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JP4639058B2 - ねじ切り加工装置 - Google Patents

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JP4639058B2
JP4639058B2 JP2004182380A JP2004182380A JP4639058B2 JP 4639058 B2 JP4639058 B2 JP 4639058B2 JP 2004182380 A JP2004182380 A JP 2004182380A JP 2004182380 A JP2004182380 A JP 2004182380A JP 4639058 B2 JP4639058 B2 JP 4639058B2
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Description

本発明は、ねじ切り加工装置に関する。
NC旋盤等の数値制御工作機械における従来のねじ切り加工について図14及び図15を参照して説明する。
図14(a),(b)に示すように、ワーク500に対してねじ切り加工を行う場合、主軸(図示しない)を回転中心としてワーク500を回転させ、アプローチ部から、ワーク500の周部に対して加工工具510を接触させながら、ワーク500の回転に同期させて主軸の軸心Oに平行なZ軸方向に加工工具510を移動させて有効ねじ部を形成する。なお、図14(b)は、有効ねじ部側の端部から見た側面図であり、矢印は、ワーク500の回転方向を示している。そして、有効ねじ部の加工サイクル終了点付近では、加工工具510をねじ溝から、引き抜くため、Z軸方向と直交するX軸方向の切り上げ動作を行うようにしている(図15(a)〜(c)参照)。
従って、この部分は、ねじ溝が浅い不完全ねじ部となる(図14(a)参照)。この不完全ねじ部は、主軸回転数が速いほど長くなるため、設計図面指示より不完全ねじ部が長くなる場合は、主軸回転数を切削の適正な値よりも下げる必要がある。又、従来は、図15(a)〜(c)に示すように、有効ねじ部及び不完全ねじ部において、主軸回転数を一定に保ち、Z軸とX軸の2軸補間でねじ切り加工を行うようにしている。
なお、特許文献1は、ねじ切り加工と、ねじ穴加工において、加工工具と主軸との同期制御に関して開示がされている。
特開平11−245118号公報
しかし、従来は上記のように、主軸回転数を、有効ねじ部、及び不完全ねじ部を加工する領域においても一定に保っていることから、図面指示(設計値)より、不完全ねじ部が長くなる場合は、主軸回転数を切削の適正な値より下げて、不完全ねじ部が長くならないようにしている。しかし、主軸回転数を下げると、有効ねじ部及び不完全ねじ部を含めた加工時間が長くなる問題がある。
なお、特許文献1では、加工工具と主軸との同期制御により、ねじ切り加工を短時間に実行できるものであるが、不完全ねじ部に対してどのようにするかの技術的事項については開示がない。
本発明の目的は、不完全ねじ部の長さを短縮できるとともに、主軸回転数を上げてねじ切り加工の総加工時間を短縮することができるねじ切り加工装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ワークを保持する主軸と、前記主軸を回転駆動する主軸駆動手段と、加工工具を備えた刃物台と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を前記主軸の軸心と平行な第1軸方向へ移動するように駆動する第1駆動手段と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に駆動する第2駆動手段と、前記主軸駆動手段、第1駆動手段及び前記第2駆動手段をそれぞれ制御駆動する制御手段と、を有し、前記主軸と、前記刃物台を相対移動させることによって、該刃物台の加工工具により前記主軸に保持されたワークに有効ねじ部と不完全ねじ部を有するねじを形成し得るねじ切り加工装置において、前記制御手段は、少なくとも不完全ねじ部領域を加工する場合の主軸回転数を徐々に減速するように変化させるように前記主軸駆動手段を制御するとともに、前記第1駆動手段と第2駆動手段のうち、少なくとも第1駆動手段を、前記主軸駆動手段とともに同期補間して制御することを特徴とするねじ切り加工装置を要旨とするものである。
請求項の発明は、請求項1において、前記制御手段は、前記有効ねじ領域部のねじのピッチと不完全ねじ部領域のねじのピッチが同じとなるように前記第1駆動手段と第2駆動手段のうち、少なくとも第1駆動手段と、主軸駆動手段を同期補間して制御することを特徴とする。
請求項の発明は、ワークを保持する主軸と、前記主軸を回転駆動する主軸駆動手段と、加工工具を備えた刃物台と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を前記主軸の軸心と平行な第1軸方向へ移動するように駆動する第1駆動手段と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に駆動する第2駆動手段と、前記主軸駆動手段、第1駆動手段及び前記第2駆動手段をそれぞれ制御駆動する制御手段と、を有し、前記主軸と、前記刃物台を相対移動させることによって、該刃物台の加工工具により前記主軸に保持されたワークに有効ねじ部と不完全ねじ部を有するねじを形成し得るねじ切り加工装置において、前記制御手段は、前記加工工具にて前記ワークを加工する有効ねじ部領域と不完全ねじ部領域のうち、有効ねじ部領域では主軸回転数を一定にして制御し、不完全ねじ部領域では、主軸回転数を徐々に減少するように変化させることを特徴とする。
請求項の発明は、ワークを保持する主軸と、前記主軸を回転駆動する主軸駆動手段と、加工工具を備えた刃物台と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を前記主軸の軸心と平行な第1軸方向へ移動するように駆動する第1駆動手段と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に駆動する第2駆動手段と、前記主軸駆動手段、第1駆動手段及び前記第2駆動手段をそれぞれ制御駆動する制御手段と、を有し、前記主軸と、前記刃物台を相対移動させることによって、該刃物台の加工工具により前記主軸に保持されたワークに有効ねじ部と不完全ねじ部を有するねじを形成し得るねじ切り加工装置において、前記制御手段は、前記加工工具にて前記ワークを加工する有効ねじ部領域と不完全ねじ部領域のうち、有効ねじ部領域では主軸回転数を一定にして制御した後、該主軸回転数を徐々に減少するように制御し、不完全ねじ部領域では、前記有効ねじ部領域から継続して主軸回転数を徐々に減少するように変化させることを特徴とする。
