以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ説明する。実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
図1を参照しながら、本発明の実施例に係るユーザ装置及び基地局装置を有する無線通信システムについて説明する。
無線通信システム1000は、例えばEvolved UTRA and UTRAN(別名:Long Term Evolution,或いは,Super 3G)が適用されるシステムである。無線通信システム1000は、基地局装置(eNB: eNode B)200と、基地局装置200と通信する複数のユーザ装置(UE: User Equipment)100n(1001、1002、1003、・・・100n、nはn>0の整数)とを備える。基地局装置200は、上位局、例えばアクセスゲートウェイ装置300と接続され、アクセスゲートウェイ装置300は、コアネットワーク400と接続される。ユーザ装置100nはセル50において基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANにより通信を行っている。
各ユーザ装置(1001、1002、1003、・・・100n)は、同一の構成、機能、状態を有するので、以下では特段の断りがない限りユーザ装置100nとして説明を進める。説明の便宜上、基地局装置と無線通信するのはユーザ装置であるが、より一般的には移動端末も固定端末も含むユーザ装置(UE: User Equipment)でよい。
無線通信システム1000では、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。上述したように、OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、周波数帯域を端末毎に分割し、複数の端末が互いに異なる周波数帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
ここで、Evolved UTRA and UTRANにおける通信チャネルについて説明する。
下りリンクについては、各ユーザ装置100nで共有される物理下りリンク共有チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared Channel)と、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlinkg Control Channel)とが用いられる。物理下りリンク制御チャネルは下りL1/L2制御チャネルとも呼ばれる。上記物理下りリンク共有チャネルにより、ユーザデータ、すなわち、通常のデータ信号が伝送される。また、物理下りリンク制御チャネルにより、ダウンリンクスケジューリングインフォメーション(DL Scheduling Information)、Acknowledgement information(ACK/NACK)、アップリンクスケジューリンググラント(UL Scheduling Grant)、オーバロードインジケータ(Overload Indicator)、送信電力制御コマンドビット(Transmission Power Control Command Bit)等が伝送される。DL Scheduling Informationには、例えば、物理下りリンク共有チャネルを用いて通信を行うユーザのIDや、そのユーザデータのトランスポートフォーマットの情報、すなわち、データサイズ、変調方式、HARQに関する情報や、下りリンクのリソースブロックの割り当て情報等が含まれる。
また、UL Scheduling Grantには、例えば、物理上りリンク共有チャネルを用いて通信を行うユーザのIDや、そのユーザデータのトランスポートフォーマットの情報、すなわち、データサイズ、変調方式に関する情報や、上りリンクのリソースブロックの割り当て情報、上りリンクの共有チャネルの送信電力に関する情報等が含まれる。ここで、上りリンクのリソースブロックとは、周波数リソースに相当し、リソースユニットとも呼ばれる。
また、Acknowledgement information(ACK/NACK)とは、上りリンクの共有チャネルに関する送達確認情報のことである。
上りリンクについては、各ユーザ装置100nで共有して使用される物理上りリンク共有チャネル(PUSCH: Physical Uplink Shared Channel)と、物理上りリンク制御チャネルとが用いられる。上記物理上りリンク共有チャネルにより、ユーザデータ、すなわち、通常のデータ信号が伝送される。また、物理上りリンク制御チャネルにより、下りリンクにおける共有物理チャネルのスケジューリング処理や適応変復調及び符号化処理(AMCS: Adaptive Modulation and Coding Scheme)に用いるための下りリンクの品質情報(CQI: Channel Quality Indicator)、及び、物理下りリンク共有チャネルの送達確認情報(Acknowledgement Information)が伝送される。送達確認情報の内容は、送信信号が適切に受信されたことを示す肯定応答(ACK: Acknowledgement)又はそれが適切に受信されなかったことを示す否定応答(NACK: Negative Acknowledgement)の何れかで表現される。
物理上りリンク制御チャネルでは、CQIや送達確認情報に加えて、上りリンクの共有チャネルのリソース割り当てを要求するスケジューリング要求(Scheduling Request)や、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)におけるリリース要求(Release Request)等が送信されてもよい。ここで、上りリンクの共有チャネルのリソース割り当てとは、あるサブフレームの物理下りリンク制御チャネルを用いて、後続のサブフレームにおいて上りリンクの共有チャネルを用いて通信を行ってよいことを基地局装置がユーザ装置に通知することを意味する。
