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JP4745332B2 - エレベータ用調速機 - Google Patents

エレベータ用調速機 Download PDF

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Description

この発明は、かごの移動に伴って回転される調速機綱車を有するエレベータ用調速機に関するものである。
従来のエレベータ用調速機では、かごの速度が所定の過速度に達したことを検出するために、調速機綱車の回転による遠心力によりフライウェイトが回動されるようになっていることがある。調速機綱車は、かごの速度に応じて回転されるようになっている。調速機綱車を支持する基台には、かご停止用スイッチが設けられている。フライウェイトの外端部には、かご停止用スイッチを作動させるための作動爪が設けられている。かごの速度が所定の過速度に達したときには、かご停止用スイッチのスイッチレバーが作動爪に操作されることにより、かご停止用スイッチが作動される。これにより、エレベータの駆動装置の電源が遮断され、駆動装置のブレーキ装置によりかごが停止される(特許文献1参照)。
特開2002−370879号公報
しかし、このような従来のエレベータ用調速機では、作動爪がスイッチレバーの位置を通過する機会は、調速機綱車が一回転する間に1度しかない。従って、かごの速度が所定の過速度に達したとしても、作動爪からみてスイッチレバーの位置が遠い場合には、作動爪がスイッチレバーの位置に達するまでに時間がかかり、かご停止用スイッチを即座に作動させることができない。このことから、かご停止用スイッチが作動するまでに、かごの速度が所定の過速度を超えてしまうおそれがある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、かごの速度が所定の過速度に達したことをより正確に検出することができるエレベータ用調速機を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータ用調速機は、基台に回転自在に支持され、かごの移動に応じて回転される調速機綱車、調速機綱車と同軸に設けられ、かつ基台に回転自在に支持された摩擦車、調速機綱車に回動可能に設けられ、調速機綱車の回転による遠心力により回動されるフライウェイト、調速機綱車に回動可能に設けられ、フライウェイトの回動により回動される接触子トリップレバー、調速機綱車に回動可能に設けられ、通常は接触子トリップレバーと係合し、かごの速度が所定の過速度に達したときに、接触子トリップレバーとの係合が外れて摩擦車に接触することにより、調速機綱車と同方向へ摩擦車を回転させる接触子、摩擦車に設けられ、摩擦車と一体に回転される係合部材、及び通常は係合部材と係合し、摩擦車が回転されたときに係合部材により操作されるスイッチレバーを有し、スイッチレバーの操作により作動されるかご停止用スイッチを備えている。
この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。 図1の調速機を示す正面図である。 図2の接触子が摩擦車に接触した直後の調速機を示す正面図である。 図2のかご停止用スイッチが作動されたときの調速機を示す正面図である。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。図において、昇降路1の上部には、機械室2が設けられている。機械室2内には、駆動装置(巻上機)3が設置されている。駆動装置3は、駆動綱車3aを有している。駆動綱車3aには、複数本(図では、簡単のために1本としている)の主索4が巻き掛けられている。昇降路1内には、かご5及び釣合おもり6が主索4により吊り下げられている。かご5及び釣合おもり6は、駆動装置3の駆動力により昇降路1内を昇降される。また、昇降路1内には、一対のかごガイドレール7と、一対の釣合おもりガイドレール(図示せず)とが設置されている。かご5は、かごガイドレール7に案内されて昇降路1内を昇降される。釣合おもり6は、釣合おもりガイドレールに案内されて昇降路1内を昇降される。
かご5には、かご5の移動を強制的に停止するための一対の非常止め装置8と、各非常止め装置8に接続されたリンク機構9とが搭載されている。機械室2内には、かご5の過速度を検出して各非常止め装置8を動作させる調速機10が設けられている。なお、調速機10は、昇降路1内に設けてもよい。
昇降路1内の下部には、回転自在の張り車11が設けられている。調速機10及び張り車11には、リンク機構9に接続された調速機ロープ12が巻き掛けられている。調速機ロープ12は、かご5の昇降に伴って循環移動される。
図2は、図1の調速機10を示す正面図である。図において、機械室2内に固定された基台13には、水平に延びる綱車軸14を中心に回転自在な調速機綱車15が支持されている。調速機ロープ12は、調速機綱車15に巻き掛けられている。調速機綱車15の側面には、ピン16を中心に回動可能な一対のフライウェイト17が設けられている。各フライウェイト17は、リンク部材18を介して互いに連結されている。
各フライウェイト17は、調速機綱車15の回転による遠心力により回動される。一方のフライウェイト17の端部と調速機綱車15との間には、遠心力に対抗する平衡ばね42が設けられている。
調速機綱車15には、ピン16に平行な軸19を中心に回動可能な係合爪トリップレバー20が設けられている。一方のフライウェイト17には、係合爪トリップレバー20の一部が当接されている。係合爪トリップレバー20は、一方のフライウェイト17の回動により軸19を中心として回動される。軸19には、係合爪トリップレバー20を一方のフライウェイト17に当接させる方向へ付勢する捻りばね21が設けられている。
基台13には、綱車軸14を中心に回転可能なラチェット22が支持されている。ラチェット22の外周部には、複数の歯が設けられている。一方のピン16には、係合爪トリップレバー20及びラチェット22のいずれか一方と選択的に係合する係合爪23が軸支されている。係合爪23は、引きばね24によりラチェット22に係合する方向へ付勢されている。係合爪23は、通常は係合爪トリップレバー20と係合してラチェット22から開離されているが、係合爪トリップレバー20との係合が外れると、引きばね24のばね力により回動され、ラチェット22に係合するようになっている。
