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JP4638187B2 - 粉粒体検査方法及び粉粒体検査装置 - Google Patents

粉粒体検査方法及び粉粒体検査装置 Download PDF

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JP4638187B2 JP2004234566A JP2004234566A JP4638187B2 JP 4638187 B2 JP4638187 B2 JP 4638187B2 JP 2004234566 A JP2004234566 A JP 2004234566A JP 2004234566 A JP2004234566 A JP 2004234566A JP 4638187 B2 JP4638187 B2 JP 4638187B2
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Description

本発明は、検査対象物たる粉粒体を所定方向に搬送しながら、当該粉粒体内に異物が混入しているか否かを検査する粉粒体検査方法及び粉粒体検査装置に関する。
従来、粉粒体検査装置として、例えば、特開2000−162136号公報に開示されたものが知られている。この粉粒体検査装置は、粉粒体を供給する供給機構と、供給機構から供給された粉粒体を所定の搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、搬送機構によって搬送される粉粒体内に、異物が混入しているか否かを検査する検査機構と、検査機構よりも搬送方向下流側に設けられ、当該検査機構によって異物の混入が確認された場合に、当該異物を回収する異物回収機構と、異物回収機構よりも搬送方向下流側に設けられ、当該下流側まで搬送された粉粒体を回収する良品回収機構とを備えて構成される。
前記搬送機構は、無端環状に形成され、前記搬送方向に沿って設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトを前記搬送方向側に向けて回動させる駆動部などを備えており、搬送方向上流側で、供給機構によって層厚が略均一となるように搬送ベルト上に供給された粉粒体を、搬送方向下流側に向けて搬送する。
前記検査機構は、搬送ベルトの上方に設けられ、当該搬送ベルトによって搬送される粉粒体を撮像して2次元画像データを生成するCCDカメラと、CCDカメラによって生成された2次元画像データを画像処理して異物混入の有無を判定する判定部などを備える。
また、前記異物回収機構は、CCDカメラよりも搬送方向下流側で、搬送ベルトと所定間隔を隔てた上方位置に設けられる吸引ノズルと、判定部によって異物の混入が確認された場合に、吸引ノズルの下方位置まで搬送された異物を粉粒体とともに当該吸引ノズルから吸引して除去する吸引ポンプなどを備えており、前記良品回収機構は、搬送方向下流端まで搬送された粉粒体を回収するように構成される。
このように構成された粉粒体検査装置によれば、搬送ベルトにより所定の搬送方向に搬送される粉粒体がCCDカメラにより撮像された後、その2次元画像データが判定部により画像処理されて異物混入の有無が判定され、異物の混入が確認されると、当該異物が吸引ノズルから吸引されて搬送ベルト上から除去される。そして、粉粒体は、搬送方向下流端まで搬送された後、良品回収機構により良品として回収される。
特開2000−162136号公報
ところが、上記従来の粉粒体検査装置では、撮像した2次元画像の色の明暗から異物を検出するようにしているため、白色の粉粒体に白髪が混入している場合など異物が粉粒体と同色である場合や透明である場合には、これを検出し難く、高精度な検査を行うことができないという問題があった。
この場合、粉粒体を検査対象とするものではないが、特開昭61−196143号公報に開示されるような検査装置を適用することも考えられる。
この検査装置は、合成樹脂フィルムなどのシート表面にキズなどの欠陥があるか否かを検査するもので、レーザ光をシート表面に向けて照射し、これをシートの幅方向に走査して、当該シートを透過するレーザ光量の変化から前記欠陥の有無を検出するというものである。
粉粒体と異物とではその形状や材質、光沢などが異なり、例え、異物と粉粒体とが同色であったり、或いは異物が透明であったとしても、当該粉粒体内に異物が混入しているときと混入していないときとでは、当然にレーザ光の透過光量に差を生じるため、かかる透過光量の変化から前記異物を検出できるのである。
しかしながら、かかる特開昭61−196143号公報に開示される検査装置を適用したとしても、粉粒体を検査対象とする場合には、その性状から依然として十分に高精度な検査を行うことができないのというが実情であった。
即ち、粉粒体は、その中に異物が混入しているか否かを検出するに当って、これを薄く広げた層状になす必要があるが、その際、粉粒体層の層厚にムラを生じ、密度にムラを生じ易すいという性状を有しており、かかる層厚や密度のムラによっても、異物が混入している場合と同様に前記レーザ光の透過光量に差を生じるため、透過光量の変化からでは、層厚や密度のムラによるものなのか、異物混入によるものなのかを判別できないのである。
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、粉粒体中に混入した異物を高精度に検出することができる粉粒体検査方法及び粉粒体検査装置の提供をその目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、
予め設定された搬送方向に沿って設けられる搬送面を備えた搬送部材を有し、該搬送面上に外部から供給された検査対象物たる粉粒体を、その層厚を調整しつつ、該搬送部材により前記搬送方向上流側から下流側に向けて搬送する搬送機構と、
前記搬送部材によって前記搬送方向に搬送される粉粒体内に、異物が混入しているか否かを検査する検査装置と、
前記検査装置よりも搬送方向下流側に設けられ、該検査装置によって異物の混入が確認された場合に、該異物を回収する第1回収機構と、
