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JP4612454B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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JP4612454B2 JP2005105134A JP2005105134A JP4612454B2 JP 4612454 B2 JP4612454 B2 JP 4612454B2 JP 2005105134 A JP2005105134 A JP 2005105134A JP 2005105134 A JP2005105134 A JP 2005105134A JP 4612454 B2 JP4612454 B2 JP 4612454B2
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Description

本発明は、ブレーキ制御装置に係り、特に、液圧系ブレーキを制御するブレーキ制御装置に関するものである。
従来における液圧ブレーキ装置においては、アキュムレータに蓄積されている作動液を調圧弁に供給し、この調圧弁でブレーキ操作に応じた作動液の液圧に調整するとともに、回生協調制御時には回生協調制御用切換弁を用い、ホイールシリンダを調圧弁またはリザーバに接続してホイールシリンダ内の液圧を任意に調整するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−264795号公報(段落0012−0018、図1)
しかしながら、特許文献1に記載の液圧ブレーキ装置においては、調圧弁などの故障が発生した場合に適切な対処を行うために、その状況をより的確に診断しなければならないという課題があった。
そこで、本発明は、このような状況下において、調圧弁や切換弁などの故障の状況をより的確に診断することが可能なブレーキ制御装置を提供することをその目的とする。
前記課題を解決するため本発明に係るブレーキ制御装置は、リザーバ内の作動液を所定の圧力に蓄圧するアキュムレータを含む液圧源と、前記液圧源から供給される作動液の液圧を操作部からの操作量に応じて調圧する調圧弁と、前記調圧弁により調圧された液圧により作動するホイールシリンダと、少なくとも、前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記アキュムレータを遮断する状態、ならびに前記ホイールシリンダおよび前記アキュムレータを接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を遮断する状態を切換可能な前記調圧弁とは異なる自動ブレーキ制御用切換弁手段と、前記調圧弁の出力する液圧を検出する第1液圧センサと、前記ホイールシリンダを作用させている液圧を検出する第2液圧センサと、前記操作部からの操作量を検出する操作量検出センサと、前記操作量検出センサによって検出された操作量に基づいて、あらかじめ設定されている基準圧力を決定する基準圧力決定手段と、前記第1液圧センサの検出値、前記第2液圧センサの検出値および前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力の相互関係に基づいて少なくとも前記自動ブレーキ制御用切換弁手段の故障を判定する異常判定手段と、を備え、少なくとも、前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記リザーバを遮断する状態、ならびに前記ホイールシリンダおよび前記リザーバを接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を遮断する状態を切換可能な回生協調制御用切換弁手段をさらに備え、前記異常判定手段は、前記回生協調制御用切換弁手段の異常を判定可能に構成されているとともに、前記第1液圧センサの検出値および前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力が略等しく、かつ、それら双方の値よりも前記第2液圧センサの検出値が大きい場合に、前記故障を判定し、当該判定時、前記回生協調制御用切換弁手段を制御して、前記ホイールシリンダに作用している液圧を減圧する制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
