図1は、本発明のPONシステムのクレーム対応図を示したものである。本発明のPONシステム10は、光カプラを介してスター接続される複数の配下の装置に対して通信経路を設定するディスカバリ・プロセスを実行するディスカバリ・プロセス実行手段と、このディスカバリ・プロセス実行手段によるディスカバリ・プロセスの実行に合わせて、機能拡張用通信路をこれら複数の配下の装置に対して形成し、それぞれ固有の機能拡張用識別子をこれらの装置に与える機能拡張用通信路形成手段と、この機能拡張用通信路形成手段によって機能拡張用通信路が形成された複数の配下の装置のうちのいずれかに対してその装置に与えた前記した機能拡張用識別子を組み込んだ機能拡張用フレームを作成する機能拡張用フレーム作成手段と、この機能拡張用フレーム作成手段によって作成した機能拡張用フレームに拡張した機能を表わす拡張機能識別子を組み込んで前記した機能拡張用通信路に前記した複数の配下の装置のうちの1つを宛先にして送出する機能拡張用フレーム送出手段とを備えたOLT装置11と、前記した配下の装置であって、OLT装置11から前記した機能拡張用フレームが送られてきたときこれを受信する機能拡張用フレーム受信手段と、この機能拡張用フレーム受信手段の受信した機能拡張用フレームから前記した機能拡張用識別子を抽出してこれが自装置にOLT装置11から与えられた前記した機能拡張用識別子と一致するかを比較する機能拡張用識別子比較手段と、この機能拡張用識別子比較手段が一致すると判別したとき前記した機能拡張用フレーム受信手段の受信した機能拡張用フレームから前記した拡張機能識別子を抽出する拡張機能識別子抽出手段と、この拡張機能識別子抽出手段によって抽出した拡張機能識別子の示す拡張した機能を実行する拡張機能実行手段とを備えた複数のONU装置12とを備えている。
図2は、本発明の他のPONシステムのクレーム対応図を示したものである。本発明の他のPONシステム20は、光カプラを介してスター接続される複数の配下の装置に対して通信経路を設定するディスカバリ・プロセスを実行するディスカバリ・プロセス実行手段と、このディスカバリ・プロセス実行手段によるディスカバリ・プロセスの実行に合わせて、機能拡張用通信路をこれら複数の配下の装置に対して形成し、それぞれ固有の機能拡張用識別子をこれらの装置に与える機能拡張用通信路形成手段と、この機能拡張用通信路形成手段によって機能拡張用通信路が形成された前記した複数の配下の装置のうちのいずれかに対してその装置に与えた前記した機能拡張用識別子を組み込んだ機能拡張用フレームを作成する機能拡張用フレーム作成手段と、この機能拡張用フレーム作成手段によって作成した機能拡張用フレームに前記した配下の装置に個々に備えられた信号送出用の発光手段の発光を停止させる発光停止コマンドと、これらの発光手段の発光が前記した発光停止コマンドによって停止した後に発光を許可する発光許可コマンドのいずれかを選択して組み込んで前記した機能拡張用通信路に前記した複数の配下の装置のうちの1つを宛先にして送出する機能拡張用フレーム送出手段とを備えたOLT装置21と、前記した配下の装置であって、OLT装置21から前記した機能拡張用フレームが送られてきたときこれを受信する機能拡張用フレーム受信手段と、この機能拡張用フレーム受信手段の受信した機能拡張用フレームから前記した機能拡張用識別子を抽出してこれが自装置にOLT装置21から与えられた前記した機能拡張用識別子と一致するかを比較する機能拡張用識別子比較手段と、この機能拡張用識別子比較手段が一致すると判別したとき前記した機能拡張用フレーム受信手段の受信した機能拡張用フレームからコマンドを抽出するコマンド抽出手段と、このコマンド抽出手段によって抽出したコマンドが前記した発光停止コマンドであるとき自装置の前記した発光手段の発光を停止させる発光停止手段と、この発光停止手段が前記した発光手段の発光を停止させた以後も前記した機能拡張用フレーム受信手段を構成する受光手段が受光可能な状態を維持している間、前記した機能拡張用通信路を保持することでこの受光手段による受光機能を保持する機能拡張用通信路保持手段と、前記したコマンド抽出手段によって抽出したコマンドが前記した発光許可コマンドであるとき自装置の前記した発光手段の発光が前記した発光停止手段によって停止した状態のときこれを発光可能な状態に復帰させる発光復帰手段とを備えた複数のONU装置22とを備えている。
図3は、本発明のONU装置のクレーム対応図を示したものである。本発明のONU装置30は、光信号から構成されるフレームを、自装置に割り当てられた時間帯でOLT装置宛に送信するために発光制御を行う発光手段31と、前記したOLT装置から発光手段31の発光自体を停止させるための発光停止コマンドや発光停止後に発光制御を許可する発光許可コマンド等のコマンドのいずれかを組み込んだ機能拡張用フレームを受信する機能拡張用フレーム受信手段32と、この機能拡張用フレーム受信手段32が受信した機能拡張用フレームが自装置宛であるときこれを自装置に取り込んで前記したコマンドを抽出するコマンド抽出手段33と、発光手段31の発光制御による前記したOLT装置宛の通信のオン・オフを制御する上り方向通信制御スイッチ34と、コマンド抽出手段33が前記した発光停止コマンドを抽出したとき上り方向通信制御スイッチ34をオフにして前記したフレームの通信を停止する一方、コマンド抽出手段33が前記した発光許可コマンドを抽出したとき上り方向通信制御スイッチ34をオンにして前記したフレームの通信を許可する上り方向通信制御スイッチ制御手段35とを備えている。
図4は、本発明のPONシステムにおける拡張機能実行方法のクレーム対応図を示したものである。本発明のPONシステムにおける拡張機能実行方法40は、光カプラを介してスター接続される複数の配下の装置に対して通信経路を設定するディスカバリ・プロセスをOLT装置で実行するディスカバリ・プロセス実行ステップ41と、このディスカバリ・プロセス実行ステップ41によるディスカバリ・プロセスの実行に合わせて、機能拡張用通信路をこれら配下の装置としてのONU装置に対して形成し、それぞれ固有の機能拡張用識別子をこれらの装置に与える機能拡張用通信路形成ステップ42と、この機能拡張用通信路形成ステップ42によって機能拡張用通信路が形成された装置のうちのいずれかに対してその装置に与えた前記した機能拡張用識別子を組み込んだ機能拡張用フレームを作成する機能拡張用フレーム作成ステップ43と、この機能拡張用フレーム作成ステップ43によって作成した機能拡張用フレームに拡張した機能を表わす拡張機能識別子を組み込んで前記した機能拡張用通信路に前記した配下の装置の1つを宛先にして送出する機能拡張用フレーム送出ステップ44と、前記した配下の装置としてのONU装置において、前記したOLT装置から機能拡張用フレーム送出ステップ44で機能拡張用フレームが送られてきたときこれを受信する機能拡張用フレーム受信ステップ45と、この機能拡張用フレーム受信ステップ45で受信した機能拡張用フレームから前記した機能拡張用識別子を抽出してこれが自装置に前記したOLT装置から与えられた前記した機能拡張用識別子と一致するかを比較する機能拡張用識別子比較ステップ46と、この機能拡張用識別子比較ステップ46で比較結果が一致すると判別したとき機能拡張用フレーム受信ステップ45で受信した機能拡張用フレームから前記した拡張機能識別子を抽出する拡張機能識別子抽出ステップ47と、この拡張機能識別子抽出ステップ47によって抽出した拡張機能識別子の示す拡張した機能を前記した配下の装置の1つとしてのONU装置で実行する拡張機能実行ステップ48とを備えている。