図2は本発明の一実施例による基地局装置の部分ブロック図を示す。図2には、周波数ブロック割当制御部31、周波数スケジューリング部32、周波数ブロック1での制御シグナリングチャネル生成部33−1及びデータチャネル生成部34−1、...周波数ブロックMでの制御シグナリングチャネル生成部33−M及びデータチャネル生成部34−M、報知チャネル(又はページングチャネル)生成部35、周波数ブロック1に関する第1多重部1−1、...周波数ブロックMに関する第1多重部1−M、第2多重部37、第3多重部38、他チャネル生成部39、逆高速フーリエ変換部40(IFFT)及びサイクリックプレフィックス(CP)付加部41が描かれている。
周波数ブロック割当制御部31は、ユーザ装置(移動端末でも固定端末でもよい)100nから報告された通信可能な最大帯域幅に関する情報に基づいて、そのユーザ装置が使用する周波数ブロックを確認する。周波数ブロック割当制御部31は個々のユーザ装置100nと周波数ブロックとの対応関係を管理し、その内容を周波数スケジューリング部32に通知する。ある帯域幅で通信可能なユーザ装置100nがどの周波数ブロックで通信してよいかについては、事前に報知チャネルで報知されていてもよい。例えば、報知チャネルは、5MHzの帯域幅で通信するユーザ装置100nに対して、周波数ブロック1,2,3,4の何れかの帯域の使用を許可してもよいし、それらの内の何れかに使用が制限されてもよい。また、10MHzの帯域幅で通信するユーザ装置100nに対して、周波数ブロック(1,2)、(2,3)又は(3,4)のような隣接する2つの周波数ブロックの組み合わせの使用が許可される。これら全ての使用が許可されてもよいし、或いは何れかの組み合わせに使用が制限されてもよい。15MHzの帯域幅で通信するユーザ装置100nに対して、周波数ブロック(1,2,3)又は(2,3,4)のような隣接する3つの周波数ブロックの組み合わせの使用を許可する。双方の使用が許可されてもよいし、或いは一方の組み合わせに使用が制限されてもよい。20MHzの帯域幅で通信するユーザ装置100nに対しては全ての周波数ブロックが使用される。使用可能な周波数ブロックは所定の周波数ホッピングパタンに従って通信開始後に変更されてもよい。
周波数スケジューリング部32は、複数の周波数ブロックの各々の中で周波数スケジューリングを行う。1つの周波数ブロック内での周波数スケジューリングは、ユーザ装置100nから報告されたリソースブロック毎のチャネル状態情報CQIに基づいて、チャネル状態の良いユーザ装置100nにリソースブロックを優先的に割り当てるようにスケジューリング情報を決定する。
周波数ブロック1での制御シグナリングチャネル生成部33−1は、周波数ブロック1内のリソースブロックだけを用いて、周波数ブロック1内でのスケジューリング情報をユーザ装置100nに通知するための制御シグナリングチャネルを構成する。他の周波数ブロックも同様に、その周波数ブロック内のリソースブロックだけを用いて、その周波数ブロック内でのスケジューリング情報をユーザ装置100nに通知するための制御シグナリングチャネルを構成する。
周波数ブロック1でのデータチャネル生成部34−1は、周波数ブロック1内の1以上のリソースブロックを用いて伝送されるデータチャネルを生成する。周波数ブロック1は1以上のユーザ装置(ユーザ)で共有されてよいので、図示の例ではN個のデータチャネル生成部1−1〜Nが用意されている。他の周波数ブロックについても同様に、その周波数ブロックを共有するユーザ装置のデータチャネルが生成される。
周波数ブロック1に関する第1多重部1−1は、周波数ブロック1に関する信号を多重化する。この多重化は少なくとも周波数多重を含む。制御シグナリングチャネル及びデータチャネルがどのように多重されるかについては後述される。他の第1多重部1−xも同様に周波数ブロックxで伝送される制御シグナリングチャネル及びデータチャネルを多重化する。
第2多重部37は、様々な多重部1−x(x=1,...,M)の周波数軸上での位置関係を所定のホッピングパタンに従って変更する動作を行う。
報知チャネル(又はページングチャネル)生成部35は、局データのような配下のユーザ装置100nに通知するための報知情報を生成する。ユーザ装置100nの通信可能な最大周波数帯域とそのユーザ装置100nが使用可能な周波数ブロックとの関係を示す情報が制御情報に含まれてもよい。使用可能な周波数ブロックが様々に変更される場合には、それがどのように変化するかを示すホッピングパタンを指定する情報が報知情報に含まれてもよい。なお、ページングチャネルは、報知チャネルと同じ帯域で送信されてもよいし、各ユーザ装置100nで使用される周波数ブロックで送信されてもよい。
他チャネル生成部39は制御シグナリングチャネル及びデータチャネル以外のチャネルを生成する。例えば他チャネル生成部39はパイロットチャネルを生成する。
第3多重部38は各周波数ブロックの制御シグナリングチャネル及びデータチャネルと、報知チャネル及び/又は他のチャネルとを必要に応じて多重化する。
逆高速フーリエ変換部40は第3多重部38から出力された信号を逆高速フーリエ変換し、OFDM方式の変調を行う。
サイクリックプレフィックス(CP)付加部41はOFDM方式の変調後のシンボルにガードインターバルを付加し、送信シンボルを生成する。送信シンボルは例えばOFDMシンボルの末尾(又は先頭)の一連のデータを先頭(又は末尾)に付加することで作成されてもよい。
図3は図2のCP付加部41に続く要素を示す。ガードインターバルの付加されたシンボルは、RF送信回路でディジタルアナログ変換、周波数変換及び帯域制限等の処理を経て、電力増幅器で適切な電力に増幅され、デュプレクサ及び送受信アンテナを介して送信される。
本発明に必須ではないが、本実施例では受信時に2アンテナによるアンテナダイバーシチ受信が行われる。2つのアンテナで受信された上り信号は、上り信号受信部に入力される。
図4は1つの周波数ブロック(x番目の周波数ブロック)に関する信号処理要素を示す。xは1以上M以下の整数である。概して、周波数ブロックxに関する制御シグナリングチャネル生成部33−x及びデータチャネル生成部34−x、多重部43−A,B、多重部1−xが示されている。制御シグナリングチャネル生成部33−xは、L1/L2制御チャネル生成部41及び1以上のL1/L2制御チャネル生成部42−A,B,...を有する。
