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JP4636393B2 - 撮影システムと人工光源及びにカメラ - Google Patents

撮影システムと人工光源及びにカメラ Download PDF

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JP4636393B2 JP2008217195A JP2008217195A JP4636393B2 JP 4636393 B2 JP4636393 B2 JP 4636393B2 JP 2008217195 A JP2008217195 A JP 2008217195A JP 2008217195 A JP2008217195 A JP 2008217195A JP 4636393 B2 JP4636393 B2 JP 4636393B2
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Description

本発明は撮影システムと人工光源およびカメラに係り、特に人工光源の光源種に合わせてカメラ内の制御を行う撮影システムと人工光源およびカメラに関する。
写真、ビデオの撮影において、被写体や撮影シーンに合わせて焦点、露光、ストロボ発光などカメラの制御が必要である。カメラが自動的に必要な制御を行う自動撮影モードにより、カメラの操作や撮影技術に精通していない撮影者でもさまざまな撮影シーンに合った撮影を行うことができる。
デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の電子カメラにおいては、画像内のホワイトバランスをとるためにオートホワイトバランス調整機能を備えている。
特開平11−146262号公報に開示されたデジタルカメラの場合、撮像信号からホワイトバランス評価値を計算し、該評価値を用いてホワイトバランスをカメラが自動調整している。
また別例として、特開2000−224608号公報に開示されたオートホワイトバランス方法は、カメラが撮像信号に基づいて光源種を判別するステップを持ち、前記ステップにより自然光(デイライト)であるか人工光源であるかを判別する。光源種が判別されると、判別された光源種に合わせてホワイトバランス設定値をカメラに備えたソフトウエアにより算出し、ホワイトバランス制御をカメラが自動的に行う。
特開平11−146262号公報 特開2000−224608号公報
しかしながら、従来のオートホワイトバランス制御は、取り込んだ撮像データから光源種を判別しているために、カメラが光源を誤判別することがあり、結果として、電子カメラのホワイトバランスでは画像に誤補正が生じることがある。特に、被写体の色温度分布が不均一である場合や単一色が多い場合には、誤補正が起こり得る。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、カメラが光源種を間違いなく判別でき、光源種に適したなホワイトバランス等の制御が可能になる撮影システムと人工光源及びにカメラを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る撮影システムは、人工光を発光する発光部を有する人工光源と、前記発光部の電源オンに合わせて動作を開始する電源部を具備し、前記人工光源の光源情報を送出する情報提供手段と、前記情報提供手段から送出された光源情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段を介して取得した光源情報を利用して画像記録処理の制御を行う制御手段を有するカメラと、からなることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る撮影システムは、人工光を発光する発光部を有し、前記発光部の電源オンに合わせて動作を開始する電源部を具備するとともに前記人工光源の光源情報を送出する情報提供手段を有する人工光源と、前記情報提供手段から送出された光源情報を取得する情報取得手段および前記情報取得手段を介して取得した光源情報を利用して画像記録処理の制御を行う制御手段を有するカメラと、からなることを特徴とする。
前記情報提供手段は、前記発光部の電源オフに合わせて光源情報の送出を停止する態様が好ましい。
前記人工光源は、室内用照明装置を含む態様が好ましく、前記人工光源は、天井設置型の照明装置及び、壁設置型の照明装置、床設置型の照明装置のうち少なくとも何れか1つの照明装置を含む態様が好ましい。また、前記人工光源は、蛍光灯、タングステン灯、水銀灯のうち少なくともいずれか1つを含む態様が好ましい。
前記情報提供手段は、無線タグを含み、かつ、前記人工光源に取り付けられるとともに、前記発光部を遮断しない位置に取り付けられる態様が好ましい。また。前記情報提供手段は、無線タグを含むとともに、前記人工光源から離れた位置に取り付けられる態様が好ましい。
