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JP4762458B2 - Laser processing equipment - Google Patents

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JP4762458B2
JP4762458B2 JP2001278707A JP2001278707A JP4762458B2 JP 4762458 B2 JP4762458 B2 JP 4762458B2 JP 2001278707 A JP2001278707 A JP 2001278707A JP 2001278707 A JP2001278707 A JP 2001278707A JP 4762458 B2 JP4762458 B2 JP 4762458B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体材料基板、圧電材料基板やガラス基板等の加工対象物の切断に使用されるレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ応用の一つに切断があり、レーザによる一般的な切断は次の通りである。例えば半導体ウェハやガラス基板のような加工対象物の切断する箇所に、加工対象物が吸収する波長のレーザ光を照射し、レーザ光の吸収により切断する箇所において加工対象物の表面から裏面に向けて加熱溶融を進行させて加工対象物を切断する。しかし、この方法では加工対象物の表面のうち切断する箇所となる領域周辺も溶融される。よって、加工対象物が半導体ウェハの場合、半導体ウェハの表面に形成された半導体素子のうち、上記領域付近に位置する半導体素子が溶融する恐れがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
加工対象物の表面の溶融を防止する方法として、例えば、特開2000-219528号公報や特開2000-15467号公報に開示されたレーザによる切断方法がある。これらの公報の切断方法では、加工対象物の切断する箇所をレーザ光により加熱し、そして加工対象物を冷却することにより、加工対象物の切断する箇所に熱衝撃を生じさせて加工対象物を切断する。
【0004】
しかし、これらの公報の切断方法では、加工対象物に生じる熱衝撃が大きいと、加工対象物の表面に、切断予定ラインから外れた割れやレーザ照射していない先の箇所までの割れ等の不必要な割れが発生することがある。よって、これらの切断方法では精密切断をすることができない。特に、加工対象物が半導体ウェハ、液晶表示装置が形成されたガラス基板や電極パターンが形成されたガラス基板の場合、この不必要な割れにより半導体チップ、液晶表示装置や電極パターンが損傷することがある。また、これらの切断方法では平均入力エネルギーが大きいので、半導体チップ等に与える熱的ダメージも大きい。
【0005】
本発明の目的は、加工対象物の表面に不必要な割れを発生させることなくかつその表面が溶融しないレーザ加工装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るレーザ加工装置は、パルス幅が1μs以下のパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、周波数の大きさの入力に基づいてレーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節する周波数調節手段と、レーザ光源から出射されたパルスレーザ光の集光点のピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上になるようにパルスレーザ光を集光する集光手段と、集光手段により集光されたパルスレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段と、加工対象物の切断予定ラインに沿ってパルスレーザ光の集光点を相対的に移動させる移動手段と、を備え、加工対象物の内部に集光点を合わせて1パルスのパルスレーザ光を加工対象物に照射することにより加工対象物の内部に1つの改質スポットが形成され、加工対象物の内部に集光点を合わせかつ切断予定ラインに沿って集光点を相対的に移動させて複数パルスのパルスレーザ光を加工対象物に照射することにより、切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に複数の改質スポットが形成され、入力された周波数の大きさに基づいて隣り合う改質スポット間の距離を演算する距離演算手段と、距離演算手段により演算された距離を表示する距離表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るレーザ加工装置によれば、加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射しかつ多光子吸収という現象を利用することにより、加工対象物の内部に改質領域を形成している。加工対象物の切断する箇所に何らかの起点があると、加工対象物を比較的小さな力で割って切断することができる。本発明に係るレーザ加工装置によれば、改質領域を起点として切断予定ラインに沿って加工対象物が割れることにより、加工対象物を切断することができる。よって、比較的小さな力で加工対象物を切断することができるので、加工対象物の表面に切断予定ラインから外れた不必要な割れを発生させることなく加工対象物の切断が可能となる。なお、集光点とはレーザ光が集光した箇所のことである。切断予定ラインは加工対象物の表面や内部に実際に引かれた線でもよいし、仮想の線でもよい。
【0008】
また、本発明に係るレーザ加工装置によれば、加工対象物の内部に局所的に多光子吸収を発生させて改質領域を形成している。よって、加工対象物の表面ではレーザ光がほとんど吸収されないので、加工対象物の表面が溶融することはない。以上のことはこれから説明するレーザ加工装置についても言えることである。
【0009】
また、本発明者によれば、パルスレーザ光の集光点の相対的移動速度が一定の場合、パルスレーザ光の繰り返し周波数を小さくすると、1パルスのパルスレーザ光で形成される改質部分(改質スポットという)と次の1パルスのパルスレーザ光で形成される改質スポットとの距離が大きくなるように制御できることが分かった。逆に、パルスレーザ光の繰り返し周波数を大きくするとこの距離が小さくなるように制御できることが分かった。なお、本明細書ではこの距離を隣り合う改質スポット間の距離又はピッチと表現する。
【0010】
よって、パルスレーザ光の繰り返し周波数を大きく又は小さくする調節を行うことにより、隣り合う改質スポット間の距離を制御できる。加工対象物の種類や厚さ等に応じてこの距離を変えることにより、加工対象物に応じた切断加工が可能となる。なお、切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に複数の改質スポットが形成されることにより改質領域が規定される。
【0011】
また、本発明に係るレーザ加工装置によれば、入力された周波数の大きさに基づいて隣り合う改質スポット間の距離を演算し、演算された距離を表示している。よって、レーザ加工装置に入力された周波数の大きさに基づいて形成される改質スポットについて、レーザ加工前に隣り合う改質スポット間の距離を知ることができる。
【0012】
本発明に係るレーザ加工装置は、パルス幅が1μs以下のパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光源から出射されたパルスレーザ光の集光点のピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上になるようにパルスレーザ光を集光する集光手段と、集光手段により集光されたパルスレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段と、加工対象物の切断予定ラインに沿ってパルスレーザ光の集光点を相対的に移動させる移動手段と、速度の大きさの入力に基づいて移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節する速度調節手段と、を備え、加工対象物の内部に集光点を合わせて1パルスのパルスレーザ光を加工対象物に照射することにより、加工対象物の内部に1つの改質スポットが形成され、加工対象物の内部に集光点を合わせかつ切断予定ラインに沿って集光点を相対的に移動させて、複数パルスのパルスレーザ光を加工対象物に照射することにより、切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に複数の改質スポットが形成され、入力された速度の大きさに基づいて隣り合う改質スポット間の距離を演算する距離演算手段と、距離演算手段により演算された距離を表示する距離表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明者によれば、パルスレーザ光の繰り返し周波数が一定の場合、パルスレーザ光の集光点の相対的移動速度を小さくすると、隣り合う改質スポット間の距離が小さくなるように制御でき、逆にパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度を大きくすると隣り合う改質スポット間の距離が大きくなるように制御できることが分かった。よって、パルスレーザ光の集光点の相対的移動速度を大きく又は小さくする調節を行うことにより、隣り合う改質スポット間の距離を制御できる。従って、加工対象物の種類や厚さ等に応じてこの距離を変えることにより、加工対象物に応じた切断加工が可能となる。なお、パルスレーザ光の集光点の相対的移動とは、パルスレーザ光の集光点を固定して加工対象物を移動させてもよいし、加工対象物を固定してパルスレーザ光の集光点を移動させてもよいし、両方を移動させてもよい。
【0014】
また、本発明に係るレーザ加工装置によれば、入力された速度の大きさに基づいて隣り合う改質スポット間の距離を演算し、演算された距離を表示している。よって、レーザ加工装置に入力された速度の大きさに基づいて形成される改質スポットについて、レーザ加工前に隣り合う改質スポット間の距離を知ることができる。
【0015】
本発明に係るレーザ加工装置は、パルス幅が1μs以下のパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、周波数の大きさの入力に基づいてレーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節する周波数調節手段と、レーザ光源から出射されたパルスレーザ光の集光点のピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上になるようにパルスレーザ光を集光する集光手段と、集光手段により集光されたパルスレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段と、加工対象物の切断予定ラインに沿ってパルスレーザ光の集光点を相対的に移動させる移動手段と、速度の大きさの入力に基づいて移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節する速度調節手段と、を備え、加工対象物の内部に集光点を合わせて1パルスのパルスレーザ光を加工対象物に照射することにより、加工対象物の内部に1つの改質スポットが形成され、加工対象物の内部に集光点を合わせかつ切断予定ラインに沿って集光点を相対的に移動させて、複数パルスのパルスレーザ光を加工対象物に照射することにより、切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に複数の改質スポットが形成され、入力された周波数の大きさと速度の大きさとに基づいて隣り合う改質スポット間の距離を演算する距離演算手段と、距離演算手段により演算された距離を表示する距離表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明に係るレーザ加工装置によれば、パルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさ及びパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさの両方を調節することにより、隣り合う改質スポット間の距離を制御できる。これらの調節を組み合わせることにより、この距離について制御できる大きさの種類を増やすことが可能となる。また、本発明に係るレーザ加工装置によれば、レーザ加工前に隣り合う改質スポット間の距離を知ることができる。
【0017】
これらのレーザ加工装置において、レーザ加工装置により形成される改質スポットの寸法を予め記憶している寸法記憶手段と、寸法記憶手段に記憶された寸法と距離演算手段により演算された距離とに基づいて、切断予定ラインに沿って形成される複数の改質スポットの画像を作成する画像作成手段と、画像作成手段により作成された画像を表示する画像表示手段と、を備えるようにすることができる。これによれば、形成される複数の改質スポット、つまり改質領域についてレーザ加工前に視覚的に把握することができる。
【0018】
本発明に係るレーザ加工装置は、パルス幅が1μs以下のパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節する周波数調節手段と、レーザ光源から出射されたパルスレーザ光の集光点のピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上になるようにパルスレーザ光を集光する集光手段と、集光手段により集光されたパルスレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段と、加工対象物の切断予定ラインに沿ってパルスレーザ光の集光点を相対的に移動させる移動手段と、を備え、加工対象物の内部に集光点を合わせて1パルスのパルスレーザ光を加工対象物に照射することにより、加工対象物の内部に1つの改質スポットが形成され、加工対象物の内部に集光点を合わせかつ切断予定ラインに沿って集光点を相対的に移動させて、複数パルスのパルスレーザ光を加工対象物に照射することにより、切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に複数の改質スポットが形成され、隣り合う改質スポット間の距離の大きさの入力に基づいて、隣り合う改質スポット間の距離をこの大きさにするために、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを演算する周波数演算手段を備え、周波数調節手段は周波数演算手段により演算された周波数の大きさとなるようにレーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節する、ことを特徴とする。
【0019】
本発明に係るレーザ加工装置によれば、隣り合う改質スポット間の距離の大きさの入力に基づいて、隣り合う改質スポット間の距離をこの大きさにするために、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを演算している。周波数調節手段は周波数演算手段により演算された周波数の大きさとなるようにレーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節している。よって、隣り合う改質スポット間の距離を所望の大きさにすることができる。
【0020】
本発明に係るレーザ加工装置において、周波数演算手段により演算された周波数の大きさを表示する周波数表示手段を備えるようにすることができる。これによれば、隣り合う改質スポット間の距離の大きさの入力に基づいてレーザ加工装置を動作させる場合、レーザ加工前に周波数を知ることができる。
【0021】
本発明に係るレーザ加工装置は、パルス幅が1μs以下のパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光源から出射されたパルスレーザ光の集光点のピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上になるようにパルスレーザ光を集光する集光手段と、集光手段により集光されたパルスレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段と、加工対象物の切断予定ラインに沿ってパルスレーザ光の集光点を相対的に移動させる移動手段と、移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節する速度調節手段と、を備え、加工対象物の内部に集光点を合わせて1パルスのパルスレーザ光を加工対象物に照射することにより、加工対象物の内部に1つの改質スポットが形成され、加工対象物の内部に集光点を合わせかつ切断予定ラインに沿って集光点を相対的に移動させて、複数パルスのパルスレーザ光を加工対象物に照射することにより、切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に複数の改質スポットが形成され、隣り合う改質スポット間の距離の大きさの入力に基づいて、隣り合う改質スポット間の距離をこの大きさにするために、移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを演算する速度演算手段と、を備え、速度調節手段は速度演算手段により演算された相対的移動速度の大きさとなるように移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節する、ことを特徴とする。
【0022】
本発明に係るレーザ加工装置によれば、隣り合う改質スポット間の距離の大きさの入力に基づいて、隣り合う改質スポット間の距離をこの大きさにするために、移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを演算している。速度調節手段は速度演算手段により演算された相対的移動速度の大きさとなるように移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節している。よって、隣り合う改質スポット間の距離を所望の大きさにすることができる。
【0023】
本発明に係るレーザ加工装置において、速度演算手段により演算された相対的移動速度の大きさを表示する速度表示手段を備えるようにすることができる。これによれば、隣り合う改質スポット間の距離の大きさの入力に基づいてレーザ加工装置を動作させる場合、レーザ加工前に相対的移動速度を知ることができる。
【0024】
本発明に係るレーザ加工装置は、パルス幅が1μs以下のパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節する周波数調節手段と、レーザ光源から出射されたパルスレーザ光の集光点のピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上になるようにパルスレーザ光を集光する集光手段と、集光手段により集光されたパルスレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段と、加工対象物の切断予定ラインに沿ってパルスレーザ光の集光点を相対的に移動させる移動手段と、移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節する速度調節手段と、を備え、加工対象物の内部に集光点を合わせて1パルスのパルスレーザ光を加工対象物に照射することにより、加工対象物の内部に1つの改質スポットが形成され、加工対象物の内部に集光点を合わせかつ切断予定ラインに沿って集光点を相対的に移動させて、複数パルスのパルスレーザ光を加工対象物に照射することにより、切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に複数の改質スポットが形成され、隣り合う改質スポット間の距離の大きさの入力に基づいて、隣り合う改質スポット間の距離をこの大きさにするために、レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさと移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさとの組み合わせを演算する組み合わせ演算手段を備え、周波数調節手段は組み合わせ演算手段により演算された周波数の大きさとなるようにレーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節し、速度調節手段は組み合わせ演算手段により演算された相対的移動速度の大きさとなるように移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節する、ことを特徴とする。
【0025】
本発明に係るレーザ加工装置によれば、隣り合う改質スポット間の距離の大きさの入力に基づいて、隣り合う改質スポット間の距離をこの大きさにするために、パルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさとパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさとの組み合わせを演算している。周波数調節手段及び速度調節手段は演算された組み合わせの値となるように、パルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさ及びパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節している。よって、隣り合う改質スポット間の距離を所望の大きさにすることができる。
【0026】
本発明に係るレーザ加工装置において、組み合わせ演算手段により演算された周波数の大きさ及び相対的移動速度の大きさを表示する表示手段を備えるようにすることもできる。これによれば、隣り合う改質スポット間の距離の大きさの入力に基づいてレーザ加工装置を動作させる場合、レーザ加工前に周波数と相対的移動速度との組み合わせを知ることができる。
【0027】
上記のすべての本発明に係るレーザ加工装置により、切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に複数の改質スポットを形成することができる。これらの改質スポットにより改質領域が規定される。改質領域は加工対象物の内部においてクラックが発生した領域であるクラック領域、加工対象物の内部において溶融処理した領域である溶融処理領域及び加工対象物の内部において屈折率が変化した領域である屈折率変化領域のうち少なくともいずれか一つを含む。
【0028】
上記のすべての本発明に係るレーザ加工装置によれば、隣り合う改質スポット間の距離を調節できるので、改質領域を切断予定ラインに沿って連続的に形成したり断続的に形成したりすることができる。改質領域を連続的に形成すると、連続的に形成しない場合と比べて改質領域を起点とした加工対象物の切断が容易となる。改質領域を断続的に形成すると、改質領域が切断予定ラインに沿って連続していないので、切断予定ラインの箇所はある程度の強度を保持している。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態に係るレーザ加工装置は、多光子吸収により改質領域を形成している。多光子吸収はレーザ光の強度を非常に大きくした場合に発生する現象である。まず、多光子吸収について簡単に説明する。
【0030】