このように構成すると、第1液圧センサ、第2液圧センサおよび操作量検出センサの各検出値相互の関係から、少なくとも前記自動ブレーキ制御用切換弁手段の故障を判定することが可能となる。
本発明によれば、調圧弁などの故障が発生した場合に適切な対処を行うために、その故障状況をより的確に診断することが可能となる。
図1は本発明の実施の形態に係るブレーキ制御装置を示す説明図である。ここでは、自動車に搭載されている液圧倍力装置の概略断面を含む全体構成を例示している。
ブレーキ制御装置100は、主として、液圧源10、調圧弁20、補助液圧室61、マスタシリンダ50、各ホイールシリンダ70a,70b,71a,71bおよびECU80を具備する。ECU80は、電子制御ユニットの略である。以下、具体的に説明する。
液圧源10は、車輪ブレーキの作動液を所定の液圧で発生させるようになっている。具体的には、液圧源10は、アキュムレータ10a、圧力センサ10b、直流電動機10c、液圧ポンプ10dおよびリザーバ10eを含んで構成されている。アキュムレータ10aは、作動液をあらかじめ設定された所定の加圧状態で蓄積するためのものであり、圧力センサ10bは、アキュムレータ10aに蓄積された作動液の液圧P1を検出するためのものである。
リザーバ10eには、作動液がリザーブされており、直流電動機10cは、ECU80の指令に従って駆動したり停止したりするようになっている。直流電動機10cが駆動すると、液圧ポンプ10dによって、リザーバ10e内の作動液がアキュムレータ10aに圧送されることとなる。なお、ECU80の指令は、圧力センサ10bの検出値に基づいて行われる。
調圧弁20は、アキュムレータ10aから供給される作動液の液圧P1をブレーキペダル(操作部)30からの操作量(踏み込み量)に応じて液圧P2に調圧するように構成されているが、この原理については後記する。調圧弁20は、シリンダ60内に収容された弁体20aと、この弁体20aの開口端を閉塞してx1およびx2の各方向に摺動可能な弁スプール20bと、弁スプール20bをx1方向側に向けて付勢するばね20cとを含んで構成されている。このばね20cは、弁体20aの端壁と弁スプール20bの他端とで画成された出力室20fに収容されている。出力室20fは、弁体20aに形成された弁孔203を介して、後記する補助液圧室61に通じる液圧路R5に接続されている。
また、調圧弁20は、弁体20aと弁スプール20bとを収容することにより、弁体20aの端壁と、シリンダ60の内壁と、弁スプール20bの外周壁とで低圧室20eが画成されている。低圧室20eは、液圧路R2を介して、リザーバ10eに常時接続されており、その内圧は通常大気圧となっている。また、低圧室20eは、弁体20aおよび弁スプール20bにそれぞれ形成された弁孔201および連通孔204を介して、出力室20fに連通している。
さらに、調圧弁20は、シリンダ60の内壁と弁スプール20bの外周壁とで高圧室20dが画成されている。高圧室20dは、液圧路R1を介して、アキュムレータ10aに常時接続され、高圧室20dでは、アキュムレータ10aから供給される作動液の液圧P1を常時保持している。
供給弁20gは、液圧P1を出力室20f側に供給させるためのものであり、排出弁20hは、出力室20f内の液圧P2を連通孔204を通じて低圧室20e側へ排出させるためのものである。
シリンダ60には、シリンダ60の内壁と、弁体20aの外端と、後記する第1ピストン50aの外面とで補助液圧室61が画成されている。補助液圧室61は、前記した出力室20fに通じる液圧路R5に接続されている。この液圧路R5には、常開の電磁開閉弁32および常開の電磁比例弁31が設けられている。
また、電磁開閉弁32と並列に上流側から下流側への流通のみを許容するチェック弁32aが設けられ、電磁比例弁31と並列に下流側から上流側への流通のみを許容するチェック弁31aが設けられる。
電磁比例弁31の下流側では、液圧路R5から、前記した高圧室20dに通じる液圧路R3に分岐し、この液圧路R3には、常閉の電磁開閉弁34が設けられている。本実施の形態においては、2つの電磁開閉弁32,34は、後記する自動ブレーキ制御機能があり、これらを併せて自動ブレーキ制御用切換弁手段という。
さらに、電磁比例弁31の下流側では、液圧路R5から、前記した低圧室20eに通じる液圧路R7に分岐し、この液圧路R7には、常閉の電磁比例弁33が設けられている。本実施の形態においては、2つの電磁比例弁31,33は、後記する回生協調ブレーキ制御機能があり、これらを併せて回生協調制御用切換弁手段という。なお、電磁比例弁31,33をそれぞれ電磁開閉弁とし、これらのデューティ制御を行って用いるようにしてもよい。
