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JP4747336B2 - 可変構造セミアクティブ免震システム - Google Patents

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JP4747336B2 JP2005102494A JP2005102494A JP4747336B2 JP 4747336 B2 JP4747336 B2 JP 4747336B2 JP 2005102494 A JP2005102494 A JP 2005102494A JP 2005102494 A JP2005102494 A JP 2005102494A JP 4747336 B2 JP4747336 B2 JP 4747336B2
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Description

本発明は、免震構造物に設けられた可変減衰ダンパの減衰力を制御することにより、地震時における上部構造の応答を低減化させる可変構造セミアクティブ免震システムに関するものである。
近年、地震に対して構造物の安全性を確保するために、当該構造物の基礎部分や中間階に積層ゴムや滑り支承による免震装置を介装して、地震等によって地盤から構造物に伝播しようとする振動を緩和させて、構造物の躯体に生じる応力や変形を少なくするとともに、さらに上下部構造間に、粘弾性ダンパやオイルダンパー等の減衰ダンパを介装して、上記振動を積極的に減衰させる各種のパッシブ免震システムが適用されている。
しかしながら、このようなパッシブ免震システムにおいては、減衰ダンパにおける減衰力が一定であるために、様々なレベルの地震動に対して上記構造物の下部あるいは上部に生じる変位、速度あるいは加速度といった応答を最適に制御することができない。
そこで、上記減衰ダンパとして、その減衰力が可変な可変減衰ダンパを用いるとともに、速度センサによって上記可変減衰ダンパーの速度を計測し、得られた検出信号からコンピュータにより最適制御理論などに基づいて最適化した制御力指令値Uを求めて、上記可変減衰ダンパで実現可能な減衰係数値C等を選択して当該可変減衰ダンパを制御するセミアクティブ免震システムが開発されている。
ところで、このようなセミアクティブ免震システムにおいては、地震規模が小さい場合には、可変減衰ダンパの減衰力を小さく設定することにより、高い免震効果を発揮させることができる反面、免震構造物における変位は大きくなる。他方、地震規模が大きい場合に、可変減衰ダンパの減衰力を大きく設定すれば、免震効果は小さくなるものの、上記変位を小さくすることができる。
さらに、特に高層免震建物においては、振動数が高い領域において、その2次以上の高次振動モードによって上部の加速度が大きくなる場合がある。
このため、上記セミアクティブ免震システムにおいては、可変減衰ダンパ自体が奏する制振効果とともに、上記特性を勘案して、構造物に生じる加速度が全体として小さくなるようなきめ細かな制御を行うことが重要となる。
しかしながら、上述した従来のセミアクティブ免震システムにあっては、先ず最適制御理論に基づいて制御力指令値Uを求め、当該指令値Uに基づいて可変減衰ダンパにおける実現可能な減衰係数値C等を選択する方法を採っているために、制御性能のロバスト性が悪いという問題点があった。
このような問題点を解決する可変減衰ダンパ等の制御理論として、下記非特許文献1に開示されているような、双線形最適制御理論が定式化されている。
この双線形最適制御理論によれば、上述した構造物の応答検出信号から、直接可変減衰ダンパにおける減衰係数を最適化することができ、よって上記最適制御理論を用いたシステムの制御性能を大幅に改善することができるという利点がある。
しかしながら、上記双線形最適制御理論を用いた免震システムにおいても、構造物および可変減衰ダンパをモデル化する際に生じる誤差により、制御性能のロバスト性が低下してしまうという問題点を有している。
また、いずれの制御理論によっても、可変減衰ダンパに対する減衰力設定値と、当該可変減衰ダンパで実際に発生する減衰力との間に生じる遅れが無視されることになるために、高い精度で上記可変減衰ダンパの最適な減衰力を制御することが難しいという問題点がある。
「吉田和夫、藤尾忠洋、双線形最適制御理論とセミアクティブ免震への応用」、日本機械学会論文集(C編)、67巻656号、2001.4.第96〜102頁
この発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、可変減衰ダンパにおける遅れも考慮することができるとともに、さらに制御対象となる構造物や可変減衰ダンパのモデル化誤差に対する制御性能のロバスト性も一段と高めることができる可変構造セミアクティブ免震システムを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、上下部構造物間に免震装置が介装された免震構造物の上記上部構造と上記下部構造との間に設けられた可変減衰ダンパと、地震時における上記上部構造および下部構造の応答を検出するセンサと、このセンサからの検出信号に基づいて上記可変減衰ダンパへの指令信号を演算・出力するコンピュータを備えた制御手段と、この制御手段から出力された上記指令信号により上記可変減衰ダンパによる減衰力を切り換える切換手段とを備えた可変構造セミアクティブ免震システムにおいて、上記コンピュータが、上記免震構造物自体の状態方程式に、上記可変減衰ダンパの減衰係数設定値とダンパ速度との積で規定される減衰力設定値と上記可変減衰ダンパで実際に発生する減衰力との一次遅れ系の関係式であって、かつ時定数を一定と近似した関係式を連成させた、全体システムの状態方程式に対して双線形最適制御理論を適用して求めた制御則を切換え超平面として設定し、上記切換え超平面に基づいて上記可変減衰ダンパの減衰係数を切り換えて上記上部構造物の応答変形および/または応答加速度を制御する可変構造制御法を採用して上記指令信号を出力することを特徴とするものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の上記コンピュータが、予め上記免震構造物の低応答値および高応答値並びに上記低応答値よりも低い制御開始を判断する応答値が設定されており、上記センサからの上記検出信号が上記制御開始を判断する応答値未満である場合に上記減衰力を最大値に設定し、上記制御開始を判断する応答値を超えて上記低応答値未満である場合に上記減衰力を最小値に設定し、上記検出信号が上記低応答値を超えた以降は、上記高応答値以下の範囲である場合に、上記演算を実行し、上記高応答値を超えた場合に上記減衰力を最大値に設定することを特徴とするものである。
