JP4777373B2 - 光応答性核酸の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
次の工程(a):
(a) 塩基部分として、次の式I、式III、式IV、又は式V:
A1は、ハロゲン原子を示す。)
Zは、YがOまたはSであるときNH2を示し、YがNHであるときは水素原子を示し、
A1は、ハロゲン原子を示す。)
で表される基を有する核酸類(ただし、核酸類には、核酸、モノヌクレオチド及びペプチド核酸が含まれる)と、
次の式II:
R2は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示す。)
で表される化合物とを、
金属触媒、塩基性物質、溶媒の存在下で、マイクロウェーブにより加熱して、反応させる工程、
又は、次の工程(b):
(b) 塩基部分として、次の式VI、式VIII、式IX、又は式X:
R4は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示し、
A2は、ハロゲン原子を示す。)
A2は、ハロゲン原子を示す。)
Zは、YがOまたはSであるときNH2を示し、YがNHであるときは水素原子を示し、
R4は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示し、
A2は、ハロゲン原子を示す。)
A2は、ハロゲン原子を示す。)
で表される基を有する核酸類(ただし、核酸類には、核酸、モノヌクレオチド及びペプチド核酸が含まれる)と、
次の式VII:
R3−B(OH)2 (VII)
(ただし、式VII中、R3は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、又はアルコキシカルボニル基を示す。)
で表される化合物とを、
金属触媒、塩基性物質、溶媒の存在下で、マイクロウェーブにより加熱して、反応させる工程、
を含む、光応答性核酸類(ただし、核酸類には、核酸、モノヌクレオチド及びペプチド核酸が含まれる)の製造方法。
[2]
工程(a)を含んでなる、[1]に記載の方法。
[3]
工程(b)を含んでなる、[1]に記載の方法。
[4]
工程(a)によって製造される光応答性核酸類が、次の式XI、式XII、式XIII、又は式XIV:
R1は、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、アルコキシカルボニル基、又は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基を示し、
R2は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示す。)
R2は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示す。)
Zは、YがOまたはSであるときNH2を示、YがNHであるときは水素原子を示し、
R1は、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、アルコキシカルボニル基、又は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基を示し、
R2は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示す。)
R2は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示す。)
で表される基(ただし、式XIで表される基は式I及び式IIで表される基の反応から、式XIIで表される基は式III及び式IIで表される基の反応から、式XIIIで表される基は式IV及び式IIで表される基の反応から、式XIVで表される基は式V及び式IIで表される基の反応から、それぞれ製造される)を含む光応答性核酸類である、[1]又は[2]に記載の方法。
[5]
工程(b)によって製造される光応答性核酸類が、次の式XV、式XVI、式XVII、又は式XVIII:
R4は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示し、
R3は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、又はアルコキシカルボニル基を示す。)
R3は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、又はアルコキシカルボニル基を示す。)
Zは、YがOまたはSであるときNH2を示、YがNHであるときは水素原子を示し、
R4は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示し、
R3は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、又はアルコキシカルボニル基を示す。)
R3は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、又はアルコキシカルボニル基を示す。)
で表される基(ただし、式XVで表される基は式VI及び式VIIで表される基の反応から、式XVIで表される基は式VIII及び式VIIで表される基の反応から、式XVIIで表される基は式IX及び式VIIで表される基の反応から、式XVIIIで表される基は式X及び式VIIで表される基の反応から、それぞれ製造される)を含む光応答性核酸類である、[1]又は[3]に記載の方法。
[6]
工程(a)が、金属触媒、塩基性物質、溶媒、及び反応活性化物質の存在下で、マイクロウェーブにより加熱して行われる、[1]、[2]、又は[4]に記載の方法。
[7]
