JP4744043B2 - Air-fuel ratio sensor element - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の内燃機関における空気と燃料の比率を制御するための空燃比センサ素子に関するものであり、具体的には発熱体とセンサ部が一体化されてなり、製造歩留りの高い発熱体を一体化した空燃比センサ素子に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、自動車等の内燃機関においては、排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御することにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、HC、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0003】
この検出素子として、主として酸素イオン導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解質からなり、一端が封止された円筒型基体の外面および内面にそれぞれ一対の電極層が形成された固体電解質型の酸素センサ素子が用いられている。
【0004】
このような酸素センサにおいて、一般に、空気と燃料の比率が1付近の制御に用いられる、いわゆる理論空燃比センサ素子(λセンサ)では、外側の測定電極の表面に保護層となる多孔質層が設けられており、所定温度で円筒型基体両側に発生する酸素濃度差を検出し、エンジン吸気系の空燃比の制御が行われている。
【0005】
一方、広範囲の空燃比を制御するために用いられている、いわゆる広域空燃比センサ素子(A/Fセンサ)は、測定電極の表面に微細な細孔を有するガス拡散律速層となるセラミック多孔質層を設け、固体電解質からなる基体に一対の電極に通じて印加電圧を加え、その際得られる限界電流値を測定して空燃比を直接制御するものである。
【0006】
上記広域空燃比センサ素子はガス拡散孔を有し、検出ガスはこのガス拡散孔を通して、前記拡散律速層を経由して測定電極に導かれる。また、素子の外表面におけるガス拡散孔の周りはその付近に設けられる電極の保護、および発生熱応力の緩和のために主にスピネルからなり厚みが30〜150μmの保護層が設けられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記スピネルなどからなる保護層を溶射等によって形成するときに、前記センサ素子の長軸方向に対して、前記ガス拡散孔が垂直方向に備えられている場合、ガス拡散孔内に溶射材料が浸入し、拡散律速層表面に付着し、検出ガスの導入が妨げられ、ポンピング電流が低下、およびばらつくという問題があった。
【0008】
これを避けるために、溶射前にガス拡散孔に異物を詰め、溶射後に異物を取り除くなどの方法が考えられたが、作業工程が増加するために時間を要し、また溶射材料を取り除く際に拡散律速層を傷つけ、ポンピング電流がばらつくという問題があった。
【0009】
従って、本発明は、上記拡散律速層にガス拡散孔を介してスピネルなどの保護層を形成するセラミック材料が付着することを防ぎ、ばらつき等が無く安定したポンピング電流が得られる、製造歩留りの高い空燃比センサ素子を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題について検討した結果、固体電解質基体の内面および外面の互いに対向する位置に基準電極と測定電極からなる電極対を形成してなるセンシング部と、前記測定電極の外面に空間部を介して配設された固体電解質層と、前記固体電解質層に形成されたガス拡散孔と、前記空間部内における前記拡散孔の周囲に形成された多孔質筒体と、前記固体電解質層の外表面におけるガス拡散孔の周囲に形成されたセラミック保護層とを具備してなる空燃比センサ素子において、前記ガス拡散孔における前記固体電解質層の外面側の内径が0.2mm以上であるとともに、前記多孔質筒体の内径よりも小さく、かつ当該多孔質筒体の内径との差が0.2mm以上であることによって、上記の問題が解決され、目的の素子を歩留まりよく製造できることを見出し本発明に至った。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の空燃比センサ素子の基本構造一例を図1の概略斜視図、図2に示す図1の空燃比センサ素子におけるX−X断面図をもとに説明する。
【0013】
図1乃至2の空燃比センサ素子1によれば、酸素イオン導電性を有するセラミックスからなる、固体電解質の円筒型基体2(以下、円筒管2という。)を具備しており、その内面および外面の互いに対向する位置には、センサ素子を構成するための第1の電極対が形成されている。具体的には、円筒管2の内面に、空気などの基準ガスと接触される基準電極3が形成され、また円筒管2の基準電極3と対向する外面には、排気ガスなどの被測定ガスと接触する測定電極4が形成されており、センシング部を形成している。
【0014】
そして、この測定電極4の上面には、空間部5を介して、酸素イオン導電性を有する固体電解質層8が形成されており、この固体電解質層8の空間部5側の内面と、それに対向する固体電解質層8の空間部5の外面にはポンピング電極として内側電極9と外側電極10からなる第2の電極対が形成されており、ポンピング部を形成している。
【0015】
また、ポンピング部を形成している第2の電極対9、10を具備する固体電解質層8には、被測定ガスとなる排気ガスを取りこむための小さなガス拡散孔11が形成されている。
【0016】
