JP4769617B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
この種の自動変速機における変速機構は、入力軸(インプットシャフト)の回転をシフト位置に応じてプラネタリギアを構成する特定のギア又はキャリアに伝動したり、特定のギア又はキャリアの回転を適宜アウトプットシャフトに伝動したりすることで変速が実行される。また、変速時に適宜特定のギア又はキャリアの回転を拘束するために、通常複数のクラッチやブレーキ等の摩擦係合要素を備えており、これら摩擦係合要素の締結(係合又は結合とも称す)や解放の組み合わせにより伝動経路を切り換えて所定の変速が行われるよう構成されている。また、通常これらの摩擦係合要素は、油圧の給排状態によって係合状態が制御される油圧式のクラッチやブレーキが適用される。
このような課題に対して、例えば下記の特許文献1には、タイマを用いた技術が開示されている。具体的には、連続変速が行われている間はタイマを所定値から減算し、設定値に達したら摩擦係合要素の熱的負荷状態(温度)が焼損温度に達したものとして連続変速を禁止する。また、設定値に達するまでに連続変速が終了した場合には、タイマ値を初期値に向けて増加(復帰)させる。なお、このときタイマ値をすぐに初期値に戻すのではなく、所定の勾配で復帰させるように設定されている。
すなわち、クラッチやブレーキ等の摩擦係合要素の発熱量はシフトの種類(アップシフトやダウンシフト)、係合状態(締結や解放)、クラッチの相対回転、伝達トルク、自動変速機の油温等の条件に応じて異なり、単純にタイマのみで熱的負荷状態を正確に知ることはできない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、各摩擦係合要素の熱的負荷状態を正確に求めて、連続変速の禁止又は許可を精度よく行えるようにした、自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
さらに、該比較手段により該予測温度が該所定温度以上と判定された場合には、該変速禁止手段は次変速のアップシフトを禁止し、該比較手段により該予測温度が該所定温度以上と判定された場合であっても、該アップシフトを禁止するとエンジンが過回転となると判定された場合には、該変速禁止手段は該アップシフトを許可するとともにその後のダウンシフト禁止する。
また、該発熱量算出手段は、該摩擦係合要素の締結過渡時の発熱量を算出する締結過渡時発熱量算出手段をそなえ、該締結過渡時発熱量算出手段は、該摩擦係合要素の伝達トルクに基づいて微小時間における温度上昇分を算出するとともに、該前回算出された該摩擦係合要素の温度に今回算出した該温度上昇分を加算して現在温度を算出するのが好ましい(請求項5)。
また、該放熱量算出手段は、該摩擦係合要素の温度を所定勾配で低減させることにより該放熱量を算出するとともに、該所定勾配は該摩擦係合要素の締結定常時よりも解放定常時のほうが大きく設定されているのが好ましい(請求項7)。
また、該自動変速機の油温を検出する油温検出手段をそなえ、該現在温度算出手段は現在温度の初期値を油温検出手段で検出された油温に設定するのが好ましい(請求項9)。
また、該予測上昇温度算出手段は、該次変速がアップシフトである場合に該次変速で発生する該摩擦係合要素の上昇温度を予測するとともに、次変速がダウンシフトである場合には該予測上昇温度を0に設定するのが好ましい(請求項11)。
また、摩擦係合要素の焼き付きを回避しながら、エンジンの過回転を防止することができるという利点がある(請求項1,2)。
次に、本発明の要部について詳しく説明すると、本装置は、各摩擦係合要素の現在の熱的負荷状態(温度)を常に算出するとともに、次回の変速時の当該摩擦係合要素の上昇温度を推測し、これらの結果に基づいて次回の変速の禁止又は許可を実行するものである。
この現在温度算出手段101は、各摩擦係合要素の現在の温度を逐次算出し更新するものであって、エンジン始動時には初期値として油温センサ14で得られるATFの温度TOIL が設定される。これは、エンジン始動時には変速機7の各摩擦係合要素の温度は略油温とみなすことができるからである。
図示するように、1速から2速に変速する際に締結される摩擦係合要素(本実施形態では第2ブレーキ23に相当;図3参照)の温度を意図的に焼き付くおそれのある温度(250℃)に保持しておき、この状態で車速を一定勾配で低下させる。そして、1速にダウンシフトした後、車速VSP=0となると、イグニッションオフ(IGN−OFF)としてエンジンを停止する(図中のt1参照)。ここで、IGN−OFF後、エンジンを再始動(IGN−ON)する(t2参照)とともに、アクセル全開として2速へのアップシフトさせる(t3参照)。