工程(b)が、金属触媒、塩基性物質、溶媒、及び反応活性化物質の存在下で、マイクロウェーブにより加熱して行われる、[1]、[3]、又は[5]に記載の方法。
[8]
金属触媒が、パラジウム錯体触媒である、[1]〜[7]の何れかに記載の方法。
[9]
溶媒が、非プロトン性極性溶媒である、[1]〜[8]の何れかに記載の方法。
[10]
塩基性物質が、C1〜C6のアルキル基を有するトリアルキルアミンである、[1]〜[9]の何れかに記載の方法。
[11]
反応活性化物質が、カルボン酸塩水溶液である、[6]〜[10]の何れかに記載の方法。
[12]
塩基性物質と反応活性化物質とを兼ねて、カルボン酸塩水溶液が使用される、[6]〜[11]の何れかに記載の方法。
[13]
カルボン酸塩水溶液が、C1〜C3のカルボン酸のアルカリ金属塩の水溶液である、[11]〜[12]の何れかに記載の方法。
[14]
カルボン酸塩水溶液が、pH4.5〜6.0の範囲にある緩衝液である、[11]〜[13]の何れかに記載の方法。
[15]
マイクロウェーブによる加熱が、70〜140℃の範囲の温度で行われる、[1]〜[14]の何れかに記載の方法。
[16]
マイクロウェーブによる加熱が、1〜30分の範囲の時間で行われる、[1]〜[15]の何れかに記載の方法。
[18] 工程(a)において、式I、式III、式IV、又は式Vで表される基と水素原子とが結合してなる化合物と、式IIで表される化合物とを、反応させて、式XI、式XII、式XIII、又は式XIVで表される基と水素原子とが結合してなる光応答性塩基を製造する方法。
[19] 工程(b)において、式VI、式VIII、式IX、又は式Xで表される基と水素原子とが結合してなる化合物と、式VIIで表される化合物とを、反応させて、式XV、式XVI、式XVII、又は式XVIIIで表される基と水素原子とが結合してなる光応答性塩基を製造する方法。
[20] 工程(a)において、塩基部分として式I、式III、式IV、又は式Vで表される基を有するヌクレオシド又はその誘導体と、式IIで表される化合物とを、反応させて、式XI、式XII、式XIII、又は式XIVで表される光応答性のヌクレオシド又はその誘導体を製造する方法。
[21] 工程(b)において、塩基部分として式VI、式VIII、式IX、又は式Xで表される基を有するヌクレオシド又はその誘導体と、式VIIで表される化合物とを反応させて、式XV、式XVI、式XVII、又は式XVIIIで表される光応答性のヌクレオシド又はその誘導体を製造する方法。
(a) 塩基部分として、次の式I、式III、式IV、又は式V:
A1は、ハロゲン原子を示す。)
Zは、YがOまたはSであるときNH2を示し、YがNHであるときは水素原子を示し、
A1は、ハロゲン原子を示す。)
で表される基を有する核酸類(ただし、核酸類には、核酸及びペプチド核酸が含まれる)と、
次の式II:
R2は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示す。)
で表される化合物とを、
金属触媒、塩基性物質、溶媒の存在下で、マイクロウェーブにより加熱して、反応させる工程、
又は、次の工程(b):
(b) 塩基部分として、次の式VI、式VIII、式IX、又は式X:
R4は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示し、
A2は、ハロゲン原子を示す。)
A2は、ハロゲン原子を示す。)
Zは、YがOまたはSであるときNH2を示、YがNHであるときは水素原子を示し、
R4は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示し、
A2は、ハロゲン原子を示す。)
A2は、ハロゲン原子を示す。)
で表される基を有する核酸類(ただし、核酸類には、核酸及びペプチド核酸が含まれる)と、
次の式VII:
R3−B(OH)2 (VII)
(ただし、式VII中、R3は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、又はアルコキシカルボニル基を示す。)
で表される化合物とを、
金属触媒、塩基性物質、溶媒の存在下で、マイクロウェーブにより加熱して、反応させる工程、
を含む、光応答性核酸類の製造方法にある。
工程(a)によって製造される光応答性核酸類として、次の式XI、式XII、式XIII、又は式XIV:
R1は、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、アルコキシカルボニル基、又は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基を示し、
R2は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示す。)
R2は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示す。)
Zは、YがOまたはSであるときNH2を示、YがNHであるときは水素原子を示し、
R1は、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、アルコキシカルボニル基、又は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基を示し、
R2は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示す。)
R2は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示す。)
で表される基(ただし、式XIで表される基は式I及び式IIで表される基の反応から、式XIIで表される基は式III及び式IIで表される基の反応から、式XIIIで表される基は式IV及び式IIで表される基の反応から、式XIVで表される基は式V及び式IIで表される基の反応から、それぞれ製造される)を含む光応答性核酸類を、製造する方法にあり、
