカメラ。
(3) 上記優先順位は、画面内の明るさ分布によって決定されることを特徴とする上記(1)に記載のカメラ。
(4) 上記優先順位は、カメラの構え方によって決定されることを特徴とする上記(1)に記載のカメラ。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
更に、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。