マスタシリンダ50は、シリンダ60に摺合する第1ピストン50aおよび第2ピストン50bと、第1ピストン50aの凹部が臨む第1マスタシリンダ液圧室50eと、第2ピストン50bの凹部が臨む第2マスタシリンダ液圧室50fとを含んで構成されている。
そして、第1マスタシリンダ液圧室50eには、第1ピストン50aをx1方向側に付勢するとともに第2ピストン50bをx2方向側に付勢するばね50cが収容されている。また、第2マスタシリンダ液圧室50fには、第2ピストン50bをx1方向側に付勢するばね50dが収容されている。
第1ピストン50aには、リザーバ10eへの液圧路R8に通じる接続孔501が設けられ、第2ピストン50bには、リザーバ10eへの液圧路R9に通じる接続孔502が設けられている。これにより、図1に示す状態、すなわち、ブレーキペダル30が踏み込まれていない状態のとき、第1マスタシリンダ液圧室50eおよび第2マスタシリンダ液圧室50fは、リザーバ10eに接続されることとなる。
第1マスタシリンダ液圧室50eは、左右の後輪に制動力を付与するためのホイールシリンダ70a,70bに通じる液圧路R4に接続され、第2マスタシリンダ液圧室50fは、左右の前輪に制動力を付与するためのホイールシリンダ71a,71bに通じる液圧路R6に接続されている。
圧力センサ(第1液圧センサ)40は、出力室20f内の液圧P2を検出し、圧力センサ(第2液圧センサ)41は、補助液圧室61内の液圧P3を検出するようになっている。そして、これらの圧力センサ40,41が、各検出値をECU80にそれぞれ出力するようになっている。
ストロークセンサ51は、ブレーキペダル30の操作量を検出し、その検出値をECU80に出力するようになっている。
ECU80は、前記した直流電動機10cへの駆動指令などの一般的な機能を持つほか、基準圧力決定手段80a、異常判定手段80bおよび制御手段80cの機能を持つ。これらの各手段80a〜80cの機能については後記する。
次に、ブレーキ制御装置100の一般的な作用などの概要について説明する。
まず、調圧弁20の調圧原理について説明する。調圧弁20は、x1方向側の力とx2方向側の力のつり合い関係により、高圧室20d内の液圧P1を液圧P2に調圧するようになっている。具体的には、液圧P2は、ブレーキペダル30からの踏み込み力による弁スプール20bの前進推力(x2方向)と、出力室20fの圧力×弁スプール20bの出力室20fに臨む面積+ばね20cの戻り力である後進推力(x1方向)とが釣り合うようにして得られる。
次に、ドライバによってブレーキペダル30が実際に踏み込まれた場合の作用について説明する。
この場合、弁スプール20bが、図1に示す位置からx2方向に移動することにより、出力室20fが低圧室20eと遮断され、その後、出力室20fが高圧室20dと連通することになる。なお、このとき、弁スプール20bは、ブレーキペダル30の踏み込み力によりx2方向に押され、また、ばね20cおよび出力室20f内の液圧P2によりx1方向に押されることとなる。
そうすると、まず、排出弁20hが閉じ、その後供給弁20gが開いて高圧室20d内の液圧P1が、供給弁20gから連通孔204を介して、出力室20fに導出され、出力室20fで液圧P2に調圧される。そして、調圧された液圧P2が、液圧路R5を通じて、電磁開閉弁32、電磁比例弁31、補助液圧室61の順に導出される。
補助液圧室61では、出力室20fからの液圧P2が導入されて液圧P3が生じ、この液圧P3により、第1ピストン50cが、x2方向に移動する。これにより、第1ピストン50cの接続孔501も、x2方向に移動することとなり、接続孔501が、リザーバ10eに通じる液圧路R8と遮断される。そして、第1マスタシリンダ液圧室50eの液圧P4が、液圧路R4を介して、ホイールシリンダ70a,70bに導出されることとなる。よって、左右後輪の車輪に制動力が付与される。
他方、第2ピストン50bも、第1ピストン50cの移動に連動して、x2方向に移動し、第2ピストン50bの接続孔502も、リザーバ10eに通じる液圧路R9と遮断される。そして、第2マスタシリンダ液圧室50fの液圧P4が、液圧路R6を介して、ホイールシリンダ71a,71bに導出されることとなる。よって、左右前輪の車輪に制動力が付与される。