材料の吸収のバンドギャップEGよりも光子のエネルギーhνが小さいと光学的に透明となる。よって、材料に吸収が生じる条件はhν>EGである。しかし、光学的に透明でも、レーザ光の強度を非常に大きくするとnhν>EGの条件(n=2,3,4,・・・である)で材料に吸収が生じる。この現象を多光子吸収という。パルス波の場合、レーザ光の強度はレーザ光の集光点のピークパワー密度(W/cm2)で決まり、例えばピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上の条件で多光子吸収が生じる。ピークパワー密度は、(集光点におけるレーザ光の1パルス当たりのエネルギー)÷(レーザ光のビームスポット断面積×パルス幅)により求められる。また、連続波の場合、レーザ光の強度はレーザ光の集光点の電界強度(W/cm2)で決まる。
【0031】
このような多光子吸収を利用する本実施形態に係るレーザ加工の原理について図1〜図6を用いて説明する。図1はレーザ加工中の加工対象物1の平面図であり、図2は図1に示す加工対象物1のII−II線に沿った断面図であり、図3はレーザ加工後の加工対象物1の平面図であり、図4は図3に示す加工対象物1のIV−IV線に沿った断面図であり、図5は図3に示す加工対象物1のV−V線に沿った断面図であり、図6は切断された加工対象物1の平面図である。
【0032】
図1及び図2に示すように、加工対象物1の表面3には切断予定ライン5がある。切断予定ライン5は直線状に延びた仮想線である。本実施形態に係るレーザ加工は、多光子吸収が生じる条件で加工対象物1の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを加工対象物1に照射して改質領域7を形成する。なお、集光点とはレーザ光Lが集光した箇所のことである。
【0033】
レーザ光Lを切断予定ライン5に沿って(すなわち矢印A方向に沿って)相対的に移動させることにより、集光点Pを切断予定ライン5に沿って移動させる。これにより、図3〜図5に示すように改質領域7が切断予定ライン5に沿って加工対象物1の内部にのみ形成される。本実施形態に係るレーザ加工方法は、加工対象物1がレーザ光Lを吸収することにより加工対象物1を発熱させて改質領域7を形成するのではない。加工対象物1にレーザ光Lを透過させ加工対象物1の内部に多光子吸収を発生させて改質領域7を形成している。よって、加工対象物1の表面3ではレーザ光Lがほとんど吸収されないので、加工対象物1の表面3が溶融することはない。
【0034】
加工対象物1の切断において、切断する箇所に起点があると加工対象物1はその起点から割れるので、図6に示すように比較的小さな力で加工対象物1を切断することができる。よって、加工対象物1の表面3に不必要な割れを発生させることなく加工対象物1の切断が可能となる。
【0035】
なお、改質領域を起点とした加工対象物の切断は、次の二通りが考えられる。一つは、改質領域形成後、加工対象物に人為的な力が印加されることにより、改質領域を起点として加工対象物が割れ、加工対象物が切断される場合である。これは、例えば加工対象物の厚みが大きい場合の切断である。人為的な力が印加されるとは、例えば、加工対象物の切断予定ラインに沿って加工対象物に曲げ応力やせん断応力を加えたり、加工対象物に温度差を与えることにより熱応力を発生させたりすることである。他の一つは、改質領域を形成することにより、改質領域を起点として加工対象物の断面方向(厚さ方向)に向かって自然に割れ、結果的に加工対象物が切断される場合である。これは、例えば加工対象物の厚みが小さい場合、厚さ方向に改質領域が1つでも可能であり、加工対象物の厚みが大きい場合、厚さ方向に複数の改質領域を形成することで可能となる。なお、この自然に割れる場合も、切断する箇所の表面上において、改質領域が形成されていない部分まで割れが先走ることがなく、改質部を形成した部分のみを割断することができるので、割断を制御よくすることができる。近年、シリコンウェハ等の半導体ウェハの厚さは薄くなる傾向にあるので、このような制御性のよい割断方法は大変有効である。
【0036】
さて、本実施形態において多光子吸収により形成される改質領域として、次の(1)〜(3)がある。
(1)改質領域が一つ又は複数のクラックを含むクラック領域の場合
レーザ光を加工対象物(例えばガラスやLiTaO3からなる圧電材料)の内部に集光点を合わせて、集光点における電界強度が1×108(W/cm2)以上でかつパルス幅が1μs以下の条件で照射する。このパルス幅の大きさは、多光子吸収を生じさせつつ加工対象物表面に余計なダメージを与えずに、加工対象物の内部にのみクラック領域を形成できる条件である。これにより、加工対象物の内部には多光子吸収による光学的損傷という現象が発生する。この光学的損傷により加工対象物の内部に熱ひずみが誘起され、これにより加工対象物の内部にクラック領域が形成される。電界強度の上限値としては、例えば1×1012(W/cm2)である。パルス幅は例えば1ns〜200nsが好ましい。なお、多光子吸収によるクラック領域の形成は、例えば、第45回レーザ熱加工研究会論文集(1998年.12月)の第23頁〜第28頁の「固体レーザー高調波によるガラス基板の内部マーキング」に記載されている。
【0037】
本発明者は、電界強度とクラックの大きさとの関係を実験により求めた。実験条件は次ぎの通りである。
(A)加工対象物:パイレックス(登録商標)ガラス(厚さ700μm)
(B)レーザ
光源:半導体レーザ励起Nd:YAGレーザ
波長:1064nm
レーザ光スポット断面積:3.14×10-8cm2
発振形態:Qスイッチパルス
繰り返し周波数:100kHz
パルス幅:30ns
出力:出力<1mJ/パルス
レーザ光品質:TEM00
偏光特性:直線偏光
(C)集光用レンズ
レーザ光波長に対する透過率:60パーセント
(D)加工対象物が載置される載置台の移動速度:100mm/秒
なお、レーザ光品質がTEM00とは、集光性が高くレーザ光の波長程度まで集光可能を意味する。
【0038】
図7は上記実験の結果を示すグラフである。横軸はピークパワー密度であり、レーザ光がパルスレーザ光なので電界強度はピークパワー密度で表される。縦軸は1パルスのレーザ光により加工対象物の内部に形成されたクラック部分(クラックスポット)の大きさを示している。クラックスポットが集まりクラック領域となる。クラックスポットの大きさは、クラックスポットの形状のうち最大の長さとなる部分の大きさである。グラフ中の黒丸で示すデータは集光用レンズ(C)の倍率が100倍、開口数(NA)が0.80の場合である。一方、グラフ中の白丸で示すデータは集光用レンズ(C)の倍率が50倍、開口数(NA)が0.55の場合である。ピークパワー密度が1011(W/cm2)程度から加工対象物の内部にクラックスポットが発生し、ピークパワー密度が大きくなるに従いクラックスポットも大きくなることが分かる。
【0039】
次に、本実施形態に係るレーザ加工において、クラック領域形成による加工対象物の切断のメカニズムについて図8〜図11を用いて説明する。図8に示すように、多光子吸収が生じる条件で加工対象物1の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを加工対象物1に照射して切断予定ラインに沿って内部にクラック領域9を形成する。クラック領域9は一つ又は複数のクラックを含む領域である。図9に示すようにクラック領域9を起点としてクラックがさらに成長し、図10に示すようにクラックが加工対象物1の表面3と裏面21に到達し、図11に示すように加工対象物1が割れることにより加工対象物1が切断される。加工対象物の表面と裏面に到達するクラックは自然に成長する場合もあるし、加工対象物に力が印加されることにより成長する場合もある。
【0040】
(2)改質領域が溶融処理領域の場合
レーザ光を加工対象物(例えばシリコンのような半導体材料)の内部に集光点を合わせて、集光点における電界強度が1×108(W/cm2)以上でかつパルス幅が1μs以下の条件で照射する。これにより加工対象物の内部は多光子吸収によって局所的に加熱される。この加熱により加工対象物の内部に溶融処理領域が形成される。溶融処理領域とは一旦溶融後再固化した領域、溶融状態中の領域及び溶融から再固化する状態中の領域のうち少なくともいずれか一つを意味する。また、溶融処理領域は一旦溶融後再固化した領域であり、相変化した領域や結晶構造が変化した領域ということもできる。また、溶融処理領域とは単結晶構造、非晶質構造、多結晶構造において、ある構造が別の構造に変化した領域ということもできる。つまり、例えば、単結晶構造から非晶質構造に変化した領域、単結晶構造から多結晶構造に変化した領域、単結晶構造から非晶質構造及び多結晶構造を含む構造に変化した領域を意味する。加工対象物がシリコン単結晶構造の場合、溶融処理領域は例えば非晶質シリコン構造である。なお、電界強度の上限値としては、例えば1×1012(W/cm2)である。パルス幅は例えば1ns〜200nsが好ましい。
【0041】
本発明者は、シリコンウェハの内部で溶融処理領域が形成されることを実験により確認した。実験条件は次ぎの通りである。
【0042】
(A)加工対象物:シリコンウェハ(厚さ350μm、外径4インチ)
(B)レーザ
光源:半導体レーザ励起Nd:YAGレーザ
波長:1064nm
レーザ光スポット断面積:3.14×10-8cm2
発振形態:Qスイッチパルス
繰り返し周波数:100kHz
パルス幅:30ns
出力:20μJ/パルス
レーザ光品質:TEM00
偏光特性:直線偏光
(C)集光用レンズ
倍率:50倍
NA:0.55
レーザ光波長に対する透過率:60パーセント
(D)加工対象物が載置される載置台の移動速度:100mm/秒
図12は上記条件でのレーザ加工により切断されたシリコンウェハの一部における断面の写真を表した図である。シリコンウェハ11の内部に溶融処理領域13が形成されている。なお、上記条件により形成された溶融処理領域の厚さ方向の大きさは100μm程度である。
【0043】
溶融処理領域13が多光子吸収により形成されたことを説明する。図13は、レーザ光の波長とシリコン基板の内部の透過率との関係を示すグラフである。ただし、シリコン基板の表面側と裏面側それぞれの反射成分を除去し、内部のみの透過率を示している。シリコン基板の厚みtが50μm、100μm、200μm、500μm、1000μmの各々について上記関係を示した。
【0044】
例えば、Nd:YAGレーザの波長である1064nmにおいて、シリコン基板の厚みが500μm以下の場合、シリコン基板の内部ではレーザ光が80%以上透過することが分かる。図12に示すシリコンウェハ11の厚さは350μmであるので、多光子吸収による溶融処理領域はシリコンウェハの中心付近、つまり表面から175μmの部分に形成される。この場合の透過率は、厚さ200μmのシリコンウェハを参考にすると、90%以上なので、レーザ光がシリコンウェハ11の内部で吸収されるのは僅かであり、ほとんどが透過する。このことは、シリコンウェハ11の内部でレーザ光が吸収されて、溶融処理領域がシリコンウェハ11の内部に形成(つまりレーザ光による通常の加熱で溶融処理領域が形成)されたものではなく、溶融処理領域が多光子吸収により形成されたことを意味する。多光子吸収による溶融処理領域の形成は、例えば、溶接学会全国大会講演概要第66集(2000年4月)の第72頁〜第73頁の「ピコ秒パルスレーザによるシリコンの加工特性評価」に記載されている。
【0045】
なお、シリコンウェハは、溶融処理領域を起点として断面方向に向かって割れを発生させ、その割れがシリコンウェハの表面と裏面に到達することにより、結果的に切断される。シリコンウェハの表面と裏面に到達するこの割れは自然に成長する場合もあるし、加工対象物に力が印加されることにより成長する場合もある。なお、溶融処理領域からシリコンウェハの表面と裏面に割れが自然に成長するのは、一旦溶融後再固化した状態となった領域から割れが成長する場合、溶融状態の領域から割れが成長する場合及び溶融から再固化する状態の領域から割れが成長する場合のうち少なくともいずれか一つである。いずれの場合も切断後の切断面は図12に示すように内部にのみ溶融処理領域が形成される。加工対象物の内部に溶融処理領域を形成する場合、割断時、切断予定ラインから外れた不必要な割れが生じにくいので、割断制御が容易となる。
【0046】
(3)改質領域が屈折率変化領域の場合
レーザ光を加工対象物(例えばガラス)の内部に集光点を合わせて、集光点における電界強度が1×108(W/cm2)以上でかつパルス幅が1ns以下の条件で照射する。パルス幅を極めて短くして、多光子吸収を加工対象物の内部に起こさせると、多光子吸収によるエネルギーが熱エネルギーに転化せずに、加工対象物の内部にはイオン価数変化、結晶化又は分極配向等の永続的な構造変化が誘起されて屈折率変化領域が形成される。電界強度の上限値としては、例えば1×1012(W/cm2)である。パルス幅は例えば1ns以下が好ましく、1ps以下がさらに好ましい。多光子吸収による屈折率変化領域の形成は、例えば、第42回レーザ熱加工研究会論文集(1997年.11月)の第105頁〜第111頁の「フェムト秒レーザー照射によるガラス内部への光誘起構造形成」に記載されている。
【0047】
以上のように本実施形態によれば、改質領域を多光子吸収により形成している。そして、本実施形態は、パルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさやパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節することにより、1パルスのパルスレーザ光で形成される改質スポットと次の1パルスのパルスレーザ光で形成される改質スポットとの距離を制御している。つまり隣り合う改質スポット間の距離を制御している。以下この距離をピッチpとして説明をする。ピッチpの制御についてクラック領域を例に説明する。
【0048】
パルスレーザ光の繰り返し周波数をf(Hz)、加工対象物のX軸ステージ又はY軸ステージの移動速度をv(mm/sec)とする。これらのステージの移動速度はパルスレーザ光の集光点の相対的移動の速度の一例である。パルスレーザ光の1ショットで形成されるクラック部分をクラックスポットという。よって、切断予定ライン5の単位長さあたりに形成されるクラックスポットの数nは、以下の通りである。
n=f/v
単位長さあたりに形成されるクラックスポットの数nの逆数がピッチpに相当する。
p=1/n
【0049】
よって、パルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさ及びパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさのうち少なくともいずれかを調節すれば、ピッチpを制御することができる。すなわち、繰り返し周波数をf(Hz)を大きくすることやステージの移動速度をv(mm/sec)を小さくすることにより、ピッチpを小さく制御できる。逆に、繰り返し周波数をf(Hz)を小さくすることやステージの移動速度をv(mm/sec)を大きくすることにより、ピッチpを大きく制御できる。
【0050】
ところで、ピッチpと切断予定ライン5方向におけるクラックスポットの寸法dとの関係は図14〜図16に示す三通りがある。図14〜図16は、本実施形態に係るレーザ加工によりクラック領域が形成された加工対象物の切断予定ライン5に沿った部分の平面図である。クラックスポット90は1パルスのパルスレーザ光で形成される。複数のクラックスポット90が切断予定ライン5に沿って並ぶように形成されることにより、クラック領域9が形成される。
【0051】
図14は、ピッチpが寸法dより大きい場合を示している。クラック領域9は切断予定ライン5に沿って加工対象物の内部に断続的に形成されている。図15は、ピッチpが寸法dと略等しい場合を示している。クラック領域9は切断予定ライン5に沿って加工対象物の内部に連続に形成されている。図16は、ピッチpが寸法dより小さい場合を示している。クラック領域9は切断予定ライン5に沿って加工対象物の内部に連続的に形成されている。
【0052】
図14によれば、クラック領域9が切断予定ライン5に沿って連続していないので、切断予定ライン5の箇所はある程度の強度を保持している。よって、レーザ加工終了後に加工対象物の切断工程を行う場合、加工対象物のハンドリングが容易となる。図15及び図16によれば、クラック領域9が切断予定ライン5に沿って連続的に形成されているので、クラック領域9を起点とした加工対象物の切断が容易となる。
【0053】
図14によればピッチpが寸法dより大きくされており、図15によればピッチpを寸法dと略等しくされているので、パルスレーザ光の照射により多光子吸収の生じる領域が既に形成されたクラックスポット90と重なるのを防止できる。この結果、クラックスポットの寸法のばらつきを小さくすることができる。すなわち、本発明者によれば、パルスレーザ光の照射により多光子吸収の生じる領域が既に形成されたクラックスポット90と重なると、この領域に形成されるクラックスポット90の寸法のばらつきが大きくなる、ことが分かった。クラックスポット90の寸法のばらつきが大きくなると、加工対象物を切断予定ラインに沿って精密に切断するのが困難となり、また、切断面の平坦性も悪くなる。図14及び図15によれば、クラックスポットの寸法のばらつきを小さくできるので、切断予定ラインに沿って加工対象物を精密に切断することができ、かつ、切断面を平坦にすることができる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、パルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさやパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節することにより、ピッチpを制御することができる。これにより、加工対象物の厚さや材質等を考慮してピッチpを変えることにより、加工対象物に応じたレーザ加工が可能となる。
【0055】
なお、ピッチpの制御ができることについて、クラックスポットの場合で説明したが、溶融処理スポットや屈折率変化スポットでも同様のことが言える。但し、溶融処理スポットや屈折率変化スポットについてはすでに形成された溶融処理スポットや屈折率変化スポットとの重なりが生じても問題はない。また、パルスレーザ光の集光点の相対的移動とは、パルスレーザ光の集光点を固定して加工対象物を移動させる場合でもよいし、加工対象物を固定してパルスレーザ光の集光点を移動させる場合でもよいし、加工対象物とパルスレーザ光の集光点とを互いに逆方向に移動させる場合でもよいし、加工対象物とパルスレーザ光の集光点とを速度を異ならせかつ同じ方向に移動させる場合でもよい。
【0056】
次に、本実施形態に係るレーザ加工装置について説明する。図17はこのレーザ加工装置100の概略構成図である。レーザ加工装置100は、レーザ光Lを発生するレーザ光源101と、レーザ光Lの出力やパルス幅等を調節するためにレーザ光源101を制御するレーザ光源制御部102と、レーザ光Lの反射機能を有しかつレーザ光Lの光軸の向きを90°変えるように配置されたダイクロイックミラー103と、ダイクロイックミラー103で反射されたレーザ光Lを集光する集光用レンズ105と、集光用レンズ105で集光されたレーザ光Lが照射される加工対象物1が載置される載置台107と、載置台107をX軸方向に移動させるためのX軸ステージ109と、載置台107をX軸方向に直交するY軸方向に移動させるためのY軸ステージ111と、載置台107をX軸及びY軸方向に直交するZ軸方向に移動させるためのZ軸ステージ113と、これら三つのステージ109,111,113の移動を制御するステージ制御部115と、を備える。
【0057】
レーザ光源101はパルスレーザ光を発生するNd:YAGレーザである。レーザ光源101に用いることができるレーザとして、この他、Nd:YVO4レーザやNd:YLFレーザやチタンサファイアレーザがある。クラック領域や溶融処理領域を形成する場合、Nd:YAGレーザ、Nd:YVO4レーザ、Nd:YLFレーザを用いるのが好適である。屈折率変化領域を形成する場合、チタンサファイアレーザを用いるのが好適である。
【0058】
レーザ光源101はQスイッチレーザである。図18は、レーザ光源101に備えられるQスイッチレーザの概略構成図である。Qスイッチレーザは、所定間隔を設けて配置されたミラー51,53と、ミラー51とミラー53との間に配置されたレーザ媒質55と、レーザ媒質55に励起用の入力を加える励起源57、レーザ媒質55とミラー51との間に配置されたQスイッチ59と、を備える。レーザ媒質55の材料は例えばNd:YAGである。
【0059】
Qスイッチ59を利用して共振器の損失を高くした状態で励起源57から励起入力をレーザ媒質55に加えることにより、レーザ媒質55の反転分布を所定値まで上昇させる。その後、Qスイッチ59を利用して共振器の損失を低くした状態にすることにより、蓄積されたエネルギーを瞬時に発振させパルスレーザ光Lを発生させる。レーザ光源制御部102からの信号S(例えば超音波パルスの繰り返し周波数の変化)によりQスイッチ59が高い状態になるように制御される。よって、レーザ光源制御部102からの信号Sにより、レーザ光源101から出射されるパルスレーザ光Lの繰り返し周波数を調節することができる。レーザ光源制御部102が周波数調節手段の一例となる。繰り返し周波数の調節は、レーザ加工装置の操作者が後で説明する全体制御部127にキーボード等を用いて繰り返し周波数の大きさを入力することによりなされる。以上がレーザ光源101の詳細である。
【0060】
レーザ加工中、加工対象物1をX軸方向やY軸方向に移動させることにより、切断予定ラインに沿って改質領域を形成する。よって、例えば、X軸方向に改質領域を形成する場合、X軸ステージ109の移動速度を調節することにより、パルスレーザ光の集光点の相対的移動の速度を調節することができる。また、Y軸方向に改質領域を形成する場合、Y軸ステージ111の移動速度を調節することにより、パルスレーザ光の集光点の相対的移動の速度を調節することができる。これらのステージの移動速度の調節はステージ制御部115により制御される。ステージ制御部115は速度調節手段の一例となる。速度の調節は、レーザ加工装置の操作者が後で説明する全体制御部127にキーボード等を用いて速度の大きさを入力することによりなされる。なお、集光点Pを移動可能とし、その移動速度を調節することにより、パルスレーザ光の集光点の相対的移動の速度を調節することもできる。
【0061】
Z軸方向は加工対象物1の表面3と直交する方向なので、加工対象物1に入射するレーザ光Lの焦点深度の方向となる。よって、Z軸ステージ113をZ軸方向に移動させることにより、加工対象物1の内部にレーザ光Lの集光点Pを合わせることができる。また、この集光点PのX(Y)軸方向の移動は、加工対象物1をX(Y)軸ステージ109(111)によりX(Y)軸方向に移動させることにより行う。X(Y)軸ステージ109(111)が移動手段の一例となる。
【0062】
集光用レンズ105は集光手段の一例である。Z軸ステージ113はレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段の一例である。集光用レンズ105をZ軸方向に移動させることによっても、レーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせることができる。
【0063】
