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JP4762019B2 - 放送受信装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ディジタル音声放送を受信する放送受信装置に関する。
ディジタル音声放送では、一本のトランスポートストリーム(TS)を用いて複数のサービスを提供することが可能である。音声データ及び音声に関するデータ等はTS内にパケッタイズドエレメンタリストリーム(PES)形式で重畳されて伝送される。前記PESは、音声を出力するタイミングを規定するプレゼンテーションタイムスタンプ(PTS)と音声データ(AACデータ)で構成される。前記PTSにより、音声データの提示タイミングを判断することができる。また、AACデータはオーディオデータトランスポートストリーム(ADTS)で構成されており、ADTSの再生時間は固定で運用される(サンプリング周波数が24kHzの場合、1単位ADTSの再生時間は21.3msである)。サンプリング周波数に関する情報はAACデータに含まれているため、AACデータだけで音声の再生が可能である(特許文献1参照)。
特開2006−50387号公報
ところで、ディジタル音声放送を録音(記録)する場合、TSをそのまま記録する方法と、聴いている音声サービス(AACデータ)だけを記録する方法とが考えられる。TSをそのまま記録する方法では、必要としないサービスまでも記録することになるので、メモリを無駄に消費することになる。そして、現在聴いている音声サービスのみ記録する場合でも、より一層のデータ量削減が望まれるが、特に移動体受信機では受信品質が安定しないため、正常な音声放送再生ができないことも考えられる。
この発明は、上記事情に鑑み、所望の音声サービスのみ記録するとともにプレゼンテーションタイムスタンプ(PTS)は記録しないことでより一層のデータ量削減を図り、且つ、前記PTSを記録しないことで生じる再生不具合を解消することができる放送受信装置を提供することを目的とする。
この発明の放送受信装置は、上記の課題を解決するために、ディジタル音声放送を受信してトランスポートストリームを出力するチューナと、前記トランスポートストリームからオーディオデータトランスポートストリームを分離するデマルチプレクサと、前記オーディオデータトランスポートストリームにおけるプレゼンテーションタイムスタンプにて各フレームの出力時刻を判断するとともにフレーム間の差分時刻分の全データのうち一部しか取得できていないと判断したときには不足分の無音データを生成し、前記プレゼンテーションタイムスタンプを省いたオーディオデータトランスポートストリームと前記無音データとを配列したデータ列を記録媒体に記録する記録/再生制御手段と、前記デマルチプレクサから出力されるオーディオデータトランスポートストリームを受け取るときには、前記プレゼンテーションタイムスタンプに基づいて音声データを提示する一方、前記記録/再生制御手段にて前記記録媒体から再生されたデータ列を受け取るときには、当該データ列を順次に再生して音声データを生成する音声デコーダと、を備えたことを特徴とする。
上記の構成であれば、前記プレゼンテーションタイムスタンプを省いたオーディオデータトランスポートストリームを記録するので、所望の音声サービスのみ記録するとともにプレゼンテーションタイムスタンプ(PTS)は記録しないことでより一層のデータ量削減を図ることができ、且つ、フレーム間の差分時刻分の全データのうち一部しか取得できていないと判断したときには不足分の無音データを生成して記録するので、前記PTSを記録しないことで生じる再生不具合も解消することができる。
上記構成の放送受信装置において、不連続オーディオデータトランスポートストリームにおける不連続分のデータを正常に作成できたかどうかを判断する手段を備え、前記不連続分のデータを正常に作成できなかったと判断したときには、前記不足分の無音データに前記不連続データ分の無音データを加えることとしてもよい。
また、これら構成の放送受信装置において、前記無音データが所定量を超える場合には、無音データを記録しないか又は、記録する無音データの量を削減することとしてもよい。
この発明によれば、所望の音声サービスのみ記録するとともにプレゼンテーションタイムスタンプ(PTS)は記録しないことでより一層のデータ量削減を図り、且つ、前記PTSを記録しないことで生じる再生不具合を解消することができるという効果を奏する。