上記目的を達成するために、本発明に係る人工光源は、人工光を発生する発光部と、前記発光部の電源オンに合わせて動作を開始する電源部を具備し、人工光源の光源情報を非接触の信号伝送形式によって外部に送出する情報提供手段と、を備えたことを特徴とする。また、本発明の一態様に係る人工光源は、前記情報提供手段は、前記発光部の電源オフに合わせて光源情報の送出を停止することを特徴とする。また、本発明の他の態様に係る人工光源は、室内用照明装置を含むことを特徴とする。また、本発明の他の態様に係る人工光源は、天井設置型の照明装置及び、壁設置型の照明装置、床設置型の照明装置のうち少なくとも何れか1つの照明装置を含むことを特徴とする。また、本発明の他の態様に係る人工光源は、蛍光灯、タングステン灯、水銀灯のうち少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする。また、本発明の他の態様に係る人工光源は、前記情報提供手段は、無線タグを含み、かつ、前記人工光源に取り付けられるとともに、前記発光部を遮断しない位置に取り付けられることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るカメラは、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、前記撮像手段を介して取得した画像信号を記録媒体に記録する記録手段と、前記撮像手段から得られる画像信号のホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段と、撮影環境下において人工光を発生する発光部を有する人工光源の前記発光部の電源オンに合わせて動作を開始する電源部を具備する情報提供手段から、非接触の信号伝送形式で伝送される前記人工光源の光源情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段を介して取得した光源情報を利用して画像記録処理の制御を行う制御手段と、を備え、前記情報取得手段は、前記撮像手段による撮像開始時に前記情報提供手段から前記人工光源の光源情報を取得するとともに、前記ホワイトバランス調整手段は、前記情報取得手段によって取得した前記光源情報を用いて前記撮像手段から得られる画像信号のホワイトバランスの調整を行うことを特徴とする。
本発明の一態様に係るカメラは、前記情報取得手段は、自動露出制御及び自動焦点制御が開始される撮影開始動作と同時に前記光源情報の検知を開始し、撮影開始動作から所定の時間前記光源情報の検知を行うことを特徴とする。
また、本発明の他の態様に係るカメラは、前記情報取得手段は、前記光源情報を検知した場合には、撮影画像の取得動作が行われたときに前記検知した光源情報をカメラ内に取り込むことを特徴とする。
前記ホワイトバランス調整手段は、前記情報取得手段が前記光源情報を検知しない場合には、オートホワイトバランス制御を用いて前記撮像手段から得られる画像信号のホワイトバランスの調整を行う態様が好ましい。
また、前記ホワイトバランス調整手段は、前記読み込まれた光源情報が複数の光源情報の場合には、オートホワイトバランス制御を用いて前記撮像手段から得られる画像信号のホワイトバランスの調整を行う態様が好ましい。
本発明によれば、カメラは取得した光源情報に基づいて光源種を正確に判別でき、光源に適したホワイトバランス調整が可能である。
人工光源の光源情報を持った情報提供手段からカメラが光源情報を取得する構成にしたので、カメラは光源種を正確に判別することができる。またカメラは取得した光源情報をカメラ内部の制御あるいは画像処理等に利用することにより、カメラは人工光源下において良好な画像を得ることができる。
特に光源情報をホワイトバランスの制御に利用する態様によれば、どの色温度の光源下でも、必ずほぼ正しいホワイトバランス設定値が得られることで、非常にきれいなホワイトバランスが得られる。
以下、添付図面に従って本発明に係る撮影システムと人工光源およびカメラの好ましい実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る撮影システムの構成図である。
人工光源10は室内11の天井12に施設されている蛍光灯である。人工光源本体13には図示しない取り付け手段により無線タグ20が取り付けられている。本実施形態では天井設置型の人工光源10を例示したが、壁14に設置するタイプや床15に置くための脚を備えた照明装置でも構わない。また光源種は蛍光灯に限定されず、タングステン灯、水銀灯等でもよい。
一方、無線タグ20には人工光源10の光源情報が予め記録されており、前記光源情報は無線タグ20内で無線信号に変換され、無線タグ20の外部に発信される。
