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JP4769884B2 - 指向性クラクション制御装置 - Google Patents

指向性クラクション制御装置 Download PDF

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JP4769884B2
JP4769884B2 JP2009065905A JP2009065905A JP4769884B2 JP 4769884 B2 JP4769884 B2 JP 4769884B2 JP 2009065905 A JP2009065905 A JP 2009065905A JP 2009065905 A JP2009065905 A JP 2009065905A JP 4769884 B2 JP4769884 B2 JP 4769884B2
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Description

本発明は、車両に搭載される、指向性を持った警告音を鳴動させることの出来る指向性クラクション制御装置に関する。
通常、車両を運転している時には、割り込み車両や歩行者などにクラクションを鳴らして注意を喚起したい場合がある。しかし、そうした場合に、他の車両や他の歩行者にもクラクションの警告音が届くので、相手を不快にさせたり、驚かせてしまったりすることがある。
そこで、特許文献1に示すように、運転者のクラクションスイッチの押下をトリガーとして、クラクションの対象(例えば、前方所定距離以内に存在する車両、歩行者など)を特定し、対象が存在する方向にクラクションの指向性を制御するものが知られている。
特開2008−114613
しかし、クラクションを鳴らそうとする場面では、例えばクラクション対象車両との距離が短いことが通常であるので、クラクションスイッチを押下してからクラクションの対象を特定する方法では、クラクションの対象(クラクション対象車両)の特定処理に時間が掛かり、自車との衝突までにクラクションが鳴動されない可能性が生じる。
また、自車とクラクションの対象までの距離が短いことから、クラクションの対象が特定されてから、実際にクラクションが鳴動されるまでの間に対象が移動してしまい、鳴動されたクラクションの指向性方向がクラクション対象の位置から外れてしまう可能性もある。
そこで、本発明は、クラクションスイッチの押下から短時間でクラクションの対象に対して指向性を持ったクラクションの鳴動を可能とし、また、クラクションの対象の移動にも適切に対応可能な、指向性クラクション制御装置を提供することを目的とするものである。
請求項1の発明によれば、車両(1)に装着され、クラクションの指向方向(θ)及び指向性の広がり角(Δθ)を制御することの出来る指向性クラクション(13)を、クラクションスイッチを操作することで鳴動させることの出来る指向性クラクション制御装置(5)において、
前記車両の前方に存在する物標(15,16)を検出する物標センサ(2,3,12)を有し、
前記車両の進行方向にクラクション対象抽出領域(AR)を設定するクラクション対象抽出領域設定手段(10)を設け、
前記物標センサが検出した物標の中で、前記クラクション対象抽出領域に含まれる前記物標を、クラクションの鳴動動作とは関係なく、所定の時間間隔で抽出し、その位置及び観測時間をメモリに格納するクラクション対象抽出部(10)を設け、
前記クラクションスイッチが操作されたことを検出するクラクションスイッチ操作検出手段を設け、
前記クラクションスイッチが操作されたことが検出された場合に、前記メモリからクラクション対象となる物標の位置及び観測時間を読み出し、該観測時刻での当該物標の位置を推定する第1の物標状態推定手段(11)を設け、
前記観測時刻(k)における前記物標の位置(A1)について、予測誤差範囲(ER1)を演算設定する第1の誤差範囲設定手段(11)を設け、
前記観測時刻より所定時間後(k+1)における前記物標の位置(A3)を演算推定する第2の物標状態推定手段(11)を設け、
前記所定時間後(k+1)における前記物標の位置について、予測誤差範囲(ER3)を演算設定する第2の誤差範囲設定手段(11)を設け、
前記クラクションを鳴動させる時刻(k+Δt)における前記物標の位置(A2)を、前記観測時刻での前記物標の位置及び、前記観測時刻より所定時間後における前記物標の位置に基づいて推定する第3の物標状態推定手段(11)を設け、