このように、エンジン停止後すぐに再始動しても、摩擦係合要素の温度は油温TOIL 程度になっていることが試験的に確認できたので、エンジン始動時の初期温度として油温TOIL を設定することに何ら問題はない。
そこで、現在温度算出手段101では、このような温度変化特性を考慮してクラッチの温度を算出するようになっている。ここで、現在温度算出手段101によるクラッチの温度算出について具体的に説明すると、この現在温度算出手段101では変速マップ3からの情報に基づき現在の変速段や変速判断時には目標変速段が入力されるようになっており、さらにはタービン回転数センサ12及びエンジン回転数センサ14からはタービン回転数NT及びエンジン回転数NEが入力されるようになっている。
解放状態:Tdown=−B×t、ただしBは定数、tはインターバル・・・(1)
締結状態:Tdown=−C×t、ただしCは定数、tはインターバル・・・(2)
つまり、放熱量算出手段106では定常時には所定の勾配(B,C)でクラッチ温度が低下するものとして放熱量を算出するようになっている。また、上記の定数B,Cについては、本実施形態においては、B>Cと設定されており、図7に示すように、解放定常時のほうが急な勾配で温度低下するように設定されている。これは、締結定常時に比べて解放定常時の方が潤滑油が摩擦要素に供給され易く、その結果大きな放熱を行えるためである。
ところで、クラッチの締結または解放定常時には、計算上は式(1),(2)より所定勾配でクラッチ温度が低下することになるので、対象となるクラッチが長時間定常状態を維持すると実際にはありえない温度(例えば油温よりも低い温度)を算出してしまうことになる。
一方、タイマのカウント開始から所定時間以内にクラッチの状態が解放過渡又は締結過渡に変化すると、タイマがリセットされてカウントが初期値に戻るようになっている。これにより、クラッチが過渡状態から再び定常状態になると初期値からカウントが開始されるようになっている。
図8(a)に示すように、連続変速が発生すると、クラッチが締結されるたびにクラッチ温度が上昇する。なお、クラッチの締結定常時及び解放定常時にはクラッチ温度は低下するが、連続変速が短時間で行われるような場合にはクラッチ締結過渡時の温度上昇に比べれば温度低下は少ない。
この場合には発熱量算出手段105においてもクラッチの現在の温度が随時算出されるようになっている。まず、タービン回転数センサ12等の情報に基づいてクラッチが過渡状態であると判定されると、発熱量算出手段105ではクラッチが解放過渡時であるのか締結過渡時であるのかを判定するようになっている。
また、この締結過渡時発熱量算出手段107では、変速マップ3からの情報に基づいて、現在進行している変速がアップシフトであるか、又は、ダウンシフトであるかを判定するようになっている。ここで、クラッチが締結過渡状態であっても、アップシフトとダウンシフトとでは熱的負荷が大きく異なり、アップシフト時の締結過渡はダウンシフト時に比べて熱的負荷が大きい。一方、ダウンシフト時にはクラッチの締結過渡であってもあまり熱的負荷は大きくない。
そこで、本実施形態では、アップシフトと判定された場合のうち、締結過渡時には下式(3)に基づいてクラッチの発熱量TUPを算出するとともに、ダウンシフトと判定された場合、またはアップシフトと判定された場合のうち解放過渡時には下式(4)に基づいて発熱量TUPを設定するようになっている。
TUP=(ΔN×Tin×Δt/1000)×A×α・・・・(3)
TUP=0 ・・・・(4)
ただし、式(3)において、ΔNはクラッチの相対回転数、Tinはクラッチの伝達トルク、Δtは微小変速時間、Aはエネルギー量を温度に換算するための定数、αはマッチング定数(補正係数)である。なお、クラッチの相対回転ΔNは、タービン回転数センサ14で得られるタービン回転数NTと、出力軸回転数センサ13で得られる出力軸回転数Noと、変速機の各歯車のギア比とに基づいて算出される。また、クラッチの伝達トルクは、各摩擦係合要素に対するソレノイドバルブのデューティ値、即ち油圧値から算出される。
以上のようにして現在のクラッチ(摩擦係合要素)の温度Tcを算出しつつ、変速を判断したときには、コントローラ1では、現在の温度状態から次の変速を実行したときに、該変速に関与するクラッチの上昇温度を予測するようになっている。