請求項の発明は、ワークを保持する主軸と、前記主軸を回転駆動する主軸駆動手段と、加工工具を備えた刃物台と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を前記主軸の軸心と平行な第1軸方向へ移動するように駆動する第1駆動手段と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に駆動する第2駆動手段と、前記主軸駆動手段、第1駆動手段及び前記第2駆動手段をそれぞれ制御駆動する制御手段と、を有し、前記主軸と、前記刃物台を相対移動させることによって、該刃物台の加工工具により前記主軸に保持されたワークに有効ねじ部と不完全ねじ部を有するねじを形成し得るねじ切り加工装置において、前記制御手段は、前記加工工具にて前記ワークを加工する有効ねじ部領域と不完全ねじ部領域のうち、有効ねじ部領域では主軸回転数を一定にして制御した後、該主軸回転数を徐々に減少するように制御し、不完全ねじ部領域では、有効ねじ部領域で一定にした主軸回転数よりも少ない主軸回転数で一定にするように制御することを特徴とする。
請求項の発明は、ワークを保持する主軸と、前記主軸を回転駆動する主軸駆動手段と、加工工具を備えた刃物台と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を前記主軸の軸心と平行な第1軸方向へ移動するように駆動する第1駆動手段と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に駆動する第2駆動手段と、前記主軸駆動手段、第1駆動手段及び前記第2駆動手段をそれぞれ制御駆動する制御手段と、を有し、前記主軸と、前記刃物台を相対移動させることによって、該刃物台の加工工具により前記主軸に保持されたワークに有効ねじ部と不完全ねじ部を有するねじを形成し得るねじ切り加工装置において、前記不完全ねじ部の加工長を加工長関連パラメータに基づいて算出する加工長演算手段を備え、該加工長と、前記加工長関連パラメータに含まれる不完全ねじ部の加工長の上限値の大小関係に応じて、制御手段は、有効ねじ部領域と不完全ねじ部領域において主軸回転数を一定に制御するか、或いは、請求項乃至請求項のうちいずれかの制御を行うことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項において、前記加工長関連パラメータは、目標主軸回転数、不完全ねじ部領域加工時間、目標主軸加減速度及び不完全ねじ部の加工長の上限値を含み、前記制御手段は、前記加工長が、前記上限値以下の場合、有効ねじ部領域で、前記目標主軸回転数に応じて主軸回転数を一定にした後、不完全ねじ部領域では前記目標主軸加減速度に基づいて主軸回転数を徐々に減少するように変化させることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項において、前記加工長関連パラメータは、有効ねじ部で採用される目標主軸回転数よりも小である不完全ねじ部領域で到達すべき到達目標主軸回転数、不完全ねじ部領域加工時間、目標主軸加減速度及び不完全ねじ部の加工長の上限値を含み、前記制御手段は、該加工長が前記上限値以下の場合、前記有効ねじ部領域で前記目標主軸回転数に応じて主軸回転数を一定にする制御を行った後、前記目標主軸加減速度に基づいて、前記有効ねじ部領域及び前記不完全ねじ部領域で主軸回転数を徐々に減少するように変化させて、前記到達目標主軸回転数に向かって制御することを特徴とする。
請求項の発明は、請求項において、前記加工長関連パラメータは、有効ねじ部で採用される目標主軸回転数よりも小である不完全ねじ部領域で到達すべき到達目標主軸回転数、不完全ねじ部領域加工時間及び不完全ねじ部の加工長の上限値を含み、前記制御手段は、該加工長が前記上限値以下の場合、前記有効ねじ部領域では前記目標主軸回転数に応じて主軸回転数を一定する制御を行った後、主軸回転数を徐々に減少するように変化させて前記到達目標主軸回転数に達するよう制御し、不完全ねじ部領域では前記到達目標主軸回転数に基づいた主軸回転数で一定にすることを特徴とする。
なお、本明細書では、主軸回転数を使用するが、主軸回転数は主軸回転速度と同じ意味であるため、主軸回転数が減速(減少)するとは、主軸回転速度が減速する意味で使用している。
又、本明細書で使用する「目標主軸回転数」は、予め設定された値であって、有効ねじ部領域で主軸回転数を一定にして制御されるときに使用される主軸回転数である。
又、「到達目標主軸回転数」は、不完全ねじ部領域で到達する目標値である主軸回転数である。
又、有効ねじ部領域は、ワークの有効ねじ部となる部分を加工する場合の、加工工具の移動範囲を意味し、不完全ねじ部領域はワークの不完全ねじ部となる部分を加工する場合の加工工具の移動範囲を意味する。
請求項1の発明によれば、有効ねじ部領域と不完全ねじ部領域のうち、少なくとも不完全ねじ部領域では、主軸回転数を徐々に減速するように変化させることにより、従来、有効ねじ部と不完全ねじ部の主軸回転数を同じにしていたときよりも、不完全ねじ部の長さを短縮できる。又、不完全ねじ部による切削条件の制限がなくなり、有効ねじ部を加工する際の主軸回転数を不完全ねじ部を加工する場合よりも上げて、有効ねじ部の加工時間を短縮でき、ひいてはねじ切り加工の加工時間を短縮できる。さらに、請求項1の発明によれば、従来できなかったねじ加工中の主軸オーバライドを変更できる効果がある。
請求項の発明によれば、有効ねじ部と不完全ねじ部を同じねじのピッチにすることができる。
請求項の発明によれば、有効ねじ部領域では主軸回転数を一定にして制御し、不完全ねじ部領域では、主軸回転数を徐々に減少するように変化させることにより、請求項1と同様の効果を容易に実現できる。
請求項の発明によれば、有効ねじ部領域では主軸回転数を一定にして制御した後、該主軸回転数を徐々に減少するように制御し、不完全ねじ部領域では、前記有効ねじ部領域から継続して主軸回転数を徐々に減少するように変化させることにより、請求項1と同様の効果を容易に実現できる。
請求項の発明によれば、有効ねじ部領域では主軸回転数を一定にして制御した後、該主軸回転数を徐々に減少するように制御し、不完全ねじ部領域では、有効ねじ部領域で一定にした主軸回転数よりも少ない主軸回転数で一定にするように制御することにより、請求項1と同様の効果を容易に実現できる。
請求項の発明によれば、不完全ねじ部の加工長と、前記加工長関連パラメータに含まれる不完全ねじ部の加工長の上限値の大小関係に応じて、有効ねじ部領域と不完全ねじ部領域において主軸回転数を一定に制御するか、或いは、請求項乃至請求項のうちいずれかの制御が行われると、請求項1と同様の効果を容易に実現できる。
請求項の発明によれば、不完全ねじ部の加工長が、不完全ねじ部の加工長の上限値以下の場合、有効ねじ部領域で、目標主軸回転数に応じて主軸回転数を一定にした後、不完全ねじ部領域では目標主軸加減速度に基づいて主軸回転数を徐々に減少するように変化させることにより、請求項1と同様の効果を容易に実現できる。