前記クラクションを鳴動させる時刻における前記物標の位置について、予測誤差範囲(ER2)を、前記観測時刻における予測誤差範囲及び前記所定時間後における予測誤差範囲に基づいて演算し設定する第3の誤差範囲設定手段(11)を設け、
前記演算されたクラクションを鳴動させる時刻における前記物標の位置及び予測誤差範囲に基づいて、前記指向性クラクションの指向方向(θ)及び指向性の広がり角(Δθ)を演算決定し、当該演算決定された指向方向(θ)及び指向性の広がり角(Δθ)で前記指向性クラクションを鳴動させるクラクション制御装置を設け、
て構成される。
請求項2の発明は、前記第1の誤差範囲設定手段は、前記予測誤差範囲を、前記観測時刻における予測誤差分散共分散行列(例えば、(3)式)を演算して求める、ことを特徴として構成される。
請求項3の発明は、前記第2の誤差範囲設定手段は、前記予測誤差範囲を、前観測時刻より所定時間後における予測誤差分散共分散行列(例えば、(5)式)を演算して求める、ことを特徴として構成される。
請求項4の発明は、前記第1の誤差範囲設定手段は、前記予測誤差範囲を、前記観測時刻における予測誤差分散共分散行列を演算することで求め、
前記第2の誤差範囲設定手段は、前記予測誤差範囲を、前観測時刻より所定時間後における予測誤差分散共分散行列を演算することで求め、
前記第3の誤差範囲設定手段は、前記予測誤差範囲を、前記観測時刻における予測誤差分散共分散行列及び前記所定時間後における予測誤差分散共分散行列に基づいて演算して求める、ことを特徴として構成される。
請求項5の発明は、第1の物標状態推定手段は、前記観測時刻における前記物標の位置を、
Figure 0004769884
により演算することを特徴として構成される。
請求項6の発明は、第2の物標状態推定手段は、前記観測時刻より所定時間後における前記物標の位置を、
Figure 0004769884
により演算することを特徴として構成される。
請求項7の発明は、第1の物標状態推定手段は、前記観測時刻における前記物標の位置を、
Figure 0004769884
により演算し、
第2の物標状態推定手段は、前記観測時刻より所定時間後における前記物標の位置を、
Figure 0004769884
により演算し、
第3の物標状態推定手段は、クラクションを鳴動させる時刻における前記物標の位置を、
Figure 0004769884
により演算することを特徴として構成される。
請求項1の発明によれば、クラクション対象抽出部(10)がクラクション対象抽出領域に含まれる物標を、クラクションの鳴動動作とは関係なく、所定の時間間隔で抽出する。そして、クラクションスイッチが操作検出されると、物標を観測した観測時刻(k)およびその所定時間後(k+1)における物標の位置(A1,A3)及び予測誤差範囲(ER1,ER3)を推定し、更に、それら位置(A1,A3)及び予測誤差範囲(ER1,ER3)から、クラクションを鳴動させる時刻(k+Δt)における物標の位置について、予測誤差範囲(ER2)を求める。演算されたクラクションを鳴動させる時刻における物標の位置及び予測誤差範囲に基づいて、指向性クラクションの指向方向(θ)及び指向性の広がり角(Δθ)を演算して、演算決定された指向方向(θ)及び指向性の広がり角(Δθ)で前記指向性クラクションを鳴動させるので、クラクションスイッチの押下から短時間でクラクション対象に対して指向性を持ったクラクションの鳴動を可能とし、また、クラクション対象の移動にも適切に対応可能となる。
請求項2の発明によれば、予測誤差分散共分散行列を演算することで、観測時刻(k)における物標の位置(A1)について、予測誤差範囲(ER1)を適切に演算することが出来る。
請求項3の発明によれば、予測誤差分散共分散行列を演算することで、所定時間後(k+1)における物標の位置(A1)について、予測誤差範囲(ER3)を適切に演算することが出来る。
請求項4の発明によれば、クラクションの鳴動時の予測誤差範囲(ER2)を、観測時刻(k)及びその所定時間後(k+1)における予測誤差範囲(ER1、ER3から)から適切に演算することが出来る。
請求項5及び6の発明によれば、観測時刻及び観測時刻より所定時間後における前記物標の位置を適切に求めることが出来る。
請求項7の発明によれば、クラクションを鳴動させる時刻における前記物標の位置を、観測時刻及び観測時刻より所定時間後における物標の位置から適切に求めることが出来る。
