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JP4631196B2 - ガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置 Download PDF

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JP4631196B2
JP4631196B2 JP2001105999A JP2001105999A JP4631196B2 JP 4631196 B2 JP4631196 B2 JP 4631196B2 JP 2001105999 A JP2001105999 A JP 2001105999A JP 2001105999 A JP2001105999 A JP 2001105999A JP 4631196 B2 JP4631196 B2 JP 4631196B2
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  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
表示装置として、たとえば液晶表示装置を例に挙げると、液晶表示装置はガラス基板を有している。このガラス基板の強度を向上する方法としては、ガラス基板を溶融硝酸カリウム塩の溶液に浸漬して、ガラス表面のNaイオンと溶融硝酸カリウム塩のKイオンとを交換し、ガラス表面に圧縮層を形成して、ガラス基板の強度を向上させる、いわゆるイオン交換強化方法と呼ばれる化学強化法により、ガラス基板の高強度化を図る方法が挙げられる。
また、ガラス基板の端面を砥粒などを用いて仕上げ加工を行い、端面の傷の深さを低減させることにより、高強度化を図る方法も挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電子機器、たとえば携帯機器に用いられる液晶表示装置用ガラス基板の製造工程では、主にコストの問題から端面の仕上げ加工に関しては、マザーガラスの状態でしか行われておらず、表示素子単体のガラス基板に切断するために、マザーガラスにスクライブブレイクを施しているため、表示素子のガラス基板の端面には、多くの傷が残留したままになっていることが多い。
そして、化学強化に関してもマザーガラスの状態で施されており、切断後のガラス基板の端面には化学強化が行われておらず、高強度のものが得られていない。
【0004】
図22は、従来の液晶表示装置の製造工程例を示している。
従来の液晶表示装置の製造工程では、各種工程を通過した図23(A)に示すマザーガラス1000が、図23(B)に示す短冊状のガラス板1001に切断される。
図23(B)と図23(C)に示すように、ガラス板1001は切断線1002に沿って切断溝1004が形成されて、その切断溝1004に沿って折ることにより、それぞれ図23(D)に示すようなガラス基板1003に最終的に切断される。
このマザーガラス1000からガラス板1001に切断する工程は、図22のステップST1010であり、ガラス板1001から各ガラス基板1003を切断する工程は図22のステップST1014で示している。
【0005】
図23(D)のようにして各ガラス基板1003を切断する方式は、図23(A)のマザーガラス1000およびガラス板1001に対していわゆるスクライブブレイク(ダイヤモンドホィールなどを用いてガラス表面に垂直な方向のクラックが引張歪層近くまで発生する程度に切り筋(スクライブライン)を入れておいて、その垂直クラックが成長することを利用してガラスを分割する方法)を施しているために、図23(D)に示すようにガラス基板1003の端面1006には、多くの傷1007やひび割れ1008が存在している。このようにガラス基板1003の端面1006に対して多くの傷やひび割れが残留したままになっている。
一方、最近の携帯電話等の電子機器の普及や携帯機器の小型化の要求等により、より高強度のガラス基板やより薄い厚みのガラス基板の出現が求められている。
そこで本発明は上記課題を解消し、高強度のガラス基板が得られこのガラス基板の厚みが薄くできるガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、位置感知センサによりガラスの母材の第1端部を検出する検出ステップと、前記位置感知センサで検出された前記ガラスの母材の前記第1端部に、溝形成部により予備切断溝を形成する予備切断溝形成ステップと、前記切断部により、前記溝形成部で形成された前記ガラスの母材の前記予備切断溝に沿ってレーザ光を照射して、前記レーザ光により前記ガラスの母材の前記第1端部から前記第1端部の反対側の第2端部まで前記ガラスの母材を切断して所定のサイズのガラス基板を得る切断ステップとを有し、前記切断ステップにおいて、前記レーザ光の照射により前記ガラスの母材の前記第1端部から前記第2端部に向けて切断しているときに、前記位置感知センサにより前記ガラスの母材の前記第2端部が検出されると、前記溝形成部により、前記ガラスの母材の前記第2端部に前記切断終了溝を形成することを特徴とするガラス基板の製造方法である。
【0007】
