JP4784769B2 - 可変ノズル機構を備えたターボチャージャ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
なお、ベーンの幅方向中央部とは、ベーンの長手方向に延びる2辺に交わるとともに前記2辺に対する角度が同じになるような線分の中間点を指す。また、ベーンの幅方向とは、流体が流れる面同士を結ぶ方向を指す。
図1に示したターボチャージャは、タービンハウジング1、コンプレッサーハウジング2及び両ハウジング1、2を繋ぐベアリングハウジング3によって構成されている。
被動アーム20はベーン軸18と接続する一端側がベーン軸18よりも若干大径に形成され、他端側に円形の被動部21を有する板状に形成され、ベーン軸18の軸線に対して直角の方向に延出している。
図4(a)に示した外側リング14を水平に保持して、 図4(b)に示した可変ノズルベーン13のベーン19が外側リング14の上方(図4(a)において紙面手前側)に位置するようにしてベーン軸18を各半円溝16に嵌合する。この時、ベーン19の向きはノズルリング12の一部である外側リング14の半径方向と直角な方向に向けることにより、図4(d)あるいは図2において破線で表されたベーン19に見られるように、外側リング14の内周面14aよりも外方側に配置される。次に図4(c)に示した内側リング15の中心側空洞部15bを把持して半円溝17をベーン軸18に合わせながら外周面15aをベーン19側から外側リング14の内周面14aに挿入し、嵌合する。内側リング15を外側リング14に挿入する工程では、ベーン19全体が内周面14aよりも外側リング14の外周側に位置しているため、挿入作業は支障なく行うことができる。外側リング14と内側リング15の嵌合が終了すると、内周面14aと外周面15aの間を溶接により結合し、図4(d)に示した可変ノズルユニット22が形成される。
図4(a)〜図4(d)において説明したように、可変ノズルベーン13はベーン19がノズルリング12の半径方向で見てベーン軸18の中心軸に対して外側リング14側にずらした配置で構成されている。このため、外側リング14及び内側リング15にベーン軸18の径に限りなく近づけて半円溝16及び17を形成することができる。即ち、ベーン軸18を外側リング14の半円溝16に装着した時、ベーン19をノズルリング12の半径方向と直角な方向に向けることでベーン19全体を外側リング14の内周面14aよりも外側リング14の外周側に位置させることができるので内側リング15を外側リング14に支障なく容易に嵌合することができ、外側リング14及び内側リング15を固定すれば可変ノズルユニット22が形成される。このようにして形成された可変ノズルユニット22は、半円溝16及び17とベーン軸18との間にベーン軸18の回転に必要な最小限の隙間を形成することができる。
(2)本願発明の駆動部は前記実施形態に示した構成に限らず、例えばアクチュエータ33に連結したリンクが駆動リング27に直接接続して駆動するなど、種々の形態で構成することができる。
(3)前記実施形態は可変ノズルユニット22をタービンハウジング1の排気ガス供給通路9に実施した例を説明したが、可変ノズルユニット22をコンプレッサーハウジング2の流体排出通路39において実施することが可能である。この場合は、コンプレッサーホイール36の羽根35によって圧縮された流体がベーン軸18の周囲の隙間から漏洩することを抑制することができる。
(4)前記実施形態は、ベーンがノズルリングの半径方向に対して直角になった時に、ベーン全体が外側リングの内周面よりも外側ノズルリングの外周側に位置する、若しくは内側リングの外周面よりも内側リングの内周側に位置するようになっていたが、直角となった時だけでなくてもよく、直角に対して少し角度が小さかったり大きかったりする時であっても良い。
(5)前記実施形態は駆動リング27により可変ノズルベーン13の被動アーム20を動かすことで、被動アーム20に対してベーン軸18とともに一体成型されたベーン19を回転させるようにしていたが、ベーン19を回転させる構造はその構造に限定されない。例えば、可変ノズルベーンをベーン軸とベーンのみを一体成型することで形成するとともに、ベーン軸の外周面と駆動リングの外周面に相互に嵌合可能なギアの歯を形成し、駆動リングを回転させることでベーン軸とともにベーンを回転させるようにしてもよい。