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
図1は、本発明による指向性クラクション制御装置の一例を示す模式図。 図2は、自車とクラクション対象との位置関係を示す模式図。
以下、図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
図1に示すように、車両1の車体1aの前部、即ち図中上方には、車両前方の領域についての物標を検出するための電磁波を送出し、その物標の反射波を捕捉自在な公知のレーダアンテナ2が設けられており、レーダアンテナ2には、レーダ制御装置3が接続している。レーダ制御装置3は、本発明による指向性クラクション制御装置5の一部を構成しており、指向性クラクション制御装置5は、主制御部6を有している。主制御部6には、バス線7を介してクラクション制御部9,クラクション対象抽出部10,前述のレーダ制御装置3、クラクション対象位置推定部11、物標検出部12及びクラクション対象格納メモリ17が接続している。クラクション制御装置9には、クラクションの指向性を自由に設定することの出来る公知の指向性クラクション13が接続している。指向性クラクション13は、車両1の図示しないステアリングホイールなどに組み込まれたクラクションスイッチを押下することで、クラクション制御装置9を介して鳴動させることが出来る。なおレーダアンテナ2、レーダ制御装置3及び物標検出部12は、車両1前方の物標を検出する物標センサとして機能する。
図1に示す指向性クラクション制御装置5は、実際にはコンピュータが、図示しないメモリに格納された所定の制御プログラムなどを読み出して、実行することで、図示しないCPUやメモリが、マルチタスクにより時分割的に動作し、図1に示す各ブロックに示された機能を実行してゆくこととなる。しかし、クラクション制御装置5を、各ブロックに対応したハードウエアで構成することも可能であり、また各ブロックを各ブロックに分散的に設けられたCPU又はMPUにより制御するように構成することも可能である。
指向性クラクション制御装置5は以上のような構成を有するので、車両1の運転時には、運転者による指向性クラクション13の鳴動動作とは無関係に、主制御部6がレーダ制御装置3を介してレーダアンテナ2による物標検出動作を行っている。即ち、レーダアンテナ2から図示しない電磁波が、車両1前方に扇形に照射され、該照射された電磁波が物標に反射された反射波を該レーダアンテナ2が捕捉し信号SG1として、レーダ制御装置3に出力される。レーダ制御装置3は、信号SG1を物標検出部12に出力して、物標検出部12では、信号SG1を公知の手法で適宜処理して、車両前方に存在する物標、例えば、図1に示す歩行者15,車両16を検出する。レーダによる物標の検出手法は既に公知の技術であるので、ここでは、その詳細な説明は省略する。
物標検出部12による物標が検出されると、主制御部6の指令により、その検出結果がクラクション対象抽出部10に出力される。クラクション対象抽出部10では、物標検出部12で検出された物標から、レーダアンテナ2による物標検出範囲に含まれる、所定のクラクション対象抽出領域、例えばレーダアンテナ2を中心にして自車車両1の前方の車両進行方向TD両側の角度±α/2の領域(例えば、α/2=30°)で、距離がL(例えば、L=10メートル)の扇形のクラクション対象抽出領域ARに含まれる物標をクラクション対象として抽出する。この際、物標検出部12で物標検出の際に演算された各物標の移動速度、移動方向などを考慮して、クラクション対象を抽出すると、標識などの固定物を誤抽出することが無くなるので都合がよい。
このクラクション対象抽出領域ARは、車両1の前方の比較的狭くて近い領域に、車両1のエンジン始動時に指向性クラクション制御装置5の図示しないメモリに格納された制御プログラムに基づいて、または指向性クラクション制御装置5の製造時に予めクラクション対象抽出部10に設定されおり、車両1が通常の運転状態で、接触、衝突などの危険が生じやすい領域である。なお、このクラクション対象抽出領域ARの大きさは、車両1の走行状態、即ち、車両1の移動速度、移動方向に応じてクラクション対象抽出部10が適宜、可変的に設定するように構成することも出来る。