次に、電磁開閉弁32,34による自動ブレーキ制御機能について説明する。ブレーキペダル30が非操作状態である自動ブレーキ制御時においては、ECU80は、次のような制御を行うことにより、補助液圧室61内の液圧P3を加圧したり、あるいは減圧したりして車輪の制動力を自動制御する。
例えば、補助液圧室61内の液圧P3を加圧する場合、ECU80は、電磁開閉弁32を閉状態に制御するとともに、電磁開閉弁34を開状態に制御する。このようにすると、高圧室20d内の液圧P1が、電磁開閉弁34から液圧路R3,R5を介して、補助液圧室61に供給され、補助液圧室61内の液圧P3が加圧されることとなる。加圧した液圧P3を保持する場合は、電磁開閉弁32、電磁開閉弁34を何れも閉状態に制御する。
他方、補助液圧室61内の液圧P3を減圧する場合、ECU80は、電磁開閉弁32を開状態に制御するとともに、電磁開閉弁34を閉状態に制御する。これにより、補助液圧室61内の液圧P3が、電磁開閉弁32を介して、出力室20fに導出され、排出弁20hを介して、低圧室20e側へ排出される。したがって、補助液圧室61内の液圧P3が減圧されることとなる。
尚、自動ブレーキ制御中にブレーキペダル30が操作された場合には、調圧弁20の出力である液圧P2が、自動ブレーキ制御中の補助液圧室61の液圧P3を上回ると電磁開閉弁32に並列のチェック弁32aを介して液圧P3が加圧されることとなる。
次に、電磁比例弁31,33による回生協調ブレーキ制御機能について説明する。回生協調制御ブレーキ制御時においては、電気自動車などにおけるブレーキペダル30の踏み込み力による要求ブレーキ力を回生ブレーキ力および摩擦(液圧)ブレーキ力に配分するため、ECU80は、次のような制御を行う。すなわち、ECU80は、例えば、電磁比例弁31を閉状態に制御するとともに、電磁比例弁33を開状態に制御する。これにより、補助液圧室61内の液圧P3が、電磁比例弁33を介して、低圧室20e側に排出される。したがって、補助液圧室61内の液圧P3が減圧され、回生ブレーキ力に対する摩擦(液圧)ブレーキ力の配分を任意に制御することができる。尚、ブレーキペダル30の踏み込み初期から回生協調ブレーキ制御を行なう場合は、電磁比例弁31を制御して、出力室20fから補助液圧室61へ流入する液圧を阻止または減少すればよい。
尚、回生協調ブレーキ制御中にブレーキペダル30の操作量が減少し、調圧弁20の出力である液圧P2が、回生協調ブレーキ制御中の補助液圧室61の液圧P3を下回ると電磁比例弁31に並列のチェック弁31aを介して液圧P3が減圧されることとなる。
次に、ブレーキ制御装置100のECU80の特徴的な動作について説明する。
図2はECUの処理手順を示す図である。ここでは、ECU80が、圧力センサ40,41およびストロークセンサ51の3つのセンサから、所定の検出値を入力している場合を前提にして説明する。
具体的には、ECU80は、圧力センサ40から、出力室20f内の液圧P2を示す検出値を入力する。さらに、ECU80は、圧力センサ41から、補助液圧室61内の液圧P3を示す検出値を入力する。また、ECU80は、ストロークセンサ51から、ブレーキペダル30の操作量としてのブレーキペダル30の操作ストロークを示す検出値を入力する。
そして、ECU80の基準圧力決定手段80aは、ストロークセンサ51からの検出値に基づいて基準圧力を決定する。この決定は、あらかじめ設定されている検出値と、液圧源10が正常でアキュムレータ10aに所定の圧力が蓄積されている状態での出力室20fから出力される圧力との対応関係に基づいて行われる。
この場合、まず、ECU80の異常判定手段80bは、圧力センサ40からの検出値に示された液圧P2、圧力センサ41からの検出値に示された液圧P3、および前記した基準圧力の3つの相互関係から、液圧P3のみが過剰かどうかを判断する(S1)。ここにいう過剰というのは、液圧P2および前記基準圧力が略等しく、かつ、それら双方の値よりも液圧P3が大きい場合を意味する。
「P2および前記基準圧力が略等しい」あるいは「P3が大きい」といえるかどうかは、閾値を用いて判断する。例えば、P2および前記基準圧力の差分が閾値未満の場合は、「P2および前記基準圧力が略等しい」に該当する。また、P2およびP3の差分、および、前記基準圧力およびP3の差分の双方が閾値以上の場合は、「P3が大きい」に該当する。
そして、P3のみが過剰と判断された場合(S1のYes)、異常判定手段80bは、