図5は、本発明の他のPONシステムにおける拡張機能実行方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の他のPONシステムにおける拡張機能実行方法50は、光カプラを介してスター接続される複数の配下の装置に対して通信経路を設定するディスカバリ・プロセスをOLT装置で実行するディスカバリ・プロセス実行ステップ51と、このディスカバリ・プロセス実行ステップ51によるディスカバリ・プロセスの実行に合わせて、機能拡張用通信路をこれら配下の装置としてのONU装置に対して形成し、それぞれ固有の機能拡張用識別子をこれらの装置に与える機能拡張用通信路形成ステップ52と、この機能拡張用通信路形成ステップ52によって機能拡張用通信路が形成された装置のうちのいずれかに対してその装置に与えた前記した機能拡張用識別子を組み込んだ機能拡張用フレームを作成する機能拡張用フレーム作成ステップ53と、この機能拡張用フレーム作成ステップ53によって作成した機能拡張用フレームに前記した配下の装置に個々に備えられた信号送出用の発光手段の発光を停止させる発光停止コマンドと、これらの発光手段の発光が前記した発光停止コマンドによって停止した後に発光を許可する発光許可コマンドのいずれかを選択して組み込んで前記した機能拡張用通信路に前記した配下の装置の1つを宛先にして送出する機能拡張用フレーム送出ステップ54と、前記した配下の装置の1つとしてのONU装置において、前記したOLT装置から前記した機能拡張用フレームが送られてきたときこれを受信する機能拡張用フレーム受信ステップ55と、この機能拡張用フレーム受信ステップ55で受信した機能拡張用フレームから前記した機能拡張用識別子を抽出してこれが自装置に前記したOLT装置から与えられた前記した機能拡張用識別子と一致するかを比較する機能拡張用識別子比較ステップ56と、この機能拡張用識別子比較ステップ56で比較結果が一致すると判別したとき前記した機能拡張用フレーム受信ステップで受信した機能拡張用フレームからコマンドを抽出するコマンド抽出ステップ57と、このコマンド抽出ステップ57によって抽出したコマンドが前記した発光停止コマンドであるとき自装置の前記した発光手段の発光を停止させる発光停止ステップ58と、この発光停止ステップで前記した発光手段の発光を停止させた以後も発光の受光可能な状態を維持している間、前記した機能拡張用通信路を保持することでこの受光手段による受光機能を保持する機能拡張用通信路保持ステップ59と、コマンド抽出ステップ57によって抽出したコマンドが前記した発光許可コマンドであるとき自装置の前記した発光手段の発光が発光停止ステップ58によって停止した状態のときこれを発光可能な状態に復帰させる発光復帰ステップ60とを備えている。
図6は、本発明のPONシステムにおける拡張機能実行プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明のPONシステムにおける拡張機能実行プログラム70は、OLT装置のコンピュータが、光カプラを介してスター接続される配下の複数のONU装置に対して通信経路を設定するディスカバリ・プロセスを実行するディスカバリ・プロセス実行処理71と、このディスカバリ・プロセス実行処理71によるディスカバリ・プロセスの実行に合わせて、機能拡張用通信路を前記した配下の複数のONU装置に対して形成し、それぞれ固有の機能拡張用識別子をこれらの装置に与える機能拡張用通信路形成処理72と、この機能拡張用通信路形成処理72によって機能拡張用通信路が形成された複数のONU装置のうちのいずれかに対してその装置に与えた前記した機能拡張用識別子を組み込んだ機能拡張用フレームを作成する機能拡張用フレーム作成処理73と、この機能拡張用フレーム作成処理73によって作成した機能拡張用フレームに前記した配下の装置に個々に備えられた信号送出用の発光手段の発光を停止させる発光停止コマンドと、これらの発光手段の発光が前記した発光停止コマンドによって停止した後に発光を許可する発光許可コマンドのいずれかを選択して組み込んで前記した機能拡張用通信路に前記した配下の装置の1つを宛先にして送出することで、その装置の前記した発光手段の発光の停止または許可を指示する機能拡張用フレーム送出処理74とを実行させることを特徴としている。
図7は、本発明の他のPONシステムにおける拡張機能実行プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の他のPONシステムにおける拡張機能実行プログラム80は、OLT装置と光カプラを介してスター接続されるONU装置のコンピュータが、OLT装置がディスカバリ・プロセス実行処理によるディスカバリ・プロセスの実行に合わせて形成した機能拡張用通信路に対する自装置としてのONU装置に固有の機能拡張用識別子を与えたときこれを保持する機能拡張用識別子保存処理81と、OLT装置が前記した機能拡張用識別子を組み込んだ機能拡張用フレームを送ってきたとき、この機能拡張用フレームから前記した機能拡張用識別子を抽出してこれが自装置に保存している前記した機能拡張用識別子と一致するかを比較する機能拡張用識別子比較処理82と、この機能拡張用識別子比較処理82で比較結果が一致すると判別したときこの拡張用フレームからコマンドを抽出するコマンド抽出処理83と、このコマンド抽出処理83によって抽出したコマンドを自装置で実行するコマンド実行処理84とを実行させることを特徴としている。
<発明の実施の形態>
次に本発明の実施の形態を説明する。
図8は、本発明の一実施の形態によるGE−PONシステムの構成を表わしたものである。本実施の形態のGE−PONシステム200は、上位機器201に接続されたOLT装置202と、このOLT装置202と光カプラ203を接続する光ファイバケーブル204と、光カプラ203と第1〜第3のONU装置2051〜2053をそれぞれ接続する第1〜第3の光ファイバケーブル2061〜2063と、第1〜第3のONU装置2051〜2053に1台ずつ個別に接続された第1〜第3の端末機器2071〜2073とで構成されている。
ここでOLT装置202は、双方向のフレームを一時的に格納するフレームバッファ部211と、このフレームバッファ部211と上位機器201の間で相互に転送する信号の形式を変換するSNI終端部212と、PON終端部213と、このPON終端部213と光ファイバケーブル204の間に配置され光信号と電気信号を相互に変換する光・電気変換部214と、GE−PONシステム200の保守および制御を行うシステム制御部215を備えている。PON終端部213は、光・電気変換部214とフレームを相互に転送し、フレーム内に含まれるLL IDを検出するLL ID識別部221と、このLL ID識別部221と各々のフレームを相互に転送し、フレームの送信源または、宛先となるMAC部222〜226と、MAC部222と相互にフレームを転送し、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.3ahにおけるMPCP部228の機能を追加した拡張部227と、MAC部223〜226および拡張部227と各々のフレームを相互に転送し、第1〜第3のONU装置2051〜2053とのリンク設定と上り通信の制御を行うMPCP部228と、このMPCP部228と相互にOAMフレームを転送し、OAMフレームの解析および生成を行うOAM部229とから構成されている。
第1〜第3のONU装置2051〜2053は、これらの構成が実質的に互いに同一となっている。そこで第1のONU装置2051の構成を代表的に説明する。第1のONU装置2051は、光信号と電気信号を相互に変換する光・電気変換部241と、この光・電気変換部241とフレームを相互に転送するPON終端部242と、このPON終端部242と一端を接続しフレームを一時的に格納すると共に他端側との間で相互にフレームを転送するフレームバッファ部243と、このフレームバッファ部243と相互に転送する信号の形式と、第1の端末機器2071と相互に転送する信号の形式を変換するUNI終端部244と、PON終端部242と信号を相互に転送し、ONU装置2051の保守や制御を行う制御回路245を備えている。