前記第1回収機構よりも搬送方向下流側に設けられ、該下流側まで搬送された粉粒体を回収する第2回収機構とを備えた粉粒体検査装置において、
前記検査装置は、
前記搬送部材の上方に設けられ、前記搬送面及び搬送方向の双方に対して傾斜する平面内に光軸が含まれるレーザ光を前記搬送面上の粉粒体に向けて照射するとともに、該粉粒体上におけるレーザ光の照射位置を、前記搬送面とレーザ光の光軸が含まれる前記平面とが交差する方向に走査する投光機構と、
前記搬送部材から予め設定された間隔を隔てた上方位置に前記走査方向と平行に設けられて、前記投光機構から照射され前記粉粒体により拡散反射されたレーザ光の内、正反射方向以外の方向に拡散反射されたレーザ光を受光する受光部を備え、該受光部における受光量に応じた電気信号を生成する光検出機構と、
該光検出機構によって生成された電気信号を基に、前記異物の混入の有無を判定する判定処理部とから構成されてなり、
前記搬送部材は、前記投光機構から照射されたレーザ光を拡散反射させるように構成され
前記投光機構は、レーザ光の光軸が含まれる前記平面の前記搬送面に対する傾斜角度が、20°〜40°の範囲内となるように構成され、
前記光検出機構の受光部は、前記粉粒体によって拡散反射されたレーザ光の前記搬送面に対する反射角度が、50°〜70°の範囲内にあるレーザ光を受光するように構成されてなることを特徴とする粉粒体検査装置に係る。
この発明によれば、搬送機構の搬送部材の搬送面上に外部から粉粒体が供給されると、供給された粉粒体は、この中に混入した異物を検出可能となるように層厚が調整されつつ、当該搬送部材によって搬送方向上流側から下流側に向けて搬送されるとともに、異物混入の有無が、検査装置により、次のようにして検査される。
即ち、搬送面及び搬送方向の双方に対して傾斜する平面内に光軸が含まれるレーザ光が、投光機構から搬送面上の粉粒体に向けて照射されるとともに、当該粉粒体上におけるレーザ光の照射位置が、前記搬送面とレーザ光の光軸が含まれる前記平面とが交差する方向に走査され、照射されたレーザ光は当該粉粒体によって拡散反射された後、光検出機構の、走査方向と平行に設けられた受光部により受光され、当該受光部における受光量に応じた電気信号が光検出機構によって生成される。
光検出機構によって電気信号が生成されると、当該電気信号を基に、判定処理部によって、粉粒体内に異物が混入しているか否かが判定される。具体的には、粉粒体と異物とでは、その形状や材質、光沢などがそれぞれ異なることから、異物が粉粒体内に混入しているときとしていないときとでは、レーザ光の拡散反射状態が変化して光検出機構の受光部における受光量が変化し、光検出機構によって生成される電気信号の生成レベルがそれぞれ異なるため、判定処理部は、この生成レベルを基に異物混入の有無を判定する。
投光機構からのレーザ光は走査されていることから、搬送される粉粒体の全幅に渡って異物の検出が行われるととともに、粉粒体が前記搬送方向に搬送されているので、レーザ光が当該搬送方向上流側の新たな未照射領域に順次照射されて異物の検出が行われる。
このようにして検査装置により異物検出が行われた結果、異物の混入が確認されると、当該異物が第1回収機構により回収されて搬送部材の搬送面上から除去され、この後、搬送面上の粉粒体は、搬送方向下流側まで搬送された後、第2回収機構により良品として回収される。
ところで、搬送面上の粉粒体は、その層厚が搬送機構によって調整されつつ搬送されているが、層厚や密度にムラを生じると、例えば、搬送面上に粉粒体が疎らにしかなく、当該搬送面(搬送部材)が露出している部分があると、異物が混入しているか否かに関係無く、レーザ光の拡散反射状態が変化して光検出機構の受光部によって受光される受光量、即ち、光検出機構によって生成される電気信号の生成レベルが変化するため、異物混入の有無を精度良く検出することができなくなる。
そこで、本発明では、上述のように、搬送部材を、これが、投光機構から照射されたレーザ光を拡散反射させるように構成している。これにより、粉粒体の層厚や密度にムラを生じ、搬送部材(搬送面)が露出するようなことがあっても、レーザ光が当該搬送部材によって拡散反射されるので、層厚や密度の状態に関わらず、光検出機構の受光部によって受光される受光量(光検出機構によって生成される電気信号の生成レベル)を常に略一定にすることができ、異物が無いときの電気信号の生成レベルと、異物が有るときの電気信号の生成レベルとの差を明確にして、異物検出を高精度に行うことができる。
また、前記光検出機構の受光部を、前記粉粒体によって拡散反射されたレーザ光の内、正反射方向以外の方向に拡散反射されたレーザ光を受光するように構成しているので、次のような効果も得られる
一般的に、粉粒体などの物質表面にレーザ光が照射されると、多数の方向に(放射状に)拡散反射されるが、このとき、各反射方向における光強度は、正反射方向の成分を除いて略一定しており、また、正反射方向の成分が他の成分に比べて大きくなっている。また、粉粒体1つの大きさと、照射されるレーザ径との関係が、レーザ径が粉粒体1つの大きさよりも十分に大きい関係に無いので、当該粉粒体の表層部分の凹凸により、当該粉粒体上における照射位置によってレーザ光の拡散反射方向(正反射方向)が変化する
このため、粉粒体によって拡散反射されたレーザ光の内、正反射方向の成分を受光するようにすると、正反射方向の変化により当該正反射方向の成分が光検出機構の受光部によって受光されないことがあり、当該正反射方向の成分が受光されたときと受光されなかったときとでは、受光部における受光量が大きく異なって電気信号の生成レベルの変動が大きくなり、異物検出を高精度に行うことができない
そこで、正反射方向以外の方向に拡散反射されたレーザ光を受光するようにすれば、レーザ光の拡散反射方向が変化しても、当該拡散反射光が多数の方向に反射されていることから、受光部における受光量が略一定して電気信号の生成レベルが安定し、異物検出をより高精度に行うことが可能となる