さらに、請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の上記可変減衰ダンパが、上記減衰力が低減衰力と高減衰力との2段階に可変であることを特徴とするものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の上記コンピュータが、上記上部構造と下部構造との相対速度または上記可変減衰ダンパの応答速度が規定値以下である場合に、上記指令信号を更新しない、すなわち減衰力を切り換えないことを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の発明において、上記可変減衰ダンパが、内部に流体が充填された圧力室を有するシリンダと、このシリンダ内に移動自在に設けられて上記圧力室を2室に仕切るピストンと、このピストンと一体化されて上記シリンダから延出するロッドと、上記2室間を連通させる連通経路とを備えた流体圧ダンパであり、かつ上記切換手段が、上記連通経路に配設されて当該連通経路を開閉させることにより上記減衰力を切り換える電磁弁であるとともに、上記制御手段が、上記電磁弁に供給される駆動電流値を検出する検出手段と、この検出手段により検出された電流値が異常か否かを判定する判定手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の判定手段が、上記電磁弁を駆動する上記指令信号に対する上記駆動電流値がしきい未満の場合、および上記電磁弁の駆動を停止する上記指令信号に対する上記駆動電流値がしきい値以上の場合に上記異常と判断する判断手段と、この判断手段が異常と判断した上記電磁弁の駆動電流を遮断する電流遮断手段とを備えることを特徴とするものである。
請求項1〜のいずれかに記載の発明においては、制御対象となる免震構造物の状態方程式に、さらに可変減衰ダンパの減衰力設定値と可変減衰ダンパで実際に発生する減衰力との関係式を連成させた全体システムの状態方程式に対して、双線形最適制御理論を適用しているので、減衰係数の切り換えに対する実際の可変減衰ダンパにおける遅れも考慮した制御を行うことができる。
加えて、上記双線形最適制御理論を適用して設定した切換え超平面に基づいて、上記可変減衰ダンパの減衰係数を切り換えるスライディングモード制御法等の可変構造制御法を採用しているために、モデル化に際して生じる誤差を補償してロバスト性を一段と高めることが可能になる。
この際に、上記減衰力設定値と可変減衰ダンパで実際に発生する減衰力の関係式として、一次遅れ系を用いるとともに、当該関係式における時定数を一定と近似すれば、双線形最適制御理論を適用して切換え超平面を設定する演算を行うに際して、上記関係式を連成した全体システムの状態方程式の取り扱いが容易となる。
また、通常の風や周辺環境から伝わる一時的な小振動等に起因して免震構造物に小さな振動が生じた場合には、上記可変減衰ダンパに対する細かな制御を行う必要が無く、他方大地震時に極端に大きな振動が作用した場合には、上記制御を行っても、得られた所望の減衰係数が可変減衰ダンパにおいて調整可能な最大値を超えてしまうことになる。
そこで、請求項に記載の発明においては、予め上記免震構造物の低応答値と高応答値並びに制御開始を判断する応答値を設定しておき、上記制御開始を判断する応答値未満である場合に上記減衰力を最大値に固定し、上記制御開始を判断する応答値を超えて上記低応答値未満である場合に上記減衰力を最小値に固定し、上記低応答値を超えた以後は、上記高応答値以下の範囲である場合にのみ制御を行い、上記高応答値を超えた場合は上記減衰力を最大値に固定して、無用な制御を回避するようにしたものである。
さらに、本発明者等の解析および実験によれば、可変減衰ダンパの減衰力を2段階に切り換え可能とするのみで、十分に細かな制御を実現することが可能であり、それ以上の複数段に切り換えても制御性能に大幅な向上が見られないことが判明している。そこで、請求項に記載の発明のように、可変減衰ダンパとして、上記減衰力が2段階切り換えのものを用いれば、構造が簡易になるとともに、コンピュータにおける演算・制御が容易になる。
また、上記免震構造物においては、平常時においても、周囲から伝搬する微振動によって、可変減衰ダンパに小さな速度の動きが生じる。例えば、上記可変減衰ダンパとして、オイルダンパーを用いた場合には、上記微振動により例えば0.1kine程度の速度の動きが常時生じてしまう。このような場合には、上記免震システムとしての制御を行うことが必要でないために、請求項に記載の発明のように、上下部構造間の相対速度あるいは可変減衰ダンパの応答速度が規定値以下、例えば1kine以下であるような場合には、当該可変減衰ダンパに対する上記制御を行わないことが好ましい。
さらに、請求項に記載の発明によれば、上記可変減衰ダンパとして、オイルダンパ等の流体圧ダンパを用いた場合に、減衰力の切換手段となる電磁弁の駆動電流値の判定手段を設ければ、どの電磁弁が異常か否かを監視することができ、よって制御時のシステムの信頼性を高められるとともに、メンテナンス作業の手間を大幅に緩和することができる。
この際に、請求項に記載の発明のように、上記判定手段として、予め電磁弁に供給される駆動電流値のしきい値を設定しておき、当該しきい値と指令信号に対する実際の駆動電流値とを対比することにより、容易かつ正確に上記電磁弁の異常を判断することが可能になる。
図1〜図18は、本発明の可変構造セミアクティブ免震システム(以下、単に免震システムとも称す。)の一実施形態を示すものである。
図1〜図3に示すように、この免震システムは、基礎(下部構造)1と建物(上部構造)2との間に、積層ゴム支承による免震装置3が介装された免震構造物を対象とするものであり、基礎1と建物2との間に設けられた可変減衰オイルダンパ(可変減衰ダンパ)4および減衰係数固定型オイルダンパ4´と、基礎1、免震層の建物2側および建物2の頂部に設けられて地震時における加速度を検出するセンサ5a、5b、5cおよび変位センサ5dと、これらセンサ5a、5b、5c、5dからの検出信号に基づいてオイルダンパ4への指令信号を演算・出力する制御手段6と、この制御手段6から出力された指令信号によりオイルダンパ4の減衰力を切り換える電磁弁7とから概略構成されている。
ここで、制御手段6は、上記演算を行うとともにその結果を指令信号として出力するコンピュータ8を有する制御回路12と、この制御回路12からの指令信号に基づいて電磁弁7へ駆動電流を供給する電源回路9とを備えている。
さらに、この電源回路9には、制御回路12から出力された指令信号により励磁されてオン状態に切り替わるリレー10と、リレー10から供給される駆動電流を測定して電流の変化を検出する交流電流センサ(検出手段)11とを有している。ここで、リレー10としては、例えば半導体を用いた無接点なソリッドステートリレー(SSR)などが用いられている。