L1/L2制御チャネル生成部41は制御シグナリングチャネルのうち、その周波数ブロックを使用する全ての端末が復号及び復調しなければならないL1/L2制御チャネルの部分にチャネル符号化及び多値変調を行い、それを出力する。
L1/L2制御チャネル生成部42−A,B,...は、制御シグナリングチャネルのうち、その周波数ブロックの中で1以上のリソースブロックの割り当てられたユーザ装置100nが復号及び復調しなければならないL1/L2制御チャネルの部分にチャネル符号化及び多値変調を行い、それを出力する。
データチャネル生成部x−A,B,...は、個々の端末A,B,...宛のデータチャネルについてのチャネル符号化及び多値変調をそれぞれ行う。このチャネル符号化及び多値変調に関する情報は、上記の特定制御チャネルに含まれる。
多重部43−A,B,...は、リソースブロックの割り当てられた端末各々についてL1/L2制御チャネル及びデータチャネルをリソースブロックに対応付ける。
図5は図4と同様に、1つの周波数ブロックに関する信号処理要素を示すが、個々の制御情報を具体的に明示している点で図4と異なって見える。図4及び図5で同じ参照符号は同じ要素を示す。図中、「リソースブロック内マッピング」とは特定の通信端末に割り当てられた1以上のリソースブロックに限定してマッピングされることを示す。「リソースブロック外マッピング」とは多数のリソースブロックを含む周波数ブロック全域にわたってマッピングされることを示す。L1/L2制御チャネル内のパート0は、周波数ブロック全域で送信される。L1/L2制御チャネルの内の上りデータ伝送に関連する情報は、下りデータチャネル用にリソースが割り当てられていればそのリソースで、そうでなければ周波数ブロック全域で送信される。
図6は下り制御シグナリングチャネルの種類及び情報項目の一例を示す。下り制御シグナリングチャネルには、報知チャネル(BCH)、個別L3シグナリングチャネル(上位レイヤ制御チャネル又は高レイヤ制御チャネル)及びL1/L2制御チャネル(低レイヤ制御チャネル)が含まれる。L1/L2制御チャネルには下りデータ伝送用の情報だけでなく上りデータ伝送用の情報が含まれてもよい。また、L1/L2制御チャネルにはL1/L2制御チャネルの伝送フォーマット(データ変調方式及びチャネル符号化率、同時割り当てユーザ数等)が含まれてもよい。以下、各チャネルで伝送される情報項目を概説する。
(報知チャネル)
報知チャネルはセル内で不変な情報や低速でしか変化しない情報を通信端末(移動端末でも固定端末でもよく、ユーザ装置と呼ばれてもよい)に通知するのに使用される。例えば1000ms(1秒)程度の周期でしか変化しないような情報は、報知情報として通知されてもよい。報知情報には、同時割当最大ユーザ数、リソースブロック配置情報及びMIMO方式情報が含まれてもよい。同時割当最大ユーザ数(ユーザ多重数)は、1サブフレームの下りL1/L2制御チャネルの中に何人分の制御情報が多重されているかを示す。この数は、上りリンク及び下りリンク別々に指定されてもよいし(NUMAX,NDMAX)、上下リンクを合わせた合計数(Nall)で表現されてもよい。
同時割当最大ユーザ数は、1TTIに,FDM、CDM及びTDMの1以上を用いて多重可能な最大数を表す。この数は上りリンク及び下りリンクで同じでもよいし、異なってもよい。
リソースブロック配置情報は、そのセルで使用されるリソースブロックの周波数,時間軸上での位置を特定するための情報である。本実施例では、周波数分割多重(FDM)方式としてローカライズド(localized)FDM方式と、ディストリビュート(distributed)FDM方式の2種類を利用可能である。ローカライズドFDM方式では、周波数軸上で局所的に良いチャネル状態のユーザに優先的に連続的な帯域が割り当てられる。この方式は、移動度の小さなユーザの通信や、高品質で大容量のデータ伝送等に有利である。ディストリビュートFDM方式では、広帯域に渡って断続的に複数の周波数成分を有するように下り信号が作成される。この方式は、移動度の大きなユーザの通信や、音声パケット(VoIP)のような周期的且つ小さなデータサイズのデータ伝送等に有利である。何れの方式が使用されるにせよ、周波数リソースは連続的な帯域又は離散的な複数の周波数成分を特定する情報に従って、リソースの割り当てが行われる。
MIMO方式情報は、基地局装置に複数のアンテナが用意されている場合に、シングルユーザマイモ(SU-MIMO: Single User - Multi Input Multi Output)方式又はマルチユーザマイモ(MU-MIMO: Multi - User MIMO)方式の何れが行われるかが示される。SU-MIMO方式は複数アンテナの通信端末1台と複数アンテナの基地局装置が通信を行う方式であり、MU-MIMO方式は複数の通信端末と同時に基地局装置が通信を行う方式である。
下りリンクのMU-MIMO方式では、基地局装置の1以上のアンテナ(例えば、2アンテナの内の第1アンテナ)から或るユーザ装置UEA宛の信号が送信され、別の1以上のアンテナ(例えば、2アンテナの内の第2アンテナ)から別のユーザ装置UEB宛の信号が送信される。上りリンクのMU-MIMO方式では、或るユーザ装置UEAからの信号と別のユーザ装置UEBからの信号が基地局装置の複数のアンテナで同時に受信される。各ユーザ装置からの信号は、ユーザ装置毎に割り当てられたリファレンス信号で区別されてもよい。この目的のリファレンス信号にはカザック(CAZAC)符号系列を利用することが望ましい。カザック符号系列は、同一系列であっても巡回シフト量が異なれば互いに直交する性質を有するので、例えば、直交系列を簡易に用意できるからである。
(個別L3シグナリングチャネル)
個別L3シグナリングチャネルも、例えば1000ms周期のような低速で変化する情報を通信端末に通知するのに使用される。報知チャネルはセル内の全通信端末に通知されるが、個別L3シグナリングチャネルは特定の通信端末にしか通知されない。個別L3シグナリングチャネルには、FDM方式の種別及びパーシステントスケジューリング情報が含まれる。