請求項の発明によれば、不完全ねじ部の加工長が不完全ねじ部の加工長の上限値以下の場合、有効ねじ部領域で目標主軸回転数に応じて主軸回転数を一定にした後、有効ねじ部領域及び不完全ねじ部領域で主軸回転数を徐々に減少するように変化させて、到達目標主軸回転数に向かって制御することにより、請求項1と同様の効果を容易に実現できる。
請求項の発明によれば、不完全ねじ部の加工長が不完全ねじ部の加工長の上限値以下の場合、有効ねじ部領域では前記目標主軸回転数に応じて主軸回転数を一定にした後、主軸回転数を徐々に減少させて到達目標主軸回転数に達するよう制御する、そして、不完全ねじ部領域で到達目標主軸回転数に基づいた主軸回転数で一定にすることにより、請求項1と同様の効果を容易に実現できる。
以下、本発明のねじ切り加工装置を数値制御旋盤10に具体化した実施形態を図1〜10を参照して説明する。
数値制御旋盤10は、図1に示すように、Z軸を回転中心として回転自在な主軸20を有しており、主軸20には爪30が、その中心を該主軸20に一致させた形で主軸20と共に回転駆動自在に設けられている。爪30にはねじを切削加工すべきワークWが、該主軸20の回転軸であるZ軸を回転中心として回転自在な形で把持固定されている。主軸20には該主軸20を回転駆動させ得る主軸モータ230が接続されている。主軸モータ230は、主軸駆動手段に相当する。又、主軸20には該主軸20の回転検出器であるパルスエンコーダ等からなる角度検出器122が、取付けられている。角度検出器122は、主軸モータ230が一定角度回転する毎にパルス信号を発生し、主軸制御部170へフィードバックする。この主軸モータ230及び爪30を備えた主軸20は、ベッド(図示略)に配設されている。
刃物台駆動機構300は、サドル310をZ軸方向(図1では水平方向であって、主軸20の軸心と平行)に移動させるためのZ軸送りモータ320と送りねじ330、及びサドル310に設けられた刃物台340をX軸方向(図では垂直方向)に移動させるためのX軸送りモータ350と送りねじ360等により構成されている。Z軸方向は、第1軸方向に相当し、X軸方向は、Z軸方向に直交する第2軸方向に相当する。X軸送りモータ350及びZ軸送りモータ320には、それぞれX軸位置及びZ軸位置検出器としてのロータリエンコーダ124X,126Zが装着され、両ロータリエンコーダにより加工工具400のX軸位置、Z軸位置が検出可能である。Z軸送りモータ320は、第1駆動手段に相当し、X軸送りモータ350は、第2駆動手段に相当する。
刃物台340には、ねじ切りバイト即ち加工工具400が着脱自在に装着されている。数値制御旋盤10にはねじ切り加工制御装置としてのNC装置100が、主軸20と加工工具400を制御駆動させ得る形で設けられており、NC装置100は、図2に示すように、CPUからなる主制御部110を有している。主制御部110は、制御手段、加工長演算手段に相当する。主制御部110には入力部120、X軸制御部130、Z軸制御部140、補間制御部150、主軸制御部170、加工プログラム解析部180、操作盤185、表示部187、テープリーダ190、記憶部(メモリ)195等が接続されている。入力部120には刃物台340のロータリエンコーダ124X,126Z及び前記主軸20の角度検出器122がそれぞれ接続されている。なお、図1では、説明の便宜上、NC装置100の構成を一部省略して図示していないが、図2に示すように、X軸制御部130には駆動回路132を介してX軸送りモータ350が接続されている。又、Z軸制御部140には駆動回路142を介してZ軸送りモータ320が接続されている。さらに、主軸制御部170には駆動回路172を介して前記主軸モータ230が、接続されている。
X軸制御部130は、その出力制御信号によって駆動回路132を介してX軸送りモータ350の回転を制御し、ロータリエンコーダ124Xからの送りねじ360の回転速度に比例する周波数のパルス信号をフィードバック信号として入力する。
一方、Z軸制御部140は、その出力制御信号によってZ軸送りモータ320の回転を制御し、ロータリエンコーダ126Zからの送りねじ330の回転速度に比例する周波数のパルス信号をフィードバック信号として入力するようにされている。
補間制御部150は、主軸制御部170、X軸制御部130,Z軸制御部140で生成された1ブロック分の実行データを受け取り、単位時間当たりの各軸の移動量を演算する。主軸制御部170、X軸制御部130,及びZ軸制御部140は、補間制御部150で演算された単位時間当たりの各軸の移動量に基づいてそれぞれ主軸モータ230,Z軸送りモータ320,X軸送りモータ350を互いに同期補間の制御にて駆動が可能である。又、主軸制御部170、及びZ軸制御部140は、補間制御部150で演算された単位時間当たりの各軸の移動量に基づいてそれぞれ主軸モータ230,Z軸送りモータ320を互いに同期補間の制御にて駆動が可能である。
具体的には、後述する有効ねじ部領域において、主軸20の回転、X軸の送り、及びZ軸の送りの同期補間の制御が、主制御部110の制御指令に基づいて、主軸制御部170、X軸制御部130及びZ軸制御部140を介して行われる。又、後述する不完全ねじ部領域において、主軸20の回転、X軸の送り、及びZ軸の送りについての同期補間の制御が、主制御部110の制御指令に基づいて、主軸制御部170、X軸制御部130及びZ軸制御部140を介して行われる。なお、後述する不完全ねじ部領域においては、主軸20の回転、及びZ軸の送りについての同期補間の制御を、主制御部110の制御指令に基づいて、主軸制御部170、及びZ軸制御部140を介して行うようにしてもよい。
記憶部195は、図示しない入力部で入力されたデータや、補間制御部150で生成した各種データや、各種プログラムを格納する。操作盤185は、各種データを入力したり、操作入力するためのキー群を備えている。表示部187は、液晶表示装置や又はCRT等から構成されたディスプレイ装置である。
そして、NC装置100の制御により、刃物台駆動機構300が駆動されて、刃物台340に取り付けた加工工具400がX軸方向及びZ軸方向に移動されるとともに、主軸20の爪30に保持されたワークWが回転されて加工される。
なお、図の例では、説明の便宜上簡略して、刃物台340に1つの加工工具400のみが取り付けたようにしているが、この形態に限定するものではない。例えば、この種の装置には一般にはターレット式刃物台を使用して、その周囲に放射状に多数の工具、例えば各種の外径削り用バイト、内径削り用バイト、ねじ切り用バイト、突切り用バイト、回転工具であるドリルなどが取り付けられており、それらのいずれかを任意に選択して使用できるようされている。従って、この実施形態においても、ターレット式刃物台を使用して、ねじ切り加工プログラムの実行中に工具を自動的に交換できるものとする。
(実施形態の作用)
次に、本実施形態の数値制御旋盤10の作用を説明する。図3〜4は、NC装置100が実行するねじ切り加工で行われるZ軸送り速度パターンの決定のためのフローチャートであり、ねじ切り加工を行う前に、操作盤185の図示しないスタートボタンの操作がされると、主制御部110により、実行される。なお、本実施形態では、1条ねじのねじ切り加工について説明するが、ねじ条数に限定されるものではない。