また、カメラ30は光学像を電気信号に変換する撮像素子を備えた電子カメラである。カメラ30は無線タグ受信機40を備えており、無線タグ20から発信された無線信号を受信し、前記無線信号より光源情報を取得する。
図2は人工光源10の概略図である。本図は天井12に取り付けられた人工光源10を床15から見た正面図である。
人工光源10は人工光源本体13と蛍光管16および図示しないグロー管から構成される。蛍光管16の両端には電極17Aと17Bが設けられており、電極17Aおよび17Bはそれぞれ人工光源本体13に設けられたソケット18Aおよび18Bに挿入される。
無線タグ20を人工光源本体13に取り付ける手段(固定方法)には粘着剤による貼り付けなどがあり、固定位置から脱落しなければ何れの方法でもよい。
図3は無線タグ20の電気的構成を示すブロック図である。
無線タグ20は光源情報を記録する記録部22、無線タグ20の制御およびデータの処理を行う制御・処理部23、光源情報を無線信号に変換する無線通信インターフェイス部25、無線タグ20の外部に無線信号を出力する無線アンテナ27、無線タグ20に含まれるすべての電気回路に電源を供給する電源部29を有している。記憶部22は無線タグ20に供給される電源が遮断されてもデータを保持できる不揮発性メモリが適している。
光源情報として本例では色温度の情報がデジタル値に変換されて、記憶部22に書き込まれている。なお光源情報は色温度に限定されず、光源を特定し得る情報であれば何れでもよい。「光源を特定し得る情報」とはタングステン、昼白色蛍光灯、水銀灯などの種別識別コードや、照明装置の製品コードなどがある。
また、製造番号等個別につけられたIDを光源情報とし、前記IDを受信した後、ID参照テーブルから色温度情報や光源種情報を得る形態も可能である。例えば、カメラ30にメモリを備え、前記メモリ内に前記ID参照テーブルを置く形態やカメラ30あるいは無線タグ受信機40が接続し得るネットワーク(LAN等)上に前記ID参照テーブルを置く形態が可能である。
さらに、記録される光源情報は一種類に限定されず、製品コードと製造番号のように複数の光源情報を記録してもよい。
記憶部22に書き込まれた前記光源情報は制御・処理部23において所定のデジタル信号となり、無線通信インターフェイス部25にて前記デジタル信号は無線信号に変換され、無線アンテナ27より無線タグ20の外部に発信される。
電源部29は人工光源本体13に供給される電源から、無線タグ20に含まれるすべての回路に電源を供給する電源部である。ただし、電源部29は電池でもよい。
人工光源10の電源ONに合わせて電源部29は動作を開始し、無線タグ20は無線信号を発信する。一方、人工光源10の電源がOFFになると電源部29は動作を停止し、無線タグ20は無線信号の発信を停止する。
また、電源部29を電池とした場合、人工光源本体13に人工光源10の電源ON/OFFを検出する検出手段を設け、人工光源10の電源ON/OFFに合わせて前記検出手段は検出結果を出力する。無線タグ20は前記検出結果に基づいて無線信号の発信/停止の制御を行う。前記検出手段は無線タグ20に設けられていてもよい。
無線タグ20は蛍光管16から放出される光を遮らない位置に取り付けられている。
また、無線タグ20の内部回路は保護材で覆われており、前記保護材は人工光源10が放出する熱に耐え得る耐熱性と、無線アンテナ27から発信する無線信号を透過する電波透過性を有している。
図4はカメラ30の正面図である。
カメラ本体31の正面には撮影レンズ34、内蔵型ストロボ発光器35、ファインダー窓36が設けられ、図4上で右側面には外部入出力コネクタ37が設けられている。また、カメラ30の上面には無線タグ受信機40、およびレリーズボタン38が設けられている。
図5は無線タグ受信機40の電気的構成を示すブロック図である。
無線タグ受信機40には無線タグ20より発信される無線信号を受信する無線アンテナ42、受信した無線信号のノイズ成分を除去し、所定の形式の電気信号に変換する無線通信インターフェイス部44、無線タグ受信機の制御および取り込んだデータの処理を行う制御・データ処理部46、制御・データ処理部46とカメラ30を電気的に接続するデータインターフェイス部48、制御・データ処理部46で処理されたデータを記録する記憶部49を有している。
制御・データ処理部46では、取得した電気信号が有効なデータであるかを判断し、有効なデータであれば有効なデータをデータインターフェイス部48に送り、無効なデータであれば無効なデータを制御・データ処理部46で破棄する。
前記データ処理を繰り返しながら、制御・データ処理部は有効なデータだけを取得する制御を行う。
また、データインターフェイス部48では、制御・データ処理部46により処理されたデータをカメラ本体31に取り込むことが可能な信号形式に変換し、変換されたデータをカメラ本体31に送る。
