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JP4759417B2 - 回転式粉末圧縮成型装置 - Google Patents

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JP4759417B2
JP4759417B2 JP2006079443A JP2006079443A JP4759417B2 JP 4759417 B2 JP4759417 B2 JP 4759417B2 JP 2006079443 A JP2006079443 A JP 2006079443A JP 2006079443 A JP2006079443 A JP 2006079443A JP 4759417 B2 JP4759417 B2 JP 4759417B2
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Description

本発明は、粉末を圧縮成形して錠剤等の粉末圧縮成形品を製造する回転式粉末圧縮成形装置に関する。
従来、圧縮成形時に例えば下部の圧縮ロールに加わる成形圧力をロードセルで検出し、検出された圧力に基づくフィードバック制御で重量調節軌道の高さを調節することによって、成形される粉末圧縮成形品の重量を一定化する重量制御とともに、圧縮成形時に上部の圧縮ロールに加わる成形圧力が上限値を超えた場合に、上部の圧縮ロールを付勢するコイルばねを縮めて圧力緩衝をするようにした回転式粉末圧縮成型装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第2941226号公報(段落0085〜0099、0118〜0120、図1〜図4)
錠剤等を製造する回転式粉末圧縮成型装置で成形される圧縮成形品の成形圧力の最高値は、一般的に10000kgf(98.0kN)程度である。そして、例えば10000kgfの成形圧力に耐えるロードセルを用いて、2500kgf(24.5kN)以下の低い圧力領域で成形される圧縮成形品の成形圧力を検出しようとする場合には、ロードセルからの出力電圧が低く、かつ不安定となることが知られている。
このため、回転式粉末圧縮成型装置に組み込まれるロードセルには、目標とする成形領域の圧力に耐えて安定した出力を出せる分解能を有したものが選定され使用されている。例えば2500kgf(24.5kN)以下の低圧領域で圧縮成形をする回転式粉末圧縮成型装置では、その低圧領域に適した分解能を有したロードセルが使用され、2500kgf(24.5kN)〜10000kgf(98.0kN)までの高圧領域で圧縮成形をする回転式粉末圧縮装置では、その高圧領域に適した分解能を有したロードセルが使用されている。
又、ロードセルの耐圧強度は、目標とする成形圧力が高いロードセルほど高く、この逆に目標とする成形圧力が低いロードセルほど低いことも知られている。そのため、耐圧が低いロードセルが組込まれた回転式粉末圧縮成形装置で、高圧成形を行うとロードセルが破損してしまうことになり、この逆に耐圧が高いロードセルが組込まれた回転式粉末圧縮成形装置で、低圧成形を行うと、ロードセルからの出力電圧が不安定となる出力不良によって適正な重量制御が困難となることがある。
こうした事情により、特許文献1に記載の回転式粉末圧縮成形装置など従来の回転式粉末圧縮成形装置において、高圧用及び低圧用のロードセルとこれを付勢するばねを予め用意しておいて、これらを成形圧力に応じて交換することで対応することが考えられている。又、これに代えて、目標とする成形圧力領域に適合した低圧用又は高圧用の専用機を設置する場合がある。
しかし、前者の対策では、交換に要する手間が大変であるとともに、この交換に応じて制御装置を較正する手間も必要となるので、多大な労力を要し、即応性が極めて悪く現実的な対策とは言い難い。又、後者の対策では、低圧成形用と高圧成形用の2台の回転式粉末圧縮成形装置を要するので、設備的な負担が大きい。
本発明の目的は、ロードセルの破損や出力不良を招くことなく高圧から低圧にわたる成形圧力で圧縮成形ができ、作業上の手間も少なく、かつ、設備的な負担を軽減できる回転式粉末圧縮成形装置を提供することにある。
本発明は、回転盤に設けられた臼に上下動可能な杵の先端部を挿入し、これらの杵を上下の圧縮ロール間に通過させることで前記上下の杵の杵先間隔を狭めて、前記臼内に供給された粉末を圧縮成形する回転式粉末圧縮成形装置を前提とする。