レーザ加工装置100はさらに、載置台107に載置された加工対象物1を可視光線により照明するために可視光線を発生する観察用光源117と、ダイクロイックミラー103及び集光用レンズ105と同じ光軸上に配置された可視光用のビームスプリッタ119と、を備える。ビームスプリッタ119と集光用レンズ105との間にダイクロイックミラー103が配置されている。ビームスプリッタ119は、可視光線の約半分を反射し残りの半分を透過する機能を有しかつ可視光線の光軸の向きを90°変えるように配置されている。観察用光源117から発生した可視光線はビームスプリッタ119で約半分が反射され、この反射された可視光線がダイクロイックミラー103及び集光用レンズ105を透過し、加工対象物1の切断予定ライン5等を含む表面3を照明する。
【0064】
レーザ加工装置100はさらに、ビームスプリッタ119、ダイクロイックミラー103及び集光用レンズ105と同じ光軸上に配置された撮像素子121及び結像レンズ123を備える。撮像素子121としては例えばCCD(charge-coupled device)カメラがある。切断予定ライン5等を含む表面3を照明した可視光線の反射光は、集光用レンズ105、ダイクロイックミラー103、ビームスプリッタ119を透過し、結像レンズ123で結像されて撮像素子121で撮像され、撮像データとなる。
【0065】
レーザ加工装置100はさらに、撮像素子121から出力された撮像データが入力される撮像データ処理部125と、レーザ加工装置100全体を制御する全体制御部127と、モニタ129と、を備える。撮像データ処理部125は、撮像データを基にして観察用光源117で発生した可視光の焦点が表面3上に合わせるための焦点データを演算する。この焦点データを基にしてステージ制御部115がZ軸ステージ113を移動制御することにより、可視光の焦点が表面3に合うようにする。よって、撮像データ処理部125はオートフォーカスユニットとして機能する。また、撮像データ処理部125は、撮像データを基にして表面3の拡大画像等の画像データを演算する。この画像データは全体制御部127に送られ、全体制御部で各種処理がなされ、モニタ129に送られる。これにより、モニタ129に拡大画像等が表示される。
【0066】
全体制御部127には、ステージ制御部115からのデータ、撮像データ処理部125からの画像データ等が入力し、これらのデータも基にしてレーザ光源制御部102、観察用光源117及びステージ制御部115を制御することにより、レーザ加工装置100全体を制御する。よって、全体制御部127はコンピュータユニットとして機能する。
【0067】
図19は全体制御部127の一例の一部分を示すブロック図である。全体制御部127は距離演算部141、寸法記憶部143及び画像作成部145を備える。距離演算部141には、パルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさ及びステージ109、111の移動速度の大きさが入力される。これらの入力はレーザ加工装置の操作者がキーボード等を用いて行う。
【0068】
距離演算部141は上述した式(n=f/v, p=1/n)を利用して隣り合う改質スポット間の距離(ピッチ)を演算する。距離演算部141は、この距離データをモニタ129に送る。これにより、モニタ129には入力された周波数の大きさ及び速度の大きさのもとで形成される改質スポット間の距離が表示される。
【0069】
また、この距離データは画像作成部145にも送られる。寸法記憶部143には予めこのレーザ加工装置で形成される改質スポットの寸法が記憶されている。画像作成部145は、この距離データと寸法記憶部143に記憶された寸法のデータとを基にして、この距離と寸法とにより形成される改質領域の画像データを作成しモニタ129に送る。これにより、モニタ129には改質領域の画像も表示される。よって、レーザ加工前に隣り合う改質スポット間の距離や改質領域の形状を知ることができる。
【0070】
距離演算部141は式(n=f/v, p=1/n)を利用して改質スポット間の距離を演算しているが次のようにしてもよい。まず、繰り返し周波数の大きさとステージ109、111の移動速度と改質スポット間の距離との関係を予め登録したテーブルを作成し、このテーブルのデータを距離演算部141に記憶させる。繰り返し周波数の大きさ及びステージ109、111の移動速度の大きさが距離演算部141に入力されることにより、距離演算部141は上記テーブルの中からこれらの大きさの条件で形成される改質スポットにおける改質スポット間の距離を読み出す。
【0071】
なお、繰り返し周波数の大きさを固定しステージの移動速度の大きさを可変としてもよい。逆に、ステージの移動速度の大きさを固定し繰り返し周波数の大きさを可変としてもよい。これらの場合も距離演算部141において上述した式やテーブルを用いることにより、改質スポット間の距離や改質領域の画像をモニタ129に表示させるための処理を行う。
【0072】
以上のように図19に示す全体制御部127では繰り返し周波数の大きさやステージの移動速度の大きさを入力することにより、隣り合う改質スポット間の距離を演算している。隣り合う改質スポット間の所望の距離を入力し、繰り返し周波数の大きさやステージの移動速度の大きさを制御してもよい。以下これについて説明する。
【0073】
図20は全体制御部127の他の例の一部分を示すブロック図である。全体制御部127は周波数演算部147を備える。レーザ加工装置の操作者はキーボード等により周波数演算部147に隣り合う改質スポット間の距離の大きさを入力する。この距離の大きさは、加工対象物の厚さや材質等を考慮して決定される。この入力により周波数演算部147は上記式やテーブルを基にして、この距離の大きさとなるための周波数を演算する。この例ではステージの移動速度は固定である。周波数演算部147は演算されたデータをレーザ光源制御部102に送る。この周波数の大きさに調節されたレーザ加工装置で加工対象物をレーザ加工することにより、隣り合う改質スポット間の距離を所望の大きさにすることができる。この周波数の大きさのデータはモニタ129にも送られ、この周波数の大きさが表示される。
【0074】
図21は全体制御部127のさらに他の例の一部分を示すブロック図である。全体制御部127は速度演算部149を備える。上記と同様に隣り合う改質スポット間の距離の大きさが速度演算部149に入力される。この入力により速度演算部149は上記式やテーブルを基にして、この距離の大きさとなるためのステージ移動速度を演算する。この例では繰り返し周波数は固定である。速度演算部149は演算されたデータをステージ制御部115に送る。このステージ移動速度の大きさに調節されたレーザ加工装置で加工対象物をレーザ加工することにより、隣り合う改質スポット間の距離を所望の大きさにすることができる。このステージ移動速度の大きさのデータはモニタ129にも送られ、このステージ移動速度の大きさが表示される。
【0075】
図22は全体制御部127のさらに他の例の一部分を示すブロック図である。全体制御部127は組み合わせ演算部151を備える。図20及び図21の場合と異なる点は、繰り返し周波数及びステージ移動速度の両方が演算されることである。上記と同様に隣り合う改質スポット間の距離の大きさを組み合わせ演算部151に入力する。組み合わせ演算部151は上記式やテーブルを基にして、この距離の大きさとなるための繰り返し周波数及びステージ移動速度を演算する。
【0076】
組み合わせ演算部151は演算されたデータをレーザ光源制御部102及びステージ制御部115に送る。レーザ光源制御部102は演算された繰り返し周波数の大きさとなるようにレーザ光源101を調節する。ステージ制御部115は演算されたステージ移動速度の大きさとなるようにステージ109、111を調節する。これらの調節がなされたレーザ加工装置で加工対象物をレーザ加工することにより、隣り合う改質スポット間の距離を所望の大きさにすることができる。演算された繰り返し周波数の大きさ及びステージ移動速度の大きさのデータはモニタ129にも送られ、演算されたこれらの値が表示される。
【0077】
次に、図17及び図23を用いて、本実施形態に係るレーザ加工装置を用いたレーザ加工方法を説明する。図23は、このレーザ加工方法を説明するためのフローチャートである。加工対象物1はシリコンウェハである。
【0078】
まず、加工対象物1の光吸収特性を図示しない分光光度計等により測定する。この測定結果に基づいて、加工対象物1に対して透明な波長又は吸収の少ない波長のレーザ光Lを発生するレーザ光源101を選定する(S101)。次に、加工対象物1の厚さを測定する。厚さの測定結果及び加工対象物1の屈折率を基にして、加工対象物1のZ軸方向の移動量を決定する(S103)。これは、レーザ光Lの集光点Pが加工対象物1の内部に位置させるために、加工対象物1の表面3に位置するレーザ光Lの集光点を基準とした加工対象物1のZ軸方向の移動量である。この移動量を全体制御部127に入力される。
【0079】
加工対象物1をレーザ加工装置100の載置台107に載置する。そして、観察用光源117から可視光を発生させて加工対象物1を照明する(S105)。照明された切断予定ライン5を含む加工対象物1の表面3を撮像素子121により撮像する。この撮像データは撮像データ処理部125に送られる。この撮像データに基づいて撮像データ処理部125は観察用光源117の可視光の焦点が表面3に位置するような焦点データを演算する(S107)。
【0080】
この焦点データはステージ制御部115に送られる。ステージ制御部115は、この焦点データを基にしてZ軸ステージ113をZ軸方向の移動させる(S109)。これにより、観察用光源117の可視光の焦点が表面3に位置する。なお、撮像データ処理部125は撮像データに基づいて、切断予定ライン5を含む加工対象物1の表面3の拡大画像データを演算する。この拡大画像データは全体制御部127を介してモニタ129に送られ、これによりモニタ129に切断予定ライン5付近の拡大画像が表示される。
【0081】
全体制御部127には予めステップS103で決定された移動量データが入力されており、この移動量データがステージ制御部115に送られる。ステージ制御部115はこの移動量データに基づいて、レーザ光Lの集光点Pが加工対象物1の内部となる位置に、Z軸ステージ113により加工対象物1をZ軸方向に移動させる(S111)。
【0082】
次に、1パルスのパルスレーザで形成される溶融処理スポットにおける隣り合う溶融処理スポット間の距離、つまりピッチpの大きさを決定する(S112)。ピッチpは加工対象物1の厚さや材質等を考慮して決定される。ピッチpの大きさを図22に示す全体制御部127に入力する。
【0083】
次に、レーザ光源101からレーザ光Lを発生させて、レーザ光Lを加工対象物1の表面3の切断予定ライン5に照射する。レーザ光Lの集光点Pは加工対象物1の内部に位置しているので、溶融処理領域は加工対象物1の内部にのみ形成される。そして、切断予定ライン5に沿うようにX軸ステージ109やY軸ステージ111を移動させて、溶融処理領域を切断予定ライン5に沿うように加工対象物1の内部に形成する(S113)。そして、加工対象物1を切断予定ライン5に沿って曲げることにより、加工対象物1を切断する(S115)。これにより、加工対象物1をシリコンチップに分割する。
【0084】
本実施形態の効果を説明する。これによれば、多光子吸収を起こさせる条件でかつ加工対象物1の内部に集光点Pを合わせて、パルスレーザ光Lを切断予定ライン5に照射している。そして、X軸ステージ109やY軸ステージ111を移動させることにより、集光点Pを切断予定ライン5に沿って移動させている。これにより、改質領域(例えばクラック領域、溶融処理領域、屈折率変化領域)を切断予定ライン5に沿うように加工対象物1の内部に形成している。加工対象物の切断する箇所に何らかの起点があると、加工対象物を比較的小さな力で割って切断することができる。よって、改質領域を起点として切断予定ライン5に沿って加工対象物1を割ることにより、比較的小さな力で加工対象物1を切断することができる。これにより、加工対象物1の表面3に切断予定ライン5から外れた不必要な割れを発生させることなく加工対象物1を切断することができる。
【0085】
また、本実施形態によれば、加工対象物1に多光子吸収を起こさせる条件でかつ加工対象物1の内部に集光点Pを合わせて、パルスレーザ光Lを切断予定ライン5に照射している。よって、パルスレーザ光Lは加工対象物1を透過し、加工対象物1の表面3ではパルスレーザ光Lがほとんど吸収されないので、改質領域形成が原因で表面3が溶融等のダメージを受けることはない。
【0086】
以上説明したように本実施形態によれば、加工対象物1の表面3に切断予定ライン5から外れた不必要な割れや溶融が生じることなく、加工対象物1を切断することができる。よって、加工対象物1が例えば半導体ウェハの場合、半導体チップに切断予定ラインから外れた不必要な割れや溶融が生じることなく、半導体チップを半導体ウェハから切り出すことができる。表面に電極パターンが形成されている加工対象物や、圧電素子ウェハや液晶等の表示装置が形成されたガラス基板のように表面に電子デバイスが形成されている加工対象物についても同様である。よって、本実施形態によれば、加工対象物を切断することにより作製される製品(例えば半導体チップ、圧電デバイスチップ、液晶等の表示装置)の歩留まりを向上させることができる。
【0087】
また、本実施形態によれば、加工対象物1の表面3の切断予定ライン5は溶融しないので、切断予定ライン5の幅(この幅は、例えば半導体ウェハの場合、半導体チップとなる領域同士の間隔である。)を小さくできる。これにより、一枚の加工対象物1から作製される製品の数が増え、製品の生産性を向上させることができる。
【0088】
また、本実施形態によれば、加工対象物1の切断加工にレーザ光を用いるので、ダイヤモンドカッタを用いたダイシングよりも複雑な加工が可能となる。例えば、図24に示すように切断予定ライン5が複雑な形状であっても、本実施形態によれば切断加工が可能となる。これらの効果は後に説明する例でも同様である。
【0089】
また、本実施形態によれば、パルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさの調節や、X軸ステージ109、Y軸ステージ111の移動速度の大きさの調節により、隣合う溶融処理スポットの距離を制御できる。加工対象物1の厚さや材質等を考慮して距離の大きさを変えることにより、目的に応じた加工が可能となる。
【0090】
【発明の効果】
本発明に係るレーザ加工装置によれば、加工対象物の表面に溶融や切断予定ラインから外れた割れが生じることなく、加工対象物を切断することができる。よって、加工対象物を切断することにより作製される製品(例えば、半導体チップ、圧電デバイスチップ、液晶等の表示装置)の歩留まりや生産性を向上させることができる。
【0091】
本発明に係るレーザ加工装置によれば、パルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさやパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節することにより、隣り合う改質スポット間の距離を制御できる。加工対象物の種類や厚さ等に応じてこの距離を変えることにより、加工対象物に応じた切断加工が可能となる。
【0092】
本発明に係るレーザ加工装置によれば、隣り合う改質スポット間の距離の演算結果を表示することができる。
【0093】
本発明に係るレーザ加工装置によれば、隣り合う改質スポット間の距離の入力に基づいてパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさやパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節するので、この距離を所望の大きさにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るレーザ加工によってレーザ加工中の加工対象物の平面図である。
【図2】図1に示す加工対象物のII−II線に沿った断面図である。
【図3】本実施形態に係るレーザ加工によるレーザ加工後の加工対象物の平面図である。
【図4】図3に示す加工対象物のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】図3に示す加工対象物のV−V線に沿った断面図である。
【図6】本実施形態に係るレーザ加工によって切断された加工対象物の平面図である。
【図7】本実施形態に係るレーザ加工における電界強度とクラックの大きさとの関係を示すグラフである。
【図8】本実施形態に係るレーザ加工の第1工程における加工対象物の断面図である。
【図9】本実施形態に係るレーザ加工の第2工程における加工対象物の断面図である。
【図10】本実施形態に係るレーザ加工の第3工程における加工対象物の断面図である。
【図11】本実施形態に係るレーザ加工の第4工程における加工対象物の断面図である。
【図12】本実施形態に係るレーザ加工により切断されたシリコンウェハの一部における断面の写真を表した図である。
【図13】本実施形態に係るレーザ加工におけるレーザ光の波長とシリコン基板の内部の透過率との関係を示すグラフである。
【図14】本実施形態に係るレーザ加工によりクラック領域が形成された加工対象物の切断予定ラインに沿った部分の第1例の平面図である。
【図15】本実施形態に係るレーザ加工によりクラック領域が形成された加工対象物の切断予定ラインに沿った部分の第2例の平面図である。
【図16】本実施形態に係るレーザ加工によりクラック領域が形成された加工対象物の切断予定ラインに沿った部分の第3例の平面図である。
【図17】本実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成図である。
【図18】本実施形態に係るレーザ加工装置のレーザ光源に備えられるQスイッチレーザの概略構成図である。
【図19】本実施形態に係るレーザ加工装置の全体制御部の一例の一部分を示すブロック図である。
【図20】本実施形態に係るレーザ加工装置の全体制御部の他の例の一部分を示すブロック図である。
【図21】本実施形態に係るレーザ加工装置の全体制御部のさらに他の例の一部分を示すブロック図である。
【図22】本実施形態に係るレーザ加工装置の全体制御部のさらに他の例の一部分を示すブロック図である。
【図23】本実施形態に係るレーザ加工を説明するためのフローチャートである。
【図24】本実施形態に係るレーザ加工により切断可能なパターンを説明するための加工対象物の平面図である。
【符号の説明】
1・・・加工対象物、3・・・表面、5・・・切断予定ライン、7・・・改質領域、9・・・クラック領域、11・・・シリコンウェハ、13・・・溶融処理領域、90・・・クラックスポット、100・・・レーザ加工装置、101・・・レーザ光源、105・・・集光用レンズ、109・・・X軸ステージ、111・・・Y軸ステージ、113・・・Z軸ステージ、141・・・距離演算部、143・・・寸法記憶部、145・・・画像作成部、147・・・周波数演算部、149・・・速度演算部、151・・・組み合わせ演算部、P・・・集光点、p・・・クラックスポットのピッチ、d・・・クラックスポットの寸法
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a laser processing apparatus used for cutting an object to be processed such as a semiconductor material substrate, a piezoelectric material substrate, or a glass substrate.
[0002]
[Prior art]
One of laser applications is cutting, and general cutting by laser is as follows. For example, a portion to be cut of a workpiece such as a semiconductor wafer or a glass substrate is irradiated with laser light having a wavelength that is absorbed by the workpiece, and the portion to be cut by the absorption of the laser light is directed from the front surface to the back surface of the workpiece. The workpiece is cut by advancing heating and melting. However, in this method, the periphery of the region to be cut out of the surface of the workpiece is also melted. Therefore, when the object to be processed is a semiconductor wafer, among the semiconductor elements formed on the surface of the semiconductor wafer, the semiconductor elements located in the vicinity of the region may be melted.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
As a method for preventing the surface of the workpiece from melting, for example, there is a laser cutting method disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 2000-219528 and Japanese Patent Laid-Open No. 2000-15467. In the cutting methods of these publications, a part to be processed is heated by a laser beam, and the object to be processed is cooled to cause a thermal shock at the part to be processed to cut the object to be processed. Disconnect.
[0004]
However, in the cutting methods of these publications, if the thermal shock generated on the workpiece is large, the surface of the workpiece is not cracked, such as a crack that is off the planned cutting line, or a crack that is not irradiated with laser. Necessary cracks may occur. Therefore, these cutting methods cannot perform precision cutting. In particular, when the object to be processed is a semiconductor wafer, a glass substrate on which a liquid crystal display device is formed, or a glass substrate on which an electrode pattern is formed, this unnecessary crack may damage the semiconductor chip, the liquid crystal display device, or the electrode pattern. is there. Moreover, since these cutting methods have a large average input energy, the thermal damage given to the semiconductor chip or the like is also large.
