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JP4772580B2 - 容器詰液体調味料 - Google Patents

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JP4772580B2 JP2006121532A JP2006121532A JP4772580B2 JP 4772580 B2 JP4772580 B2 JP 4772580B2 JP 2006121532 A JP2006121532 A JP 2006121532A JP 2006121532 A JP2006121532 A JP 2006121532A JP 4772580 B2 JP4772580 B2 JP 4772580B2
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Description

本発明は、低ナトリウムで、カリウム等を含有する容器詰液体調味料に関する。
ナトリウムは、塩味の主体をなすもので、調味料として有用であり、殆ど全ての食品に何らかの形で含まれている。また、生体にとっては重要な電解質の一つであり、恒常性維持の為に必須の成分である。ところが、ナトリウムの過剰摂取と高血圧症、心臓疾患、腎臓疾患との関連が明らかにされてきており、ナトリウムの過剰摂取を控えたいという要望は年々高くなる傾向にある。
そこで、ナトリウム量を低減してカリウムを配合することで塩味を増強する技術(特許文献1)が提案されているが、カリウム由来の特有の異味が感じられ好ましいものではない。これに対して、カリウムの異味をマスキングする方法として、糖アルコール、糖類、ステビア、有機酸/塩、塩化アンモニウムやアミノ酸を用いたり、ミネラルバランスを調整する技術などが開示されている(特許文献2〜12)。このほか、グルタミン酸やイノシン酸等を配合する技術が知られている(特許文献13〜15)。
特公昭47-13698号公報 特開昭62-32855号公報 特開昭57-186460号公報 特開昭58-209957号公報 特開昭58-212764号公報 特開昭59-55165号公報 特開平1-13968号公報 特開平3-139258号公報 特開平6-189709号公報 特開平11-187841号公報 特開2000-308468号公報 特開2002-325554号公報 特開昭58-94368号公報 特開2000-253849号公報 特開2002-142715号公報
前述の従来技術においては、カリウム由来の異味抑制に十分な効果が得られない、風味バランスが損なわれてしまうなどの課題があり、継続摂取が可能な風味とは言えないのが現状である。従って、ナトリウム量が少ないにもかかわらず塩味が増強され、カリウム由来の異味が抑制されて風味バランス良好で、継続摂取可能な容器詰液体調味料を得ることが望まれている。
本発明の目的は、ナトリウム量が少ないにもかかわらず塩味が増強され、カリウム由来の異味が抑制されて風味バランス良好で、継続摂取可能な容器詰液体調味料を提供することにある。
本発明者は、風味良好で有用な容器詰液体調味料について検討してきた。その結果、ナトリウム、カリウム、特定のアミノ酸及びエタノールを特定の割合で配合することにより、ナトリウム量が少ないにもかかわらず塩味が増強され、カリウム由来の異味が抑制されて風味バランス良好で、継続摂取可能な容器詰液体調味料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D)、
(A)ナトリウム 5.5質量%以下
(B)カリウム 0.5〜6質量%
(C)酸性アミノ酸が2質量%超、及び/又は塩基性アミノ酸が1質量%超
(D)エタノール 1〜10質量%
を含有する容器詰液体調味料を提供するものである。
本発明によれば、ナトリウム量が少ないにもかかわらず塩味が増強され、カリウム由来の異味が抑制されて風味バランス良好で、継続摂取可能な良好な風味を有する容器詰液体調味料を得ることができる。そして、本発明の容器詰液体調味料を用いることで、ナトリウム量が少ない食品の製造が可能となる。
本発明の容器詰液体調味料においては、(A)ナトリウム、(B)カリウム、(C)酸性アミノ酸及び/又は塩基性アミノ酸及び、(D)エタノールを含有することが必要である。
本発明の容器詰液体調味料は、(A)ナトリウムを5.5質量%(以下、単に「%」で示す)以下含有するが、好ましくは2.75〜5.5%、より好ましくは3.56〜5.5%、更に好ましくは3.6〜5.1%、更に3.7〜4.7%、特に3.85〜4.52%、殊更3.93〜4.32%含有するのが、塩味、風味バランス、保存性、コストの点で好ましい。