調速機綱車15には、ピン16に平行な軸25を中心に回動可能な接触子トリップレバー26が設けられている。他方のフライウェイト17には、接触子トリップレバー26の一部が当接されている。接触子トリップレバー26は、他方のフライウェイト17の回動により軸25を中心として回動される。軸25には、接触子トリップレバー26を他方のフライウェイト17に当接させる方向へ付勢する捻りばね27が設けられている。
基台13には、綱車軸14を中心に回転可能な摩擦車28が支持されている。摩擦車28は、綱車軸14の軸線方向について、ラチェット22の調速機綱車15側と反対側に配置されている。即ち、綱車軸14の軸線方向について、調速機綱車15と摩擦車28との間にラチェット22が配置されている。また、摩擦車28の外周部は、耐摩耗性の高摩擦材により構成されている。
調速機綱車15には、他方のピン16を中心に回動可能な接触子29が設けられている。接触子29は、高摩擦材により構成された接触面29aを有している。接触子29は、接触面29aが摩擦車28の外周部に接触する接触位置(図3)と、接触子トリップレバー26と係合されて接触面29aが摩擦車28から開離される開離位置(図2)との間で回動可能になっている。
接触子29は、引きばね30により接触面29aが摩擦車28に接触する方向、即ち接触位置に近づく方向へ付勢されている。接触子29は、通常は接触子トリップレバー26と係合して摩擦車28から開離されているが、接触子トリップレバー26との係合が外れると、引きばね30のばね力により回動され、摩擦車28の外周部に接触するようになっている。また、接触子29と接触子トリップレバー26との係合が外れるときの他方のフライウェイト17の回動量は、係合爪23と係合爪トリップレバー20との係合が外れるときの一方のフライウェイト17の回動量よりも小さく設定されている。
摩擦車28には、摩擦車28から径方向外側へ延びる係合部材31が設けられている。これにより、係合部材31は摩擦車28と一体に回転される。係合部材31の外側端部には、凹部32が設けられている。
基台13には、駆動装置3への給電を停止し、駆動装置3のブレーキ装置(図示せず)を動作させるためのかご停止用スイッチ33が設けられている。かご停止用スイッチ33は、スイッチ本体34と、スイッチ本体34に回動可能に設けられたスイッチレバー35とを有している。かご停止用スイッチ33は、スイッチレバー35が操作されることにより作動される。
スイッチレバー35は、通常は係合部材31と係合し、摩擦車28が回転されたときに係合部材31により操作されるようになっている。また、スイッチレバー35は、その先端部が凹部32に挿入されることにより、摩擦車28の周方向について係合部材31と係合されるようになっている。
基台13には、アーム36が回動自在に設けられている。アーム36の中間部には、調速機ロープ12に押し付けられるシュー37が回動自在に設けられている。アーム36の先端部36aには、ばね軸38が貫通されている。ばね軸38の一端部とラチェット22との間には、接続レバー39が接続されている。ばね軸38の他端部には、ばね受け部材40が設けられている。アーム36の先端部36aとばね受け部材40との間には、シュー37を調速機ロープ12に押し付けるための押圧ばね41が設けられている。
次に、動作について説明する。図3は、図2の接触子29が摩擦車28に接触した直後の調速機10を示す正面図である。また、図4は、図2のかご停止用スイッチ33が作動されたときの調速機10を示す正面図である。かご5の昇降速度が所定の第1過速度(通常は定格速度の1.3倍程度)に達すると、遠心力による各フライウェイト17の回動によって、接触子29と接触子トリップレバー26との係合が外れる。これにより、接触子29が引きばね30のばね力で接触位置へ回動され、図3に示すように、接触面29aが摩擦車28の外周部に接触する。これにより、図4に示すように、摩擦車28が調速機綱車15と同方向へ回転され、スイッチレバー35が係合部材31により操作される。これにより、かご停止用スイッチ33が作動し、駆動装置3への給電が停止され、駆動装置3のブレーキ装置によりかご5の移動が停止される。
また、例えば主索4が破断した場合など、駆動装置3が停止しても、かご5が停止することなく下降し続け、かごの速度が第2過速度(通常は定格速度の1.4倍程度)に達すると、調速機綱車15の回転による遠心力により各フライウェイト17がさらに回動し、係合爪23と係合爪トリップレバー20との係合が外れる。これにより、係合爪23が引きばね24のばね力で回動されてラチェット22の歯に係合する。これにより、ラチェット22が調速機綱車15とともに僅かに回転される。
この後、ラチェット22の回転は、接続レバー39、ばね軸38、ばね受け部材40及び押圧ばね41を介してアーム36に伝達され、アーム36が調速機綱車15に近づく方向へ回動される。これにより、シュー37が調速機ロープ12に当接し、押圧ばね41によりシュー37が調速機ロープ12に押し付けられる。これにより、調速機ロープ12が調速機綱車15とシュー37との間で拘束され、調速機ロープ12の移動が制動される。調速機ロープ12の循環が停止されると、かご5が移動し続けることにより、リンク機構9が操作され、非常止め装置8が動作する。
このような調速機10では、かご5が所定の過速度に達したときに、接触子29が摩擦車28の外周部に接触して摩擦車28が回転されるようになっており、摩擦車28の回転により、かご停止用スイッチ33のスイッチレバー35が操作されるようになっているので、フライウェイト17のスイッチレバー35に対する位置にかかわらず、かご5が所定の過速度に達したときに、かご停止用スイッチ33を即座に作動させることができる。これにより、かご5の速度が所定の過速度に達したことをより正確に検出することができる。従って、かご停止用スイッチ33の作動の遅れの防止を図ることができ、駆動装置3への給電の停止、及び駆動装置3のブレーキ装置の動作をより瞬時に行うことができる。
また、摩擦車28に設けられた係合部材31には、凹部32が設けられており、スイッチレバー35は、凹部32に挿入されることにより、摩擦車28の周方向について係合部材31と係合されるようになっているので、摩擦車28の回転方向に関係なくスイッチレバー35を操作することができる。これにより、かご5が下降されている場合だけでなく、かご5が上昇されている場合であっても、かご5の速度が所定の過速度に達したことをより正確に検出することができる。