請求項1では、予備切断溝形成ステップではガラスの母材の第1端部に予備切断溝を形成する。切断ステップでは、ガラスの母材の予備切断溝に沿ってレーザ光を照射して、レーザ光によりガラスの母材の第1端部から第1端部と反対側の第2端部までガラスの母材を切断して所定のサイズのガラス基板を得る。ガラスの母材の第1端部に予備切断溝を形成することにより、切断ステップにおいてレーザ光をガラスの母材の第1端部に照射する場合にその切断位置においてレーザ光による熱膨張や熱収縮による高い熱応力が発生しても、予備切断溝がその高い熱応力を吸収して、スムーズにレーザ光によるガラスの母材の切断を開始することができ、余分なクラックが入ったりするのを防ぐ。そして切断ステップにおいてレーザ光が予備切断溝に沿ってガラスの母材の第1端部から第2端部までガラスの母材を切断することにより所定のサイズのガラス基板を得る。この場合に、レーザ光によるガラスの母材の切断部分には熱膨張および熱収縮により高い熱応力が発生し、熱応力が分子間の結合力より大きくなった時に、非晶質ガラス分子構造が破壊されて、レーザ光によるガラスの母材の切断面の形成方向に沿ってクラックが形成される。このクラックの形成および進行方向はレーザ光の走査方向と同一、すなわちガラスの母材の平面に対して垂直方向となり、結果的にガラスの母材は切断されて所定のサイズのガラス基板を得ることができる。また、請求項1では、レーザ光の照射によりガラスの母材の切断を終了する前に、切断終了溝形成ステップにおいてガラスの母材の第2端部に切断終了溝を形成する。このように切断終了溝を形成することにより、レーザ光がガラスの母材の第2端部に達した時に、余計なクラックが形成されたりすることがなく、スムーズにガラスの母材の第2端部における切断を行うことができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のガラス基板の製造方法において、得られた前記ガラス基板の切断面に化学強化処理をする化学強化ステップを更に有する。請求項2では、得られたガラス基板の切断面に化学強化処理を化学強化ステップにおいて施す。これにより、ガラスの母材を切断して所定のサイズのガラス基板を得た後に、ガラス基板の切断端面を仕上げ加工してから、ガラス基板に対して化学強化するので、得られる化学強化済みのガラス基板の切断面には傷やひび割れが存在せず、更に化学強化処理を切断面に施すことで、加傷に対する耐久性が向上するため、高強度のガラス基板を提供することができ、高強度にすることができる。ガラス基板の厚みが薄くできる。
【0010】
請求項の発明は、請求項に記載のガラス基板の製造方法において、前記第1端部の前記予備切断溝と前記第2端部の前記切断終了溝は、機械加工により形成する。
【0011】
請求項の発明は、請求項2に記載のガラス基板の製造方法において、前記ガラス基板はソーダガラス基板であり、前記ソーダガラス基板は液晶表示装置に用いられる基板である。
【0012】
請求項の発明は、ガラスの母材の第1端部と、該第1端部の反対側の第2端部とを検出する位置感知センサと、前記位置感知センサで検出された前記ガラスの母材の前記第1端部に予備切断溝を形成するとともに、前記位置感知センサで検出された前記ガラスの母材の前記第2端部に切断終了溝を形成する溝形成部と、前記ガラスの母材の前記予備切断溝に沿ってレーザ光を照射して、前記レーザ光により前記ガラスの母材の前記第1端部から前記第2端部まで前記ガラスの母材を切断して所定のサイズのガラス基板を得る切断部とを備え、前記レーザ光の照射により前記ガラスの母材の前記第1端部から前記第2端部に向けて切断しているときに、前記位置感知センサにより前記ガラスの母材の前記第2端部が検出されると、前記溝形成部は、前記ガラスの母材の前記第2端部に前記切断終了溝を形成することを特徴とするガラス基板の製造装置である。
【0013】
請求項では、溝形成部がガラスの母材の第1端部に予備切断溝を形成する。切断部は、ガラスの母材の予備切断溝に沿ってレーザ光を照射して、レーザ光によりガラスの母材の第1端部から第1端部と反対側の第2端部までガラスの母材を切断して所定のサイズのガラス基板を得る。ガラスの母材の第1端部に予備切断溝を形成することにより、レーザ光をガラスの母材の第1端部に照射する場合にその切断位置においてレーザ光による熱膨張や熱収縮による高い熱応力が発生しても、予備切断溝がその高い熱応力を吸収して、スムーズにレーザ光によるガラスの母材の切断を開始することができ、余分なクラックが入ったりするのを防ぐ。そして、切断部は、レーザ光が予備切断溝に沿ってガラスの母材の第1端部から第2端部までガラスの母材を切断することにより所定のサイズのガラス基板を得る。この場合に、レーザ光によるガラスの母材の切断部分には熱膨張および熱収縮により高い熱応力が発生し、熱応力が分子間の結合力より大きくなった時に、非晶質ガラス分子構造が破壊されて、レーザ光によるガラスの母材の切断面の形成方向に沿ってクラックが形成される。このクラックの形成および進行方向はレーザ光の走査方向と同一、すなわちガラスの母材の平面に対して垂直方向となり、結果的にガラスの母材は切断されて所定のサイズのガラス基板を得ることができる。また、請求項5では、レーザ光の照射によりガラスの母材の切断を終了する前に、溝形成部がガラスの母材の第2端部に切断終了溝を形成することから、レーザ光の照射により第2端部を切断する際に余分なクラックが発生せずガラスの母材の切断をスムーズに終了することができる。
【0015】
請求項の発明は、請求項に記載のガラス基板の製造装置において、前記溝形成部は、前記第1端部の前記予備切断溝と前記第2端部の前記切断終了溝を、機械加工により形成する。
【0016】