一方、コントローラ1でアップシフト指令があると、この場合のみ実際のアップシフト動作に先立ち上昇温度が予測されるようになっている。この場合、アップシフト時予測上昇温度算出手段111では、当該変速に関与するクラッチがアップシフトを1回実行した際に生じる発熱量T1Uを算出するとともに、ダウンシフトを1回実行した際生じる発熱量T1Dを算出し、この合計を予測上昇温度TINH として出力するようになっている。なお、ダウンシフト時の発熱量についても算出しているのは、アップシフト後に再びアップシフト前の変速段にダウンシフトできないと走行性が極めて悪化するので、これを防止するためにダウンシフトによる発熱も考慮している。
TINH =T1U+T1D・・・・(5)
T1U=1/2×(ΔN×TinINH_IP×ΔtINH_IP/1000)×A
+(ΔN×TinINH_TP×ΔtINH_TP/1000)×A・・・・(6)
また、式(6)において、TinINH_IPはイナーシャフェーズにおけるクラッチ伝達トルク、TinINH_TPはトルクフェーズにおけるクラッチ伝達トルク、ΔtINH_IPはイナーシャフェーズ中の微小変速時間、ΔtINH_TPはトルクフェーズ中の微小変速時間であって、本実施形態では、TinINH_IP,TinINH_TP,ΔtINH_IP及びΔtINH_TPはそれぞれ摩擦係合要素ごとに所定値が適用されている。
TinINH_IP×ΔtINH_IP=Tin_dt_IP
TinINH_TP×ΔtINH_TP=Tin_dt_TP
とおくと、下式(7)となる。
T1U=ΔN(1/2×Tin_dt_IP+Tin_dt_TP)/1000×A・・・(7)
そして、上述のようにして予測上昇温度算出手段102により次変速時における予測上昇温度TINH が算出されると、図5に示すように、この予測上昇温度TINH 及び現在温度算出手段101で算出された現在のクラッチ温度Tcが予測温度算出手段103に入力されるようになっている。
また、図5に示すように、コントローラには閾値記憶手段110が設けられており、この閾値記憶手段110には、第1の所定温度T1と第2の所定温度T2とが記憶されている。ここで、第1の所定温度T1<第2の所定温度T2であって、第1の所定温度T1は、クラッチが最低1回の締結と解放とを実行しても焼き着くことはないが、所定期間継続してこの温度以上になったり、連続して複数回締結と解放を行うとクラッチが焼き着くおそれのある最低の温度(例えば250℃)であって、ある程度の安全率を見込んだ温度である。また、第2の所定温度T2は、1回でも締結を行うと確実に焼き付くと推測できる温度(例えば300℃)であって、余裕代のないぎりぎりの温度に設定されている。
ところで、予測温度TESが第1の所定温度T1以上の場合であっても、アップシフトを許容しないとエンジンがオーバレブ(過回転)すると判定された場合には、禁止手段104では、例外的に次変速のダウンシフトを禁止しながらアップシフトについては許可するようになっている。
そして、予測温度TESがT1≦TES<T2を満たす状態で、オーバレブ防止の目的でアップシフトが許容された場合、その後車速とスロットル開度とで規定される運転領域が所定領域内であることが検出されるまで、ダウンシフトを禁止するようになっている。
そこで、オーバレブを回避するために3速へのアップシフトが可能か判定される。そして、3速へのアップシフト時に締結側クラッチの予測温度TESが上述の第1の所定温度T1以上のNG領域に入るものの、第2の所定温度T2未満であれば、3速への変速を許可する。これにより運転点は点bに移り、クラッチ温度はT1以上T2未満の範囲に上昇する。
本発明の一実施形態に係る自動変速機の変速制御装置は上述のように構成されているので、その作用及び効果について図10のフローチャートを用いて説明すると以下のようになる。なお、図10に示すフローチャートは各摩擦係合要素毎に実行される。
そして、締結定常であればステップS3以下に進み、ステップS4でタイマのカウントを開始する。なお、タイマのカウントがすでに開始していればカウントを継続する。そして、ステップS5で放熱量の計算を行う。ここで、ステップS5では上述の式(2)より放熱量を算出する。
また、解放定常であれば、ステップS9以下に進み、ステップS4と同様にステップS10でリセット判定タイマをカウントし、その後、ステップS11で放熱量の計算を行う。また、ステップS11では放熱量を式(1)に基づいて算出する。
