JP4622415B2 - 音楽情報表示装置及びプログラム - Google Patents
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Description
つまり、この発明では、ノートデータ(En)並びにコードデータ(Ec)が時系列的に配列された楽曲データ(Sn)に従って、時間軸に沿いコードを伴う楽譜を表示するに際し、一般的な楽譜作成方法に従い各ノートデータ(En)のタイミング情報(Tm)及びノート情報(Nt)に基づき譜表(五線譜)上に各音符を表示するが、コードについては、各コードデータ(Ec)のタイミング情報(Tm)及びコード情報(Ch)に基づきコードを時間軸方向に表示した場合にコード表示に重なりが生じるかを判断し(P9)必要に応じて多段化する(P10)。例えば、表示先端位置と長さから得られる前のコードの表示終端位置に対して後のコードの表示先端位置が所定時間幅未満となり(直後のコードの先端が直前のコードの末端を越えて先行するか、或いは、両端間距離が許容し得ない所定の許容範囲未満となる)、コード表示が重なったと判定されたときは(P9=YES)、後のコードを時間軸に直行する垂直方向の位置(垂直位置)にずらして表示する(P10)。従って、この発明によれば、1つの譜表(五線譜)に対して複数のコードを近接して表示する場合に、2つ目以降のコード表示を、本来の時間軸位置を保ったまま、重ならずに表示することができる。
なお、上述した課題(目的)に対してこの明細書に記載された種々の発明の実施に関する別の特徴により、次の(a)〜(c)のように構成することができる:
(a)時間軸に沿って表示される譜表に対してコードを含む音楽情報を表示する音楽情報表示装置であって、楽曲データ(Sn)中のコード情報(Ch)に基づいて表示されるコード(cj〜cm)の文字列のうち、コードのルートを表わす文字を他の文字とは異なる態様で表示する〔図2(2)〕表示制御手段を具備する音楽情報表示装置(電子音楽装置)。この音楽情報表示装置(電子音楽装置)によれば、コードのルート(根音)に当る文字を他の文字とは異なる表示様態(例えば、ルート文字を他の文字に比べ、大きくする、太くするなど)として、強調して表示するようにしているので、分数コードなどのコードが接近して表示される場合でも、コード表記の始まりが分かり易くなり、コード表記の開始位置やルートの内容を視覚的に容易に見分けることが可能となる。
図1は、この発明の一実施例による音楽情報表示システムのハードウエア構成ブロック図を示す。この音楽情報表示システムの本体となる電子音楽装置には、音楽情報処理機能を有するパーソナルコンピュータ(PC)や電子楽器のような音楽情報処理装置(コンピュータ)が用いられ、このような電子音楽装置は、中央処理装置(CPU)1、ランダムアクセスメモリ(RAM)2、読出専用メモリ(ROM)3、外部記憶装置4、演奏操作検出回路5、設定操作検出回路6、表示回路7、音源回路8、効果回路9、MIDIインターフェース(I/F)10、通信インターフェース(I/F)11などを備え、これらの要素1〜11はバス12を介して互いに接続される。
この発明の一実施例による音楽情報表示システムにおいては、音楽情報表示処理プログラムに従い、楽曲データに基づいて楽譜表示におけるコード表示や歌詞表記の重なり等が判断されてコード名の多段化表示や歌詞のシフト表示などが行われ、また、分数コードにおけるルート文字の強調表示が行われる。図2は、この発明の一実施例による音楽情報表示システムにおけるコード表示及び歌詞表示ルールを説明するための図である。
このシステムでは、楽曲データのコードイベント中のコード情報からコード名表記文字列の表示長が決定され、タイミング情報からこのコード名表記文字列の先端位置が決定される。その際、図2(1)の右側に破線で示されるように譜表の終端Edの部分にかぶるコード名表記ciの時間位置は、矢印で示すように全体の表示を左方向にシフトして右側の末端位置が終端Edに合うように修正する。つまり、当該コード名表記ciの先端位置は、譜表終端Edから表示長Liだけ時間方向に前に進んだ位置に修正される。
