JP4783197B2 - 金属キャスクおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
このような金属キャスクは、内筒の開口部に放射性物質の漏洩を防止する一次蓋が取り付けられ、さらにその外側に二次蓋が取り付けられる。
このため、レジンが硬化する過程において、例えば、内筒と伝熱フィンとの溶接部の凹凸によって、レジンに局所的な引っ張り応力が生じるおそれがあり、その部分からヘアクラックが形成されるおそれがあった。
図1(a)(b)に示すように、金属キャスクCは、放射性物質としての使用済燃料集合体(不図示)を収納する内筒1と、この内筒1の外周に伝熱フィン2(図1(a)参照)を介して設けられた外筒3と、これらの内筒1、伝熱フィン2および外筒3で少なくとも囲まれて金属キャスクCの軸線方向に延設される状態に形成された遮へい材充填部4と、この遮へい材充填部4に充填されて硬化される中性子遮へい材としてのレジンRとを備えて構成される。
ここで、内筒1および外筒3は、放射線(主としてガンマ線等)を遮へいすることが可能な炭素鋼ないしステンレス鋼製である。
内筒1の上部開口には、図1(b)に示すように、一次蓋1Aおよび二次蓋1Bが取り付けられる。なお、外筒3の上部および下部には、金属キャスクCの吊上げ吊下し等に使用される図示しないトラニオンが周方向に所定の間隔を置いて複数個設けられている。
遮へい材充填部4に充填されるレジンRは、中性子線を遮へいすることが可能であり、例えば、耐熱性と水素数密度のバランスがよいという特徴を活かして、エポキシ樹脂が利用される。この場合には、液状のエポキシ主剤と硬化剤、これに難燃性を付与する水酸化アルミニウム、および中性子吸収体である炭化ホウ素を均一になるように混合してなる。ここで、遮へい材充填部4の厚さ(大きさ)は、収納される使用済燃料集合体の特性等を考慮して適宜決定される。なお、本実施形態の金属キャスクCでは、図1(b)に示すように、一次蓋1Aおよび内筒1の底部1Cにも、同様のレジンRが充填されて硬化されている。
離型剤10の塗布は、スプレーによる方法や離型剤10を含浸させたウエスやスポンジ等を用いて塗布する方法を採用することができる。
はじめに、遮へい材充填部4に異物等が入っていないかを目視等によって確認する。このとき、内部に結露水があれば、必要に応じてブロアー等によって乾燥する。
そこで、本発明者らは、実際の金属キャスクCで想定される条件を網羅するような広い温度範囲でレジンRの強度を鋭意研究し、落下強度に耐えられることを見出した。
(1)遮へい材充填部4の内面の全てに離型剤10が塗布されているので、レジンRが硬化する過程において体積収縮を生じても、内筒1と伝熱フィン2との溶接部Y1,Y1や外筒3と伝熱フィン2との溶接部Y2,Y2の凹凸からレジンRが剥離され、該凹凸に対してレジンRが滑る状態となる。これにより、レジンRに局所的な引っ張り応力が生じることがない。したがって、レジンRの硬化収縮や使用済燃料集合体を収納した後の熱膨張・収縮の過程において、溶接部Y1,Y2の凹凸が起点となってレジンRにヘアクラックが形成されるのを回避することができる。これにより、使用済燃料の輸送および長期貯蔵の間、金属キャスクCの遮へい性能を安定して維持することができる。
(2)遮へい材充填部4の内面の全てに離型剤10が塗布されているので、仮に、遮へい材充填部4の内面に錆等の異物が存在するような場合でも、これを離型剤10で覆うことができ、錆等の異物がレジンRに直接的に作用することを防止することができる。離型剤10の介在がない状態で錆等の異物が存在すると、レジンRが硬化収縮する際に、その部分が周囲よりも先に面から剥離する可能性があり、ボイド発生の起点になり易い。これに対して、遮へい材充填部4の内面の全てに離型剤10を塗布する構成では、仮に錆等の異物が存在していたとしても、これを起点としてボイドが発生するおそれがない。
(3)遮へい材充填部4の内面の全てに離型剤10が塗布されているので、内面の状態が略一定になり、レジンRと内面との接着力一定にすることができる。これによって、レジンRに対する衝撃力が緩和され、レジンRの破損防止に寄与する。
(4)遮へい材充填部4の内面の全てに離型剤10が塗布されているので、レジンRの硬化収縮に伴う内面からの剥離性が均一になる。このことは、ボイド発生の防止に寄与する。
したがって、使用済燃料の輸送および長期貯蔵の間、金属キャスクCの遮へい性能を安定して維持することができる。
このようなアンカー部7は、硬化されたレジンRに食い込む状態となって、遮へい材充填部4内の所定位置にレジンRを保持する役割をなす。これにより、金属キャスクCの落下事象を想定した場合に、レジンRが遮へい材充填部4内で移動するのを防止することができる。なお、前記のように離型剤10を塗布する効果によって、レジンRにヘアクラックが形成されることがないので、落下事象を想定した場合に、その衝撃によってアンカー部7からレジンRが分断されるおそれはない。
また、アンカー部7は、遮へい材充填部4内の下部に設置されている。これは、下部の方が、中央部に設置した場合に比べて放射線量の減少を期待できることと、レジンRの熱膨張・収縮の影響を受け難い位置だからである。
2 伝熱フィン
3 外筒
4 遮へい材充填部
7 アンカー部
10 離型剤
C 金属キャスク
R レジン(中性子遮へい材)
Y1 溶接部
Y2 溶接部
Claims (3)
- 放射性物質を収納する内筒と、この内筒の外周に伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記内筒、2つの前記伝熱フィンおよび前記外筒で囲まれて形成された遮へい材充填部と、この遮へい材充填部に充填されて硬化される中性子遮へい材と、を備えた金属キャスクであって、
前記遮へい材充填部内における、前記内筒と前記伝熱フィンとの溶接部の全て、および前記外筒と前記伝熱フィンとの溶接部の全てに、離型剤が塗布されているとともに、
前記遮へい材充填部内における、前記内筒、前記伝熱フィンおよび前記外筒の各側面のうち、前記溶接部を挟んで隣合う一方の前記伝熱フィンの側面および前記外筒の側面にのみ、または、両方の前記伝熱フィンの側面および前記外筒の側面にのみ、前記離型剤が塗布されていることを特徴とする金属キャスク。 - 前記遮へい材充填部内における、前記内筒、前記伝熱フィンおよび前記外筒の各側面のうち、少なくとも1つの側面には前記遮へい材充填部の内側へ向けて突出するアンカー部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の金属キャスク。
- 放射性物質を収納する内筒と、この内筒の外周に伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記内筒、前記伝熱フィンおよび前記外筒で囲まれて形成された遮へい材充填部と、この遮へい材充填部に充填されて硬化される中性子遮へい材と、を備えた金属キャスクの製造方法であって、
前記遮へい材充填部内における、前記内筒と前記伝熱フィンとの溶接部、および前記外筒と前記伝熱フィンとの溶接部に沿って、離型剤をそれぞれ塗布するとともに、前記遮へい材充填部内における、前記内筒、前記伝熱フィンおよび前記外筒の各側面のうち、前記溶接部を介して隣合う一方の前記伝熱フィンの側面および前記外筒の側面にのみ、または、両方の前記伝熱フィンの側面および前記外筒の側面にのみ、前記離型剤を塗布する過程と、
前記離型剤が塗布された前記遮へい材充填部内に前記中性子遮へい材を充填する過程と、を含むことを特徴とする金属キャスクの製造方法。
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