[0005]
An object of the present invention is to provide a laser processing apparatus that does not cause unnecessary cracks on the surface of a workpiece and does not melt the surface.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The laser processing apparatus according to the present invention has a laser light source that emits pulsed laser light having a pulse width of 1 μs or less, and a repetition frequency of the pulsed laser light emitted from the laser light source based on an input of the frequency magnitude. The frequency adjusting means for adjusting, and the peak power density at the condensing point of the pulsed laser light emitted from the laser light source is 1 × 108(W / cm2) Condensing means for condensing the pulse laser light so as to be above, means for aligning the condensing point of the pulse laser light condensed by the condensing means inside the processing object, and cutting schedule of the processing object A moving means for relatively moving the condensing point of the pulse laser beam along the line, aligning the condensing point inside the processing object, and irradiating the processing object with one pulse of the laser beam. As a result, one modified spot is formed inside the object to be processed, the focused point is aligned with the inside of the object to be processed, and the focused point is relatively moved along the line to be cut, so that a plurality of pulse laser beams are emitted. Is irradiated to the workpiece, a plurality of modified spots are formed inside the workpiece along the planned cutting line, and the distance between adjacent modified spots is determined based on the magnitude of the input frequency. Distance calculation hand to calculate When, characterized in that it and a distance display means for displaying the computed distance by the distance calculation means.
[0007]
According to the laser processing apparatus of the present invention, the modified region is formed inside the workpiece by using the phenomenon of multi-photon absorption by irradiating the laser beam with the condensing point inside the workpiece. Forming. If there is any starting point at the location where the workpiece is to be cut, the workpiece can be cut with a relatively small force. According to the laser processing apparatus according to the present invention, the workpiece can be cut by breaking the workpiece along the scheduled cutting line starting from the modified region. Therefore, since the workpiece can be cut with a relatively small force, it is possible to cut the workpiece without generating unnecessary cracks off the planned cutting line on the surface of the workpiece. In addition, a condensing point is a location which the laser beam condensed. The line to be cut may be a line actually drawn on the surface or inside of the workpiece, or may be a virtual line.
[0008]
Further, according to the laser processing apparatus of the present invention, the modified region is formed by locally generating multiphoton absorption inside the processing object. Therefore, since the laser beam is hardly absorbed on the surface of the processing object, the surface of the processing object does not melt. The above is also true for the laser processing apparatus described below.
[0009]
Further, according to the present inventor, when the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser beam is constant, if the repetition frequency of the pulse laser beam is decreased, a modified portion (formed by one pulse laser beam ( It was found that the distance between the modified spot) and the modified spot formed by the next pulse laser beam can be controlled to be large. Conversely, it has been found that the distance can be controlled to be small when the repetition frequency of the pulse laser beam is increased. In this specification, this distance is expressed as a distance or pitch between adjacent modified spots.
[0010]
Therefore, the distance between adjacent modified spots can be controlled by adjusting the repetition frequency of the pulse laser beam to be larger or smaller. By changing this distance according to the type, thickness, etc. of the workpiece, cutting according to the workpiece can be performed. The modified region is defined by forming a plurality of modified spots inside the workpiece along the planned cutting line.
[0011]
Moreover, according to the laser processing apparatus which concerns on this invention, the distance between the modification spots which adjoin based on the magnitude | size of the input frequency is calculated, and the calculated distance is displayed. Therefore, regarding the modified spots formed based on the magnitude of the frequency input to the laser processing apparatus, it is possible to know the distance between adjacent modified spots before laser processing.
[0012]
The laser processing apparatus according to the present invention has a laser light source that emits a pulse laser beam having a pulse width of 1 μs or less, and a peak power density at a condensing point of the pulse laser beam emitted from the laser light source is 1 × 10.8(W / cm2) Condensing means for condensing the pulse laser light so as to be above, means for aligning the condensing point of the pulse laser light condensed by the condensing means inside the processing object, and cutting schedule of the processing object The moving means for relatively moving the focusing point of the pulse laser beam along the line, and the relative moving speed of the focusing point of the pulse laser beam by the moving means are adjusted based on the input of the speed magnitude And a speed adjusting means for aligning the focused point inside the workpiece and irradiating the workpiece with a pulsed laser beam of one pulse, thereby forming one modified spot inside the workpiece. By aligning the focal point inside the workpiece and moving the focal point relatively along the planned cutting line and irradiating the workpiece with multiple pulses of pulsed laser light, Along the workpiece A plurality of reforming spots are formed in the part, and distance calculation means for calculating the distance between adjacent reforming spots based on the inputted speed magnitude, and distance display for displaying the distance calculated by the distance calculation means And means.
[0013]
According to the present inventors, when the repetition frequency of the pulse laser beam is constant, when the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser beam is decreased, the distance between adjacent modified spots can be controlled to be small, Conversely, it has been found that when the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser beam is increased, the distance between the adjacent modified spots can be controlled to be increased. Therefore, the distance between the adjacent modified spots can be controlled by adjusting the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser beam to be larger or smaller. Therefore, by changing this distance in accordance with the type and thickness of the workpiece, cutting according to the workpiece can be performed. The relative movement of the condensing point of the pulse laser beam may be that the object to be processed is moved while the condensing point of the pulse laser beam is fixed, or the pulse laser beam is collected by fixing the object to be processed. The light spot may be moved, or both may be moved.
[0014]
Moreover, according to the laser processing apparatus which concerns on this invention, the distance between the modification spots which adjoin based on the magnitude | size of the input speed is calculated, and the calculated distance is displayed. Therefore, regarding the modified spots formed based on the magnitude of the velocity input to the laser processing apparatus, the distance between adjacent modified spots can be known before laser processing.
[0015]
The laser processing apparatus according to the present invention has a laser light source that emits pulsed laser light having a pulse width of 1 μs or less, and a repetition frequency of the pulsed laser light emitted from the laser light source based on an input of the frequency magnitude. The frequency adjusting means for adjusting, and the peak power density at the condensing point of the pulsed laser light emitted from the laser light source is 1 × 108(W / cm2) Condensing means for condensing the pulse laser light so as to be above, means for aligning the condensing point of the pulse laser light condensed by the condensing means inside the processing object, and cutting schedule of the processing object The moving means for relatively moving the focusing point of the pulse laser beam along the line, and the relative moving speed of the focusing point of the pulse laser beam by the moving means are adjusted based on the input of the speed magnitude And a speed adjusting means for aligning the focused point inside the workpiece and irradiating the workpiece with a pulsed laser beam of one pulse, thereby forming one modified spot inside the workpiece. By aligning the focal point inside the workpiece and moving the focal point relatively along the planned cutting line and irradiating the workpiece with multiple pulses of pulsed laser light, Along the workpiece A plurality of modified spots are formed in the part, and distance calculating means for calculating the distance between adjacent modified spots based on the input frequency magnitude and speed magnitude, and the distance calculated by the distance calculating means And a distance display means for displaying.
[0016]
According to the laser processing apparatus of the present invention, by adjusting both the magnitude of the repetition frequency of the pulsed laser light and the magnitude of the relative movement speed of the focal point of the pulsed laser light, the adjacent modified spots can be adjusted. Can control the distance. By combining these adjustments, it is possible to increase the types of sizes that can be controlled for this distance. Further, according to the laser processing apparatus of the present invention, the distance between adjacent modified spots can be known before laser processing.