また、前記投光機構を、レーザ光の光軸が含まれる前記平面の前記搬送面に対する傾斜角度が、20°〜40°の範囲内となるように構成している。これは、上述したように、拡散反射されるレーザ光の反射方向が粉粒体の表層部分の凹凸によって変化することから、傾斜角度を40°よりも大きくして、粉粒体上におけるレーザ光の照射径(即ち、拡散反射領域)が狭くなると、レーザ光の拡散反射方向に偏りを生じ易くなるので、一定した受光量が得られず(一定した生成レベルの電気信号が得られず)、異物の検出精度が低下するからである。また、傾斜角度を20°よりも小さくすると、レーザ光の照射径が広くなり過ぎて、異物が混入していても、当該異物を含む照射領域全体から拡散反射されたレーザ光が受光されて一定した生成レベルの電気信号が得られるため、同様に、異物の検出精度が低下するからである
したがって、上記範囲内であれば、レーザ光の照射径を適度に広くして、レーザ光の拡散反射方向に偏りを生じ難くすることができるので、一定した生成レベルの電気信号が得られ、より高精度な異物検出を行うことができる
また、前記光検出機構の受光部を、前記粉粒体によって拡散反射されたレーザ光の前記搬送面に対する反射角度が、50°〜70°の範囲内にあるレーザ光を受光するように構成している。これは、反射角度が70°よりも大きい拡散反射光を受光するようにすると、当該拡散反射光の光強度が、拡散反射光の反射角度と正反射方向の反射角度との差が大きくなるにつれて徐々に弱くなる傾向にあることから、拡散反射光の受光量が少なくなって得られる電気信号の生成レベルが低くなり、異物の検出精度が低下するからである。また、反射角度が50°よりも小さい拡散反射光を受光するようにすると、正反射方向の成分が受光され易くなるので、上述したように、得られる電気信号の生成レベルの変動が大きくなって、異物の検出精度が低下するからである。また、更に、正反射方向の成分が受光されないように、より反射角度の小さい拡散反射光を受光するようにすることは、装置構成上難しい
したがって、上記範囲内であれば、正反射方向の成分を受光し難くして、正反射方向以外の方向に拡散された一定強度以上のレーザ光のみを効果的に受光させることができるので、得られる電気信号の生成レベルを一定にする(安定させる)ことができ、更に高精度な異物検出を行うことができる
尚、前記搬送部材は、透明な部材からなり、前記搬送面を備える第1部材と、該第1部材の前記搬送面側とは反対側の面に設けられ、前記搬送面側から前記反対面側まで達したレーザ光を拡散反射させる第2部材とから構成しても良い。
この場合、投光機構から照射されたレーザ光は、搬送面側から第1部材内に入射して搬送面とは反対側の面まで達すると、第2部材によって拡散反射された後、光検出機構の受光部によって受光される。したがって、このようにしても、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本発明に係る粉粒体検査装置及び検査方法において、前記搬送部材(搬送部材が第1部材及び第2部材から構成される場合には、第2部材)は、拡散反射率が前記粉粒体の拡散反射率に対して90%〜110%の範囲内にあるものを用いるのが好ましい
前記拡散反射率は、拡散反射したレーザ光の内、正反射方向以外の方向に拡散反射したレーザ光の光強度をTと、正反射方向に拡散反射したレーザ光の光強度をUとすると、(T/(T+U))×100(%)で表されるものであり、拡散反射率が粉粒体の拡散反射率に対して90%〜110%の範囲内にある搬送部材によっても、粉粒体に向けて照射されたレーザ光を拡散反射させるようにすれば、投光機構から照射されたレーザ光が前記搬送部材により拡散反射されて光検出機構の受光部により受光される受光量を、粉粒体によって拡散反射されるときの受光量に対して一定の範囲内に収めることができる。これにより、前記搬送部材による拡散反射光を基に光検出機構によって生成される電気信号の生成レベルを、粉粒体による拡散反射光を基に生成される電気信号の生成レベルに対して一定の許容範囲内に収め、更に高精度に異物を検出することができる。
尚、更に高い検出精度を得るためには、前記搬送部材の拡散反射率を、粉粒体の拡散反射率に対し95%〜105%の範囲内とすることがより好ましく、97%〜103%の範囲内とすれば、更に好ましい。また、粉粒体の拡散反射率は、通常、約70%〜90%程度であり、この拡散反射率を基準にして前記搬送部材の拡散反射率を適宜設定すると良い。
また、前記搬送機構は、例えば、振動フィーダや搬送ベルト機構などから構成することができ、また、前記搬送部材は、例えば、白色の樹脂、サンドブラスト表面処理を施したアルミニウムやガラスから構成したり、前記第1部材は、例えば、透明なガラスや樹脂から構成したり、前記第2部材は、例えば、白色の紙や布、樹脂シートから構成することができる。
また、前記粉粒体としては、例えば、医薬品,食品及び化学材料などの粉末や顆粒であって、粒径が約100μm〜1500μm程度を主とするものを挙げることができる。
斯くして、本発明に係る粉粒体検査方法及び粉粒体検査装置によれば、粉粒体によって拡散反射されたレーザ光の受光量に応じて生成される電気信号を基に、異物混入の有無を判断するとともに、レーザ光を拡散反射させるように搬送部材自体や第2部材を構成しているので、粉粒体と同色の異物や透明な異物であっても、また、粉粒体の層厚や密度にムラがあっても、当該異物を高精度に検出することができる。
また、レーザ光の光軸が含まれる平面の搬送面に対する傾斜角度が、20°〜40°の範囲内となるように投光機構を構成したり、粉粒体によって拡散反射されたレーザ光の内、正反射方向以外の方向に拡散反射されたレーザ光や、粉粒体によって拡散反射されたレーザ光の搬送面に対する反射角度が、50°〜70°の範囲内にあるレーザ光を受光するように、光検出機構の受光部を構成したり、搬送部材として、拡散反射率が粉粒体の拡散反射率に対して90%〜110%の範囲内にあるものを用いれば、より高精度に異物検出を行うことができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。尚、図1は、本発明の一実施形態に係る粉粒体検査装置の概略構成を示した正面図である。また、図2は、本実施形態に係る粉粒体検査装置の一部の概略構成を示した平面図である。