交流電流センサ11は、電磁弁に供給される駆動電流値を検出するためのものであり、その検出信号が制御手段6に出力されるようになっている。他方、制御手段6のコンピュータ8には、交流電流センサ11によって検出された電磁弁7に供給される電流値が異常値か否かを判定する制御プログラム(判定手段)が格納されている。
また、可変減衰オイルダンパ4は、図4〜図6に示すように、内部の圧力室15に作動油が充填されたシリンダ16と、シリンダ16の他端から圧力室15に挿入されたピストン17と、一端がピストン17に結合されたピストンロッド18と、ピストン17を貫通する液通路19に設けられ圧力室15の右室15bから左室15aへの作動油の流れのみを許容する逆止弁20と、作動油が充填された補助タンク21と、補助タンク21と圧力室15との間を連通する連通経路22とから概略構成されており、連通経路22に交流電流で駆動する上記電磁弁7が配設されている。この電磁弁7は、電源回路9から供給される交流の駆動電流がオンになると開弁し、駆動電流がオフになると閉弁する構成である。
そして、ピストンロッド18のXa方向の端部は、回動可能な継ぎ手23を介して建物2に連結されている。また、シリンダ16のXb方向の端部は、回動可能な継ぎ手24を介して基礎1に連結されている。この結果、オイルダンパ4は、基礎1に地震による振動が伝播されると、シリンダ16とピストン17との間で伸縮動作が行われて振動を減衰させる減衰力を発生させることにより、建物2に伝播される振動エネルギを減少させるようになっている。
また、補助タンク21の内部は、作動油が貯留される油層と空気層が形成されたリザーバ室21aになっており、連通経路22は、シリンダ16内に形成された筒状空間からなり、圧力室15の外周に形成されている。この圧力室15の右室15bは、吸込弁25を介して連通経路22に連通されており、ピストン17がXa方向に移動する過程で吸込弁25が開弁することにより、シリンダ15から押し出されたピストンロッド18の体積分の作動油が補助タンク21から連通経路22を介して右室15bに供給される。また、ピストン17がXb方向に移動する過程では、吸込弁25が閉弁し、逆止弁20が開弁することにより、右室15bの作動油がXb方向に押し込まれたピストンロッド18の体積分液通路19を通過して左室15aへ流入するようになっている。
さらに、圧力室15の図中左方には、左室15aに連通された通路26を開閉する第1の調圧弁27と、左室15aに連通された通路28を開閉する複数(本実施例では、4個)の上記電磁弁7および複数(本実施例では、2個)の第2の調圧弁29と、連通経路22に連通された複数(本実施例では、5個)のリリーフ弁30とが配設されている。
ここで、第1の調圧弁27、第2の調圧弁29およびリリーフ弁30は、例えば、弁体をコイルバネにより付勢する構成であり、コイルバネのバネ定数を任意の値に選択することにより、開弁圧力を任意の値に設定することができる。リリーフ弁30は、第1の調圧弁27よりも開弁圧力が高くなるようにバネ定数が設定されており、ピストン速度が所定以上に高くなったときに開弁するように設定されている。
また、電磁弁7と第2の調圧弁29は、通路28に直列に配置されており、電磁弁7が開弁したときに第2の調圧弁29に作動油の圧力が作用するように構成されている。
ピストン17がXa方向に移動する動作過程では、逆止弁20が閉弁しており、シリンダ16から押し出されたピストンロッド18の体積分の作動油が左室15aから第1の調圧弁27および連通経路22を介して補助タンク21へ吐出される。この場合、作動油が第1の調圧弁27を通過する過程で抵抗が付与されて減衰力が発生する。さらに、ピストン17の速度が加速された場合には、複数のリリーフ弁30が開弁して左室15aから吐出された作動油を連通経路22へ逃がすようになっている。
また、制御回路12からの指示により電磁弁7に駆動電流が供給されて電磁弁7が開弁しているときは、第2の調圧弁29および連通経路22を介して補助タンク21へ吐出されるようになっている。
ここで、以上の構成からなるオイルダンパ4におけるピストン動作に伴う減衰力の減衰特性について説明する。
図7はピストン速度に対する減衰係数の変化を示すグラフである。図7中、グラフIは、ピストン速度が比較的小さい段階で減衰力が発生するように減衰係数を変化させた場合を示しており、グラフIIはピストン速度が比較的大きい段階で減衰力が発生するように減衰係数を変化させた場合を示している。すなわち、このオイルダンパ4では、後述するように基礎1から入力された振動の加速度が比較的小さく、振幅が大きい場合には、グラフIで示すような減衰特性を有し、基礎1から入力された振動の加速度及び振幅が大きい場合には、グラフIIで示すような減衰特性を有する。
そして、このオイルダンパ4においては、上記グラフI、IIの勾配の差違から減衰係数がC1H、C2H、C1L、C2Lの4種類に設定されている。そして、制御回路12のコンピュータ8は、後述するように加速度センサ5a、5b、5cから出力された検出信号に基づいて建物2の振動を抑制するための減衰力を求め、図7に示すグラフI、IIに示す減衰力に対応する減衰係数が得られるように電磁弁7を開弁または閉弁させる。
すなわち、電磁弁7を閉弁させた状態では、第1の調圧弁27が開弁し、電磁弁7を開弁させた状態では、第1の調圧弁27および第2の調圧弁29が開弁して減衰係数を切り替える。
図8に示されるように、減衰係数C1Hの状態では、第1の調圧弁27が開弁しており、図中実線矢印で示すように、左室15aからリザーバ室21aへ流出される作動油が、第1の調圧弁27の開弁によって絞られることになり、図7に示されるC1H領域の減衰力が発生される。この際に、作動油の圧力が上昇すると、さらにリリーフ弁30が開弁することにより、図中点線矢印で示すように作動油が流れ、減衰係数C2H領域の減衰力が発生される。
これに対して、図9に示されるように、電磁弁7を開弁させると、第1の調圧弁27および電磁弁7、第2の調圧弁29が開弁し、図中実線矢印で示すように、左室15aからリザーバ室21aへ流出される作動油が、第1の調圧弁27および第2の調圧弁29の開弁によって絞られることになり、図7に示されるC1L領域の減衰力が発生される。また、同様にこの状態から、さらに作動油の圧力が上昇すると、リリーフ弁30が開弁することにより、図中点線矢印で示すように作動油が流れ、減衰係数C2L領域の減衰力が発生される。
そこで次に、このようなオイルダンパ4における減衰力の切換を行わせるために、上記コンピュータ8において実行する制御方法について説明する。
(1)オイルダンパ4の減衰係数設定値cとダンパ速度の積で規定される減衰力設定値と可変減衰ダンパで実際に発生する減衰力fの下記関係式の設定
Figure 0004747336
上記関係式は、実験的な方法またはMaxwellモデルに基づく近似により設定することができる。
先ず、図10に示すMaxwellモデルに基づいて、1次遅れ系に基づく減衰力設定値とダンパ減衰力との関係式を評価すると、
Figure 0004747336