また、塩化ナトリウムを用いて本発明の容器詰液体調味料にナトリウムを含有させる場合には、その含有量を14%以下、好ましくは5〜13.5%、より好ましくは7〜13%、更に好ましくは9〜12.5%、更に9.1〜12%、特に9.5〜11.5%、殊更10〜11%とすることが、塩味、風味バランス、保存性、コストの点で好ましい。
本発明において、(A)ナトリウムは、食品成分表示上の「ナトリウム」又は「Na」を指し、粉末であれば食品中には塩の形態で配合されているものをいう(以下に記載する成分(B)カリウムについても同様)。人体にとっては重要な電解質のひとつであり、その大部分が細胞外液に分布している。濃度は135〜145mol/L程度に保たれており、細胞外液の陽イオンの大半を占める。そのため、ナトリウムの過剰摂取は濃度維持のための水分貯留により、高血圧の大きな原因となる。
本発明において、(A)ナトリウムとして、無機ナトリウム塩、有機酸ナトリウム塩、アミノ酸ナトリウム塩、核酸ナトリウム塩等を用いることができる。具体的には、塩化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、これらの2種以上の混合物が挙げられる。特に塩化ナトリウムとして食塩を使用するのが、コストの点で好ましい。
食塩として、様々なものが市販されているが、乾燥物基準で塩化ナトリウム100質量部(以下、単に「部」で示す)に対して、塩化マグネシウムを0.01〜2部、塩化カルシウムを0.01〜2部、塩化カリウムを0.01〜2部含有するものが、風味、工業的生産性の点で好ましい。
本発明において、ナトリウムの含有量は原子吸光光度計(Z−6100型日立偏光ゼーマン原子吸光光度計)により測定することができる。
本発明の容器詰液体調味料において、(B)カリウムの含有量は0.5〜6%であるが、好ましくは0.7〜5%、更に1〜4.2%、特に1.2〜3.1%、殊更1.3〜2.7%であることが、ナトリウム含有量が低いにもかかわらず塩味を増強させ、かつ苦味や刺激味といったカリウム由来の異味を生じない点から好ましい。また、カリウムは塩味があり、かつ異味が少ない点から塩化カリウムであることが好ましい。塩化カリウムを用いる場合は、その含有量を1〜10%、好ましくは1.3〜8%、更に1.5〜6%、特に2〜5%、殊更3〜4%とすることが好ましい。
本発明において、カリウムの含有量は原子吸光光度計(Z−6100型日立偏光ゼーマン原子吸光光度計)により測定することができる。
本発明において、成分(A)ナトリウムと成分(B)カリウムの質量比(Na/K)は、1より大であるのが好ましく、より好ましくは1.5〜10、更に2〜7、特に2.5〜6、殊更3〜5であるのが、カリウム由来の異味抑制、塩味増強、風味バランスの点で好ましい。
本発明の容器詰液体調味料において、(C)アミノ酸の含有量は、酸性アミノ酸が2%超、及び/又は塩基性アミノ酸が1%超である。
ここで、酸性アミノ酸は2%超5%以下、更に2.4〜4.5%、特に2.5〜3.8%であることが、カリウムの異味、塩味増強、風味バランスの点から好ましい。塩基性アミノ酸は1%超3%以下、更に1.2〜2.5%、特に1.5〜2%であることが、塩味増強の点から好ましい。なお、本発明の容器詰液体調味料は、醸造調味料をベースとしたものがカリウムの異味、塩味増強、風味バランスの点から好ましいが、この場合には、アミノ酸は原料醤油由来のものも含み、上記範囲に満たない場合には、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸塩等を更に添加することが好ましい。
なお、本発明にいう「酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸」は、遊離(フリー)のアミノ酸又はアミノ酸塩の状態のものを指すが、本発明に規定する含有量は、遊離のアミノ酸に換算した値をいう。本発明においては、酸性/塩基性アミノ酸ナトリウム塩を使用した場合は、ナトリウムの部分は成分(A)として、酸性/塩基性アミノ酸の部分は、成分(C)として本発明を構成するものとする。例えば、グルタミン酸ナトリウムの場合、ナトリウムは成分(A)、グルタミン酸は成分(C)の酸性アミノ酸として含有量を換算する。また、アスパラギン酸カリウム塩を使用した場合は、カリウムの部分は成分(B)として、アスパラギン酸の部分は成分(C)の酸性アミノ酸として本発明を構成するものとする。