例えば、コード名表記caのように、前の時間位置に別のコード名表記がない場合、或いは、コード名表記cbのように、先端が前方のコード名表記caの末端に対して所定の時間的な範囲α(α≧0)以上の距離がある場合〔即ち、両コード名表記ca,cbを時間方向に並べたときに見易い表示であって「重なりがない状態」であると判断される場合〕は、これらコード名表記ca,cbの垂直方向の表示位置については、譜表に最も近い位置(譜表最上段の第5線L5の上部近傍)を基準位置として優先する。この原則は、コード名表記ca,cbの外に、コード名表記cc,ce,cf,ciが該当する。
例えば、前のコード名表記cbと重なりがないコード名表記ccの末端に対して、その後のコード名表記コードcdの先端が時間的に先行するか或いは所定の時間範囲α未満の遅れしかない場合〔即ち、両コード名表記cc,cdを時間方向に並べたときに見易い表示にならず「重なりがある」と判断される場合〕は、後のコード名cdを垂直方向に所定の表示幅分だけずらして(シフト)、前のコード名表記ccの上部近傍に表示する。さらに、コード名表記cc〜ceのように、3つ以上のコード名表記が連続して重なる場合には、第2番目のコード名表記cd、第3番目のコード名表記ceの順で、他のコード名表記と重ならない垂直方向へのシフトを考慮していく。
例えば、連続して重なる3つのコード名表記cc〜ce,cf〜chにおいて、コード名表記cd,cgは、前のコード名表記cc;cfが譜表に最も近い垂直位置に表示されるので、譜表に近い側に表示することができないから、図示のように譜表に遠い側に積み上げるようにシフトして表示する。
次のコード名表記ceは、2つ前のコード名表記ccとは時間位置の重なりがなく、直前のコード名表記cdが譜表に遠い側にシフトされる結果、譜表に最近の垂直位置(コード名表記ccの後)に空きが生じるので、原則〔2〕に従って垂直方向にシフトしない。
一方、2つ前のコード名表記cfとも重なりがあるコード名表記chについては、譜表に近い垂直位置が、既にこのコード名表記cfで占められており、譜表に近い側での表示は不可能なため、譜表に遠い図示の垂直位置にシフトする。
図2(2)において、コード名表記文字列cj=“C”〔Cメジャー〕の文字「C」や、コード名表記文字列ck=“Dm7/C”〔DマイナーセブンスオンC〕の「D」のように、コードのルート(根音)を表示する文字(ルート文字)については、フォントの大きい文字で表記するなどで強調した表示とする。
特に、コード名表記ckのようにコード名を分数コードで表わす場合には、ルート文字「D」がベースノート音名「C」よりも大きく強調された文字で書かれていると、「D」がコードの先頭文字(ルート)であることが一目で分かる。ルート文字の強調には、サイズを大きくしたり、太字(Bold)で書いてもよく、また、図示のように、これらの方法を併用してもよい。また、ルート文字「D」以外の文字については、ベースノート文字「C」を弱く強調し、それ以外の文字「m7/」は強調しないと、いうように任意の文字強調表示方法をとることができる。
なお、ここでは、分数コードのコード名をそのまま分数形式で表記したが、オンコードのコード名表記cm=“Dm7 on C”のようにオンベース形式で表記してもよい。この場合も、ルート文字「D」が強調表示される点に変わりはない。
歌詞表記文字列も、楽曲データの歌詞イベント中の歌詞情報から表示長が決定され、タイミング情報(通常、主要なノートイベントのオンタイミングとほぼ同じ)から先端位置が決定される。この決定に従って歌詞表記を歌詞表示行上に表示したときに重なりがないと判断される場合〔歌詞表記の先端(左端)と前の歌詞表記の末端との距離が所定の時間範囲β(β≧0)以上の場合〕は、そのまま、音符シンボルに対応する位置に表示する。