また、変速種がアップシフトと判定されると、ステップS16からステップS17に進み、現在トルクフェーズ前か否かが判定される。なお、トルクフェーズとはクラッチのがた詰め(プリチャージ)からタービン回転数に変化が生じるまでの段階である。そして、トルクフェーズ前であれば、実質的にはクラッチは解放の定常状態であるので、やはりステップS7に進み、発熱量=0と設定される。
このようにしてクラッチの状態に応じた発熱量又は放熱量が算出されると、ステップS21において、上記ステップS4及びステップS10でカウントされたタイマ値が所定値(クラッチリセット設定時間)以上か否かが判定される。そして、タイマ値が所定値以上であればステップS24に進み、所定値未満であればステップS22に進む。なお、直前でステップS7又はステップS19を通った場合には当然ながらタイマはクリアされているので、Noのルートを通り、ステップS22に進む。
そして、ステップS23で現在のクラッチ温度と油温とを比較して、算出されたクラッチ温度が現在の油温以下であるか否かを判定し、現在の油温よりも低ければステップS24に進んで、現在のクラッチ温度=油温と設定される。
一方、ステップS31でオーバレブすると判定されると、ステップS33に進み、エンジンを保護する目的でダウン変速が禁止されるとともにアップ変速が許可され、オーバレブフラグがオンとなる。これにより、アップ変速が実行されてオーバレブが回避される。ただし、このステップS33では、クラッチ温度Tcが第2所定温度T2以上である場合にはアップ変速を禁止して、クラッチの焼き付を防止する。
したがって、本発明の一実施形態に係る自動変速機の制御装置によれば、例えば図11に示すようにクラッチの温度に応じた変速の禁止が行われる。ここで、図11において(a)は実際の変速指示を示す図、(b)は変速要求の一例を示す図、(c)はクラッチ温度の変化を示す図である。
その後、定常状態となると、時間に応じて一定勾配でクラッチ温度が低下する。なお、この定常状態が所定時間継続した場合や、計算上クラッチ温度が油温以下になった場合には、図11の実線で囲んだ領域に示すように、クラッチ温度の下限値がクリップされる。
このように、本装置によれば、クラッチ等の摩擦係合要素の現在の熱的負荷状態と、次変速で発生する摩擦係合要素の発熱状態とを予測して、現在の熱的負荷状態と予想した次変速の発熱状態とに基づいて次変速の許可または禁止を決定するので、連続変速の禁止又は許可を精度よく実行することができる。また、これにより各摩擦係合要素の焼き付きを確実に防止でき、耐久性を高めることができるという利点がある。
また、アップシフト時予測上昇温度算出手段111では、クラッチがアップシフトを1回実行した際に生じる発熱量T1Uとダウンシフトを1回実行した際生じる発熱量T1Dとを算出する際においてもT1D=0と設定しているが、これについてもT1D=βとして算出するようにしても良い。
2 フィードバック制御手段
3 変速マップ
7 自動変速機
10 入力軸又はタービンシャフト
12 入力軸回転数センサ
15 第1クラッチ(摩擦係合要素)
17 第2クラッチ(摩擦係合要素)
19 第3クラッチ(摩擦係合要素)
22 第1ブレーキ(摩擦係合要素)
23 第2ブレーキ(摩擦係合要素)
35 油圧クラッチ機構
101 現在温度算出手段
102 予測上昇温度算出手段
103 予測温度算出手段
104 変速禁止手段
105 発熱量算出手段
106 放熱量算出手段
107 締結過渡時発熱量算出手段
108 解放過渡時発熱量算出手段
109 比較手段
110 閾値記憶手段
111 アップシフト時予測上昇温度算出手段
112 ダウンシフト時予測上昇温度算出手段
Claims (11)
- 複数の摩擦係合要素をそなえ、該複数の摩擦係合要素の係合状態を変更することにより目標変速段への変速を行なう自動変速機の制御装置であり、
変速を判断したときには、該摩擦係合要素の現在の熱的負荷状態を算出するとともに、次変速で発生する該摩擦係合要素の発熱状態を予測して、該現在の熱的負荷状態と該予測した次変速の発熱状態とに基づいて該次変速の許可または禁止を決定するものであって、
該摩擦係合要素の現在の温度を算出する現在温度算出手段と、
該次変速で発生する該摩擦係合要素の上昇温度を予測する予測上昇温度算出手段と、
該現在温度算出手段で算出された現在温度と該予測上昇温度算出手段で予測された予測上昇温度とに基づいて、該次変速での該摩擦係合要素の予測温度を求める予測温度算出手段と、