[0017]
In these laser processing apparatuses, based on the dimension storage means for storing in advance the dimensions of the modified spot formed by the laser processing apparatus, the dimensions stored in the dimension storage means, and the distance calculated by the distance calculation means. And an image creating means for creating images of a plurality of modified spots formed along the planned cutting line, and an image display means for displaying the image created by the image creating means. . According to this, it is possible to visually grasp a plurality of modified spots to be formed, that is, modified regions, before laser processing.
[0018]
A laser processing apparatus according to the present invention includes a laser light source that emits a pulse laser beam having a pulse width of 1 μs or less, a frequency adjusting unit that adjusts the repetition frequency of the pulse laser beam emitted from the laser light source, and a laser light source. The peak power density at the condensing point of the pulsed laser beam emitted from the laser beam is 1 × 108(W / cm2) Condensing means for condensing the pulse laser light so as to be above, means for aligning the condensing point of the pulse laser light condensed by the condensing means inside the processing object, and cutting schedule of the processing object A moving means for relatively moving the condensing point of the pulse laser beam along the line, aligning the condensing point inside the processing object, and irradiating the processing object with one pulse of the laser beam. As a result, one modified spot is formed inside the workpiece, the focused spot is aligned with the inside of the workpiece, and the focused spot is relatively moved along the planned cutting line. By irradiating the workpiece with laser light, a plurality of modified spots are formed inside the workpiece along the line to be cut, and based on the input of the magnitude of the distance between adjacent modified spots, Between adjacent reforming spots In order to set the separation at this level, the frequency calculation means for calculating the repetition frequency of the pulsed laser light emitted from the laser light source is provided, and the frequency adjustment means has the frequency calculated by the frequency calculation means. Thus, the repetition frequency of the pulse laser beam emitted from the laser light source is adjusted.
[0019]
According to the laser processing apparatus of the present invention, on the basis of the input of the magnitude of the distance between the adjacent modified spots, the laser light source is emitted from the laser light source in order to set the distance between the adjacent modified spots to this magnitude. The repetition frequency of the pulse laser beam is calculated. The frequency adjusting means adjusts the magnitude of the repetition frequency of the pulsed laser light emitted from the laser light source so as to be the magnitude of the frequency calculated by the frequency calculating means. Therefore, the distance between adjacent modification spots can be set to a desired size.
[0020]
The laser processing apparatus according to the present invention can be provided with a frequency display means for displaying the magnitude of the frequency calculated by the frequency calculation means. According to this, when operating a laser processing apparatus based on the input of the magnitude | size of the distance between adjacent modification spots, a frequency can be known before laser processing.
[0021]
The laser processing apparatus according to the present invention has a laser light source that emits a pulse laser beam having a pulse width of 1 μs or less, and a peak power density at a condensing point of the pulse laser beam emitted from the laser light source is 1 × 10.8(W / cm2) Condensing means for condensing the pulse laser light so as to be above, means for aligning the condensing point of the pulse laser light condensed by the condensing means inside the processing object, and cutting schedule of the processing object A moving means for relatively moving the condensing point of the pulse laser light along the line, and a speed adjusting means for adjusting the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser light by the moving means, By irradiating the object to be processed with one pulsed laser beam with the focusing point inside the object to be processed, one modified spot is formed inside the object to be processed, and is collected inside the object to be processed. By aligning the light spot and relatively moving the condensing point along the planned cutting line and irradiating the workpiece with multiple pulses of pulsed laser light, the inside of the processed object along the planned cutting line Multiple reform spots formed Based on the input of the magnitude of the distance between the adjacent modified spots, the relative movement of the condensing point of the pulsed laser beam by the moving means is used to set the distance between the adjacent modified spots to this magnitude. Speed calculating means for calculating the magnitude of the speed, and the speed adjusting means is a relative movement of the condensing point of the pulse laser beam by the moving means so as to be the magnitude of the relative moving speed calculated by the speed calculating means. It is characterized by adjusting the magnitude of the speed.
[0022]
According to the laser processing apparatus of the present invention, based on the input of the magnitude of the distance between the adjacent modified spots, the pulse laser by the moving means is used to set the distance between the adjacent modified spots to this magnitude. The relative moving speed of the light condensing point is calculated. The speed adjusting means adjusts the magnitude of the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser beam by the moving means so as to be the magnitude of the relative moving speed calculated by the speed calculating means. Therefore, the distance between adjacent modification spots can be set to a desired size.
[0023]
The laser processing apparatus according to the present invention can be provided with speed display means for displaying the magnitude of the relative movement speed calculated by the speed calculation means. According to this, when operating a laser processing apparatus based on the input of the magnitude | size of the distance between adjacent modification | reformation spots, the relative moving speed can be known before laser processing.
[0024]
A laser processing apparatus according to the present invention includes a laser light source that emits a pulse laser beam having a pulse width of 1 μs or less, a frequency adjusting unit that adjusts the repetition frequency of the pulse laser beam emitted from the laser light source, and a laser light source. The peak power density at the condensing point of the pulsed laser beam emitted from the laser beam is 1 × 108(W / cm2) Condensing means for condensing the pulse laser light so as to be above, means for aligning the condensing point of the pulse laser light condensed by the condensing means inside the processing object, and cutting schedule of the processing object A moving means for relatively moving the condensing point of the pulse laser light along the line, and a speed adjusting means for adjusting the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser light by the moving means, By irradiating the object to be processed with one pulsed laser beam with the focusing point inside the object to be processed, one modified spot is formed inside the object to be processed, and is collected inside the object to be processed. By aligning the light spot and relatively moving the condensing point along the planned cutting line and irradiating the workpiece with multiple pulses of pulsed laser light, the inside of the processed object along the planned cutting line Multiple reform spots formed Based on the input of the magnitude of the distance between the adjacent modified spots, the repetition frequency of the pulse laser beam emitted from the laser light source is set to increase the distance between the adjacent modified spots. And a combination calculation means for calculating a combination of the relative moving speed of the condensing point of the pulsed laser beam by the moving means, and the frequency adjusting means is a laser light source so as to have the frequency calculated by the combination calculation means. The speed adjustment means adjusts the repetition frequency of the pulsed laser light emitted from the light source, and the speed adjustment means adjusts the relative focusing point of the pulse laser light by the moving means so as to be the magnitude of the relative movement speed calculated by the combination calculation means. Adjusting the magnitude of the moving speed.
[0025]
According to the laser processing apparatus of the present invention, on the basis of the input of the magnitude of the distance between the adjacent modified spots, the repetition of the pulse laser beam is performed in order to set the distance between the adjacent modified spots to this magnitude. A combination of the magnitude of the frequency and the magnitude of the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser beam is calculated. The frequency adjusting means and the speed adjusting means adjust the magnitude of the repetition frequency of the pulsed laser light and the magnitude of the relative moving speed of the focal point of the pulsed laser light so that the calculated combination value is obtained. Therefore, the distance between adjacent modification spots can be set to a desired size.
[0026]
The laser processing apparatus according to the present invention may include display means for displaying the magnitude of the frequency computed by the combination computing means and the magnitude of the relative movement speed. According to this, when operating the laser processing apparatus based on the input of the distance between adjacent modified spots, the combination of the frequency and the relative movement speed can be known before the laser processing.
[0027]
With the above-described laser processing apparatuses according to the present invention, a plurality of modified spots can be formed inside the workpiece along the planned cutting line. These modified spots define a modified region. The modified region is a crack region that is a region where a crack has occurred inside the workpiece, a melt-treated region that is a melt-treated region inside the workpiece, and a region where the refractive index has changed inside the workpiece. It includes at least one of the refractive index changing regions.
[0028]
According to all the laser processing apparatuses according to the present invention, since the distance between adjacent modified spots can be adjusted, the modified region can be formed continuously or intermittently along the planned cutting line. can do. When the modified region is continuously formed, the workpiece can be easily cut from the modified region as compared with the case where the modified region is not continuously formed. If the modified region is intermittently formed, the modified region is not continuous along the planned cutting line, and therefore the portion of the planned cutting line retains a certain level of strength.
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. The laser processing apparatus according to the present embodiment forms a modified region by multiphoton absorption. Multiphoton absorption is a phenomenon that occurs when the intensity of laser light is very high. First, multiphoton absorption will be briefly described.
[0030]
Material absorption band gap EGIf the photon energy hν is smaller than that, it becomes optically transparent. Therefore, the conditions under which absorption occurs in the material are hν> EGIt is. However, even if it is optically transparent, if the intensity of the laser beam is increased greatly, nhν> EGUnder these conditions (n = 2, 3, 4,...), Absorption occurs in the material. This phenomenon is called multiphoton absorption. In the case of a pulse wave, the intensity of the laser beam is the peak power density (W / cm at the focal point of the laser beam).2), For example, the peak power density is 1 × 108(W / cm2) Multiphoton absorption occurs under the above conditions. The peak power density is determined by (energy per pulse of laser light at the condensing point) / (laser beam cross-sectional area of laser light × pulse width). In the case of a continuous wave, the intensity of the laser beam is the electric field intensity (W / cm at the focal point of the laser beam).2)
[0031]
The principle of laser processing according to this embodiment using such multiphoton absorption will be described with reference to FIGS. FIG. 1 is a plan view of a workpiece 1 during laser processing, FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line II-II of the workpiece 1 shown in FIG. 1, and FIG. 3 is a workpiece after laser processing. 4 is a plan view of the workpiece 1, FIG. 4 is a cross-sectional view taken along line IV-IV of the workpiece 1 shown in FIG. 3, and FIG. 5 is taken along line V-V of the workpiece 1 shown in FIG. FIG. 6 is a plan view of the cut workpiece 1.
[0032]
As shown in FIGS. 1 and 2, the surface 3 of the workpiece 1 has a planned cutting line 5. The planned cutting line 5 is a virtual line extending linearly. In the laser processing according to the present embodiment, the modified region 7 is formed by irradiating the processing object 1 with the laser beam L by aligning the condensing point P inside the processing object 1 under the condition that multiphoton absorption occurs. In addition, a condensing point is a location where the laser beam L is condensed.
[0033]
The condensing point P is moved along the planned cutting line 5 by relatively moving the laser light L along the planned cutting line 5 (that is, along the arrow A direction). Thereby, as shown in FIGS. 3 to 5, the modified region 7 is formed only inside the workpiece 1 along the planned cutting line 5. The laser processing method according to the present embodiment does not form the modified region 7 by causing the processing object 1 to generate heat when the processing object 1 absorbs the laser light L, thereby forming the modified region 7. The modified region 7 is formed by transmitting the laser beam L to the workpiece 1 and generating multiphoton absorption inside the workpiece 1. Therefore, since the laser beam L is hardly absorbed by the surface 3 of the workpiece 1, the surface 3 of the workpiece 1 is not melted.
[0034]
In the cutting of the workpiece 1, if there is a starting point at the location to be cut, the workpiece 1 is broken from the starting point, so that the workpiece 1 can be cut with a relatively small force as shown in FIG. 6. Therefore, the processing object 1 can be cut without causing unnecessary cracks on the surface 3 of the processing object 1.
[0035]
In addition, the following two kinds of cutting | disconnection of the processing target object from the modification | reformation area | region can be considered. One is a case where, after the modified region is formed, an artificial force is applied to the workpiece, so that the workpiece is cracked and the workpiece is cut from the modified region as a starting point. This is, for example, cutting when the thickness of the workpiece is large. When artificial force is applied, for example, bending stress or shear stress is applied to the workpiece along the planned cutting line of the workpiece, or thermal stress is generated by giving a temperature difference to the workpiece. It is to let you. The other is that when the modified region is formed, the modified region starts as a starting point, and naturally breaks in the cross-sectional direction (thickness direction) of the workpiece, resulting in the workpiece being cut. It is. For example, when the thickness of the workpiece is small, even one modified region is possible in the thickness direction, and when the thickness of the workpiece is large, a plurality of modified regions are formed in the thickness direction. Is possible. In addition, even when this breaks naturally, on the surface of the portion to be cut, the crack does not run to the part where the modified region is not formed, and only the part where the modified part is formed can be cleaved, The cleaving can be controlled well. In recent years, since the thickness of a semiconductor wafer such as a silicon wafer tends to be thin, such a cleaving method with good controllability is very effective.
[0036]
As modified regions formed by multiphoton absorption in this embodiment, there are the following (1) to (3).
(1) When the modified region is a crack region including one or more cracks
Laser light to be processed (eg glass or LiTaOThreeThe electric field strength at the condensing point is 1 × 108(W / cm2) Irradiation is performed under the above conditions with a pulse width of 1 μs or less. The magnitude of the pulse width is a condition that a crack region can be formed only inside the workpiece without causing extra damage to the workpiece surface while causing multiphoton absorption. As a result, a phenomenon of optical damage due to multiphoton absorption occurs inside the workpiece. This optical damage induces thermal strain inside the workpiece, thereby forming a crack region inside the workpiece. As an upper limit value of the electric field strength, for example, 1 × 1012(W / cm2). The pulse width is preferably 1 ns to 200 ns, for example. The formation of the crack region by multiphoton absorption is described in, for example, “Inside of glass substrate by solid-state laser harmonics” on pages 23-28 of the 45th Laser Thermal Processing Research Papers (December 1998). It is described in “Marking”.
[0037]
  The inventor obtained the relationship between the electric field strength and the size of the cracks by experiment. The experimental conditions are as follows.
    (A) Workpiece: Pyrex(Registered trademark)Glass (thickness 700μm)
    (B) Laser
          Light source: Semiconductor laser pumped Nd: YAG laser
          Wavelength: 1064nm
          Laser beam spot cross-sectional area: 3.14 × 10-8cm2
          Oscillation form: Q switch pulse
          Repeat frequency: 100kHz
          Pulse width: 30ns
          Output: Output <1mJ / pulse
          Laser light quality: TEM00
          Polarization characteristics: linearly polarized light
    (C) Condensing lens
          Transmittance to laser light wavelength: 60 percent
    (D) Moving speed of the mounting table on which the workpiece is mounted: 100 mm / second
  The laser beam quality is TEM00The term “highly condensing” means that light can be condensed up to the wavelength of laser light.
[0038]
FIG. 7 is a graph showing the results of the experiment. The horizontal axis represents the peak power density. Since the laser beam is a pulsed laser beam, the electric field strength is represented by the peak power density. The vertical axis represents the size of a crack portion (crack spot) formed inside the workpiece by one pulse of laser light. Crack spots gather to form a crack region. The size of the crack spot is the size of the portion having the maximum length in the shape of the crack spot. The data indicated by the black circles in the graph is when the magnification of the condenser lens (C) is 100 times and the numerical aperture (NA) is 0.80. On the other hand, the data indicated by white circles in the graph is when the magnification of the condenser lens (C) is 50 times and the numerical aperture (NA) is 0.55. Peak power density is 1011(W / cm2From the above, it can be seen that crack spots are generated inside the workpiece, and the crack spots increase as the peak power density increases.
[0039]
Next, in the laser processing according to the present embodiment, a mechanism for cutting a workpiece by forming a crack region will be described with reference to FIGS. As shown in FIG. 8, the laser beam L is irradiated to the workpiece 1 by aligning the condensing point P inside the workpiece 1 under the condition that multiphoton absorption occurs, and the crack region is formed along the planned cutting line. 9 is formed. The crack region 9 is a region including one or a plurality of cracks. As shown in FIG. 9, the crack further grows starting from the crack region 9, and the crack reaches the front surface 3 and the back surface 21 of the workpiece 1 as shown in FIG. 10, and the workpiece 1 as shown in FIG. 11. The workpiece 1 is cut by cracking. Cracks that reach the front and back surfaces of the workpiece may grow naturally or may grow when a force is applied to the workpiece.
