JP4743857B2 - 現像剤搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
このようなトリクル現像方式を用いた画像形成装置は、キャリアの経時劣化が許容できないレベルになった時点で現像部やキャリアをまとめて新品のものに交換する必要のある装置に比べて、経時においても出力画像の画質が安定化することになる。
しかし、特許文献1等の技術は、経時で搬送管の底部にキャリアが沈積していくという問題があった。これは、キャリアとトナーとが充分に分散混合されていない状態で搬送管内を移送されるために、比重の重いキャリアがトナーから分離して搬送管の底部に移動するためである。
図1〜図5にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、21は各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにそれぞれ収容された像担持体としての感光体ドラム、22は感光体ドラム21上を帯電する帯電部、23Y、23M、23C、23BKは感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像する現像部(現像装置)、24は感光体ドラム21上に形成されたトナー像を中間転写ベルト27に転写する転写バイアスローラ、25は感光体ドラム21上の未転写トナーを回収するクリーニング部を示す。
各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成がおこなわれる。
まず、原稿Dは、原稿搬送部51の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部55のコンタクトガラス53上に載置される。そして、原稿読込部55で、コンタクトガラス53上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。レーザ光は、ポリゴンミラー3に入射して反射した後に、レンズ4、5を透過する。レンズ4、5を透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21表面は、それぞれ、中間転写ベルト27との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト27の内周面に当接するように転写バイアスローラ24が設置されている。そして、転写バイアスローラ24の位置で、中間転写ベルト27上に、感光体ドラム21上に形成された各色の画像が、順次重ねて転写される(第1転写工程である。)。
その後、感光体ドラム21表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト27表面は、中間転写ベルトクリーニング部29の位置に達する。そして、中間転写ベルト27上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部29に回収されて、中間転写ベルト27上の一連の転写プロセスが完了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部61から、給紙ローラ62により給送された転写紙Pが、搬送ガイド63を通過した後に、レジストローラ64に導かれる。レジストローラ64に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト27上のトナー像とタイミングを合わせて、第2転写バイアスローラ28の位置に向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ69によって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2は作像部の近傍を示す概略断面図であり、図3はその現像部を示す長手方向(図2の紙面垂直方向である。)の断面図である。
なお、装置本体1に設置される4つの作像部は、作像プロセスに用いられるトナーTの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、プロセスカートリッジ及び現像部における符号のアルファベット(Y、M、C、BK)を省略して図示する。
本実施の形態1におけるトナーT(現像剤G中のトナーとトナーカートリッジ33内のトナーとである。)は、樹脂及び着色剤からなるトナー母体粒子や添加剤を含有する。
また、本実施の形態1におけるトナーTは、単量体を使用して乳化重合、懸濁重合等の重合反応によって合成する方法や、樹脂自体を熱等によって熔融し噴霧して微粒子化する方法や、水中等へ分散することによって所定の粒子サイズにして得られる母体粒子に添加剤をヘンシェルミキサー等で混合付着させる方法によって製造することができる。