また、空間部5内には、ガス拡散孔11を経由して空間部5内に導入された被測定ガスの拡散を律速させるために、多孔質筒体16が設けられている。
【0017】
そして、センサ素子の外表面には、被測定ガスと接触する3つの電極4、9、10が被毒することを防止する、センサ素子自体の耐熱性を高める、センサ素子を保温するなどの目的のために、溶射などによって形成されたセラミック溶射層34が形成されている。
【0018】
本発明によれば、ガス拡散孔11における固体電解質層8の外面側の内径xが多孔質筒体16の内径yよりも小さいことが重要であり、これにより、セラミック溶射層34を形成する場合に、溶射材料が前記多孔質筒体16の内面に付着することを防ぐことができる結果、多孔質筒体16による拡散律速性を阻害することがなく、安定したポンピング電流を得ることができる。
【0019】
なお、このガス拡散孔11における固体電解質層8の外面側の内径xは、0.2mm以上、特に0.3mm以上、さらには0.5mm以上であることが望ましい。このガス拡散孔11の内径が0.2mmよりも小さいと、溶射材料によってガス拡散孔11が詰まりやすくなるためである。
【0020】
特に、ガス拡散孔11における固体電解質層8の外面側の内径xと、多孔質筒体16の内径yとの差y−xが0.2mm以上、特に0.3mm以上であることが効果的である。
【0021】
この多孔質筒体16の材質としては、上記の固体電解質材料と同じ材料が用いられる他、アルミナ、スピネル等が用いられる。なお、この多孔質筒体16は、ガス拡散孔11を通過した排気ガスが、直接、測定電極4や内側電極9に触れないようにする保護する機能も併せ持っている。
【0022】
本発明において用いられるセラミック固体電解質は、ZrO2を含有するセラミックスからなり、安定化剤として、Y2O3およびYb2O3、Sc2O3、Sm2O3、Nd2O3、Dy2O3等の希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用いられている。
【0023】
さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrO2に対して、Al2O3やSiO2を添加含有させることができるが、多量に含有させると、高温におけるクリープ特性が悪くなることから、Al2O3およびSiO2の添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下であることが望ましい。
【0024】
一方、発熱体6を埋設するセラミック絶縁層7としては、アルミナ、スピネル、フォルステライト、ジルコニア、ガラス等のセラミック材料が好適に用いられる。さらに、セラミック絶縁層7としてガラス絶縁層にはガラスを用いることができるが、この場合は耐熱性の観点から、BaO、PbO、SrO、CaO、CdOのうちの少なくとも1種を5重量%以上含有するガラスであり、特に結晶化ガラスであることが望ましい。
【0025】
また、このセラミック絶縁層7は、相対密度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミックスによって構成されていることが望ましい。これは、セラミック絶縁層7が緻密質であることにより絶縁層の強度が高くなる結果、酸素センサ素子自体の機械的な強度を高めることができるためである。
【0026】
また、上記セラミック絶縁層7の内部に埋設される発熱体6としては、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる1種の金属、または2種以上の合金からなることが望ましく、特に、セラミック絶縁層7との同時焼結性の点で、そのセラミック絶縁層7の焼成温度よりも融点の高い金属または合金を選択することが望ましい。
【0027】
また、発熱体6中には上記の金属の他に焼結防止とセラミック絶縁層7との接着力を高める観点からアルミナ、スピネル、アルミナ/シリカの化合物、フォルステライトあるいは上述の電解質となり得るジルコニア等を体積比率で10〜80%、特に30〜50%の範囲で混合することが望ましい。
【0028】
空間部5を閉塞する固体電解質層8は、空間部5を覆うように、セラミック絶縁層7表面に形成されている。この固体電解質層8は、円筒管2と同様に、酸素イオン導電性を有する前記円筒管2を構成する固体電解質と同様な材質によって構成される。特に、この固体電解質層8は、円筒管2を構成する固体電解質と同一の材質からなることが望ましい。
【0029】
また、セラミック絶縁層7の外表面に形成された固体電解質層8は、発熱体6からの熱の放散を防止する。また、セラミック絶縁層7の上下面に同様の固体電解質が形成されることになる結果、固体電解質からなる円筒管2とセラミック絶縁層7間の熱膨張差や焼成収縮差等に起因する応力を緩和させ、熱応力をできる限り小さくする作用もなす。
【0030】
なお、発熱体6は、円筒管2や空間部5上部の固体電解質層8および第2の電極対9、10に対して直接接することなく、セラミック絶縁層7内に埋設されていることが必要であって、発熱体6と円筒管2および固体電解質層8との間のセラミック絶縁層7の厚みは少なくとも2μm以上、好ましくは5μm以上であることが望ましい。
【0031】
空間部5の形状としては、特に限定するものではないが、円筒管2の外面に形成する上で、円筒管2の長手方向の長さが長い長方形状あるいは楕円形状であることが好ましいが、空間部5が長方形状の場合は、その角部は緩やかな曲面によって形成することによって空間部5の角部への熱応力の集中を緩和することができる。また、空間部の高さとしては10〜50μm、特に20〜30μmが優れる。
【0032】
