JP4783054B2 - スイッチングユニット - Google Patents
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Description
また、このようなスイッチングユニットは、外部との接続を行う接続端子が他部材等に当たって、損傷してしまうと使用できなくなる恐れがある。特に、繰り返し着脱を行うものでは、接続端子が損傷してしまう可能性がある。
スイッチングユニットの内部に回路基板とバスバー回路とを備えるので、バスバー回路で形成した場合大型化してしまうような複雑な回路を回路基板で形成すると共に、入出力を行う回路と接続端子とをバスバー回路で一体に形成するので、スイッチングユニットの内部の回路のための構造を小型化できる。
さらに、接続端子の嵌合方向の側方を包囲するハウジングを備えるので接続端子に他の部材等が不意に衝突することを規制できる。
これにより、本発明によれば、スイッチングデバイスの小型化を図りつつ、接続端子の保護が可能となる。
また、ケーシングと一体に形成されるので部品点数が減少すると共に、接続端子の嵌合方向以外が閉塞されるので、防水性・防塵性に優れる。
さらに、封止剤が回路体を被覆するので、スイッチングユニットに回路体に水等が付着することを規制し防水性の向上が可能となる。
また、回路体を冷却するための放熱板を備えるので、スイッチングユニットの放熱性がより向上する。
放熱板がバスバー回路に密着配置されることで、回路基板側で生ずる熱をバスバーが吸収し、さらにバスバーが吸収した熱を放熱板へ伝えるので、スイッチングユニットで生ずる熱を放熱板に迅速に伝えることができ、放熱性の一層の向上が可能となる。
スイッチングユニットには放熱板の接続端子側の端部に絶縁部材を備えるので、回路体と放熱板とを近付けて小型化を図る構成としても、回路体と放熱板との間の短絡を確実に防いで、放熱板を用いた放熱を行うことができる。これにより、スイッチングデバイス全体を小型化しつつ、その放熱性の向上が可能となる。
本発明の実施形態1を図1ないし図3によって説明する。
スイッチングユニット10は、図1,2に示すように、ケーシング20で包囲されたユニット本体(本発明の「回路体」に相当する)15を有し、ユニット本体15からケーシング20の外側へ延出する接続端子12Aが相手側接続端子(図示なし)と接続することで電気接続箱(図示なし)等に着脱可能に装着されるようになっている。
スイッチングデバイス13は、電流のオン/オフを制御可能なものであって、本実施形態では半導体スイッチング素子を用いており、特に本実施形態では、半導体デバイス中にパワーMOSFET部と、過熱保護機能或いはPWM信号発信部等を有する制御部とをワンチップ上に配設したものを用いている。
さらに、バスバー回路12を構成するバスバーには、ユニット本体15から延出する接続端子12Aが一体に形成されており、この接続端子12Aによって、図示しない電気接続箱等の相手側接続端子と嵌合可能となっている。尚、本実施形態では、図1に示すように、5本の接続端子12Aを備えているが、これらのうち図1における左側の3本が制御系端子として用いられ右側の2端子が電力系端子として用いられている。また、制御系端子(図1の左側3本の端子)の先端部はプレス加工によって電力系端子(図1の右側2本の端子)よりも薄く形成されている。
この絶縁部材30は、絶縁性を備えた樹脂で略角柱形状に形成されており、放熱板25の接続端子12A側(図2の左側)の端部に形成された切欠き部26に嵌め込まれている。切欠き部26は放熱板25の幅方向に亘って絶縁部材30の形状に合わせて略角柱形状に切削して形成されており、絶縁部材30を嵌め込むことにより、放熱板25の上面(バスバー回路12の貼付け面)は絶縁部材30の上面と略面一となる。これにより、放熱板25の上面とバスバー回路12の下面との接着においても段差等が生ずることなく確実に接着ができるようになっている。また、接続端子12Aに電流が流れた場合でも、接続端子12Aの基端部と放熱板25との間には絶縁部材30が介在しているので、接続端子12Aと放熱板25との間に短絡等が生ずることがないようになっている。
尚、本実施形態のケーシング20には本体21のユニット本体15を挿入する開口部の図2の下側の開口端縁に係止部27が設けられており、ユニット本体15の抜止を行うようになっている。
この封止剤50は、シリコーン系ゲル或いはエポキシ樹脂やウレタン樹脂等が用いられ、図2に示すように、ユニット本体15の実装面側に充填され、回路基板11、バスバー回路12の実装面側及びスイッチングデバイス13の端子や接続部分(半田付け部分)全体を被覆するように充填されている。