この(3)式は,ダンパのピストン全体の速度と減衰係数の積からなる減衰力設定値に対して,実際に発生するダンパ減衰力fが1次遅れとなる関係を表している。また、時定数Tは、減衰係数に依存している。
この時定数Tを、CH=36.75kN・s/cmとCL=12.25kN・s/cmの2値に減衰係数が切換え可能な最大減衰力980kNの実大可変減衰ダンパでは、Maxwell部ばね定数の実測結果(k=294kN/cm)に対応した時定数は,以下の通りである。
CH=36.75kN・s/cm : T=0.125sec
CL=12.25kN・s/cm : T=0.042sec
なお、上記オイルダンパ4においては、変位制御三角波加振により時定数が図11に示す通り実測されている。
上記Maxwellモデルに基づいて評価した時定数は、図11に示した実測結果に比べて若干小さめであるが、減衰係数が大きいほど時定数が大きい実測結果の傾向を良く表している。
そこで、本実施形態においては、時定数Tが一定と近似して、
Figure 0004747336

により双線形の状態方程式を作成する方法について定式化する。ここで、上記時定数Tとしては、CHとCLとに対応した時定数の平均値を使う方法や、最大値を使う方法を採用することができる。
(2)全体システムの状態方程式の作成
次に、(1)において得られた関係式を免震構造物自体の状態方程式に連成させた全体システムの状態方程式を作成する。
先ず、Maxwellモデルでモデル化したm台の減衰係数固定型オイルダンパ4´を備えた免震構造物を、x、y各方向を1台の可変減衰オイルダンパ4で制御する場合の状態方程式は、
Figure 0004747336
ここで、
Figure 0004747336
なお、以下の定式化は、可変減衰オイルダンパ4を各方向1台であると想定しているが、可変減衰オイルダンパ4の台数については、Fの自由度を増やすことによって全く同様に定式化することができる。
次いで、可変減衰オイルダンパ部を,減衰力の時間遅れを一定と近似する(4)式でモデル化すると、
Figure 0004747336
そこで、(5)式と(6)式とから、オイルダンパ4における実際の遅れを考慮した全体システムの状態方程式を作成すると、下記(7)式になる。
Figure 0004747336
さらに、地震動の加速度は、白色雑音wを入力とする成形フィルタによって生成される有色雑音であると仮定する。ここで、成形フィルタとして、下記のバンドパス特性を有する伝達関数を想定すると、
Figure 0004747336
ちなみに、図12は、成形フィルタの諸元としてω=100、ζ=0.707、ω=0.1、ζ=0.6と設定した場合の伝達関数を示すものである。
次いで、(8)式の伝達関数を状態方程式に書き直すと、
Figure 0004747336
x、y両方向に対して、例えば同じ成形フィルタを設定すると、
Figure 0004747336
ここで、w(t)は、スカラーの白色雑音として以下のような性質を持つ。ただし、E(*)は数学的期待値を、δ(*)はDiracのDelta関数を表す。
E[w(t)]=0、 E[w(t)w(τ)]=w(t)δ(t−τ)
そして、(7)式および(9)式から、外乱を包含した拡大系の全体システムの状態方程式を設定すると以下の通りとなる。
Figure 0004747336
(10)式が、可変減衰オイルダンパ4の減衰係数設定値とダンパ速度の積で規定される減衰力設定値と当該可変減衰オイルダンパ4で実際に発生する減衰力の関係式と、制御対象となる上記免震構造物自体の状態方程式とを連成させた全体システムの状態方程式である。
(3)可変構造制御の切り換え超平面の設定
次に、(11)式で示す全体システムの状態方程式に対して、先ず双線形最適制御理論を適用して双線形最適制御則を計算する。
例えば前記非特許文献1に記載されているように、上記双線形最適制御理論は、(11)式の右辺第二項[X]uに見られるように,制御入力uと状態量[X]とが積の形で存在する、いわゆる双線形システムに分類されるシステムに対する制御理論である。
したがって、可変減衰オイルダンパ4を制御する場合、可変減衰オイルダンパ4の減衰係数と速度が積の形で状態方程式中に現れる双線形システムになるため、本理論は効果を発揮する。
なお、通常の最適制御理論は,下式に示す線形システムに適用される。
Figure 0004747336
したがって、最適制御理論を適用して可変減衰ダンパの減衰係数を決定する場合は、上述したように、先ず可変減衰ダンパが発生する減衰力として制御入力uの最適制御則を計算し、次にダンパ速度で制御入力を割り算して減衰係数の指令値を評価する必要がある。
これに対して、双線形最適制御理論では、(11)式から直接制御入力、すなわち減衰係数の最適制御則が計算できる利点がある。これにより、制御性能の向上は勿論のこと、減衰係数の切換りが滑らかになるなどの効果が期待できる。
上記双線形最適制御理論では、下式に示す評価関数を導入する。
Figure 0004747336