そして、課題を解決するために本発明は、粉末の圧縮成形時に加わる成形圧力を前記上下の圧縮ロールの一方から検出する高圧用ロードセルと、このロードセルが支持された高圧用ばね受けと、このばね受けに一端部が連結され前記高圧用ロードセルに対して成形圧力が加わる方向に延びる伝達軸と、この伝達軸の他端に接して配設され前記高圧用ロードセルよりも低い成形圧力を検出する低圧用ロードセルと、この低圧用ロードセルと前記高圧用ばね受けとの間にこの高圧用ばね受けに接近離反する方向に沿って高圧付勢位置と高圧付勢解除位置とにわたって移動可能に配設された高圧用調整ねじと、この高圧用調整ねじと高圧用ばね受けとの間に配置され、前記高圧付勢位置に前記高圧用調整ねじが配置された状態で前記高圧用ロードセルを付勢し、前記高圧付勢解除位置に前記高圧用調整ねじが配置された状態で前記高圧用ロードセルの付勢を解除する高圧用ばねと、前記低圧用ロードセルが支持された低圧用ばね受けと、この低圧用ばね受けに接近離反する方向に沿って低圧付勢位置と低圧付勢解除位置とにわたって移動可能に配設された低圧用調整ねじと、この低圧用調整ねじと前記低圧用ばね受けとの間に配置され、前記低圧付勢位置に前記低圧用調整ねじが配置された状態で前記高圧用ばねの付勢力より小さい付勢力で前記低圧用ロードセルを付勢し、前記低圧付勢解除位置に前記低圧用調整ねじが配置された状態で前記低圧用ロードセルの付勢を解除する低圧用ばねと、を具備している。
本発明で、高圧の成形圧力領域で粉末の圧縮成形を行う場合には、高圧用調整ねじを高圧付勢位置に配置させて高圧用ばねを縮めて、このばねで高圧用ロードセルを付勢して使用する一方で、低圧用調整ねじを低圧付勢解除位置に配置させて低圧用ばねを自由状態とする。これにより、高圧成形の際の成形圧力を高圧用ロードセルに作用させて、この高圧用ロードセルで成形圧力を検出できる。高圧用ばねの付勢力を超える高圧側の過剰成形圧力が高圧用ばねの圧縮変形で緩衝される時には、伝達軸が低圧用ロードセルを押すにも拘わらず、低圧用ロードセルが自由に逃げることができるので、低圧用ロードセルに過剰な成形圧力が加わらないようにできる。
又、本発明で、低圧の成形圧力領域で粉末の圧縮成形を行う場合には、低圧用調整ねじを低圧付勢位置に配置させて低圧用ばねを縮めて、このばねで低圧用ロードセルを付勢して使用するとともに、高圧用調整ねじを高圧付勢解除位置に配置させて高圧用ばねを自由状態とする。これにより、高圧成形にも耐える強度を有した高圧用ロードセル、高圧用ばね受け、及び伝達軸を経て、低圧成形の際の成形圧力を低圧用ロードセルに作用させて、この低圧用ロードセルで成形圧力を検出できる。そして、低圧用ばねの付勢力を超える低圧側の過剰成形圧力が低圧用ロードセルに作用したときは、低圧用コイルばねが圧縮変形して緩衝できる。
このように成形圧力に応じて高圧用ロードセルと低圧用ロードセルとを使い分けるので、高圧用ロードセル及びこれに応じた高圧用コイルばねと、低圧用ロードセル及びこれに応じた低圧用コイルばねを交換部品として用意して、これらを、成形圧力の変更の都度、交換する場合に比較して、簡単にかつ素早く前記使い分けを実現できる。しかも、高圧用と低圧用の専用機を要することなく一台の圧縮成形装置で低圧から高圧までの圧縮成形を行えるとともに、それに伴い設備的負担を抑制できる。これとともに、高圧成形の場合の成形圧力において低圧用ロードセルが破損することがない。更に、低圧成形の場合は高圧用ロードセルではなく低圧用ロードセルで成形圧力を検出するので、低圧の成形圧力を高圧用ロードセルで検出する場合のように出力不良を生じることもない。
本発明は、高圧用ロードセルと低圧用ロードセルとを、成形圧力に応じて切換えて使用する一台の回転式粉末圧縮成形装置であるので、ロードセルの破損や出力不良を招くことなく高圧から低圧にわたる成形圧力での圧縮成形ができるとともに、作業上の手間も少なく、かつ、設備的な負担を軽減できる。
図1〜図3を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1に示すように回転式粉末圧縮成形装置例えば回転式打錠装置は、回転式粉末圧縮成形機としての回転式打錠機10と、図示しない制御盤等を備えている。
回転式打錠機10は平面視円形の回転盤11を備え、この回転盤11の臼取付け部の周部には、中央部に軸方向に貫通した臼孔を有した複数の臼12が周方向に一定間隔で並んで取付けられている。回転式打錠機10は粉末供給器13を備えている。粉末供給器13の下面開口は回転盤11の上面に接している。粉末供給器13にはその上方に配置された原料ホッパ14から圧縮成形すべき原料である粉末が供給される。回転盤11の回転に伴い、臼12が粉末供給器13の下面開口を通過する際に、この粉末供給器13内で流動化された粉末が臼12に供給されるようになっている。