更に、本発明の容器詰液体調味料においては、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸の中でも酸性アミノ酸であるアスパラギン酸、グルタミン酸がカリウム由来の異味抑制、塩味増強、風味バランスの点から好ましく、更に、アスパラギン酸とグルタミン酸を併用することが、カリウム由来の異味抑制、塩味増強、風味バランスの点から好ましい。この場合、アスパラギン酸の含有量は1%超3%以下が好ましく、更に1.2〜2.5%、特に1.2〜2%であることが、カリウム由来の異味抑制、塩味増強、風味バランスの点から好ましい。アスパラギン酸は、醸造調味料をベースとした場合には原料由来のものも含み、上記範囲に満たない場合には、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸ナトリウム等を更に添加することが好ましい。また、グルタミン酸の含有量は1%超2%以下が好ましく、更に1.2〜2%、特に1.3〜1.8%であることが、カリウム由来の異味抑制、塩味増強、風味バランスの点から好ましい。グルタミン酸は、醸造調味料をベースとした場合には原料由来のものも含み、上記範囲に満たない場合には、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム等を更に添加することが好ましい。
本発明において、塩基性アミノ酸としては、リジン、アルギニン、ヒスチジン、及びオルニチンが挙げられるが、中でもリジン、ヒスチジンが好ましく、特にヒスチジンが好ましい。リジンの含有量は0.5〜1%であることがカリウム由来の異味抑制、塩味増強、風味バランスの点で好ましく、ヒスチジンの含有量は0.2〜2%、更に0.5〜1%であることが、カリウム由来の異味抑制、塩味増強、風味バランスの点から好ましい。これらの塩基性アミノ酸も醸造調味料をベースとした場合には原料由来のものも含み、上記範囲に満たない場合には、更に添加することが好ましい。
上記以外のものとしては、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、シスチン、スレオニン、チロシン、イソロイシン、あるいはこれらのナトリウム塩又はカリウム塩等が挙げられ、これらを1種又は2種以上配合することができる。配合後のアミノ酸の含有量はそれぞれ遊離のアミノ酸に換算した場合、グリシンは0.3%超、アラニンは0.7%超、フェニルアラニンは0.5%超、シスチンは0%超、スレオニンは0.3%超、チロシンは0.2%超、イソロイシンは0.5%超であり、かつそれぞれ上限は1.5%以下が好ましい。中でもイソロイシンがカリウム由来の異味抑制、塩味増強、風味バランスの点で好ましく、含有量は0.5〜1%であることが好ましい。
本発明において、アミノ酸の含有量は、アミノ酸分析計(日立L−8800)を用いて測定することができる。
本発明において、特に(C)アスパラギン酸/(B)カリウムの質量比が0.25以上であることが好ましく、更に0.3〜3、特に0.46〜2、殊更0.5〜1であることが、カリウム由来の異味抑制の点で好ましい。
本発明において、容器詰液体調味料中の(D)エタノールの含有量は1〜10%であるが、好ましくは1.5〜7%、更に2〜5%未満、特に2.5〜4.5%、殊更3〜4%であるのが、カリウム由来の異味を抑制し、全体的にすっきりとした呈味性、保存性、良好な風味バランスを付与するので好ましい。
更に、容器詰液体調味料中の(D)エタノールの含有量は、(A)ナトリウム100部に対して5〜250部、好ましくは10〜200部、より好ましくは20〜180部、更に40〜170部、特に70〜135部、殊更90〜130部であるのが、カリウム由来の異味抑制、風味バランス、すっきりとした呈味、保存性の点で好ましい。
本発明において、(D)エタノールの含有量は、原料由来のエタノール量と新たに添加したエタノール量との合計量をいう。すなわち、調味料の原料として日本酒、ワイン等の酒、醤油、味醂(本みりん、みりん風調味料、塩みりん等)等の醸造調味料の他、発酵物等を用いると、原料由来のエタノールが含まれることがある。その場合には、原料由来のエタノール量と新たに添加したエタノール量との合計が、上記範囲内であるものとする。なお、(D)エタノールの含有量は、ガスクロマトグラフィー(GLC)を使用して、測定することができる(「しょうゆ試験法」、(財)日本醤油研究所編集、(株)醤協通信社販売、昭和60年)。
本発明の容器詰液体調味料は、(E)核酸系調味料を含有するのが好ましい。核酸系調味料の含有量は0.01〜5%であるのが好ましく、より好ましくは0.02〜3%、更に0.05〜2%、特に0.1〜1%であるのが、カリウム由来の異味抑制、塩味増強、風味バランス、うま味増強の点で好ましい。
更に、ナトリウム100部に対して、核酸系調味料を0.05〜10部含有するのが好ましく、より好ましくは0.1〜5部、更に0.2〜3部、特に0.3〜2部、殊更0.5〜1部含有するのが、カリウム由来の異味抑制、塩味増強、風味バランス、うま味増強の点で好ましい。
核酸系調味料としては、酵母エキス、グアニル酸、イノシン酸等のナトリウム、カリウムあるいはカルシウム塩等が挙げられる。容器詰液体調味料中の核酸系調味料の含有量は0〜0.2%が好ましく、0.01〜0.1%が特に好ましい。なお、本発明においては、核酸ナトリウム塩を使用した場合は、ナトリウムの部分は成分(A)として、核酸の部分は核酸系調味料として本発明を構成するものとする。例えば、イノシン−5’−リン酸2ナトリウムの場合、2ナトリウムは成分(A)、イノシン−5’−リン酸は核酸系調味料として含有量を換算する。また、核酸カリウム塩を使用した場合は、カリウムの部分は成分(B)として、核酸の部分は核酸系調味料として本発明を構成するものとする。