また、第1の電極対3、4、第2の電極対9、10を形成する各電極は、いずれも白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種、または2種以上の合金、特に白金が好適に用いられる。また、センサ動作時の電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる金属粒子と固体電解質とガスとの、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、上述の円筒管2または固体電解質層8を構成する固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極中に混合することが望ましい。
【0033】
なお、第1の電極3、4のうち、円筒管2の内面に形成される基準電極3は、測定電極4の前記空間部5に露出する部分に対向する内面部分に形成されていればよく、測定電極4の露出部面積よりも大きい面積、例えば、円筒管2の内面全面に形成されていてもよい。
【0034】
センサ素子の外表面に形成されるセラミック溶射層34は、ジルコニア、アルミナ、マグネシアおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種からなる開気孔率が10〜40%の多孔質体からなり、その厚みは10〜200μm、特に50〜150μmであることが好適である。
【0035】
さらには、空間部5内には、上記の電極4、9、10を保護する役目と、空間部5の強度を高めるために、多孔質筒体16よりも気孔率の大きい多孔質体を充填することも可能である。
【0036】
さらに、図1、図2の空燃比センサ素子においては、A/Fセンサについて説明したが、固体電解質層8の内外表面に電極9、10を形成しない以外は、全く同じ構造とすることも可能である。
【0037】
次に、本発明の空燃比センサ素子の製造方法について、図1、2の空燃比センサ素子の製造方法を例にして、図3をもとに説明する。
(1)まず、図3に示すように、円筒管2を形成するために、一端が封止された中空の円筒管素体20を作製する。この円筒管素体20は、ジルコニア等の酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加して押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製される。
(2)そして、図3のように上記固体電解質からなる円筒管素体20の内面に、基準電極3となる電極パターン21を例えば、白金を含有する導電性ペーストを円筒管素体20内部に充填して排出して内面全面に塗布形成する。このようにしてセンサ素体Aを作製する。
(3)次に、図3に示すように、円筒管20を形成する固体電解質のスラリーを用いてグリーンシート22を形成し、このグリーンシート22の測定電極4を形成しない領域に、アルミナなどの絶縁性スラリーを塗布して絶縁層23aを形成した後、リードパターンを含む発熱体パターン25を印刷形成し、再度、絶縁性スラリーを塗布形成して絶縁層23bを形成して発熱体パターン25を絶縁層23a、23b内に埋設させる。そして、その絶縁層23a、23bを形成していない開口26を含む絶縁層23b表面にグリーンシート22を形成した固体電解質スラリーを塗布して開口26内に固体電解質体27を充填する。
【0038】
そして、固体電解質体27の表面に測定電極パターン28を形成し、さらに多孔質筒体29をセラミックスラリー塗布や、予め成形した円筒体を配置する等によって形成する。このときの円筒体の内径は、焼成後の内径が後述するガス拡散孔よりも大きくなるように設計されている。このようにしてヒータ素体Bを形成する。
【0039】
さらに、固体電解質グリーンシート33にガス導入孔32を形成した後、その両面にポンピング用の電極パターン30、31を印刷塗布してポンピング素体Cを形成する。このときのグリーシート33に形成したガス導入孔の32の半径は焼成後に前記円筒体29の内径より小さくなるようにし、かつ0.2mm以上になるようにする。
【0040】
そして、これらヒータ素体B、ポンピング素体Cをセンサ素体Aの表面に、上記のようにして作製した積層体のグリーンシート22側をセンサ素体Aの表面に巻き付け処理した後、同時焼成することによって形成することができる。
【0041】
焼成は、例えば、固体電解質としてジルコニア、セラミック絶縁層としてアルミナを用いた場合には、アルゴンガス等の不活性雰囲気中あるいは大気中で1300〜1700℃で1〜10時間程度焼成すればよい。
【0042】
なお、上記の製造方法では、固体電解質グリーンシート22の表面にスラリー塗布によって発熱体パターン25を埋設したセラミック絶縁層23a、23bを形成したが、固体電解質グリーンシート22を用いることなく、セラミック絶縁層23a、23bをグリーンシートの積層体によって形成することも可能である。
【0043】
また、上記の製造方法においては、開口26内に固体電解質体27を充填形成する際に、セラミック絶縁層23bの表面まで被覆したが、開口26のみでも問題はない。
【0044】
以上のようにして作製したセンサ素子A本体の外表面に、溶射法によって、ジルコニア、アルミナ、マグネシアおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種からなるセラミック材料を10〜200μmの厚みで被覆することによって本発明の空燃比センサ素子を形成することができる。
【0045】
【実施例】
まず、5モル%Y2O3含有のジルコニア粉末にポリビニルアルコール溶液を添加してスラリーを作製し、押出成形により焼結後、外径が約4mm、内径が1mmになるように一端が封じた円筒管素体を作製し、この成形体の内部全面に白金ペーストを塗布して基準電極を形成してセンサ素体Aを作製した。
