JP4761142B2 - 磁気データ処理方法、装置及びプログラム - Google Patents
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Description
この方法によると、入力された2個の磁気データ間の距離が第一しきい値を越えない限り、オフセットを導出するために用いられる磁気データ群の蓄積が開始されない。磁界が激変する状況は希であるため、通常頻繁に起こりうる程度の磁界変化によって磁気データ群の蓄積が開始されない程度に大きな値に第一しきい値を設定することにより、通常頻繁に起こりうる程度の磁界変化の前後にそれぞれ磁気センサから出力された磁気データが含まれる磁気データ群に基づいて低い精度でオフセットが導出されることを防止できる。また、そのように第一しきい値が設定されている場合に、磁気データ群の蓄積が開始されるとすれば、そのきっかけは通常頻繁に起こりうる程度の磁界変化ではなく、移動体の姿勢変化である。移動体の姿勢が変化し始めてから短時間のうちにオフセットを導出するために必要な個数の磁気データ群を蓄積すれば、一定の磁界内で磁気センサから出力される磁気データ群を蓄積することができる。この方法によると、オフセットを導出するためにいったん磁気データ群の蓄積が開始されると、蓄積対象とする磁気データと既に蓄積されている磁気データとの距離のしきい値が第一しきい値より小さい第二しきい値に縮められるため、短時間のうちに一定の磁界内で磁気センサから出力される磁気データ群を蓄積することができる。さらに、蓄積対象とする磁気データと既に蓄積されている磁気データとの距離のしきい値が第一しきい値より小さい第二しきい値に縮められるため、オフセットを導出するためにいったん磁気データ群の蓄積が開始されると、移動体の姿勢変化が特定の作法(例えば一定時間内に等角速度で一回転)に則ってないとしても短時間のうちに必要な磁気データ群が蓄積される。
この方法によると、蓄積される磁気データ群の分布が偏る可能性はあるものの、短時間のうちに必要な磁気データ群が蓄積される。
この方法によると、オフセットを導出するために蓄積するデータ群の分布が偏ることを防止できる。
この方法によると、オフセットを導出するための磁気データ群の蓄積が、姿勢変化を伴わない移動体の移動に伴って徐々に磁界が変化したために開始されることを防止できる。特に3次元磁気センサのオフセットを導出する場合には、移動体が特定の姿勢変化(例えば軸固定の等速回転運動)をするようにユーザを促すことなく、オフセットを導出するための磁気データ群を蓄積することができるため、この方法による効果が大きくなる。
この方法によると、オフセットを導出するための磁気データ群の蓄積が、姿勢変化を伴わない移動体の移動に伴って徐々に磁界が変化したために開始されることを防止できる。特に3次元磁気センサのオフセットを導出する場合には、この方法による効果が大きくなる。
この方法によると、姿勢変化を伴わない移動体の移動に伴って徐々に磁界が変化したためにオフセットを導出するための母集団要素として磁気データが蓄積されることを防止できる。
この方法によると、姿勢変化を伴わない移動体の移動に伴って徐々に磁界が変化したためにオフセットを導出するための母集団要素として磁気データが蓄積されることを防止できる。
尚、請求項に記載された方法の各動作の順序は、技術上の阻害要因がない限り、記載順に限定されるものではなく、どのような順番で実行されてもよく、また同時に実行されてもよい。また、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。また、本発明は方法の発明として特定できるだけでなく、装置の発明としても、プログラムの発明としても、そのプログラムを記録した記録媒体の発明としても特定することができる。
A.第一の実施形態
[1.全体説明]
1−1.ハードウェア構成
1−2.ソフトウェア構成
[2.バッファ更新]
2−1.全体の流れ
2−2.格納開始処理
2−3.追加格納処理
[3.オフセットの導出]
B.第二の実施形態
C.第三の実施形態
D.他の実施形態
[1.全体説明]
1−1.ハードウェア構成
図2は、本発明が適用される移動体の一例である携帯型電話機3の外観を示す模式図である。携帯型電話機3には3次元磁気センサ4が搭載されている。3次元磁気センサは互いに直交するx、y、zの3方向について磁界の強さを検出することによって磁界の方向及び強さを検出する。携帯型電話機3のディスプレイ2には、文字や画像の各種情報が表示される。例えば、ディスプレイ2には、地図と、方位を示す矢印や文字が表示される。