回転式打錠機10は各臼12の夫々に対応する上杵15及び下杵16を備えている。上杵15及び下杵16は回転盤11の図示しない杵取付け部に設けた杵案内孔を上下方向に摺動自在に貫通している。下杵16の上端部(杵先部)は対応する臼12の臼孔内に摺動可能に挿入されて、臼孔の底をなしている。上杵15の下端部(杵先部)は対応する臼12の臼孔に上方から挿脱されるようになっている。回転式打錠機10は、各上杵15を上下動させる上杵案内軌道を有した上カム(図示しない)を備えているとともに、各下杵16を上下動させる各種の下杵案内軌道を備えている。なお、下杵16の下端が摺動する下杵案内軌道の内、粉末供給位置に配置された重量調節軌道17と、圧縮成形された錠剤等の圧縮成形品を臼12上に押し出す突上げ軌道18のみを図1に示す。上杵案内軌道及び下杵案内軌道によって上杵15及び下杵16は、圧縮成形を行うのに必要な軸線方向の動きを与えられる。
重量調節軌道17は軌道昇降機構19により支持されている。軌道昇降機構19は、昇降駆動モータ20、昇降軸21、歯車22、及び駆動歯車23を有している。昇降駆動モータ20は例えばサーボモータ等からなり、その出力軸に駆動歯車23が固定されている。図示しないガイドに沿って昇降される昇降軸21の上端部に重量調節軌道17が固定されている。この昇降軸21の下部に形成されたねじ部に歯車22が螺合されている。この歯車22は駆動歯車23に噛み合わされている。このため、昇降駆動モータ20が正転又は逆転されるに伴って、昇降軸21及び重量調節軌道17が昇降されるようになっている。
前記下杵案内軌道の中には、重量調節軌道17の直前に配置される低下軌道(図示しない)が含まれている。この低下軌道に沿って下杵16が下降される時に、粉末供給器13内の粉末が臼孔に吸込まれて充填され、この充填の直後に下杵16が重量調節軌道17の昇り斜面17aを摺動して上がることによって、余剰粉末が臼孔から粉末供給器13内に吐出され、この吐出し終了から重量調節軌道17の水平な秤量面17bを下杵16が摺動する間に、臼孔の上端が粉末供給器13の後壁13aで摺りきられることにより、臼12への供給粉末量が秤量される。したがって、軌道昇降機構19により重量調節軌道17の高さ位置を変えることで、臼12内への供給粉末量が変わり、それに応じて製造しようとする錠剤等の圧縮成形品の重量が変更される。
回転式打錠機10は上部の圧縮ロール24と下部の圧縮ロール25とを備えている。上部の圧縮ロール24は圧縮成形位置で回転盤11の上方に配置され、これに対応して下部の圧縮ロール25は圧縮成形位置で回転盤11の下方に配置されている。上部の圧縮ロール24と下部の圧縮ロール25は、それらの間を通過する上杵15及び下杵16を互いに杵先部が近づくように軸線方向に移動させる。それにより、上杵15と下杵16との杵先間隔が狭められて、臼12内の粉末が圧縮成形されるものである。
圧縮成形された成形品Pは、前記突上げ軌道18を下杵16が摺動するに伴い、臼12の上面に押し出される。回転式打錠機10はスクレーパ26を備えている。スクレーパ26は、圧縮成形された成形品Pが押し出される成形品取出し位置に配置されている。臼12の上面に押し出された成形品Pは、スクレーパ26によって回転盤11外に取出されるとともに、シュートで所定位置に導かれる。
図2及び図3に示すように回転式打錠機10が備える装置フレームの上部フレーム1には、ロール固定ブラケット2が固定されている。ロール固定ブラケット2には水平方向(図2、図3を描いた紙面に直交する方向)に延びるロール軸3(図1参照)が、その軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転調整可能に支持されている。ロール軸3は、その軸方向に並ぶように配置された非偏心軸部(図示しない)、偏心軸部(図示しない、)及び非円形のレバー取付軸部3aを有している。