ここでPON終端部242は、光・電気変換部241とフレームを相互に転送し、フレーム内に含まれるLL IDを検出するLL ID識別部251と、このLL ID識別部251と各々のフレームを相互に転送し、フレームの送信源または、宛先となるMAC部252〜254と、MAC部252と相互にフレームを転送し、IEEE802.3ahにおけるMPCP部256の機能を追加した拡張部255と、MAC部253、254および拡張部255と各々のフレームを相互に転送し、また、OLT装置202とのリンク設定と上り通信の制御を行うMPCP部256と、このMPCP部256と相互にフレームを転送し、OAMフレームの解析と生成を行うOAM部257から構成されている。
このGE−PONシステム200では、OLT装置202におけるシステム制御部215と、第1〜第3のONU装置2051〜2053における制御回路245は、図示しないが共にCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラムを格納した同じく図示しないメモリを備えている。OLT装置202内の各構成部品および第1〜第3のONU装置2051〜2053内の各構成部品は、すべてハードウェアで構成される必要はなく、それらの少なくとも一部が前記した制御プログラムの実行によって得られるソフトウェア的な構成部品で実現されるものであってもよい。
次に、このような構成のGE−PONシステム200の動作を説明する。第1〜第3のONU装置2051〜2053は、共に同一の動作を行うので、ここでは第1のONU装置2051を例に採って説明を行う。
まずOLT装置202の動作を説明する。下り通信で、光・電気変換部214は、PON終端部213から送出されてきた電気信号を光信号に変換して、光ファイバケーブル204へ送出する。上り通信では、光ファイバケーブル204から伝送されてきた光信号を電気信号に変換してPON終端部213へ転送する。
PON終端部213は、GE−PONシステム200における通信経路の確立と上りフレームの制御を行う。また、下り通信でPON終端部213は、フレームバッファ部211に格納されたフレームと、システム制御部215が送信してくる信号から生成したOAMフレームを、順番に光・電気変換部214へ転送する。上り通信でPON終端部213は、光・電気変換部214から転送されてきたフレームを解析する。そして、通常のデータ信号の場合、PON終端部213はフレームバッファ部211にこのフレームを転送し、保守用のOAMフレームの場合はフレーム内部の情報をシステム制御部215に転送する。
フレームバッファ部211は、下り通信におけるPON終端部213へのフレームの転送と、上り通信におけるSNI終端部212へのフレームの転送の順番待ちを行う。このため、フレームを一時的に格納しておく。
SNI終端部212は、下り通信の場合、上位機器201から送信されてきたフレームを復号化し、PON終端部213が処理できるディジタル信号に変換する。上り通信の場合、SNI終端部212は、PON終端部213から転送されてきたディジタル信号を、上位機器201へ伝送するために適した符号化を行って送信する。
システム制御部215は、GE−PONシステム200全体を監視して、システムの制御を行う。第1のONU装置2051の制御を行う場合、システム制御部215は、OAM部229へ情報を転送して、OAMフレームを生成させる。また、システム制御部215は、OAM部229にて解析された、第1のONU装置2051から送信されてきたOAMフレームの情報を読み込んで、適当な制御を行う。
図9は、OLT装置とONU装置のPON終端部を抜き出してこれらの間の信号処理の様子を示したものである。この図9では、図8に示した第1〜第3のONU装置2051〜2053のうちで第1および第2のONU装置2051、2052におけるPON終端部242を代表的に示している。図8に示した光・電気変換部214、241や光カプラ203の図示は省略している。また、第1のONU装置2051と第2のONU装置2052のPON終端部242の各構成部品を互いに区別するため、第1のONU装置2051の各構成部品にはそれらの符号に添え字「1」を付し、第2のONU装置2052の各構成部品にはそれらの符号に添え字「2」を付している。この図9と図8を用いて、OLT装置202におけるPON終端部213の内部について具体的に説明する。ただし、説明上の煩雑さを避けるため、以下の文章中で添え字の「1」および「2」の付記は適宜省略する。
OLT装置202におけるLL ID識別部221は、第1〜第3のONU装置2051〜2053のいずれか(ここでは第1のONU装置2051を中心に説明する。)をGE−PONシステム200に登録する際に、配下の第1のONU装置2051でLL IDの重複が起こらないようにLL IDの値を決定し、MAC部222〜226と関連付けて管理する。LL ID識別部221は、下り通信の場合に、送信フレームごとに、宛先を判定し、第1のONU装置2051に対応したLL IDをフレームのプリアンブル部に埋め込んで光・電気変換部214へ転送する。また、LL ID識別部221は、上り通信の場合に、光・電気変換部214から転送されてきたフレームのプリアンブル部に含まれるLL IDを検出して送信源を特定し、対応するMAC部222〜226に転送する。
MAC部222〜226の内のMAC部222は、マルチキャスト(MULTICAST)LL ID割り当て用としている。MAC部222は、下り通信の場合、MPCP部228から拡張部227を経由して転送されてきたフレームをLL ID識別部221へ転送する。また、MAC部222は、上り通信の場合、LL ID識別部221がMAC部222宛てに転送してきたフレームを、拡張部227を経由して、MPCP部228へ転送する。
MAC部223は、通常のLL ID割り当て用としている。MAC部223は、下り通信の場合、MPCP部228からのMAC部223を送信源としたフレームをLL ID識別部221へ転送する。MAC部223は、上り通信の場合に、LL ID識別部221がMAC部223宛に転送してきたフレームをMPCP部228へ転送する。MAC部224〜226の場合にも、MAC部223の場合と同様の処理が行われる。
MPCP部228は、GE−PONシステムへ接続された第1のONU装置2051の自動検出を行う。そして、MPCP部228は、従来のLL IDを割り当てるディスカバリ・プロセスを実施して、第1のONU装置2051を登録する。MPCP部228は、上り通信の場合に、第1〜第3のONU装置2051〜2053から送出される信号が衝突しないように、従来の各LL IDに対して定期的にゲートフレームを送出して、MAC部222〜226とMAC部252〜254間の各通信経路の送信タイミングを制御する。ゲートフレームには送信開始時刻と送信量に関する情報が収納されている。また、MPCP部228は、このゲートフレームに対する第1〜第3のONU装置2051〜2053からのレポートフレームを受信することによって、ロジカルリンクを維持する。
MPCP部228は、通常の下り通信の場合、MAC部223〜226のいずれかを送信源としてLL ID識別部221へフレームを転送する。MAC部222を送信源とするフレームは、拡張部227へ転送する。MPCP部228は、上り通信の場合、MAC部223〜226や、拡張部227から転送されてきたフレームを解析して、上位機器201へ送出するフレームをフレームバッファ部211へ、OAMフレームをOAM部229へ転送する。
OAM部229は、システム制御部215からの指示に従って、OAMフレームの生成を行う。また、OAM部229は、上りOAMフレームを解析して、その情報をシステム制御部215へ転送する。OAM部229は、また、第1のONU装置2051の発光停止と、発光許可と、発光の永久停止コマンドを含めたOAMフレームを、MPCP部228と、拡張部227を経由してMAC部222から第1のONU装置2051へ転送する。通常のOAMフレームは、拡張部227経由のMAC部222または、MAC部223〜226のいずれかを送信源とする。