(6)前記実施形態は外側リング14と内側リング15の両方に半円溝16,17を形成することで断面が円形である貫通孔を形成していたが、例えば図5(a)に示すように、外側リング41にU字状溝42を形成し、図5(b)に示すように、内側リング43に半円溝44を形成した突起45を形成し、両者を嵌合することで、図5(c)に示すように、断面が円形である貫通孔46を形成するようにしても良い。また、その場合、内側リング43に形成された突起45を省略してもよい。また他にも、図6に示すように、外形が四角柱からなるすべり軸受47に形成された断面円形の貫通孔48にベーン軸18を挿入し、そのすべり軸受47を外側リング49に形成された断面四角形の溝部50及び内側リング51に形成された断面四角形の溝部52に嵌合させるようにしてもよい。
(7)前記実施形態では、ベーン軸18の中心からベーン19をずらした配置でベーン19とベーン軸18を一体成型していたが、それに限定されず、例えば、図6に示した構造等においては、図7に示すように、ベーン53の幅方向中央部Aに対してベーン軸54の中心をノズルリングの径方向外側にずらした配置になるようにベーン53とベーン軸54を一体成型してもよい。そうすることで、内側リング51と外側リング49が嵌合可能となる。
(8)図8(a)に示すように、外側リング55の内周面の下端部から内側に突出する突起56を全周に渡って形成するとともに、内側リング57の外周面の下端部にその突起56に対応する形状の溝58を全集に渡って形成し、外側リング55の上側から内側リング57を嵌合させて、図8(b)に示すように組みつけるような構造にしてもよい。このような構造にすることで、内側リング57が外側リング55から抜け落ちることが防止できる。また逆に、内側リングの外周面下端部から外周側に突出するように突起を形成するとともに、外側リングの内周面の下端部に溝を形成してもよい。
2 コンプレッサーハウジング
3 ベアリングハウジング
5 タービンホイール
9 排気ガス供給通路
12 ノズルリング
13 可変ノズルベーン
14,41,55 外側リング
15,43,57 内側リング
16、17 半円溝
18,54 ベーン軸
19,53 ベーン
20 被動アーム
22 可変ノズルユニット
27 駆動リング
29 被動用U字状溝
33 アクチュエータ
36 コンプレッサーホイール
39 流体排出通路
A ベーンの幅方向中央部
H ベーンの空力中心
K,L 最遠部
Claims (8)
- タービンハウジング内に配設したタービンホイールを排気ガス等の流体によって回転させるとともにコンプレッサーハウジング内に配設したコンプレッサーホイールによって吸気等の流体を圧縮する機構及び前記タービンホイールへの排気ガス供給通路又は前記コンプレッサーホイールからの流体排出通路等の流体通路の流路面積を制御する可変ノズル機構を備えたターボチャージャにおいて、
前記可変ノズル機構は、前記流体通路内に配置されるベーン、前記ベーンを一端側に保持するベーン軸及び前記ベーン軸を少なくとも有する可変ノズルベーンと、前記ベーン軸を回転可能に支承する大径の外側リング及び小径の内側リングから成るノズルリングと、前記ベーン軸を回転駆動する駆動部とによって構成し、
前記ノズルリングには、前記ノズルリングの厚さ方向に貫通し、前記ベーン軸を直接的若しくは間接的に支持する貫通孔が複数形成されており、
前記貫通孔は、前記外側リングの内周面及び前記内側リングの外周面の少なくともどちらか一方に形成された厚さ方向に貫通する溝を含み、前記ベーンを回転させた際、前記ベーン全体が前記外側リングの内周面よりも前記外側リングの外周面側に位置する、若しくは前記内側リングの外周面よりも前記内側リングの内周面側に位置することがあるように、前記ベーン軸の中心が前記ベーンの幅方向中央部に対して前記ベーンの幅方向に変位した配置で、前記ベーンと前記ベーン軸が一体成型されていることを特徴とする可変ノズル機構を備えたターボチャージャ。 - 前記ノズルリングに形成された貫通孔は、前記外側リングの内周面及び前記内側リングの外周面のそれぞれに形成された半円溝よりなり、前記半円溝により前記ベーン軸を直接支持することを特徴とする請求項1に記載の可変ノズル機構を備えたターボチャージャ。