[0040]
(2) When the reforming region is a melt processing region
The laser beam is focused on the inside of the object to be processed (for example, a semiconductor material such as silicon), and the electric field strength at the focus is 1 × 10.8(W / cm2) Irradiation is performed under the above conditions with a pulse width of 1 μs or less. As a result, the inside of the workpiece is locally heated by multiphoton absorption. By this heating, a melt processing region is formed inside the workpiece. The melting treatment region means at least one of a region once solidified after melting, a region in a molten state, and a region in a state of being resolidified from melting. Further, the melting treatment region is a region once solidified after being melted, and can also be referred to as a phase-changed region or a region where the crystal structure has changed. The melt treatment region can also be said to be a region in which one structure is changed to another structure in a single crystal structure, an amorphous structure, or a polycrystalline structure. In other words, for example, a region changed from a single crystal structure to an amorphous structure, a region changed from a single crystal structure to a polycrystalline structure, or a region changed from a single crystal structure to a structure including an amorphous structure and a polycrystalline structure. To do. When the object to be processed has a silicon single crystal structure, the melt processing region has, for example, an amorphous silicon structure. The upper limit value of the electric field strength is, for example, 1 × 1012(W / cm2). The pulse width is preferably 1 ns to 200 ns, for example.
[0041]
The inventor has confirmed through experiments that a melt-processed region is formed inside a silicon wafer. The experimental conditions are as follows.
[0042]
(A) Object to be processed: silicon wafer (thickness 350 μm, outer diameter 4 inches)
(B) Laser
Light source: Semiconductor laser pumped Nd: YAG laser
Wavelength: 1064nm
Laser beam spot cross-sectional area: 3.14 × 10-8cm2
Oscillation form: Q switch pulse
Repeat frequency: 100kHz
Pulse width: 30ns
Output: 20μJ / pulse
Laser light quality: TEM00
Polarization characteristics: linearly polarized light
(C) Condensing lens
Magnification: 50 times
NA: 0.55
Transmittance to laser light wavelength: 60 percent
(D) Moving speed of the mounting table on which the workpiece is mounted: 100 mm / second
FIG. 12 is a view showing a photograph of a cross section of a part of a silicon wafer cut by laser processing under the above conditions. A melt processing region 13 is formed inside the silicon wafer 11. In addition, the size in the thickness direction of the melt processing region formed under the above conditions is about 100 μm.
[0043]
The fact that the melt processing region 13 is formed by multiphoton absorption will be described. FIG. 13 is a graph showing the relationship between the wavelength of the laser beam and the transmittance inside the silicon substrate. However, the reflection components on the front side and the back side of the silicon substrate are removed to show the transmittance only inside. The above relationship was shown for each of the thickness t of the silicon substrate of 50 μm, 100 μm, 200 μm, 500 μm, and 1000 μm.
[0044]
For example, at a Nd: YAG laser wavelength of 1064 nm, when the thickness of the silicon substrate is 500 μm or less, it can be seen that 80% or more of the laser light is transmitted inside the silicon substrate. Since the thickness of the silicon wafer 11 shown in FIG. 12 is 350 μm, the melt processing region by multiphoton absorption is formed near the center of the silicon wafer, that is, at a portion of 175 μm from the surface. In this case, the transmittance is 90% or more with reference to a silicon wafer having a thickness of 200 μm. Therefore, the laser beam is hardly absorbed inside the silicon wafer 11 and is almost transmitted. This is not because the laser beam is absorbed inside the silicon wafer 11 and the melt processing region is formed inside the silicon wafer 11 (that is, the melt processing region is formed by normal heating with laser light). It means that the processing region is formed by multiphoton absorption. The formation of the melt-processed region by multiphoton absorption is described in, for example, “Evaluation of processing characteristics of silicon by picosecond pulse laser” on pages 72 to 73 of the 66th Annual Meeting of the Japan Welding Society (April 2000). Are listed.
[0045]
In addition, a silicon wafer is cut | disconnected as a result by generating a crack toward a cross-sectional direction starting from the melt processing region and reaching the front and back surfaces of the silicon wafer. The cracks that reach the front and back surfaces of the silicon wafer may grow naturally or may grow by applying force to the workpiece. In addition, the crack grows naturally from the melt processing area to the front and back surfaces of the silicon wafer when the crack grows from the area once solidified after being melted, or when the crack grows from the melted area. And at least one of the cases where cracks grow from a region in a state of being resolidified from melting. In either case, the cut surface after cutting is formed with a melt treatment region only inside as shown in FIG. In the case where the melt processing region is formed inside the object to be processed, since the unnecessary cracks that are off the planned cutting line are not easily generated at the time of cleaving, cleaving control is facilitated.
[0046]
(3) When the modified region is a refractive index changing region
A laser beam is focused on the inside of an object to be processed (for example, glass), and the electric field strength at the beam focusing point is 1 × 10.8(W / cm2) Irradiation is performed under the above conditions with a pulse width of 1 ns or less. When the pulse width is made extremely short and multiphoton absorption occurs inside the workpiece, the energy due to the multiphoton absorption is not converted into thermal energy, and the ion valence change and crystallization occur inside the workpiece. Alternatively, a permanent structural change such as polarization orientation is induced to form a refractive index change region. As an upper limit value of the electric field strength, for example, 1 × 1012(W / cm2). For example, the pulse width is preferably 1 ns or less, and more preferably 1 ps or less. The formation of the refractive index changing region by multiphoton absorption is described in, for example, “The Femtosecond Laser Irradiation to the Inside of Glass” on pages 105 to 111 of the 42nd Laser Thermal Processing Research Institute Proceedings (November 1997). Photo-induced structure formation ”.
[0047]
As described above, according to the present embodiment, the modified region is formed by multiphoton absorption. And this embodiment adjusts the magnitude | size of the repetition frequency of a pulse laser beam, and the magnitude | size of the relative moving speed of the condensing point of a pulse laser beam, and the modification spot formed with a pulse laser beam of 1 pulse. And the modified spot formed by the next pulse laser beam of one pulse is controlled. That is, the distance between adjacent reforming spots is controlled. Hereinafter, this distance will be described as the pitch p. The control of the pitch p will be described taking a crack region as an example.
[0048]
The repetition frequency of the pulse laser beam is f (Hz), and the moving speed of the X-axis stage or Y-axis stage of the workpiece is v (mm / sec). The moving speed of these stages is an example of the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser beam. A crack portion formed by one shot of pulsed laser light is called a crack spot. Therefore, the number n of crack spots formed per unit length of the planned cutting line 5 is as follows.
n = f / v
The reciprocal of the number n of crack spots formed per unit length corresponds to the pitch p.
p = 1 / n
[0049]
Therefore, the pitch p can be controlled by adjusting at least one of the repetition frequency of the pulsed laser light and the relative moving speed of the focused point of the pulsed laser light. That is, the pitch p can be controlled to be small by increasing the repetition frequency f (Hz) and decreasing the stage moving speed v (mm / sec). Conversely, the pitch p can be largely controlled by decreasing the repetition frequency f (Hz) and increasing the stage moving speed v (mm / sec).
[0050]
By the way, there are three relations between the pitch p and the crack spot dimension d in the direction of the cutting scheduled line 5 as shown in FIGS. 14-16 is a top view of the part along the cutting scheduled line 5 of the process target object in which the crack area | region was formed by the laser processing which concerns on this embodiment. The crack spot 90 is formed by one pulsed laser beam. A crack region 9 is formed by forming a plurality of crack spots 90 so as to line up along the planned cutting line 5.
[0051]
FIG. 14 shows a case where the pitch p is larger than the dimension d. The crack region 9 is intermittently formed inside the workpiece along the planned cutting line 5. FIG. 15 shows a case where the pitch p is substantially equal to the dimension d. The crack region 9 is continuously formed along the planned cutting line 5 inside the workpiece. FIG. 16 shows a case where the pitch p is smaller than the dimension d. The crack region 9 is continuously formed along the planned cutting line 5 inside the workpiece.
[0052]
According to FIG. 14, since the crack region 9 is not continuous along the planned cutting line 5, the portion of the planned cutting line 5 maintains a certain level of strength. Therefore, when the cutting process of the workpiece is performed after the laser processing is finished, the workpiece can be easily handled. According to FIG.15 and FIG.16, since the crack area | region 9 is continuously formed along the cutting scheduled line 5, the cutting | disconnection of the workpiece from the crack area | region 9 becomes easy.
[0053]
According to FIG. 14, the pitch p is made larger than the dimension d, and according to FIG. 15, the pitch p is made substantially equal to the dimension d, so that a region where multiphoton absorption occurs is already formed by the irradiation of the pulse laser beam. It is possible to prevent the crack spot 90 from overlapping. As a result, the variation in the size of the crack spot can be reduced. That is, according to the present inventors, when a region where multiphoton absorption occurs due to irradiation with pulsed laser light overlaps with a crack spot 90 that has already been formed, variation in the size of the crack spot 90 formed in this region increases. I understood that. If the variation in the size of the crack spot 90 becomes large, it becomes difficult to precisely cut the workpiece along the line to be cut, and the flatness of the cut surface also deteriorates. According to FIGS. 14 and 15, since the variation in the size of the crack spot can be reduced, the workpiece can be precisely cut along the planned cutting line, and the cut surface can be flattened.
[0054]
As described above, according to the present embodiment, the pitch p can be controlled by adjusting the magnitude of the repetition frequency of the pulse laser light and the magnitude of the relative movement speed of the focal point of the pulse laser light. it can. As a result, by changing the pitch p in consideration of the thickness and material of the workpiece, laser processing according to the workpiece can be performed.
[0055]
The control of the pitch p has been described in the case of a crack spot, but the same can be said for a melting treatment spot and a refractive index change spot. However, there is no problem even if the melt processing spot and the refractive index change spot overlap with the already formed melt processing spot and the refractive index change spot. The relative movement of the focused point of the pulsed laser beam may be a case where the focused object of the pulsed laser beam is fixed and the object to be processed is moved, or the focused object of the pulsed laser beam is collected while the processed object is fixed. The light spot may be moved, the object to be processed and the focusing point of the pulse laser beam may be moved in opposite directions, or the speed of the processing object and the focusing point of the pulse laser beam may be different. And may be moved in the same direction.
[0056]
Next, the laser processing apparatus according to this embodiment will be described. FIG. 17 is a schematic configuration diagram of the laser processing apparatus 100. The laser processing apparatus 100 includes a laser light source 101 that generates laser light L, a laser light source control unit 102 that controls the laser light source 101 to adjust the output, pulse width, and the like of the laser light L, and a reflection function of the laser light L. And a dichroic mirror 103 arranged to change the direction of the optical axis of the laser light L by 90 °, a condensing lens 105 for condensing the laser light L reflected by the dichroic mirror 103, and a condensing lens A mounting table 107 on which the workpiece 1 irradiated with the laser beam L condensed by the lens 105 is mounted, an X-axis stage 109 for moving the mounting table 107 in the X-axis direction, and a mounting table 107 are provided. A Y-axis stage 111 for moving in the Y-axis direction orthogonal to the X-axis direction, a Z-axis stage 113 for moving the mounting table 107 in the Z-axis direction orthogonal to the X-axis and Y-axis directions, and these three It includes a stage controller 115 for controlling the movement of the stage 109, 111 and 113, a.
[0057]
The laser light source 101 is an Nd: YAG laser that generates pulsed laser light. Other lasers that can be used for the laser light source 101 include Nd: YVO.FourThere are lasers, Nd: YLF lasers, and titanium sapphire lasers. Nd: YAG laser, Nd: YVO is used to form crack regions and melt processing regionsFourIt is preferable to use a laser or an Nd: YLF laser. When forming the refractive index changing region, it is preferable to use a titanium sapphire laser.
[0058]
The laser light source 101 is a Q switch laser. FIG. 18 is a schematic configuration diagram of a Q switch laser provided in the laser light source 101. The Q-switched laser includes mirrors 51 and 53 arranged at a predetermined interval, a laser medium 55 arranged between the mirror 51 and the mirror 53, an excitation source 57 that applies an excitation input to the laser medium 55, And a Q switch 59 disposed between the laser medium 55 and the mirror 51. The material of the laser medium 55 is Nd: YAG, for example.
[0059]
By applying excitation input from the excitation source 57 to the laser medium 55 with the loss of the resonator increased using the Q switch 59, the inversion distribution of the laser medium 55 is raised to a predetermined value. After that, by using the Q switch 59 to reduce the loss of the resonator, the accumulated energy is instantly oscillated to generate the pulsed laser light L. The Q switch 59 is controlled to be in a high state by a signal S from the laser light source control unit 102 (for example, a change in the repetition frequency of the ultrasonic pulse). Therefore, the repetition frequency of the pulsed laser light L emitted from the laser light source 101 can be adjusted by the signal S from the laser light source control unit 102. The laser light source control unit 102 is an example of a frequency adjusting unit. The repetition frequency is adjusted by the operator of the laser processing apparatus inputting the repetition frequency using a keyboard or the like to the overall control unit 127 described later. The details of the laser light source 101 have been described above.
[0060]
During the laser processing, the modified object is formed along the planned cutting line by moving the workpiece 1 in the X-axis direction or the Y-axis direction. Therefore, for example, when the modified region is formed in the X-axis direction, the relative movement speed of the focused point of the pulse laser beam can be adjusted by adjusting the movement speed of the X-axis stage 109. Further, when the modified region is formed in the Y-axis direction, the relative movement speed of the focused point of the pulse laser beam can be adjusted by adjusting the movement speed of the Y-axis stage 111. Adjustment of the moving speed of these stages is controlled by the stage controller 115. The stage control unit 115 is an example of a speed adjustment unit. The speed is adjusted by the operator of the laser processing apparatus inputting the magnitude of the speed using a keyboard or the like to the overall control unit 127 described later. Note that the speed of relative movement of the focused point of the pulse laser beam can be adjusted by making the focused point P movable and adjusting the moving speed.
[0061]
Since the Z-axis direction is a direction orthogonal to the surface 3 of the workpiece 1, the Z-axis direction is the direction of the focal depth of the laser light L incident on the workpiece 1. Therefore, by moving the Z-axis stage 113 in the Z-axis direction, the condensing point P of the laser light L can be adjusted inside the workpiece 1. Further, the movement of the condensing point P in the X (Y) axis direction is performed by moving the workpiece 1 in the X (Y) axis direction by the X (Y) axis stage 109 (111). The X (Y) axis stage 109 (111) is an example of the moving means.
[0062]
The condensing lens 105 is an example of a condensing unit. The Z-axis stage 113 is an example of means for aligning the laser beam condensing point with the inside of the workpiece. By moving the condensing lens 105 in the Z-axis direction, the condensing point of the laser light can be adjusted to the inside of the object to be processed.
[0063]
The laser processing apparatus 100 further includes an observation light source 117 that generates visible light to illuminate the workpiece 1 placed on the mounting table 107 with visible light, and the same light as the dichroic mirror 103 and the condensing lens 105. A visible light beam splitter 119 disposed on the axis. A dichroic mirror 103 is disposed between the beam splitter 119 and the condensing lens 105. The beam splitter 119 has a function of reflecting about half of visible light and transmitting the other half, and is arranged so as to change the direction of the optical axis of visible light by 90 °. About half of the visible light generated from the observation light source 117 is reflected by the beam splitter 119, and the reflected visible light passes through the dichroic mirror 103 and the condensing lens 105, so that the cutting target line 5 of the processing object 1 etc. Illuminate the surface 3 containing
[0064]
The laser processing apparatus 100 further includes an imaging element 121 and an imaging lens 123 disposed on the same optical axis as the beam splitter 119, the dichroic mirror 103, and the condensing lens 105. An example of the image sensor 121 is a CCD (charge-coupled device) camera. The reflected light of the visible light that illuminates the surface 3 including the planned cutting line 5 passes through the condensing lens 105, the dichroic mirror 103, and the beam splitter 119, is imaged by the imaging lens 123, and is imaged by the imaging device 121. And becomes imaging data.
[0065]
The laser processing apparatus 100 further includes an imaging data processing unit 125 to which imaging data output from the imaging element 121 is input, an overall control unit 127 that controls the entire laser processing apparatus 100, and a monitor 129. The imaging data processing unit 125 calculates focus data for focusing the visible light generated by the observation light source 117 on the surface 3 based on the imaging data. The stage control unit 115 controls the movement of the Z-axis stage 113 based on the focus data so that the visible light is focused on the surface 3. Therefore, the imaging data processing unit 125 functions as an autofocus unit. The imaging data processing unit 125 calculates image data such as an enlarged image of the surface 3 based on the imaging data. This image data is sent to the overall control unit 127, where various processes are performed by the overall control unit, and sent to the monitor 129. Thereby, an enlarged image or the like is displayed on the monitor 129.