拡張部227は、第1のONU装置2051がOLT装置202の配下に接続されている限り、保守用のマルチキャスト・LL IDを維持させるために、MAC部222に対してMPCP部228がIEEE802.3ahに従って制御する機能を拡張する。また、拡張部227は、OLT装置202の配下に接続される第1〜第3のONU装置2051〜2053に対してユニークな識別子としてのONU IDを付与し、このONU IDを管理する。拡張部227は、OAMフレームを送出する際には、ONU IDを付与し、MAC部222を送信源としてLL ID識別部221に転送する。
次に、第1のONU装置2051の各部の動作について図8を用いて説明する。
光・電気変換部241は、下り通信の場合、第1の光ファイバケーブル2061から伝送されてきた光信号を電気信号に変換してPON終端部242に転送する。上り通信の場合、光・電気変換部241は、PON終端部242から転送されてきた電気信号を、PON終端部242が許可する期間だけ光信号に変換して、第1の光ファイバケーブル2061へ伝送する。
PON終端部242は、GE−PONシステム200における通信経路の確立と上りフレームの制御を行う。また、下り通信でPON終端部242は、光・電気変換部241から転送されてきたフレームを解析し、通常のデータ信号の場合にはフレームバッファ部243にこれを転送する。フレームの解析の結果、保守用のOAMフレームの場合、PON終端部242は、フレーム内部の情報を制御回路245に転送する。PON終端部242は上り通信の場合、フレームバッファ部243に格納されたフレームと、制御回路245が送信してくる信号から生成したOAMフレームを、光・電気変換部241へ転送する。
フレームバッファ部243は、下り通信におけるUNI終端部244への転送と、上り通信におけるPON終端部242への転送の順番待ちを行うために、フレームを一時的に格納しておく。
UNI終端部244は、下り通信の場合、第1の端末機器2071へ伝送するために適した符号化を行う。上り通信の場合、UNI終端部244は、第1の端末機器2071から送信されてきた信号を復号化し、PON終端部242が処理可能なディジタル信号に変換して、これに転送する。
制御回路245は、OAMフレームに含まれるコマンドに従って、第1のONU装置2051の制御を行う。
次に、PON終端部242の内部について詳細に説明する。
LL ID識別部251は、第1のONU装置2051をGE−PONシステム200に接続する際に与えられたLL IDと対応するMAC部252〜254を関連付けて管理する。下り通信でLL ID識別部251は、光・電気変換部241から受信したフレームのプリアンブル部に含まれるLL IDを検出して、自装置宛の場合にフレームを透過させ、自装置宛ではない場合、そのフレームを破棄する。上り通信の場合、LL ID識別部251は、フレームの送信源のMAC部に割り当てられたLL IDをフレームのプリアンブル部に埋め込み、光・電気変換部214へ送出する。
MAC部252は、マルチキャスト・LL ID(図9参照。)割り当て用としている。下り通信の場合、MAC部252は、LL ID識別部251から転送されてきたフレームを、拡張部255を経由してMPCP部256へ転送する。上り通信の場合、MAC部252は、MPCP部256から拡張部255を経由して送られてきたMAC部252を送信源としたフレームを、LL ID識別部251へ転送する。
MAC部253は、通常のLL ID割り当て用としている。下り通信の場合、MAC部253は、LL ID識別部251からMAC部253宛に転送されてきたフレームをMPCP部256へ転送する。上り通信では、MPCP部256からのMAC部253を送信源としたフレームを、LL ID識別部251へ転送する。MAC部254も、通常のLL ID割り当て用としてい、MAC部253と同様の処理を行う。
MPCP部256は、GE−PONシステム200へ接続するために従来のLL IDを割り当てるディスカバリ・プロセスにおける処理を行う。また、MPCP部256は、従来の各LL IDに対してOLT装置202のPON終端部213内のMPCP部228から送信されてくるゲートフレームを解析して、決められた時刻および送信量内で、ゲートフレームの宛先LL IDと関連付けられたMAC部252〜254のいずれかを送信源として、フレームバッファ部243に格納されているデータまたは、レポートフレームをLL ID識別部251へ送信する。下り通信の場合、MPCP部256は、MAC部253、254宛のフレームや、拡張部255から転送されてきたフレームを解析し、第1の端末機器2071へ送出するフレームはフレームバッファ部243へ、OAMフレームはOAM部257へ転送する。
拡張部255は、第1のONU装置2051がOLT装置202の配下に接続されている限り、保守用のマルチキャスト・LL ID(図9参照。)を維持させるために、MAC部252に対してMPCP部256がIEEE802.3ahに従って制御する機能を拡張する。また、OLT装置202のPON終端部213内の拡張部227より与えられたONU IDを管理する。拡張部255は、下りOAMフレームを受信する場合、OAMフレーム内のONU IDを解析し、自装置宛か自装置宛でないかを判別する。自装置宛でない場合、拡張部255は、フレームを破棄し、自装置宛の場合、MPCP部256へそのフレームを転送する。
OAM部257は、OLT装置202のPON終端部213内のOAM部229から送信されてくるOAMフレームを解析し、制御回路245へ転送する。また、OAM部257は、OAM部229から送信されてくるOAMフレームや、制御回路245からの指示に従って、OAMフレームの生成を行い、MPCP部256へ転送する。
図10および図11は、OLT装置とONU装置の間における通信経路の確立のための処理の様子を示したものである。このうち、図10は、通常のLL IDを登録するディスカバリ・プロセスを示しており、従来と同様のものである。図11は、マルチキャスト・LL IDを登録するディスカバリ・プロセスを示しており、本実施の形態独自のものである。これら図10、図11と図8を用いてOLT装置202と第1のONU装置2051における通信経路の確立を詳細に説明する。
まず、図10に示した通常のLL IDを登録するディスカバリ・プロセスについて説明する。従来と同様に、本実施の形態のGE−PONシステム200でも、光ファイバケーブル204、光カプラ203および第1の光ファイバケーブル2061を経由して第1のONU装置2051がOLT装置202に接続されたものとする。この場合、OLT装置202側のMPCP部228が定期的に送信するディスカバリ・ゲート(Discovery Gate)・フレームを第1のONU装置2051が受信する(ステップS301)。
MPCP部256は、この受信からランダム時間待った後、MAC部253を送信源として、LL IDの登録を要求するレジスタ・リクエスト(Register Request)・フレームを送信する(ステップS302)。レジスタ・リクエスト・フレームを受信したMPCP部228は、レジスタ(Register)・リクエスト・フレームを送信してきたMAC部253宛にLL IDを付与するためにレジスタ・フレームを送信する(ステップS303)。MAC部253宛のレジスタ・フレームを受信したMPCP部256は、与えられたLL IDを、MAC部253を経由してLL ID識別部251登録する。その後、MPCP部228から送信されてくるゲート(Gate)・フレーム(ステップS304)によって指示される時刻、期間内に、LL ID登録を完了したことを通知するレジスタ・ACK(Register ACK(ACKnowledgement))・フレームを送信する(ステップS305)。