本発明において、核酸の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して測定することができる(「しょうゆ試験法」、(財)日本醤油研究所編集、(株)醤協通信社販売、昭和60年)。
本発明において、有機酸系調味料を含有するのが、カリウム由来の異味抑制、塩味増強、風味バランス、風味増強の点で好ましい。有機酸系調味料としては、コハク酸、乳酸、フマル酸、アジピン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、酢酸、これらの塩、2種以上の混合物が挙げられ、コハク酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、これらの塩、2種以上の混合物が好ましく、更にコハク酸、乳酸、リンゴ酸、これらの塩、2種以上の混合物が好ましい。
容器詰液体調味料中の有機酸系調味料の含有量は0.01〜5%が好ましく、更に0.1〜3%、特に0.2〜2%、殊更0.3〜1%であるのがカリウム由来の異味抑制、塩味増強、風味バランス、風味増強の点で好ましい。このうち、乳酸の含有量は0.01〜3%、更に0.1〜2%、特に0.2〜1%であるのが好ましい。コハク酸の含有量は0.004〜2%、更に0.06〜1.5%、特に0.1〜1%であるのが好ましい。リンゴ酸の含有量は0.01〜2%、更に0.02〜1%、特に0.05〜0.5%であるのが好ましい。
なお、本発明においては、有機酸ナトリウム塩を使用した場合は、ナトリウムの部分は成分(A)として、有機酸の部分は有機酸系調味料として本発明を構成するものとする。例えば、コハク酸2ナトリウムの場合、2ナトリウムは成分(A)、コハク酸は有機酸系調味料として含有量を換算する。また、有機酸カリウム塩を使用した場合は、カリウムの部分は成分(B)として、有機酸の部分は有機酸系調味料として本発明を構成するものとする。
本発明の容器詰液体調味料中は、糖類等の甘味料を含有するのが好ましい。甘味料の含有量は1〜30%であるのが好ましく、より好ましくは3.5〜20%、更に5〜15%、特に6〜12%、殊更7〜10%であるのが、カリウム由来の異味抑制、風味バランスの点で好ましい。糖類としては、グルコース、ガラクトース、アラビノース、フルクトース、シュークロース、マルトース、液糖、転化糖、水飴、澱粉、デキストリン等のほか、エリスリトール、グリセロール、ソルビトール、トレハロース、還元水あめ等の糖アルコールも例示される。また必要により、糖類以外のグリチルリチン、ステビオサイド、アスパルテームなどの甘味料も用いられる。
本発明において、糖類の含有量は、原料由来の糖類量と新たに添加した糖類量との合計量をいう。すなわち、調味料の原料として日本酒、ワイン等の酒、醤油、味醂(本みりん、みりん風調味料、塩みりん等)等の醸造調味料の他、発酵物等を用いると、原料由来の糖類が含まれることがある。その場合には、原料由来の糖類量と新たに添加した糖類量との合計が、上記範囲内であるものとする。なお、糖類の含有量は、液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して、測定することができる(「しょうゆ試験法」、(財)日本醤油研究所編集、(株)醤協通信社販売、昭和60年)。
本発明においては、液体調味料中の窒素含有量が1.65%以上であるのが好ましく、より好ましくは1.7〜2.2%、更に1.8〜2%であるのが塩味増強、カリウム由来の異味抑制、風味バランスの点で好ましい。特に、成分(C)を除いた液体調味料中の窒素含有量が上記範囲であるのが、塩味増強、カリウム由来の異味抑制、風味バランスの点で好ましい。
通常の醤油の窒素含有量は、1.2〜1.6%であるが、窒素含有量を1.65%以上とするには、通常の方法で醸造した醤油に、アミノ酸やペプチド、たんぱく質等の窒素を含有する物質を本発明の規定範囲の量となるように添加したり、濃縮や脱塩の工程を施すことにより製造できる。例えば、減塩濃縮法によって食塩を除去するとともに、水を主成分とする揮発成分による希釈率を調整する方法や、電気透析装置によって食塩を除去する際に起こるイオンの水和水の移動を利用して、窒素分も同時に濃縮する方法等がある。また、通常より食塩分の低い低塩醤油、減塩醤油をRO膜や減圧濃縮処理することにより、窒素含有量を高める方法や、逆に、たまり醤油、再仕込み醤油のような窒素含有量の高い醤油を脱塩処理する方法等がある。
本発明において、液体調味料中の窒素含有量は、全窒素分析装置(三菱化成TN−05型)を用いて測定することができる。