偏心軸部の軸中心Aはロール軸3の軸中心Bに対して偏心しており、この偏心量を図2中符号Eで示す。偏心軸部の外周に上部の圧縮ロール24が図示しない軸受を介して回転自在に支持されている。非偏心軸部及びレバー取付軸部3aの軸中心は前記軸中心Bと同じである。非偏心軸部の外周には緩衝レバー4の一端部が回転可能に嵌合して取付けられている。レバー取付軸部3aにはL字状をなす調整レバー5が嵌合して取付けられ、この調整レバー5の両端部は夫々ロール固定ブラケット2にボルト6を用いて固定されている。これらのボルト6を緩めて、調整レバー5を介してロール軸3をその軸中心Bを中心として回転させることにより、ロール軸3の偏心軸部と上部の圧縮ロール24との相対位置を変化させて、上部の圧縮ロール24の高さ位置を変更する調整が可能となっている。なお、図2及び図3中符号2aはボルト6を逃げる円弧状の逃げ孔を示し、又、符号2bは偏心量目盛りを示している。
図2及び図3中符号7は緩衝レバー4の真下に位置して上部フレーム1に固定されたばね受板を示している。ばね受板7にはこれを上向きに貫通してストッパピン8が取付けられている。このストッパピン8と緩衝レバー4の自由端部との間にはコイルばね9が挟設されている。コイルばね9は、上部の圧縮ロール24に上杵15が接触していない時、緩衝レバー4がその自重等で非偏心軸部を中心に下向きに回転しないように緩衝レバー4を上向きに付勢している。緩衝レバー4の自由端部上面には、緩衝レバー4より硬質な加圧部材4aが固定されている。
上部の圧縮ロール24と下部の圧縮ロール25との内の一方例えば上部の圧縮ロール24側には、成形圧力を検出するとともに過剰な成形圧力を緩衝する圧力緩衝装置31が設けられている。図2及び図3に示すように圧力緩衝装置31は、高圧側圧力緩衝機構31aと低圧側圧力緩衝機構31bとを機構ホルダー32の軸方向に直列的に並ぶように組込んで形成されている。高圧側圧力緩衝機構31aは、機構ホルダー32の一部と、高圧用ロードセル41と、高圧用ばね受け42と、伝達軸43と、高圧用調整ねじ45と、高圧用ばね例えば高圧用コイルばね46とを備えている。低圧側圧力緩衝機構31bは、機構ホルダー32の他の一部と、低圧用ロードセル44と、低圧用ばね受け47と、低圧用調整ねじ48と、低圧用ばね例えば低圧用コイルばね49とを備えている。
機構ホルダー32は、第1ホルダー部材33〜第4ホルダー部材36及びストッパ部材37を互いに連結して形成されている。
第1ホルダー部材33は、両端が開口された円筒状をなしていて、上部フレーム1にこれを上下方向に貫通して固定されている。この第1ホルダー部材33の内周面上部にはねじ溝33aが形成されている。
第2ホルダー部材34は、両端が開口された短い円筒状をなしている。この第2ホルダー部材34は、機構ホルダー32の下端部をなして第1ホルダー部材33の下端に連結されている。この第2ホルダー部材34は緩衝レバー4の自由端部の真上に配置されている。第2ホルダー部材34の内径は第1ホルダー部材33の内径より小さい。それにより、第2ホルダー部材34の第1ホルダー部材33側端部は、第1ホルダー部材33の内周面に対して段差状に突出する抜け止めストッパ34aとして機能するようになっている。
第3ホルダー部材35は第1ホルダー部材33の上端に連結されて上部フレーム1の上方に突出されている。第3ホルダー部材35も両端が開口された円筒状をなし、その周壁に調整口35aと逃げ孔35bとが設けられている。第3ホルダー部材35の下部の内径は、第1ホルダー部材33のねじ溝33aが設けられた部分と同径かそれより大きく形成されており、それにより第3ホルダー部材35の内周には段差からなるストッパ部35cが設けられている。
第4ホルダー部材36も両端が開口された円筒状をなし、この第4ホルダー部材36は第3ホルダー部材35の上端に連結されている。第4ホルダー部材36の内径は、第3ホルダー部材35の上端開口の径よりも大きく、第4ホルダー部材36の内周面上部にはねじ溝36aが形成されている。
ストッパ部材37はL字形状をなすブラケットからなる。ストッパ部材37は、第4ホルダー部材36の上端部に連結されていて、このストッパ部材37のストッパ部位37aと第4ホルダー部材36の上端部との互いに離間した部分は調整用空間として用いられるようになっている。
高圧用ロードセル41は、本発明の回転式打錠装置を高圧領域で使用して圧縮成形を行う場合に、高圧の成形圧力を検出するものである。この場合に設定される高圧の圧力領域は、例えば2500〜10000kgf(24.5kN〜98kN)の範囲である。