電磁開閉弁34のリーク、または電磁開閉弁32の閉塞による故障と判定し(S2)、S3に進む。
S3では、ECU80の制御手段80cは、電磁比例弁33により液圧P3を減圧するFSアクションを行う(S3)。FSはフェールセーフの略である。具体的には、電磁比例弁33を開状態にする。これにより、補助液圧室61内の作動液が、電磁比例弁33、低圧室20eを経てリザーバ10eに排出され、補助液圧室61内の液圧P3が減圧されることとなる。
これに対して、S1における判断において、P3のみが過剰ではないと判断された場合(S1のNo)、異常判定手段80bは、S4に進み、前記した3つの相互関係から、P3のみが過少かどうかを判断する。ここにいう過少というのは、液圧P2および前記基準圧力が略等しく、かつ、それら双方の値よりも液圧P3が小さい場合を意味する。
「P2および前記基準圧力が略等しい」といえるかどうかは前記のS1と同様であり、また、「P3が小さい」といえるかどうかは、閾値を用いて判断する。例えば、P2およびP3の差分、および、前記基準圧力およびP3の差分の双方が閾値未満の場合は、「P3が小さい」に該当する。
そして、P3のみが過少と判断された場合(S4のYes)、異常判定手段80bは、電磁比例弁33のリーク、または電磁比例弁31の閉塞による故障と判定し(S5)、S6に進む。
S6では、ECU80の制御手段80cは、電磁開閉弁34により液圧P3を加圧するFSアクションを行う。具体的には、電磁開閉弁34を開状態にする。これにより、高圧室20d内の作動液が、電磁開閉弁34を介して、補助液圧室61に供給され、補助液圧室61内の液圧P3が加圧されることとなる。
また、S4における判断において、P3のみが過少ではないと判断された場合(S4のNo)、次に、異常判定手段80bは、S7に進み、前記した3つの相互関係から、前記した基準圧力のみが過剰かどうか、つまり、ブレーキペダル30のストロークのみが過剰かどうかを判断する。ここにいう過剰というのは、前記したP2およびP3が略等しく、かつ、それら双方の値よりも基準圧力が大きい場合を意味する。この場合も、閾値を用いて判断する。
そして、ストロークのみが過剰と判断された場合(S7のYes)、異常判定手段80bは、S8に進んで、P2およびP3が上昇しない状態であるかどうかを判断し、その結果、上昇していない状態であると判断したときは(S8のYes)、S9に進む。
S9では、異常判定手段80bは、供給弁20gの閉塞による故障と判定し、S10に進む。
S10では、ECU80の制御手段80cは、電磁開閉弁34により液圧P3を加圧するFSアクションを行う。具体的には、電磁開閉弁34を開状態にする。これにより、高圧室20d内の作動液が、電磁開閉弁34を介して、補助液圧室61に供給され、補助液圧室61内の液圧P3が加圧されることとなる。
他方、S7における判断において、ストロークのみが過剰ではないと判断された場合(S7のNo)、異常判定手段80bは、S11に進み、前記した3つの相互関係から、前記したブレーキペダル30のストロークのみが過少かどうかを判断する。ここにいう過少というのは、前記したP2およびP3が略等しく、かつ、それら双方の値よりも基準圧力が小さい場合を意味する。この場合も、閾値を用いて判断する。
そして、ストロークのみが過少と判断された場合(S11のYes)、異常判定手段80bは、S12に進んで、ストロークが有ったかどうか(減少方向に変化したか)を判断する。このストロークが有ったかどうかの判断では、例えば、前記したストロークセンサ51の検出値が零ではない場合にストロークが有ったと判断する。
そして、ストロークが有ったと判断された場合(S12のYes)、異常判定手段80bは、S13に進んで、排出弁20hの閉塞による故障と判定し、S14に進む。
S14では、ECU80の制御手段80cは、電磁比例弁33により液圧P3を減圧するFSアクションを行う。具体的には、電磁比例弁33を開状態にする。これにより、補助液圧室61内の作動液が、電磁比例弁33を介して、低圧室20e側へ排出され、補助液圧室61内の液圧P3が減圧されることとなる。
なお、異常判定手段80bは、例えば、前記した3つの相互関係から、P2のみが過剰または過小と判断した場合、圧力センサ40の異常と判断する。
このようにして、ECU80は、圧力センサ40,41およびストロークセンサ51の3つのセンサの相互関係から、供給弁20gなどの調圧弁20や電磁開閉弁32,34および電磁比例弁31、34に関する故障の可能性を診断し、診断結果に応じたFSアクションによる対処法を講じることができる。
