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JP4639966B2 - オーディオデータ圧縮方法およびオーディオデータ圧縮回路並びにオーディオデータ伸張回路 - Google Patents

オーディオデータ圧縮方法およびオーディオデータ圧縮回路並びにオーディオデータ伸張回路 Download PDF

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Description

本発明は、主としてディジタルオーディオデータを圧縮するデータ圧縮方法に係り、特に、圧縮率が大きく、しかも、レイテンシーが小さいデータ圧縮方法およびデータ圧縮回路、データ伸張回路に関する。
周知のように、ディジタルオーディオデータを圧縮する方法として、ADPCMやLPC等の線形予測による方法と、MP3(MPEG Audio Layer 3)やMPEG Audio AAC(Advanced Audio Coding)等のサブバンド符号化を使用する方法が知られている。
特許第2734323号公報 国際公開第WO99/29133号公報
しかしながら、線形予測による方法は、発音レイテンシーは小さいが圧縮率が小さい欠点があり、一方、サブバンド符号化による方法は、圧縮率は大きいが発音レイテンシーも大きくなる欠点がある。なお、特許文献1、2には各々、圧縮性能を維持しながら発音レイテンシーを改善したデータ圧縮技術が記載されている。
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、圧縮率が大きく、しかも、発音レイテンシーが小さいデータ圧縮方法およびデータ圧縮回路並びにデータ伸張回路を提供することにある。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、圧縮前の複数のオーディオデータからなるデータ集合体を第1〜第nのフレーム分割し、各フレーム内のオーディオデータを複数のサブバンド信号に分割し、該サブバンド信号を心理聴覚分析に基づいて量子化して圧縮済データを生成するオーディオデータ圧縮方法において、前記第1フレームから予め決められた第k(<k<nなる整数)フレームまで順次フレームデータ数が増大するように前記データ集合体をフレーム分割することを特徴とするオーディオデータ圧縮方法である。
請求項2に記載の発明は、圧縮前の複数のオーディオデータからなるデータ集合体を第1〜第nのフレームに分割する分割手段と、前記分割手段によって生成された各フレーム内のオーディオデータを複数のサブバンド信号に分割し、該サブバンド信号を心理聴覚分析に基づいて量子化して圧縮済データを生成する圧縮手段とを具備し、前記分割手段は、第1フレームから予め決められた第k(<k<nなる整数)フレームまで順次フレームデータ数が増大するように前記データ集合体を分割することを特徴とするオーディオデータ圧縮装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載されるデータ圧縮装置によって圧縮されたオーディオデータを伸張するオーディオデータ伸張装置において、前記圧縮されたオーディオデータをフレーム単位でデコードするデコード手段と、前記デコード手段によってデコードされたオーディオデータが順次書き込まれるメモリと、前記メモリの空き容量に基づいて前記デコード手段におけるデコード処理をオン/オフ制御する制御手段とを具備することを特徴とするオーディオデータ伸張回路である。
この発明によれば、圧縮率が大きく、しかも、発音レイテンシーが小さいデータ圧縮が可能となる効果が得られる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の一実施の形態によるデータ圧縮回路の構成を示すブロック図である。このデータ圧縮回路は、サブバンド符号化方法によってディジタルオーディオデータを圧縮する回路である。ここで、ディジタルオーディオデータが楽曲を再生するためのデータとされる場合には、同図下部に記載されるように、楽曲の立上り部において1フレームのサンプル数を可変としている。すなわち、従来のサブバンド符号化方法においては、1フレームのサンプル数は、例えば1024サンプルと固定であるが、この実施形態においては、1フレームのサンプル数が、図に示すように、
16、32、64、128、256、・・・・、1024、1024、・・・
となっており、サンプル数が16から徐々に増加し、1024に達した後は、1フレーム=1024サンプルで圧縮処理が行われる。
以下、図1のデータ圧縮回路について詳述する。
図において、符号1は圧縮前のディジタルオーディオデータ(PCMデータ)が記憶されたメモリである。2はフレーム分割部であり、制御部3からフレームサイズを受け、そのフレームサイズが示すサンプル数のオーディオデータをメモリ1から順次読み出し、サブバンド変換部4および心理聴覚分析部5へ出力する。すなわち、まず、メモリ1から16サンプル読み出してサブバンド変換部4および心理聴覚分析部5へ出力し、次いで、32サンプル読み出して出力し、以下、64サンプル、128サンプル、・・・と読み出し、順次、出力する。
サブバンド変換部4は、入力データを等しい帯域幅を持つ例えば32バンドのサブバンド信号に分割する。この場合、各々のサブバンド信号は1/32のサンプリング周波数にダウンサンプルされる。スケールファクタ抽出・正規化部6は、1フレームにおける各々のサブバンド信号に対し、最大絶対値を持つサンプルを検出する。その値を量子化したものをスケールファクタと呼ぶ。そして、このスケールファクタによって各サブバンドサンプルを除算し、それらの値を±1の範囲内に正規化する。
一方、心理聴覚分析部5は、FFT(高速フーリエ変換)による周波数スペクトルの計算を行い、それに基づき各サブバンド毎のマスキングしきい値、すなわち、許容量子化雑音電力を計算して出力する。ビット割当部7は心理聴覚分析部5の出力と、ビットレートで決まる1フレームで使用可能なビット数の制限の下で反復ループ処理により各サブバンド毎の量子化ビット数を決定する。量子化部8は、各サブバンド毎に設定された量子化ビット数でスケールファクタ抽出・正規化回路6から出力されるサブバンド信号を量子化する。ビットストリーム生成部9は、各部から出力されるデータに基づいて各フレーム毎に図1に示すビットストリームBSを作成し出力する。このビットストリームBSにおいて、オーディオデータには量子化されたサブバンドサンプルが書き込まれ、サイドデータには、各サブバンドに対するビット割当情報、スケールファクタおよび制御部3から出力されるフレームサイズが書き込まれる。そして、これらのデータにヘッダが付与されてビットストリームBSが生成され、ROM10に焼き付けられる。
次に、ROM10内のビットストリームBSを読み出し、伸張するデータ伸張回路について説明する。