本実施形態では、無線タグ受信機40はカメラ本体31に一体形成されるとは限らず、カメラ本体31と無線タグ受信機40を分離可能な形態もある。
一例を挙げると、カメラ本体31に備えられた外部入出力コネクタ37と嵌号する外部出力コネクタを無線タグ受信機40に設け、カメラ本体31に備えられた外部入出力コネクタと無線タグ40に設けられた外部出力コネクタとを接続し、カメラ本体31と無線タグ受信機40は電気的に接続される。
さらにカメラ本体31に設けられた図示しない固定機構にて無線タグ受信機40はカメラ本体31に固定される。
また別例は、カメラ本体31に設けられた記録媒体を挿入するメディアスロット(不図示)に無線タグ受信機40を挿入可能な構造とする。記録媒体と同様に、無線タグ受信機40を前記メディアスロットに挿入し、さらに停止位置まで押し込むと、無線タグ受信機40はカメラ本体と電気的に接続され、同時にカメラ本体31に固定される。
また内部制御および画像処理を行うためのCPU、メモリ等をカメラ30が備えている場合には、無線タグ受信機の制御・データ処理部46、データインターフェイス部48、記憶部49はカメラ30が有しているCPU、メモリ等と兼用可能である。
無線タグ受信機40に供給される電源はカメラ本体31から供給される。したがって、無線タグ受信機40にはカメラ本体30と接続されていない時には電源が供給されない。
さらに無線タグ受信機40が誘導電波を発信し無線タグ20が前記誘導電波を受け、前記誘導電波より無線タグ20に供給する電源を励起し、無線タグ20を動作させる態様もある。
次にカメラ30の制御について説明する。
図6はカメラ30の電気的構成を示すブロック図である。
カメラ30は撮影した静止画や動画をメモリーカード等の記録媒体50に記録するデジタルカメラである。カメラ30全体の動作はカメラ操作部51から入力される制御信号等に基づいてCPU52により統括制御される。
また、カメラ30に設けられているレリーズボタン38は二段ストロークタイプであり、レリーズボタン38の半押しによりS1オン信号が発生し、レリーズボタン38の全押しによりS2オン信号が発生する。S1オン信号およびS2オン信号はCPU52に入力される。
一方、撮影レンズ34を介してCCD54の受光面に結像された被写体像は、CCD54のフォトセンサで光の入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。このようにして蓄積された信号電荷は、CCD駆動回路60から加えられるリードゲートパルスによってシフトレジスタに読み出され、レジスタ転送パルスによって信号電荷に応じた電圧信号として順次読み出される。
CCD54から順次読み出された電圧信号は、相関二重サンプリング回路(CDS回路)56に加えられ、ここで各画素ごとのR、G、B信号がサンプリングホールドされ、A/D変換器58に加えられる。A/D変換器58は、CDS回路56から順次加えられるR、G、B信号をデジタル信号に変換して出力する。
なお、CCD駆動回路60、CDS回路56およびA/D変換器58は、タイミングジェネレータ62から加えられるタイミング信号によって同期して駆動されるようになっている。
A/D変換器58から出力されたR、G、B信号は、画像入力コントローラ64を介して画像信号処理回路66に送られる。
さらに画像信号処理回路66では画像入力コントローラ64を介して入力された画像信号に対してオフセット処理、ホワイトバランス補正および感度補正を含むゲインコントロール処理、ガンマ補正処理等の所定の信号処理を行う。画像信号処理回路におけるゲインコントロール処理の詳細は後述する。
画像信号処理回路66で処理された画像データはVRAMに入力される。図6ではVRAMは他のメモリと区別せずメモリ68と記載してある。VRAMから読み出されたデータはビデオエンコーダ70においてエンコーディングされ、カメラ背面に設けられている液晶モニタなどの画像表示装置72に出力される。これにより被写体像が画像表示装置72の表示画面上に表示される。
レリーズボタン38の半押し時に自動露光制御(以下AEと記載)、自動焦点制御(以下AFと記載)が開始される。まず、A/D変換器58から出力される画像データがAF検出回路74並びにAE&AWB検出回路76に入力され、AF検出回路74では画像コントラスト情報をCPU52に出力する。AE&AWB検出回路76では、画像領域を複数エリアに分割して得られる各領域ごとにR、G、Bの画像データをR、G、Bごとに積算し、各領域ごとの、かつR、G、Bごとの各積算値データをCPU52に出力する。
CPU52はAF検出回路74から入力されるコントラスト情報に基づいてモータドライバー78、80を介して撮影レンズ34等の光学系を制御する。