なお、本発明は、前記した実施の形態に限定されない。ブレーキ制御装置100の構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、変更して構成するようにしてもよい。例えば、マスタシリンダ50を具備した(調圧弁とホイールシリンダを間接的に接続する)場合について説明したが、例えば、これを具備せずに、出力室20fの液圧P2を直接各ホイールシリンダ70a,70b,71a,71bに付与する(調圧弁とホイールシリンダを直接接続する)ようにしてもよい。
また、ストロークセンサ51に代えて、ブレーキペダル30の踏力を検出する踏込センサを用いてもよい。
異常判定手段80bは、前記したS2、S5、S9、S13で故障と判定した場合、さらに、当該故障の旨を図示しない外部の表示デバイスに出力するようにしてもよい。この場合、ドライバが、ブースト機能の失陥などの可能性を確認することが可能となる。また、ストロークセンサ51が、2重化等によって自己診断機能を備えており、ストロークセンサ51自身で正常、異常の判定が可能な場合には、前記したS8、S12を省略することも可能である。
また、自動ブレーキ制御機能は、調圧弁20の出力の液圧P2に対してホイールシリンダ側(補助液圧室61)の液圧P3を加圧することができるので、調圧弁20で構造的に定まっている倍圧比を増大させる制御や急ブレーキ時のブレーキアシスト制御などに用いることができる。
また、自動車にブレーキ制御装置100が搭載されている場合を例に説明したが、例えば、航空機などの移動体に搭載して適用するようにしてもよい。
また、ECU80の処理手順も、本発明の趣旨を逸脱しない限り、変更して構成するようにしてもよい。
本発明の実施の形態に係るブレーキ制御装置を示す説明図である。 図1に示したECUの処理手順を示す図である。
符号の説明
10 液圧源
20 調圧弁
30 ブレーキペダル
40,41 圧力センサ
50a,50b ピストン
80 ECU
80a 基準圧力決定手段
80b 異常判定手段
80c 制御手段

Claims (6)

  1. リザーバ内の作動液を所定の圧力に蓄圧するアキュムレータを含む液圧源と、
    前記液圧源から供給される作動液の液圧を操作部からの操作量に応じて調圧する調圧弁と、
    前記調圧弁により調圧された液圧により作動するホイールシリンダと、
    少なくとも、前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記アキュムレータを遮断する状態、ならびに前記ホイールシリンダおよび前記アキュムレータを接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を遮断する状態を切換可能な前記調圧弁とは異なる自動ブレーキ制御用切換弁手段と、
    前記調圧弁の出力する液圧を検出する第1液圧センサと、
    前記ホイールシリンダを作用させている液圧を検出する第2液圧センサと、
    前記操作部からの操作量を検出する操作量検出センサと、
    前記操作量検出センサによって検出された操作量に基づいて、あらかじめ設定されている基準圧力を決定する基準圧力決定手段と、
    前記第1液圧センサの検出値、前記第2液圧センサの検出値および前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力の相互関係に基づいて少なくとも前記自動ブレーキ制御用切換弁手段の故障を判定する異常判定手段と、を備え
    少なくとも、前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記リザーバを遮断する状態、ならびに前記ホイールシリンダおよび前記リザーバを接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を遮断する状態を切換可能な回生協調制御用切換弁手段をさらに備え
    前記異常判定手段は前記回生協調制御用切換弁手段の異常を判定可能に構成されているとともに、前記第1液圧センサの検出値および前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力が略等しく、かつ、それら双方の値よりも前記第2液圧センサの検出値が大きい場合に、前記故障を判定し、