及び、工程(b)によって製造される光応答性核酸類として、次の式XV、式XVI、式XVII、又は式XVIII:
R4は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示し、
R3は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、又はアルコキシカルボニル基を示す。)
R3は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、又はアルコキシカルボニル基を示す。)
Zは、YがOまたはSであるときNH2を示、YがNHであるときは水素原子を示し、
R4は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示し、
R3は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、又はアルコキシカルボニル基を示す。)
R3は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、又はアルコキシカルボニル基を示す。)
で表される基(ただし、式XVで表される基は式VI及び式VIIで表される基の反応から、式XVIで表される基は式VIII及び式VIIで表される基の反応から、式XVIIで表される基は式IX及び式VIIで表される基の反応から、式XVIIIで表される基は式X及び式VIIで表される基の反応から、それぞれ製造される)を含む光応答性核酸類を、製造する方法にある。
マイクロ波を用いた効率的加熱による短時間、高収率な光応答性化合物の合成を行った。このとき式1に示す様にビニル基を有する基質を複数種類試した。
(1)5−カルボメトキシビニル−2’−デオキシウリジン(CVU)の合成
式(1)に従い図1に示す化合物(CVU)の合成を行った。窒素雰囲気下でパラジウム(II)アセテート(13.4 mg, 0.06 mmol)をDMF(500μl)に溶かし込み、そこへ粉末のままの5−ヨード−2’−デオキシウリジン(200 mg, 0.56 mmol)を加え懸濁させた。更にトリブチルアミン(130μl, 0.56 mmol)、メチルアクリレート(120μl, 1.12 mmol)を加えた。試薬添加後、マイクロウェーブ照射により100℃まで加熱して4分間反応させた。反応終了後のサンプルをろ過し、パラジウム粉を取り除き、エバポレーターにて溶媒を除去した。シリカゲルカラムを用いて精製を行った。展開溶媒をCHCl3:MeOH=95:5から9:1に変化させて白色固体の生成物(162 mg, 0.52 mmol, 92%)を得た。1H NMRの分析結果から図1に示す化合物である5−カルボメトキシビニル−2’−デオキシウリジン(CVU)と同定した。
1H NMR (DMSO 300 MHz) δ11.6 (br. s, 1H, 3NH); 8.42 (s, 1H, H-C(6)); 7.38 (d, 1H, J=16.2 Hz, CH=CH); 6.86 (d, 1H, J=16.2 Hz, CH=CH); 6.14 (t, 1H, J=6.3, H-C(1')) ; 5.26 (d, 1H J= 4.2 Hz, 3'-OH); 5.17(t, 1H, J= 5.4 Hz, 5'-OH); 4.26 (m, 1H, H-C(3')); 3.81 (dd, 1H, J= 6.6, 3.3 Hz, H-C(4')); 3.69 (s, 3H, OMe); 3.63-3.59 (m, 2H, H-C(5')); 2.21-2.16 (m, 2H, H-C(2')).
HRMS (MALDI) cald. for C13H17N2O7 [(M+H)+]: 313.104, found: 313.333.
(2)5−カルバモイルビニル−2’−デオキシウリジン(CMVU)の合成
式(1)に従い図2に示す化合物(CMVU)の合成を行った。窒素雰囲気下でパラジウム(II)アセテート(13.4 mg, 0.06 mmol)をDMF(500μl)に溶かし込み、そこへ粉末のままの5−ヨード−2’−デオキシウリジン(200 mg, 0.56 mmol)を加え懸濁させた。更にトリブチルアミン(130μl, 0.56 mmol)、アクリルアミド(100 mg, 1.40 mmol)を加えた。試薬添加後、マイクロウェーブ照射により100℃まで加熱して4分間反応させた。反応終了後のサンプルをろ過し、パラジウム粉を取り除き、エバポレーターにて溶媒を除去した。CHCl3:MeOH=1:1の溶媒で洗浄し白色個体(141 mg, 0.48 mmol, 85%)を得た。1H NMRの分析結果から図2に示す化合物である5−カルバモイルビニル−2’−デオキシウリジン(CMVU)と同定した。
1H NMR (DMSO 300 MHz) δ11.5 (br. s, 1H, 3NH); 8.28 (s, 1H, H-C(6); 7.50 (br. s, 1H, NH2); 6.91 (br. s,1H,NH2); 7.12 (d, 1H, J=15.6 Hz, CH=CH); 6.97 (d, 1H, J=15.6 Hz, CH=CH); 6.14 (t, 1H, J=6.3, H-C(1')); 5.25 (d, 1H, J=4.2 Hz, 3'-OH); 5.16 (t, 1H, J=5.1 Hz, 5'-0H); 4.26 (m, 1H, H-C(3')); 3.81 (m, 1H, H-C(4')); 3.66-3.59 (m, 2H, H-C(5'); 2.21-2.09 (m, 2H, H-C(2')).