[0066]
Data from the stage controller 115, image data from the imaging data processor 125, and the like are input to the overall controller 127. Based on these data, the laser light source controller 102, the observation light source 117, and the stage controller By controlling 115, the entire laser processing apparatus 100 is controlled. Therefore, the overall control unit 127 functions as a computer unit.
[0067]
FIG. 19 is a block diagram illustrating a part of an example of the overall control unit 127. The overall control unit 127 includes a distance calculation unit 141, a dimension storage unit 143, and an image creation unit 145. The distance calculation unit 141 receives the magnitude of the repetition frequency of the pulse laser beam and the magnitude of the moving speed of the stages 109 and 111. These inputs are performed by the operator of the laser processing apparatus using a keyboard or the like.
[0068]
The distance calculation unit 141 calculates the distance (pitch) between adjacent modified spots using the above-described formula (n = f / v, p = 1 / n). The distance calculation unit 141 sends this distance data to the monitor 129. Thus, the monitor 129 displays the distance between the reforming spots formed under the input frequency magnitude and speed magnitude.
[0069]
The distance data is also sent to the image creation unit 145. The dimension storage unit 143 stores in advance the dimensions of the modified spots formed by this laser processing apparatus. Based on the distance data and the dimension data stored in the dimension storage unit 143, the image creation unit 145 creates image data of the modified region formed by the distance and the dimension and sends it to the monitor 129. Thereby, the image of the modified region is also displayed on the monitor 129. Therefore, it is possible to know the distance between adjacent modified spots and the shape of the modified region before laser processing.
[0070]
The distance calculation unit 141 calculates the distance between the modified spots using the formula (n = f / v, p = 1 / n), but may be as follows. First, a table in which the relationship between the magnitude of the repetition frequency, the moving speed of the stages 109 and 111, and the distance between the reforming spots is registered in advance is stored in the distance calculation unit 141. When the magnitude of the repetition frequency and the magnitude of the moving speed of the stages 109 and 111 are input to the distance computing unit 141, the distance computing unit 141 is reformed that is formed from the above table under the conditions of these sizes. Read the distance between the modified spots in the spot.
[0071]
Note that the magnitude of the repetition frequency may be fixed and the magnitude of the stage moving speed may be variable. Conversely, the stage moving speed may be fixed and the repetition frequency may be variable. In these cases, the distance calculation unit 141 uses the above-described formulas and tables to perform processing for displaying the distance between the modified spots and the image of the modified region on the monitor 129.
[0072]
As described above, the overall control unit 127 shown in FIG. 19 calculates the distance between adjacent reforming spots by inputting the magnitude of the repetition frequency and the magnitude of the moving speed of the stage. A desired distance between adjacent reforming spots may be input to control the repetition frequency and the stage moving speed. This will be described below.
[0073]
FIG. 20 is a block diagram illustrating a part of another example of the overall control unit 127. The overall control unit 127 includes a frequency calculation unit 147. The operator of the laser processing apparatus inputs the magnitude of the distance between the modified spots adjacent to the frequency calculation unit 147 using a keyboard or the like. The magnitude of this distance is determined in consideration of the thickness and material of the workpiece. Based on this input, the frequency calculation unit 147 calculates a frequency for achieving the distance based on the above formula and table. In this example, the moving speed of the stage is fixed. The frequency calculation unit 147 sends the calculated data to the laser light source control unit 102. The distance between adjacent modified spots can be set to a desired size by laser processing a workpiece with a laser processing apparatus adjusted to the frequency size. This frequency magnitude data is also sent to the monitor 129, and the frequency magnitude is displayed.
[0074]
FIG. 21 is a block diagram showing a part of still another example of the overall control unit 127. The overall control unit 127 includes a speed calculation unit 149. Similarly to the above, the magnitude of the distance between adjacent reforming spots is input to the speed calculation unit 149. Based on this input, the speed calculation unit 149 calculates the stage moving speed for achieving the distance based on the above formula and table. In this example, the repetition frequency is fixed. The speed calculation unit 149 sends the calculated data to the stage control unit 115. The distance between adjacent modified spots can be set to a desired size by laser processing the workpiece with the laser processing apparatus adjusted to the magnitude of the stage moving speed. The data on the magnitude of the stage moving speed is also sent to the monitor 129, and the magnitude of the stage moving speed is displayed.
[0075]
FIG. 22 is a block diagram showing a part of still another example of the overall control unit 127. The overall control unit 127 includes a combination calculation unit 151. A difference from the cases of FIGS. 20 and 21 is that both the repetition frequency and the stage moving speed are calculated. Similarly to the above, the magnitude of the distance between adjacent reforming spots is input to the combination calculation unit 151. The combination calculation unit 151 calculates a repetition frequency and a stage moving speed for achieving the distance based on the above formula and table.
[0076]
The combination calculation unit 151 sends the calculated data to the laser light source control unit 102 and the stage control unit 115. The laser light source control unit 102 adjusts the laser light source 101 so as to have the calculated repetition frequency. The stage control unit 115 adjusts the stages 109 and 111 so that the calculated stage moving speed is obtained. The distance between adjacent modified spots can be set to a desired size by laser processing a workpiece with the laser processing apparatus in which these adjustments have been made. Data of the calculated repetition frequency magnitude and stage movement speed magnitude is also sent to the monitor 129, and these calculated values are displayed.
[0077]
Next, a laser processing method using the laser processing apparatus according to the present embodiment will be described with reference to FIGS. FIG. 23 is a flowchart for explaining this laser processing method. The workpiece 1 is a silicon wafer.
[0078]
First, the light absorption characteristics of the workpiece 1 are measured with a spectrophotometer or the like (not shown). Based on the measurement result, a laser light source 101 that generates a laser beam L having a wavelength transparent to the workpiece 1 or a wavelength with little absorption is selected (S101). Next, the thickness of the workpiece 1 is measured. Based on the thickness measurement result and the refractive index of the workpiece 1, the amount of movement of the workpiece 1 in the Z-axis direction is determined (S103). This is because the converging point P of the laser light L is located inside the processing object 1, so that the processing object 1 is based on the condensing point of the laser light L positioned on the surface 3 of the processing object 1. This is the amount of movement in the Z-axis direction. This movement amount is input to the overall control unit 127.
[0079]
The workpiece 1 is mounted on the mounting table 107 of the laser processing apparatus 100. Then, visible light is generated from the observation light source 117 to illuminate the workpiece 1 (S105). The imaging device 121 images the surface 3 of the workpiece 1 including the illuminated cutting line 5. This imaging data is sent to the imaging data processing unit 125. Based on the imaging data, the imaging data processing unit 125 calculates focus data such that the visible light focus of the observation light source 117 is located on the surface 3 (S107).
[0080]
This focus data is sent to the stage controller 115. The stage control unit 115 moves the Z-axis stage 113 in the Z-axis direction based on the focus data (S109). Thereby, the focal point of the visible light of the observation light source 117 is located on the surface 3. The imaging data processing unit 125 calculates enlarged image data of the surface 3 of the workpiece 1 including the planned cutting line 5 based on the imaging data. This enlarged image data is sent to the monitor 129 via the overall control unit 127, whereby an enlarged image near the planned cutting line 5 is displayed on the monitor 129.
[0081]
The movement amount data determined in advance in step S <b> 103 is input to the overall control unit 127, and this movement amount data is sent to the stage control unit 115. The stage control unit 115 moves the workpiece 1 in the Z-axis direction by the Z-axis stage 113 to a position where the condensing point P of the laser light L is inside the workpiece 1 based on the movement amount data ( S111).
[0082]
Next, the distance between adjacent melt processing spots in the melt processing spot formed by one pulse laser, that is, the size of the pitch p is determined (S112). The pitch p is determined in consideration of the thickness and material of the workpiece 1. The magnitude of the pitch p is input to the overall control unit 127 shown in FIG.
[0083]
Next, the laser light L is generated from the laser light source 101, and the laser light L is applied to the cutting line 5 on the surface 3 of the workpiece 1. Since the condensing point P of the laser beam L is located inside the workpiece 1, the melted region is formed only inside the workpiece 1. Then, the X-axis stage 109 and the Y-axis stage 111 are moved along the planned cutting line 5 to form a melting processing region inside the workpiece 1 along the planned cutting line 5 (S113). Then, the workpiece 1 is cut by bending the workpiece 1 along the planned cutting line 5 (S115). Thereby, the workpiece 1 is divided into silicon chips.
[0084]
The effect of this embodiment will be described. According to this, the pulse laser beam L is irradiated on the planned cutting line 5 under the condition that causes multiphoton absorption and the focusing point P is set inside the workpiece 1. Then, by moving the X-axis stage 109 and the Y-axis stage 111, the condensing point P is moved along the scheduled cutting line 5. As a result, a modified region (for example, a crack region, a melt processing region, a refractive index change region) is formed inside the workpiece 1 along the planned cutting line 5. If there is any starting point at the location where the workpiece is to be cut, the workpiece can be cut with a relatively small force. Therefore, the workpiece 1 can be cut with a relatively small force by dividing the workpiece 1 along the scheduled cutting line 5 starting from the modified region. Thereby, the processing target object 1 can be cut | disconnected without generating the unnecessary crack which remove | deviated from the cutting planned line 5 on the surface 3 of the processing target object 1. FIG.
[0085]
Moreover, according to this embodiment, the laser beam L is irradiated to the cutting line 5 under the condition for causing the multi-photon absorption in the processing object 1 and the focusing point P is set inside the processing object 1. ing. Therefore, the pulse laser beam L passes through the workpiece 1 and the pulse laser beam L is hardly absorbed by the surface 3 of the workpiece 1, so that the surface 3 is damaged by melting due to the formation of the modified region. There is no.
[0086]
As described above, according to the present embodiment, the processing object 1 can be cut without causing unnecessary cracks and melting off the cutting line 5 on the surface 3 of the processing object 1. Therefore, when the workpiece 1 is, for example, a semiconductor wafer, the semiconductor chip can be cut out from the semiconductor wafer without causing unnecessary cracking or melting of the semiconductor chip off the line to be cut. The same applies to a workpiece on which an electrode pattern is formed on the surface, and a workpiece on which an electronic device is formed on the surface, such as a glass substrate on which a display device such as a piezoelectric element wafer or liquid crystal is formed. Therefore, according to the present embodiment, it is possible to improve the yield of products (for example, display devices such as semiconductor chips, piezoelectric device chips, and liquid crystals) manufactured by cutting the workpiece.
[0087]
Further, according to the present embodiment, since the planned cutting line 5 on the surface 3 of the workpiece 1 is not melted, the width of the planned cutting line 5 (this width is, for example, in the case of a semiconductor wafer, between regions to be semiconductor chips) (This is the interval.) Thereby, the number of products produced from one piece of processing object 1 increases, and productivity of a product can be improved.
[0088]
Further, according to the present embodiment, since laser light is used for cutting the workpiece 1, more complicated processing than dicing using a diamond cutter becomes possible. For example, as shown in FIG. 24, even if the planned cutting line 5 has a complicated shape, the cutting process is possible according to this embodiment. These effects are the same in the examples described later.
[0089]
In addition, according to the present embodiment, the distance between adjacent melt processing spots is controlled by adjusting the repetition frequency of the pulse laser beam and adjusting the moving speed of the X-axis stage 109 and the Y-axis stage 111. it can. By changing the distance in consideration of the thickness and material of the workpiece 1, processing according to the purpose can be performed.
[0090]
【The invention's effect】
According to the laser processing apparatus according to the present invention, it is possible to cut the processing object without causing melting or cracking that is out of the planned cutting line on the surface of the processing object. Therefore, the yield and productivity of a product (for example, a display device such as a semiconductor chip, a piezoelectric device chip, and a liquid crystal) manufactured by cutting the workpiece can be improved.
[0091]
According to the laser processing apparatus of the present invention, the distance between adjacent modified spots can be adjusted by adjusting the magnitude of the repetition frequency of the pulsed laser beam and the magnitude of the relative moving speed of the focal point of the pulsed laser beam. Can be controlled. By changing this distance according to the type, thickness, etc. of the workpiece, cutting according to the workpiece can be performed.
[0092]
According to the laser processing apparatus of the present invention, the calculation result of the distance between adjacent modified spots can be displayed.
[0093]
According to the laser processing apparatus of the present invention, the magnitude of the repetition frequency of the pulse laser beam and the relative movement speed of the condensing point of the pulse laser beam are adjusted based on the input of the distance between adjacent modified spots. Thus, this distance can be set to a desired size.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of an object to be processed during laser processing by laser processing according to the present embodiment.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line II-II of the workpiece shown in FIG.
FIG. 3 is a plan view of an object to be processed after laser processing by laser processing according to the present embodiment.
4 is a cross-sectional view taken along line IV-IV of the workpiece shown in FIG.
FIG. 5 is a cross-sectional view taken along line VV of the workpiece shown in FIG.
FIG. 6 is a plan view of a processing object cut by laser processing according to the present embodiment.
FIG. 7 is a graph showing the relationship between electric field strength and crack size in laser processing according to the present embodiment.
FIG. 8 is a cross-sectional view of an object to be processed in a first step of laser processing according to the present embodiment.
FIG. 9 is a cross-sectional view of an object to be processed in a second step of laser processing according to the present embodiment.
FIG. 10 is a cross-sectional view of an object to be processed in a third step of laser processing according to the present embodiment.
FIG. 11 is a cross-sectional view of an object to be processed in a fourth step of laser processing according to the present embodiment.
FIG. 12 is a view showing a photograph of a cross section of a part of a silicon wafer cut by laser processing according to the present embodiment.
FIG. 13 is a graph showing the relationship between the wavelength of laser light and the transmittance inside a silicon substrate in laser processing according to the present embodiment.
FIG. 14 is a plan view of a first example of a portion along a planned cutting line of an object to be processed in which a crack region is formed by laser processing according to the present embodiment;
FIG. 15 is a plan view of a second example of a portion along a planned cutting line of a workpiece on which a crack region is formed by laser processing according to the present embodiment;
FIG. 16 is a plan view of a third example of a portion along a planned cutting line of a workpiece on which a crack region is formed by laser processing according to the present embodiment;
FIG. 17 is a schematic configuration diagram of a laser processing apparatus according to the present embodiment.
FIG. 18 is a schematic configuration diagram of a Q-switched laser provided in a laser light source of the laser processing apparatus according to the present embodiment.
FIG. 19 is a block diagram illustrating a part of an example of an overall control unit of the laser processing apparatus according to the present embodiment.
FIG. 20 is a block diagram illustrating a part of another example of the overall control unit of the laser processing apparatus according to the present embodiment.
FIG. 21 is a block diagram showing a part of still another example of the overall control unit of the laser processing apparatus according to the present embodiment.
FIG. 22 is a block diagram showing a part of still another example of the overall control unit of the laser processing apparatus according to the present embodiment.
FIG. 23 is a flowchart for explaining laser processing according to the present embodiment.