図4は、磁気データ処理プログラム90の構成を示すブロック図である。磁気データ処理プログラム90は、ナビゲーションプログラム98に方位データを提供するためのプログラムであって、ROM42に格納されている。方位データは地磁気の方向を示す2次元ベクトルデータである。尚、方位データは例えば移動体の姿勢認識のための3次元ベクトルデータとして他のアプリケーションプログラムに提供されてもよい。磁気データ処理プログラム90は、バッファ管理モジュール92、オフセット導出モジュール94、方位導出モジュール96等のモジュール群で構成されている。
2−1.全体の流れ
図5及び図6は、バッファ更新処理の流れを示すフローチャートである。図5及び図6に示す処理は、オフセットの更新要求が発生したときにCPU40がオフセット導出モジュール94を実行することによって進行する。オフセットの更新要求は、一定時間間隔で発生するものであってもよいし、ユーザ入力などの特定のイベントの発生に応じて発生するものであってもよい。バッファ更新処理は、図5に示す前段の格納開始処理と図6に示す後段の追加格納処理とで構成される。
格納開始処理では、通常頻繁に起こりうる程度の磁界変化によっては磁気データのバッファへの蓄積を開始せず、移動体が大きく姿勢変化したときに磁気データのバッファへの格納を開始するために、第一しきい値として定数Aが用いられる。また格納開始処理では、磁気データのバッファへの格納が、姿勢変化を伴わない携帯型電話機3の移動に伴って徐々に磁界が変化したために開始されることを防止するため、カウンタ変数mと定数sとが用いられる。
ステップS102では、3次元磁気センサ4から磁気データqが磁気データ処理装置1に入力され、1個目の蓄積候補磁気データを保持するためのデータ構造体q1(q1x、q1y、q1z)にセットされる。
ステップS104では、カウンタ変数mがインクリメントされる。
ステップS106では、3次元磁気センサ4から磁気データqが磁気データ処理装置1に入力され、2個目の蓄積候補磁気データを保持するためのデータ構造体q2(q2x、q2y、q2z)にセットされる。
ステップS108では、1個目の蓄積候補磁気データと2個目の蓄積候補磁気データとの距離がしきい値Aを越えているかが判定される。すなわち、次式(1)が満たされているか否かが判定される。
|q1−q2|>A・・・(1)
ステップS108で否定判定されると、ステップS110においてカウンタ変数mが定数sまでカウントアップしているかが判定される。
カウンタ変数mが定数sまでカウントアップすると、ステップS100の処理に戻る。その結果、ステップS102において、1個目の蓄積候補磁気データを保持するためのデータ構造体q1と2個目の蓄積候補磁気データを保持するためのデータ構造体q2に保持されている磁気データとが破棄され、データ構造体q1に保持されている磁気データが新しい磁気データqに更新される。
図6に示す追加格納処理では、所定数の母集団データ群をバッファに蓄積するために、第一しきい値としての定数Aよりも小さい第二しきい値として定数Bを用いる。すなわち、図1に示すように、格納開始処理においては先に入力された磁気データとの距離が近いが故にバッファに格納されない磁気データであっても、追加格納処理においてはバッファに格納されるように、定数Bは定数Aより小さく設定される。また追加格納処理でも、姿勢変化を伴わない携帯型電話機3の移動に伴って徐々に磁界が変化したためにバッファに磁気データが蓄積されないように、カウンタ変数cと定数tとが用いられる。また追加格納処理では、母集団データ群の蓄積を所定数の磁気データが蓄積された時点で終了するためのカウンタ変数nが用いられる。
ステップS116では、カウンタ変数cが0にリセットされる。
ステップS118では、カウンタ変数cがインクリメントされる。
ステップS120では、3次元磁気センサ4から出力された磁気データqが磁気データ処理装置1に入力される。
ステップS122では、バッファに最後に格納された磁気データ、すなわちそれを保持しているPnと最後に入力された磁気データqとの距離がしきい値Bを越えているかが判定される。すなわち、次式(2)が満たされているか否かが判定される。
|q−Pn|>B・・・(2)