高圧用ロードセル41は高圧用ロードセル取付け台50に固定され、この取付け台50は高圧用ばね受け42に固定されている。したがって、高圧用ロードセル41は高圧用ばね受け42に支持されている。高圧用ばね受け42と高圧用ロードセル取付け台50とは一体に作ることもできる。高圧用ばね受け42は、第2ホルダー部材34の中央部を軸方向に貫通して配設されているとともに、滑りキー51により第2ホルダー部材34に対して回り止めされている。この高圧用ばね受け42は第1ホルダー部材33の内周面及び第2ホルダー部材34の下部内周面を摺動案内面として機構ホルダー32の軸方向に移動可能である。高圧用ばね受け42は、その上部周面の段差が抜け止めストッパ34aに当接した位置から更に下方、つまり、緩衝レバー4方向に移動して機構ホルダー32から抜けないように規制されている。高圧用ロードセル41が有した受圧突部41aと加圧部材4aとは常に当接保持されている。
伝達軸43は、高圧用ロードセル41が受けた成形圧力を伝達する金属など硬質の部材からなり、高圧用ロードセル41に対して成形圧力が加わる方向に延びて配設される。伝達軸43は、軸本体43aと、調整部材43bとから形成されている。
軸本体43aの下端部(一端部)は高圧用ばね受け42に連結され、この軸本体43aの上端部(他端部)は調整口35aと対向するように第3ホルダー部材35内に配置されている。軸本体43aの他端部外周面に目盛り43cが刻まれている。
調整部材43bは、軸本体43aの他端部に軸方向に移動可能に取付けられていて、その移動により伝達軸43の長さを微調整する。調整部材43bには例えば軸本体43aの他端部に進退可能に螺合されたボルトを好適に使用できる。この調整部材43bは調整口35aから任意に回転操作されるようになっている。
低圧用ロードセル44は、本発明の回転式打錠装置を低圧領域で使用して圧縮成形を行う場合に、低圧の成形圧力を検出するものである。この場合に設定される低圧の圧力領域は、例えば2500kgf(24.5kN)以下の範囲である。
低圧用ロードセル44は低圧用ロードセル取付け台52に固定され、この取付け台52は低圧用ばね受け47に固定されている。したがって、低圧用ロードセル44は低圧用ばね受け47に支持されている。低圧用ばね受け47と低圧用ロードセル取付け台52と一体に作ることもできる。低圧用ばね受け47は、第4ホルダー部材36内の下部を軸方向に貫通して配設されているとともに、滑りキー53により第4ホルダー部材36に対して回り止めされている。この低圧用ばね受け47は第3ホルダー部材35の上面開口及び第4ホルダー部材36の下部内周面を摺動案内面として機構ホルダー32の軸方向に移動可能である。低圧用ばね受け47は、その下端部周面の段差が第3ホルダー部材35の上面開口縁35aに当接した位置から更に下方、つまり、緩衝レバー4方向に移動されないように規制されている。
低圧用ロードセル44は第3ホルダー部材35の上部に配置されており、その出力取出し部44bは逃げ孔35bに通されている。低圧用ロードセル44が有した受圧突部44aには、伝達軸43の他端、つまり、調整部材43bが常に当接保持されている。この当接保持は、調整部材43bの高さ位置を調節することでなされている。
高圧用調整ねじ45は低圧用ロードセル44と高圧用ばね受け42との間に配設されている。詳しくは、高圧用調整ねじ45の外周面に形成された雄ねじ部を第1ホルダー部材33のねじ溝33aに螺合することによって、第1ホルダー部材33と第2ホルダー部材34とにわたって高圧用調整ねじ45が機構ホルダー32に内蔵されている。高圧用調整ねじ45の中央部に伝達軸43が貫通している。なお、図2及び図3中符号54は高圧用調整ねじ45に保持されて伝達軸43を摺動可能な滑り軸受を示している。
高圧用調整ねじ45は、その上部に複数の操作穴(二つのみ図示)45aを有している。操作穴45aには調整口35aを通して工具(図示しない)が挿脱され、挿入された工具を介して高圧用調整ねじ45が回転操作される。それによって、高圧用調整ねじ45は、高圧用ばね受け42に接近離反する方向に沿って高圧付勢位置と高圧付勢解除位置とにわたって移動調整されるようになっている。
図2に高圧用調整ねじ45が高圧付勢位置に配置された状態を示す。この高圧付勢位置は、前記目盛り43cの範囲内で、この目盛り43cに高圧調整ねじ45の上端面を合わせることにより任意に設定できる。図3に高圧用調整ねじ45が高圧付勢解除位置に配置された状態を示す。この高圧付勢解除位置への高圧調整ねじ45の配置は、この調整ねじ45の上端面を前記ストッパ部35cに当接させることで規定される。