このクラクション対象の抽出動作は、運転者による指向性クラクション13の鳴動動作とは関係なく、車両1が移動中、又は車両1のエンジンが動作中(以下、車両1が移動中の状態、又は車両1のエンジンが動作中の状態を、車両の運転状態と称する)に所定の時間間隔で常に行なわれている。クラクション対象抽出部10で抽出された物標、特に移動しているものと判定された物標、例えば歩行者15や車両16などは、物標検出部12で演算されたその位置及び移動速度、移動方向、物標センサによる観測時刻などのデータと共に、クラクション対象格納メモリ17に格納される。なお、それら格納されたデータはクラクション対象抽出部10による前記した抽出動作の度毎に、更新される。
車両1の運転状態に置いて、図示しない運転者が図示しないステアリングホイールのクラクションスイッチを押下した場合、主制御部6は、クラクションスイッチからの信号によりクラクションスイッチが操作されたことを検出する。主制御部6は、次いで、クラクション制御装置9に対して、直ちに指向性クラクション13の鳴動動作を行うように指令する。これを受けて、クラクション制御装置9は、クラクション対象メモリ17を検索して、抽出領域AR内で抽出されたクラクション対象が存在するか否かを判定し、クラクション対象メモリ17内にクラクション対象が何ら格納されていない場合には、抽出領域AR内にクラクション対象となる物標は存在しないものと判定して、指向性クラクション13を無指向性で鳴動させる。クラクション対象メモリ17の内容は、常に所定の時間間隔で(例えば、0.1秒ごと)更新されているので、クラクション対象メモリ17にクラクション対象となる物標のデータが格納されていない場合には、実際の車両16の前方の抽出領域ARには、クラクション対象となる物標は存在しない。従って、運転者によるクラクションスイッチの押下は、特定のクラクション対象に対する鳴動を前提としたものでないものと判定され、指向性クラクション13の鳴動を無指向性で行うことは適切な処理となる。
また、クラクション対象メモリ17にクラクション対象となる物標のデータが格納されていた場合には、主制御部6はクラクション対象位置推定部11に対して、クラクション対象となる物標の現在位置を推定するように指令する。即ち、抽出領域AR内にクラクション対象となる物標が存在していた場合、当該物標が移動している場合には、レーダアンテナ2及び物標検出部12により当該物標が検出された時点から、運転者がクラクションスイッチを押下して実際の指向性クラクション13が鳴動される時点までの時間差Δtの間に、クラクション対象となる物標が移動している可能性がある。即ち、図2に示すように、物標検出部12によりクラクション対象となる物標を検出した際(時刻k)の位置A1、即ちクラクション対象メモリ17に格納された物標位置A1に対して指向性クラクション13の指向性を制御したとしても、クラクションが鳴動された時点(時刻k+Δt)では、クラクション対象となる物標が検出された位置A1から位置A2に移動してしまい、指向性クラクション13の指向性を正確にクラクション対象となる物標位置にセットすることが出来なくなる不都合が生じる。
なお、クラクション対象位置推定部11は、クラクション対象格納メモリ17にクラクション対象となる物標のデータが複数個、格納されていた場合には、自車までの距離が最も近い物標に関するデータを読み出し、当該物標をクラクション対象となる物標と見なす。例えば、図1に示す場合には、歩行者15をクラクション対象となる物標と判定する。なお、クラクション対象となる物標の判定は、自車との距離の他に、当該物標の移動速度や、移動方向を考慮して判定するようにしてもよい。
クラクション対象となる物標が特定されると、クラクション対象位置推定部11は、図2に示すようにクラクション対象格納メモリ17に格納された当該クラクション対象となる物標の位置を読み出す。クラクション対象となる物標の位置は、レーダアンテナ2、レーダ制御装置3及び物標検出部12などからなる物標センサが物標を観測した時刻、例えば観測時刻kにおける観測位置として(1)式に示される。これは、図2の位置A1に対応する。
Figure 0004769884
なお、[・]は転置行列を示す。以下の式に置いても同様。
クラクション対象位置推定部11は、クラクション対象物標の観測位置に基づいて、この観測時刻kでのクラクション対象となる物標の状態、即ち物標の推定位置及び推定速度を(2)式で演算する。
Figure 0004769884
次に、クラクション対象位置推定部11は、(2)式で予測されたクラクション対象となる物標の推定位置及び推定速度に対して、推定の不確かさを考慮して、時刻kでの予測誤差分散共分散行列を(3)式で演算する。これにより、図2に示すように、(1)式により演算された時刻kで観測された物標の位置A1に対する予測誤差範囲ER1が設定される。