また、AE&AWB検出回路から入力される積算データより被写体の明るさ(撮影Ev値)を算出し、算出された撮影Ev値に基づいて絞り82の絞り値およびシャッタースピードを決定する。決定した絞り値に基づいて絞り駆動84により絞り82を制御し、決定したシャッタースピードに基づいて、CCD54での電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する。
AE動作およびAF動作が終了し、レリーズボタン38全押しが行われると、レリーズボタン38全押しに応答してA/D変換器58から出力される画像データが画像入力コントローラ64を介してメモリ68に一時記憶される。
画像データはメモリ68から読み出され、画像信号処理回路66において輝度データおよび色差データを含む所定の信号処理が行われる。所定の処理をされた画像データは信号処理回路から読み出され、再びメモリ68に記憶される。続いて圧縮処理回路86に出力され、JPEGその他の所定のフォーマットに従って圧縮される。圧縮された画像データは、再びメモリ68に記憶された後にメディアコントローラ88によって読み出され、記録媒体50に記録される。
次に、ホワイトバランス制御について図7乃至図8を用いて説明する。
図7は、図6中画像信号処理回路66のうち、ホワイトバランス(以下WBと記載)に関わる信号処理回路の一部および周辺回路の一部を抜粋したブロック図である。
図7においてデジタル信号処理回路100は図6中画像信号処理回路66の一部であり、同時化回路102、ホワイトバランス調整回路104、ガンマ補正回路106、YC信号作成回路108、およびメモリ110から構成されている。メモリ110は図7中メモリ68と共用可能であり、図6ではメモリ68とメモリ110は共用するものとしてメモリ68と記載されている。
A/D変換器58から出力されたR、G、B信号は画像入力コントローラを介して一旦メモリ68に格納される。同時化回路102は、メモリ68から読み出された点順次のR、G、B信号を同時式に変換し、R、G、B信号を同時にホワイトバランス調整回路104に出力する。ホワイトバランス調整回路104は、R、G、B信号のデジタル値をそれぞれ増減するための乗算器104R、104G、104Bから構成されており、R、G、B信号は、それぞれ乗算器104R、104G、104Bに加えられる。
乗算器104R、104G、104Bの他の入力には、CPU52からWB制御するためのゲイン値Rg、Gg、Bgが加えられており、乗算器104R、104G、104Bはそれぞれ2入力を乗算し、この乗算によってWB調整されたR’、G’、B’信号をガンマ補正回路106に出力する。なお、CPU52からホワイトバランス調整回路104に加えられるゲイン値Rg、Gg、Bgの詳細については後述する。
ガンマ補正回路106は、WB調整されたR’、G’、B’信号が所望のガンマ特性となるように入出力特性を変更し、YC信号作成回路108に出力する。YC信号作成回路108は、ガンマ補正されたR、G、B信号から輝度信号Yと色差信号であるクロマ信号Cr、Cbとを作成する。これらの輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cbは、メモリ110に格納される。
次に、オートホワイトバランス制御について説明する。
まず、図6中AE&AWB検出回路76では、全画面を複数のエリアに分割し、各エリアごとにR、G、B信号の色別の平均積算値を求め、R信号の積算値とG信号の積算値との比R/G、およびB信号の積算値とG信号の積算値との比B/Gを求める。
ここで、図8は光源種などの色分布の範囲の検出枠を示すグラフであり、図8のグラフ上における昼光色と記載された実線枠は昼光色検出枠であり、昼白色と記載された破線枠は昼白色検出枠、白色と記載された極太実線枠は白色検出枠、タングステン電球と記載された太実線枠はタングステン電球検出枠である。
それぞれの検出枠について入るエリアの個数を求め、求められたエリアの個数に基づいて光源種が判別される。
一方、CPU52には昼光色蛍光灯、白色蛍光灯など、いくつかの光源に最適なゲイン値Rg、Gg、Bgが予め準備されており、判別された光源種に最適なゲイン値Rg、Gg、BgがCPU52からホワイトバランス調整回路104に加えられ、WB制御が行われる。
なお、WBの設定については、予め準備されたゲイン値(設定値)のテーブルを用いてもよいし、色温度などを媒介変数とするホワイトバランス設定関数を用いてもよい。前記設定値のテーブルおよび前記ホワイトバランス設定関数は、CPU52に接続されたEEPROM等の記憶手段(不図示)に記憶され、随時CPU52により読み出される。
また、図8のグラフ上には青空検出枠、日陰検出枠があり、蛍光燈などの人工光源だけでなくデイライト(上記青空検出枠に該当)あるいは日陰の判定が可能である。デイライトに最適なゲイン値および日陰に最適なゲイン値をCPU52に備えておけば、デイライトおよび日陰におけるオートWB制御が可能である。
次に無線タグ20から発信される光源情報のサーチと取り込みおよび光源情報を用いたカメラ30の制御を説明する。
