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JP4762004B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属チタンを含む導電性の基体からなる陽極を備えた固体電解コンデンサの製造方法に関する。
従来、固体電解コンデンサでは、陽極酸化法等によって金属を含む基体からなる陽極の表面を酸化することによって、陽極の表面に誘電体である金属酸化膜を形成していた。これらの金属酸化物としては、様々なものが考えられるが、タンタルやアルミニウムの酸化物が安定性の面で優れているため、固体電解コンデンサには、タンタルやアルミニウムの酸化物を陽極の表面に形成し、使用してきた。
これらの固体電解コンデンサの静電容量は、誘電体の比誘電率が大きいほど大きくなる。従って、現在、比誘電率の小さいタンタル酸化物やアルミニウム酸化物よりも比誘電率の大きいチタン酸化物を陽極の誘電体として適用することが望まれている。
しかしながら、チタン酸化物を陽極の表面に形成した固体電解コンデンサの場合、漏れ電流が大きいといった問題が生じている。
例えば、特許文献1には、アルミニウムの基体の表面にチタン窒化物を形成し、このチタン窒化物を酸化させてチタン酸化物を形成した固体電解コンデンサが開示されている。特許文献1の固体電解コンデンサでは、陽極の表面を大きくすることができるため、漏れ電流をある程度減少させることができた。
また、特許文献2には、チタンにより構成された基体からなる陽極の表面を10℃未満の電解溶液中で陽極酸化させることにより、緻密なチタン酸化物が陽極の表面に形成された固体電解コンデンサが開示されている。特許文献2の固体電解コンデンサでは、緻密なチタン酸化物を形成することによって、漏れ電流をある程度減少させている。
特開平5−9790号公報 特開2004−18966号公報
しかしながら、上述の特許文献1及び2の固体電解コンデンサでは、漏れ電流をある程度は抑制することができるが、充分に漏れ電流を抑制できるとは言い難く、チタンを含む陽極を備えた固体電解コンデンサは、まだ、実用化には至っていない。
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、静電容量を向上させると共に、漏れ電流を減少させることが可能な固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的としている。
本発明の発明者は、鋭意検討を重ねた結果、陽極の表面に形成するチタン酸化物の結晶性に着目した。具体的には、陽極をタンタルで構成した場合、陽極の表面に形成されるタンタル酸化物をアモルファス化することによって、固体電解コンデンサの特性が向上するが、チタンを含む陽極の場合、陽極の表面に形成されるチタン酸化物の中に結晶性の高い酸化物を含ませることによって、固体電解コンデンサの特性を向上させることができることを見出した。そして、結晶性に大きく依存するレーザラマンスペクトルにおけるラマンピークの半価幅の値によって、固体電解コンデンサの特性を向上させることができる結晶性の程度を規定することができた。その結果、静電容量が大きく、漏れ電流の小さい、以下の発明に至った。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、金属チタンを含む導電性の基体を陽極として定電流を供給して、前記基体と陰極間の電圧が降下するまで、前記基体の表面を酸化させる第1陽極酸化工程と、前記基体を400℃以上の真空中で、熱処理する真空熱処理工程と、前記基体に電流を供給して、前記基体の表面を酸化させて、レーザラマンスペクトルにおける波数が130cm−1以上170cm−1以下の領域でのアナターゼ型のチタン酸化物のラマンピークの半価幅が、25cm−1以下のチタン酸化物を形成する第2陽極酸化工程とを備えた固体電解コンデンサの製造方法である。