以下、この発明の実施形態の放送受信装置を図1乃至図4に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施形態の可搬型として構成された放送受信装置10を示したブロック図である。地上波用のアンテナ21は、受信した信号を地上波ディジタルチューナ22に与える。地上波ディジタルチューナ22は、音声データを含む高周波ディジタル変調信号のうちから特定周波数の信号を取り出す。また、地上波ディジタルチューナ22は、復調回路、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路などを備え、選択したディジタル変調信号を復調してトランスポート・ストリームを出力し、このトランスポート・ストリームをデマルチプレクサ(DEMUX)23に与える。
デマルチプレクサ(DEMUX)23は、前記トランスポートストリームをオーディオデータトランスポートストリーム(ADTS)及び付属情報などに分離する。デマルチプレクサ3は、オーディオストリームをAACデコーダ26に供給し、付属情報をCPU1に供給する。
操作キー部2には、電源ON/OFFキー、チャンネル選択キー、音量調整キー等が設けられる。なお、放送受信装置10がディジタルラジオ機能付き携帯電話として構成される場合、主として電話に関するキーが配置され、ラジオはメニュー画面上で選択する構成となったり、数字キーを電話番号入力やチャンネル選択に共用する構成となったり、十字キー(方向キー)を機能選択キーやチャンネルアップダウンキーとして共用する構成となったりする場合がある。
メモリ(RAM、ROM、フラッシュメモリなど)3には、各種の動作プログラム、付属情報、各種設定情報などが格納される。
AACデコーダ26は、ADTSを復号して音声データを生成する。先述したごとく、サンプリング周波数に関する情報はAACデータに含まれているため、AACデータだけで音声を再生することが可能である。また、AACデータのヘッダには、音声を出力するタイミングを規定するプレゼンテーションタイムスタンプ(PTS)が存在しており、前記PTSにより、音声データの提示タイミングを判断することができる。音声データはD/A変換部28によってアナログの音声信号に変換され、この音声信号はスピーカ29或いはヘッドホンなどに供給される。
記録/再生制御部24は、受信したサービスの記録再生を記録媒体(半導体メモリ、小型ハードディスク等)25に対して行う。記録/再生制御部24の動作の詳細は後述する。放送受信装置10は電源回路5を介してバッテリ4により駆動される。
[記録時]
記録/再生制御部24は、受信放送の記録時、順次に、取得したPTSと次に取得したPTSとからデータ欠落期間を判断していく。例えば、或る時点で取得したPTS(n)によって示される時刻T(n)が”A”であり、次に取得したPTS(n+1)によって示される時刻T(n+1)が”A+213ms”であったとすると、両PTS間に存在すべき1単位ADTS(再生時間は21.3msとする)の個数(X)は、10個である。すなわち、X={T(n+1)−T(n)}/21.3msとなる。そして、両PTS間に実際に存在している(受信できている)1単位ADTSの個数(X1)が6個であったなら、欠落データ数(Y)は、4個となる。すなわち、Y=X−X1となる。
記録/再生制御部24は、図2に示すように、欠落データ数(Y)と同数の無音データ(再生時間は21.3msとする)を生成する。無音データは、それがデコードされてD/A変換されても音出力がゼロレベルとなるデータである。記録/再生制御部24は、前記PTSを省いたADTSと前記個数の無音データとを配列したデータ列を記録媒体25に記録する。
図3に記録/再生制御部24における記録時の処理内容を示す。まず、初期処理を行う(ステップS1)。初期処理の内容は、ネクストフラグのクリア処理、カウンタのクリア処理、PTSのクリア処理である。前記カウンタのカウント数は先述した両PTS間に実際に存在している1単位ADTSの個数(X1)となる。次に、記録するデータが音声データかどうか(ペイロードかどうか)を判断する(ステップS2)。音声データでなければ、ヘッダかどうかを判断する(ステップS3)。ヘッダであるならば、1単位ADTSが完成したかどうかを判断する(ステップS4)。1単位ADTSが完成したならば、ネクストフラグのクリア処理を行い、カウンタを1インクリメントし、音声データを記録媒体25に記録する(ステップS5)。
前記ステップS4で1単位ADTSが完成していないと判断したときには、前記音声データを保持し、ネクストフラグをONにする(ステップS6)。また、前記ステップS3でヘッダでないと判断したときには、ネクストフラグがONかどうかを判断し、ネクストフラグがONであるときには、ステップS4に進む。一方、ネクストフラグがONでないときには、1単位ADTSが完成することはないので、音声データを破棄する(ステップS8)。
前記ステップS2で音声データでないと判断されたときには、PTSかどうかを判断し(ステップS9)、PTSであると判断したときには、前PTSが存在するかどうかを判断する(ステップS10)。前PTSが存在しない場合にはステップS13に進んで現在のPTSを保存する。前PTSが存在する場合には、挿入すべき無音データの数を算出する(ステップS11)。そして、この数の無音データを記録媒体25に記録し、前記PTS(現在のPTS)を保存し、カウンタをクリアする(ステップS13)。以上の処理をAACデータが終了するまで繰り返す。