ここで,Qは状態量に関する重み係数マトリックス、Rは[X]u、すなわち可変減衰オイルダンパ4の減衰力に対する重み係数行列であり、E(*)は数学的期待値を表すものである。
(11)式のシステムに対して、制御区間[0、T]において、
Figure 0004747336

となるような双線形最適制御則Sを求める。
このような最適制御問題は、例えばダイナミックプログラミングの手法を用いて解くことができる。境界条件を考慮に入れHamilton-Jacobi-Bellman方程式に代入すると、求める超平面は、
Figure 0004747336

ただし、Pは以下のRicatti方程式の解である。
Figure 0004747336
(4)可変構造制御の設定
(11)式について、(14)式のSを得て制御を行うには、上記免震システム全体の状態量を使用して計算する必要がある。このため、免震構造物の全個所にわたってセンサを設置して、多次元にわたる膨大な量の演算を行う必要があり、コンピュータ8の負荷の問題等から現実的ではない。
このため、先ず、低次元化モデルを用いた可変構造制御を行う。
免震構造物部分のみを(5)式から複素モードを考慮して低次元化し、可変減衰オイルダンパ4の遅れを考慮したシステム全体の状態方程式を作成する。
(5)式から次式の複素固有値問題を解く。
Figure 0004747336

Φは複素モード行列、Rは共役な複素固有値を持つ2行2列の対角行列であり、rは実固有値を持つm行m列の対角行列である。
ここで、複素モード行列の要素は,以下の通りである。
Figure 0004747336

ここで、σとτは実数ベクトル、i=(―1)1/2である。
そして、次式の変換行列を定義し、(5)式に対して座標変換を行うと、複素モードを実数化することができる。
Figure 0004747336

ここで、A=T−1AT、B=T−1B、E=T−1Eである。
次に、実数モードを除外して実数化された複素モードをr次元まで抽出して低次元化すると、
Figure 0004747336
上式から、可変減衰オイルダンパ4の遅れを考慮した低次元化したシステム全体の状態方程式を設定すると、
Figure 0004747336
次いで、(14)式で評価した全体モデルに対する双線形最適制御則に対して(20)式の変換行列から制御対象モードに対する変換行列Tを抽出して作成した下記の変換行列Hを用いて、(24)式で表される低次元化モデルに対する双線形最適制御則を計算する。
Figure 0004747336

はTから制御対象モードのモードベクトルを抽出した変換行列であり、IとIは単位行列である。
なお、低次元化モデルの状態量qは、カルマンフィルターなどのオブザーバを用いて推定することができる。例えば、外乱包含拡大系の全体状態方程式である(11)式の観測状態量をYとすると、出力方程式は以下の通り記述することが出来る。
=C (27)
ここで、(27)式の出力方程式に、(26)式で用いた変換行列Hを適用すると、低次元化した状態方程式に対する出力方程式が求められる。
=C (28)
ただし、C=CHである。
したがって、(23)式の状態方程式および(28)式の出力方程式の組み合わせに対して、免震システムの検知個所やその数を設定してオブザーバーを構成すればよいことになる。
このような低次元化モデルでの可変構造制御は、(26)式を切換え超平面として、等価制御入力を設定する。
Figure 0004747336
非線形制御入力は、切換面からの偏差を抑制する働きがあるが、制御対象の状態が切換面近傍に近付いた時に制御が高速で切換えられる、いわゆるチャタリングを起こす可能性がある。そのため、(30)式では、δとδという定数を導入して、チャタリングを除去するために制御入力の平滑化を行っている。
(29)式と(30)式とにより、建物2の加速度を低減化させるべくシステムに与えるべき制御入力uは、
Figure 0004747336

により計算される。
この結果、CHとCLとの2値切換え式の可変減衰オイルダンパ4を用いた場合の可変構造制御の切換え制御則は、(31)式から以下のように決定される。
Figure 0004747336