OLT装置202と第1のONU装置2051の間で行われる以上のプロセスによって、MAC部223とMAC部253の間に通信用のロジカルリンクが確立する。必要であれば、このようなプロセスで、MAC部224とMAC部254間にも通信用のロジカルリンクが確立する。なお、OLT装置202と第1〜第3のONU装置2051〜2053には、「MAC部」が複数存在する。本実施の形態では、一例としてOLT装置202に5個、第1〜第3のONU装置2051〜2053にそれぞれ3個配置されている。
図11は、本実施の形態のGE−PONシステム200で従来の図10に示した機能に付け加えられた拡張的な機能としてのマルチキャスト・LL IDを登録するディスカバリ・プロセスを示している。このディスカバリ・プロセスでは、OLT装置202側のMPCP部228が定期的に送信するディスカバリ・ゲート・フレームを第1のONU装置2051が受信する(ステップS321)。これに対して拡張部255は、保守用のマルチキャスト・LL ID割り当て用のMAC部252を送信源として、保守用のマルチキャスト・LL IDによる通信経路と、第1〜第3のONU装置2051〜2053に対して1つだけ与えられる、同一GE−PONシステム内で重複することのないユニークな識別子(ONU ID)を要求するレジスタ・リクエスト・フレームを、送信する(ステップS322)。
図12は、このレジスタ・リクエスト・フレームの構成を表わしたものである。レジスタ・リクエスト(Register Request)・フレームは、「Pad/Reserved」部の先頭に「Multicast LL ID Request」を割り当て、保守用のマルチキャスト・LL IDを要求する値を埋め込むようになっている。ここで「Multicast LL ID Request」と「Pad/Reserved」が合わせて38バイトを超えなければよい。この図12は、保守用の「Multicast LL ID Request」が1バイトの場合の例を示している。
図8および図11に戻り説明を続ける。図11のステップS322によるレジスタ・リクエスト・フレームを受信したOLT装置202側の拡張部227は、レジスタ・リクエスト・フレームを送信してきた第1のONU装置2051側のMAC部252宛に、保守用のマルチキャスト・LL IDの割り当て用のMAC部222を送信源として、あらかじめ決められている保守用のマルチキャスト・LL IDとONU IDを付与するためにレジスタ・フレームを送信する(ステップS323)。同時に拡張部227は、OLT装置202の再起動または、発光許可コマンドの送出または、発光の永久停止コマンドの送出をしない限り、ONU IDとONU IDを割り当てられたMAC部252を関連付けて登録・管理する。ただし、レジスタ・リクエスト・フレームを送信してきたMAC部252と関連付けられているONU IDが既に登録されている場合には、一度クリアしてから保守用のマルチキャスト・LL IDとONU IDを付与する。
図13は、レジスタ・フレームの構成を表わしたものである。この図13より、従来のレジスタ(Register)・フレームで定義されている「Assigned port」部に、保守用の「MultiCast LL ID」を埋め込み、これに加えて、「Pad/Reserved」部の先頭に、「ONU ID」を埋め込むことになる。ここで「ONU ID」と「Pad/Reserved」が合わせて34バイトを超えなければよい。
図8および図11に戻り説明を続ける。ステップS323でレジスタ・フレームを受信した拡張部255は、与えられた保守用のマルチキャスト・LL IDを、MAC部252を経由してLL ID識別部251に登録する。そして、第1のONU装置2051の再起動または、発光許可コマンドの受信または、発光の永久停止コマンドの受信をしない限り、拡張部255はONU IDを登録・管理する。
以上のプロセスによって、OLT装置202側のMAC部222と第1のONU装置2051側のMAC部252の間に保守用のマルチキャスト・LL IDによる通信経路が確立する。図8は、OLT装置202に対して第1〜第3のONU装置2051〜2053が接続され、それぞれの通信経路が同様にして確立された場合を示している。
次に、図8および図9を用いてOLT装置202と第1のONU装置2051の論理的な通信経路について説明する。
図9を参照すると、前記したプロセスによって確立された論理的な通信経路が示されている。この図9で、OLT装置202側のMAC部223、224と、第1のONU装置2051側のMAC部253、254は、OLT装置202側のLL ID識別部221と第1のONU装置2051側のLL ID識別部251および、光ファイバケーブル204と第1の光ファイバケーブル2061を経由して、通信用のLL ID#1〜#4にてポイント・ツー・ポイントで各々接続される。
一方、保守用のマルチキャスト・LL IDを登録するプロセスによって、OLT装置202側のMAC部222と、第1のONU装置2051側のMAC部252とがマルチキャスト・LL IDにてポイント・ツー・マルチポイントで接続される。光ファイバケーブル204および第1の光ファイバケーブル2061は、物理的には1本の通信経路であるが、論理的には、複数の通信経路が存在する。図8に示した第2のONU装置2052も同様の接続構成であり、図9はOLT装置202と第1および第2のONU装置2051、2052における5つの通信経路の例を示している。
下り方向通信では、LL ID識別部221にて、フレームの宛先MACアドレスに対応したLL IDをフレームのプリアンブル部分に埋め込んで送信する。フレームをMAC部253へ送信する場合、LL ID#1が埋め込まれる。OLT装置202から送信されたフレームは第1〜第3のONU装置2051〜2053のすべてに届くが、LL ID識別部251により、自装置宛でない場合は破棄される。自装置宛の場合は、付与されているLL IDに対応するMAC部宛に、LL IDを除去してから転送し、MPCP部256を経由して、図8におけるフレームバッファ部243へ送信される。
上り方向通信では、OLT装置202側のMPCP部228が、第1〜第3のONU装置2051〜2053からのフレーム送信を制御する。OLT装置202側のMPCP部228は、配下に接続されている第1〜第3のONU装置2051〜2053の各LL ID宛に、送信許可時刻と許可データ量を指定するゲートフレームを定期的に送信する。ゲートフレームを受信したMPCP部256は、ゲートフレームによって指定された時刻に、ゲートフレームによって指定された送信量で、上りデータや送信要求をするレポートフレームをMAC部253または、MAC部254を経由して、LL ID識別部251へ転送する。LL ID識別部251は、送信源のMAC部に対応したLL IDをフレームのプリアンブル部に埋め込み、送信する。フレームをMAC部253から送信する場合、LL ID#1が埋め込まれる。フレームを受信したOLT装置202側のLL ID識別部221は、埋め込まれているLL IDを検出して、対応するMAC部へ転送し、MPCP部228を経由して、図8におけるフレームバッファ部211へ送信する。たとえばLL ID#1が埋め込まれたフレームは、MAC部223へ転送される。
OLT装置202側のMPCP部228は、マルチキャスト・LL ID宛にも定期的にゲートフレームを送信するが、第1のONU装置2051側の拡張部255は、上りデータやレポートフレームを送付しない。第1のONU装置2051では、拡張部255が定期的に保守用のマルチキャスト・LL ID宛てのゲートフレームを定期的に受信することで擬似的なリンクを維持し、ONU IDを登録・管理し続ける。OLT装置202側の拡張部227は、通常の場合、MPCP部256が送信してくる上りデータやレポートフレームを受信しなくても、ゲートフレームを送信し続けることで、マルチキャスト・LL IDによる擬似的なリンクを維持し、ONU IDを登録・管理し続ける。図9は、OLT装置202に対して第1および第2のONU装置2051、2052が接続されている場合の例を示しているが、第3のONU装置2053も同様の機能を有している。