高圧用コイルばね46は高圧用調整ねじ45と高圧用ばね受け42との間に配置されている。図2に示したように高圧用調整ねじ45が高圧付勢位置に配置された状態では、高圧用コイルばね46は高圧用調整ねじ45と高圧用ばね受け42とで圧縮状態に挟まれている。これにより、高圧用コイルばね46のばね力で高圧用ロードセル41が緩衝レバー4に向けて付勢されている。この高圧用ロードセル41の受圧突部41aには加圧部材4aが当接保持されている。この状態で、高圧用コイルばね46のばね力(付勢力)を超える高圧の成形圧力が高圧用ロードセル41に作用した場合は、高圧用コイルばね46が縮んで過剰な成形圧力を緩衝できるようになっている。
図3に示すように高圧用調整ねじ45が高圧付勢解除位置に配置された状態では、この高圧用調整ねじ45は高圧用コイルばね46から離れた状態に配置され、高圧用コイルばね46は自由状態となる。したがって、この状態では、高圧用調整ねじ45による高圧用ロードセル41の付勢が解除される。
低圧用調整ねじ48は、ストッパ部材37のストッパ部位37aと低圧用ばね受け47との間に配設されている。詳しくは、低圧用調整ねじ48の外周面に形成された雄ねじ部を第4ホルダー部材36のねじ溝36aに螺合することによって、第4ホルダー部材36とストッパ部材37とにわたって機構ホルダー32に低圧用調整ねじ48が内蔵されている。低圧用調整ねじ48の中央部には中空軸55が貫通している。中空軸55はその内側を貫通したねじ軸56によって低圧用ばね受け47に固定されている。中空軸55の自由端部はストッパ部位37aを貫通してこのストッパ部位37aに支持されている。中空軸55の上部外周には目盛り55aが刻まれている。なお、図2及び図3中符号57は低圧用調整ねじ48に保持されて中空軸55を摺動可能な滑り軸受を示している。
低圧用調整ねじ48は、その上部に複数の操作穴(二つのみ図示)48aを有している。操作穴48aにはストッパ部位37aと第4ホルダー部材36の上端部との間の前記調整用空間を通して工具(図示しない)が挿脱され、挿入された工具を介して低圧用調整ねじ48が回転操作される。それによって、低圧用調整ねじ48は、低圧用ばね受け47に接近離反する方向に沿って低圧付勢位置と低圧付勢解除位置とにわたって移動調整されるようになっている。
図3に低圧用調整ねじ48が低圧付勢位置に配置された状態を示す。この低圧付勢位置は、前記目盛り55aの範囲内で、この目盛り55aに低圧調整ねじ48の上端面を合わせることにより任意に設定できる。図2に低圧用調整ねじ48が低圧付勢解除位置に配置された状態を示す。この低圧付勢解除位置への低圧調整ねじ48の配置は、この調整ねじ48の上端面を前記ストッパ部位37aに当接させることで規定される。
低圧用コイルばね49は低圧用調整ねじ48と低圧用ばね受け47との間に配置されている。この低圧用コイルばね49のばね力は高圧用コイルばね46のばね力より小さい。図3に示したように低圧用調整ねじ48が低圧付勢位置に配置された状態では、低圧用コイルばね49は低圧用調整ねじ48と低圧用ばね受け47とで圧縮状態に挟まれている。これにより、低圧用コイルばね49のばね力で低圧用ロードセル44が緩衝レバー4に向けて付勢されている。この低圧用ロードセル44の受圧突部44aには伝達軸43の調整部材43bが当接保持されている。この状態で、低圧用コイルばね49のばね力(付勢力)を超える低圧の成形圧力が低圧用ロードセル44に作用した場合は、低圧用コイルばね49が縮んで過剰な成形圧力を緩衝できるようになっている。
図2に示すように低圧用調整ねじ48が低圧付勢解除位置に配置された状態では、この低圧用調整ねじ48は低圧用コイルばね49から離れた状態に配置され、低圧用コイルばね48は自由状態となる。したがって、この状態では、低圧用調整ねじ48による低圧用ロードセル44の付勢が解除される。
前記高圧用ロードセル41で検出された高圧領域での成形圧力は、前記図示しない制御盤内の高圧用重量制御部58(図1参照)に供給され、前記低圧用ロードセル44で検出された低圧圧領域での成形圧力は、前記図示しない制御盤内の低圧用重量制御部59(図1参照)に供給される。これらの高圧用重量制御部58及び低圧用重量制御部59の夫々には、基準値、つまり、目標成形圧力の上限値と下限値とが設定されている。高圧用重量制御部58及び低圧用重量制御部59は、それに供給された成形圧力の値が前記基準値内にあるかどうかを判定し、供給された成形圧力の値が上限値又は下限値を外れる場合には、その外れの程度に応じた重量制御信号を、軌道昇降機構19の昇降駆動モータ20に図示しないモータ駆動回路を通して与えて、フィードバック制御を行わせるようになっている。