そして、本実施形態では、上記の封止剤50を注入するため、蓋体22に開口部35が穿設されている。この開口部35は蓋体22の挿通孔24と反対側(図2の上方側)の封止剤50の充填領域(図2参照)よりも上方に、蓋体22の板厚方向に貫通するようにして形成されている。
さらに、開口部35は蓋体22の左右両側部に2箇所設けられている(図3、図7参照)。このうち、一方の開口部35を封止剤50の注入に使用し、他方の開口部35を空気抜きとして使用することで、封止剤50を円滑に注入できるようになっている。また、これらの開口部35は上述のように、封止剤50の充填領域よりも上方に配設されているので、図5のように放熱板25が下面に来るようにスイッチングユニット10を水平に載置した状態で、封止剤50の注入を円滑に行うことが可能となっている。
このハウジング28は図2の左側、接続端子12Aの導出側(図示しない相手側端子金具との嵌合方向側)に開口するフード状をなすもので、ケーシング20の本体21と一体に形成されており、開口側以外の方向に対して閉じた構造となっている。さらに、ハウジング28の図2の左側の先端は接続端子12Aの先端よりも左側に延びており、接続端子12A全体を包囲可能となっている。
ここで接続端子12Aに電流が流れた場合でも、接続端子12Aの基端部と放熱板25との間には絶縁部材30が介在しているので、接続端子12Aと放熱板25との間に短絡等が生ずることなく、確実に電流の制御をすることができる。
尚、電気接続箱(図示なし)のメンテナンス時等において、スイッチングユニット10は抜脱可能であり、必要に応じて交換されて使用できるようになっている。
さらに、スイッチングユニット10にはハウジング28が設けられていて、スイッチングユニット10を相手側に装着する前の状態において、接続端子12Aの先端部を含め全体が包囲されているので、接続端子12Aが他部材等に当接する等して損傷することが規制できる。
それに加えて、本実施形態のスイッチングユニット10は接続端子12Aの導出側以外の方向に対して閉じた状態となっており、相手側に装着することで、接続端子12Aの導出側も閉じた状態となるので、防水性・防塵性等を向上させることが可能となる。
また、スイッチングユニット10が作動して高温になった状態で低温下に置かれた場合に空気中の水分が凝縮して表面に付着するいわゆる「結露」が生じる場合であっても、ユニット本体15が封止剤50で被覆されていて、直接空気に触れることがないので、ユニット本体15(回路基板11、バスバー回路12又はスイッチングデバイス13、或いはこれらの接続部分)の表面に結露が付着することを規制できる。これにより、結露に起因する信頼性の低下を防止することが可能となる。
また、スイッチングユニット10には接続端子12Aの基端部と放熱板25との間に絶縁部材30を備えるので、ユニット本体15と放熱板25とを近付けて小型化を図る構成としても、ユニット本体15と放熱板25との間の短絡を確実に防いで、放熱板25を用いた放熱を行うことができる。
これにより、スイッチングユニット10全体を小型化しつつ、その放熱性の向上が可能となる。
次に、本発明の実施形態2を図4によって説明する。
本実施形態のスイッチングユニット10Aはケーシング20の本体21開口部を閉塞する蓋体22を備える点が上記実施形態1と相違するものであるが、他の同様の構成については同様の符号を付し、重複した説明は省略する。
蓋体22は、全体平板状をなし、本体21の開口部に嵌合可能に形成されている(図4参照)。また、本体21に蓋体22を組付けるとハウジング28の接続端子12Aの導出側の面が面一になるように形成されている。さらに、蓋体22には、接続端子12Aを導出する箇所に挿通孔24が形成されており、この挿通孔24に接続端子12Aを嵌め込むことでケーシング20から接続端子12Aを隙間なく導出できるようになっている(図3参照)。
このように本実施形態のスイッチングユニット10Aによれば、上記実施形態1の作用効果に加えて、特にスイッチングユニット10Aの抜脱時に蓋体22がユニット本体15を押さえるので、スイッチングユニット10Aの耐久性が向上する。
次に、本発明の実施形態3を図5によって説明する。
本実施形態のスイッチングユニット10Bは、ケーシング20の本体21の接続端子12Aの導出側を壁面にて閉塞するとともに、その対向する側を開口部とする構成である点が上記実施形態1と相違するものである。他の同様の構成については同様の符号を付し、重複した説明は省略する。
このような構成のスイッチングユニット10Bによれば、特に抜脱時のユニット本体15に作用する力をケーシング20で受け止めるので、スイッチングユニット10Bの耐久性が向上する。
また、ケーシング20に対するユニット本体15の組付けをハウジング28と反対側から行うことができるので、作業性が向上する。