(S10)
S10では、操作盤185を操作して、ワークWの材質が入力されると、そのワークW材質に応じて、記憶部195に格納されたパラメータが読み込まれる。すなわち、操作盤185にて、ワークWの材質が選択されると、記憶部195に格納したデータベースからその材質に応じたパラメータが一義的に読み込まれる。
具体的には、不完全ねじ部の最低周速度V(mm/min)、ねじ切り加工における主軸加減速度A(rev/min2)、X軸送り速度クランプ値F(mm/min)、X軸加減速時定数T(sec)が読み込まれる。これらの値は、後に不完全ねじ部長さ(不完全ねじ部の加工長に相等する)を算出するための基礎となるパラメータである。主軸加減速度Aは目標主軸加減速度に相等する。
不完全ねじ部の最低周速度V(mm/min)、ねじ切り加工における主軸加減速度A(rev/min2)、X軸送り速度クランプ値F(mm/min)は、選択されたワークWの材質の加工条件でもある。
S20では、ねじ切り加工プログラムがテープリーダ190等から読み込まれる。このねじ切り加工プログラムには、予め、形成するべきねじに関するデータが含まれており、このデータを読み込む。具体的には、形成するべきねじに関するデータとしては、ねじ終点部のX座標値X(mm)、同じくねじ終点部のZ座標値Z(mm)、ねじ山高さK(mm)、ねじのリードF(mm)、目標主軸回転数S(min−1)、不完全ねじ部長さの上限値J(mm)及び有効ねじ部長さR(有効ねじ部の加工長に相当する)であり、これらの値は固定値である。なお、ねじ終点部とは、不完全ねじ部の終点部である。
S30では、不完全ねじ部領域の加工時間ΔT(不完全ねじ部領域加工時間)の算出が次式にて行われる。
Figure 0004639058
S40では、不完全ねじ部領域の主軸最低回転数Sの算出が次式にて行われる。
Figure 0004639058
S50では、不完全ねじ部長さJの算出が次式にて行われる。
Figure 0004639058
S60では、S50で算出された不完全ねじ部長さJと、上限値Jとの大小関係の判定が行われる。J>Jの場合は、S70に移行され、J≦Jの場合は、S140でZ軸送り速度パターンAが選択されて、このルーチンが終了される。
S70では、不完全ねじ部長さJ(<J)の算出が次式にて行われる。S70の「数4」で使用される各種データ(ΔT、F、S、A)は、加工長関連パラメータに相当する。
Figure 0004639058
S80では、S70で算出された不完全ねじ部長さJと、上限値Jとの大小関係の判定が行われる。J>Jの場合は、S90に移行され、J≦Jの場合は、S150でZ軸送り速度パターンBが選択されて、このルーチンが終了される。
S90では、不完全ねじ部長さJ(<J<J)の算出が次式にて行われる。「数5」の算出で使用される各種データ(ΔT、F、S、A)は、加工長関連パラメータに相当する。
Figure 0004639058
S100では、S90で算出された不完全ねじ部長さJと、上限値Jとの大小関係の判定が行われる。J>Jの場合は、S110に移行され、J≦Jの場合は、S160でZ軸送り速度パターンCが選択されて、このルーチンが終了される。
S110では、不完全ねじ部長さJ(<J<J<J)の算出が次式にて行われる。S110の「数6」で使用される各種データ(ΔT、F、S)は、加工長関連パラメータに相当する。
Figure 0004639058
S120では、S110で算出された不完全ねじ部長さJと、上限値Jとの大小関係の判定が行われる。J>Jの場合は、S130に移行され、J≦Jの場合は、S170でZ軸送り速度パターンDが選択されて、このルーチンが終了される。
S130では、アラーム(警告文)が表示部187に表示されてこのルーチンを終了する。すなわち、現在付与されている各種データに基づいて算出した不完全ねじ部の加工長ではいずれも、上限値を超えてしまい、現在付与されているデータに基づいてのねじ切り加工は好ましくないとして警告を付与するのである。
次に、S140〜S170で選択されるZ軸送り速度パターンA〜Dについて説明するとともに、各パターンが選択された場合の、主軸回転数について説明する。
(Z軸送り速度パターンA)
図7(a)は、Z軸送り速度パターンAを示しており、有効ねじ部領域及び不完全ねじ部領域とも、Z軸送り速度は一定値に保持される。なお、この場合のZ軸送り速度は、目標主軸回転数SとねじのリードFの積である。
Z軸送り速度パターンAにおいて、t1は有効ねじ部領域の始点の切削開始時点を示している(以下、同様)。又、ta(>t1)は、不完全ねじ部の始点の切削開始時点を示す。
このZ軸送り速度パターンAが選択された場合、有効ねじ部領域において、主制御部110は、ロータリエンコーダ126Zの検出信号に基づいて加工工具400の実際のZ軸位置を算出し、算出した実際のZ軸位置に基づいて有効ねじ部の切削加工が終了したか否かを判定する。主制御部110は、加工工具400の実際のZ軸位置が有効ねじ部の終点のZ軸位置の場合、有効ねじ部の切削加工が終了したと判定し、この有効ねじ部の切削加工が終了した時点taからは、主制御部110は、不完全ねじ部の切削を開始するように、主軸制御部170、X軸制御部130、及びZ軸制御部140を制御する。
なお、Z軸送り速度パターンAが選択された場合は、図8(a)に示すように有効ねじ部領域及び不完全ねじ部領域のいずれも、主制御部110により、主軸20は、目標主軸回転数S(固定値),すなわち、一定の回転数で回転される(主軸回転数パターンA1)。
又、有効ねじ部領域では、主軸20の回転と、X軸及びZ軸の送りは、主軸制御部170,X軸制御部130,Z軸制御部140及び補間制御部150により同期補間で制御される。不完全ねじ部領域では、主軸20の回転、X軸及びZ軸の送りは、主軸制御部170,X軸制御部130,Z軸制御部140及び補間制御部150により同期補間で制御される。このように、いずれの領域においても、主軸回転数が一定で、かつZ軸送り速度が一定となるように、主軸20とZ軸の送りが同期補間されて、両領域でねじのピッチPが同じとなるように加工される。
(Z軸送り速度パターンB)
図7(b)は、Z軸送り速度パターンBを示しており、有効ねじ部領域においては、Z軸送り速度は一定値に保持される。なお、この領域のZ軸送り速度は、目標主軸回転数SとねじのリードFの積である。又、不完全ねじ部領域の全域、すなわち、有効ねじ部領域の終点(=不完全ねじ部領域の始点)から不完全ねじ部領域の終点まで(加工時間ΔT中の領域)の間、Z軸送り速度は、図7(b)に示すように、傾きA・F(主軸加減速度とねじリードの積)で徐々に減速するように設定されている。
図7(b)に示すZ軸送り速度パターンBにおいて、tb(=ta)は、不完全ねじ部の始点の切削開始時点を示す。