図1及び図2に示すように、本例の粉粒体検査装置1は、検査対象物たる粉粒体を供給する供給機構10と、供給機構10から供給された粉粒体を所定の搬送方向(矢示方向)に沿って搬送する搬送機構20と、搬送機構20によって前記搬送方向に搬送される粉粒体内に、異物が混入しているか否かを検査する検査機構30と、検査機構30よりも搬送方向下流側に設けられ、当該検査機構30によって異物の混入が確認された場合に、当該異物を回収する異物回収機構50と、搬送方向下流端に設けられ、当該下流端まで搬送された粉粒体を回収する良品回収機構55と、これら供給機構10,搬送機構20,検査機構30及び異物回収機構50などを支持する基台56などを備えて構成される。尚、前記粉粒体としては、例えば、医薬品,食品及び化学材料などの粉末や顆粒であって、粒径が約100μm〜1500μm程度を主とするものを挙げることができる。
前記供給機構10は、粉粒体が収容された漏斗状の供給ホッパ11と、供給ホッパ11の下側に配置され、当該供給ホッパ11の下端部から落下して供給される粉粒体を、所定の搬送方向(矢示方向)に搬送する振動フィーダ12とを備えており、搬送方向上流側に供給ホッパ11が配置されている。
前記振動フィーダ12は、長手方向が前記搬送方向に沿って水平に設けられるとともに、当該搬送方向に沿って凹部13aが上面に形成され、当該凹部13a内に粉粒体が供給される平板状のフィードプレート13と、フィードプレート13の下面を支持して当該フィードプレート13に振動を伝播させるバイブレータ14と、バイブレータ14が配設される支持台15とからなる。
この振動フィーダ12によれば、フィードプレート13の凹部13a内の粉粒体は、バイブレータ14からフィードプレート13に伝播する振動によって、フィードプレート13の幅方向に拡散しつつ前記搬送方向下流側に向けて移動し、フィードプレート13の搬送方向下流端側の端部から前記搬送機構20に排出される。
前記搬送機構20は、例えば、透明なガラス板などから構成され、長手方向が前記搬送方向に沿って水平に設けられるとともに、当該搬送方向に沿って凹部(搬送面)22aが上面に形成されたフィードプレート(第1部材)22と、前記凹部22aの全幅に渡ってその底面から一定間隔を隔てて上方に配設された平板状の規制部材26と、フィードプレート22の下面を支持して当該フィードプレート22に振動を伝播させるバイブレータ24と、バイブレータ24が配設される支持台25とを備えた振動フィーダ21から構成される。
前記フィードプレート22は、振動フィーダ12のフィードプレート13の下方に配置されて、フィードプレート13の搬送方向下流端側とフィードプレート22の搬送方向上流端側とが上下に重なり合うように設けられており、フィードプレート13から排出された粉粒体が凹部22a内に供給される。また、前記規制部材26は、振動フィーダ12からの粉粒体供給位置よりも搬送方向下流側に設けられて、フィードプレート22上の粉粒体の層厚を規制し、例えば、粉粒体の層厚をほぼその最大粒径程度にする。これにより、異物を粉粒体の表層側に出現させ、検査機構30での異物検出を容易にすることができる。
この振動フィーダ21によれば、上記振動フィーダ12と同様に、バイブレータ24からフィードプレート22に伝播する振動によって、フィードプレート22の凹部22a内の粉粒体は、前記搬送方向下流側に向けて移動するとともに、フィードプレート22幅方向への拡散や規制部材26により、検査機構30での異物検出に適した薄さの層厚に調整され、この後、フィードプレート22の搬送方向下流端側の端部まで移動すると、当該端部から排出される。
尚、フィードプレート22の長手方向の中央部下面には、前記検査機構30の後述する投光部31から照射されたレーザ光を拡散反射させる光拡散部材(第2部材)23が、当該フィードプレート22の全幅に渡って設けられている。
この光拡散部材23は、例えば、白色の紙や布、樹脂シートなどから構成されており、フィードプレート22の凹部22a底面から当該フィードプレート22内に入射してフィードプレート22下面に達したレーザ光を拡散反射させるとともに、拡散反射率が、粉粒体の拡散反射率に対して90%〜110%の範囲内となるように構成される。
この拡散反射率は、拡散反射したレーザ光の内、正反射方向以外の方向に拡散反射したレーザ光の光強度をTと、正反射方向に拡散反射したレーザ光の光強度をUとすると、(T/(T+U))×100(%)で表されるものである。尚、上記で例示した粉粒体の場合、その拡散反射率は約70%〜90%程度である。
前記検査機構30は、図1乃至図5に示すように、フィードプレート22の上方に配設され、当該フィードプレート22の凹部22a内の粉粒体Fに向けてレーザ光を照射するとともに、当該粉粒体F上におけるレーザ光の照射位置を走査する投光部31と、フィードプレート22の上方に配設され、投光部31から照射され粉粒体F又は光拡散部材23により拡散反射されたレーザ光を受光して受光量に応じた電気信号を生成する光検出部40と、光検出部40によって生成された電気信号を基に、異物混入の有無を判定する判定部45とを備えている。
前記投光部31は、レーザ光を照射するレーザ発振器32と、レーザ発振器32から照射されたレーザ光を集光する集光レンズ33と、集光レンズ33により集光されたレーザ光を受光して、前記搬送方向と直交する方向に平行であり且つフィードプレート22の凹部22a底面に対して傾斜する平面内に光軸が含まれるように反射するポリゴンミラー34と、ポリゴンミラー34を矢示方向に回転させる駆動モータ35と、ポリゴンミラー34によって反射されたレーザ光を凹部22a内の粉粒体F上に集光する集光レンズ36とからなる。
また、投光部31は、前記平面の傾斜角度θが、例えば、20°〜40°の範囲内(好ましくは、約30°)に設定されており、フィードプレート22の長手方向中央部の粉粒体Fに向けてレーザ光を照射するように構成されている。
前記集光レンズ36は、ポリゴンミラー34によって反射されたレーザ光を、ポリゴンミラー34による反射方向に関わらず、粉粒体Fに向けて照射されるレーザ光の光軸が略平行となる(前記搬送方向と平行な鉛直面内に含まれる)ように粉粒体F上に集光させる。