請求項の発明は、請求項に記載のガラス基板の製造装置において、前記ガラス基板はソーダガラス基板であり、前記ソーダガラス基板は液晶表示装置に用いられる基板である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0018】
図1は、本発明の電子機器の一例として携帯電話を示しており、図1は携帯電話の正面図であり、図2は携帯電話の背面図である。
この携帯電話10は、たとえば周波数域が0.8〜1.5(GHz)のデジタル方式の携帯電話であり、図1と図2に示すように筐体12、アンテナ14、液晶表示装置30、操作部18、マイク20、スピーカ22等を有している。図1に示すように操作部18は、各種の操作キーを有しており、通話ボタン18A、通話の切断ボタン18B、テンキー等を有している。
【0019】
筐体12は、図1に示すフロント部24と図2に示すリヤ部26を有しており、リヤ部26側には、バッテリ28が着脱可能に固定することができる。アンテナ14は筐体12に対して出し入れ可能に取り付けられている。
【0020】
図1の液晶表示装置30は、電話機能に必要な各種の数字や漢字あるいはアルファベットの表示を行ったり、操作部18による各種の操作のための表示案内、外部との通信の際に必要な表示内容を表示することができる。この液晶表示装置30は、図2に示す回路基板40からの指令により表示内容を表示する。
【0021】
図3は、図1に示す液晶表示装置30の構造例を示している。この液晶表示装置30は、本発明のガラスの製造装置により作られたガラス基板95を用いている。
この液晶表示装置30は、たとえばカラー液晶表示装置であり、一例としてSTN(スーパー・ツイスティッド・ネマスチックの液晶)方式のものである。
しかし液晶表示装置30は、この方式に限らず他の方式のものも勿論採用することができる。
【0022】
図3においては、一方のガラス基板95の内側には、カラーフィルタ60が配置されている。このカラーフィルタ60の上には透明電極61、配向膜62が配置されている。透明電極61とカラーフィルタ60の間には、絶縁膜63が形成されている。
一方のガラス基板95の外側には偏光板64が設けられており、使用者Uはこの偏光板64を介して液晶表示装置30の表示を見ることができる。
配向膜62ともう1つの配向膜65の間には、液晶66が設けられている。配向板65と他方のガラス基板95の間には透明電極67が形成されている。透明電極67および透明電極61はそれぞれストライプ状に形成されており、透明電極61の形成方向Aと透明電極67の形成方向Bは直交方向にある。ガラス基板51の上には偏光板68が設けられている。
【0023】
バックライト等からの光Lは、この偏光板68、他方のガラス基板95および透明電極67を介して液晶66側に供給され、透明電極61と透明電極67に対して通電することで、使用者Uはこのバックライト等からの光Lを用いて液晶66で表示する表示内容を見ることができる。
【0024】
図4は、本発明のガラス基板の製造方法を含む液晶表示装置の製造工程例を示している。
図4に示す液晶表示装置の工程例では、ステップS1からステップS24を有しており、このステップの中には、本発明のガラス基板の製造方法の予備切断溝形成ステップST1−1、切断ステップST1、切断終了溝形成ステップST1−2、および化学強化ステップST4を含んでいる。
図4のステップS1では、たとえばソーダガラスのようなガラスを、所定の大きさに切断し、ステップS2においてガラスのコーナをカットする。
ステップS3において、ポリウレタン等でできた回転式ステージにガラスを載せ、回転させておきその上から同様にポリウレタン等でできた平坦なステージを回転しながら押し当て、酸化セリウム(CeO)等の含まれた水溶液を注入してガラス表層に水和層をつくりながらガラスを研磨し、ステップS4において、ガラス基板に対してアンダーコートを施す。
【0025】
このようにして得られるガラスは図5(A)に示すガラスの母材(マザーガラスともいう)80である。ガラスの母材80は、図4の切断加工段階の切断ステップST1のステップST2において、レーザ光Lを用いて図5(A)のガラスの母材80の状態から、図5(B)に示すように、複数の短冊状のガラス板90に切断する。
次に、図4の切断ステップST1のステップST3において、ガラス板90は、レーザ光Lにより図5(B)〜図5(C)に示すように、さらに小さい所定のサイズの複数のガラス基板95がそれぞれ分離される。
図7(A)に示すようにガラス基板95の2つ又は3つ又は4つの切断面(端面)96,97には、傷やひび割れが存在していない。図4に示す切断加工段階は後で詳しく説明する。
【0026】
次に、図4の化学強化ステップST4に移り、このように仕上げ加工を行ったガラス基板95に対して化学強化処理を行う。ここで化学強化処理の一例について説明する。
このガラス基板95は、一例として好ましくは次のような組成を有している。
ガラス基板95は、重量%で、62〜75%のSiO2 、5〜15%のAl23 、4〜10%のLi2O、4〜12%のNa2O、および5.5〜15%のZrO2 を含有し、かつNa2O/ZrO2 の重量比が0.5〜2.0、Al23 /ZrO2 の重量比が0.4〜2.5である。
ガラス基板95は、Naイオンおよび/またはKイオンを含有する処理浴でイオン交換処理して化学強化する。
【0027】
化学強化用ガラスの組成の限定理由は次の通りである。