FDM方式の種別は、特定された個々の通信端末がローカライズドFDM方式又はディストリビュートFDM方式の何れで多重されるかを指示する。
パーシステントスケジューリング情報は、パーシステント(Persistent)スケジューリングが行われる場合に、上り又は下りデータチャネルの伝送フォーマット(データ変調方式及びチャネル符号化率)や、使用されるリソースブロック等を特定する。
(L1/L2制御チャネル)
下りL1/L2制御チャネルには、下りリンクのデータ伝送に関連する情報だけでなく、上りリンクのデータ伝送に関連する情報が含まれてもよい。更に、L1/L2制御チャネルの伝送フォーマットを示す情報ビット(パート0)が含まれてもよい。
(パート0)
パート0情報(以下、簡明化のため「パート0」という。)には、L1/L2制御チャネルの伝送フォーマット(変調方式及びチャネル符号化率、同時割当ユーザ数又は全体の制御ビット数)が含まれる。パート0には、同時割当ユーザ数(又は全体の制御ビット数)が含まれる。また、パート0情報には、L1/L2制御チャネルに使用される無線リソース量を示す情報が含まれる。
L1/L2制御チャネルに必要なシンボル数は、同時多重ユーザ数及び多重するユーザの受信品質に依存する。典型的にはL1/L2制御チャネルのシンボル数を十分に大きくしておく。シンボル数を変更する場合には、報知チャネルで通知されるL1/L2制御チャネルの伝送フォーマットによって、例えば1000ms(1秒)程度の周期で制御することができる。しかし、同時多重ユーザ数が小さければ、制御チャネルとして必要なシンボル数は少なくて済む。従って、短い周期で同時多重ユーザ数及び多重するユーザの受信品質が変化する場合に、L1/L2制御チャネル用のリソースがかなり多く確保されたままであったとすると、多くの無駄が生じてしまうおそれがある。このようなL1/L2制御チャネルの無駄を低減するため、L1/L2制御チャネル内で、パート0情報(変調方式及びチャネル符号化率、同時割当ユーザ数(又は全体の制御ビット数))を通知してもよい。L1/L2制御チャネル内で変調方式及びチャネル符号化率を通知することで、報知チャネルによる通知より短い周期で変調方式及びチャネル符号化率を変更することが可能になる。1サブフレームの中でL1/L2制御チャネルの占めるシンボル数が、或る選択肢の範疇に制約される場合には、その選択肢のどれが使用されているかを特定することで、伝送フォーマットを特定できる。例えば、後述されるように4パタンの伝送フォーマットが用意されている場合には、このパート0情報は2ビットで表現されてよい。
(下りデータ伝送関連情報)
下りデータ伝送関連情報には、ページングインジケータ(PI)が含まれる。各ユーザ装置100nはページングインジケータを復調することで、自ユーザ装置100nに対する呼出がなされているか否かを確認できる。より具体的には、ユーザ装置100nは、自ユーザ装置100nに割り当てられているグループ番号がページングインジケータ中に有るか否かを確認し、それが発見された場合にはページングチャネル(PCH)を復調する。PIとPCHの位置関係は既知であるようにする。ユーザ装置100nは、ページングチャネル(PCH)の中に自ユーザ装置100nの識別情報(例えば、自ユーザ装置100nの電話番号)が有るか否かを確認することで、着信の有無を調べることができる。
L1/L2制御チャネルでページングインジケータ(PI)を送信する方式として、L1/L2制御チャネルの中でPI用に専用に用意された情報部分を利用する方式と、そのような専用の情報部分を用意しないことが考えられる。
下りデータ伝送関連情報には、下りデータチャネルのリソース割当情報、割当時間長及びMIMO情報が含まれる。
下りデータチャネルのリソース割当情報は、下りデータチャネルが含まれているリソースブロックを特定する。リソースブロックの特定については、当該技術分野で既知の様々な方法が使用可能である。例えば、ビットマップ方式、ツリー分岐番号方式等が使用されてもよい。
割当時間長は、下りデータチャネルがどの程度の期間連続して伝送されるかを示す。最も頻繁にリソース割当内容が変わる場合は、TTI毎であるが、オーバヘッドを削減する観点から、複数のTTIにわたって同じリソース割当内容でデータチャネルが伝送されてもよい。
MIMO情報は、通信にMIMO方式が使用される場合に、アンテナ数、ストリーム数等を指定する。ストリーム数は情報系列数と呼んでもよい。アンテナ数及びストリーム数は適切な如何なる数でもよいが、一例として4つでもよい。
なお、ユーザ識別情報が含まれることは必須でないが、例えば16ビットのユーザ識別情報の全部又は一部が含まれてもよい。
下りデータ伝送関連情報には、MIMO方式が使用される場合のプリコーディング情報、下りデータチャネルの伝送フォーマット、ハイブリッド再送制御(HARQ)情報及びCRC情報が含まれる。
MIMO方式が使用される場合のプリコーディング情報は、複数のアンテナの個々に適用される重み係数を特定する。各アンテナに適用される重み係数(プリコーディングベクトル)を調整することで、通信信号の指向性が調整される。受信側(ユーザ装置)はそのような指向性に応じたチャネル推定を行う必要がある。
下りデータチャネルの伝送フォーマットは、データ変調方式とチャネル符号化率で特定される。チャネル符号化率の代わりに、データサイズ又はペイロードサイズが通知されてもよい。データ変調方式とデータサイズからチャネル符号化率が一意に導出可能だからである。一例として伝送フォーマットは8ビット程度で表現されてもよい。
ハイブリッド再送制御(HARQ: Hybrid Automatic Repeat ReQuest)情報は、下りパケットの再送制御に必要な情報を含む。具体的には、再送制御情報は、プロセス番号、パケット合成法を示す冗長バージョン情報、及び新規パケットであるか再送パケットであるかを見分けるための新旧インジケータ(New Data Indicator)を含む。一例としてハイブリッド再送制御情報は6ビット程度で表現されてもよい。