本発明の容器詰液体調味料は、(A)ナトリウム、(B)カリウム、(C)酸性/塩基性アミノ酸及び、(D)エタノールが所定量となるよう配合、攪拌、混合した調味液を容器に充填することにより、製造することができる。必要に応じて、残余成分として、(E)核酸系調味料や(F)γ−アミノ酪酸の他、糖類、有機酸系調味料、無機酸/塩、賦形剤、香辛料、抗酸化剤、着色料、保存料、強化剤、乳化剤、ハーブ、フレーバー等の食品に使用可能な各種添加物や、水を配合してもよい。
本発明の容器詰液体調味料は、加熱処理を施して製造するのが、5味(塩、甘、酸、苦、旨)の風味バランス向上、カリウム由来の異味抑制、塩味増強など風味の点で好ましい。調味液を容器に充填後、加熱処理を行ったり、調味液を予めプレート式熱交換器などで加熱処理した後に、容器に充填して製造することができる。
本発明において、加熱処理とは、成分(A)、(B)、(C)、(D)を含有する液体調味料を、特定の条件で加熱することをいう。加熱温度は、各成分の種類や量比によって異なるが、60℃以上、好ましくは70〜130℃、更に75〜120℃、特に80〜100℃、殊更85〜95℃で加熱することが、風味、安定性、色等の点から好ましい。カリウム由来の異味を抑制し、一体感のある風味を呈して風味良好となるので、60℃以上で加熱するのが好ましい。
本発明において、加熱処理時の加熱時間は、加熱温度により異なるが、60℃の場合は10秒〜120分、更に30秒〜60分、特に1分〜10分、殊更2分〜5分であることが、風味、安定性、色等の点から好ましい。80℃の場合は、2秒〜60分、更に5秒〜30分、特に10秒〜10分、殊更30秒〜5分であるのが、風味、安定性、色等の点から好ましい。90℃の場合は、1秒〜30分、更に2秒〜10分、特に5秒〜5分、殊更10秒〜2分であるのが、風味、安定性、色等の点から好ましい。また、加熱温度と加熱時間を組合せて、60〜70℃で10分以上加熱した後、80℃で1分以上加熱する方法でもよい。
本発明において、加熱処理は、液体調味料の品温で規定してもよい。加熱処理時に、品温(サンプルの中心温度)が60℃以上となるように加熱するのが好ましく、更に70〜130℃、特に80〜98℃、殊更85〜95℃となるように加熱するのが、風味、安定性、色等の点から好ましい。品温60℃の場合、60℃に達した時点(60℃達温)から60分以下の加熱処理が好ましく、更に60℃達温時より30秒〜30分、特に60℃達温時より1〜10分、殊更60℃達温時より3〜7分の加熱処理が、風味、安定性、色等の点から好ましい。品温70℃の場合、70℃に達した時点(70℃達温)から30分以下の加熱処理が好ましく、更に70℃達温時より15秒〜15分、特に70℃達温時より20秒〜5分、殊更70℃達温時より30秒〜3分の加熱処理が、風味、安定性、色等の点から好ましい。品温80℃の場合、80℃に達した時点(80℃達温)から10分以下の加熱処理が好ましく、更に80℃達温から5分以下、特に80℃達温から3分以下、殊更80℃達温から1分以下の加熱処理が、風味、安定性、色等の点から好ましい。品温90℃の場合、90℃に達した時点(90℃達温)から5分以下の加熱処理が好ましく、更に90℃達温から3分以下、特に90℃達温から1分以下、殊更90℃達温の加熱処理が、風味、安定性、色等の点から好ましい。
加熱処理において使用する装置は、60℃以上の温度が容易に得られる加熱機器であればいずれでもよいが、直火式の地釜、蒸気または湯せん式の二重缶や蛇管、多管式の連続加熱機(パイプヒーター)、プレート式熱交換器(プレートヒーター)が例示される。
本発明においては、充填を行うことが必要である。充填とは、加熱処理を施した、又は、後に加熱処理を行う液体調味料を容器に充填する工程をいう。容器に充填して密閉した容器詰め液体調味料とすることにより、流通時に風味の変化を抑制することができるので、好ましい。
本発明において、充填工程としては、(1)加熱処理した後、液体調味料の温度が低下しないうちに容器に充填する、(2)加熱処理した後、液体調味料を冷却して容器に充填する、(3)容器に充填した後、加熱処理する等が挙げられるが、(1)又は(2)が好ましく、特に(2)が風味、安定性、色、保存性の点で好ましい。
本発明の容器詰液体調味料は、液体調味料を容器に充填したものである。本発明において、充填工程で使用される容器の容量は5mL〜20Lであるのが好ましく、次に好ましくは10mL〜5L、より好ましくは50mL〜2L、更に100mL〜1L、特に300mL〜800mL、殊更450〜700mLであるのが、安定性、使い勝手の点で好ましい。本発明に使用される容器は、一般の液体調味料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、紙容器、合成樹脂製の袋、ガラス瓶などの通常の形態で提供することができる。紙容器としては、紙基材とバリア性層(アルミニウム等の金属箔、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン系重合体など)とヒートシール性樹脂層とを含む積層材を製函したものなどが挙げられる。