SiO2 は、ガラス骨格を形成する主要成分であり、62%未満であると化学的耐久性が悪化し、75%を越えると溶融温度が高くなり過ぎる。従ってSiO2 の割合は、62〜75%に限定される。特に好ましくは63〜71%である。Al23 は、ガラス表面のイオン交換性能を向上させるため含有させるが、5%未満であるとこの効果が低下するとともに化学的耐久性が悪化し、15%を越えると耐失透性が悪化する。従ってAl23 の割合は、5〜15%に限定される。特に好ましくは7〜14%である。
【0028】
Li2Oは、ガラス表層部でイオン交換処理浴中の主としてNaイオンとイオン交換されることにより、ガラスを化学強化するための必須成分であるが、4%未満ではこのイオン交換性能が低下し、10%を超えると耐失透性と化学的耐久性が共に悪化する。従ってLi2Oの割合は、4〜10%に限定される。特に好ましくは4〜7%である。
【0029】
Na2Oは、ガラス表層部でイオン交換処理浴中のKイオンとイオン交換されることにより、ガラスを化学強化するための必須成分であるが、4%未満では耐失透性が劣化し、12%を超えると化学的耐久性が劣化すると共にヌープ硬さが小さくなる。従ってNa2Oの割合は、4〜12%に限定される。特に好ましくは6〜11%である。
【0030】
ZrO2 は、ヌープ硬さを大きくする効果がある上に、化学的耐久性を良化するために5.5%以上必要であるが、15%を超えると溶融炉の底部に未溶解物として沈殿する傾向が強くなる。従ってZrO2 の割合は、5.5〜15%に限定される。特に好ましくは6〜12%である。ZrO2 が多いとガラスの耐失透性が通常は低下するものであるが、ZrO2 が5.5〜15%と比較的に多量であるにも拘らず、本発明のガラスは耐失透性に優れている。
【0031】
化学強化用ガラスにおいては、Na2O/ZrO2 の重量比およびAl23 /ZrO2 の重量比も所定の範囲に限定される。すなわち、Na2O/ZrO2 の重量比は、ヌープ硬さを高くし、優れた強度を得るために2.0以下にする必要があるが、0.5未満であると耐失透性が悪化するため、0.5〜2.0に限定される。特に好ましいNa2O/ZrO2 の重量比は0.7〜1.8である。
【0032】
また、Al23 /ZrO2 の重量比は、優れた耐失透性とイオン交換性能を維持し、安定かつ高強度のガラスを得るために、0.4〜2.5に限定される。特に好ましいAl23 /ZrO2 の重量比は、0.6〜2.0である。その理由は、0.4未満であると、ガラスが不安定になり、一方、2.5を超えると、圧縮応力層が薄くなり抗折強度が低下するだけでなく、ヌープ硬さも低下するからである。
【0033】
ガラス基板95の仕上げ加工では、上述のように傷などが生じやすい。そしてこのような傷などを有する化学強化用ガラス基板95をイオン交換処理しても、イオン交換によりガラス表面に形成された圧縮応用層が浅く、抗折強度が低いため、得られる化学強化ガラスが衝撃などにより破壊しやすくなる。したがってこのような破壊を引き起こさないガラス基板を得るためには、イオン交換によりガラス表面に形成される圧縮応力層を深くし、抗折強度を高める。
【0034】
このガラス基板の化学強化方法は、特許第2837005号公報に開示されている。
このようにして化学強化処理が施された図5(C)のガラス基板95は、図4のステップS5において洗浄が施されて、ステップS6で所定のエッチング処理が行われて導体パターンが形成され、ステップS7でパターン検査が行われる。
【0035】
次に、図4のステップS8において、ガラス基板95に対して絶縁膜が塗布されてステップS9で絶縁膜が焼成される。ステップS10においてガラス基板95の絶縁膜の上に配向膜が塗布された後に、ステップS11で配向膜が焼成される。
ステップS12で配向膜をラビングする。つまり、ナイロン繊維等から成るラビング布を回転ローラなどに巻き付け、それを配向膜に回転させながら押しあてる事で配向膜の除電を行うという処理を行い、ステップS13で異方性シール(異方性導電膜)の印刷を行い、ステップS14でスペーサの塗布を行う。
ステップS15では2枚のガラス基板95,95の重ね合わせ処理を行う。ステップS16ではその重ね合わせて得られるガラス基板95,95を焼成し、ステップS17で焼成検査を行う。
【0036】
ステップS18ではガラス基板95,95の間に液晶の注入を行い、ステップS19で加圧しながら穴を塞ぎ、ステップS20で液晶表示装置の洗浄を行う。
ステップS21では、等方性処理、すなわち高温度中で一旦液晶の配向を崩した後に、低温度中で配向均一化を行う。ステップS22では配向検査を行う。ライトボックスや気泡、黒点、色(ギャップ)、シミ、キズ、封孔、カケ等がないか外観検査する。
その後、液晶表示装置の電流特性調査をステップS23で行った後に、ステップS24において偏光板がガラス基板95の外側に接着される。
以上のようにして、本発明のガラス基板、特にソーダガラス基板を用いた液晶表示装置が得られる。
【0037】
図8は、図3と異なる液晶表示装置30の別の構造例を示している。
図8の液晶表示装置30は、いわゆるTFTカラー液晶表示装置の構造例を示している。
TFT(薄膜トランジスタ)のカラー液晶表示装置は、TFT基板2140とカラーフィルタ基板2150を有している。本発明のガラス基板の実施の形態はTFT基板2140のガラス基板95とカラーフィルタ基板2150のガラス基板95である。
【0038】
TFT基板2140は、バックライト2141、偏光板2142、一方のガラス基板95、TFTアレイ2143、配向膜2144を有している。
カラーフィルタ基板2150は、配向膜2151、ITO(Indium tin oxide)電極2152、カラーフィルタ2153、他方のガラス基板95、および偏光板2154を有している。配向膜2151と配向膜2144の間に液晶2160が配置されている。