この投光部31によれば、レーザ発振器32から照射されたレーザ光は、集光レンズ33によりポリゴンミラー34上に集光されて当該ポリゴンミラー34により反射された後、集光レンズ36を介して粉粒体F上に照射されるとともに、ポリゴンミラー34が駆動モータ35によって回転せしめられることから、当該ポリゴンミラー34の回転によって、粉粒体F上におけるレーザ光の照射位置が前記搬送方向と直交する方向に走査される。
これにより、粉粒体F(フィードプレート22)の全幅に渡ってレーザ光が照射されるとともに、粉粒体Fが前記搬送方向に搬送されていることから、レーザ光が当該搬送方向上流側の新たな未照射領域に順次照射される。
そして、粉粒体F上に照射されたレーザ光は、図4に示すように、当該粉粒体Fによって拡散反射される。また、レーザ光が粉粒体Fに照射されず、フィードプレート22の凹部22a底面に照射された場合には、当該レーザ光は、凹部22a底面からフィードプレート22内に入射してその下面まで達した後、図5に示すように、光拡散部材23によって拡散反射される。
尚、このように、前記傾斜角度θを、20°〜40°の範囲内に設定しているのは、光検出部40における受光量を一定させて、一定した生成レベルの電気信号を生成させるためである。
一般的に、粉粒体1つの大きさと、照射されるレーザ径との関係は、レーザ径が粉粒体1つの大きさよりも十分に大きい関係に無いので、図6(a)乃至図6(c)に示すように、当該粉粒体Fの表層部分の凹凸により、当該粉粒体F上における照射位置によってレーザ光の拡散反射方向が変化するため、傾斜角度θを40°よりも大きくすると、粉粒体F上におけるレーザ光の照射径(即ち、拡散反射領域)が狭くなって、レーザ光の拡散反射方向に偏りを生じ易くなるので、一定した受光量が得られず(一定した生成レベルの電気信号が得られず)、異物の検出精度が低下する。尚、図6において、符合Lは入射するレーザ光を、符合Nは入射点を、符合Hは拡散反射したレーザ光をそれぞれ示している。
一方、傾斜角度θを20°よりも小さくすると、レーザ光の照射径が広くなり過ぎて、異物が混入していても、当該異物を含む照射領域全体から拡散反射されたレーザ光が受光されて一定した生成レベルの電気信号が生成されるため、同様に、異物の検出精度が低下する。
したがって、上記範囲内とすれば、レーザ光の照射径を適度に広くして、レーザ光の拡散反射方向に偏りを生じ難くすることができるので、一定した生成レベルの電気信号が得られ、より高精度な異物検出を行うことが可能となる。
前記光検出部40は、例えば、透明なアクリル樹脂やガラスから構成され、軸線が前記搬送方向と直交するように配置されるとともに、フィードプレート22の全幅に渡って設けられた円柱状の導光ロッド41と、導光ロッド41の外周面と一定間隔を隔ててこれを取り囲むように設けられた反射カバー42と、導光ロッド41の両端部にそれぞれ設けられた光電子増倍管43とからなる。
前記導光ロッド41は、フィードプレート22から所定間隔を隔てた上方位置に配置されるとともに、当該導光ロッド41の軸線と粉粒体F上におけるレーザ光の照射位置とを通る平面の、フィードプレート22の凹部22a底面に対する傾斜角度θが、例えば、50°〜70°の範囲内(好ましくは、約55°)になるように配置されており、粉粒体F又は光拡散部材23によって拡散反射されたレーザ光を受光する。
前記反射カバー42は、粉粒体F上におけるレーザ光の照射位置側に、導光ロッド41の軸線方向に沿って形成された開口部42aを備えており、当該照射位置側からの光を、即ち、粉粒体Fによって拡散反射されたレーザ光の凹部22a底面に対する反射角度が、約50°〜70°の範囲内にあるレーザ光を、導光ロッド41によって受光させるとともに、導光ロッド41によって受光された光が外部に漏れて受光量が低下するのを防止する。
前記光電子増倍管43は、導光ロッド41によって受光され、当該導光ロッド41内を導かれたレーザ光を受光して、受光量に応じた電気信号を生成し、生成した電気信号を判定部45に送信する。
尚、このように、前記傾斜角度θを、50°〜70°の範囲内に設定して、拡散反射角度が約50°〜70°の範囲内にあるレーザ光を受光させるようにしているのは、正反射方向に拡散反射されたレーザ光を受光させないためである。
一般的に、図7に示すように、粉粒体などの物質M表面にレーザ光Lが照射されると、入射点Nを中心として多数の方向に(放射状に)拡散反射されるが、このとき、各反射方向における光強度Pは、正反射方向の成分Sを除いて略一定しており、また、正反射方向の成分Sが他の成分に比べて大きくなっている。
このため、粉粒体Fによって拡散反射されたレーザ光の内、正反射方向の成分を受光するようにすると、上述のように、拡散反射方向(正反射方向)が、粉粒体Fの表層部分の凹凸、粉粒体1つの大きさ、及びレーザ径の関係によって変化することから、正反射方向の成分が導光ロッド41によって受光されないことがあり、当該正反射方向の成分が受光されたときと受光されなかったときとでは、導光ロッド41による受光量が大きく異なって、光電子増倍管43によって生成される電気信号の生成レベルの変動が大きくなり、異物検出を高精度に行うことができない。
そして、傾斜角度θを50°よりも小さくすると、投光部31の前記傾斜角度θを20°〜40°の範囲内に設定したことから、正反射方向の成分が導光ロッド41によって受光され易くなるので、光電子増倍管43によって生成される電気信号の生成レベルの変動が大きくなって、異物の検出精度が低下する。また、正反射方向の成分が受光されないように、より小さい角度位置に導光ロッド41を配置することは(傾斜角度θを20°以下にすることは)、当該装置1構成上難しい。
一方、傾斜角度θを70°よりも大きくすると、拡散反射光の光強度が、拡散反射光の反射角度と正反射方向の反射角度との差が大きくなるにつれて徐々に弱くなる傾向にあることから、導光ロッド41による拡散反射光の受光量が少なくなって、光電子増倍管43によって生成される電気信号の生成レベルが低くなり、異物の検出精度が低下する。