ステップS122で否定判定されると、ステップS124においてカウンタ変数cが定数tまでカウントアップしているかが判定される。
母集団データ群に基づいて新オフセットを導出するアルゴリズムは、種々提案されており、最小二乗法等の統計的手法を用いるアルゴリズムであってもよいし、本件出願人によって既に出願されている特願2005−337412及び特願2006−44289に開示されているように統計的手法を用いないアルゴリズムであってもよい。いずれのアルゴリズムを採用する場合であっても、オフセットの導出処理は、バッファに蓄積された磁気データ群に基づいて磁気データ処理装置1によって実行される。
第一の実施形態では、姿勢変化を伴わない携帯型電話機3の移動に伴って徐々に磁界が変化したためにバッファに磁気データが格納されないように、過去に入力された磁気データとの距離がしきい値を越えない磁気データが所定個数連続入力されると、過去に入力された磁気データを母集団要素データとして用いずに破棄した。第二の実施形態は、同様の目的を達成するため、過去に入力された磁気データとの距離がしきい値を越えない磁気データが所定期間連続入力されると、過去に入力された磁気データを母集団要素データとして用いずに破棄する。すなわち、第二の実施形態では、格納開始処理のステップS110及び追加格納処理のステップS124において所定のタイマがタイムアップしているときに処理がステップS100に戻る。
第一の実施形態では、追加格納処理において、バッファに最後に格納された磁気データと最後に入力された磁気データとの距離がしきい値Bを越えない限り、最後に入力された磁気データはバッファに格納されないアルゴリズムを説明した。この場合、最後に入力された磁気データとの距離が近い磁気データが既にバッファに蓄積されているにもかかわらず、最後に入力された磁気データがバッファに追加格納されることがあるため、母集団データ群の分布が偏る可能性がある。そこで、第三の実施形態では、バッファに格納されている全ての磁気データと最後に入力された磁気データとの距離がしきい値Bを越えない限り、最後に入力された磁気データがバッファに格納されないアルゴリズムが採用される。具体的には、ステップS122の処理において、最後に入力された磁気データqとの比較対象をPk(k=1、2,・・・n)とし、全てのkについて次式(3)が満たされない場合に処理はステップS124に移る。
|q−Pk|>B・・・(3)
第三の実施形態によると、互いの距離が近い磁気データを含む母集団データ群に基づいてオフセットが導出されることがないため、高い精度でオフセットを導出することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。例えば、本発明がPDAに搭載される磁気センサや車両に搭載される磁気センサにも適用できることは当然である。また、本発明が2次元磁気センサに適用できることも当然である。
Claims (10)
- 移動体に搭載された磁気センサから磁気データを順次入力し、
入力された2個の前記磁気データ間の距離が第一しきい値を越えることを必要条件として、前記磁気データの蓄積手段への格納を、入力された2個の前記磁気データから開始し、
前記蓄積手段に格納されている前記磁気データとの距離が前記第一しきい値より小さい第二しきい値を越える前記磁気データが入力されたことを必要条件として、入力された前記磁気データを前記蓄積手段に追加格納し、
前記蓄積手段に格納されている前記磁気データに基づいて前記磁気データのオフセットを導出する、
ことを含む磁気データ処理方法。 - 入力された前記磁気データを前記蓄積手段に追加格納するとき、前記蓄積手段に最後に格納された前記磁気データとの距離が前記第二しきい値を越える前記磁気データが入力されたことを必要条件として、入力された前記磁気データを前記蓄積手段に追加格納する、
請求項1に記載の磁気データ処理方法。 - 入力された前記磁気データを前記蓄積手段に追加格納するとき、前記蓄積手段に格納されている全ての前記磁気データとの距離が前記第二しきい値を越える前記磁気データが入力されたことを必要条件として、入力された前記磁気データを前記蓄積手段に追加格納する、
請求項1に記載の磁気データ処理方法。 - 入力された前記磁気データを前記蓄積手段に格納する前に1個保持し、
保持されている前記磁気データとの距離が前記第一しきい値以下の前記磁気データが、保持されている前記磁気データに続いて所定個数連続入力されたことを必要条件として、保持されている前記磁気データを破棄し、