該予測温度算出手段で予測された該予測温度を所定温度と比較する比較手段と、
該比較手段により該予測温度が該所定温度以上と判定されると、次変速を禁止する変速禁止手段とをそなえ、
該比較手段により該予測温度が該所定温度以上と判定された場合には、該変速禁止手段は次変速のアップシフトを禁止し、
該比較手段により該予測温度が該所定温度以上と判定された場合であっても、該アップシフトを禁止するとエンジンが過回転となると判定された場合には、該変速禁止手段は該アップシフトを許可するとともにその後のダウンシフト禁止する
ことを特徴とする、自動変速機の変速制御装置。 - 該所定温度は、1回の締結解放では該摩擦係合要素は焼き付かない第1の所定温度と、該第1の所定温度よりも高く、1回の締結解放で該摩擦係合要素が焼き付く第2の所定温度とを有し、
該エンジンの過回転が予測される場合、該比較手段により該予測温度が該第1の所定温度以上であって該第2の所定温度未満であると判定されると、該アップシフトを許可するとともにその後のダウンシフト禁止し、該予測温度が該第2の所定温度以上となると該アップシフトを禁止する。
ことを特徴とする、請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 該アップシフト後は、次回の過回転防止アップシフトの発生まで十分時間が確保できる領域に走行状態が変化するまでダウンシフトの禁止を継続する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の自動変速機の変速制御装置。 - 該現在温度算出手段は、
該摩擦係合要素の締結及び解放の過渡時の発熱を算出する発熱量算出手段と、
該摩擦係合要素の締結及び解放の定常時の放熱を算出する放熱量算出手段とをそなえている
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の自動変速機の変速制御装置。 - 該自動変速機の油温を検出する油温検出手段をそなえ、
該発熱量算出手段は、該摩擦係合要素の締結過渡時の発熱量を算出する締結過渡時発熱量算出手段をそなえ、
該締結過渡時発熱量算出手段は、該摩擦係合要素の伝達トルクに基づいて微小時間における温度上昇分を算出するとともに、該油温検出手段で検出された該油温に今回算出した該温度上昇分を加算して現在温度を算出する
ことを特徴とする、請求項4記載の自動変速機の変速制御装置。 - 該発熱量算出手段は、該摩擦係合要素の解放過渡時の発熱量を算出する解放過渡時発熱量算出手段をそなえ、
該解放過渡時発熱量算出手段は、前回求めた該摩擦係合要素の発熱量を維持する
ことを特徴とする、請求項4記載の自動変速機の変速制御装置。 - 該放熱量算出手段は、該摩擦係合要素の温度を所定勾配で低減させることにより該放熱量を算出するとともに、
該所定勾配は該摩擦係合要素の締結定常時よりも解放定常時のほうが大きく設定されている
ことを特徴とする、請求項4記載の自動変速機の変速制御装置。 - 該自動変速機の油温を検出する油温検出手段をそなえ、
該現在温度算出手段は、該放熱量算出手段で算出される放熱量に基づく該摩擦係合要素の現在温度の算出が所定時間以上継続されると、該摩擦係合要素の現在温度を該油温検出手段で検出された油温に設定する
ことを特徴とする、請求項7記載の自動変速機の変速制御装置。 - 該自動変速機の油温を検出する油温検出手段をそなえ、
該現在温度算出手段は、該摩擦係合要素の現在温度の初期値を油温検出手段で検出された油温に設定する
ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載の自動変速機の変速制御装置。 - 該予測上昇温度算出手段は、該次変速での該摩擦係合要素の予測温度をアップシフトによる発熱量とダウンシフトによる発熱量とに基づき算出する
ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の自動変速機の変速制御装置。 - 該予測上昇温度算出手段は、該次変速がアップシフトである場合に該次変速で発生する該摩擦係合要素の上昇温度を予測するとともに、次変速がダウンシフトである場合には該予測上昇温度を0に設定する
ことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項記載の自動変速機の変速制御装置。
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