CRC情報は、誤り検出に巡回冗長検査法が使用される場合に、ユーザ識別情報(UE-ID)が畳み込まれたCRC検出ビットを示す。
上りリンクのデータ伝送に関連する情報は以下のようにパート1乃至パート4の4種類に分類できる。
(パート1)
パート1には、過去の上りデータチャネルに対する送達確認情報が含まれる。送達確認情報は、パケットに誤りがなかったこと若しくはあったとしても許容範囲内であったことを示す肯定応答(ACK)、或いはパケットに許容範囲を超える誤りがあったことを示す否定応答(NACK)を示す。送達確認情報は、実質的には1ビットで表現されてよい。
(パート2)
パート2には、将来の上りデータチャネルに対するリソース割当情報、その上りデータチャネルの伝送フォーマット、送信電力情報及びCRC情報が含まれる。
リソース割当情報は、上りデータチャネルの送信に使用可能なリソースブロックを特定する。リソースブロックの特定については、当該技術分野で既知の様々な方法が使用可能である。例えば、ビットマップ方式、ツリー分岐番号方式等が使用されてもよい。
上りデータチャネルの伝送フォーマットは、データ変調方式とチャネル符号化率で特定される。チャネル符号化率の代わりに、データサイズ又はペイロードサイズが通知されてもよい。データ変調方式とデータサイズからチャネル符号化率が一意に導出可能だからである。一例として、伝送フォーマットは8ビット程度で表現されてもよい。
送信電力情報は、上りリンクで伝送されるデータチャネルがどの程度の電力で送信されるべきかを示す。本発明の一形態では、上りパイロットチャネルが例えば数ミリ秒程度の比較的短い周期Trefで反復的にユーザ装置100nから基地局装置に送信される。上りパイロットチャネルの送信電力Prefは、過去に送信された上りパイロットチャネルの送信電力以上に又は以下になるように、基地局装置から通知された送信電力制御情報(TPCコマンド)に従って周期Tref以上に長い周期TTPCで更新される。上りL1/L2制御チャネルは、上りパイロットチャネルの送信電力Prefに、基地局装置から通知された第1オフセット電力ΔL1/L2を加えた電力で送信される。上りデータチャネルは、上りパイロットチャネルの送信電力Prefに、基地局装置から通知された第2オフセット電力Δdataを加えた電力で送信される。このようなデータチャネルに関するオフセット電力Δdataは、パート2の送信電力情報に含まれる。L1/L2制御チャネル用のオフセット電力ΔL1/L2は、後述のパート4の送信電力情報に含まれる。また、パイロットチャネルの送信電力を更新するためのTPCコマンドもパート4に含まれる。
第1オフセット電力情報ΔL1/L2は、不変に維持されてもよいし、可変に制御されてもよい。後者の場合には、報知情報BCHとして又はレイヤ3シグナリング情報としてユーザ装置に通知が行われてもよい。第2オフセット電力情報Δdataは、L1/L2制御信号でユーザ装置に通知されてもよい。第1オフセット電力情報ΔL1/L2は、制御信号に含まれる情報量の多少に応じて第1オフセット電力も増減するように決定されてもよい。第1オフセット電力情報ΔL1/L2は、制御信号の受信品質の良否に応じて異なるように決定されてもよい。第2オフセット電力情報Δdataは、データ信号の受信品質の良否に応じて異なるように決定されてもよい。ユーザ装置100nが在圏するセルの周辺セルからの低電力化の要請(オーバーロードインジケータ)に協力して、上りデータチャネルが、上りパイロットチャネルの送信電力Pref及び第2オフセット電力Δdataの和より少ない電力で送信されてもよい。
CRC情報は、誤り検出に巡回冗長検査法が使用される場合に、ユーザ識別情報(UE-ID)が畳み込まれたCRC検出ビットを示す。なお、ランダムアクセスチャネル(RACH)に対する応答信号(下りL1/L2制御チャネル)では、UE-IDとして、RACHプリアンブルのランダムIDが使用されてもよい。
(パート3)
パート3には、上り信号に関する送信タイミング制御ビットが含まれる。これは、セル内の通信端末間の同期をとるための制御ビットである。この情報は、下りデータチャネルにリソースブロックが割り当てられていれば特定制御情報として通知されてもよいし、不特定制御情報として通知されてもよい。
(パート4)
パート4は通信端末の送信電力に関する送信電力情報を含み、この情報は、上りデータチャネルの伝送用にリソースが割り当てられなかった通信端末が、例えば下りリンクのCQIを報告するためにどの程度の電力で上り制御チャネルを送信すべきかを示す。上記のオフセット電力ΔL1/L2及びTPCコマンドはこのパート4の情報に含まれる。
図7はデータチャネル及び制御チャネルのマッピング例を示す。下りリンク伝送では、図7に示すように、1サブフレームは、例えば1msであり、1サブフレームの中に14個のOFDMシンボル(OFDM symbol)が存在する。図7において、時間軸方向の番号(#1、#2、#3、・・・、#14)はOFDMシンボルを識別する番号を示し、周波数軸方向の番号(#1、#2、#3、・・・、#M−1、#M、MはM>0の整数)はリソースブロック(Resource Block)を識別する番号を示す。図示のマッピング例は、1つの周波数ブロック及び1つのサブフレームに関するものである場合には、概して第1多重部1−xの出力内容に相当する。リソースブロックは、図2の周波数スケジューリング部32によって、チャネル状態の良い端末に割り当てられる。
1サブフレームの先頭のN個のOFDMシンボルには、上記物理下りリンク制御チャネルがマッピングされる。Nの値としては、1、2、3の3通りが設定される。図7においては、1サブフレームの先頭の2個のOFDMシンボル(N=2)、すなわち、OFDMシンボル#1及び#2に上記物理下りリンク制御チャネルがマッピングされている。そして、上記物理下りリンク制御チャネルがマッピングされるOFDMシンボル以外のOFDMシンボルにおいて、ユーザデータや同期チャネル(SCH)、報知チャネル(BCH)、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)が適用されるデータ信号が送信される。L1/L2制御チャネル等及びデータチャネル等は時間多重されている。