本発明においては、製造時に必要に応じて冷却工程を行うのが、風味、安定性の点で好ましい。冷却工程とは、加熱処理工程を経た液体調味料や、更に充填工程を経た液体調味料を冷却する工程のことである。冷却条件は、加熱温度よりも10℃以上低下させるのが好ましく、より好ましくは20℃以上、更に30℃以上低下させるのが風味バランス、カリウム由来の異味抑制の点で好ましい。冷却温度は70℃以下とするのが好ましく、更に5〜65℃、特に10℃〜50℃、殊更15〜30℃とするのが風味の劣化抑制の点で好ましい。冷却工程において使用する装置は、想定する冷却温度が容易に得られる冷却機器であればいずれでもよいが、プレート式加熱冷却装置を用いるのが好ましい。
本発明においては、静置工程を行うのが、風味が落ち着き、風味の一体感が増大するので好ましい。静置工程とは、加熱工程と充填工程を経た容器詰液体調味料を、振動がなく、直射日光が当たらない場所に静置する工程のことである。静置場所は、倉庫であるのが好ましく、更に冷暗所、特に冷蔵庫であるのが好ましい。静置期間は、1日以上であるのが好ましく、更に3日〜6ヶ月、特に1週間〜3ヶ月、殊更2週間〜1ヶ月であるのが好ましい。
本発明において、血圧降下作用を有する物質を添加してもよい。血圧降下作用を有する物質としては、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を有するペプチド、γ−アミノ酪酸、食酢、ニコチアナミン、核酸誘導体、醤油粕、スフィンゴ脂質、、フラボノイドやポリフェノール類、ペプチド以外のアンジオテンシン変換酵素阻害作用物質等が挙げられ、γ−アミノ酪酸が好ましい。これら物質の容器詰液体調味料中の含有量は0.01〜5%が好ましく、更に0.04〜2%、特に0.1〜1%、殊更0.2〜0.8%であるのが、生理機能、風味、安定性の点で好ましい。本発明において、γ−アミノ酪酸の含有量は、アミノ酸分析装置を用いて測定することができる。γ−アミノ酪酸は、特有のエグ味を呈するが、本発明の液体調味料に配合し、更に加熱処理を施すことにより、特有の風味が顕著に改善する。
また、本発明の容器詰液体調味料においては、pHが4.5〜6であるのが好ましく、更に4.6〜5.5、特に4.7〜5.3、殊更4.8〜5であることが、塩味増強、カリウム由来の異味抑制、風味バランス、保存性の点から好ましい。更に、塩素量4〜9%、固形分量20〜45%の特数値を有することが好ましい。
本発明の容器詰液体調味料を、食品の製造・加工・調理に使用することで、カリウム由来の異味抑制、塩味増強、良好な風味バランスなどの改善効果が得られる。従って、本発明は、風味改善方法、食品の加工・調理方法、食品の製造方法としても有用である。
本発明においては、液体調味料とは、醤油、つゆ、たれ等の通常、食塩を含有する液体状の調味料をいい、日本農林規格に適合する「しょうゆ」に調味料、酸味料、香料、だし、エキス類等を添加した、「しょうゆ」と同様の用途で用いられる液体調味料を含む。具体的には、麺つゆ(ストレートタイプ、濃縮タイプ)、おでんつゆ、鍋物つゆ、煮物つゆ、天つゆ、天丼つゆ等のつゆ類、蒲焼のたれ、照り焼のたれ、焼肉のたれ、焼鳥のたれ、すきやきのたれ、しゃぶしゃぶのたれ等のたれ類、だし割り醤油、土佐醤油、松前醤油、八方だし、低塩醤油等が挙げられ、低塩醤油が好ましい。
ここで、本発明における「醤油」とは、日本農林規格の「しょうゆ」と同一概念である。また、しょうゆに調味料、酸味料、香料、だし、エキス類等を添加したものを「しょうゆ加工品」という。なお、本願で記載する「液体調味料」は、上記のしょうゆ及びしょうゆ加工品を含むことはもちろん、これらの規格からは外れるが本願の要件を備えた調味料を含める概念とする。
食塩の過多な摂取は、腎臓病、心臓病、高血圧症に悪影響を及ぼすことから食塩の摂取量を制限するために、本発明の容器詰液体調味料が、使用頻度の高い醤油を含有する調味料であるのが好ましい。原料として使用する醤油としては、濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、低塩醤油、減塩醤油等を挙げることができるが、製品100g中のナトリウム量が3.55g超〜5.5g以下の低塩醤油、3.55g以下である減塩醤油を用いるのが、食塩摂取量、風味バランスの点で好ましい。
本発明において、ナトリウム含有量とカリウム含有量を所定の範囲に調整するには、例えば仕込水として食塩と例えば塩化カリウムの混合溶液を用いて醤油を製造する方法;塩化カリウム単独の溶液を仕込水として用いて得た醤油と食塩水を単独で仕込水として用いて得た醤油とを混合する方法;食塩水を仕込水として用いた通常の醤油を電気透析、膜処理等によってナトリウムを除去した脱塩醤油に塩化カリウムを添加する方法等が挙げられる。