このようなTFTカラー液晶表示装置に用いるガラス基板としても、本発明のガラス基板は用いることができる。
【0039】
次に、図4に示す切断加工段階の予備切断溝形成ステップST1−1、切断ステップST1および切断終了溝形成ステップST1−2について詳しく説明する。
図9は切断加工段階のステップST1−1、切断ステップST1およびステップST1−2を示している。
図10は、図9の予備切断溝形成ステップST1−1、切断ステップST1および切断終了溝形成ステップST1−2を実現するためのガラス基板の製造装置の好ましい実施の形態を示している。まずこのガラス基板の製造装置100について説明する。
【0040】
図10のガラス基板の製造装置100は、概略的にはベース110、ホルダー114、切断部120、溝形成部130、移動操作部140、そして冷却部144を有している。
ベース110は、たとえば金属により作られているプレートであり、ベース110の上には、上述した移動操作部140、切断部120およびホルダー114等が搭載されている。
ホルダー114は、ベース110の上面111側にガラスの母材80を着脱可能に搭載するためのものである。従ってホルダー114は、ガラスの母材80の一端部と他端部を着脱可能に固定するための部材115,115を有している。
【0041】
移動操作部140は、ベース110の上面111に取り付けられており、移動操作部140は切断部120と溝形成部130および冷却部144を、X方向とY方向にそれぞれ移動して位置決めすることができるものである。X方向とY方向は直交しており、ベース110の上面111に平行である。
移動操作部140の構造について説明する。移動操作部140は、レール150,150、スライダ152、モータ154,156を有している。
レール150,150は、平行でありしかもベース110の上面111に対して平行になるように部材158により固定されている。
【0042】
スライダ152のガイド部160,160はスライダ152の両端部に設けられており、ガイド部160,160はスライダ152をレール150,150に沿って移動可能である。レール150,150はX方向に平行である。スライダ152の長手方向はY方向に平行である。
スライダ152は、モータ154の作動により送りネジ155が回転することで、X方向に沿って移動して位置決め可能である。
【0043】
切断部120は、スライダ152のレール160に沿ってY方向に移動可能になっている。モータ156が作動して送りネジ164が回転することにより、切断部120、溝形成部130および冷却部144は一体となって、Y方向に沿ってレール150にガイドされながら移動可能である。
従って、切断部120、冷却部144および溝形成部130は、ガラスの母材80に対してX方向およびY方向のいずれの方向にも移動して位置決めすることができる。
【0044】
切断部120は、図11にその詳しい構造を示している。
図11を参照すると、切断部120は、レーザ装置120を有している。このレーザ装置120は、レーザ光Lを発生する装置であり、レーザ発振ユニット214、ミラー216、フォーカッシングレンズ群218、ハウジング220を有している。ハウジング220は、レーザ発振ユニット214、ミラー216およびフォーカッシングレンズ群218を収容している。レーザ発振ユニット214が発生するレーザ光Lは、ガラスの母材80と平行方向であり、このレーザ光Lはミラー216により90度下向きに曲げられる。下向きに曲げられたレーザ光Lは、フォーカッシングレンズ群218によりフォーカス調整が行われレーザ光(レーザビームとも呼ぶ)の強さを調整する。そしてレーザ光Lは、フォーカッシングレンズ群218からガラスの母材80に対してたとえば垂直に照射されるようになっている。このフォーカッシングレンズ群218は、レーザ光Lの焦点距離を変更させるために、Z方向にレンズを移動可能な構成になっている。
【0045】
レーザ装置210は、図10に示すように、モータ156の作動により送りネジ164の回転に伴ってレール150に沿ってX方向に移動して位置決め可能である。図11に示すレーザ発振ユニット214が発生するレーザ光Lは、たとえばC02レーザビームであり、その波長λは約10.6μmであり、その出力は50W〜210Wである。
レーザ光Lの形状はたとえば望ましくは楕円形であり、レーザ光Lの形状を楕円形状とする場合には、その短軸と長軸の比は1:50以上とするのが望ましい。また短軸の直径は1μm〜500μmの範囲が望ましく、長軸の直径は10mm〜100mmとするのが望ましい。
【0046】
またレーザ光Lがガラスの母材80に対して走査する速度、すなわちレーザ光Lによる切断速度は、レーザ光Lのスポットの大きさをパラメータとすると、たとえば次のような数値が望ましい。
短軸の直径が10mmであり、長軸の直径が30mmの場合には、切断速度は2mm/sであり、短軸の直径が1mmであり長軸の直径が30mmである場合には切断速度は30mm/sであり、短軸の直径は10μmであり長軸の直径が70μmの場合には、切断速度が400mm/sである。
【0047】
図10に示す冷却部144は、レーザ装置210と一体にY方向とX方向に移動するものである。この冷却部144は、冷却ユニット等とも呼んでおり、冷却部144はレーザ光Lが照射されているガラスの母材80の切断線を冷却する役割を果たす。