次に、本発明の実施形態4を図6によって説明する。
本実施形態のスイッチングユニット10Cは、上記実施形態3と比して、ケーシング20の本体21の接続端子12Aの導出側と対向する側の開口部を蓋体22にて閉塞する点が相違するものである。他の同様の構成については同様の符号を付し、重複した説明は省略する。
このような構造によれば、スイッチングユニット10Cの挿入時・抜脱時いずれにおいてもユニット本体15をケーシング20にて保持できるので、スイッチングユニット10Cの耐久性が向上する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態ではケーシング20の本体21とハウジング28とが一体であったが、別体のものでもよい。
(2)上記実施形態において、ケーシング20がモールド成形によってユニット本体15を封止するように形成されたものであってもよい。このようなものによれば、上記実施形態における封止剤50を用いなくても防水性を向上させることが可能となる。
(3)上記実施形態では放熱板25を備えるものであったが、これに限らず、放熱板25等の放熱手段を省略した構成のものであってもよい。
(4)上記実施形態において、ケーシング20の内壁のうち、放熱板25が当接する側の内壁を他よりも薄肉とするものであってもよい。これにより、放熱性が向上できる。
また、ケーシングを構成する樹脂にアルミナ等のフィラーを添加した樹脂を用いることで、ケーシング20全体の放熱性を高めたものであってもよい。
(5)上記実施形態では放熱板をケーシングの内部に収容するものであったが、これに限らず、放熱板25をケーシング20の外部に露出させたものであってもよい。
(6)上記実施形態ではスイッチングユニット10,10A,10B,10Cはスイッチングデバイス13に半導体スイッチング素子を実装するものであったが、これに限らず、例えばIC等を実装するものであってもよい。
(7)上記実施形態において、制御系回路にIC、マイコン等を実装するものであってもよい。
(8)上記実施形態において、さらに放熱面積を増加するため放熱板に放熱フィン等の放熱手段を追加する構造のものであってもよい。
(9)上記実施形態ではスイッチングデバイス13に半導体スイッチング素子を用いるものであったが、これに限らず、ベアチップ等を実装するものであってもよい。
(10)上記実施形態ではケーシング20が樹脂製のものであったが、例えば金属製のものであってもよい。この場合、例えば、金属製ケーシングの表面に絶縁被膜を形成する等してケーシングとユニット本体との間の絶縁を図る構成とするのが望ましい。
11…回路基板
12…バスバー回路
12A…接続端子
13…スイッチングデバイス
15…ユニット本体(回路体)
20…ケーシング
25…放熱板(放熱手段)
28…ハウジング
30…絶縁部材
50…封止剤
Claims (4)
- 電流のオン/オフを制御可能なスイッチングデバイスと、外部との接続を行うための接続端子とを備え、電気接続箱に対して着脱可能に組み付けられるスイッチングユニットにおいて、
絶縁物を介して互いに密着された回路基板とバスバー回路とを有し、これらの双方に対して前記スイッチングデバイスが接続されてなる回路体を、ケーシングに収容して備え、
前記バスバー回路の端部に前記接続端子が一体に延設されるとともに、
前記接続端子の嵌合方向の側方を包囲するハウジングと、
前記回路体を冷却するための放熱板と、を備え、
前記ケーシングには、前記ハウジングが一体に形成されていて、前記接続端子の相手側との嵌合方向以外を閉塞してなるとともに、前記ケーシングには、前記放熱板の端部を嵌め入れる溝が形成されており、この溝に嵌め入れられた前記放熱板の面は前記ケーシングの内壁面に密着しており、
前記ケーシング内には前記回路体を被覆する封止剤が充填されていることを特徴とするスイッチングユニット。 - 前記バスバー回路は、全体形状が前記回路基板と同様の略方形状をなし、前記回路基板のほぼ全体に亘る領域を前記バスバー回路で支持していることを特徴とする請求項1に記載のスイッチングユニット。
- 前記放熱板が、前記バスバー回路の前記回路基板が密着された面と反対側の面に密着するように配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスイッチングユニット。
- 前記放熱板の前記接続端子側の端部には、切欠き部が形成されており、この切欠き部に絶縁部材が嵌め込まれていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のスイッチングユニット。
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