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法によれば、レーザラマンスペクトルにおける130cm−1以上、170cm−1以下の領域でのアナターゼ型チタン酸化物のラマンピークの半価幅が約25cm−1以下である、チタン酸化物が表面に形成された陽極を備えているので、静電容量を大きくすることができる。また、緻密なチタン酸化物は、電流の流路となる結晶の欠陥を減少させることができるので、漏れ電流を小さくすることができる。これは、上記ラマンピークの半価幅が約25cm−1以下である結晶性の高いチタン酸化物には、結晶性の低いチタン酸化物に含まれ漏れ電流の原因となる酸素欠陥が少ないためと考えることができると共に、結晶成長が極端に進むことによって結晶性が低くなったチタン酸化物に多く形成されるクラック等の漏れ電流の原因となる欠陥が少ないためと考えることができる。
本発明に係る製造方法によって製造された固体電解コンデンサは、弁作用金属であるチタンを含む導電性の基体からなる陽極を備えている。陽極の表面には、静電容量を大きくすることができると共に、漏れ電流を小さくすることができるチタン酸化物が含まれている。具体的には、このチタン酸化物は、レーザラマンスペクトルにおける波数が約130cm−1以上、約170cm−1以下の領域でのアナターゼ型のチタン酸化物のラマンピークの半価幅が約25cm−1以下である。更に、レーザラマンスペクトルにおける波数が約130cm−1以上、約170cm−1以下の領域でのアナターゼ型チタン酸化物のラマンピークの半価幅が、約21.0cm−1以上、約24.0cm−1以下となるチタン酸化物を陽極に形成することが好ましい。
次に、本発明による固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
(陽極の作製)
まず、第1陽極酸化工程において、所望の形状にチタン箔等を切断し、このチタン箔片(基体)をアセトン中で5分間、超音波洗浄する。その後、チタン箔片を純水で洗浄し、
約60℃の恒温槽中で約30分間乾燥処理を行った。次に、約30℃に保持した約0.1wt%のリン酸水溶液中で、チタン箔片を陽極とし、この陽極と陰極との間に、約3mA/cm2の電流密度の定電流を供給して、約5分間〜約90分間、陽極酸化を行うことによって、チタン箔片の表面にアナターゼ型のチタン酸化物の結晶の核を形成する。
ここで、陽極酸化中の陽極(チタン箔片)と陰極との間の電圧は、図11に示すように、最初の数十秒間は、チタン酸化膜が形成されて、抵抗が増加するので、略直線状に上昇する。その後、約7V付近に達した後、形成されたチタン酸化膜が徐々に結晶化されて、チタン酸化膜の抵抗が減少するので、電圧は約6V付近まで下降する。その後、電圧印加開始から約30分間は約6V付近で安定するが、チタン酸化膜が成長することによって、再び、抵抗が増加するので、電圧印加開始から約30分後に再び緩やかに上昇し、電圧印加開始から約60分後には約10Vに、電圧印加開始から約90分後には約15Vまで上昇する。
次に、乾燥処理工程において、所望の時間で陽極酸化を終了し、チタン箔片を純粋で洗浄した。その後、約60℃の恒温槽中で約30分間乾燥処理を行う。
次に、真空熱処理工程において、チタン箔片を約6×10−4Paの真空中で、約400℃〜約900℃で、約60分間真空熱処理を行う。これによって、第1陽極酸化工程において、形成されたチタン酸化物の結晶の核から、更に、チタン酸化物が成長する。
次に、第2陽極酸化工程において、チタン箔片を充分に冷却した後、取り出して、約30℃に保持した約0.1wt%リン酸水溶液中で、約15Vの一定電圧で約30分間、再度、陽極酸化を行う。これによって、真空熱処理の工程でチタン酸化物に生じた欠陥を修復した。
(固体電解コンデンサの作製)
次に、上述の陽極の作製工程によって作製された陽極を用いて、既知の製造工程によって固体電解コンデンサを作製する。