なお、本発明において、容器詰液体調味料としてつゆ類、たれ類、だし割り醤油等を製造する場合は、醤油とだし汁を含む調味液に、成分(A)、(B)、(C)、(D)などが所定の濃度となるように各種添加物等を配合し、溶解して容器に充填することにより製造することができる。また、塩分(ナトリウム含量)を低下させた容器詰め液体調味料とする場合は、生醤油を電気透析、又は塩析/希釈により食塩含量の低下した生醤油(減塩生醤油、低塩生醤油)を調製し、火入れ工程後、成分(A)、(B)、(C)、(D)などを混合する方法、又は、火入れ工程後の醤油を電気透析、又は塩析/希釈により食塩含量の低下した醤油(減塩醤油、低塩醤油)を調製し、これとだし汁を含む調味液に成分(A)、(B)、(C)、(D)などを混合する方法等により製造することができる。更に、容器に充填する際には、加熱処理を行うのが好ましい。この場合には、(1) 加熱処理した後、液体調味料の温度が低下しないうちに容器に充填する、(2) 加熱処理しながら容器に充填する、(3) 容器に充填した後、加熱処理するのが風味、安定性、色の点で好ましい。
本発明の容器詰液体調味料は、各種食品に使用することができる。本発明の容器詰液体調味料を用いることで、塩味が増強することから、塩分量が少ない食品の設計、製造が可能となる。
本発明の容器詰液体調味料を使用した食品としては、喫食時に食塩が含まれるものであれば特に制限はないが、例えば、吸い物、味噌汁、コンソメスープ、ポタージュスープ、卵スープ、ワカメスープ、フカヒレスープ等のスープ類、そば、うどん、ラーメン、パスタ等の麺類のつゆ・スープ・ソース類、おかゆ、雑炊、リゾット、お茶漬け等の米飯調理食品、刺身、お浸し、冷奴、湯豆腐、鍋物、煮物、揚げ物、焼き物、蒸し物等の調理食品等が挙げられる。すなわち、本発明の容器詰液体調味料の食品への用途(使用方法)としては、これらの食品に容器詰液体調味料をかける用途、これらの食品を容器詰液体調味料につける用途、容器詰液体調味料と食材を用いて調理する用途、容器詰液体調味料を用いて加工食品を製造する用途などが例示される。
本発明の容器詰液体調味料の、食品中の含有量は0.01〜50%であるのが好ましく、更に0.05〜20%、特に0.1〜10%、殊更0.5〜5%であるのが風味バランス、ナトリウムや食塩摂取量の点で好ましい。
(1)風味評価1
表1に示す配合で、ガラス製サンプル瓶(50mL容)に浄水、食塩、塩化カリウム(和光純薬工業)、エタノール(和光純薬工業)、アミノ酸(アスパラギン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アルギニン、リジン塩酸塩)を添加した。これを閉栓した後、内容物を溶解して、容器詰液体調味料(試験品1〜10)を製造した。また、表2に示す配合で、上記アミノ酸の代わりにクエン酸3ナトリウム、ステビア、ソルビトール、アラニンを用いた容器詰液体調味料(試験品11〜15)を同様に製造した。
ここで、成分(B)、成分(C)及び、成分(D)を含まず、成分(A)を同濃度含有するサンプル(試験品1)を、各試験品について塩味を評価する際の対照品とした。成分(C)と成分(D)を含まず、成分(A)と成分(B)を同濃度含有するサンプル(試験品2)を、各試験品についてカリウム由来の異味を評価する際の対照品とした。これらの風味について、下記基準で官能評価を行った。その結果を表1、表2に示す。
〔塩味の評価基準〕
a:対照品に比べて、塩味が非常に増強している。
b:対照品に比べて、塩味が増強している。
c:対照品に比べて、塩味がやや増強している。
d:対照品に比べて、塩味は同等である。
e:対照品に比べて、塩味が低下している。
〔カリウム由来の異味の評価基準〕
a:カリウム由来の苦味、刺激味といった異味を全く感じない。
b:カリウム由来の苦味、刺激味といった異味が対照品に比べかなり低減している。
c:カリウム由来の苦味、刺激味といった異味が対照品に比べやや低減している。
d:カリウム由来の苦味、刺激味といった異味が対照品と同等である。
e:カリウム由来の苦味、刺激味といった異味が対照品よりも強い。
〔風味バランスの評価基準〕
a:5味(塩、甘、酸、苦、旨)の風味バランスが非常に良好である。
b:5味(塩、甘、酸、苦、旨)の風味バランスが良好である。
c:5味(塩、甘、酸、苦、旨)の風味バランスがやや良好である。
d:5味(塩、甘、酸、苦、旨)の風味バランスがあまり良好でない。
e:5味(塩、甘、酸、苦、旨)の風味バランスが不良である。
Figure 0004772580
Figure 0004772580
表1に示すように、試験品7〜10では、試験品1〜6に比べて塩味が増強され、また試験品2〜6に比べてカリウム由来の異味が抑制されて風味バランス良好であった。一方、表2に示すように、酸性/塩基性アミノ酸を含まない試験品11〜15では、カリウム由来の異味が感じられたり、風味バランスが崩れたりして好ましいものではなかった。