HRMS (MALDI) cald. for C12H15N3O6Na [(M+Na)+]: 320.086, found: 320.502.
(3)5−シアノビニル−2’−デオキシウリジン(CNVU)の合成
式(1)に従い図3に示す化合物(CNVU)の合成を行った。窒素雰囲気下でパラジウム(II)アセテート(13.4 mg, 0.06 mmol)をDMF(500μl)に溶かし込み、そこへ粉末のままの5−ヨード−2’−デオキシウリジン(200 mg, 0.56 mmol)を加え懸濁させた。更にトリブチルアミン(130μl, 0.56 mmol)、アクリロニトリル(91μl, 1.40 mmol)を加えた。試薬添加後、マイクロウェーブ照射により100℃まで加熱して4分間反応させた。反応終了後のサンプルをろ過し、パラジウム粉を取り除き、エバポレーターにて溶媒を除去した。シリカゲルカラムを用いて精製を行った。展開溶媒をCHCl3:MeOH=95:5から9:1に変化させて白色固体の生成物(82 mg, 0.31 mmol, 54%)を得た。1H NMRの分析結果から図3に示す化合物である5−カルボメトキシビニル−2’−デオキシウリジン(CNVU)と同定した。
1H NMR (DMSO 300 MHz) δ11.7 (br. s, 1H, 3NH); 8.35 (s, 1H, H-C(6)); 7.23 (d, 1H, J=16.2 Hz, CH=CH); 6.52 (d, 1H, J=16.2 Hz, CH=CH); 6.10 (t, 1H, J=6.0, H-C(1')); 5.27 (d, 1H, J=4.2 Hz, 3'-OH); 5.11 (t, 1H, J=5.4 Hz, 5'-OH); 4.25 (m, 1H, H-C(3')); 3.82 (dd, 1H, J=7.2, 3.6 Hz, H-C(4')); 3.68-3.57 (m,2H, H-C(5')); 2.20-2.15 (m, 2H, H-C(2')).
HRMS (MALDI) cald. for C12H13N3O6Na [(M+Na)+]: 302.075, found: 302.067.
(4)5−ビニル−2’−デオキシウリジン(VU)の合成
式(1)に従い図1に示す化合物(VU)の合成を行った。窒素雰囲気下でパラジウム(II)アセテート(13.4 mg, 0.06 mmol)をDMF(500μl)に溶かし込み、そこへ粉末のままの5−ヨード−2’−デオキシウリジン(200 mg, 0.56 mmol)を加え懸濁させた。更にトリブチルアミン(130μl, 0.56 mmol)、メチルアクリレート(1.04 ml, 11.3 mmol)を加えた。試薬添加後、マイクロウェーブ照射により100℃まで加熱して20分間反応させた。反応終了後のサンプルをろ過し、パラジウム粉を取り除き、エバポレーターにて溶媒を除去した。シリカゲルカラムを用いて精製を行った。展開溶媒をCHCl3:MeOH=95:5から9:1に変化させて白色固体の生成物(80 mg, 0.31 mmol, 56%)を得た。1H NMRの分析結果から図4に示す化合物である5−ビニル−2’−デオキシウリジン(VU)と同定した。
1H NMR (DMSO 300 MHz) δ11.4 (br. s, 1H, 3NH); 8.11 (s, 1H, H-C(6)); 6.36 (dd, 1H, J=17.7, 11.5 Hz, CH=CH); 6.15 (t, 1H, J=6.3, H-C(1')); 5.82-5.78 (m, 1H, vinyl cis); 5.26-5.09 (m, 3H, vinyl trans, 3'-OH, 5'-OH); 4.25 (t, 1H, J=4.0 Hz, H-C(3')); 3.79-3.78 (m, 1H, H-C(4')); 3.65-3.54 (m, 2H, H-C(5')); 2.18- 2.10 (m,2H, H-C(2')).
HRMS (MALDI) cald. for C11H14N2O5Na [(M+Na)+]: 277.080, found:277.066.