図9はカメラ30において光源情報の取得と処理の一部を示した図である。
まず、レリーズボタン38の半押しにてS1がオンになり、人工光源10に取り付けられた無線タグ20から発信される光源情報を、無線タグ受信機40を介して、カメラ30は所定の時間サーチし、同時にカメラ30はAE、AF制御を行う。
光源情報サーチにおいて、光源情報を検知した場合には、レリーズボタン38の全押し(S2オン)時に、検知した光源情報をカメラ30内のCPU52は取り込む。また、S2オン時には画像データがカメラ30に取り込まれ、画像処理が行われる。
CPU52に取り込まれた光源情報はWB制御に用いられる。CPU52には予めいくつかの人工光源に最適なホワイトバランスゲイン値Rg、Gg、Bgを備えている。前記S2オン時にCPU52が取得した光源情報から、CPU52から光源種に最適なゲイン値Rg、Gg、Bgがホワイトバランス調整回路104に加えられ、前記ゲイン値に基づいてWB制御が行われる。
ただし、光源情報を用いた画像処理はWBに限定されず、何れの画像処理にも用いることができる。
図10を用いてカメラの制御の流れと、光源情報取得および光源情報を用いたカメラの制御を説明する。
図10はカメラ30の制御の流れを示した図である。
レリーズボタン38半押しによりS1がオンになると(ステップS10)、カメラ30はAE、AF制御を開始し(ステップS12)、同時に無線タグ受信機40は光源情報のサーチを開始する(ステップS14)。ステップS14において光源情報が検知された場合、レリーズボタン全押しによるS2オン(ステップS16)の後、光源情報READを行う(ステップS18)。一方、ステップS14において光源情報が検知されない場合にはS2オン(ステップS16)後の画像処理工程(ステップS20)においてオートホワイトバランス制御(ステップS22)を行う。
S2がオンすると(ステップS16)、画像データの取り込みが行われ(ステップS24)、取り込まれた画像データは画像処理が施される(ステップS20)。
ステップS18の光源情報READにおいて、読み込まれた光源情報が単一の光源情報であれば、画像処理工程(ステップS20)において、読み込まれた光源情報によるホワイトバランス設定が施される(ステップS26)。
一方、ステップS18の光源情報READにおいて、読み込まれた光源情報が複数の光源情報(ミックス光)であれば、画像処理工程(ステップS20)ではオートホワイトバランス制御を行う(ステップS22)。
所定の画像処理の後、画像データは圧縮処理回路86により所定のフォーマットに圧縮され(ステップS28)、記録媒体に記録される(ステップS30)。
また、ステップS18において、読み込まれた光源情報が複数の光源情報(すなわちミックス光)である場合、ミックス光に適したWB設定値を予めCPU52に備え、前記ミックス光に最適なWB制御が可能である。さらにストロボ発光時には、ストロボ光に合わせたWB設定値を予めCPU52に備え、前記ストロボ光に最適なWB制御が可能である。
上述した本実施形態に係る撮影システムによれば、カメラ30は人工光源10の光源種を正確に判別できる。さらに光源種の判別に用いた光源情報をカメラ30の制御信号に利用でき、撮影に使用されている人工光源10に最適なWB制御が可能になる。
また、本例のカメラ30は、光源情報から光源種を判別し光源種に合わせたWB制御とオートWBとを備え、光源の条件に応じてカメラ30が前記2種類のWBを使い分けることができる。これによりさまざまな光源の条件下でカメラ30は最適なWB制御をし、良好な画像を得ることが可能である。
上記実施形態では、光源情報提供手段は、無線タグ20を人工光源本体13に設置した例を述べたが、無線タグ20の設置位置は人工光源本体13に限定されず、図1において一点破線で示したように、人工光源10から離れた位置に無線タグ20を取り付けてもよい。もちろん天井12に限らず壁14や床15あるいは蛍光管16に取り付ける形態も可能である。
本発明の適用範囲は静止画撮影に限定されず、動画撮影においても同様に適用可能である。
〔付記〕
上記に詳述した発明の実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書は少なくとも以下に示す発明の開示を含んでいる。
人工光源と、前記人工光源の光源情報を送出する情報提供手段と、前記情報提供手段から送出された光源情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段を介して取得した光源情報を利用して画像記録処理の制御を行う制御手段を有するカメラと、からなることを特徴とする撮影システム。
かかる発明によれば、カメラは情報取得手段を介して撮影環境下における人工光源の光源情報を取得することができ、正確に光源種を判別することができる。さらにカメラは取得した光源情報を画像記録処理(撮影動作制御や画像信号処理制御)に利用することにより好ましい画像を得ることができる。