このように、酸性/塩基性アミノ酸とナトリウム、カリウム、エタノールを特定量含有することにより、容器詰め液体調味料の風味が改善することが示された。
(2)風味評価2
(1)で良好な風味を呈した試験品7〜10をガラス製サンプル瓶(20mL容)にそれぞれ15g入れた。これに蓋をした後、70℃のウオーターバスに浸漬し、10分間加熱処理を行った。次いで、水冷し、試験品16〜19を製造した。これらについて、(1)と同じ評価基準で風味評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0004772580
表3に示すように、加熱処理を施すことにより、塩味とカリウム由来の異味が一体化し、いっそう優れた風味になることが明らかとなった。
(3)風味評価3
表4に示す配合で、ガラス製サンプル瓶(50mL容)に浄水、醤油(減塩醤油(ヤマサ)100部と濃口醤油(キッコーマン)50部を混合したもの。ナトリウム含量4.07%、カリウム含量0.45%)、塩化カリウム(和光純薬工業)、エタノール(和光純薬工業)、アミノ酸(アスパラギン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アルギニン、リジン塩酸塩)を添加した。これを閉栓した後、内容物を溶解して、容器詰液体調味料(低塩醤油)を製造した(試験品20〜24)。また、試験品22、23をガラス製サンプル瓶(20mL容)にそれぞれ15g入れて蓋をした後、80℃のウオーターバスに浸漬し、5分間加熱処理を行った。次いで、水冷し、試験品25、26を製造した。
ここで、試験品20を、各試験品について塩味を評価する際の対照品とした。試験品21を、各試験品についてカリウム由来の異味を評価する際の対照品とした。試験品を豆腐(もめん)にかけて冷奴を作製し、(1)と同様な基準で風味評価を行った。その結果を表4に示す。
Figure 0004772580
表4に示すように、酸性/塩基性アミノ酸とナトリウム、カリウム、エタノールを特定量含有することにより、容器詰め液体調味料(低塩醤油)の風味が改善することが示された。更に、加熱処理することで、いっそう風味向上することがわかった。
(4)風味評価4
市販減塩醤油(窒素含量1.5質量%、ナトリウム含量3.2質量%、カリウム0.38質量%)を減圧濃縮し、析出した食塩を除去した。次いで、揮発水、食塩を加え、低塩醤油を調製した(窒素含量1.92質量%、ナトリウム含量3.85質量%、カリウム0.45質量%)。この低塩醤油100質量部に、塩化カリウム(和光純薬工業)2質量部、グルタミン酸ナトリウム(武田薬品)0.5質量部、アスパラギン酸ナトリウム(協和発酵)2質量部、イノシン−5’−リン酸2ナトリウム(和光純薬工業)0.02質量部、乳酸(武蔵野化学研究所、乳酸90%)0.25質量部、エタノール(和光純薬工業)2質量部を添加し、攪拌、溶解して低塩醤油を得た(試験品G)。
更に、40gの試験品Gをガラス製サンプル瓶(50mL容)に入れ、閉栓した後、70℃のウオーターバスに浸漬して、10分間加熱処理を行った。次いで、水冷した後、冷蔵庫に1日静置して容器詰低塩醤油(試験品H)を製造した。
このようにして得られた試験品Gと試験品Hについて、風味評価を行った。その結果、試験品Gは、塩味が増強し、カリウム由来の異味が抑制されたが、後味にうま味がやや強く感じられ、やや良好な風味であった。加熱処理を施した試験品Hは、試験品Gよりも塩味が強くシャープに感じられ、カリウム由来の異味がなく、しかも後味のうま味が強過ぎず一体感を有し、非常に良好な風味を呈した。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D)、
    (A)ナトリウム 3.6〜5.5質量
    (B)カリウム 0.5〜6質量%
    (C)酸性アミノ酸が2質量%超であってアスパラギン酸1質量%超〜3質量%以下及びグルタミン酸1質量%超〜2質量%以下
    (D)エタノール 1〜10質量%
    を含有する容器詰液体調味料。
  2. 成分(A)のナトリウムの含有量が3.93〜5.5質量%である請求項1に記載の容器詰液体調味料。
  3. (C)アスパラギン酸/(B)カリウムの質量比が0.5〜3である請求項1又は2に記載の容器詰液体調味料。
  4. 液体調味料が、減塩醤油又は低塩醤油である請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰液体調味料。
  5. 加熱処理工程を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰液体調味料を製造する方法。
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