Claims (2)

  1. 基台に回転自在に支持され、かごの移動に応じて回転される調速機綱車、
    上記調速機綱車と同軸に設けられ、かつ上記基台に回転自在に支持された摩擦車、
    上記調速機綱車に回動可能に設けられ、上記調速機綱車の回転による遠心力により回動されるフライウェイト、
    上記調速機綱車に回動可能に設けられ、上記フライウェイトの回動により回動される接触子トリップレバー、
    上記調速機綱車に回動可能に設けられ、通常は上記接触子トリップレバーと係合し、上記かごの速度が所定の過速度に達したときに、上記接触子トリップレバーとの係合が外れて上記摩擦車に接触することにより、上記調速機綱車と同方向へ上記摩擦車を回転させる接触子、
    上記摩擦車に設けられ、上記摩擦車と一体に回転される係合部材、及び
    通常は上記係合部材と係合し、上記摩擦車が回転されたときに上記係合部材により操作されるスイッチレバーを有し、上記スイッチレバーの操作により作動されるかご停止用スイッチ
    を備えていることを特徴とするエレベータ用調速機。
  2. 上記係合部材には、凹部が設けられており、
    上記スイッチレバーは、上記凹部に挿入されることにより、上記摩擦車の周方向について上記係合部材と係合されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用調速機。
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