- 前記ベーン軸の中心は、前記ベーンの空力中心から前記ベーンの長手方向の両方向においてそれぞれ最も距離の遠い両最遠部と前記ベーンの空力中心とをそれぞれ結んだ線分上において、それぞれの線分の長さの8割の距離を前記空力中心から前記それぞれの最遠部側に離れた2つの位置の間の範囲における前記ベーンの幅方向に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の可変ノズル機構を備えたターボチャージャ。
- 前記流体通路は前記タービンホイールへの流体供給通路であり、前記流体は排気ガスであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の可変ノズル機構を備えたターボチャージャ。
- タービンハウジング内に配設したタービンホイールを排気ガス等の流体によって回転させるとともにコンプレッサーハウジング内に配設したコンプレッサーホイールによって吸気等の流体を圧縮する機構及び前記タービンホイールへの排気ガス供給通路又は前記コンプレッサーホイールからの流体排出通路等の流体通路の流路面積を制御する可変ノズル機構を備えたターボチャージャにおいて、
前記可変ノズル機構は、前記流体通路内に配置されるベーン、前記ベーンを一端側に保持するベーン軸及び前記ベーン軸を少なくとも有する可変ノズルベーンと、前記ベーン軸を回転可能に支承する大径の外側リング及び小径の内側リングから成るノズルリングと、前記ベーン軸を回転駆動する駆動部とによって構成し、
前記ノズルリングには、前記ノズルリングの厚さ方向に貫通し、前記ベーン軸を直接的若しくは間接的に支持する貫通孔が複数形成されており、
前記貫通孔は、前記外側リングの内周面及び前記内側リングの外周面の少なくともどちらか一方に形成された厚さ方向に貫通する溝を含み、
前記ベーンを回転させた際、前記ベーン全体が前記外側リングの内周面よりも前記外側リングの外周面側に位置する、若しくは前記内側リングの外周面よりも前記内側リングの内周面側に位置することがあるように、前記ベーン軸の中心が前記ベーンの幅方向中央部に対して前記ベーンの幅方向に変位した配置で、前記ベーンと前記ベーン軸が一体成型され、
前記ベーンと前記ベーン軸が一体成型された可変ノズルベーンを、前記ベーン全体が前記外側リングの内周面よりも前記外側リングの外周面側に位置する、若しくは前記内側リングの外周面よりも前記内側リングの内周面側に位置した状態で、前記ベーン軸を前記外側リング及び前記内側リングのいずれか一方の溝に合わせ、その後他方を前記ベーン側から挿入し、ノズルリングに形成された貫通孔に前記ベーン軸を嵌合させるようにして両者を嵌合固定し、
前記ノズルリング及び前記可変ノズルベーンを前記流体通路に装着することを特徴とする可変ノズル機構を備えたターボチャージャの製造方法。 - 前記ノズルリングに形成された貫通孔は、前記外側リングの内周面及び前記内側リングの外周面のそれぞれに形成された半円溝よりなり、前記半円溝により前記ベーン軸を直接支持することを特徴とする請求項5に記載の可変ノズル機構を備えたターボチャージャの製造方法。
- 前記ベーン軸の中心は、前記ベーンの空力中心から前記ベーンの長手方向の両方向においてそれぞれ最も距離の遠い両最遠部と前記ベーンの空力中心とをそれぞれ結んだ線分上において、それぞれの線分の長さの8割の距離を前記空力中心から前記それぞれの最遠部側に離れた2つの位置の間の範囲における前記ベーンの幅方向に配置されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の可変ノズル機構を備えたターボチャージャの製造方法。
- 前記ベーンを回転させた際、前記ベーン全体が前記外側リングの内周面よりも前記外側リングの外周面側に位置することがあるように、前記ベーンが前記ベーン軸の中心に対して変位した配置で、前記ベーンと前記ベーン軸が一体成型され、
前記ベーン軸を前記外側リングの半円溝に合わせた後、前記ベーン軸に前記内側リングの半円溝を合わせて前記ベーン側から挿入し、嵌合するとともに前記外側リングに前記内側リングを固定して前記可変ノズルユニットを形成したことを特徴とする請求項7に記載の可変ノズル機構を備えたターボチャージャの製造方法。
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