以上の構成を備えた回転式打錠装置は、低圧側圧力緩衝機構31bの影響を受けることなく高圧領域での粉末圧縮成形と、高圧側圧力緩衝機構31aの影響を受けることなく低圧領域での粉末圧縮成形とを、切換えることができるので、一台で回転式打錠装置でありながら、低圧から高圧にわたる粉末の圧縮成形をおこなうことができる。
すなわち、高圧領域で粉末圧縮成形を行う場合には、まず、高圧側緩衝機構31aを有効に機能するようにセットすると共に、低圧側緩衝機構31bが機能しないようにこの機構31bを自由状態とする。
この場合、高圧用調整ねじ45をその締め付け操作により下方(上部の圧縮ロール24方向)に移動させて高圧付勢位置に配置するとともに、この高圧用調整ねじ45の上端面を伝達軸43の目盛り43cの所望の値に合わせる。それにより、高圧用コイルばね46を圧縮状態として、2500〜10000kgf(24.5〜98.0kN)の範囲に緩衝圧力(設定圧力)を設定する。この一方で、低圧用調整ねじ48を緩めて、このねじ48の上端がストッパ部材37のストッパ部位37aに当たるまで上方に移動させて、低圧用調整ねじ48を低圧解除位置に配置する。それにより、低圧用コイルばね49を自由状態とする。以上のセット状態を図2に示す。
この状態から回転式打錠装置を運転することで高圧領域での粉末圧縮成形が行われる。この圧縮成形において、上杵15が上部の圧縮ロール24を通過するに伴い、上杵15を経て上部の圧縮ロール24に作用する高圧領域の成形圧力が、緩衝レバー4を介して高圧用ロードセル41に加えられる。この高圧領域の成形圧力が高圧用コイルばね46の付勢力により定められた高圧側緩衝圧力(高圧側設定圧力)より低いときには、その圧力に応じた値の電圧が高圧用ロードセル41から高圧用重量制御部58に供給されて、高圧成形下でのフィードバック制御による重量制御が行われる。
高圧領域の成形圧力が高圧用コイルばね46の付勢力により定められた高圧側緩衝圧力(高圧側設定圧力)より高くなった場合には、高圧用コイルばね46の付勢力に抗して高圧用ロードセル41が緩衝レバー4に押されて移動するので、高圧用ロードセル41が過剰な成形圧力によって破損に至ることを防止できる。
この場合、高圧側緩衝機構31aを介して低圧用ロードセル44が押されるようになる。つまり、高圧用ロードセル41とともに、高圧用ロードセル取付け台50、高圧用ばね受け42、および伝達軸43が移動するので、低圧用ロードセル44が押されるようになる。しかし、低圧用コイルばね49は自由状態にあるので、低圧用ロードセル44、低圧用ロードセル取付け台52、低圧用ばね受け47、中空軸55、及びねじ軸55は、高圧用ロードセル41の動きに追従して移動する。したがって、高圧用ロードセル41より強度が低い低圧用ロードセル44に、高圧領域を超える過剰な成形圧力が加わることがないので、低圧用ロードセル44等が破損することはない。
又、低圧領域で粉末圧縮成形を行う場合には、まず、低圧側緩衝機構31bを有効に機能するようにセットすると共に、高圧側緩衝機構31aが機能しないようにこの機構31aを自由状態とする。
この場合、低圧用調整ねじ48をその締め付け操作により下方(上部の圧縮ロール24方向)に移動させて低圧付勢位置に配置するとともに、この低圧用調整ねじ48の上端面を中空軸55の目盛り55aの所望の値に合わせる。それにより、低圧用コイルばね49を圧縮状態として、2500kgf(24.5kN)以下の範囲で緩衝圧力(設定圧力)を設定する。この一方で、高圧用調整ねじ45を緩めて、このねじ45の上端が第3ホルダー部材35のストッパ部35cに当たるまで上方(低圧ロードセル44方向)に移動させて、高圧用調整ねじ45を高圧解除位置に配置する。それにより、高圧用コイルばね49を自由状態とする。以上のセット状態を図3に示す。
この状態から回転式打錠装置を運転することで低圧領域での粉末圧縮成形が行われる。この圧縮成形において、上杵15が上部の圧縮ロール24を通過するに伴い、上杵15を経て上部の圧縮ロール24に作用する低圧領域の成形圧力が、緩衝レバー4を介して高圧用ロードセル41に加えられる。この場合、高圧用コイルばね46が自由状態にあるので、高圧用ロードセル41とともに、高圧用ロードセル取付け台50、高圧用ばね受け42、および伝達軸43を介して、伝達軸43の調整部材43bにより低圧用ロードセル44が押されるようになる。この際、低圧用ロードセル44より強度が高い高圧用ロードセル41は剛体として扱うことができる。そして、この高圧用ロードセル41に作用する低圧側成形圧力は、高圧側成形圧力よりも低いので、低圧側成形圧力によって高圧用ロードセル41が破損することはない。