したがって、上記範囲内とすれば、正反射方向の成分を受光し難くして、正反射方向以外の方向に拡散された、一定強度以上且つ略等しい強度のレーザ光のみを効果的に受光させることができるので、得られる電気信号の生成レベルを一定にする(安定させる)ことができ、より高精度な異物検出を行うことが可能となる。
前記判定部45は、光電子増倍管43から送信された電気信号を基に、粉粒体F内に異物が混入しているか否かを判定する。具体的には、粉粒体Fと異物とでは、その形状や材質、光沢などがそれぞれ異なることから、異物が粉粒体F内に混入しているときとしていないときとでは、レーザ光の拡散反射状態が変化して導光ロッド41による受光量が変化し、光電子増倍管43によって生成される電気信号の生成レベルがそれぞれ異なるため、判定部45は、この生成レベルを基に異物混入の有無を判定する。
即ち、図8(a)及び図8(b)は、電気信号の生成レベルと時間との関係を示したグラフであるが、これらの図に示すように、粉粒体Fによって拡散反射されたレーザ光が導光ロッド41によって受光されたときには、光電子増倍管43によって生成される電気信号の生成レベルは所定のしきい値(1点鎖線C)より高くなるものの、異物によって拡散反射されたレーザ光が導光ロッド41によって受光されたときには、光電子増倍管43によって生成される電気信号の生成レベルは、B部のように所定のしきい値(1点鎖線C)より低くなる。そこで、判定部45は、このような生成レベルの落ち込み部Bを検出することで、粉粒体F内に混入した異物を検出する。尚、図中のA部が、フィードプレート22の凹部22a内(の粉粒体F)に向けて走査,照射されたレーザ光を基に生成される電気信号の生成レベルを示している。
ところで、振動フィーダ21のフィードプレート22上の粉粒体Fは、その層厚が所定厚さとなるように調整されているが、層厚や密度にムラを生じると、異物が混入しているか否かに関係無く、レーザ光の拡散反射状態が変化して導光ロッド41によって受光される受光量、即ち、光電子増倍管43によって生成される電気信号の生成レベルが変化するため、異物の混入を精度良く検出することができなくなる。
即ち、例えば、フィードプレート22上に粉粒体が疎らにしかなく、当該フィードプレート22(凹部22a底面)が露出している部分があると、レーザ光がフィードプレート22を透過してしまうため、レーザ光の拡散反射光量が少なくなり、光電子増倍管43によって生成される電気信号の生成レベルが、図9(a)に示すように、異物による拡散光が受光されたときと同様、所定のしきい値(1点鎖線C)より低くなる。尚、図中のA部が、凹部22a内(の粉粒体F)に向けて走査,照射されたレーザ光を基に生成される電気信号の生成レベルを示しており、D部は凹部22a底面が大きく露出している部分を示している。
そこで、本例では、上述のように、フィードプレート22の長手方向の中央部下面に、投光部31から照射されたレーザ光を拡散反射させるとともに、拡散反射率が粉粒体の拡散反射率に対して90%〜110%の範囲内となるように構成された光拡散部材23を設けている。
これにより、粉粒体Fの層厚や密度にムラを生じ、凹部22a底面が露出するようなことがあっても、レーザ光が光拡散部材23によって拡散反射されるので、層厚や密度の状態に関わらず、導光ロッド41によって受光される受光量を常に略一定として、図9(b)に示すように、光電子増倍管43によって生成される電気信号の生成レベルを常に略一定且つ所定のしきい値より高くすることができ、異物が無いときの電気信号の生成レベルと、異物が有るときの電気信号の生成レベルとの差を明確にして、異物検出を高精度に行うことができる。
また、光拡散部材23の拡散反射率が、粉粒体Fの拡散反射率に対して90%〜110%の範囲内にあるので、投光部31から照射されたレーザ光が光拡散部材23により拡散反射されて導光ロッド41により受光される受光量を、粉粒体Fによって拡散反射されるときの受光量に対し一定の範囲内に収めて、光拡散部材23による拡散反射光を基に光電子増倍管43によって生成される電気信号の生成レベルを、粉粒体Fによる拡散反射光を基に生成される電気信号の生成レベルに対し一定の許容範囲内に収めることができ、更に高精度に異物を検出することができる。
尚、更に高い検出精度を得るためには、光拡散部材23の拡散反射率を、粉粒体Fの拡散反射率に対し95%〜105%の範囲内とすることが好ましく、97%〜103%の範囲内とすれば、更に好ましい。
そして、判定部45は、異物の混入を検出すると、粉粒体F(凹部22a)の幅方向における検出異物位置を、投光部31の駆動モータ35の回転角度位置などから算出して、算出した検出異物位置と、異物混入を検出した旨の信号とを異物回収機構50に送信する。
前記異物回収機構50は、フィードプレート22から所定間隔を隔てた上方位置に、フィードプレート22の略全幅に渡って設けられ、内部が中空に形成された吸引部材51と、吸引部材51の下面に設けられてその内部空間に接続するとともに、下端部がフィードプレート22側に向けて延設された複数の吸引ノズル52と、各吸引ノズル52の上端部側に設けられた図示しない開閉弁と、開閉弁(図示せず)の作動を制御する図示しない弁制御部と、吸引部材51の内部空間に接続して、当該内部空間内の空気を吸引する吸引ポンプ53とを備えており、開閉弁(図示せず)が開いたときに、吸引部材51の内部空間と吸引ノズル52とが連通状態になる一方、開閉弁(図示せず)が閉じたときには、吸引部材51の内部空間と吸引ノズル52とが連通しない状態になるように構成されている。尚、開閉弁(図示せず)は、通常、閉じた状態に制御されている。
前記吸引ノズル52は、フィードプレート22の幅方向に細長く形成され、当該方向における各端部側が前記搬送方向に互いに重なり合うように配置されており、フィードプレート22の凹部22aがその全幅に渡って吸引ノズル52の下端部と対向している。
前記弁制御部(図示せず)は、検査機構30の判定部45から送信された、異物混入を検出した旨の信号及び検出異物位置を受信すると、当該受信から所定時間(レーザ光の照射位置を通過した粉粒体が、吸引ノズル52の下端部に到達するまでの時間)が経過した後、受信した検出異物位置に対応する吸引ノズル52の開閉弁(図示せず)を開き、当該吸引ノズル52と吸引部材51の内部空間とを連通状態にする。これにより、異物が粉粒体の一部とともに、当該吸引ノズル52から吸引されてフィードプレート22の凹部22a内から除去され、吸引部材51を通って適宜図示しない不良品回収ボックス内に回収される。