【0046】
また、5モル%Y2O3含有のジルコニア粉末にアクリル系バインダーとトルエン溶液を加えてスラリーを作製し、ドクターブレード法により厚みが約200μmのジルコニアグリーンシートを作製した。
【0047】
その後、このジルコニアグリーンシートの測定電極を形成しない領域表面に、アルミナ粉末を含むスラリーをスクリーン印刷で焼成後に約10μmの厚みになるように塗布後、白金ペーストを用いて焼成後の厚みが10μmの発熱体パターンを印刷形成し、再度、発熱体パターンが埋設されるように上記アルミナのスラリーを塗布し、ジルコニアグリーンシートの表面に発熱体を埋設したアルミナ絶縁層を形成した。
【0048】
そして、ジルコニアグリーンシートのアルミナ絶縁層を形成していない電極形成領域に、5モル%Y2O3含有のジルコニア粉末のスラリーを塗布、充填した後、その表面に、測定電極として前記電極ペーストを塗布形成した。
【0049】
なお、測定電極および基準電極の厚みは焼成後に約10μmとなるように調整した。
【0050】
次に、上記と同様にして作製した別のジルコニアグリーンシートの両面に、内側電極、外側電極のポンピング電極対およびリード線を形成した後、片方の電極表面に拡散律速を行う多孔質筒体となる8モル%Y2O3含有のジルコニア粉末を厚み30μmとなるように形成した。多孔質筒体の内径は表1が示す大きさとした。なお、内側電極と外側電極は実質的に同じ面積とした。また、このあとにガス拡散孔を多孔質筒体の中心と一致するようにドリルにて開けた。ガス拡散孔の内径は表1に示す。
【0051】
そして、上記のセンサ素体Aの表面に、上記ヒータ素体Bおよびポンピング素体Cを順次を巻き付けて円筒状積層体を作製した。なお、巻き付けにあたって素体間の接合には接着材としてアクリル系バインダを用いた。その後、この円筒状積層体を1500℃、大気中で2時間焼成して、センサ素子をそれぞれ50個づつ完成させた。
【0052】
作製した空燃比センサ素子の評価は、大気中800℃でポンピング部の電極間に0.5Vを印加して空間内の酸素を大気中に汲み出し、ポンピング電流が4mA〜5mAを示す素子を良品としてその割合(良品率)を調べた。
【0053】
【表1】
【0054】
表1より、本発明であるガス拡散孔の内径が拡散律速を担う多孔質筒体の内径より小さい試料No.4、5、7、9、10、12、13、15、17では良品率が80%を超えることがわかる。これに対して、試料No.1、2、3、6、8、11、14、16ではガス拡散孔の内径が多孔質筒体の内径と同じであるために、溶射時に溶射粉が多孔質筒体の内壁に付着し、被測定ガスの導入を妨げ、ポンピング電流が低下し、良品率が低下した。
【0055】
以上詳述した通り、本発明の空燃比センサ素子によれば、安定したポンピング電流が得られ、良好な空燃比センサ素子を歩留まりよく提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空燃比センサ素子の一例を説明するための概略斜視図である。
【図2】図1の空燃比センサ素子におけるX−X縦断面図である。
【図3】本発明の空燃比センサ素子の製造方法を説明するための図であって、センサ素体を作製する工程を示す図である。
【符号の説明】
1は空燃比センサ素子、2は円筒管、3は基準電極、4は測定電極、5は空間部6は発熱体、7はセラミック絶縁層、8は固体電解質層、9は内側電極、10は外側電極、11はガス拡散孔、12はリード電極、13は端子電極、16は多孔質筒体、34はセラミック溶射層をそれぞれ示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an air-fuel ratio sensor element for controlling the ratio of air and fuel in an internal combustion engine such as an automobile. Specifically, the heating element and the sensor unit are integrated to generate heat with a high manufacturing yield. The present invention relates to an air-fuel ratio sensor element integrated with a body.
[0002]
[Prior art]
Currently, in an internal combustion engine such as an automobile, by detecting the oxygen concentration in the exhaust gas and controlling the amount of air and fuel supplied to the internal combustion engine based on the detected value, harmful substances from the internal combustion engine, For example, a method of reducing CO, HC, and NOx is adopted.
[0003]