このZ軸送り速度パターンBが選択された場合、有効ねじ部領域において、主制御部110は、ロータリエンコーダ126Zの検出信号に基づいて加工工具400の実際のZ軸位置を算出し、算出した実際のZ軸位置に基づいて有効ねじ部の切削加工が終了したか否かを、Z軸送り速度パターンAを選択したときと同様に判定する。主制御部110は、加工工具400の実際のZ軸位置が有効ねじ部の終点のZ軸位置の場合、有効ねじ部の切削加工が終了したと判定し、この有効ねじ部の切削加工が終了した時点tbからは、主制御部110は、不完全ねじ部の切削を開始するように、主軸制御部170、X軸制御部130、及びZ軸制御部140を制御する。
又、Z軸送り速度パターンBが選択された場合は、図8(b)に示すように有効ねじ部領域では、主制御部110の制御により、主軸20は目標主軸回転数S(固定値)で、すなわち、一定の回転数で回転される。又、不完全ねじ部領域の全域では、主軸回転数は、図8(b)に示すように、有効ねじ部領域の終点から加工時間ΔTの時間中、傾きA(主軸加減速度)で徐々に減速される(主軸回転数パターンB1)。なお、この場合、主軸回転数が最終的に向かう目標値は、図8(b)に示すように主軸最低回転数Sよりも大となる値である。
又、有効ねじ部領域では、主軸20の回転と、X軸及びZ軸の送りは、主軸制御部170,X軸制御部130,Z軸制御部140及び補間制御部150により同期補間で制御される。不完全ねじ部領域では、主軸制御部170,X軸制御部130、Z軸制御部140及び補間制御部150により、ねじのピッチPが有効ねじ部領域と同じとなるように主軸20の回転とZ軸の送りが同期補間で制御されるとともに、主軸20の回転とX軸の送りが同期補間で制御される。
(Z軸送り速度パターンC)
図7(c)は、Z軸送り速度パターンCを示しており、有効ねじ部領域の始点から始まる一部の領域においては、Z軸送り速度は一定値に保持される。なお、この領域のZ軸送り速度は、目標主軸回転数SとねじのリードFの積である。又、有効ねじ部領域の前記一部においては、該一部の領域の終点から、有効ねじ部領域の終点までは、傾きA・F(主軸加減速度とねじリードの積)で徐々に減速するように設定されている。さらに、不完全ねじ部領域の全域では、Z軸送り速度は、図7(c)に示すように、傾きA・F(主軸加減速度とねじリードの積)で徐々に減速し、不完全ねじ部領域の終点で、S・F(主軸最低回転数SとねじのリードFの積)に達するように設定されている。
図7(c)に示すZ軸送り速度パターンCにおいて、tc1は前述の前記一部の領域の終点から、傾きA・F(主軸加減速度とねじリードの積)で徐々に減速を開始する時点を示している。さらにtc2(>tc1>t1)は、不完全ねじ部の始点の切削開始時点を示している。
tc1及びtc2に達した時に、加工工具400が位置すべきZ軸位置(予定位置)は、予めねじ切り加工プログラムに含まれた演算式に基づいて、主制御部110が算出する。なお、前記予定位置の算出には、切削開始時点t1、有効ねじ部長さR、有効ねじ部領域のZ軸送り速度(S・F)、傾きA・F、加工時間ΔT、S・F(主軸最低回転数SとねじのリードFの積)のデータが使用される。ここで、主軸最低回転数Sは、到達目標主軸回転数に相当する。
そして、有効ねじ部領域では、主制御部110は、加工工具400の実際のZ軸位置をロータリエンコーダ126Zの検出信号に基づいて算出し、加工工具400の実際のZ軸位置が、予定位置である一方のZ軸位置に達した時点tc1から、傾きA・F(主軸加減速度とねじリードの積)で徐々に減速して切削を行う。又、主制御部110は、残りの予定位置である一方のZ軸位置に達した時点tc2から、傾きA・F(主軸加減速度とねじリードの積)で減速しながら不完全ねじ部の加工切削を行う。
又、Z軸送り速度パターンCが選択された場合は、図8(c)に示すように有効ねじ部領域の始点から始まる一部の領域では、主制御部110により、主軸20は、t1〜tc1の間は、目標主軸回転数S(固定値)で回転され、すなわち、主軸20は一定の回転数で回転される。又、tc1〜tc2、及び不完全ねじ部領域の全域では、すなわち、図8(c)に示すように、主制御部110により、主軸回転数は傾きA(主軸加減速度)で到達目標主軸回転数である主軸最低回転数Sに向かって徐々に減速される(主軸回転数パターンC1)。
又、有効ねじ部領域では、主軸20の回転と、X軸及びZ軸の送りは主軸制御部170,X軸制御部130,Z軸制御部140及び補間制御部150により同期補間で制御される。不完全ねじ部領域では、主軸20の回転、X軸の送り及びZ軸の送りは、主軸制御部170,X軸制御部130、Z軸制御部140及び補間制御部150により同期補間で制御される。 そして、有効ねじ部領域の一部の領域では、主軸回転数が一定、かつZ軸送り速度が一定となるように、主軸20とZ軸の送りが同期補間されて、ねじのピッチPが同じとなるように加工される。又、傾きA・F(主軸加減速度とねじリードの積)で減速しながら加工切削が行われる領域では、ねじのピッチPが有効ねじ部領域の前記一部の領域と同じとなるように主軸20回転とZ軸の送りが同期補間で制御される。
(Z軸送り速度パターンD)
図7(d)は、Z軸送り速度パターンDを示しており、有効ねじ部領域の始点から始まる一部の領域においては、Z軸送り速度は一定値に保持される。なお、この場合のZ軸送り速度は、目標主軸回転数SとねじのリードFの積である。又、有効ねじ部領域の一部において、前記一部の領域の終点から、有効ねじ部領域の終点までは、傾きA・F(主軸加減速度とねじリードの積)で徐々に減速するように設定され、かつ、有効ねじ部領域の終点に達したときに、Z軸送り速度が、S・F(主軸最低回転数SとねじのリードFの積)の速度となるように設定されている。さらに、不完全ねじ部領域の全域では、Z軸送り速度を、図7(d)に示すように、S・F(主軸最低回転数SとねじのリードFの積)にして一定に保持される。
図7(d)に示すZ軸送り速度パターンDにおいて、td1は前述の前記一部の領域の終点から、傾きA・F(主軸加減速度とねじリードの積)で徐々に減速を開始する時点を示している。さらにtd2(>td1>t1)は、不完全ねじ部の始点の切削開始時点を示している。
td1及びtd2に達したときに、加工工具400が位置すべきZ軸位置(予定位置)は、予めねじ切り加工プログラムに含まれた演算式に基づいて、主制御部110が算出する。なお、前記予定位置の算出には、切削開始時点t1、有効ねじ部長さR、有効ねじ部領域のZ軸送り速度(S・F)、傾きA・F、S・F(主軸最低回転数SとねじのリードFの積)のデータが使用される。
そして、有効ねじ部領域では、主制御部110は、加工工具400の実際のZ軸位置をロータリエンコーダ126Zの検出信号に基づいて算出し、加工工具400の実際のZ軸位置が、予定位置である一方のZ軸位置に達した時点td1から、傾きA・F(主軸加減速度とねじリードの積)で徐々に減速して切削を行う。
加工工具400の実際のZ軸位置が、予定位置である一方のZ軸位置に達した時点td2からは、Z軸送り速度を、S・F(主軸最低回転数SとねじのリードFの積)の速度にして一定にし、不完全ねじ部の加工切削を行う。
