JP4779546B2 - 穴加工工具 - Google Patents
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Description
このリーマは、例えば特許文献2に開示されているような切削工具に装着されて使用されるものであり、この切削工具が工作機械等に主軸端に装着されて、軸線回りに回転されるとともに、被切削材の下穴、例えば、ステムガイド穴やエンジンのシリンダーヘッドにおけるバルブ穴等に挿入され、この下穴の内壁面を切削して所定の内径の加工穴を形成するものである。
シャンク部2は、概略多段円柱状をなしており、その後端側には、このリーマ1を切削工具に装着するための装着部4が設けられている。一方、シャンク部2の先端面には、中央部分がシャンク部2後端側に向けて凹んだV字溝5が形成されている。
また、このシャンク部2には図示しないクーラント供給孔が、シャンク部2の先端側から後端側にかけて貫通するように形成され、V字溝5に開口されている。
刃先部3の先端外周部には、図9に示すように、軸線O方向後端側に向けて延びて工具回転方向T前方側に所定の角度で捩れる6条の切屑排出溝7が、周方向に等間隔で軸線Oに対して60度ずつ回転対称に配置されている。
切屑排出溝7は、図9に示すように、溝底が凹円弧状とされた断面V字状をなしており、このV字のなす角度は概略80°とされ、すくい面とされる工具回転方向T前方側を向く壁面8は、概略刃先部3の外形の断面がなす円の径方向に沿って延びるように形成されている。
また、切削時の切削抵抗によって、例えば吐出孔が形成された部分を起点として、リーマが折損してしまうことがあった。
以下に、本発明の第1の実施形態である穴加工工具について添付した図面を参照にして説明する。図1及び図2に本発明の実施形態である穴加工工具としてのリーマを示す。また、図3にこのリーマが装着される切削工具を示す。
リーマ21は、長尺円柱状をなすシャンク部22と、このシャンク部22の先端側(図2において下側)に配置された刃先部23とで構成されている。
シャンク部22の先端側は、後端側に比べて一段小径とされており、先端面に中央部分がシャンク部22後端側に向けて凹んだV字溝25が、その溝底部を軸線Oに直交させてV字の2等分線が軸線O上に位置するように形成されている。ここで、V字溝25が有する2つの側壁面のなす角度は、60°〜120°の範囲内とされ、本実施形態では90°に設定されている。
また、このシャンク部22には、クーラント供給孔がシャンク部22の先端側から後端側にかけて貫通するように形成されており、V字溝25に開口されている。
刃先部23の先端外周部には、軸線O方向後端側に向けて延びて工具回転方向T前方側に所定の捩れ角(本実施形態では15°)で捩れる複数の切屑排出溝27が、周方向に等間隔で軸線Oに対して所定角度ずつ回転対称に配置されている。この第1の実施形態では、図1に示すように、6条の切屑排出溝27が軸線Oに対して60°ずつ回転対称に配置されている。
このように切刃30を形成することにより、切屑排出溝27の工具回転方向T前方側を向く壁面28がすくい面とされ、工具回転方向T後方側に連なる外周面29が逃げ面とされる。そして、この切刃30は、切屑排出溝27と同じく後端側に向かうにしたがい軸線O回りに工具回転方向T前方側に所定の捩れ角(本実施形態では15°)で捩れるらせん状に形成されている。この切刃30が軸線O回りになす回転軌跡は、本実施形態においては軸線Oを中心とした円筒面状とされている。
この工具本体42の先端面42Aには、軸線Mに沿うように延びる装着孔44が穿設されている。この装着孔44の後端側に連通するように位置調整ボルト45が挿入されたクーラント孔46が設けられており、このクーラント孔46は工具本体42後端側に設けられた取付部47に開口されている。
また、工具本体42の側面に開口して装着孔44に連通されたネジ孔48が形成され、クランプネジ49が螺着されている。
この第2の実施形態であるリーマ21は、図4に示すように、断面V字状の切屑排出溝27が3条設けられ、これら切屑排出溝27が軸線Oに対して120°ずつ回転対称に配置されており、この切屑排出溝27の工具回転方向T前方側を向く壁面28の外周側辺稜部に切刃30が形成された3枚刃のリーマ21である。
この排出孔36の開口部は、刃先部23の軸線方向の長さをLとしたときに、刃先部23の先端から2/3Lよりも後端側に配置されている。
また、逃げ面をなす外周面29に逃げ部32が形成されているので、加工穴の内壁面と摺動する部分を調整することができ、このリーマ21の切削抵抗を小さくすることができる。また、第1ランド部34及び第2ランド部35が形成されているので、加工穴とこれら第1、第2ランド部34、35とが摺動して加工穴の内壁面を滑らかに仕上げることができる。また、これら第1、第2ランド部34、35がガイドの役割を果たし、このリーマ21の回転が安定して加工穴を精度良く成形することができる。
さらに、排出孔36が刃先部23の軸線方向の長さをLとしたときに、刃先部23の先端から2/3Lよりも後端側に開口されているので、この逃げ部32から刃先部23先端側へ向けて排出する切削油剤の流速を大きくすることができ、切刃30によって生成した切屑をさらに確実にリーマ21先端側へ向けて排出することができる。
例えば、図6に示すように、切刃30に連なる外周面29に設けられた逃げ部32を、径方向外側に向けて凸となり軸線Oを中心とした円弧状に形成しても良い。このように逃げ部32を形成することにより、刃先部23を切り欠く部分をさらに小さくすることができ、このリーマ21の剛性をさらに向上させることができる。
22 シャンク部
23 刃先部
27 切屑排出溝
28 工具回転方向T前方側を向く壁面
29 外周面
30 切刃
31 ランド部
32 逃げ部
34 第1ランド部
35 第2ランド部
36 排出孔
Claims (1)
- 被切削材に予め形成された下穴に挿入されて下穴の内壁面を切削加工する穴加工工具であって、
軸線回りに回転されるシャンク部を有し、該シャンク部の先端側には、切刃を有する刃先部が設けられ、
該刃先部の外周部には、先端側から後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、該切屑排出溝の工具回転方向前方側を向く壁面と前記刃先部の外周面との交差稜線部に前記切刃が形成され、
前記切屑排出溝の前記軸線に垂直な断面がU字状に形成され、
前記外周面には、前記切刃に連なるように形成された第1ランド部と、該第1ランドの工具回転方向後方側に連なり径方向内側に後退した逃げ部と、該逃げ部の工具回転方向後方側に連なるように形成された第2ランド部とが備えられ、
前記逃げ部には、切削油剤を排出するための排出孔が開口されており、該排出孔は、前記刃先部の先端から前記刃先部の軸線方向長さの2/3よりも後端側に開口されていることを特徴とする穴加工工具。
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