冷却部144は、たとえば冷却流体貯蔵部230と冷却流体噴射管240を有している。冷却流体貯蔵部230には、冷却流体が貯蔵されており、冷却流体貯蔵部230からの冷却流体は、冷却流体噴射管240からレーザ光Lが照射されているガラスの母材80の切断線に向けて噴射して冷却する。これによりレーザ光Lにより照射されて加熱されて切断されたガラスの母材80の部分を直ちに冷却することができる。
冷却流体の種類としては、純水、冷却オイル、液体窒素、または液体ヘリウムを用いることができる。
【0048】
図10に示す溝形成部130は、図12に示すような構造例を有している。
溝形成部130はたとえば図12に示すようにレーザ装置210のハウジング220に取り付けられている。溝形成部130は本体230とアクチュエータ232、モータ234、回転刃236、アーム238を有している。アクチュエータ232は、本体230に対してアーム238を実線で示す水平位置からJ方向に90度下向けて向きを変更するためのアクチュエータである。モータ234はアーム238の先端に取り付けられており、モータ234が作動すると回転刃236がR方向に連続回転する。アクチュエータ232とモータ234は制御部200の指令により制御される。
この溝形成部130の回転刃236を回転することにより、図13に示すガラスの母材80または図20に示す短冊状のガラス板90に対して、予備切断溝300を形成したり切断終了溝340を形成する機能を有している。
【0049】
図11に示すように、レーザ装置210のハウジング220と一体に位置感知センサ260が設けられている。この位置感知センサ260は、ガラスの母材80あるいは短冊状のガラス板90の切断の開始点と終了点を検知するためのセンサであり、この位置感知センサ260がガラスの母材80またはガラス板90の切断の開始点あるいは終了点を検知すると検知信号を制御部200に送るようになっている。
なお、図10に示すように制御部200は、冷却流体貯蔵部のアクチュエータ230A、モータ154,156、図11に示すレーザ発振ユニット214の動作の制御を行う。
【0050】
次に、図9を参照して、予備切断溝形成ステップST1−1、切断ステップST1および切断終了溝形成ステップST1−2について順次説明する。
まず図9の予備切断溝形成ステップST1−1では、図13に示すようにガラスの母材80の一端部80A側に予備切断溝300を形成する。予備切断溝300は、ガラスの母材80の切断しようとする切断計画線LNに沿った位置である第1端部80Aの部分に対して、回転刃236により形成する。
【0051】
回転刃236がガラスの母材80の第1端部80Aに対して予備切断溝300を形成する手順は、図14に示している。
図14(A)に示す初期状態では、回転刃236は水平方向に保持されている。溝形成部130の回転刃236がJ方向に90度下向きに回転されると、回転刃236がガラスの母材80の切断開始点P1に対して図14(B)に示すように位置される。これにより回転刃236は切断開始点P1において回転することで、予備切断溝300が図14(C)のように形成される。
この場合に、図14(A)に示すように位置感知センサ260がガラスの母材の切断開始点P1を非接触でたとえば光学的に正確に検出する。このことから図10の制御部200は位置感知センサ260からの信号に基づいて、モータ154,156の動作を停止し、本体230は正しい位置に位置決めされる。
その後、図14(C)に示すように、回転刃236は、再びJ1方向に90度回転されて水平状態に戻る。
上述した予備切断溝形成ステップST1−1を行うことにより、図18(A)のガラスの母材80の状態から、図18(B)に示すようにガラスの母材80の第1端部80Aに対して所望の数の予備切断溝300が形成される。
【0052】
次に、図9の切断ステップST1の短冊レーザカットステップST2に移る。短冊レーザカットステップST2では、図15(A)と図15(B)に示すように、レーザ光Lの照射点LPがガラスの母材80の第1端部80Aの予備切断溝300の切断開始点P1まで移動する。
そして図16に示すように、レーザ光Lは切断計画線LNに沿って切断線(切断溝ともいう)92を形成していく。この切断線92は、切断計画線LNに沿って第1端部80Aから第2端部80Bの直前付近までレーザ光Lにより加工して形成されていく。
【0053】
このようにレーザ光Lを用いて切断線92を形成していく場合に、冷却噴射管240から冷却媒体241を噴射する。レーザ光Lが照射されるとガラスの母材80の切断線92の付近は急速に加熱されて、局部的な熱膨張とともに高い応力集中が発生する。しかし、このように後続する流体噴射管240から冷却流体241を連続もしくは断続的に供給することにより、加熱されたガラスの母材80の切断線92の付近は急速に冷却できる。この時に冷却流体241は、ガラスの母材80の加熱部分の温度に比べて非常に低い温度であり、冷却流体241はたとえば0.1秒〜0.3秒の間隔で断続的に供給することができる。
【0054】
この結果、切断線92の部分には熱膨張および熱収縮により高い熱応力が発生し、熱応力がガラスの分子間の結合力より大きくなった時に、非晶質ガラス分子構造が破壊されて、ガラスの母材80の切断線92に沿ってクラックが形成される。このクラックの生成および進行方向は、レーザ光Lの走査方向と同一点、すなわちガラスの母材80の平面に対して垂直方向となり、結果的にガラスの母材80は図18(C)から図19(A)に示すように短冊状のガラス板90が形成されていく。
【0055】