This detection element is made of a solid electrolyte mainly composed of zirconia having oxygen ion conductivity, and a solid electrolyte type in which a pair of electrode layers are respectively formed on the outer surface and the inner surface of a cylindrical base body sealed at one end. An oxygen sensor element is used.
[0004]
In such an oxygen sensor, in general, in a so-called theoretical air-fuel ratio sensor element (λ sensor) used for controlling the ratio of air to fuel near 1, a porous layer serving as a protective layer is formed on the surface of the outer measurement electrode. An air-fuel ratio of the engine intake system is controlled by detecting a difference in oxygen concentration generated on both sides of the cylindrical base body at a predetermined temperature.
[0005]
On the other hand, a so-called wide-range air-fuel ratio sensor element (A / F sensor) used to control a wide range of air-fuel ratio is a ceramic porous material that becomes a gas diffusion-controlling layer having fine pores on the surface of a measurement electrode. A layer is provided, an applied voltage is applied to a substrate made of a solid electrolyte through a pair of electrodes, and a limit current value obtained at that time is measured to directly control the air-fuel ratio.
[0006]
The wide-area air-fuel ratio sensor element has a gas diffusion hole, and the detection gas is guided through the gas diffusion hole to the measurement electrode via the diffusion-controlling layer. Further, around the gas diffusion hole on the outer surface of the element, a protective layer made of spinel and having a thickness of 30 to 150 μm is provided for the protection of the electrode provided in the vicinity thereof and the relaxation of the generated thermal stress.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the protective layer made of the spinel or the like is formed by thermal spraying or the like, and the gas diffusion hole is provided in a direction perpendicular to the major axis direction of the sensor element, the thermal spray material is contained in the gas diffusion hole. Intruded and adhered to the surface of the diffusion-controlling layer, and the introduction of the detection gas was hindered, and the pumping current was lowered and varied.
[0008]
In order to avoid this, methods such as filling the gas diffusion holes before spraying and removing foreign materials after spraying have been considered, but it takes time to increase the work process, and when removing the spray material There was a problem that the diffusion control layer was damaged and the pumping current varied.