そのため、低圧領域での成形圧力が低圧用コイルばね49の付勢力により定められた低圧側緩衝圧力(低圧側設定圧力)より低いときには、その圧力に応じた値の電圧が低圧用ロードセル44から低圧用重量制御部59に供給されて、低圧成形下でのフィードバック制御による重量制御が行われる。
低圧領域の成形圧力が低圧用コイルばね49の付勢力により定められた低圧側緩衝圧力(低圧側設定圧力)より高くなった場合には、低圧用コイルばね49の付勢力に抗して低圧用ロードセル44が伝達軸43に押されて移動するので、低圧用ロードセル44が過剰な成形圧力によって破損することを防止できる。
以上のように回転式打錠機10は、成形圧力に応じて高圧用ロードセル41と低圧用ロードセル44とを、それらの内の一方を有効にし他方を無効にするように使い分けるので、高圧用ロードセル41及びこれに応じた高圧用コイルばねと、低圧用ロードセル44及びこれに応じた低圧用コイルばねを交換部品として用意して、これらを、成形圧力の変更の都度、交換する場合に比較して、簡単にかつ素早く前記使い分けを実現できる。しかも、高圧用と低圧用の専用機を要することなく一台の圧縮成形装置で低圧から高圧までの圧縮成形を行えるとともに、それに伴い設備的負担を抑制できる。
なお、本発明は前記一実施形態には制約されない。例えば、圧力緩衝装置31は、上下方向ではなく、斜め方向又は水平方向に沿って配置してもよい。更に、圧力緩衝装置31は、下部の圧縮ロール25側に配置してもよい。しかし、例えば下部の圧縮ロール25の下方に延びるように圧力緩衝装置31を配置した場合に比較して、前記一実施形態のように上部の圧縮ロール24側に配置した場合は、圧力緩衝装置31の配設高さ分に相当して装置フレームを高くする必要がない点で、好ましい。
本発明の一実施形態に係る回転式打錠機の構成を展開して概略的に示す図。 図1の回転式打錠機が備える圧力緩衝装置を高圧成形に適するようにセットした状態で示す断面図。 図1の回転式打錠機が備える圧力緩衝装置を低圧成形に適するようにセットした状態で示す断面図。
符号の説明
3…ロール軸、4…緩衝レバー、10…回転式打錠機(回転式粉末圧縮成形機)、11…回転盤、12…臼、15…上杵、16…下杵、19…軌道昇降機構、24…上部圧縮ロール、26…下部圧縮ロール、31…圧力緩衝装置、41…高圧用ロードセル、42…高圧用ばね受け、43…伝達軸、43a…軸本体、43b…調整部材、44…低圧用ロードセル、45…高圧用調整ねじ、46…高圧用コイルばね(高圧用ばね)、47…低圧用ばね受け、48…低圧用調整ねじ、49…低圧用コイルばね(低圧用ばね)

Claims (1)

  1. 回転盤に設けられた臼に上下動可能な杵の先端部を挿入し、これらの杵を上下の圧縮ロール間に通過させることで前記上下の杵の杵先間隔を狭めて、前記臼内に供給された粉末を圧縮成形する回転式粉末圧縮成形装置において、
    粉末の圧縮成形時に加わる成形圧力を前記上下の圧縮ロールの一方から検出する高圧用ロードセルと、
    このロードセルが支持された高圧用ばね受けと、
    このばね受けに一端部が連結され前記高圧用ロードセルに対して成形圧力が加わる方向に延びる伝達軸と、
    この伝達軸の他端に接して配設され前記高圧用ロードセルよりも低い成形圧力を検出する低圧用ロードセルと、
    この低圧用ロードセルと前記高圧用ばね受けとの間にこの高圧用ばね受けに接近離反する方向に沿って高圧付勢位置と高圧付勢解除位置とにわたって移動可能に配設された高圧用調整ねじと、
    この高圧用調整ねじと高圧用ばね受けとの間に配置され、前記高圧付勢位置に前記高圧用調整ねじが配置された状態で前記高圧用ロードセルを付勢し、前記高圧付勢解除位置に前記高圧用調整ねじが配置された状態で前記高圧用ロードセルの付勢を解除する高圧用ばねと、
    前記低圧用ロードセルが支持された低圧用ばね受けと、
    この低圧用ばね受けに接近離反する方向に沿って低圧付勢位置と低圧付勢解除位置とにわたって移動可能に配設された低圧用調整ねじと、
    この低圧用調整ねじと前記低圧用ばね受けとの間に配置され、前記低圧付勢位置に前記低圧用調整ねじが配置された状態で前記高圧用ばねの付勢力より小さい付勢力で前記低圧用ロードセルを付勢し、前記低圧付勢解除位置に前記低圧用調整ねじが配置された状態で前記低圧用ロードセルの付勢を解除する低圧用ばねと、
    を具備した回転式粉末圧縮成型装置。
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