次に図17(A)に示すように、位置感知センサ260がガラスの母材80の第2端部80Bを検知すると、図17(B)と図17(C)に示すように、再び回転刃236が水平方向から垂直下方向にJ方向に回転される。回転刃236は、ガラスの母材80の第2端部80Bの切断終了点P2に対して切断終了溝340を形成する。この作業が図9に示す切断終了溝形成ステップST1−2である。
このように、切断終了溝340が形成されると、図17(C)と図17(D)に示すように回転刃236はJ1方向に持ち上げられた後に、再びレーザ光Lが切断終了溝340までガラスの母材80を切断する。
このようにすることで、図19(A)の状態から図10(B)の状態のように順次複数個の短冊状のガラス板90が形成できる。
【0056】
ガラスの母材80から所定個数の短冊状のガラス板90が形成されると、図20と図21に示すように、図19(B)の各短冊状のガラス板90は、さらに小さなガラス板95に切断される。
図20と図21は、1つの短冊状のガラス板90が、複数個のガラス基板95に切断される工程を示している。
図20と図21におけるガラス基板95の形成工程では、図9に示す予備切断溝形成ステップST1−1、単個レーザカットステップST3および切断終了溝形成ステップST1−2が行われる。
【0057】
図20(A)と図20(B)に示すように、短冊状のガラス板90の第1端部90Aには所定の数の予備切断溝300が等間隔で形成される。この予備切断溝300に対応して、レーザ光Lにより切断線92が形成されていく。そしてこの切断線92がガラス板90の図20(C)に示すように第2端部90Bの近くまで形成されると、切断終了溝340が形成される。図20(B)に示す予備切断溝300と切断終了溝340は、すでに述べたガラスの母材80における予備切断溝300と切断終了溝340の場合と同じく、図10に示す溝形成部130の回転刃236により形成する。
そしてレーザ光Lにより切断溝92を切断終了溝340まで形成することにより、図20(A)のガラス板90から図21(B)に示すガラス基板95を形成することができる。
【0058】
図20と図21に示す短冊状のガラス板90に対する予備切断溝300の形成、切断溝92の形成および切断終了溝340の形成は、図18と図19に示すガラスの母材80に対する予備切断溝300、切断溝92および切断終了溝340を形成する方法と同じ方法を採用する。従って短冊状のガラス板90は、図10に示すホルダー114の上において、図示しない部材によりホルダー114の上に固定する。
【0059】
本発明のガラス基板の製造装置により実施するガラス基板の製造方法では、図18、図19に示すように、まずガラスの母材80の第1端部80Aに対してあらかじめ予備切断溝300を形成しておき、その予備切断溝300に沿ってレーザ光Lを照射して切断溝92を形成する。そして切断溝92がガラスの母材80の第2端部80Bに達する前に、切断終了溝340を加工し、その後第2端部80Bまでレーザ光Lを照射して切断する。
これによって、レーザ光Lがガラスの母材80の第1端部80Aに対して照射されても、あらかじめ予備切断溝300が形成されているので、第1端部80Aの付近に余分なクラックが発生せず、レーザ光Lはスムーズに切断溝92を形成していくことができる。
そして切断終了溝340があらかじめ形成されているので、レーザ光Lの照射により形成されている切断溝92は第2端部80Bにおいても余計なクラックが発生せずスムーズに切断を終了することができる。
このような予備切断溝300と切断終了溝340を形成するメリットは、図20と図21において短冊状のガラス板90から個々のガラス基板95を切断する場合においても同じである。
【0060】
本発明のガラス基板の製造方法により作られたガラス基板は、図4の製造工程において、あらかじめ切断ステップST1においてガラスの母材をレーザ光を照射することで1つ1つのガラス基板に切断することから、各ガラス基板の切断面には傷やひび割れが存在せず、そのような状態で化学強化を行うことにより、高強度のガラス基板を得ることができる。従って強度が高くなった分、ガラス基板の厚みを薄くでき、厚みを薄くしたガラス基板を用いても、使用上耐えることができる。
このように製造工程のフローの中で、ガラス基板の切断の工程を、化学強化工程の前に持ってくることにより、高強度のたとえばソーダガラス基板を得ることができる。
なお、予備切断溝だけを形成し、切断終了溝を形成しなくてもよい。
【0061】
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上述した実施の形態のガラス基板は、たとえば液晶表示装置のガラス基板に用いているが、他の形式の表示装置、たとえば有機EL(有無電界発光)を用いた表示装置、プラズマディスプレイ、FED(フィールドエミッションディスプレイ)などに用いることもできる。
このガラス基板を有する液晶表示装置を設けた電子機器の例としては、携帯電話以外に、携帯情報端末や、その他の種類の電子機器、たとえば携帯用オーディオプレーヤー、腕時計、デジタルカメラなどであっても勿論構わない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高強度のガラス基板が得られ、その分ガラス基板の厚みが薄くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス基板の製造方法により得られるガラス基板を有する液晶表示装置を備えた電子機器の一例を示す正面図。