本実施形態に係る固体電解コンデンサは、レーザラマンスペクトルにおける波数が約130cm−1以上、約170cm−1以下の領域でのアナターゼ型チタン酸化物のラマンピークの半価幅が約25cm−1以下である、チタン酸化物を含む陽極を備えているので、静電容量を大きくすることができる。また、緻密なチタン酸化物は、電流の流路となる結晶の欠陥を減少させることができるので、漏れ電流を小さくすることができる。更に、レーザラマンスペクトルにおける波数が約130cm−1以上、約170cm−1以下の領域でのアナターゼ型チタン酸化物のラマンピークの半価幅が、約21.0cm−1以上、約24.0cm−1以下となるチタン酸化物を形成することによって、より漏れ電流を抑制することができる。
次に、上述の効果を証明するため行った実験について説明する。
(実験1) 第1陽極酸化工程の電圧印加時間と固体電解コンデンサの陽極の特性との関係
まず、実験1のために作製した実施例1〜4の陽極及び実施例と比較するために作製した比較例1の陽極の製造方法について説明する。各実施例1〜4及び比較例1の製造工程は、上述した陽極の作製における第1陽極酸化工程の電圧印加時間のみが異なるので、以下では、各実施例及び比較例の第1陽極酸化工程のみを述べる。尚、実施例1〜4及び比較例1は、上述の真空熱処理工程を約600℃で行った。
(実施例1)
最初に、厚さ約0.1mmのチタン箔を8cm×5cmの長方形状に切断し、このチタン箔片をアセトン中で5分間、超音波洗浄する。次に、約30℃に保持した約0.1wt%のリン酸水溶液中で、3mA/cm2の電流密度で、約5分間、陽極酸化を行うことによって、チタン箔片の表面にチタン酸化物の結晶の核を形成する。尚、陽極酸化の開始から約5分後は、陽極の電圧が約7Vに達した後、緩やかに電圧が降下している状態である。従って、実施例1では、第1陽極酸化工程で、ある程度、チタン酸化膜の核が結晶化されている。
(実施例2)
上記実施例1の第1陽極酸化工程において、約30分間、陽極酸化を行った以外は、実施例1と同様に陽極を作製した。尚、陽極酸化の開始から約30分後は、陽極の電圧がほとんど降下しなくなり、約6Vで安定している状態である。従って、実施例2では、第1陽極酸化工程で、チタン酸化膜の核がほとんど結晶化されている。
(実施例3)
上記実施例1の第1陽極酸化工程において、約60分間、陽極酸化を行った以外は、実施例1と同様に陽極を作製した。尚、陽極酸化の開始から約60分後は、陽極の電圧が再び上昇して約10Vに達した状態である。従って、実施例3では、第1陽極酸化工程で、チタン酸化膜の核がほとんど結晶化され、そのチタン酸化膜の核からチタン酸化膜が成長している状態である。
(実施例4)
上記実施例1の第1陽極酸化工程において、約90分間、陽極酸化を行った以外は、実施例1と同様に陽極を作製した。尚、陽極酸化の開始から約90分後は、陽極の電圧が更に上昇して約15Vに達した状態である。従って、実施例4では、第1陽極酸化工程で、チタン酸化膜の核がほとんど結晶化され、そのチタン酸化膜の核から、実施例3以上にチタン酸化膜が成長している状態である。
(比較例1)
上記実施例1の第1陽極酸化工程において、約30秒間、陽極酸化を行った以外は、実施例1と同様に陽極を作製した。尚、陽極酸化の開始から約30秒後は、陽極の電圧が約7Vに達した状態である。従って、比較例1では、第1陽極酸化工程で、チタン酸化膜の核がほとんど結晶化されていない状態である。
次に、上述の各実施例1〜4及び比較例1の特性を調べた測定方法について説明する。
(レーザラマンスペクトルの測定とラマンピークの半価幅の算出)
レーザラマンスペクトルは、マクロラマンの測定装置を60°散乱に設定したマクロラマンモードで測定した。具体的には、光源として、約5145ÅのAr+レーザー(NEC製 GLG3460)を用い、レーザーのパワーを約200mW、レーザーのスポット径を約100μmに設定すると共に、分光器のスリットを約100μmとして、レーザーの照射領域からの平均的な情報からレーザラマンスペクトルを得た。得られた実施例1〜4及び比較例1のレーザラマンスペクトルを図1〜図5に示す。尚、図6は、半価幅を説明するための概略図である。
このようにして得られたレーザラマンスペクトルの波数が約130cm−1〜約170cm−1の間にあるアナターゼ型チタン酸化物のラマンピークを挟む両方の領域のレーザラマンスペクトルと接するように、直線のベースラインBL(図1参照)を引き、このベースラインBLをバックグラウンドとした。そして、図6に示すようなベースラインBL