[再生]
記録/再生制御部24は、再生時、順次に記録媒体25から読み出したデータ列をAACデコーダ26に供給する。
AACデコーダ26は、前記デマルチプレクサ23から出力されるADTSを受け取るときには、前記PTSに基づいて音声データを提示する。その一方、前記記録/再生制御部24にて前記記録媒体25から再生されたデータ列(1単位ADTS及び無音データからなるデータ列)を受け取るときには、当該データ列を順次に再生して音声データを生成する。なお、ディジタル音声放送を聴いているときに、電波受信障害が生じたときには、無音状態が生じ、これを記録していた場合の再生においては、放送を聴いていたときと同様に、無音状態が生じることになる。
図4は、不連続ADTSを処理する場合の説明図である。不連続PES運用の場合においては、PTS値は不連続PESを出力する時間を示すため、不連続ADTSが正常に作成できなかった場合には、不連続ADTS分(図4に示す例であれば、ADTS5-1 とADTS5-2 分)の無音データを挿入する必要がある。無音データの個数は、欠落データ数に1を加算した値、すなわち、Y=X−X1+1となる。
上記の例では、受信障害等によって、前PTS値と現在PTS値との差が例えば、60秒を超えることも考えられ、このような場合、多くの無音データを挿入してしまうことになる。そこで、前PTS値と現在PTS値との差が所定値(例えば、60秒)を超える場合には、当該所定値よりも少ない再生秒数となるように無音データ数を削減し(例えば、0秒〜数秒程度とする)、この削減された無音データ(0個の場合も含む)を記録することとしてもよい。この場合の再生においては、いわゆる音飛びが生じたように聴こえることになる。
この発明の実施形態の放送受信装置を示したブロック図である。 この発明の実施形態の連続ADTSを処理する場合の説明図である。 この発明の実施形態の処理内容を示したフローチャートである。 この発明の実施形態の不連続ADTSを処理する場合の説明図である。
符号の説明
1 CPU
2 操作キー
3 メモリ
10 放送受信装置
24 記録/再生制御部
25 記録媒体
26 AACデコーダ

Claims (3)

  1. ディジタル音声放送を受信してトランスポートストリームを出力するチューナと、
    前記トランスポートストリームからオーディオデータトランスポートストリームを分離するデマルチプレクサと、
    前記オーディオデータトランスポートストリームにおけるプレゼンテーションタイムスタンプにて各フレームの出力時刻を判断するとともにフレーム間の差分時刻分の全データのうち一部しか取得できていないと判断したときには不足分の無音データを生成し、前記プレゼンテーションタイムスタンプを省いたオーディオデータトランスポートストリームと前記無音データとを配列したデータ列を記録媒体に記録する記録/再生制御手段と、
    前記デマルチプレクサから出力されるオーディオデータトランスポートストリームを受け取るときには、前記プレゼンテーションタイムスタンプに基づいて音声データを提示する一方、前記記録/再生制御手段にて前記記録媒体から再生されたデータ列を受け取るときには、当該データ列を順次に再生して音声データを生成する音声デコーダと、
    を備え、
    前記記録/再生制御手段は、前記オーディオデータトランスポートストリームにおけるプレゼンテーションタイムスタンプにて各フレームの出力時刻を判断するとともにフレーム間の差分時刻分の全データのうち一部しか取得できていないと判断したときには不足分の無音データを生成し、前記オーディオデータトランスポートストリームとして、前記プレゼンテーションタイムスタンプを省いたオーディオデータトランスポートストリームと前記無音データのみを配列したデータ列を記録媒体に記録する放送受信装置。
  2. 請求項1に記載の放送受信装置において、不連続オーディオデータトランスポートストリームにおける不連続分のデータを正常に作成できたかどうかを判断する手段を備え、前記不連続分のデータを正常に作成できなかったと判断したときには、前記不足分の無音データに前記不連続データ分の無音データを加えることを特徴とする放送受信装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の放送受信装置において、前記無音データが所定量を超える場合には、無音データを記録しないか又は、記録する無音データの量を削減することを特徴とする放送受信装置。
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