上述のようにして決定された先端位置に従って歌詞を表示すると、図2(3)右側の(3b)のように、音符シンボルnbに対応する歌詞部分“Kong”を表わす歌詞表記文字列wbの先端が、その前の音符シンボルnbに対応する歌詞表記文字列wa=“Hong”の末端に対し、先行するか或いは所定時間範囲β未満で遅れており、両歌詞表記wa,wbが重なっていると判断される場合は、左側の(3a)のように、後の歌詞表記wbの先端位置を修正し、前の歌詞表記waの先端位置から、その表示長Laに所定時間範囲βだけ遅れた時間位置にシフトする。なお、範囲βの値は、「0」としてもよいが、半角分程度のマージンとする方が好ましい。
つまり、歌詞の表示が重なってしまう場合に、後続する歌詞表記wb=“Kong”の表示位置を右にずらす(シフトする)ことにより、先行する歌詞表記wa=“Hong”と重ならずに表示することができる。
例えば、図2(4)右側の(4b)に示すように、譜表末尾の歌詞表記文字列wd=“Kong”(音符シンボルndに対応)が譜表の終端Edからはみ出していると判断される場合には、左側の(4a)のように、譜表終端Edからこの文字列wdの表示長Ldだけ進めた時間位置に同歌詞表記wdの先端位置をシフトする。これにより、当該歌詞表記wbは、末端位置が譜表終端Edに合わせられて右詰めに修正される。
この場合、最終歌詞表記文字列wdに、隣接する歌詞表記文字列wc=“Hong”(音符シンボルncに対応)が重なる場合は、最終歌詞表記wdの先端位置から隣接文字列wcの表示長Lc(+所定時間範囲のマージンβ)だけ進めた時間位置に同歌詞表記wcの先端位置をシフトして右詰めを行う。そして、文字表記間の重なりがなくなるまで、順次、左側に隣接する文字列に対して、このような右詰め動作を行う。
このルール〔8〕は、1譜表分の歌詞表記に対して先頭の歌詞表記から順次ルール〔7〕を適用した後、末尾の歌詞表記から適用して行くことが好ましい。例えば、歌詞イベントに従って決定された先端位置に基づいて歌詞を表示すると、(4b)上側の歌詞のように表示が重なるので、譜表末尾の歌詞表記wd=“Kong”にルール〔7〕を適用してwd“Kong”の表示位置を右にずらす。これにより、(4b)下側の歌詞のように、さらに、譜表終端Edを越えて右にはみ出してしまうが、末尾の歌詞表記wdから順次右詰めに再修正することで、(3a)のように、歌詞をきれいに表示することができる。
この発明の一実施例においては、音楽情報表示プログラムに従って楽曲データからコード名表示データや歌詞表示データを作成し、作成された表示データに基づいてコード名や歌詞をディスプレイの表示することによって、上述したように、コード名や歌詞を楽譜上に見易く表示することができる。図3並びに図4,5は、この発明の一実施例によるコード表示データ並びに歌詞表示データの作成手順を表わすフローチャートであり、図6は、この発明の一実施例による音楽情報表示システムで利用される楽曲データのフォーマット例である。
以上、図面を参照しつつこの発明の好適な実施の一形態について説明したが、これは単なる一例であって、この発明は、発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施例では、コード及び歌詞表示データがすべて出来上がった後にまとめて表示するようにしているが、表示位置が確定したものから順次表示するようにしてもよい。
wa〜wd 歌詞表記文字列、
Br,Ed,L5 小節線、譜表終端及び譜表第5線、
na,nb,nc,nd 音符シンボル、
Li,La,Lc,Ld 文字列表示長。
Claims (4)
- 時間軸に沿って表示される譜表に対して複数の音符及びコードを含む音楽情報を表示する音楽情報表示装置であって、
タイミング情報及びノート情報から成るノートデータ並びにタイミング情報及びコード情報から成るコードデータが時系列的に配列された楽曲データを取得する楽曲データ取得手段と、