を引いたラマンピークを、ローレンツ関数を用いた最小2乗法によりフィッティングして、ラマンピークの高さHの半分の値の位置の半価幅HWを求めた。尚、ベースラインBLの設定により半価幅に多少ずれが生じるが小数点以下2桁の程度であり、誤差の範囲である。
(静電容量の測定)
約150gのアジピン酸アンモニウムを約1Lの純水に溶解させて作製したアジピン酸アンモニウム水溶液中に、各実施例及び比較例の陽極と対向極とを浸けた状態で、静電容量を測定した。具体的には、エッチングにより表面積を大きくしたAl電極を対向極とし、約120Hz、約100mVの条件でLCRメータを用いて静電容量を測定した。
(漏れ電流の測定)
約30℃に保持した、約0.1wt%のリン酸水溶液をSUS304製の容器に入れ、そのリン酸水溶液中に各実施例及び比較例の陽極を浸漬した。そして、SUS304製の容器をグランドとして、各実施例及び比較例の陽極に約2.5Vの直流電圧を印加して、流れる電流を測定した。尚、漏れ電流の値は、電圧印加から約5分後の値を採用した。
上述の、ラマンスペクトルの半価幅、静電容量及び漏れ電流の結果を表1、図7、図8に示す。尚、静電容量及び漏れ電流は、実施例1の値を「1」として、それ以外の実施例2〜4及び比較例1を規格化した。図7は、表1の静電容量とラマンピークの半価幅の関係をグラフにしたものであり、図8は、表1の漏れ電流とラマンピークの半価幅との関係をグラフにしたものである。
Figure 0004762004
表1及び図7に示すように、第1陽極酸化工程で、電流を所定の時間以上供給することによって、半価幅が約24.8cm−1以下になった実施例1〜4では、静電容量が「1.00」以上になった。一方、第1陽極酸化工程で、結晶の核が結晶化されなかったために、半価幅が約26.5cm−1の比較例1の静電容量は「0.67」と非常に小さい値になった。これによって、本発明による実施例1〜4は、静電容量を向上させることができることがわかる。
また、表1及び図8に示すように、半価幅が約24.8cm−1以下になった実施例1〜4では、漏れ電流が「1.00」以下となったのに対し、半価幅が約26.5cm−1の比較例1の漏れ電流は「1.70」と非常に大きくなった。これは、実施例1〜4では、電流の流路となる結晶の欠陥が少ないためと考えられる。これによって、本発明による実施例1〜4は、漏れ電流を減少させることができることがわかる。特に、半価幅が約23.7cm−1となる実施例3においては、漏れ電流が「0.69」となり、より漏れ電流を抑制することができることがわかる。
(実験2) 真空熱処理工程における熱処理温度と固体電解コンデンサの陽極の特性との関係
まず、実験2のために作製した実施例5〜9の陽極及び実施例と比較するために作製した比較例2〜4の陽極の製造方法について説明する。各実施例5〜9及び比較例2〜4の製造工程は、上述した実施形態における陽極の作製の真空熱処理工程の処理温度のみが異なるので、以下では、各実施例及び比較例の真空熱処理工程のみを述べる。尚、実施例5〜9及び比較例2〜4は、上述の実施形態における第1陽極酸化工程において約60分間、定電流を供給して陽極酸化を行った。
(実施例5)
上記真空熱処理工程において、乾燥後のチタン箔片を約6×10−4Paの真空中で、約400℃で、約60分間真空熱処理を行った。
(実施例6)
上記真空熱処理工程において、乾燥後のチタン箔片を約6×10−4Paの真空中で、約500℃で、約60分間真空熱処理を行った。
(実施例7)
上記真空熱処理工程において、乾燥後のチタン箔片を約6×10−4Paの真空中で、約600℃で、約60分間真空熱処理を行った。
(実施例8)
上記真空熱処理工程において、乾燥後のチタン箔片を約6×10−4Paの真空中で、約700℃で、約60分間真空熱処理を行った。
(実施例9)
上記真空熱処理工程において、乾燥後のチタン箔片を約6×10−4Paの真空中で、約900℃で、約60分間真空熱処理を行った。