[0009]
Therefore, the present invention prevents the ceramic material forming a protective layer such as spinel from adhering to the diffusion rate-determining layer through the gas diffusion holes, and can provide a stable pumping current without variations and the like, with a high production yield. An object of the present invention is to provide an air-fuel ratio sensor element.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of studying the above problems, the present inventor has found that a sensing part is formed by forming an electrode pair consisting of a reference electrode and a measurement electrode on the inner surface and the outer surface of the solid electrolyte substrate facing each other, and an outer surface of the measurement electrode. A solid electrolyte layer disposed through the space; a gas diffusion hole formed in the solid electrolyte layer; a porous cylinder formed around the diffusion hole in the space; and the solid electrolyte layer An air-fuel ratio sensor element comprising a ceramic protective layer formed around the gas diffusion hole on the outer surface of the gas diffusion hole, wherein the inner diameter of the gas diffusion hole on the outer surface side of the solid electrolyte layer is 0.2 mm or more. It said porous rather smaller than the inner diameter of the cylindrical body, and by the difference between the inner diameter of the porous cylindrical body is 0.2mm or more, the above problem is solved, yields the element of interest It has led to heading the present invention to be able to Ku production.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an example of the basic structure of the air-fuel ratio sensor element of the present invention will be described based on the schematic perspective view of FIG. 1 and the XX sectional view of the air-fuel ratio sensor element of FIG. 1 shown in FIG.
[0013]
The air-fuel
[0014]
A
[0015]
The
[0016]
Further, a
[0017]
And on the outer surface of the sensor element, the three
[0018]
According to the present invention, it is important that the inner diameter x on the outer surface side of the
[0019]
The inner diameter x on the outer surface side of the
[0020]
In particular, it is effective that the difference xy between the inner diameter x on the outer surface side of the
[0021]
As the material of the
[0022]
The ceramic solid electrolyte used in the present invention is made of a ceramic containing ZrO 2 , and Y 2 O 3 and Yb 2 O 3 , Sc 2 O 3 , Sm 2 O 3 , Nd 2 O 3 , Dy are used as stabilizers. 1 to 30 mol% of rare earth oxides such as 2 O 3 in terms of oxide, preferably the partially stabilized ZrO 2 or stabilized ZrO 2 containing 3 to 15 mol% are used.
[0023]
Furthermore, for the purpose of improving the sinterability, Al 2 O 3 and SiO 2 can be added to the ZrO 2 , but if it is contained in a large amount, the creep properties at high temperatures are deteriorated. The total amount of Al 2 O 3 and SiO 2 is preferably 5% by weight or less, particularly 2% by weight or less.
[0024]
On the other hand, a ceramic material such as alumina, spinel, forsterite, zirconia, or glass is preferably used as the ceramic insulating
[0025]
The ceramic insulating
[0026]
The
[0027]
In addition to the above metals, the
[0028]
The
[0029]
In addition, the
[0030]
The
[0031]
The shape of the
[0032]
Each of the electrodes forming the
[0033]
Of the
[0034]
The ceramic sprayed
[0035]
Furthermore, the
[0036]
1 and FIG. 2, the A / F sensor has been described. However, the same structure can be used except that the
[0037]
Next, a method for manufacturing the air-fuel ratio sensor element of the present invention will be described with reference to FIG. 3, taking the method for manufacturing the air-fuel ratio sensor element of FIGS.
(1) First, as shown in FIG. 3, in order to form the
(2) And, as shown in FIG. 3, the
(3) Next, as shown in FIG. 3, a green sheet 22 is formed using a solid electrolyte slurry that forms the
[0038]
Then, the
[0039]
Further, after the
[0040]
The heater element B and the pumping element C are wound around the surface of the sensor element A, and the green sheet 22 side of the laminate produced as described above is wound around the surface of the sensor element A, and then fired simultaneously. Can be formed.
[0041]
For example, when zirconia is used as the solid electrolyte and alumina is used as the ceramic insulating layer, the baking may be performed at 1300 to 1700 ° C. for about 1 to 10 hours in an inert atmosphere such as argon gas or in the air.
[0042]
In the above manufacturing method, the ceramic insulating
[0043]
In the above manufacturing method, the surface of the ceramic insulating
[0044]
By coating the outer surface of the sensor element A body produced as described above with a ceramic material made of at least one selected from the group of zirconia, alumina, magnesia and spinel with a thickness of 10 to 200 μm by a thermal spraying method. The air-fuel ratio sensor element of the present invention can be formed.