なお、Z軸送り速度パターンDが選択された場合、図8(d)に示すように有効ねじ部領域の始点から始まる一部の領域では、主制御部110により、主軸20は、t1〜td1の間は、目標主軸回転数S(固定値)で回転され、すなわち、主軸20は一定の回転数で回転される。
又、td1〜td2では、図8(d)に示すように、有効ねじ部領域の一部の終点(時点td1)から有効ねじ部領域の終点までは、主制御部110により、主軸回転数が傾きA(主軸加減速度)で到達目標主軸回転数である主軸最低回転数Sに向かって徐々に減速する。さらに、主制御部110により、主軸回転数が不完全ねじ部領域では、主軸最低回転数Sで一定となる(主軸回転数パターンD1)。
又、有効ねじ部領域では、主軸20の回転と、X軸及びZ軸の送りは主軸制御部170,X軸制御部130,Z軸制御部140及び補間制御部150により同期補間で制御される。不完全ねじ部領域では、主軸20の回転、X軸の送り及びZ軸の送りは、主軸制御部170,X軸制御部130,Z軸制御部140及び補間制御部150により同期補間で制御される。
そして、有効ねじ部領域の一部の領域では、主軸回転数が一定、かつZ軸送り速度が一定となるように、主軸20とZ軸の送りが同期補間されて、ねじのピッチPが同じとなるように加工される。又、傾きA・F(主軸加減速度とねじリードの積)で減速しながら加工切削が行われる領域では、ねじのピッチPが有効ねじ部領域の前記一部の領域と同じとなるように主軸20回転とZ軸の送りが同期補間で制御される。さらに、不完全ねじ部領域では、主軸20の回転、及びZ軸の送りは、主軸制御部170,Z軸制御部140及び補間制御部150により同期補間で制御され、ねじのピッチPが前記有効ねじ部領域と同じとなるように加工される。
さて、上記のように、Z軸送り速度パターンのいずれかが選択された場合、引き続き、ねじ切り加工プログラムに基づいて主制御部110は、選択されたZ軸送り速度パターンA〜D及び、そのZ軸送り速度パターンと対応する主軸回転数パターンA1〜D1にて、ワークWに対するねじ切り加工を行う。
以下では、説明の便宜上、Z軸送り速度パターンCが選択されたものとして説明する。ねじ切り加工が開始されると、主制御部110は、主軸制御部170、駆動回路172を介して、主軸モータ230を制御して、主軸回転数が目標主軸回転数Sとなるように制御する。
そして、主軸回転数が目標主軸回転数Sに達すると、主制御部110は、Z軸制御部140及びX軸制御部130に制御指令を出力し、加工工具400が待機する位置から、ワークWの加工開始点までのアプローチ部の領域では、X軸方向の送りと、Z軸方向の送りとを有効ねじ部直前まで、同期補間しながら加速する(図5(a)〜(c)参照)。なお、図5(a)〜(c)はZ軸送り速度パターンCの場合の、実際の主軸回転数、Z軸送り速度、及びX軸送り速度のタイムチャートを示している。
有効ねじ部領域(t1〜tc2)では、主軸20の回転と、Z軸及びX軸の送りは、主軸制御部170、X軸制御部130、Z軸制御部140及び補間制御部150により同期補間で制御される。そして、同図に示すようにt1〜tc1の間は、Z軸送り速度パターンCに従い、主軸回転数は、目標主軸回転数Sに基づいて制御され、一定に保持される。続く、tc1〜tc2の間は、主軸制御部170により、主軸回転数が傾きA(主軸加減速度)で徐々に減速する。
又、不完全ねじ部領域(加工時間ΔT)では、主軸20の回転、X軸の送り及びZ軸の送りは、主制御部110の制御指令に基づいて主軸制御部170、X軸制御部130、Z軸制御部140及び補間制御部150により、同期補間で制御される。又、この領域では、主制御部110の制御指令に基づいて主軸制御部170により、主軸回転数が傾きA(主軸加減速度)で徐々に減速する。一方、不完全ねじ部領域では、主制御部110の制御指令に基づいて、X軸制御部130を介してX軸送りモータ350を駆動制御して、図5(c)に示すように、X軸送り速度を変化させ、刃物台340を移動させることにより、加工工具400をワークWから離間する方向へ切り上げ、不完全ねじ部領域の終点で切り上げを完了する。
不完全ねじ部領域の終点を超えた時点からは、図5(a)に示すように、主制御部110の制御指令に基づいて、主軸制御部170は、主軸回転数を再び初期速度である目標主軸回転数Sになるように主軸モータ230を加速する。一方、主制御部110の制御指令に基づいて、Z軸制御部140及びX軸制御部130は、Z軸送り速度及びX軸送り速度が0となるように非補間で減速し、X軸送りモータ350及びZ軸送りモータ320を停止制御する。
なお、図5(c)に示すように、X軸送り速度は、0〜t1の間のアプローチ部で立ち上がって、t1〜tc1の間は、一定速度になる。tc1からtc2の間は主軸回転数の減少に同期して、徐々に減速し、tc2からは、所定速度まで増速した後、その所定速度を一定時間保持した後は、0(mm/min)まで減速するようにしている。この結果、図11に示すように、形成された有効ねじ部では、先端の外径が小径で、基端の外径が大径となるテーパー形状を備えたものとなる。
なお、上記説明では、Z軸送り速度パターンCを使用したねじ切り加工について説明したが、残りのパターンについては、前述した各パターンの項目で説明しているため、説明を省略する。
本実施形態の特徴は、下記の通りである。
(1) 図6は、主制御部110の制御により行われるZ軸位置と主軸回転角度の補間パターンを示し、縦軸が主軸回転角度(rad)、横軸がZ軸位置である。本実施形態の場合、有効ねじ部領域は勿論のこと、不完全ねじ部領域においても、主軸20の回転と、Z軸の送りを同期補間して、ピッチPを一定とし、すなわち、ねじリードを一定とする。なお、ねじリードL(ねじを一回転したときにねじの軸方向に動く距離)とピッチPとの関係は、1条ねじの場合は、L=P、であり、2条ねじの場合は、L=2Pとなる。すなわち、L=nP、(nはねじの条数)の関係にある。本実施形態では、1条ねじのねじ切り加工である。
(2) 図9(a)は、従来のねじ切り加工の場合のZ軸送り速度のタイムチャートであり、図10は、従来の不完全ねじ部領域のタイムチャートである。従来は、Sを主軸回転数としたとき、Z軸送り速度S・Fを、有効ねじ部領域の加工時間(t2−t1)、及び不完全ねじ部領域の加工時間(t3−t2)において、一定にしている。すなわち、有効ねじ部領域(t1〜t2間)、及び不完全ねじ部領域(t2〜t3間)においては、主軸回転数を一定にしている。
は有効ねじ部長さであり、L=S・F*(t2−t1)で表される。Lは従来のねじ切り加工の不完全ねじ部長さであり、L=S・F*(t3−t2)で表される。
従来は、主軸回転数を、有効ねじ部、及び不完全ねじ部を加工する領域においても一定に保っていることから、図面指示(設計値)より、不完全ねじ部が長くなる場合は、主軸回転数を切削の適正な値より下げて、不完全ねじ部が長くならないようにしている。例えば、図10に示すように、S・FをS11・F(<S・F)や、S12・F(<S・F)に示すように下げる必要がある。なお、S11(<S),S12(<S11)はそれぞれ主軸回転数である。この場合、S11,S12での主軸回転数で不完全ねじ部領域を加工すると、その場合の不完全ねじ部長さL21,L22は、L21=S11・F*(t3−t2)、L22=S12・F*(t3−t2)でそれぞれ表される。従って、L>L21>L22となる。