図14は、光送信機の常時発光と思われる障害が発生した場合のOLT装置の処理の様子を表わしたものである。図8と共に説明する。
OLT装置202は、GE−PONシステム200内で第1〜第3のONU装置2051〜2053のいずれかの光送信機の常時発光と思われる障害が発生したことを検出すると(ステップS341:Y)、被疑ONU装置に対して発光を停止させるコマンドを含めたOAMフレームを送出する。ここでは、被疑ONU装置を第1のONU装置2051と仮定する。この際、OLT装置202は、OAM部229にて発光停止させるコマンドを含めたOAMフレームを生成し(ステップS342)、MPCP部228を経由して拡張部227に転送する。
拡張部227では、被疑ONU装置を識別するために、この例では第1のONU装置2051に与えたONU IDを付与する(ステップS343)。そして、MAC部222を送信源として、LL ID識別部221にて保守用のマルチキャスト・LL IDを付与してから送信し(ステップS344)、処理を終了する(エンド)。
図15は、このときOLT装置から送出されるOAMフレームの構成を表わしたものである。ONU IDとコマンド(Command)はOAMフレームの「Data/Pad」部の先頭に埋め込むこととする。この図15に示すOAMフレームでは、「ONU ID」と「Command」および「Data/Pad」が合わせて1496バイトを超えなければよい。図15に示した例では「ONU ID」と「Command」が共に1バイトである場合を示している。
図16は、OLT装置からOAMフレームを受信した第1のONU装置の処理の様子を表わしたものである。第1のONU装置2051は、OLT装置202からOAMフレームを受信すると(ステップS361:Y)、このOAMフレームを受信したLL ID識別部251が、保守用のマルチキャスト・LL ID宛のフレームであると識別すると、MAC部252を経由して、拡張部255へ転送する。拡張部255は、OAMフレームに埋め込まれたONU IDと自分自身に与えられたONU IDを比較することで自装置宛であるかを判別する(ステップS362)。この結果、自装置宛ではないと判別された場合には(N)、そのフレームを廃棄して(ステップS363)、処理を終了する(エンド)。
一方、OAMフレームが自装置宛であると判別された場合には(ステップS362:Y)、ONU IDという識別子を除去してからMPCP部256を経由してOAM部257に転送する(ステップS364)。OAM部257はフレームを解析し、コマンドのみを制御回路245に転送する。制御回路245はコマンドにしたがって、光・電気変換部241の電源スイッチをオフにする(ステップS365)。
図17は、第1のONU装置における光・電気変換部とその発光を停止させるための周辺回路を示したものである。光・電気変換部241は、第1の光ファイバケーブル2061に一端を接続した多重化部261と、制御回路245から出力される第1〜第3の電源制御信号271〜273によってそれぞれ個別にオン・オフ制御される第1〜第3のスイッチ281〜283を備えている。
第1のスイッチ281は、一方の接点を接地し、他方の接点を発光ダイオード262のアノードに接続している。発光ダイオード262のカソードは、発光ダイオード262を駆動するドライバ263の出力側に接続されている。発光ダイオード262の出力光264は光信号を多重化する多重化部261の入力となる。第1の電源制御信号271は、第1のスイッチ281の接片をオン・オフ動作させる。
第2のスイッチ282は、一方の接点を接地し、他方の接点をドライバ263の出力側に接続している。第2の電源制御信号272は、第2のスイッチ282の接片をオン・オフ動作させる。ドライバ263にはPON終端部242から上りデータ266と光出力制御信号267が供給されるようになっている。
第3のスイッチ283は、一方の接点を接地し、他方の接点をレシーバ268に接続している。第3の電源制御信号273は、第3のスイッチ283の接片をオン・オフ動作させる。レシーバ268の入力側には多重化部261から出力される入力光275を入射するフォトダイオード276が配置されている。フォトダイオード276のアノードは接地され、カソードからは光信号を電気信号に変換した信号277がレシーバ268に入力されるようになっている。レシーバ268からは下りデータ278がPON終端部242に入力されるようになっている。
制御回路245はPON終端部242のOAM部257と通信を行う他、不揮発性メモリからなる不揮発性記憶回路279の読み書きを行うようになっている。不揮発性記憶回路279には、発光ダイオード262およびドライバ263の電源供給を制御する第1および第2のスイッチ281、282のオン・オフを制御する第1または第2の電源制御信号271、272の出力制御用フラグが格納されている。この出力制御用フラグが立っているとき、第1および第2のスイッチ281、282の接片はこれらの設定に対してオフとなる。
図16に戻って図17共に説明を続ける。ステップS365に戻って説明を行う。OAM部257はレシーバ268から送られてくるOLT装置202を起点とした下りデータ278を解析し、コマンドのみを制御回路245に転送する。制御回路245はOLT装置202からのステップS342(図14)による発光停止コマンドにしたがって、光・電気変換部241の第1または第2のスイッチ281、282をオフにする。これによって、第1のONU装置2051の発光は停止する(ステップS366)。
この発光停止によって、第1のONU装置1051はゲートメッセージに対するレポートメッセージを送出できない。このため、図9に示したLL ID#1、#2はリンク断となって、図16に示した一連の処理が終了する(エンド)。しかしながら、図17に示したレシーバ268側の第3のスイッチ283をオフにさせない限りOLT装置202からの下り側通信経路は維持される。したがって、この状態でも第1のONU装置2051の拡張部255は、保守用のマルチキャスト・LL ID宛のフレームのみについて受信可能である。
図18は、以上説明した第1のONU装置が発光停止状態となったときのGE−PONシステムにおける論理的な通信経路の状態を示したものである。この図で図8と同一の部分には同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。ここでは、第1のONU装置2051のPON終端部2421に対して発光停止コマンドを送付した場合の例が示されている。図9と対比すると了解されるように、第1のONU装置2051に対応するLL ID#1、#2はリンク断となっているが、第2のONU装置2052に対応するLL ID#3、#4はリンクが維持されている。
図19は、発光が停止中の第1のONU装置に対するOLT装置の処理の様子を表わしたものである。図18と共に説明する。
図16のステップS366で第1のONU装置2051の発光が停止した状態で、OLT装置202は第1のONU装置2051の発光を再び許可するか、障害が生じている限りは発光を永久に停止させることになる。ここでは、第1のONU装置2051の発光を再び許可する場合を説明する。発光を永久に停止させる場合については、同じ図19を用いて後に説明する。第1のONU装置2051の発光を再び許可する場合、OLT装置202は発光を許可するコマンドを含めたOAMフレームを生成する(ステップS381)。OLT装置202はこのOAMフレームをMPCP部228を経由して拡張部227に転送する。拡張部227では、発光停止中のONU装置に与えられたONU IDをOAMフレームに付与する(ステップS382)。このOAMフレームは、MAC部222を送信源として、LL ID識別部221で保守用のマルチキャスト・LL IDを付与してから発出する(ステップS383)。拡張部227は、発光を許可するコマンドを送付したら、送付した宛先のONU装置としての第1のONU装置2051に割り当てたONU IDをクリアして(ステップS384)、処理を終了する(エンド)。