楽曲データ取得手段により取得された楽曲データに含まれる各ノートデータのタイミング情報及びノート情報に基づいて各音符の譜表上の表示位置及び表示形状を決定する音符表示決定手段と、
楽曲データ取得手段により取得された楽曲データに含まれる各コードデータのタイミング情報に基づいて各コードの時間軸方向の表示先端位置を決定すると共に、当該コードデータのコード情報に基づいて、各コードを表示するのに必要な時間軸方向の表示長を決定する時間位置決定手段と、
各コードについて、時間位置決定手段により決定された時間軸方向の表示先端位置及び表示長に基づき前のコードとの時間軸方向の重なりを検出する重なり検出手段と、
重なり検出手段により前のコードとの重なりが検出されないコードについては、時間軸に直交する垂直方向の表示位置を譜表近傍の所定の基準位置に決定し、重なり検出手段により前のコードとの重なりが検出されたコードについては、時間軸に直交する垂直方向の表示位置を、直前のコードから所定のコード表示幅以上離れた位置に決定する垂直位置決定手段と、
音符表示決定手段により決定された表示位置及び表示形状に従って各音符を譜表上に表示すると共に、垂直位置決定手段により決定された垂直方向の表示位置に、時間位置決定手段により決定された表示先端位置から時間軸方向に各コードを表示する表示手段と
を具備することを特徴とする音楽情報表示装置。 - 前記基準位置は、譜表に最も近い位置であり、
前記垂直位置決定手段は、2つ以上前のコードから連続して重なりが検出されたコードについては、垂直方向の表示位置を、前方のコードと時間軸方向の重なりを生じないという条件で、譜表により近い位置に決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の音楽情報表示装置。 - 時間軸に沿って表示される譜表に対して複数の音符及びコードを含む音楽情報を表示する音楽情報表示装置として機能するコンピュータに、
タイミング情報及びノート情報から成るノートデータ並びにタイミング情報及びコード情報から成るコードデータが時系列的に配列された楽曲データを取得する楽曲データ取得ステップと、
楽曲データ取得ステップで取得された楽曲データに含まれる各ノートデータのタイミング情報及びノート情報に基づいて各音符の譜表上の表示位置及び表示形状を決定する音符表示決定ステップと、
楽曲データ取得ステップで取得された楽曲データに含まれる各コードデータのタイミング情報に基づいて各コードの時間軸方向の表示先端位置を決定すると共に、当該コードデータのコード情報に基づいて、各コードを表示するのに必要な時間軸方向の表示長を決定する時間位置決定ステップと、
各コードについて、時間位置決定ステップで決定された時間軸方向の表示先端位置及び表示長に基づき前のコードとの時間軸方向の重なりを検出する重なり検出ステップと、
重なり検出ステップで前のコードとの重なりが検出されないコードについては、時間軸に直交する垂直方向の表示位置を譜表近傍の所定の基準位置に決定し、重なり検出ステップで前のコードとの重なりが検出されたコードについては、時間軸に直交する垂直方向の表示位置を、直前のコードから所定のコード表示幅以上離れた位置に決定する垂直位置決定ステップと、
音符表示決定ステップで決定された表示位置及び表示形状に従って各音符を譜表上に表示すると共に、垂直位置決定ステップで決定された垂直方向の表示位置に、時間位置決定ステップで決定された表示先端位置から時間軸方向に各コードを表示する表示ステップと
から成る手順を実行させる音楽情報表示プログラム。 - 前記基準位置は、譜表に最も近い位置であり、
前記垂直位置決定ステップでは、2つ以上前のコードから連続して重なりが検出されたコードについては、垂直方向の表示位置を、前方のコードと時間軸方向の重なりを生じないという条件で、譜表により近い位置に決定する
請求項3に記載の音楽情報表示プログラム。
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