保持されている前記磁気データとの距離が前記第一しきい値を越える前記磁気データが入力されたことを必要条件として、保持されている前記磁気データと保持されている前記磁気データより後に入力された前記磁気データとから、入力された前記磁気データの前記蓄積手段への格納を開始する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気データ処理方法。 - 入力された前記磁気データを前記蓄積手段に格納する前に1個保持し、
保持されている前記磁気データとの距離が前記第一しきい値以下の前記磁気データが保持されている前記磁気データに続いて所定期間連続入力されたことを必要条件として、保持されている前記磁気データを破棄し、
保持されている前記磁気データとの距離が前記第一しきい値を越える前記磁気データが入力されたことを必要条件として、保持されている前記磁気データと保持されている前記磁気データより後に入力された前記磁気データとから、入力された前記磁気データの前記蓄積手段への格納を開始する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気データ処理方法。 - 前記蓄積手段に格納されている前記磁気データとの距離が前記第二しきい値以下の前記磁気データが所定個数連続入力されたことを必要条件として、前記蓄積手段に格納されている全ての前記磁気データを破棄した後に前記蓄積手段への前記磁気データの格納を再開する、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁気データ処理方法。 - 前記蓄積手段に格納されている前記磁気データとの距離が前記第二しきい値以下の前記磁気データが所定期間連続入力されたことを必要条件として、前記蓄積手段に格納されている全ての前記磁気データを破棄した後に前記蓄積手段への前記磁気データの格納を再開する、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁気データ処理方法。 - 所定個数の前記磁気データが前記蓄積手段に格納されたことを必要条件として、前記蓄積手段に格納されている前記磁気データに基づいて前記磁気データのオフセットを導出する、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の磁気データ処理方法。 - 移動体に搭載された磁気センサから出力される磁気データを順次入力する入力手段と、
入力された前記磁気データを蓄積するための蓄積手段と、
入力された2個の前記磁気データ間の距離が第一しきい値を越えることを必要条件として、前記磁気データの前記蓄積手段への格納を入力された2個の前記磁気データから開始する蓄積開始手段と、
前記蓄積手段に格納されている前記磁気データとの距離が前記第一しきい値より小さい第二しきい値を越える前記磁気データが入力されたことを必要条件として、入力された前記磁気データを前記蓄積手段に追加格納する蓄積継続手段と、
前記蓄積手段に格納されている前記磁気データに基づいて前記磁気データのオフセットを導出する導出手段と、
を備える磁気データ処理装置。 - 移動体に搭載された磁気センサから出力される磁気データを順次入力する入力手段と、
入力された前記磁気データを蓄積するための蓄積手段と、
入力された2個の前記磁気データ間の距離が第一しきい値を越えることを必要条件として、前記磁気データの前記蓄積手段への格納を入力された2個の前記磁気データから開始する蓄積開始手段と、
前記蓄積手段に格納されている前記磁気データとの距離が前記第一しきい値より小さい第二しきい値を越える前記磁気データが入力されたことを必要条件として、入力された前記磁気データを前記蓄積手段に追加格納する蓄積継続手段と、
前記蓄積手段に格納されている前記磁気データに基づいて前記磁気データのオフセットを導出する導出手段と、
してコンピュータを機能させる磁気データ処理プログラム。
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JP2006096522A JP4761142B2 (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 磁気データ処理方法、装置及びプログラム |
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