【図2】図1の電子機器の背面図。
【図3】図1の液晶表示装置の構造例を示す斜視図。
【図4】本発明のガラス基板の製造方法を含む液晶表示装置の製造工程例を示す図。
【図5】ガラスの母材からガラス基板を得る工程例を示す斜視図。
【図6】図5の工程において切断溝により分離されたガラス基板の例を示す図。
【図7】切断されたガラス基板の切断面(端面)に対して化学強化処理を施す例を示す図。
【図8】本発明のガラス基板を有する液晶表示装置の別の構造例を示す斜視図。
【図9】本発明のガラス基板の製造方法の工程例を示す図。
【図10】本発明のガラス基板の製造装置の例を示す斜視図。
【図11】図10のガラス基板の製造装置の切断部の構造例を示す図。
【図12】ガラス基板の製造装置の溝形成部の構造例を示す図。
【図13】ガラスの母材の第1端部に対して予備切断溝が形成されている状態を示す斜視図。
【図14】ガラスの母材の第1端部に対して予備切断溝が形成される手順を示す図。
【図15】予備切断溝が形成された後に、レーザ光の照射点と切断開始点を一致させる様子を示す図。
【図16】予備切断溝に沿ってレーザ光により切断線が形成されている様子を示す図。
【図17】レーザ光により形成される切断溝がガラスの母材の第2端部に近づき、第2端部に対して切断終了溝を形成する様子を示す図。
【図18】ガラスの母材に対して予備切断溝とレーザ光による切断溝が形成されていく様子を示す図。
【図19】ガラスの母材が短冊状のガラス板に切断された状態を示す斜視図。
【図20】1つの短冊状のガラス板に対して予備切断溝とレーザ光による切断線を形成していく様子を示す斜視図。
【図21】1つの短冊状のガラス板に対して切断終了溝を形成しそして個々のガラス基板に分離された様子を示す斜視図。
【図22】従来の液晶表示装置の製造工程例を示す図。
【図23】従来の液晶表示装置のガラス基板の製造工程例を示す図。
【符号の説明】
10・・・携帯電話(電子機器)、30・・・液晶表示装置、80・・・ガラスの母材(マザーガラス)、80A・・・ガラスの母材の第1端部、80B・・・ガラスの母材の第2端部、90・・・短冊状のガラス板、90A・・・ガラス板の第1端部、90B・・・ガラス板の第2端部、92・・・切断線、95・・・ガラス基板、100・・・ガラス基板の製造装置、120・・・切断部、130・・・溝形成部、140・・・移動操作部、144・・・冷却部、236・・・回転刃、L・・・レーザ光、ST1−1・・・予備切断溝形成ステップ、ST1−2・・・切断終了溝形成ステップ、ST1・・・切断ステップ、ST2・・・短冊レーザカットステップ、ST3・・・単個レーザカットステップ

Claims (7)

  1. 位置感知センサによりガラスの母材の第1端部を検出する検出ステップと、
    前記位置感知センサで検出された前記ガラスの母材の前記第1端部に、溝形成部により予備切断溝を形成する予備切断溝形成ステップと、
    前記切断部により、前記溝形成部で形成された前記ガラスの母材の前記予備切断溝に沿ってレーザ光を照射して、前記レーザ光により前記ガラスの母材の前記第1端部から前記第1端部の反対側の第2端部まで前記ガラスの母材を切断して所定のサイズのガラス基板を得る切断ステップとを有し、
    前記切断ステップにおいて、前記レーザ光の照射により前記ガラスの母材の前記第1端部から前記第2端部に向けて切断しているときに、前記位置感知センサにより前記ガラスの母材の前記第2端部が検出されると、前記溝形成部により、前記ガラスの母材の前記第2端部に前記切断終了溝を形成するガラス基板の製造方法。
  2. 得られた前記ガラス基板の切断面に化学強化処理をする化学強化ステップを更に有する請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記第1端部の前記予備切断溝と前記第2端部の前記切断終了溝は、機械加工により形成する請求項に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記ガラス基板はソーダガラス基板であり、前記ソーダガラス基板は液晶表示装置に用いられる基板である請求項2に記載のガラス基板の製造方法。
  5. ガラスの母材の第1端部と、該第1端部の反対側の第2端部とを検出する位置感知センサと、
    前記位置感知センサで検出された前記ガラスの母材の前記第1端部に予備切断溝を形成するとともに、前記位置感知センサで検出された前記ガラスの母材の前記第2端部に切断終了溝を形成する溝形成部と、
    前記ガラスの母材の前記予備切断溝に沿ってレーザ光を照射して、前記レーザ光により前記ガラスの母材の前記第1端部から前記第2端部まで前記ガラスの母材を切断して所定のサイズのガラス基板を得る切断部とを備え、
    前記レーザ光の照射により前記ガラスの母材の前記第1端部から前記第2端部に向けて切断しているときに、前記位置感知センサにより前記ガラスの母材の前記第2端部が検出されると、前記溝形成部は、前記ガラスの母材の前記第2端部に前記切断終了溝を形成するガラス基板の製造装置。
  6. 前記溝形成部は、前記第1端部の前記予備切断溝と前記第2端部の前記切断終了溝を、機械加工により形成する請求項に記載のガラス基板の製造装置。
  7. 前記ガラス基板はソーダガラス基板であり、前記ソーダガラス基板は液晶表示装置に用いられる基板である請求項に記載のガラス基板の製造装置。
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