キャリアCの核体粒子としては、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属やマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の合金又はその化合物等が用いられる。
現像ローラ23aは、図2中の矢印方向に回転している。現像部23内の現像剤Gは、図3に示すように、間に仕切部材23eを介在するように配設された第1搬送スクリュ23b及び第2搬送スクリュ23cの矢印方向の回転によって、トナー補給部32から現像剤補給口23fを介して補給されたトナーT(新品トナー)とともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図3中の破線矢印方向の循環である。)。第1搬送スクリュ23bは現像剤Gを図3中の左側に搬送して、第2搬送スクリュ23cは現像剤Gを図3中の右側(第1搬送スクリュ23bの搬送方向とは逆の方向である。)に搬送する。
現像部23に補給するトナー補給量の調整は、スクリューポンプ100の駆動時間を制御することによっておこなわれる。
本実施の形態1における画像形成装置には、現像部23内に収容された現像剤Gの一部を現像部23外に排出する排出手段23k(図2を参照できる。)と、現像部23内に新たにキャリアCを補給するキャリア補給部47(図4を参照でできる。)と、が設けられている。
そして、キャリア補給部47から現像部23内に新品キャリアCが補給されて現像部23内の現像剤量が所定量を超えると、過剰になった現像剤Gが現像剤排出口23kから現像部23外に排出される。現像剤排出口23kから排出された現像剤Gは、現像剤回収経路43を経由して現像剤回収部44まで搬送される。
このように、新品キャリアCの補給にともない現像剤面が上昇して、現像剤排出口23kの高さを超えた現像剤Gが現像部23外に排出されるので、現像部23内の剤面(現像剤量)は常に一定に保たれることになる。
なお、本実施の形態1では、現像部23から現像剤を排出する排出手段としてオーバーフロー法を用いたが、現像剤排出口23kに開閉自在なシャッタを設けて、シャッタの開閉によって現像剤の排出をおこなうこともできる。
図4を参照して、現像剤搬送装置は、搬送管としてのチューブ95、チューブ95内の空気を送出して負圧を生じさせるスクリューポンプ100、トナーカートリッジ33内に空気を送入するエアーポンプ90(第2の送気手段)、送気手段としてのエアーポンプ91、等で構成されている。
スクリューポンプの主部は、ステータ102とロータ101とで構成される。ステータ102は、ゴム等の弾性材料からなる雌ねじ状部材であって、その内部にはダブルピッチの螺旋溝が形成されている。ロータ101は、金属や樹脂等からなる雄ねじ状部材であって、ステータ102内に回動自在に嵌挿されている。ロータ101は、駆動軸104にスプリングピンを介して連結されていて、駆動軸104が回転されることによって回転駆動される。ここで、駆動軸104による回転運動は偏心運動であることから、スクリューポンプを一軸偏心スクリューポンプとも呼ぶ。ロータ101が回転することによって、吸引口103には吸引圧力が発生して、吸引口103から吸い込んだ現像剤が吐出部105へ吐出されることになる。吐出部105に吐出された現像剤は、搬送管106を自重落下した後に、現像剤補給口23fを介して現像部23内に補給される。
このようなフレキシブルなチューブ95を用いるとともに、キャリア及びトナーのエアー搬送をおこなうことで、現像剤搬送経路のレイアウトの自由度が増して、画像形成装置が小型化される。本実施の形態1における現像剤搬送装置は、スクリューポンプ100によってチューブ95内に圧力を発生させることによってキャリア及びトナーを移送するものであるために、キャリアカートリッジ48やトナーカートリッジ33を現像部23よりも低い位置に配設することもできる。
ノズル80にはトナー収容部としてのトナーカートリッジ33が着脱可能に設置される。そして、トナーカートリッジ33内のトナーTが、ノズル80の先端に設けられたトナー排出口81を介して、チューブ95内に移送されることになる。
詳しくは、多孔質管82を介してトナーカートリッジ33内に送入された空気は、多孔質管82に存在する無数の微細孔に進入した後に多方向に分岐する。そして、これら無数の微細孔内を通過して多孔質管82から送出された空気は、無数に分岐した気泡のような状態でトナー排出口81近傍のトナーと混合されることになる。このようにして形成されたトナーと空気とからなる混合体は、嵩密度が低く非常に高い流動性を有するために、トナー排出口81から排出されるトナーTの搬送性(トナー排出性)が向上することになる。