5−ヨード−2’−デオキシウリジン(IU)を含むオリゴデキシヌクレオチド(ODN)から光応答性核酸合成のポスト合成を行った。
ODN1(IU)(5'-IUTTTTT-3')またはODN2(IU)(5'-IUGCGTGA-3')はABI 3400 DNA合成機を用いて合成した。アンモニア水溶液によるサポートからの切り出しを行わず、CPGとして得た。
[5−シアノビニル−2’−デオキシウリジン(CNVU)含有ODNのポスト合成]
式(2)に従い5−シアノビニル−2’−デオキシウリジン(CNVU)含有ODNのポスト合成を進めた。
calcd. for ODN1(CNVU):[(M+H)+] 1801.22, found 1801.46.
MALDI-TOF-MSの分析結果から、ODNのポスト合成に成功したことを確認した。
[5−カルバモイルビニル−2’−デオキシウリジン(CVU)含有ODNのポスト合成]
式(3)に従い5−カルバモイルビニル−2’−デオキシウリジン(CVU)を進めた。
calcd. for ODN2(CVU):[(M+H)+] 2192.47, found 2192.51.
MALDI-TOF-MSの分析結果から、A,G,C,Tを含むODNに対してもポスト合成に成功したことを確認した。
[5−ブロモビニル−2’−デオキシウリジン(BrVU)を含むオリゴデキシヌクレオチド(ODN)からの光応答性核酸合成]
[実施例7]
[5−ビニルフラン−2’−デオキシウリジン含有ODNのポスト合成]
式(4)に従い5−ビニルフラン−2’−デオキシウリジン含有ODNのポスト合成を進めた。
MALDI-TOF MSによる質量分析を行ったところ、目的産物であるODN(VFU)の質量に一致する値を得た。
calcd. for ODN(VFU):[(M+H)+] 1902.30, found 1902.85
[5−ビニルベンゾフラン−2’−デオキシウリジン含有ODNのポスト合成]
5−ビニルベンゾフラン−2’−デオキシウリジン含有ODNのポスト合成を進めた。
ODN(BrVU)−CPG(2 mg, approximately 100 nmol loading)にDMF(150μL)と2-benzofuran boronic acid(64.8 mg, 400μmol)とPdCl2(PPh3)2(14.0 mg, 20μmol)とtriethyl amine(100μL)を順に加えた後、マイクロウェーブを用いて反応溶液を100℃で10分間加熱した。上澄み溶液を除去し、DMF(500μLx4)で洗浄した後、水(500μLx4)で洗浄した後、澄み溶液と洗浄水溶液を混合した。反応後のCPGにアンモニア水溶液(500μL)を加えて65℃で4時間インキュベートしてサポートからの切り出しをした。SpeedVacを用いてアンモニアを除去した後、HPLC分析をした(図8)。
9は以前に合成したVBFU含有ODNを標品としてHPLC分析しものであるクルードの状態でMALDI-TOF MSによる質量分析を行ったところ、目的産物であるODN(VBFU)の質量に一致する値を得た。
calcd. for ODN(VBFU):[(M+H)+] 1952.36, found 1952.05
[5−ビニルチオフェン−2’−デオキシウリジン含有ODNのポスト合成]
式(4)に従い5−ビニルチオフェン−2’−デオキシウリジン含有ODNのポスト合成を進めた。
ODN(BrVU)−CPG(2 mg, approximately 100 nmol loading)にDMF(150μL)と2-thiophen boronic acid (51.2 mg, 400μmol)とPdCl2(PPh3)2(14.0 mg, 20μmol)とtri-ethyl amine(100μL)を順に加えた後、マイクロウェーブを用いて反応溶液を100℃で10分間加熱した。上澄み溶液を除去し、DMF(500μLx4)で洗浄した後、水(500μLx4)で洗浄した後、澄み溶液と洗浄水溶液を混合した。反応後のCPGにアンモニア水溶液(500μL)を加えて65℃で4時間インキュベートしてサポートからの切り出しをした。SpeedVacを用いてアンモニアを除去した後、HPLCを用いて精製した。
MALDI-TOF MSによる質量分析を行ったところ、目的産物である5-vinylthiophen-dU含有ODN(VTU)の質量に一致する値を得た。
calcd. for ODN(VTU):[(M+H)+] 1916.33, found 1916.77
[5−ビニルベンゾチオフェン−2’−デオキシウリジン含有ODNのポスト合成]
式(4)に従い5−ビニルベンゾチオフェン−2’−デオキシウリジン含有ODNのポスト合成を進めた。