また、周波数方向においては、M個のリソースブロックが定義される。ここで、1リソースブロックあたりの周波数帯域は、例えば180kHzであり、1リソースブロックの中に12個のサブキャリアが存在する。また、リソースブロックの数Mは、システム帯域幅が5MHzの場合には25であり、システム帯域幅が10MHzの場合には50であり、システム帯域幅が20MHzの場合には100である。
図8に、図7に示すサブフレームの構成を持つ場合の、OFDMシンボル#1及び#2におけるサブキャリアマッピング例を示す。尚、同図において、1OFDMシンボルのサブキャリアの数をL(Lは、L>0の整数)とし、周波数の小さい方から、サブキャリア#1、#2、…、#Lと番号付けを行っている。システム帯域幅が5MHzの場合には、L=300であり、システム帯域幅が10MHzの場合には、L=600であり、システム帯域幅が20MHzの場合には、L=1200である。同図に示すように、OFDMシンボル#1のサブキャリアには、下りリンクリファレンスシグナル(DL RS: Downlink Reference Signal)と物理下りリンク制御チャネルがマッピングされる。また、OFDMシンボル#2には、物理下りリンク制御チャネルがマッピングされる。特にL1/L2制御チャネル内のパート0情報は、遅延時間を短くする必要があるため、先頭OFDMシンボルに多重される。図示の例ではL1/L2制御チャネル及び他の制御チャネルは、何らかの間隔を隔てて並んだ複数の周波数成分を各々が有するように周波数多重される。このような多重化方式は、ディストリビュート周波数分割多重化(distributed FDM)方式と呼ばれる。ディストリビュートFDM方式は周波数ダイバーシチ効果が得られる点で有利である。周波数成分同士の間隔は全て同じでもよいし異なっていてもよい。いずれにせよ、L1/L2制御チャネルが複数のリソースブロック全域(実施例ではシステム帯域全域)にわたって分散していることを要する。更に、ユーザ多重数の増加に対応するため、別法としてCDM方式を適用することも可能である。CDM方式では周波数ダイバーシチ効果が更に大きくなるという利点がある一方で、直交性の崩れによる受信品質の劣化が生じる欠点もある。
例えば、DL RSは、OFDMシンボル#1において、6個のサブキャリアに1個の割合で送信される。図においては、サブキャリア#6×d−5(但し、d:1、2、…)にDL RSがマッピングされている。また、上記DL RSがマッピングされているサブキャリア以外のサブキャリアに物理下りリンク制御チャネルがマッピングされる。図においては、上記物理下りリンク制御チャネルにより送信される情報の内、Acknowledgement information(UL ACK/NACK)がマッピングされるサブキャリアの例を示した。図においては、サブキャリア#3と、サブキャリア#L−3にマッピングされている例を示している。Acknowlegement informationがマッピングされるサブキャリアの数は、上りリンクにおいて1サブフレームに多重されるユーザ装置の数の最大数、すなわち、1サブフレームにおいて上りリンクの共有チャネルを送信するユーザ装置の数の最大数により決定される。
尚、物理下りリンク制御チャネルがマッピングされるOFDMシンボルの数が3の場合のOFDMシンボル#3の構成は、図8におけるOFDMシンボル#2の構成と基本的に同じである。
次にL1/L2制御チャネル内のパート0情報の具体的なフォーマットを説明する。
図9はL1/L2制御チャネルのフォーマット例を示す。図示の例では、L1/L2制御チャネルのフォーマットとして4パタンが用意され、L1/L2制御チャネルのシンボル数(又は同時割当ユーザ数)はパタン毎に異なる。4パタンの内のどれが使用されているかは、パート0情報で通知される。上述したように、パート0情報は、L1/L2制御チャネルに用いる無線リソース量を示す。
パート0情報は、セル端のユーザでも正しく受信される必要があるため、オーバヘッドが大きくなる可能性がある。しかし、必要な無線リソース量は、セル半径などに大きく依存する。従って、パート0情報で使用する符号化率、繰り返し数を報知チャネルで通知できるようにする。このようにすることにより、オーバヘッドを低減できる。L1/L2制御チャネルに関し、ユーザ装置100nが報知チャネルで通知された変調方式及び符号化率(MCS: Modulation and Coding Scheme)を用いる場合、同時割当ユーザ数に応じてL1/L2制御チャネルに必要なシンボル数はMCSレベルに応じて異なる。これを識別するために、L1/L2制御チャネルのパート0情報として、制御ビット(図9では2ビット)が設けられている。例えば00の制御ビットをパート0の情報として通知することにより、ユーザ装置100nでこの制御ビットを復号してL1/L2制御チャネルのシンボル数が100であることを知ることができる。なお、図9の先頭の2ビットがパート0情報に相当する。また、図9では報知チャネルでMCSが通知されているが、L3シグナリングチャネルでMCSが通知されてもよい。
また、例えば、図10に示すように、L1/L2制御チャネルがマッピングされるOFDMシンボルを指定するパート0情報として、2ビットで表される4種類の制御情報に対して、それぞれ0.5、1、1.5、2OFDMシンボルを割り当てる。また、2ビットで表される4種類の制御情報に対して、それぞれ1、2、2.5、3OFDMシンボルを割り当てる。この対応は一例であり、適宜変更可能である。図10では、0.5−2OFDMシンボルを割り当てる場合としてパタンA、1−3OFDMシンボルを割り当てる場合としてパタンBが示される。
パタンA、パタンBのどちらが使用されるかは、例えば報知情報で通知される。この場合、報知情報生成部35は、L1/L2制御チャネルがマッピングされるOFDMシンボルを指定する制御情報に対応するL1/L2制御チャネルの無線リソース量を示す情報を含む報知情報を生成する。L1/L2制御チャネルを用いる無線リソース量についても、セル半径などに依存する。従って、パート0情報のビット構成も通知できるようにすることにより、オーバヘッドを低減できる。