前記良品回収機構55は、フィードプレート22の搬送方向下流端側下方に配置された良品回収ボックスからなり、フィードプレート22の搬送方向下流端側の端部から排出されて落下した粉粒体を回収するように構成されている。
以上のように構成された本例の粉粒体検査装置1によれば、供給ホッパ11内に収容された粉粒体が振動フィーダ12上に供給され、供給された粉粒体は、当該振動フィーダ12によって搬送方向下流端側に向けて搬送され、当該下流端側の端部から排出される。
振動フィーダ12から排出された粉粒体は、振動フィーダ21上に供給され、当該振動フィーダ21によって層厚が調整されつつ搬送方向下流端側に向けて搬送される。そして、その搬送途中では、検査機構30により、次のようにして異物混入の有無が検査される。
即ち、投光部31により、レーザ光が粉粒体に向けて照射されるとともに、その照射位置が搬送方向と直交する方向に走査されると、粉粒体上に照射されたレーザ光は、当該粉粒体や光拡散部材23によって拡散反射された後、光検出部40の導光ロッド41により受光され、この後、導光ロッド41内を導かれたレーザ光が、光電子増倍管43により受光されて受光量に応じた電気信号が生成される。
そして、光電子増倍管43によって電気信号が生成されると、生成された電気信号を基に、判定部45により、粉粒体内に異物が混入しているか否かが判定され、異物が混入していると判定された場合には、粉粒体(凹部22a)の幅方向における検出異物位置が算出された後、当該検出異物位置と、異物が混入している旨の信号とが異物回収機構50に送信される。
このようにして、異物が混入している旨の信号と検出異物位置とが異物回収機構50に送信されると、当該異物回収機構50では、弁制御部(図示せず)によって、検出異物位置に対応した吸引ノズル52の開閉弁(図示せず)が開かれて、検出された異物が粉粒体の一部とともに、当該吸引ノズル52から吸引されて振動フィーダ21上から除去され、不良品回収ボックス(図示せず)内に回収される。
そして、検査機構30によって異物混入の有無が検査された粉粒体は、振動フィーダ21の搬送方向下流端まで搬送された後、当該下流端側の端部から排出され、良品回収機構(良品回収ボックス)55に回収される。
斯くして、本例の粉粒体検査装置1によれば、粉粒体によって拡散反射されたレーザ光の受光量に応じて生成される電気信号を基に、異物混入の有無を判断するとともに、レーザ光を拡散反射させる光拡散部材23をフィードプレート22の下面に設けているので、粉粒体と同色の異物や透明な異物であっても、また、粉粒体の層厚や密度にムラがあっても、当該異物を高精度に検出することができる。
また、光拡散部材23の拡散反射率が、粉粒体の拡散反射率に対して90%〜110%の範囲内となるように当該光拡散部材23を構成し、また、レーザ光の光軸が含まれる平面の傾斜角度θが、20°〜40°の範囲内となるように投光部31を構成し、更に、導光ロッド41の軸線と粉粒体上におけるレーザ光の照射位置とを通る平面の、フィードプレート22の凹部22a底面に対する傾斜角度θを、50°〜70°の範囲内に設定して、粉粒体によって拡散反射されたレーザ光の内、拡散反射角度が約50°〜70°の範囲内にあるレーザ光(正反射方向以外の方向に拡散反射されたレーザ光)のみを受光するように光検出部40を構成しているので、更に高精度な検査を実施することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
例えば、上例では、フィードプレート22の下面に光拡散部材23を設け、当該光拡散部材23によってレーザ光を拡散反射させるように構成したが、これに限られるものではなく、フィードプレート22自体を、白色の樹脂、サンドブラスト表面処理を施したアルミニウムやガラスから構成して、当該フィードプレート22によってレーザ光を拡散反射させるように構成しても良い。
また、上例では、振動フィーダ21により粉粒体を搬送するように構成したが、これに限られるものではなく、搬送機構20を、搬送方向に所定間隔を隔てて軸線が水平に配置された2つのプーリと、各プーリ間に掛け渡され、外周面(搬送面)上に適宜供給された粉粒体を搬送する搬送ベルトと、プーリの一方を軸中心に回転させて搬送ベルトを回動させ、外周面上の粉粒体を搬送方向下流側に向けて搬送させる駆動モータなどから構成することもできる。この場合、前記搬送ベルトは、例えば、白色の樹脂(一例を挙げると、ポリウレタンやポリエステル織布など)から構成すると良い。また、搬送ベルトを、透明な樹脂ベルト(一例を挙げると、ポリウレタンベルトなど)から構成して、ベルト内周面に光を拡散させるための樹脂シートなどを設けるようにしても良い。
また、粉粒体の形状や材質、光沢によって、当該粉粒体によるレーザ光の拡散反射状態が異なるため、当該粉粒体の形状や材質、光沢に応じて、光拡散部材23の材質などを適宜変更するようにすることが好ましい。
また、上例では、フィードプレート13,22を水平に配置したが、これに限られるものではなく、粉粒体の形状に応じて、搬送方向下流側の端部が上流側よりも低くなるように当該フィードプレート13,22を傾斜させても良い。粉粒体の形状が球状の場合には、フィードプレート13,22を傾斜させると、粉粒体がフィードプレート13,22上を転動してしまうため、略水平に配置することが好ましいが、球状でない場合には、フィードプレート13,22上を転動するといった問題を生じないため、フィードプレート13,22を傾斜させるようにしても良い。
また、前記振動フィーダ21では、規制部材26を設けて、当該規制部材26により層厚を調整しつつ粉粒体を搬送するように構成したが、これに限られるものではなく、前記振動フィーダ12にも、規制部材26と同様の規制部材を設け、粉粒体の層厚を段階的に調整するようにしても良い。