ステップS383で送出したOAMフレームは、既に図15で示した構成となる。「ONU ID」と「コマンド(Command)」はOAMフレームの「Data/Pad」部の先頭に埋め込むこととする。「ONU ID」と「Command」と「Data/Pad」が合わせて1496バイトを超えないような構成となっていればよい。この図15では「ONU ID」と「Command」が共に1バイトの場合を示している。
図20は、発光が停止している状態における、OAMフレーム受信時の第1のONU装置の処理の様子を表わしたものである。図17および図18と共に説明する。
第1のONU装置2051は、OLT装置202からOAMフレームを受信すると(ステップS401:Y)、このOAMフレームを受信したLL ID識別部2511が、保守用のマルチキャスト・LL ID宛のフレームであると識別すると、MAC部2521を経由して、このOAMフレームを拡張部2551へ転送する。拡張部2551は、OAMフレームに埋め込まれたONU IDと自分自身に与えられたONU IDを比較することで自装置宛であるかを判別する(ステップS402)。この結果、自装置宛ではないと判別された場合には(N)、そのフレームを廃棄して(ステップS403)、処理を終了する(エンド)。
これに対して、OAMフレームが自装置宛であると判別された場合には(ステップS402:Y)、ONU IDという識別子を除去してからMPCP部2561を経由してOAM部2571にこのOAMフレームを転送する(ステップS404)。OAM部2571はフレームを解析し、コマンドがONU装置の発光許可の場合には(ステップS405:Y)、拡張部2551に与えられたONU IDを破棄する。また、OAM部2571はMAC部252を経由して、LL ID識別部251にマルチキャスト・LL IDを破棄させる(ステップS406)。
続いて、OAM部2571は、発光許可のこのコマンドのみを制御回路2451に転送する。コマンドを受信した制御回路2451は、このコマンドに従って、図17に示した第1および第2のスイッチ281、282をオンにする(ステップS407)。これによって、第1のONU装置2051の発光は許可され(ステップS408)、第1のONU装置1051に対する発光を許可する処理が終了する(エンド)。すなわち、これ以後、PON終端部242から上りデータ266がドライバ263に供給されて発光ダイオード262が発光すると、改めてディスカバリ・プロセスを経て、第1のONU装置2051に再度、マルチキャスト・LL IDとONU IDが与えられる。
次に、図19および図20を用いて、OLT装置から、ONU装置の再起動をしても2度と発光させないような設定を施すコマンドを含めたフレーム転送について説明する。図17および図18と共に説明する。
OLT装置202のOAM部229は、発光を永久停止させるコマンドを含めたOAMフレームを生成し(図19ステップS381)、MPCP部228を経由して拡張部227に転送する。拡張部227では、発光停止中のONU IDを付与し(ステップS382)、MAC部222を送信源として、LL ID識別部221にて保守用のマルチキャスト・LL IDを付与してから送信する(ステップS383)。
ステップS383で送出したOAMフレームは、既に図15で示した構成となる。「ONU ID」と「コマンド(Command)」はOAMフレームの「Data/Pad」部の先頭に埋め込むこととする。「ONU ID」と「Command」と「Data/Pad」が合わせて1496バイトを超えないような構成となっていればよい。この図15では「ONU ID」と「Command」が共に1バイトの場合を示している。
拡張部227は、発光を永久停止するコマンドを送付したら、送付した宛先のONU装置としての第1のONU装置2051に割り当てたONU IDをクリアして(ステップS384)、処理を終了する(エンド)。
更に図20を用いて、発光を永久停止するコマンドが送られてきた場合のOAMフレーム受信時の第1のONU装置の処理の様子を説明する。このOAMフレームを受信したLL ID識別部2511は、保守用のマルチキャスト・LL ID宛のフレームであると識別すると、MAC部252を経由して、このOAMフレームを拡張部2551へ転送する。拡張部2551は、OAMフレームに埋め込まれたONU IDと自分自身に与えられたONU IDを比較することで自装置宛であるかを判別する(ステップS402)。この結果、自装置宛ではないと判別された場合には(N)、そのフレームを廃棄して(ステップS403)、処理を終了する(エンド)。
これに対して、OAMフレームが自装置宛であると判別された場合には(ステップS402:Y)、ONU IDという識別子を除去してからMPCP部2561を経由してOAM部2571にこのOAMフレームを転送する(ステップS404)。OAM部2571はフレームを解析し、コマンドがONU装置の発光の永久停止の場合(ステップS405:N)、拡張部2551はマルチキャスト・LL IDとONU IDを破棄する(ステップS409)。
続いて、OAM部2571は、発光の永久停止のこのコマンドのみを制御回路2451に転送する。コマンドを受信した制御回路2451は、コマンドにしたがって、図17に示した不揮発性記憶回路279にフラグを立てる(ステップS410)。このとき、図17に示す光・電気変換部241のレシーバ268側の第3のスイッチ283をオフにしてもよい。以降、第1のONU装置2051の再起動時に制御回路245は不揮発性記憶回路279を監視して、フラグが立っている場合は発光ダイオード262およびドライバ263の電源供給用の第1および第2のスイッチ281、282をオンさせないこととして、永久的な発光停止となる(ステップS411)。これにより第1のONU装置2051に対する発光を永久停止する処理が終了する(エンド)。
以上説明したように、本実施の形態のGE−PONシステム200は、次のような効果がある。まず、本実施の形態によれば、下り方向のロジカルリンクを常時維持することができる。これにより、OLT装置202は、発光を強制的に停止させたONU装置205に対して、発光を再び許可させるコマンドを送付することができるという第1の効果がある。また、OLT装置は、発光を強制的に一時停止させたONU装置に対して、発光を永久的に停止させるコマンドを送付できるという第2の効果がある。
また、本実施の形態によればマルチキャスト・LL IDを用いることにしている。したがって、本実施の形態では保守用としてOLT装置に設定するMAC部を、複数用意する必要がないという第3の効果がある。
<本発明の変形例>
図21は、以上説明した実施の形態の変形例におけるGE−PONシステムの要部の構成を表わしたものである。この変形例のGE−PONシステム200Aは、OAMコマンドを送付する際に、ブロードキャスト(BroadCast)・LL IDを使用するようになっている。このため、OLT装置202A側のPON終端部213Aでは、図9に示したマルチキャスト・LL IDの割り当て用のMAC部222がブロードキャスト・LL ID用のMAC部222Aに変更され、同様にMAC部223〜226、……がMAC部223A〜226A、……に変更され、拡張部227が拡張部227Aに変更されている。また、第1〜第3のONU装置2051A〜2053A(図21では、第1および第2のONU装置のみを図示。)側のPON終端部2421A、2422Aは、図9に示したマルチキャスト・LL ID割り当て用のMAC部2521、2522がブロードキャスト・LL ID用のMAC部2521A、2522Aに変更され、同様にMAC部2531、2541、……、あるいはMAC部2532、2542、……がMAC部2531A、2541A、……、あるいは2532A、2542A、……に変更され、拡張部2551、2552が拡張部2551A、2552Aに変更されている。