次に、パート0情報の送信方法について、図11を参照して説明する。
パート0情報には、L1/L2制御チャネルの無線リソース量を示す情報が含まれるため、できるだけ早く送信する必要がある。従って、最初のOFDMシンボルにマッピングする。図11には、図7に示したサブフレーム構成において、最初のOFDMシンボルを示す。図11に示すように、最初のOFDMシンボルには、リファレンスシグナルが6サブキャリア毎にマッピングされる。パート0情報は、リファレンスシグナルがマッピングされる箇所以外のサブフレーム(リソースエレメント)にマッピングされる。1リソースエレメントは1OFDMシンボルと1サブフレームで定義される。例えば、パート0情報は、所定のサブキャリア毎、例えば12サブキャリア毎に繰り返しマッピングされる。又、フレーム毎にリファレンスシグナルのマッピング位置を変更する周波数ホッピングも行われる。従って、パート0情報とリファレンスシグナルとの衝突を低減する観点からは、パート0情報は、前フレームにおけるリファレンスシグナルのマッピング位置からのシフト量と同じだけシフトさせて、マッピングされるのが好ましい。又は、パート0情報は、リファレンスシグナルと衝突した場合のみシフトさせるようにしてもよい。
また、パート0情報に空間周波数ブロック符号化(SFBC: space-frequency block coding)が適用され、2アンテナで送信される場合には、図11に示すように連続する2サブキャリアがパート0情報に割り当てられる。複素シンボル2つ(C1,C2:4ビットに相当)を単位に2つのアンテナ向けに異なる符号化が行われる。図11において、*は複素共役する操作を示す。
図12は3セクタ構成の場合でのL1/L2制御チャネル内の情報ビット(パート0情報)のマッピングを示す例である。3セクタ構成の場合には、L1/L2制御チャネルの伝送フォーマットを示す情報ビット(パート0情報)を送信するために3種類のパタンを用意しておき、それぞれのパタンが周波数領域で重ならないように各セクタに割り当ててもよい。隣接セクタ(又はセル)での送信パタンが互いに異なるようにパタンを選択することで、干渉コーディネーションの効果を得ることが可能になる。
図13は様々な多重法の例を示す。上記の例ではL1/L2制御チャネルはディストリビュートFDM方式で多重されているが、符号分割多重(CDM)方式のような適切な様々な多重法が使用されてもよい。図13(1)はディストリビュートFDM方式で多重が行われる様子を示す。離散的な複数の周波数成分を特定する番号1,2,3,4を用いることで、各ユーザの信号を適切に直交させることができる。ただし,この例のように規則的でなくてもよい。また,隣接するセル間で異なる規則を用いることで,送信電力制御を行ったときの干渉量をランダム化することができる。図13(2)は符号分割多重(CDM)方式で多重が行われる様子を示す。コード1,2,3,4を用いることで、各ユーザの信号を適切に直交させることができる。この方式は他セル干渉を効果的に低減する観点から好ましい。
ところで、パート0情報の伝送方法に関し、パート0情報に適用されるMCS(変調方式チャネル符号化率の組み合わせ)及び送信電力の双方が一定に維持されてもよいし、MCSは一定に維持されるが送信電力は可変に制御されてもよい。更に、セルに在圏する全てのユーザに対してパート0情報が共通に維持されてもよいし、ユーザによってL1/L2制御チャネルの伝送フォーマットが異なってもよい。例えば、基地局装置近傍のユーザに対してはパート0情報の内容を様々に適宜変更することで伝送フォーマットが最適化されるが、セル端のユーザに対してはそのように伝送フォーマットが変更されなくてもよい(一定に維持されてもよい。)。但し、個々のユーザがセル端のグループに属するか否かを示す情報が、例えば下りL1/L2制御チャネルでユーザに通知される必要がある。セル端のグループに属していなければ、適宜(極端にはTTI毎に)変更される伝送フォーマットでパート0情報が通知され、セル端のグループに属していれば一定の伝送フォーマットで制御情報が通知される。
図14は、複数のユーザを多重する場合のL1/L2制御チャネルの多重例を示す。L1/L2制御チャネルは各サブフレームにおいて3OFDMシンボル以内にマッピングされる。
例えば、L1/L2制御チャネルに割り当てられたサブキャリアは、複数の制御リソースブロック(Control Resource block)を構成する。例えば、1制御リソースブロックは、Xサブキャリア(Xは、X>0の整数)により構成される。この値Xは,システム帯域等により、最適な値が用意される。複数の制御リソースブロックはFDM、もしくはCDMとFDMのハイブリッドを用いる。複数のOFDMシンボルがL1/L2制御チャネルに用いられる場合、各制御リソースブロックはすべてのOFDMシンボルにマッピングされる。この制御リソースブロック数は、報知チャネルで通知される。
L1/L2制御チャネルはQPSK、もしくは16QAMによりデータ変調される。複数の符号化率が用いられる場合(R1、R2、・・・、Rn)、RnはR1/nとする。上りリンクスケジューリング情報と下りリンクスケジューリング情報が異なるビット数である場合でも、レートマッチング(Rate matching)により同一サイズの制御リソースブロックが使用される。
例えば、セル間で制御リソースブロックに含まれるシンボルのマッピングの開始位置のシフト量を異なるようにすることにより、セル(セクタ)間の干渉のランダム化を実現できる。一例について、図15を参照して説明する。セルAでは、各ユーザの制御リソースブロックに含まれる1及び2番目のシンボルが、ユーザ#1(UE#1)から順にマッピングされる。次に、各ユーザの制御リソースブロックに含まれる3及び4番目のシンボルが、2ユーザ分シフトさせユーザ#3(UE#3)から順にマッピングされる。次に、各ユーザの制御リソースブロックに含まれる5及び6番目のシンボルが、さらに2ユーザ分シフトさせユーザ#5(UE#5)から順にマッピングされる。これらを順に例えば、第1OFDMシンボルのサブキャリア番号の若い順番から割り当てを行う。一方、セルBでは、各ユーザの制御リソースブロックに含まれる1及び2番目のシンボルが、ユーザ#1(UE#1)から順にマッピングされる。次に、各ユーザの制御リソースブロックに含まれる3及び4番目のシンボルが、1ユーザ分シフトさせユーザ#2(UE#2)から順にマッピングされる。次に、各ユーザの制御リソースブロックに含まれる5及び6番目のシンボルが、さらに1ユーザ分シフトさせユーザ#3(UE#3)から順にマッピングされる。