ODN(BrVU)−CPG(2 mg, approximately 100 nmol loading)にDMF(150μL)と2-tbenzothiophen boronic acid(71.2 mg, 400μmol)とPdCl2(PPh3)2(14.0 mg, 20μmol)とtriethyl amine(100μL)を順に加えた後、マイクロウェーブを用いて反応溶液を100℃で10分間加熱した。上澄み溶液を除去し、DMF(500μLx4)で洗浄した後、水(500μLx4)で洗浄した後、澄み溶液と洗浄水溶液を混合した。反応後のCPGにアンモニア水溶液(500μL)を加えて65℃で4時間インキュベートしてサポートからの切り出しをした。SpeedVacを用いてアンモニアを除去した後、HPLCを用いて精製した。
MALDI-TOF MSによる質量分析を行ったところ、目的産物である5-vinylthiophen-dU含有ODN(VTU)の質量に一致する値を得た。
calcd. for ODN(VBFU):[(M+H)+] 1967.34, found 1967.20
上記実施例5〜10のポスト合成法によれば、種々の光応答性核酸の合成を、わずか1日以内で行うことができた。一方で、従来のフォスホアミダイト法による光応答性核酸の合成によれば、いずれの光応答性核酸も、その都度1週間程度の合成の日数を要した。
Claims (13)
- 次の工程(a):
(a) 塩基部分として、次の式I:
A1は、ハロゲン原子を示す。)
で表される基を有する核酸と、
次の式II:
R2は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示す。)
で表される化合物とを、
パラジウム錯体触媒、塩基性物質、溶媒の存在下で、マイクロウェーブにより加熱して、反応させる工程、
を含む、
次の式XI:
R1は、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、アルコキシカルボニル基、又は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基を示し、
R2は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示す。)
で表わされる基を含む核酸の製造方法、
又は、次の工程(b):
(b) 塩基部分として、次の式VI:
R4は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示し、
A2は、ハロゲン原子を示す。)
で表される基を有する核酸と、
次の式VII:
R3−B(OH)2 (VII)
(ただし、式VII中、R3は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、又はアルコキシカルボニル基を示す。)
で表される化合物とを、
パラジウム錯体触媒、塩基性物質、溶媒の存在下で、マイクロウェーブにより加熱して、反応させる工程、
を含む、
次の式XV:
R4は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、シアノ基、又はC1〜C6のアシル基を示し、
R3は、置換若しくは無置換の芳香族化合物の一価基、水素原子、シアノ基、カルボキサミド基、又はアルコキシカルボニル基を示す。)
で表わされる基を含む核酸の製造方法。 - 工程(a)を含んでなる、請求項1に記載の方法。
- 工程(b)を含んでなる、請求項1に記載の方法。
- 工程(a)が、パラジウム錯体触媒、塩基性物質、溶媒、及びカルボン酸塩水溶液の存在下で、マイクロウェーブにより加熱して行われる、請求項1又は2に記載の方法。
- 工程(b)が、パラジウム錯体触媒、塩基性物質、溶媒、及びカルボン酸塩水溶液の存在下で、マイクロウェーブにより加熱して行われる、請求項1又は3に記載の方法。
- 塩基性物質が、C1〜C6のアルキル基を有するトリアルキルアミンである、請求項1〜5の何れかに記載の方法。
- 工程(a)が、パラジウム錯体触媒、溶媒、及びカルボン酸塩水溶液の存在下で、マイクロウェーブにより加熱して行われる、請求項1又は2に記載の方法。
- 工程(b)が、パラジウム錯体触媒、溶媒、及びカルボン酸塩水溶液の存在下で、マイクロウェーブにより加熱して行われる、請求項1又は3に記載の方法。
- カルボン酸塩水溶液が、C1〜C3のカルボン酸のアルカリ金属塩の水溶液である、請求項4〜8の何れかに記載の方法。
- カルボン酸塩水溶液が、pH4.5〜6.0の範囲にある緩衝液である、請求項4〜9の何れかに記載の方法。
- マイクロウェーブによる加熱が、70〜140℃の範囲の温度で行われる、請求項4〜10の何れかに記載の方法。
- マイクロウェーブによる加熱が、1〜30分の範囲の時間で行われる、請求項4〜11の何れかに記載の方法。
- 溶媒が、非プロトン性極性溶媒である、請求項1〜12の何れかに記載の方法。
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