また、トナーカートリッジ33の上面には開口が形成され、その開口にはフィルタ33cが覆設されている。これにより、第2の送気手段としてのエアーポンプ90によって多孔質管82を介してトナーカートリッジ33内に空気が送入されても、トナーカートリッジ33から外部へのトナー漏出を抑止しつつ、トナーカートリッジ33内の内圧が上昇するのを抑止することができる。なお、フィルタ33cとしては、フッ素樹脂製の連続多孔質構造体である「ゴアテックス(登録商標)」(ジャパンゴアテックス社製)等を用いることができる。
ノズル75の先端部にはキャリア排出口76が設けられていて、キャリアカートリッジ48内のキャリアCはキャリア排出口76を介してノズル75内に自重落下する。そして、ノズル75内に落下したキャリアは、キャリアフィーダ70の回転部71に設けられた穴部72に保持される。回転部71は、不図示のモータによって矢印方向に回転駆動される。これによって、穴部72に保持されたキャリアがチューブ95(多孔質管92cが設置された位置である。)に自重落下する。このように、キャリア補給口として機能するキャリアフィーダ70によって一定量のキャリアがチューブ95内に供給される。そして、キャリアは、スクリューポンプ100による負圧によって空気及びトナーTとともにチューブ95内で搬送されることになる。
送気手段としてのエアーポンプ91に接続されるチューブ98、98a〜98dは、搬送管としてのチューブ95と同等の材料で形成することができる。そして、エアーポンプ91から送出される空気は、主管としてのチューブ98から枝管としての各チューブ98a〜98dを経由して、各多孔質管92a〜92dに送られる。
詳しくは、多孔質管92a〜92dを介してチューブ95内に送入された空気は、多孔質管92a〜92dに存在する無数の微細孔に進入した後に多方向に分岐する。そして、これら無数の微細孔内を通過して多孔質管92a〜92dから送出された気体は、無数に分岐した気泡のような状態でチューブ95内のトナーとキャリアとを撹拌・混合して均一に分散する。このようにして均一に分散されたトナー及びキャリアと空気とからなる混合体は、嵩密度が低く非常に高い流動性を有するために、チューブ95全域における現像剤搬送性が向上することになる。
キャリア補給部47から現像部23へのキャリア補給をおこなうとき、まず、送気手段としてのエアーポンプ91が稼動停止した状態で、制御部からの電気信号によってキャリアフィーダ70の回転部71の回転駆動が開始されてチューブ95内に所望量のキャリア補給がおこなわれる。その後、送気手段としてのエアーポンプ91が稼動される。すなわち、エアーポンプ91によって、複数の多孔質管92a〜92dを介してチューブ95内に空気が送入される。このとき、スクリューポンプ100は稼動停止しているために、ステータ102とロータ101とによるシール性が維持された状態になっている。そのため、チューブ95内におけるトナーとキャリアとの撹拌効率がさらに向上されることになる。なお、エアーポンプ91によるチューブ95内への送気は、新たにチューブ95内に供給されるトナー及びキャリアを分散混合するだけではなく、チューブ95内に残留しているトナー及びキャリアをも分散混合するものである。
図6にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図6は、実施の形態2における現像剤搬送装置を示す全体構成図である。本実施の形態2における現像剤搬送装置は、トナー収容部33の傾斜壁面に設置された第2の多孔質部材112を介してトナー収容部33内に気体を送入する点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
なお、本実施の形態2では、エアーポンプ91に接続されたチューブ98の経路中に電磁弁111が設置されていて、電磁弁111の開閉制御によってチューブ95への送気動作が制御されている。
詳しくは、多孔質板112は、トナーカートリッジ33がセットされた状態で、トナー排出口81の近傍であってトナー排出口81の周囲を囲むトナーカートリッジ33の傾斜壁面に配設されている。ここで、トナー排出口81の周囲を囲むトナーカートリッジ33の壁面は、トナーカートリッジ33内のトナーをトナー排出口81に向けて効率的に滑落させるためのものであって、その構造としてロート構造、逆裁頭円錐型構造、円錐、楕円錐、三角錐等を逆にした構造、少なくとも一面が傾斜壁面となっている多面側壁を有する多角構造、等を用いることができる。
なお、多孔質板112や多孔質管82、92a〜92cは、前記実施の形態1における多孔質管82、92a〜92dと同等の材料で形成されている。