コンピュータ8は、可変減衰オイルダンパ4におけるx方向とy方向の減衰係数切換え基準値が、それぞれcSX、cSYであるとすると、X方向についての減衰係数cがこれ以下となった場合には、制御すべき減衰係数cとしてCLを設定し、切り換え指令信号を発する。また、逆に上記減衰係数cがcSXを超えた場合には、制御すべき減衰係数cとしてCHを設定し、切り換え指令信号を発する。
また、Y方向についても同様に、減衰係数cがcSY以下となった場合には、制御すべき減衰係数cとしてCLを設定し、切り換え指令信号を発する。他方、上記減衰係数cがcSYを超えた場合には、制御すべき減衰係数cとしてCHを設定して切り換え指令信号を発する。
さらに、この免震システムにおいては、予めコンピュータ8に、当該免震構造物における低応答値Aminおよび高応答値Amax並びに低応答値Aminよりも低い制御開始を判断する応答値Ainiが設定されており、センサ5a、5b、5cからの検出信号が制御開始を判断する応答値Aini未満である場合に減衰力c、cを最大値CHに設定し、制御開始を判断する応答値Ainiを超えて低応答値Amin未満である場合に減衰力c、cを最小値CLに設定するようになっている。
そして、上記検出信号が、低応答値Aminを初めて超えた以降は、高応答値Amax以下の範囲である場合に、上記演算を実行し、高応答値Amaxを超えた場合に減衰力c、cを最大値CHに設定するようになっている。
加えて、平常時のノイズに対して制御手段12が応答しないように、コンピュータ8は、基礎1のセンサ5aと建物2下部のセンサ5bとによって得られる上下部構造間の相対速度または可変減衰オイルダンパ4の応答速度が規定値以下である場合に、上記減衰力の切換えを行わないように設定されている。
このようにして、コンピュータ8から可変減衰オイルダンパ4に対する減衰係数切換の指令信号が発せられ、電源回路9から供給される交流の駆動電流がオンになると電磁弁7が開弁し、駆動電流がオフになると電磁弁7が閉弁することになる。
この際に、この免震システムにおいては、交流電流センサ11によって電磁弁7に供給される交流電流を測定し、検出された電流値が異常値か否かにより電磁弁7の作動状態が正常か異常かがコンピュータ8に格納された制御プログラム(判定手段)によって判定されるようになっている。
図13は、駆動電流の波形の一例を示す波形図である。図13中、グラフIaは電磁弁7に供給される交流電流の波形を示し、グラフIbは交流電流を平均化した駆動電流の実効値を示すものである。
図13に示すように、交流電流センサ11により測定された電磁弁7の駆動電流Iaは、制御回路12において、波形整形及び平均化される。制御回路12は、平均化した波形に基づいて電磁弁の異常の有無を判定する。本実施形態における平均化処理では、任意の周期の1サイクルに亘る二乗平均平方根の実効値(RMS:Root mean square value)Ibを求める。
図14は制御回路12が電磁弁7を開弁させて減衰係数を切り替えたときの駆動電流の波形を示す図である。
図14に示すように、制御回路12が減衰係数指令をCH(C1HまたはC2H)からCL(C1LまたはC2L)に切り替えたときは、瞬間的に大きな起動電流aが流れ、電磁弁7が開弁動作し、その後安定し、規定保持電流bが流れ続ける。例えば、電磁弁7で異物の挟み込みなどにより動作が途中で止まった場合は、起動電流と保持電流との間の電流値が流れ続ける。そして、制御回路12では、減数係数指令をCH(C1HまたはC2H)からCL(C1LまたはC2L)に切り替えたときから保持電流bになるまでの時間をdTとし、微小電流をIとし、dTとIをしきい値として異常判定処理を行う。
図15は制御回路12が電磁弁7を閉弁させて減衰係数を切り替えたときの駆動電流の波形を示す図である。
図15に示すように、制御回路12が減衰係数指令をCL(C1LまたはC2L)からCH(C1HまたはC2H)に切り替えたときは、電流が0Aに低下することになる。そして、制御回路12では、減衰係数指令をCL(C1LまたはC2L)からCH(C1HまたはC2H)に切り替えたときから、保持電流bから微小電流をIになるまでの時間をdTとし、微小電流をIとし、dTとIをしきい値として異常判定処理を行う。
なお、上記dTとIのしきい値を小さくした場合、誤検出となる可能性が高くなり、dTとIのしきい値を大きくした場合、電磁弁7の異常を検出できないおそれが生じる。そのため、本実施形態では、dTを切り替えたときから規定保持電流になるまでの時間の2倍程度に設定し、Iを規定保持電流の1/5程度に設定する。
ここで、制御回路12が実行する制御処理について図16〜図18を参照して説明する。
図16に示されるように、制御回路12は、S11において、制御中か否かを確認する。S11で制御中でないときは、S12に進み、定期点検時刻かどうかをチェックする。
S12で定期点検時刻になると、S13に進み、指定された電磁弁7に開指令を出力する。これにより、当該電磁弁7は開弁動作を行う。次のS14では、電磁弁開異常判定処理を実行する。
S15では、電磁弁開異常判定処理の判定結果が正常かどうかをチェックする。S15において、電磁弁開異常判定処理の判定結果が正常である場合は、S16に進み、電磁弁7に閉指令を出力する。これにより、当該電磁弁7は閉弁動作を行う。次のS17では、電磁弁閉異常判定処理を実行する。
S18では、電磁弁閉異常判定処理の判定結果が正常かどうかをチェックする。S18において、電磁弁開異常判定処理の判定結果が正常である場合は、S19に進み、次に異常判定を行う電磁弁7を指定する。そして、上記S11に戻る。
また、上記S15及びS18で判定結果が異常である場合には、S20に進み、当該電磁弁7の異常内容を記憶する。これにより、多数配置された電磁弁7のうちどの電磁弁7でどのような異常(開弁不良あるいは閉弁不良か)が容易に分かる。
上記S11において、制御中であるときは、S21に進み、減衰係数指令値がCHからCLに切り替わったかどうかをチェックする。S21において、減衰係数指令値がCHからCLに切り替わった場合には、S22に進み、上記S14と同様に電磁弁開異常判定処理を実行する。
また、上記S21において、減衰係数指令値がCHからCLに切り替わっていない場合には、S23に進み、減衰係数指令値がCLからCHに切り替わったかどうかをチェックする。S23において、減衰係数指令値がCLからCHに切り替わった場合には、S24に進み、上記S17と同様に電磁弁閉異常判定処理を実行する。
そして、S25に進み、S22またはS24において、電磁弁閉異常判定処理の判定結果が正常かどうかをチェックする。S25において、電磁弁開異常判定処理の判定結果が正常である場合は、S26に進み、次に異常判定を行う電磁弁7を指定する。そして、上記S11に戻る。
しかし、S25において、電磁弁開異常判定処理の判定結果が異常である場合は、S20に進み、当該電磁弁7の異常内容を記憶する。これにより、多数配置された電磁弁7のうちどの電磁弁7でどのような異常(開弁不良あるいは閉弁不良か)が容易に分かる。よって、制御回路12は、どの電磁弁7で異常があるか否かを監視することが可能になる。そのため、メンテナンス作業の手間を大幅に緩和することが可能になると共に、電磁弁7の異常発生を判定した場合には、直ちに異常のある電磁弁7を修理することが可能になる。
ここで、上記S14及びS22で実行された電磁弁開異常判定処理について説明する。
図17に示されるように、制御回路50は、電磁弁開異常判定処理が開始されると、S31において、交流電流センサ11により電磁弁7に供給される駆動電流を計測する。次のS32では、dT時間(しきい値)以内に電磁弁7の駆動電流がIアンペア以上となるかどうかをチェックする。S32において、dT時間以内に電磁弁7の駆動電流がIアンペア以上となったときは、S33に進み、判定結果を正常とする。また、S32において、dT時間以内に電磁弁7の駆動電流がIアンペア以上とならなかったときは、S34に進み、判定結果を異常とする。