また、光検出部40は、フィードプレート22の幅方向に走査され、粉粒体や光拡散部材23によって拡散反射されたレーザ光を受光することができるものであれば良く、例えば、複数の光ファイバーを束ねて構成される光電管などから構成することもできる。
また、光電子増倍管43を導光ロッド41の両端部にそれぞれ設けて、光電子増倍管43によって生成される電気信号の生成レベルが、導光ロッド41における受光位置に関わらず、略一定となるように構成したが、これに限られるものではなく、光電子増倍管43を導光ロッド41の一方の端部のみに設け、受光量を補正して検出するようにしても良い。
本発明の一実施形態に係る粉粒体検査装置の概略構成を示した正面図である。 本実施形態に係る粉粒体検査装置の一部の概略構成を示した平面図である。 本実施形態に係る投光部の概略構成を示した斜視図である。 本実施形態に係る投光部,光検出部,フィードプレート及び光拡散部材を示した断面図である。 本実施形態に係る投光部,光検出部,フィードプレート及び光拡散部材を示した断面図である。 拡散反射されるレーザ光の拡散反射方向を説明するための説明図である。 拡散反射されるレーザ光の拡散反射方向を説明するための説明図である。 拡散反射されるレーザ光の拡散反射方向を説明するための説明図である。 拡散反射されたレーザ光の強度分布を説明するための説明図である。 本実施形態に係る光電子増倍管によって生成される電気信号の生成レベルと時間との関係を示したグラフである。 本実施形態に係る光電子増倍管によって生成される電気信号の生成レベルと時間との関係を示したグラフである。 本実施形態に係る光電子増倍管によって生成される電気信号の生成レベルと時間との関係を示したグラフである。 本実施形態に係る光電子増倍管によって生成される電気信号の生成レベルと時間との関係を示したグラフである。
1 粉粒体検査装置
10 供給機構
11 供給ホッパ
12 振動フィーダ
13 フィードプレート
14 バイブレータ
15 支持台
20 搬送機構
21 振動フィーダ
22 フィードプレート
23 光拡散部材
24 バイブレータ
25 支持台
26 規制部材
30 検査機構
31 投光部
32 レーザ発振器
33 集光レンズ
34 ポリゴンミラー
35 駆動モータ
36 集光レンズ
40 光検出部
41 導光ロッド
42 反射カバー
43 光電子増倍管
45 判定部
50 異物回収機構
51 吸引部材
52 吸引ノズル
53 吸引ポンプ
55 良品回収機構(良品回収ボックス)
56 基台

Claims (3)

  1. 搬送部材の搬送面上に外部から供給された検査対象物たる粉粒体を、その層厚を調整しつつ、予め設定された搬送方向に沿って搬送し、搬送する粉粒体内に、異物が混入しているか否かを検査する方法であって、
    前記搬送面及び搬送方向の双方に対して傾斜する平面内に光軸が含まれるレーザ光を前記搬送面上の粉粒体に向け照射して拡散反射させるとともに、該粉粒体上におけるレーザ光の照射位置を、前記搬送面とレーザ光の光軸が含まれる前記平面とが交差する方向に走査し、前記粉粒体によって拡散反射されたレーザ光の内、正反射方向以外の方向に拡散反射されたレーザ光を受光して受光量に応じた電気信号を生成し、生成した電気信号を基に前記異物の混入の有無を判定するようにした検査方法において
    記搬送部材として、拡散反射率が前記粉粒体の拡散反射率に対して90%〜110%の範囲内にあるものを用い
    レーザ光の光軸が含まれる前記平面の前記搬送面に対する傾斜角度を、20°〜40°の範囲内に設定し、
    前記粉粒体によって拡散反射されたレーザ光の内、前記搬送面に対する反射角度が、50°〜70°の範囲内にあるレーザ光を受光するようにしたことを特徴とする粉粒体検査方法。
  2. 予め設定された搬送方向に沿って設けられる搬送面を備えた搬送部材を有し、該搬送面上に外部から供給された検査対象物たる粉粒体を、その層厚を調整しつつ、該搬送部材により前記搬送方向上流側から下流側に向けて搬送する搬送機構と、
    前記搬送部材によって前記搬送方向に搬送される粉粒体内に、異物が混入しているか否かを検査する検査装置と、
    前記検査装置よりも搬送方向下流側に設けられ、該検査装置によって異物の混入が確認された場合に、該異物を回収する第1回収機構と、
    前記第1回収機構よりも搬送方向下流側に設けられ、該下流側まで搬送された粉粒体を回収する第2回収機構とを備えた粉粒体検査装置において、
    前記検査装置は、
    前記搬送部材の上方に設けられ、前記搬送面及び搬送方向の双方に対して傾斜する平面内に光軸が含まれるレーザ光を前記搬送面上の粉粒体に向けて照射するとともに、該粉粒体上におけるレーザ光の照射位置を、前記搬送面とレーザ光の光軸が含まれる前記平面とが交差する方向に走査する投光機構と、
    前記搬送部材から予め設定された間隔を隔てた上方位置に前記走査方向と平行に設けられて、前記投光機構から照射され前記粉粒体により拡散反射されたレーザ光の内、正反射方向以外の方向に拡散反射されたレーザ光を受光する受光部を備え、該受光部における受光量に応じた電気信号を生成する光検出機構と、
    該光検出機構によって生成された電気信号を基に、前記異物の混入の有無を判定する判定処理部とから構成されてなり、
    前記搬送部材は、前記投光機構から照射されたレーザ光を拡散反射させるように構成され、
    前記投光機構は、レーザ光の光軸が含まれる前記平面の前記搬送面に対する傾斜角度が、20°〜40°の範囲内となるように構成され、
    前記光検出機構の受光部は、前記粉粒体によって拡散反射されたレーザ光の前記搬送面に対する反射角度が、50°〜70°の範囲内にあるレーザ光を受光するように構成されてなることを特徴とする粉粒体検査装置。
  3. 前記搬送部材は、透明な部材からなり、前記搬送面を備える第1部材と、
    該第1部材の前記搬送面側とは反対側の面に設けられ、前記搬送面側から前記反対面側まで達したレーザ光を拡散反射させる第2部材とから構成されてなることを特徴とする請求項記載の粉粒体検査装置。
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