図2はデータ伸張回路の構成を示すブロック図である。この図において、ROM10から読み出されたビットストリームBSのヘッダは制御回路14へ出力され、サブバンドサンプルおよびサイドデータはビットストリーム解析部12へ出力される。ビットストリーム解析部12はROM10から読み出されたビットストリームBSから量子化されたサブバンドサンプルおよびサイドデータを分離し、サブバンドサンプルを逆量子化回路13へ出力し、サイドデータを制御回路14へ出力する。逆量子化回路13は、サブバンドサンプルの逆量子化を行い、さらに、スケールファクタを乗算してサブバンドデータとし、各サブバンドに対応した32サンプル毎にサブバンド合成回路16へ出力する。
制御回路14は各部を制御するもので、図示しないCPU(中央制御装置)からの指示を受けてROM10の読み出しアドレスを生成し、ROM10へ出力する。また、ビットストリーム解析部12から出力されるサイドデータを受けて、ビット割当情報およびスケールファクタを逆量子化回路13へ出力する。また、FIFO・17から出力されるデータEDに基づいて上述した逆量子回路13、サブバンド合成回路16によるデコード処理を制御する(詳細は後述する)。
サブバンド合成回路16は、逆量子化回路13から出力される32のサブバンドデータを合成して圧縮前のディジタルオーディオデータに戻し、FIFO・17へ出力する。FIFO・17は先入れ/先出し型のメモリであり、サンプリングパルスfsのタイミングで内部のデータを順次D/A(デジタル/アナログ)変換器18へ出力する。また、このFIFO・17は、現在の空き容量を示すデータEDを、常時、制御回路14へ出力する。D/A変換器18は、FIFO・17から出力されるディジタルオーディオデータをアナログ楽音信号に変換し、出力する。
次に、上述したデータ伸張回路の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。
制御回路14は、CPUからスタート指示を受けると、まず、各部の初期化を行うと共に、FIFO・17をクリアする(ステップS1)。次に、ROM10へ第1フレームを読み出すためのアドレスを出力する。これにより、ROM10から第1フレームのビットストリームBSが読み出され、そのヘッダが制御回路14へ入力され(ステップS2)、サブバンドサンプルおよびサイドデータがビットストリーム解析部12へ入力される。ビットストリーム解析部12は、ビットストリームBSから量子化されたサブバンドサンプルおよびサイドデータを分離し、サブバンドサンプルを逆量子化回路13へ出力し、サイドデータを制御回路14へ出力する。
制御回路14はヘッダデータからそのフレームが第1フレームであるか否かを判断する(ステップS3)。そして、第1フレームであった場合は、サイドデータに含まれるビット割当情報およびスケールファクタを逆量子化回路13へ出力し、逆量子化処理を指示する。逆量子化回路13は、その指示を受け、サブバンドサンプルの逆量子化を行い、さらに、スケールファクタを乗算してサブバンドデータとしてサブバンド合成回路16へ出力する。サブバンド合成回路16は、逆量子化回路13から出力される32のサブバンドデータを合成して圧縮前のディジタルオーディオデータに戻し、FIFO・17へ出力する。このようにしてデコードが行われる(ステップS4)。デコードされたディジタルオーディオデータは、FIFO・17に格納され(ステップS5)、格納が終わった時点でFIFO・17の読み出しが開始される(ステップS6)。
この第1フレームは、フレームサイズが16サンプルとされているので、デコード処理(ステップS4)に要する時間が短く、遅れがほとんどない発音が行われる。
次に、制御回路14は、ROM10へ第2フレームを読み出すためのアドレスを出力する。これにより、ROM10から第2フレームのビットストリームが読み出され、そのヘッダが制御回路14へ入力され(ステップS2)、サブバンドサンプルおよびサイドデータがビットストリーム解析部12へ入力される。ここで、制御回路14はFIFO・17から現在の空き容量を示すデータEDを受け、第2フレームのフレームサイズと空き容量データEDとを比較する(ステップS7)。なお、各フレームのフレームサイズは、サイドデータ中に存在し、制御回路14内に設定される。
そして、空き容量データEDがフレームサイズより小の場合は、空き容量データEDがフレームサイズより大になるまで待機し(ステップS7)、大になった時点でビット割当情報およびスケールファクタを逆量子化回路13へ出力し、逆量子化処理を指示する。以後、上記と同様にしてデコードが行われ(ステップS8)、次いで、FIFO・17への格納が行われる(ステップS9)。
以後、ROM10から、第3、第4・・・フレームのビットストリームが順次読み出され、上記と同様にステップS7〜S9の過程でデコードされ、FIFO・17に順次格納される。一方、FIFO・17内のデータは、サンプリングパルスfsのタイミングでFIFO・17から先入れ/先出しで順次連続的に読み出され、D/A変換器18によってアナログ楽音信号に変換され、出力される。通常、FIFO・17の容量は1024×2サンプル分の容量とされ、発音開始直後には十分な空き容量があり、ステップS7で待たされることなく、FIFO・17にサンプルが貯まっていく。未読出のサンプルを徐々に増やしていき、大きなフレームをデコードする余裕を作り出していくのが本発明の原理である。
このように、上記実施形態によれば、楽曲のスタート時のフレームのサンプル数が16、32、64・・・と、本来のサンプル数1024より小さい数になっている。周知のように、逆量子化回路13、サブバンド合成回路16におけるデコード処理は、サンプル数が少ないほど短時間で処理することが可能となり、従って、上記実施形態によれば、楽曲再生スタート時のレイテンシーを極めて小さくすることができる。但し、1フレームのサンプル数が少ないと圧縮率も小さくなる。そこで、上記実施形態においては、1フレームのサンプル数を、1024まで順次大きくしてゆき、楽曲の立ち上がり部分が経過後は本来のサンプル数とすることによって圧縮率も大きくなるようにしている。
なお、スタート時のサンプル数の数列は、上述した数列に限らず、例えば、
16、16、32、32、64、64、・・・
のごとき数列でもよく、あるいは他の数列でもよい。要は、FIFO・17の読み出しスピードより早くFIFO・17の書き込みを行うことができる数列であればよく、デコード処理のスピードによって決まる。但し、この数列は2のべき乗である方がデータ圧縮回路が簡単になって好ましい。
また、この発明は、楽曲のデータ圧縮に限らず、他の種のディジタルデータの圧縮にも適用可能である。
この発明は、ゲーム機やオーディオ機器等の音源の分野において用られる。
この発明の一実施形態によるデータ圧縮回路の構成を示すブロック図である。 この発明の一実施形態によるデータ伸張回路の構成を示すブロック図である。 同データ伸張回路の動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1…メモリ、2…フレーム分割部、3…制御部、4…サブバンド変換部、5…心理聴覚分析部、6…スケールファクタ抽出・正規化部、7…ビット割当部、8…量子化部、9…ビットストリーム生成部、10…ROM、12…ビットストリーム解析部、13…逆量子化回路、14…制御回路、16…サブバンド合成回路、17…FIFO、18…D/A変換器、BS…ビットストリーム。