光源情報を送出する情報提供手段を有する人工光源と、前記情報提供手段から送出された光源情報を取得する情報取得手段および前記情報取得手段を介して取得した光源情報を利用して画像記録処理の制御を行う制御手段を有するカメラと、からなることを特徴とする撮影システム。
情報提供手段は人工光源に設けられていてもよいし、人工光源から離れた場所(天井や壁あるいは床など)に設置されていてもよい。
人工光を発生する発光部を有する人工光源であって、当該人工光源の光源情報を非接触の信号伝送形式によって外部に送出する情報提供手段を備えたことを特徴とする人工光源。
前記情報提供手段は、前記光源情報を記録する記録手段と、前記記録手段に記録されている前記光源情報を外部伝送用の信号に変換する変換回路と、前記変換回路により変換された信号を電磁波によって外部に出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする人工光源。
かかる発明によれば、光源情報を非接触の信号伝達形式で人工光源の外部に伝送することができる。したがって、ケーブルによる接続の手間がなく便利である。
前記発光部の点灯中に前記情報提供手段による光源情報の送出機能を作動させる一方、前記発光部の消灯時には前記光源情報の送出機能を停止させるON/OFF切換手段を備えたことを特徴とする人工光源。
かかる発明によれば、前記人工光源が点灯時に限り前記光源情報を送出し、消灯時には光源情報を送出しない制御が可能である。したがって、点灯している人工光源をカメラが正確に認識でき、点灯している人工光源の光源種を判別することができる。
外部に設置されている情報提供手段から非接触の信号伝送形式で伝送される光源情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段を介して取得した光源情報を利用して画像記録処理の制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とするカメラ。
かかる発明によれば、信号伝送ケーブルを用いることなくカメラは人工光源情報を得ることができ、取得した光源情報をカメラの制御に利用することができる。
被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、前記撮像手段を介して取得した画像信号を記録媒体に記録する記録手段と、を備えた電子カメラであって、前記撮像手段から得られる画像信号のホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段を有し、前記情報取得手段から取得した光源情報に基づいて前記ホワイトバランスの調整が行われることを特徴とするカメラ。
本発明の実施形態に係る撮影システムの構成図 本発明の実施形態に係る人工光源の構成図 本発明の実施形態に係る無線タグの電気的構成を示すブロック図 本発明の実施形態に係るカメラの正面図 本発明の実施形態に係る無線タグ受信機の電気的構成を示すブロック図 本発明の実施形態に係るカメラの電気的構成を示すブロック図 図6中ホワイトバランスに関わる信号処理回路の一部および周辺回路の一部を抜粋したブロック図 光源種などの色分布の範囲の検出枠を示すグラフ 本発明の実施形態に係るカメラの光源情報の取得と処理の一部を示した図 本発明の実施形態に係るカメラの制御の流れを示した図
符号の説明
10…人工光源、20…無線タグ、30…カメラ、40…無線タグ受信機、22,49…記憶部、25,44…無線通信インターフェイス部、27,42…無線アンテナ、52…CPU、66…画像信号処理回路、100…デジタル信号処理回路、104…ホワイトバランス調整回路

Claims (19)

  1. 人工光を発光する発光部を有する人工光源と、
    前記発光部の電源オンに合わせて動作を開始する電源部を具備し、前記人工光源の光源情報を送出する情報提供手段と、
    前記情報提供手段から送出された光源情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段を介して取得した光源情報を利用して画像記録処理の制御を行う制御手段を有するカメラと、
    からなることを特徴とする撮影システム。
  2. 人工光を発光する発光部を有し、前記発光部の電源オンに合わせて動作を開始する電源部を具備するとともに人工光源の光源情報を送出する情報提供手段を有する人工光源と、
    前記情報提供手段から送出された光源情報を取得する情報取得手段および前記情報取得手段を介して取得した光源情報を利用して画像記録処理の制御を行う制御手段を有するカメラと、
    からなることを特徴とする撮影システム。
  3. 前記情報提供手段は、前記発光部の電源オフに合わせて光源情報の送出を停止することを特徴とする請求項1又は2記載の撮影システム。