しかし、主軸回転数をこのように下げると、有効ねじ部領域でもその下げた主軸回転数で加工することになるため、有効ねじ部及び不完全ねじ部を含めた加工時間が長くなり、有効ねじ部領域及び不完全ねじ部領域を含めた加工時間が長くなる問題がある。なお、有効ねじ部長さは、一般的には、不完全ねじ部長さよりも、数倍以上の長さを有しており、有効ねじ部領域の加工時間が長くなること、すなわち総加工時間が長くなることには加工効率の点で好ましくない。
図9(b)は、本実施形態のZ軸送り速度パターンCのZ軸送り速度のタイムチャートである。
本実施形態では、有効ねじ部領域において、Z軸送り速度を切削開始時点t1からtc1までは、Z軸送り速度を一定に保持する。この場合、Z軸送り速度を従来のS・Fよりも速いS・Fにする。そして、tc1〜t4(=tc2)〜t5(不完全ねじ部領域の終点)までは、傾きA・(主軸加減速度)で徐々に減速する。この場合、主軸回転数も同様に図8(c)に示すパターンとなる。この場合、従来のSよりも速い主軸回転数Sで主軸20が回転されるため、有効ねじ部領域の加工時間を短くでき、有効ねじ部領域と不完全ねじ部領域の加工時間を短縮できる効果がある。
一方、不完全ねじ部領域では、有効ねじ部領域の主軸回転数よりも小さくするため、不完全ねじ部長さを、従来、有効ねじ部領域と不完全ねじ部領域と同じ一定の主軸回転数で切削加工していたときよりも短縮することができる。
なお、図9(b)で示す不完全ねじ部長さLはJに相当する。
(3) なお、Z軸送り速度パターンBが選択され、主軸回転数が主軸回転数パターンB1で制御される場合においても、上記と同様の理由から、上記(1)、(2))の効果を奏する。
又、Z軸送り速度パターンDが選択され、主軸回転数が主軸回転数パターンD1で制御される場合でも、上記と同様の理由から、上記(1)、(2))の効果を奏する。
なお、本発明の実施形態は前記実施形態に限定するものではない。例えば下記のようにしてもよい。
(1) 前記実施形態では、Z軸送り速度パターンCでは、tc1〜tc2の間の傾きを加工時間ΔT中の傾きA・Fと同じとしたが、図5(b)の点線で示すように、互いに異なる傾きに設定してもよい。この場合、主制御部110により、主軸20も同期補間で制御するため主軸回転数も同様に変更される。
(2) 前記実施形態では、刃物台340をX軸方向に移動自在にし、サドル310をZ軸方向に移動自在に配置したが、主軸20をZ軸方向及びX軸方向に移動自在とし、それぞれの方向に駆動する第1駆動手段(例えばモータ)及び第2駆動手段(例えばモータ)を設けてもよい。そして、制御手段としての主制御部110にて、第1駆動手段及び第2駆動手段を前記実施形態と同様に制御するようにしてもよい。
(3) 又、主軸20をZ軸方向に移動自在とし、サドル310を省略して、刃物台340をX軸方向に移動自在に配置してもよい。そして、主軸20をZ軸方向に駆動する第1駆動手段(例えばモータ)を設け、刃物台340をX軸方向に駆動する第2駆動手段(例えばX軸送りモータ350)を設ける。そして、制御手段としての主制御部110にて、第1駆動手段及び第2駆動手段を前記実施形態と同様に制御するようにしてもよい。
(4) 又、サドル310をZ軸方向に移動自在とし、主軸20をX軸方向に移動自在に配置してもよい。そして、サドル310をZ軸方向に駆動する第1駆動手段(例えばZ軸送りモータ320)を設け、主軸20をX軸方向に駆動する第2駆動手段(例えばモータ)を設ける。そして、制御手段としての主制御部110にて、第1駆動手段及び第2駆動手段を前記実施形態と同様に制御するようにしてもよい。
(5) 前記実施形態では、図5(a)〜(c)に示す、主軸回転数、Z軸送り速度パターン、及びX軸送り速度パターンで行ったが、図13(a)〜(c)に示す、パターンで行ってもよい。図13(a)〜(c)中、図13(a)の主軸回転数及び図13(b)のZ軸送り速度パターンは、図5(a)、(b)と同じであり、図13(c)のX軸送り速度パターンが異なっている。図13(c)のX軸送り速度パターンでは、アプローチ部、有効ねじ部では、X軸送り速度が0(mm/min)となっており、tc2からは、所定の速度まで増速した後、その所定速度を一定時間経過後は、0(mm/min)まで減速するようにしている。この結果、図12に示すように、形成された有効ねじ部では、先端から基端までの外径は同径となるストレート状のものとなる。
数値制御旋盤10の概略図。 NC装置100のブロック図。 ねじ切り加工のフローチャート。 ねじ切り加工のフローチャート。 (a)は、主軸回転数のタイムチャート、(b)は、Z軸送り速度のタイムチャート、(c)はX軸送り速度のタイムチャート。 Z軸と主軸との補間パターン示す説明図。 (a)〜(d)は、Z軸送り速度パターンの説明図。 (a)〜(d)は、主軸回転数パターンの説明図。 (a)は、従来のねじ切り加工のZ軸送り速度のタイムチャート、(b)は、本実施形態におけるZ軸送り速度のタイムチャート。 不完全ねじ部におけるZ軸送り速度のタイムチャート。 一実施形態のねじ切り加工する場合のワークの正面から見た場合の説明図。 他の実施形態のねじ切り加工する場合のワークの正面から見た場合の説明図。 (a)は他の実施形態の主軸回転数のタイムチャート、(b)は、Z軸送り速度のタイムチャート、(c)はX軸送り速度のタイムチャート。 (a)は、ねじ切り加工する場合のワークの正面から見た場合の説明図、(b)は、同じくワークを側面から見た場合の説明図。 (a)は従来の従来のねじ切り加工のZ軸送り速度の説明図、(b)は同じくZ軸送り速度の説明図、(c)は、X軸送り速度の説明図。
符号の説明
10…数値制御旋盤(ねじ切り加工装置)
20…主軸
110…主制御部(制御手段、加工長演算手段)
170…主軸制御部
230…主軸モータ(主軸駆動手段)
320…Z軸送りモータ(第1駆動手段)
350…X軸送りモータ(第2駆動手段)
340…刃物台
400…加工工具
W…ワーク

Claims (9)

  1. ワークを保持する主軸と、前記主軸を回転駆動する主軸駆動手段と、加工工具を備えた刃物台と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を前記主軸の軸心と平行な第1軸方向へ移動するように駆動する第1駆動手段と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に駆動する第2駆動手段と、前記主軸駆動手段、第1駆動手段及び前記第2駆動手段をそれぞれ制御駆動する制御手段と、を有し、前記主軸と、前記刃物台を相対移動させることによって、該刃物台の加工工具により前記主軸に保持されたワークに有効ねじ部と不完全ねじ部を有するねじを形成し得るねじ切り加工装置において、前記制御手段は、少なくとも不完全ねじ部領域を加工する場合の主軸回転数を徐々に減速するように変化させるように前記主軸駆動手段を制御するとともに、前記第1駆動手段と第2駆動手段のうち、少なくとも第1駆動手段を、前記主軸駆動手段とともに同期補間して制御することを特徴とするねじ切り加工装置。