FIG. 24 is a plan view of a processing object for explaining a pattern that can be cut by laser processing according to the present embodiment.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Work object, 3 ... Surface, 5 ... Planned cutting line, 7 ... Modified area | region, 9 ... Crack area | region, 11 ... Silicon wafer, 13 ... Melting process Area 90 crack spot 100 laser processing apparatus 101 laser light source 105 condensing lens 109 X-axis stage 111 111 Y-axis stage 113 ... Z-axis stage, 141 ... Distance calculation unit, 143 ... Dimension storage unit, 145 ... Image creation unit, 147 ... Frequency calculation unit, 149 ... Speed calculation unit, 151・ Combination calculation unit, P ... Condensing point, p ... Pitch of crack spot, d ... Dimension of crack spot

Claims (11)

パルス幅が1μs以下のパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、
周波数の大きさの入力に基づいて前記レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節する周波数調節手段と、
前記レーザ光源から出射されたパルスレーザ光の集光点のピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上になるようにパルスレーザ光を集光する集光手段と、
前記集光手段により集光されたパルスレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段と、
前記加工対象物の切断予定ラインに沿ってパルスレーザ光の集光点を相対的に移動させる移動手段と、
を備え、
前記内部に集光点を合わせて1パルスのパルスレーザ光を前記加工対象物に照射することにより、前記内部に1つの改質スポットが形成され、
前記内部に集光点を合わせかつ前記切断予定ラインに沿って集光点を相対的に移動させて、複数パルスのパルスレーザ光を前記加工対象物に照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記内部に複数の前記改質スポットが形成され、
前記入力された周波数の大きさに基づいて隣り合う前記改質スポット間の距離を演算する距離演算手段と、
前記距離演算手段により演算された距離を表示する距離表示手段と、
を備える、レーザ加工装置。
A laser light source that emits a pulse laser beam having a pulse width of 1 μs or less;
Frequency adjusting means for adjusting the repetition frequency of the pulse laser beam emitted from the laser light source based on the input of the frequency magnitude;
Condensing means for condensing the pulsed laser light so that the peak power density at the condensing point of the pulsed laser light emitted from the laser light source is 1 × 10 8 (W / cm 2 ) or more;
Means for aligning the condensing point of the pulse laser beam condensed by the condensing means with the inside of the object to be processed;
A moving means for relatively moving the focused point of the pulsed laser light along the planned cutting line of the workpiece;
With
By irradiating the object to be processed with one pulse of laser light with the focusing point inside, one modified spot is formed inside the inside,
By aligning a condensing point in the interior and relatively moving the condensing point along the planned cutting line, and irradiating the workpiece with a plurality of pulses of laser light, along the planned cutting line A plurality of the modified spots are formed in the interior,
A distance calculating means for calculating a distance between the modified spots adjacent to each other based on the magnitude of the input frequency;
Distance display means for displaying the distance calculated by the distance calculation means;
A laser processing apparatus comprising:
パルス幅が1μs以下のパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたパルスレーザ光の集光点のピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上になるようにパルスレーザ光を集光する集光手段と、
前記集光手段により集光されたパルスレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段と、
前記加工対象物の切断予定ラインに沿ってパルスレーザ光の集光点を相対的に移動させる移動手段と、
速度の大きさの入力に基づいて前記移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節する速度調節手段と、
を備え、
前記内部に集光点を合わせて1パルスのパルスレーザ光を前記加工対象物に照射することにより、前記内部に1つの改質スポットが形成され、
前記内部に集光点を合わせかつ前記切断予定ラインに沿って集光点を相対的に移動させて、複数パルスのパルスレーザ光を前記加工対象物に照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記内部に複数の前記改質スポットが形成され、
前記入力された速度の大きさに基づいて隣り合う前記改質スポット間の距離を演算する距離演算手段と、
前記距離演算手段により演算された距離を表示する距離表示手段と、
を備える、レーザ加工装置。
A laser light source that emits a pulse laser beam having a pulse width of 1 μs or less;
Condensing means for condensing the pulsed laser light so that the peak power density at the condensing point of the pulsed laser light emitted from the laser light source is 1 × 10 8 (W / cm 2 ) or more;
Means for aligning the condensing point of the pulse laser beam condensed by the condensing means with the inside of the object to be processed;
A moving means for relatively moving the focused point of the pulsed laser light along the planned cutting line of the workpiece;
Speed adjusting means for adjusting the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser beam by the moving means based on the input of the speed magnitude;
With
By irradiating the object to be processed with one pulse of laser light with the focusing point inside, one modified spot is formed inside the inside,
By aligning a condensing point in the interior and relatively moving the condensing point along the planned cutting line, and irradiating the workpiece with a plurality of pulses of laser light, along the planned cutting line A plurality of the modified spots are formed in the interior,
Distance calculating means for calculating a distance between the adjacent reforming spots based on the magnitude of the input speed;
Distance display means for displaying the distance calculated by the distance calculation means;
A laser processing apparatus comprising:
パルス幅が1μs以下のパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、
周波数の大きさの入力に基づいて前記レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節する周波数調節手段と、
前記レーザ光源から出射されたパルスレーザ光の集光点のピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上になるようにパルスレーザ光を集光する集光手段と、
前記集光手段により集光されたパルスレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段と、
前記加工対象物の切断予定ラインに沿ってパルスレーザ光の集光点を相対的に移動させる移動手段と、
速度の大きさの入力に基づいて前記移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節する速度調節手段と、
を備え、
前記内部に集光点を合わせて1パルスのパルスレーザ光を前記加工対象物に照射することにより、前記内部に1つの改質スポットが形成され、
前記内部に集光点を合わせかつ前記切断予定ラインに沿って集光点を相対的に移動させて、複数パルスのパルスレーザ光を前記加工対象物に照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記内部に複数の前記改質スポットが形成され、
前記入力された周波数の大きさと速度の大きさとに基づいて隣り合う前記改質スポット間の距離を演算する距離演算手段と、
前記距離演算手段により演算された距離を表示する距離表示手段と、
を備える、レーザ加工装置。
A laser light source that emits a pulse laser beam having a pulse width of 1 μs or less;
Frequency adjusting means for adjusting the repetition frequency of the pulse laser beam emitted from the laser light source based on the input of the frequency magnitude;
Condensing means for condensing the pulsed laser light so that the peak power density at the condensing point of the pulsed laser light emitted from the laser light source is 1 × 10 8 (W / cm 2 ) or more;
Means for aligning the condensing point of the pulse laser beam condensed by the condensing means with the inside of the object to be processed;
A moving means for relatively moving the focused point of the pulsed laser light along the planned cutting line of the workpiece;
Speed adjusting means for adjusting the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser beam by the moving means based on the input of the speed magnitude;
With
By irradiating the object to be processed with one pulse of laser light with the focusing point inside, one modified spot is formed inside the inside,
By aligning a condensing point in the interior and relatively moving the condensing point along the planned cutting line, and irradiating the workpiece with a plurality of pulses of laser light, along the planned cutting line A plurality of the modified spots are formed in the interior,
Distance calculating means for calculating a distance between the modified spots adjacent to each other based on the input frequency magnitude and speed magnitude;
Distance display means for displaying the distance calculated by the distance calculation means;
A laser processing apparatus comprising:
前記レーザ加工装置により形成される前記改質スポットの寸法を予め記憶している寸法記憶手段と、
前記寸法記憶手段に記憶された寸法と前記距離演算手段により演算された距離とに基づいて、前記切断予定ラインに沿って形成される複数の前記改質スポットの画像を作成する画像作成手段と、
前記画像作成手段により作成された画像を表示する画像表示手段と、
を備える、請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
Dimension storage means for storing in advance the dimensions of the modified spot formed by the laser processing apparatus;
Based on the dimensions stored in the dimension storage means and the distance calculated by the distance calculation means, an image creation means for creating images of the plurality of modified spots formed along the planned cutting line;
Image display means for displaying the image created by the image creation means;
The laser processing apparatus in any one of Claims 1-3 provided with these.
パルス幅が1μs以下のパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節する周波数調節手段と、
前記レーザ光源から出射されたパルスレーザ光の集光点のピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上になるようにパルスレーザ光を集光する集光手段と、
前記集光手段により集光されたパルスレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段と、
前記加工対象物の切断予定ラインに沿ってパルスレーザ光の集光点を相対的に移動させる移動手段と、
を備え、
前記内部に集光点を合わせて1パルスのパルスレーザ光を前記加工対象物に照射することにより、前記内部に1つの改質スポットが形成され、
前記内部に集光点を合わせかつ前記切断予定ラインに沿って集光点を相対的に移動させて、複数パルスのパルスレーザ光を前記加工対象物に照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記内部に複数の前記改質スポットが形成され、
隣り合う前記改質スポット間の距離の大きさの入力に基づいて、隣り合う前記改質スポット間の距離をこの大きさにするために、前記レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを演算する周波数演算手段を備え、
前記周波数調節手段は、前記周波数演算手段により演算された周波数の大きさとなるように前記レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節する、レーザ加工装置。
A laser light source that emits a pulse laser beam having a pulse width of 1 μs or less;
Frequency adjusting means for adjusting the repetition frequency of the pulsed laser light emitted from the laser light source;
Condensing means for condensing the pulsed laser light so that the peak power density at the condensing point of the pulsed laser light emitted from the laser light source is 1 × 10 8 (W / cm 2 ) or more;
Means for aligning the condensing point of the pulse laser beam condensed by the condensing means with the inside of the object to be processed;
A moving means for relatively moving the focused point of the pulsed laser light along the planned cutting line of the workpiece;
With
By irradiating the object to be processed with one pulse of laser light with the focusing point inside, one modified spot is formed inside the inside,
By aligning a condensing point in the interior and relatively moving the condensing point along the planned cutting line, and irradiating the workpiece with a plurality of pulses of laser light, along the planned cutting line A plurality of the modified spots are formed in the interior,
Based on the input of the magnitude of the distance between the adjacent modified spots, the repetition frequency of the pulsed laser light emitted from the laser light source is set in order to make the distance between the neighboring modified spots this magnitude. It has a frequency calculation means for calculating the size,
The laser processing apparatus, wherein the frequency adjusting means adjusts the magnitude of the repetition frequency of the pulsed laser light emitted from the laser light source so as to be the magnitude of the frequency calculated by the frequency calculating means.
前記周波数演算手段により演算された周波数の大きさを表示する周波数表示手段を備える、請求項5記載のレーザ加工装置。6. The laser processing apparatus according to claim 5, further comprising frequency display means for displaying the magnitude of the frequency calculated by the frequency calculation means. パルス幅が1μs以下のパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたパルスレーザ光の集光点のピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上になるようにパルスレーザ光を集光する集光手段と、
前記集光手段により集光されたパルスレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段と、
前記加工対象物の切断予定ラインに沿ってパルスレーザ光の集光点を相対的に移動させる移動手段と、
前記移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節する速度調節手段と、
を備え、
前記内部に集光点を合わせて1パルスのパルスレーザ光を前記加工対象物に照射することにより、前記内部に1つの改質スポットが形成され、
前記内部に集光点を合わせかつ前記切断予定ラインに沿って集光点を相対的に移動させて、複数パルスのパルスレーザ光を前記加工対象物に照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記内部に複数の前記改質スポットが形成され、
隣り合う前記改質スポット間の距離の大きさの入力に基づいて、隣り合う前記改質スポット間の距離をこの大きさにするために、前記移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを演算する速度演算手段と、
を備え、
前記速度調節手段は、前記速度演算手段により演算された相対的移動速度の大きさとなるように前記移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節する、レーザ加工装置。
A laser light source that emits a pulse laser beam having a pulse width of 1 μs or less;
Condensing means for condensing the pulsed laser light so that the peak power density at the condensing point of the pulsed laser light emitted from the laser light source is 1 × 10 8 (W / cm 2 ) or more;
Means for aligning the condensing point of the pulse laser beam condensed by the condensing means with the inside of the object to be processed;
A moving means for relatively moving the focused point of the pulsed laser light along the planned cutting line of the workpiece;
Speed adjusting means for adjusting the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser beam by the moving means;
With
By irradiating the object to be processed with one pulse of laser light with the focusing point inside, one modified spot is formed inside the inside,
By aligning a condensing point in the interior and relatively moving the condensing point along the planned cutting line, and irradiating the workpiece with a plurality of pulses of laser light, along the planned cutting line A plurality of the modified spots are formed in the interior,
Based on the input of the magnitude of the distance between the adjacent modified spots, the relative focusing point of the pulse laser beam by the moving means is set in order to make the distance between the neighboring modified spots this magnitude. Speed calculating means for calculating the magnitude of the moving speed;
With
The speed adjusting means adjusts the magnitude of the relative moving speed of the condensing point of the pulsed laser light by the moving means so as to be the magnitude of the relative moving speed calculated by the speed calculating means. .
前記速度演算手段により演算された相対的移動速度の大きさを表示する速度表示手段を備える、請求項7記載のレーザ加工装置。The laser processing apparatus according to claim 7, further comprising speed display means for displaying a magnitude of the relative movement speed calculated by the speed calculation means. パルス幅が1μs以下のパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節する周波数調節手段と、
前記レーザ光源から出射されたパルスレーザ光の集光点のピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上になるようにパルスレーザ光を集光する集光手段と、
前記集光手段により集光されたパルスレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段と、
前記加工対象物の切断予定ラインに沿ってパルスレーザ光の集光点を相対的に移動させる移動手段と、
前記移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節する速度調節手段と、
を備え、
前記内部に集光点を合わせて1パルスのパルスレーザ光を前記加工対象物に照射することにより、前記内部に1つの改質スポットが形成され、
前記内部に集光点を合わせかつ前記切断予定ラインに沿って集光点を相対的に移動させて、複数パルスのパルスレーザ光を前記加工対象物に照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記内部に複数の前記改質スポットが形成され、
隣り合う前記改質スポット間の距離の大きさの入力に基づいて、隣り合う前記改質スポット間の距離をこの大きさにするために、前記レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさと前記移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさとの組み合わせを演算する組み合わせ演算手段を備え、
前記周波数調節手段は、前記組み合わせ演算手段により演算された周波数の大きさとなるように前記レーザ光源から出射されるパルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさを調節し、
前記速度調節手段は、前記組み合わせ演算手段により演算された相対的移動速度の大きさとなるように前記移動手段によるパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調節する、レーザ加工装置。
A laser light source that emits a pulse laser beam having a pulse width of 1 μs or less;
Frequency adjusting means for adjusting the repetition frequency of the pulsed laser light emitted from the laser light source;
Condensing means for condensing the pulsed laser light so that the peak power density at the condensing point of the pulsed laser light emitted from the laser light source is 1 × 10 8 (W / cm 2 ) or more;
Means for aligning the condensing point of the pulse laser beam condensed by the condensing means with the inside of the object to be processed;
A moving means for relatively moving the focused point of the pulsed laser light along the planned cutting line of the workpiece;
Speed adjusting means for adjusting the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser beam by the moving means;
With
By irradiating the object to be processed with one pulse of laser light with the focusing point inside, one modified spot is formed inside the inside,
By aligning a condensing point in the interior and relatively moving the condensing point along the planned cutting line, and irradiating the workpiece with a plurality of pulses of laser light, along the planned cutting line A plurality of the modified spots are formed in the interior,
Based on the input of the magnitude of the distance between the adjacent modified spots, the repetition frequency of the pulsed laser light emitted from the laser light source is set in order to make the distance between the neighboring modified spots this magnitude. A combination calculation means for calculating a combination of the size and the relative movement speed of the focusing point of the pulse laser beam by the moving means;
The frequency adjusting means adjusts the magnitude of the repetition frequency of the pulsed laser light emitted from the laser light source so as to be the magnitude of the frequency calculated by the combination calculating means;
The speed adjusting means adjusts the magnitude of the relative moving speed of the condensing point of the pulse laser beam by the moving means so as to be the magnitude of the relative moving speed calculated by the combination calculating means. .
前記組み合わせ演算手段により演算された周波数の大きさ及び相対的移動速度の大きさを表示する表示手段を備える、請求項9記載のレーザ加工装置。The laser processing apparatus according to claim 9, further comprising display means for displaying the magnitude of the frequency computed by the combination computing means and the magnitude of the relative movement speed. 前記切断予定ラインに沿って前記加工対象物の前記内部に形成された複数の前記改質スポットにより改質領域が規定され、
前記改質領域は、前記内部においてクラックが発生した領域であるクラック領域、前記内部において溶融処理した領域である溶融処理領域及び前記内部において屈折率が変化した領域である屈折率変化領域のうち少なくともいずれか一つを含む、請求項1〜10のいずれかに記載のレーザ加工装置。
A modified region is defined by a plurality of the modified spots formed inside the workpiece along the planned cutting line,
The modified region is at least one of a crack region that is a region where cracks are generated in the interior, a melt-treated region that is a melt-processed region inside, and a refractive index change region that is a region where the refractive index is changed inside The laser processing apparatus in any one of Claims 1-10 containing any one.
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