すなわち、多孔質板112を介してトナーカートリッジ33内に送入された空気は、多孔質板112に存在する無数の微細孔に進入した後に多方向に分岐する。そして、これら無数の微細孔内を通過して多孔質板112から送出された空気は、無数に分岐した気泡のような状態でトナー排出口81近傍のトナーと混合されることになる。このようにして形成されたトナーと空気とからなる混合体は、嵩密度が低く非常に高い流動性を有するために、トナー排出口81から排出されるトナーの搬送性が向上することになる。
23、23Y、23M、23C、23BK 現像部(現像装置)、
23f 現像剤補給口、
23k 現像剤排出口(排出手段)、
32、32Y、32M、32C、32BK トナー補給部、
33 トナーカートリッジ(トナー収容部)、
43 現像剤回収経路、 44 現像剤回収部、
47、47Y、47M、47C、47BK キャリア補給部、
48 キャリアカートリッジ(キャリア収容部)、
70 キャリアフィーダ(キャリア補給口)、
75 ノズル、 76 キャリア排出口、
80 ノズル、 81 トナー排出口、
82 多孔質管(第2の多孔質部材)、
90 エアーポンプ(第2の送気手段)、
91 エアーポンプ(送気手段)、
92a〜92d 多孔質管(多孔質部材)、
95 チューブ(搬送管)、 98 チューブ、
100 スクリューポンプ(ポンプ)、
112 多孔質板(第2の多孔質部材)、
G 2成分現像剤、 C キャリア、 T トナー。
Claims (13)
- トナーとキャリアとからなる現像剤を搬送する現像剤搬送装置であって、
ポンプによって送入又は送出される気体とともに前記現像剤が搬送される搬送管と、
前記搬送管の経路中において前記搬送管の外周の一部又は全部を覆うように単数又は複数配設された多孔質部材と、
前記多孔質部材を介して前記搬送管の内部に気体を送入する送気手段と、
を備え、
前記搬送管は、トナー収容部に収容されたトナーを排出するトナー排出口と、キャリア収容部に収容されたキャリアを補給するキャリア補給口と、に連通し、
前記多孔質部材は、少なくとも1つが前記キャリア補給口の近傍に配設されたことを特徴とする現像剤搬送装置。 - 前記トナー排出口の近傍に配設された第2の多孔質部材を介して前記トナー収容部の内部に気体を送入する第2の送気手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送装置。
- 前記搬送管は、前記トナー排出口が配設されるとともに前記トナー収容部に挿脱自在に設置されるノズルを備え、
前記第2の送気手段は、前記ノズル内に前記第2の多孔質部材を介して気体を送入するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の現像剤搬送装置。 - 前記第2の多孔質部材は、前記トナー収容部に収容されたトナーに埋没する位置に配設されたことを特徴とする請求項2に記載の現像剤搬送装置。
- 前記送気手段が稼動しているときに前記キャリア補給口を閉鎖することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
- 前記ポンプは、前記送気手段の稼動が完了した後に稼動されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
- 前記ポンプは、前記搬送管から気体とともに現像剤を送出するスクリューポンプであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
- 前記搬送管は、トナーとキャリアとが収容されるとともに像担持体上に形成される潜像を現像する現像部に向けて前記現像剤を搬送することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
- 前記現像部は、その内部に収容された前記トナー及び前記キャリアの一部を排出する排出手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の現像剤搬送装置。
- 前記多孔質部材は、その開口率が5〜40%になるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
- 前記多孔質部材は、その平均開口径が0.3〜20μmになるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
- 前記多孔質部材は、その孔部の平均空孔径がトナーの体積平均粒径の0.1〜5倍の大きさになるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
- 請求項1〜請求項12のいずれかに記載の現像剤搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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