このように、電磁弁開異常判定処理では、図14に示すように、減数係数指令をCH(C1HまたはC2H)からCL(C1LまたはC2L)に切り替えたときから保持電流bになるまでの時間をdTとし、微小電流をIとし、dTとIをしきい値として異常判定処理を行うため、電磁弁7の開弁動作不良の有無を正確に判定することができる。
ここで、上記S17及びS24で実行された電磁弁閉異常判定処理について説明する。
図18に示されるように、制御回路12は、電磁弁閉異常判定処理が開始されると、S41において、交流電流センサ11により電磁弁7に供給される駆動電流を計測する。次のS42では、dT時間(しきい値)以内に電磁弁7の駆動電流がIアンペア未満となるかどうかをチェックする。S42において、dT時間以内に電磁弁7の駆動電流がIアンペア未満となったときは、S43に進み、判定結果を正常とする。また、S42において、dT時間以内に電流がIアンペア未満とならなかったときは、S44に進み、判定結果を異常とする。
このように、電磁弁閉異常判定処理では、図15に示すように、減数係数指令をCL(C1LまたはC2L)からCH(C1HまたはC2H)に切り替えたときから、保持電流bから微小電流をIになるまでの時間をdTとし、微小電流をIとし、dTとIをしきい値として異常判定処理を行うため、電磁弁7の閉弁動作不良の有無を正確に判定することができる。よって、制御回路12は、多数の電磁弁7を作動させてどの電磁弁7で異常があるか否かを監視することが可能になる。そのため、メンテナンス作業の手間を大幅に緩和することが可能になると共に、電磁弁7の異常発生を判定した場合には、直ちに制御を停止させてシステムの安全性を高めることができ、また異常のある電磁弁7を修理することが可能になる。
(実施例)
本発明の可変構造セミアクティブ免震システムの効果を実証するために、図19および図20に示すような、地上部が13階建ての高層棟と、5階建ての低層棟からなる免震構造物に、本発明に係る可変構造セミアクティブ免震システムを適用した場合についての解析を行った。
この可変構造セミアクティブ免震システムにおいては、図20に示すように、x方向とy方向の両方向に対して、可変減衰オイルダンパを5台、減衰係数固定型オイルダンパ(パッシブオイルダンパ)を5台設置することとした。
また、高層棟頂部のx、y方向加速度、低層棟頂部のx、y方向加速度、免震層下部のx、y方向入力加速度、免震層のx,y方向相対変位を観測状態量として使用し、カルマンフィルターにより前記(24)式の低次元化モデルの状態量を推定した。なお、本実施例においては、免震構造物の低次5モードの応答を制御対象とした。
図22は、上記パッシブダンパと可変減衰オイルダンパのそれぞれの減衰力特性を示すものである。図22に示すように、可変減衰オイルダンパとしては、減衰係数が2段階に切換え可能な可変減衰ダンパを使用した。
また、図23に示すように、本実施例においても、上記実施形態において図2示したシステム構成と同様の構成を使用した。
図24は、免震構造物の解析モデルを示すものである。低層棟各質点については層間のせん断ばねを考慮してx、y、θの3自由度を、免震層についてもx、y、θの3自由度を、高層棟各質点については層間のせん断ばねと曲げまねの効果を考慮して、x、y、θ、θY、θの5自由度を設定して解析モデルを作成した。解析モデルの固有値解析結果を表1に示す。
Figure 0004747336
次いで、静的縮合を行い、最終的に、低層棟、免震層、高層棟の全ての質点についてx、y、θの3自由度を持つ制御設計用解析モデルを作成した。
次いで、0.1Hzから10Hzまでフラットな特性を持つホワイトノイズを地震動の入力加速度として用いて、可変減衰オイルダンパを制御する場合、全てのオイルダンパをパッシブダンパにした場合、可変減衰オイルダンパの減衰係数をCL(cmin)に固定した場合、およびCH(cmax)に固定した場合について、制御性能を比較した。ここで、可変減衰オイルダンパの減衰係数の減衰係数切換え基準値は、
SX=cSY=25.0kN・s/cmとした。
図25の(a)、(c)は、それぞれ免震層におけるx方向およびy方向の変形と地震動の入力加速度に対する伝達関数を示すものであり、図25(b)、(d)は、それぞれ高層棟の頂部におけるx方向およびy方向の加速度と地震動の入力加速度に対する伝達関数を示すものである。
図25に示す伝達関数の比較から、免震層の変形については、制御時の応答はパッシブの応答とほぼ同等であることがわかる。他方、高層棟頂部の加速度伝達率については、1次モードに対応する0.2Hz付近では、制御時はパッシブとほぼ同等であるが、2次モードのx方向における2Hz付近、y方向における1Hzを越えた付近の加速度伝達率は、それぞれ制御時の結果が一番小さくなっている。
この結果、制御によって免震層の変形をパッシブとほぼ同等に保ちつつ、建物頂部の応答加速度を低減する効果が得られることがわかる。
次に、地震動として、1968年八戸波NS方向加速度記録を、最大速度25kineに基準化して作用させた場合の制御時の応答解析結果と、全てのオイルダンパをパッシブダンパにした場合の制御性能を時刻歴応答解析により比較した。
図26は、上記解析結果を示すものであり、(a)は免震層の応答変形を、(b)は高層棟頂部の応答加速度を、(c)は可変減衰ダンパの減衰力をパッシブと比較して示したものである。なお、同図(d)は、この際の可変減衰オイルダンパの減衰係数の切換え状況を示すものである。
図26に示す時刻歴応答解析の結果から、制御時の免震層の応答変形は、パッシブとほぼ同等であるのに対して、高層棟頂部の応答加速度は、パッシブに比べて30%程度低減されていることから、地震時における免震構造物全体としての加速度を効果的に低減化し得ることが判る。
本発明に係る可変構造セミアクティブ免震システムの一実施形態を示す全体の概略構成図である。 上記免震システムのブロック図である。 図2の電源回路部分を詳細に示すブロック図である。 図1の可変減衰オイルダンパの構成を示す縦断面図である。 図4のV―V線視断面図である。 図4のVI―VI線視断面図である。 上記可変減衰オイルダンパのピストン速度に対する減衰係数の変化を示すグラフである。 上記減衰係数をCHとする場合の各弁の開閉状態を示す系統図である。 上記減衰係数をCLとする場合の各弁の開閉状態を示す系統図である。 可変減衰オイルダンパのMaxwellモデルを示す図である。 加減減衰オイルダンパの減衰係数の切換え時間遅れの実測値を示すグラフである。 成形フィルタのバンドパス特性を示すグラフである。 上記可変減衰オイルダンパの電磁弁への駆動電流の変化を示す波形図である。 減衰係数をCHからCLに切り換えた際の駆動電流の変化を示す波形図である。 減衰係数をCLからCHに切り換えた際の駆動電流の変化を示す波形図である。 制御回路が実行する制御処理を示すフローチャートである。 電磁弁開の異常判定処理を示すフローチャートである。 電磁弁閉の異常判定処理を示すフローチャートである。 本実施例において解析対象とした免震構造物を示す縦断面図である。 図19のダンパ配置を示す平面図である。 本実施例に使用した可変減衰オイルダンパのピストン速度と減衰力との関係を示すグラフである。 本実施例に使用したオイルダンパの特性を示す図表である。 本実施例のシステム構成図である。 本実施例の免震構造物の解析モデルを示す図である。 本実施例におけるホワイトノイズ加振時の伝達関数の解析結果を示すグラフである。 本実施例における時刻歴応答解析の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 基礎(下部構造)
2 建物(上部構造)
3 免震装置
4 可変減衰オイルダンパ(可変減衰ダンパ)
5a、5b、5c、5d センサ
6 制御手段
7 電磁弁(切換手段)
8 コンピュータ
9 電源回路
11 交流電流センサ
12 制御回路