Claims (3)

  1. 圧縮前の複数のオーディオデータからなるデータ集合体を第1〜第nのフレーム分割し、各フレーム内のオーディオデータを複数のサブバンド信号に分割し、該サブバンド信号を心理聴覚分析に基づいて量子化して圧縮済データを生成するオーディオデータ圧縮方法において、
    前記第1フレームから予め決められた第k(<k<nなる整数)フレームまで順次フレームデータ数が増大するように前記データ集合体をフレーム分割することを特徴とするオーディオデータ圧縮方法。
  2. 圧縮前の複数のオーディオデータからなるデータ集合体を第1〜第nのフレームに分割する分割手段と、
    前記分割手段によって生成された各フレーム内のオーディオデータを複数のサブバンド信号に分割し、該サブバンド信号を心理聴覚分析に基づいて量子化して圧縮済データを生成する圧縮手段とを具備し、
    前記分割手段は、第1フレームから予め決められた第k(<k<nなる整数)フレームまで順次フレームデータ数が増大するように前記データ集合体を分割することを特徴とするオーディオデータ圧縮回路。
  3. 請求項2に記載されるデータ圧縮装置によって圧縮されたオーディオデータを伸張するオーディオデータ伸張装置において、
    前記圧縮されたオーディオデータをフレーム単位でデコードするデコード手段と、
    前記デコード手段によってデコードされたオーディオデータが順次書き込まれるメモリと、
    前記メモリの空き容量に基づいて前記デコード手段におけるデコード処理をオン/オフ制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とするオーディオデータ伸張回路。
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