Figure 0004769884
次に、クラクション対象位置推定部11は、観測時刻kより所定時間後の、時刻k+1(図2の位置A3に対応)でのクラクション対象となる物標の予測状態を、即ち推定位置及び推定速度を(4)式で演算推定する。
Figure 0004769884
また、クラクション対象位置推定部11は、(4)式で予測された状態の不確かさを考慮して、時刻k+1での予測誤差分散共分散行列を(5)式で演算する。これにより、図2に示すように、(4)式により演算された時刻k+1で予測された物標の位置A3に対する予測誤差範囲ER3が設定される。
Figure 0004769884
レーダアンテナ2及び物標検出部12などにより当該物標が検出された観測時点(時刻k)から、Δt秒後に指向性クラクション13を駆動する場合、時刻k+Δt(図2の位置A2に対応、時刻k+Δt<時刻k+1)での予測状態、即ち物標の予測位置及び予測速度を(6)式で演算する。
Figure 0004769884
なお、(6)式のTは、レーダアンテナ2、レーダ制御装置3及び物標検出部12からなる物標センサの応答時間である。即ち、時刻k+Δtのクラクション対象となる物標は、物標センサの応答時間Tを考慮して演算決定されている。
また、クラクション対象位置推定部11は、(6)式で予測されたクラクション対象となる物標の予測状態の不確かさを考慮して、時刻k+Δtでの予測誤差分散共分散行列を(7)式で演算する。これにより、図2に示すように、(6)式により演算された時刻k+Δtでの物標の位置A2に対する予測誤差範囲ER2が設定される。
Figure 0004769884
これにより、指向性クラクション13が鳴動される時刻k+Δtでの、クラクション対象となる物標の位置A2及びその予測誤差範囲ER2が、クラクション対象位置推定部11により図2に示すように決定される。次いで、時刻k+Δtでのクラクション対象となる物標の位置(x′、y′)及びその予測誤差範囲ER2が、クラクション制御装置9に出力される。
クラクション制御装置9は、更に、クラクション対象となる物標の時刻k+Δtでの位置A2及びその予測誤差範囲ER2に基づいて、指向性クラクション13を鳴動させる際の、図2に示す鳴動角θ(指向方向)及び広がり(指向性の広がり)Δθ、即ち指向性を(8)式及び(9)式を用いて演算する。
Figure 0004769884
Figure 0004769884
ただし、(9)式において、cは設計変数であり、c=1とすると、予測誤差範囲ER2の66.7パーセントがカバーされ、c=3とすると、99.7パーセントがカバーされる。
指向性クラクション13を鳴動させる際の指向性、即ち図2に示す鳴動角θ(指向方向)及び広がり角(指向性の広がり角)Δθが演算されたところで、クラクション制御装置9は、時刻k+Δtで、指向性クラクション13を、図2に示すように、鳴動角θ(指向方向)及び広がり(指向性の広がり)Δθで駆動する。すると、クラクション対象となる物標は、時刻k+Δtで、図2の位置A2を中心として、予測誤差範囲ER2に存在する可能性が高いので、指向性クラクション13の鳴動範囲にそうした予測誤差範囲ER2を含めることで、クラクションはクラクション対象となる物標に高い博率で到達することとなる。
上述の実施例では、クラクション対象となる物標を検出する物標センサとして、レーダアンテナ2、レーダ制御装置3及び物標検出部12からなるレーダ装置を用いたが、物標センサとしては、レーダ装置のほかに、車両1の前方(進行方向)の画像を捕捉して、それを画像処理することでクラクション対象となる物標を抽出する画像処理装置で構成することも可能である。
1……車両
2……レーダアンテナ(物標センサ)
3……レーダ制御装置(物標センサ)
5……指向性クラクション制御装置
9……クラクション制御装置
10……クラクション対象抽出部(クラクション対象領域設定手段)
11……クラクション対象位置推定部(物標状態推定手段、誤差範囲設定手段)
12……物標検出部(物標センサ)
13……指向性クラクション
15,16……物標
A1,A2,A3……位置
AR……クラクション対象抽出領域
ER1,ER2、ER3……予測誤差範囲
k……観測時間
k+1……観測時間より所定時間後
k+Δt……クラクションを鳴動させる時刻
θ……指向方向
Δθ……広がり角

Claims (7)