この変形例のGE−PONシステム200Aでは、OLT装置202Aおよび第1のONU装置2051Aに存在するすべてのMAC部222A〜226A、MAC部2521A〜2541Aに対して、通常のLL IDを割り当てる。拡張部227Aは、各MAC部222A〜226Aと、MPCP部228との間に接続され、OLT装置202Aの全MAC部222A〜226Aに対して、MPCP部228がIEEE802.3ahに従って制御する機能を拡張する。また、拡張部227Aは、OLT装置202Aの配下に接続される第1のONU装置2051Aに対してONU IDを付与して管理する。
OLT装置202AがOAMフレームを送出する際には、ONU IDを付与し、保守用のブロードキャスト・LL ID宛に送信する。その際、MAC部222AとMAC部2521Aおよび、MAC部223AとMAC部2531Aのロジカルリンクが切断されていても、ブロードキャスト・LL ID宛に送出する。
拡張部2551Aも同様に、各MAC部2521A〜2541A、……と、MPCP部256との間に接続され、第1のONU装置2051Aの全MAC部2521A〜2541A、……に対して、MPCP部2561がIEEE802.3ahに従って制御する機能を拡張する。また、拡張部2551Aは拡張部227Aより与えられたONU IDを管理する。更に、拡張部2551AはOAMフレームを受信する際に、OAMフレーム内のONU IDを解析し、自装置宛か自装置宛でないかを判別する。その際、拡張部2551AはMAC部222AとMAC部2521Aおよび、MAC部223AとMAC部2531Aのロジカルリンクが切断されていても、ブロードキャスト・LL ID宛のフレームを受信する。他のONU装置205Aについても同様である。
次に、図21を基にして、図10を参照しながら、この変形例のOLT装置202Aおよび第1のONU装置2051Aの通信経路の確立について説明する。
第1のONU装置2051がGE−PONシステム200Aに接続されると、OLT装置202A側のMPCP部228が送出するディスカバリ・ゲート・フレーム(図10のステップS301)に対して、第1のONU装置2051A側のMPCP部2561はレジスタ・リクエスト・フレームを送出する(図10のステップS302)。このとき拡張部2551Aは、第1〜第3のONU装置2051A〜2053Aに対して1つだけ与えられ、同一のGE−PONシステム200A内で重複することのないユニークな識別子(ONU ID)を要求するコマンドを埋め込む。ただし、このコマンドを埋め込むレジスタ・リクエスト・フレームを送出するMAC部は、1台のONU装置につき1箇所とする。この変形例では、MAC部2521Aが送付する場合の例を示している。すでにONU IDが登録されている場合は、登録済みのONU IDを一度クリアしてからレジスタ・リクエスト・フレームを送出する。ここでレジスタ・リクエスト・フレームの構成は、先に説明した実施の形態と同様である。
ONU IDを要求するコマンドを含めたレジスタ・リクエスト・フレームを受信した拡張部227Aは、MPCP部228が送出するレジスタ・フレームにONU IDを埋め込み、MAC部2521Aとロジカルリンクを設定するMAC部222Aを送信源として送出する(図10のステップS303)。ただし、すでにMAC部2521Aと関連付けられたONU IDが登録されている場合は、登録済みのONU IDを一度クリアし、新たにONU IDを埋め込んだレジスタ・フレームを送出する。ここで、レジスタ・フレームの構成は、先の実施の形態と同様である。
拡張部2551Aは、レジスタ・フレームを受信したら、フレーム内のONU ID部から、与えられたONU IDを抽出し、再度、レジスタ・リクエスト・フレームを送付または、第1のONU装置2051Aの再起動または、発光許可コマンドを受信または、発光の永久停止コマンドを受信するまで、このONU IDを登録・管理する。その後、MPCP部228から送られてくるゲート・フレーム(図10のステップS304)によって決められた時刻に、MPCP部2561がLL IDを登録したことを示すレジスタ・ACK・フレームを、MAC部2521Aを送信源として送出する(図10のステップS305)。このとき拡張部2551Aは、レジスタ・ACK・フレームにONU IDを埋め込む。
図22は、この変形例におけるレジスタ・ACK・フレームの構成を表わしたものである。ONU IDは、レジスタ・ACK(Register ACK)・フレームの「Pad/Reserved」部の先頭に埋め込まれる。図22では、「ONU ID」が1バイトの場合の例を示している。この例では、「ONU ID」と「Pad/Reserved」部を合わせて35バイトを超えなければよい。
図21に戻って説明を続ける。ONU IDが埋め込まれたレジスタ・ACK・フレームを受信した拡張部227Aは、第1のONU装置2051AがONU IDを登録したことを検知し、レジスタ・ACK・フレーム内に埋め込まれたONU IDと、このフレームの送信源であるMAC部2521Aを関連付けて管理する。以後、登録済みのMAC部2521Aから再度、ONU IDの付与を要求するレジスタ・リクエスト・フレームの受信または、OLT装置202Aが再起動または、第1のONU装置2051Aに対して発光許可コマンドの送出または、発光を永久停止させるコマンドを送出するまでONU IDを登録・管理しておく。
次に、図21を参照しながら、ブロードキャスト・LL IDを用いたOAMフレームの送付手順について説明する。
OLT装置202Aが発光停止または、発光許可または、発光の永久停止コマンドを第1のONU装置2051A送付するものとする。この場合、OAM部229にてコマンドを含んだOAMフレームを生成し、MPCP部228経由で拡張部227Aに転送される。拡張部227Aは、OAMフレームに被疑ONU装置のONU IDを埋め込み、すべてのMAC部222A〜226A、……を送信源として、LL ID識別部221にてブロードキャスト・LL IDを付与してから送出する。この被疑ONU装置を、ここでは第1のONU装置2051Aとする。
この場合、第1のONU装置2051AのLL ID識別部2511Aは、受信したOAMフレームがブロードキャスト・LL ID宛であると識別すると、LL IDを除去して各MAC部2521A、MAC部2531Aを経由して、このOAMフレームを拡張部2551Aへ転送する。ブロードキャスト・LL ID宛のOAMフレームを受信した拡張部2551Aは、OAMフレーム内のONU IDを検出して、自装置宛でない場合は破棄する。拡張部2551Aは、そのOAMフレームが自装置宛の場合には、ONU IDを除去してからMPCP部2561経由で、OAM部2571に転送する。また、拡張部2551Aは、OAMフレームが発光許可または、発光を永久停止させるコマンドを含んでいる場合には、このONU IDを破棄する。
これ以後における図17に示した光・電気変換部241での発光を制御する回路の動作については、既に説明した実施の形態と同様である。このため、この部分の説明は省略する。
なお、以上説明した本発明の実施の形態では第1および第2のスイッチ281、282のオン・オフを共に行うことにしたが、これらの一方のみをオン・オフ制御してもよい。また、回路の構成によってはこれら第1および第2のスイッチ281、282の一方の配置を省略することも可能である。本発明の変形例においても同様である。更に実施の形態では第1〜第3のONU装置2051〜2053の合計3台を使用してのGE−PONシステム200を構成したが、これは図を簡略化するためのものであり、ONU装置205の台数はこれに限定されるものでないことは当然である。