(比較例2)
上記真空熱処理工程において、乾燥後のチタン箔片を約6×10−4Paの真空中で、約200℃で、約60分間真空熱処理を行った。
(比較例3)
上記真空熱処理工程において、乾燥後のチタン箔片を約6×10−4Paの真空中で、約300℃で、約60分間真空熱処理を行った。
(比較例4)
上記真空熱処理工程を省略して陽極を作製した。
上述の実施例5〜9及び比較例2〜4について、実験1と同様に、レーザラマンスペクトルを測定した。そして、実験1と同様に、測定したレーザラマンスペクトルから半価幅を算出すると共に、静電容量の測定、漏れ電流の測定を行った。尚、静電容量及び漏れ電流は、実施例1の値でそれぞれ規格化した。その結果を表2、図9、図10に示す。図9は、表2の静電容量とラマンピークの半価幅の関係をグラフにしたものであり、図10は、表2の漏れ電流とラマンピークの半価幅との関係をグラフにしたものである。
Figure 0004762004
表2及び図9に示すように、約400℃以上で真空熱処理を行い、チタン酸化物の結晶化を促進させることによって、半価幅が約25.0cm−1以下になった実施例5〜9では、静電容量が「1.09」以上になったのに対し、約300℃以下で真空熱処理を行い、チタン酸化物の結晶化が進まなかったために、半価幅が約26.0cm−1以上になった比較例2〜4の静電容量は「0.81」以下と非常に小さい値になったことがわかる。これによって、本発明による実施例5〜9は、静電容量を向上させることができることがわかる。
また、表2及び図10に示すように、半価幅が約25.0cm−1以下になった実施例5〜8では、漏れ電流が「0.98」以下となったのに対し、半価幅が約26.0cm−1以上になった比較例2〜4の漏れ電流は「1.49」以上と非常に大きくなった。これは、実施例5〜8は、結晶の欠陥が少なく、電流の流路が少ないためと考えられる。これによって、本発明による実施例5〜8では、漏れ電流を減少させることができることがわかる。特に、半価幅が約23.7cm−1〜約21.8cm−1となる実施例7、8においては、漏れ電流が「0.71」以下となり、より漏れ電流を抑制することができることがわかる。
以上、上記実施形態を用いて本発明を詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更形態として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
実施例1のレーザラマンスペクトルを示す図である。 実施例2のレーザラマンスペクトルを示す図である。 実施例3のレーザラマンスペクトルを示す図である。 実施例4のレーザラマンスペクトルを示す図である。 比較例1のレーザラマンスペクトルを示す図である。 半価幅を説明するための概略図である。 実施例1〜4及び比較例1のラマンピークの半価幅と静電容量の関係を示す図である。 実施例1〜4及び比較例1のラマンピークの半価幅と漏れ電流の関係を示す図である。 実施例5〜9及び比較例2〜4のラマンピークの半価幅と静電容量の関係を示す図である。 実施例5〜9及び比較例2〜4のラマンピークの半価幅と漏れ電流の関係を示す図である。 第1陽極酸化工程における電圧の変化を示す概略図である。

Claims (1)

  1. 金属チタンを含む導電性の基体を陽極として定電流を供給して、前記基体と陰極間の電圧が降下するまで、前記基体の表面を酸化させ、前記基体の表面にアナターゼ型のチタン酸化物の結晶の核を形成する第1陽極酸化工程と、
    前記基体を400℃以上の真空中で、熱処理する真空熱処理工程と、
    前記基体に電圧を印加して、前記基体の表面を酸化させて、レーザラマンスペクトルにおける波数が130cm−1以上170cm−1以下の領域でのアナターゼ型のチタン酸化物のラマンピークの半価幅が、25cm−1以下のチタン酸化物を形成する第2陽極酸化工程とを備えた固体電解コンデンサの製造方法。
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