  1. 車両に装着され、クラクションの指向方向及び指向性の広がり角を制御することの出来る指向性クラクションを、クラクションスイッチを操作することで鳴動させることの出来る指向性クラクション制御装置において、
    前記車両の前方に存在する物標を検出する物標センサを有し、
    前記車両の進行方向にクラクション対象抽出領域を設定するクラクション対象抽出領域設定手段を設け、
    前記物標センサが検出した物標の中で、前記クラクション対象抽出領域に含まれる前記物標を、クラクションの鳴動動作とは関係なく、所定の時間間隔で抽出し、その位置及び観測時刻をメモリに格納するクラクション対象抽出部を設け、
    前記クラクションスイッチが操作されたことを検出するクラクションスイッチ操作検出手段を設け、
    前記クラクションスイッチが操作されたことが検出された場合に、前記メモリからクラクション対象となる物標の位置及び観測時間を読み出し、該観測時刻での当該物標の位置を推定する第1の物標状態推定手段を設け、
    前記観測時刻における前記物標の位置について、予測誤差範囲を演算設定する第1の誤差範囲設定手段を設け、
    前記観測時刻より所定時間後における前記物標の位置を演算推定する第2の物標状態推定手段を設け、
    前記所定時間後における前記物標の位置について、予測誤差範囲を演算設定する第2の誤差範囲設定手段を設け、
    前記クラクションを鳴動させる時刻における前記物標の位置を、前記観測時刻での前記物標の位置及び、前記観測時刻より所定時間後における前記物標の位置に基づいて推定する第3の物標状態推定手段を設け、
    前記クラクションを鳴動させる時刻における前記物標の位置について、予測誤差範囲を、前記観測時刻における予測誤差範囲及び前記所定時間後における予測誤差範囲に基づいて演算し設定する第3の誤差範囲設定手段を設け、
    前記演算されたクラクションを鳴動させる時刻における前記物標の位置及び予測誤差範囲に基づいて、前記指向性クラクションの指向方向及び指向性の広がり角を演算決定し、当該決定された指向方向及び指向性の広がり角で前記指向性クラクションを鳴動させるクラクション制御装置を設け、
    て構成したことを特徴とする指向性クラクション制御装置。
  2. 前記第1の誤差範囲設定手段は、前記予測誤差範囲を、前記観測時刻における予測誤差分散共分散行列を演算して求める、ことを特徴として構成した請求項1記載の指向性クラクション制御装置。
  3. 前記第2の誤差範囲設定手段は、前記予測誤差範囲を、前観測時刻より所定時間後における予測誤差分散共分散行列を演算して求める、ことを特徴として構成した請求項1又は2記載の指向性クラクション制御装置。
  4. 前記第1の誤差範囲設定手段は、前記予測誤差範囲を、前記観測時刻における予測誤差分散共分散行列を演算することで求め、
    前記第2の誤差範囲設定手段は、前記予測誤差範囲を、前観測時刻より所定時間後における予測誤差分散共分散行列を演算することで求め、
    前記第3の誤差範囲設定手段は、前記予測誤差範囲を、前記観測時刻における予測誤差分散共分散行列及び前記所定時間後における予測誤差分散共分散行列に基づいて演算して求める、ことを特徴として構成した請求項1項記載の指向性クラクション制御装置。
  5. 第1の物標状態推定手段は、前記観測時刻における前記物標の位置を、
    Figure 0004769884
    により演算することを特徴として構成した請求項1項記載の指向性クラクション制御装置。
  6. 第2の物標状態推定手段は、前記観測時刻より所定時間後における前記物標の位置を、
    Figure 0004769884
    により演算することを特徴として構成した請求項1項記載の指向性クラクション制御装置。
  7. 第1の物標状態推定手段は、前記観測時刻における前記物標の位置を、
    Figure 0004769884
    により演算し、
    第2の物標状態推定手段は、前記観測時刻より所定時間後における前記物標の位置を、
    Figure 0004769884
    により演算し、
    第3の物標状態推定手段は、クラクションを鳴動させる時刻における前記物標の位置を、
    Figure 0004769884
    により演算することを特徴として構成した請求項1項記載の指向性クラクション制御装置。
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