[0045]
【Example】
First, a slurry was prepared by adding a polyvinyl alcohol solution to zirconia powder containing 5 mol% Y 2 O 3 , sintered by extrusion molding, and then sealed at one end so that the outer diameter was about 4 mm and the inner diameter was 1 mm. A cylindrical tube body was manufactured, and a platinum paste was applied to the entire inner surface of the molded body to form a reference electrode, thereby preparing a sensor body A.
[0046]
A slurry was prepared by adding an acrylic binder and a toluene solution to zirconia powder containing 5 mol% Y 2 O 3, and a zirconia green sheet having a thickness of about 200 μm was prepared by a doctor blade method.
[0047]
Thereafter, a slurry containing alumina powder is applied to the surface of the region where the measurement electrode of the zirconia green sheet is not formed so as to have a thickness of about 10 μm after firing by screen printing, and then the thickness after firing using platinum paste is 10 μm. A heating element pattern was formed by printing, and the alumina slurry was applied again so that the heating element pattern was embedded, thereby forming an alumina insulating layer in which the heating element was embedded on the surface of the zirconia green sheet.
[0048]
Then, after applying and filling a slurry of zirconia powder containing 5 mol% Y 2 O 3 on the electrode forming region of the zirconia green sheet where the alumina insulating layer is not formed, the electrode paste as a measurement electrode is applied to the surface. Coating was formed.
[0049]
The thicknesses of the measurement electrode and the reference electrode were adjusted to be about 10 μm after firing.
[0050]
Next, after forming the inner electrode, the pumping electrode pair of the outer electrode and the lead wire on both surfaces of another zirconia green sheet produced in the same manner as described above, a porous cylinder that performs diffusion rate control on one electrode surface and A zirconia powder containing 8 mol% Y 2 O 3 was formed to a thickness of 30 μm. The inner diameter of the porous cylinder was the size shown in Table 1. The inner electrode and the outer electrode have substantially the same area. After that, the gas diffusion hole was opened with a drill so as to coincide with the center of the porous cylinder. The inner diameter of the gas diffusion hole is shown in Table 1.
[0051]
Then, the heater element B and the pumping element C were sequentially wound around the surface of the sensor element A to prepare a cylindrical laminate. Note that an acrylic binder was used as an adhesive for bonding between the element bodies during winding. Then, this cylindrical laminated body was baked at 1500 ° C. in the air for 2 hours to complete 50 sensor elements each.
[0052]
The evaluation of the manufactured air-fuel ratio sensor element was performed by applying 0.5 V between the electrodes of the pumping unit at 800 ° C. in the atmosphere to pump oxygen in the space into the atmosphere, and making the element showing a pumping current of 4 mA to 5 mA as a non-defective product. The ratio (non-defective product rate) was examined.
[0053]
[Table 1]
[0054]
From Table 1, the sample No. 1 in which the inner diameter of the gas diffusion hole according to the present invention is smaller than the inner diameter of the porous cylindrical body responsible for diffusion rate control. 4, 5, 7, 9, 10, 12, 13, 15, and 17 show that the non-defective rate exceeds 80%. In contrast, sample no. In 1, 2, 3, 6, 8, 11, 14, and 16, since the inner diameter of the gas diffusion hole is the same as the inner diameter of the porous cylinder, the sprayed powder adheres to the inner wall of the porous cylinder during spraying, The introduction of the gas to be measured was hindered, the pumping current decreased, and the yield rate decreased.
[0055]
As described above, according to the air-fuel ratio sensor element of the present invention with a stable pumping current is obtained, it can be provided with high yield good air-fuel ratio sensor element.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic perspective view for explaining an example of an air-fuel ratio sensor element of the present invention.
2 is an XX longitudinal sectional view of the air-fuel ratio sensor element of FIG. 1. FIG.
FIG. 3 is a view for explaining the method for manufacturing the air-fuel ratio sensor element of the present invention, and is a view showing a process of manufacturing a sensor element body.
[Explanation of symbols]
1 is an air-fuel ratio sensor element, 2 is a cylindrical tube, 3 is a reference electrode, 4 is a measurement electrode, 5 is a
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