  4. 前記人工光源は、室内用照明装置を含むことを特徴とする請求項1、2又は3記載の撮影システム。
  5. 前記人工光源は、天井設置型の照明装置及び、壁設置型の照明装置、床設置型の照明装置のうち少なくとも何れか1つの照明装置を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮影システム。
  6. 前記人工光源は、蛍光灯、タングステン灯、水銀灯のうち少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮影システム。
  7. 前記情報提供手段は、無線タグを含み、かつ、前記人工光源に取り付けられるとともに、前記発光部を遮断しない位置に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮影システム。
  8. 前記情報提供手段は、無線タグを含むとともに、前記人工光源から離れた位置に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮影システム。
  9. 人工光を発生する発光部と、
    前記発光部の電源オンに合わせて動作を開始する電源部を具備し、人工光源の光源情報を非接触の信号伝送形式によって外部に送出する情報提供手段と、
    を備えたことを特徴とする人工光源。
  10. 前記情報提供手段は、前記発光部の電源オフに合わせて光源情報の送出を停止することを特徴とする請求項9記載の人工光源。
  11. 前記人工光源は、室内用照明装置を含むことを特徴とする請求項9又は10記載の人工光源。
  12. 前記人工光源は、天井設置型の照明装置及び、壁設置型の照明装置、床設置型の照明装置のうち少なくとも何れか1つの照明装置を含むことを特徴とする請求項9、10又は11記載の人工光源。
  13. 前記人工光源は、蛍光灯、タングステン灯、水銀灯のうち少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の人工光源。
  14. 前記情報提供手段は、無線タグを含み、かつ、前記人工光源に取り付けられるとともに、前記発光部を遮断しない位置に取り付けられることを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1項に記載の人工光源。
  15. 被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、
    前記撮像手段を介して取得した画像信号を記録媒体に記録する記録手段と、
    前記撮像手段から得られる画像信号のホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段と、
    撮影環境下において人工光を発生する発光部を有する人工光源の前記発光部の電源オンに合わせて動作を開始する電源部を具備する情報提供手段から、非接触の信号伝送形式で伝送される前記人工光源の光源情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段を介して取得した光源情報を利用して画像記録処理の制御を行う制御手段と、
    を備え、
    前記情報取得手段は、前記撮像手段による撮像開始時に前記情報提供手段から前記人工光源の光源情報を取得するとともに、
    前記ホワイトバランス調整手段は、前記情報取得手段によって取得した前記光源情報を用いて前記撮像手段から得られる画像信号のホワイトバランスの調整を行うことを特徴とするカメラ。
  16. 前記情報取得手段は、自動露出制御及び自動焦点制御が開始される撮影開始動作と同時に前記光源情報の検知を開始し、撮影開始動作から所定の時間前記光源情報の検知を行うことを特徴とする請求項15記載のカメラ。
  17. 前記情報取得手段は、前記光源情報を検知した場合には、撮影画像の取得動作が行われたときに前記検知した光源情報をカメラ内に取り込むことを特徴とする請求項15又は16記載のカメラ。
  18. 前記ホワイトバランス調整手段は、前記情報取得手段が前記光源情報を検知しない場合には、オートホワイトバランス制御を用いて前記撮像手段から得られる画像信号のホワイトバランスの調整を行うことを特徴とする請求項15、16又は17記載のカメラ。
  19. 前記ホワイトバランス調整手段は、前記読み込まれた光源情報が複数の光源情報の場合には、オートホワイトバランス制御を用いて前記撮像手段から得られる画像信号のホワイトバランスの調整を行うことを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載のカメラ。
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