Claims (6)

  1. 上下部構造物間に免震装置が介装された免震構造物の上記上部構造と上記下部構造との間に設けられた可変減衰ダンパと、地震時における上記上部構造および下部構造の応答を検出するセンサと、このセンサからの検出信号に基づいて上記可変減衰ダンパへの指令信号を演算・出力するコンピュータを備えた制御手段と、この制御手段から出力された上記指令信号により上記可変減衰ダンパによる減衰力を切り換える切換手段とを備えた可変構造セミアクティブ免震システムにおいて、
    上記コンピュータは、上記免震構造物自体の状態方程式に、上記可変減衰ダンパの減衰係数設定値とダンパ速度との積で規定される減衰力設定値と上記可変減衰ダンパで実際に発生する減衰力との一次遅れ系の関係式であって、かつ時定数を一定と近似した関係式を連成させた、全体システムの状態方程式に対して双線形最適制御理論を適用して求めた制御則を切換え超平面として設定し、上記切換え超平面に基づいて上記可変減衰ダンパの減衰係数を切り換えて上記上部構造物の応答変形および/または応答加速度を制御する可変構造制御法を採用して上記指令信号を出力することを特徴とする可変構造セミアクティブ免震システム。
  2. 上記コンピュータは、予め上記免震構造物の低応答値および高応答値並びに上記低応答値よりも低い制御開始を判断する応答値が設定されており、上記センサからの上記検出信号が上記制御開始を判断する応答値未満である場合に上記減衰力を最大値に設定し、上記制御開始を判断する応答値を超えて上記低応答値未満である場合に上記減衰力を最小値に設定し、上記検出信号が上記低応答値を超えた以降は、上記高応答値以下の範囲である場合に、上記演算を実行し、上記高応答値を超えた場合に上記減衰力を最大値に設定することを特徴とする請求項1に記載の可変構造セミアクティブ免震システム。
  3. 可変減衰ダンパは、上記減衰力が低減衰力と高減衰力との2段階に可変であることを特徴とする請求項1または2に記載の可変構造セミアクティブ免震システム。
  4. 上記コンピュータは、上記上部構造と下部構造との相対速度または上記可変減衰ダンパの応答速度が規定値以下である場合に、上記指令信号を更新しないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の可変構造セミアクティブ免震システム。
  5. 上記可変減衰ダンパは、内部に流体が充填された圧力室を有するシリンダと、このシリンダ内に移動自在に設けられて上記圧力室を2室に仕切るピストンと、このピストンと一体化されて上記シリンダから延出するロッドと、上記2室間を連通させる連通経路とを備えた流体圧ダンパであり、かつ上記切換手段は、上記連通経路に配設されて当該連通経路を開閉させることにより上記減衰力を切り換える電磁弁であるとともに、
    上記制御手段は、上記電磁弁に供給される駆動電流値を検出する検出手段と、この検出手段により検出された電流値が異常か否かを判定する判定手段を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の可変構造セミアクティブ免震システム。
  6. 上記判定手段は、上記電磁弁を駆動する上記指令信号に対する上記駆動電流値がしきい値未満の場合、および上記電磁弁の駆動を停止する上記指令信号に対する上記駆動電流値がしきい値以上の場合に上記異常と判断する判断手段と、この判断手段が異常と判断した上記電磁弁の駆動電流を遮断する電流遮断手段とを備えることを特徴とする請求項に記載の可変構造セミアクティブ免震システム。
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