また、例えば、図16に示すように、セル間で制御リソースブロックに含まれるシンボルのマッピングの開始位置のシフト量を異なるようにし、さらに周辺セルにおいて使用されていないサブキャリアを使用することにより干渉のコーディネーション化を図るようにしてもよい。
図17は本発明の一実施例で使用されるユーザ装置100nの部分ブロック図を示す。図17にはキャリア周波数同調部81、フィルタリング部82、サイクリックプレフィックス(CP)除去部83、高速フーリエ変換部(FFT)84、CQI測定部85、報知チャネル(又はページングチャネル)復号部86、L1/L2制御チャネル(パート0)復号部87、L1/L2制御チャネル復号部88及びデータチャネル復号部89が描かれている。
キャリア周波数同調部81は端末に割り当てられている周波数ブロックの信号を受信できるように受信帯域の中心周波数を適切に調整する。
フィルタリング部82は受信信号をフィルタリングする。
サイクリックプレフィックス除去部83は受信信号からガードインターバルを除去し、受信シンボルから有効シンボル部分を抽出する。
高速フーリエ変換部(FFT)84は有効シンボルに含まれる情報を高速フーリエ変換し、OFDM方式の復調を行う。
CQI測定部85は受信信号に含まれているパイロットチャネルの受信電力レベルを測定し、測定結果をチャネル状態情報CQIとして基地局装置にフィードバックする。CQIは周波数ブロック内の全てのリソースブロック毎に行われ、それらが全て基地局装置に報告される。
報知チャネル(又はページングチャネル)復号部86は報知チャネルを復号する。ページングチャネルが含まれている場合にはそれも復号する。
L1/L2制御チャネル(パート0)復号部87はL1/L2制御チャネル内のパート0の情報を復号する。このパート0により、L1/L2制御チャネルに使用される無線リソース量及びL1/L2制御チャネルの伝送フォーマットを認識することが可能になる。
L1/L2制御チャネル復号部88は受信信号に含まれているL1/L2制御チャネルを復号し、スケジューリング情報を抽出する。スケジューリング情報には、その端末宛の共有データチャネルにリソースブロックが割り当てられているか否かを示す情報、割り当てられている場合にはリソースブロック番号を示す情報等が含まれる。また、L1/L2制御チャネルには、共有データチャネルに関するデータ変調、チャネル符号化率及びHARQの情報が含まれる。
データチャネル復号部89は、L1/L2制御チャネルから抽出した情報に基づいて、受信信号に含まれている共有データチャネルを復号する。復号結果に応じて肯定応答(ACK)又は否定応答(NACK)が基地局装置に報告されてもよい。
図18は図17と同様に、ユーザ装置100nの部分ブロック図を示すが、個々の制御情報を具体的に明示している点で図17と異なって見える。図17及び図18で同じ参照符号は同じ要素を示す。図中、「リソースブロック内デマッピング」とは特定のユーザ装置100nに割り当てられた1以上のリソースブロックに限定してマッピングされた情報を抽出することを示す。「リソースブロック外デマッピング」とは多数のリソースブロックを含む周波数ブロック全域にわたってマッピングされた情報を抽出することを示す。
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に、以下の項目を開示する。
(1)下りリンクにOFDM方式が適用される移動通信システムで使用される基地局装置であって:
ユーザ装置に対する無線リソースの割当をサブフレーム毎に行うスケジューラ;
前記スケジューラによるスケジューリングの結果をユーザ装置に通知する制御チャネルを生成する制御チャネル生成手段;
前記制御チャネルとデータチャネルとをマッピングするマッピング手段;
を備え、
前記制御情報には、制御チャネルに使用される無線リソース量を示す情報が含まれ、
前記マッピング手段は、前記制御チャネルに使用される無線リソース量を示す情報を最初のOFDMシンボルに多重する。
(2)(1)に記載の基地局装置において:
前記制御チャネルの無線リソース量を示す情報は、リファレンスシグナルがマッピングされるサブキャリア以外のサブキャリアにマッピングされる。
(3)(1)又は(2)に記載の基地局装置において:
空間周波数ブロック符号化により、2アンテナ送信が行われ、
前記制御チャネルの無線リソース量を示す情報は、連続する2サブキャリアにマッピングされる。
(4)(3)に記載の基地局装置において:
各ユーザの制御情報は、制御チャネルがマッピングされる3OFDMシンボル以内の各OFDMシンボルにマッピングされ、
前記マッピング手段は、各OFDMシンボルにおいて、各ユーザの制御情報をシフトさせてマッピングする。
(5)(4)に記載の基地局装置において:
前記シフト量は、セル毎に異なる。
(6)(3)に記載の基地局装置において:
各ユーザの制御情報は、制御チャネルがマッピングされる3OFDMシンボル以内の各OFDMシンボルにマッピングされ、
前記マッピング手段は、各OFDMシンボルにおいて、周辺セルで使用されていないサブキャリアに各ユーザの制御情報をマッピングする。
(7)下りリンクにOFDM方式が適用される移動通信システムで使用される基地局装置における通信制御方法であって:
ユーザ装置に対する無線リソースの割当をサブフレーム毎に行うスケジューリングステップ;
前記スケジューリングステップによるスケジューリングの結果をユーザ装置に通知する制御チャネルを生成する制御チャネル生成ステップ;
前記L1/L2制御チャネルとデータチャネルとをマッピングするマッピングステップ;
を有し、
前記マッピングステップでは、制御情報に含まれる制御チャネルに使用される無線リソース量を示す情報を最初のOFDMシンボルに多重する。