  2. 前記制御手段は、前記有効ねじ部領域のねじのピッチと不完全ねじ部領域のねじのピッチが同じとなるように前記第1駆動手段と第2駆動手段のうち、少なくとも第1駆動手段と、主軸駆動手段を同期補間して制御することを特徴とする請求項1に記載のねじ切り加工装置。
  3. ワークを保持する主軸と、前記主軸を回転駆動する主軸駆動手段と、加工工具を備えた刃物台と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を前記主軸の軸心と平行な第1軸方向へ移動するように駆動する第1駆動手段と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に駆動する第2駆動手段と、前記主軸駆動手段、第1駆動手段及び前記第2駆動手段をそれぞれ制御駆動する制御手段と、を有し、前記主軸と、前記刃物台を相対移動させることによって、該刃物台の加工工具により前記主軸に保持されたワークに有効ねじ部と不完全ねじ部を有するねじを形成し得るねじ切り加工装置において、
    前記制御手段は、前記加工工具にて前記ワークを加工する有効ねじ部領域と不完全ねじ部領域のうち、有効ねじ部領域では主軸回転数を一定にして制御し、不完全ねじ部領域では、主軸回転数を徐々に減少するように変化させることを特徴とするねじ切り加工装置。
  4. ワークを保持する主軸と、前記主軸を回転駆動する主軸駆動手段と、加工工具を備えた刃物台と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を前記主軸の軸心と平行な第1軸方向へ移動するように駆動する第1駆動手段と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に駆動する第2駆動手段と、前記主軸駆動手段、第1駆動手段及び前記第2駆動手段をそれぞれ制御駆動する制御手段と、を有し、前記主軸と、前記刃物台を相対移動させることによって、該刃物台の加工工具により前記主軸に保持されたワークに有効ねじ部と不完全ねじ部を有するねじを形成し得るねじ切り加工装置において、
    前記制御手段は、前記加工工具にて前記ワークを加工する有効ねじ部領域と不完全ねじ部領域のうち、有効ねじ部領域では主軸回転数を一定にして制御した後、該主軸回転数を徐々に減少するように制御し、不完全ねじ部領域では、前記有効ねじ部領域から継続して主軸回転数を徐々に減少するように変化させることを特徴とするねじ切り加工装置。
  5. ワークを保持する主軸と、前記主軸を回転駆動する主軸駆動手段と、加工工具を備えた刃物台と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を前記主軸の軸心と平行な第1軸方向へ移動するように駆動する第1駆動手段と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に駆動する第2駆動手段と、前記主軸駆動手段、第1駆動手段及び前記第2駆動手段をそれぞれ制御駆動する制御手段と、を有し、前記主軸と、前記刃物台を相対移動させることによって、該刃物台の加工工具により前記主軸に保持されたワークに有効ねじ部と不完全ねじ部を有するねじを形成し得るねじ切り加工装置において、
    前記制御手段は、前記加工工具にて前記ワークを加工する有効ねじ部領域と不完全ねじ部領域のうち、有効ねじ部領域では主軸回転数を一定にして制御した後、該主軸回転数を徐々に減少するように制御し、不完全ねじ部領域では、有効ねじ部領域で一定にした主軸回転数よりも少ない主軸回転数で一定にするように制御することを特徴とするねじ切り加工装置。
  6. ワークを保持する主軸と、前記主軸を回転駆動する主軸駆動手段と、加工工具を備えた刃物台と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を前記主軸の軸心と平行な第1軸方向へ移動するように駆動する第1駆動手段と、前記主軸及び刃物台の少なくともいずれか一方を、前記第1軸方向と直交する第2軸方向に駆動する第2駆動手段と、前記主軸駆動手段、第1駆動手段及び前記第2駆動手段をそれぞれ制御駆動する制御手段と、を有し、前記主軸と、前記刃物台を相対移動させることによって、該刃物台の加工工具により前記主軸に保持されたワークに有効ねじ部と不完全ねじ部を有するねじを形成し得るねじ切り加工装置において、
    前記不完全ねじ部の加工長を加工長関連パラメータに基づいて算出する加工長演算手段を備え、
    該加工長と、前記加工長関連パラメータに含まれる不完全ねじ部の加工長の上限値の大小関係に応じて、制御手段は、有効ねじ部領域と不完全ねじ部領域において主軸回転数を一定に制御するか、或いは、請求項3乃至請求項5のうちいずれかの制御を行うことを特徴とするねじ切り加工装置。
  7. 前記加工長関連パラメータは、目標主軸回転数、不完全ねじ部領域加工時間、目標主軸加減速度及び不完全ねじ部の加工長の上限値を含み、
    前記制御手段は、前記加工長が、前記上限値以下の場合、有効ねじ部領域で、前記目標主軸回転数に応じて主軸回転数を一定にした後、不完全ねじ部領域では前記目標主軸加減速度に基づいて主軸回転数を徐々に減少するように変化させることを特徴とする請求項6に記載のねじ切り加工装置。
  8. 前記加工長関連パラメータは、有効ねじ部で採用される目標主軸回転数よりも小である不完全ねじ部領域で到達すべき到達目標主軸回転数、不完全ねじ部領域加工時間、目標主軸加減速度及び不完全ねじ部の加工長の上限値を含み、
    前記制御手段は、該加工長が前記上限値以下の場合、前記有効ねじ部領域で前記目標主軸回転数に応じて主軸回転数を一定にする制御を行った後、前記目標主軸加減速度に基づいて、前記有効ねじ部領域及び前記不完全ねじ部領域で主軸回転数を徐々に減少するように変化させて、前記到達目標主軸回転数に向かって制御することを特徴とする請求項6に記載のねじ切り加工装置。
  9. 前記加工長関連パラメータは、有効ねじ部で採用される目標主軸回転数よりも小である不完全ねじ部領域で到達すべき到達目標主軸回転数、不完全ねじ部領域加工時間及び不完全ねじ部の加工長の上限値を含み、
    前記制御手段は、該加工長が前記上限値以下の場合、前記有効ねじ部領域では前記目標主軸回転数に応じて主軸回転数を一定する制御を行った後、主軸回転数を徐々に減少するように変化させて前記到達目標主軸回転数に達するよう制御し、不完全ねじ部領域では前記到達目標主軸回転数に基づいた主軸回転数で一定にすることを特徴とする請求項6に記載のねじ切り加工装置。
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