    当該判定時、前記回生協調制御用切換弁手段を制御して、前記ホイールシリンダに作用している液圧を減圧する制御手段をさらに備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. リザーバ内の作動液を所定の圧力に蓄圧するアキュムレータを含む液圧源と、
    前記液圧源から供給される作動液の液圧を操作部からの操作量に応じて調圧する調圧弁と、
    前記調圧弁により調圧された液圧により作動するホイールシリンダと、
    少なくとも、前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記アキュムレータを遮断する状態、ならびに前記ホイールシリンダおよび前記アキュムレータを接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を遮断する状態を切換可能な前記調圧弁とは異なる自動ブレーキ制御用切換弁手段と、
    前記調圧弁の出力する液圧を検出する第1液圧センサと、
    前記ホイールシリンダを作用させている液圧を検出する第2液圧センサと、
    前記操作部からの操作量を検出する操作量検出センサと、
    前記操作量検出センサによって検出された操作量に基づいて、あらかじめ設定されている基準圧力を決定する基準圧力決定手段と、
    前記第1液圧センサの検出値、前記第2液圧センサの検出値および前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力の相互関係に基づいて少なくとも前記自動ブレーキ制御用切換弁手段の故障を判定する異常判定手段と、を備え
    少なくとも、前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記リザーバを遮断する状態、ならびに前記ホイールシリンダおよび前記リザーバを接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を遮断する状態を切換可能な回生協調制御用切換弁手段をさらに備え、
    前記異常判定手段は、前記回生協調制御用切換弁手段の異常を判定可能に構成されているとともに、前記第1液圧センサの検出値および前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力が略等しく、かつ、それら双方の値よりも前記第2液圧センサの検出値が小さい場合に、前記故障を判定し、
    当該判定時、前記自動ブレーキ制御用切換弁手段を制御して、前記ホイールシリンダに作用している液圧を加圧する制御手段をさらに備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. リザーバ内の作動液を所定の圧力に蓄圧するアキュムレータを含む液圧源と、
    前記液圧源から供給される作動液の液圧を操作部からの操作量に応じて調圧する調圧弁と、
    前記調圧弁により調圧された液圧により作動するホイールシリンダと、
    少なくとも、前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記アキュムレータを遮断する状態、ならびに前記ホイールシリンダおよび前記アキュムレータを接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を遮断する状態を切換可能な前記調圧弁とは異なる自動ブレーキ制御用切換弁手段と、
    前記調圧弁の出力する液圧を検出する第1液圧センサと、
    前記ホイールシリンダを作用させている液圧を検出する第2液圧センサと、
    前記操作部からの操作量を検出する操作量検出センサと、
    前記操作量検出センサによって検出された操作量に基づいて、あらかじめ設定されている基準圧力を決定する基準圧力決定手段と、
    前記第1液圧センサの検出値、前記第2液圧センサの検出値および前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力の相互関係に基づいて少なくとも前記自動ブレーキ制御用切換弁手段の故障を判定する異常判定手段と、を備え
    前記異常判定手段は、
    前記第1液圧センサの検出値および前記第2液圧センサの検出値が略等しく、かつ、それら双方の値よりも前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力が大きい状態で、さらに前記第1液圧センサおよび前記第2液圧センサの各検出値が上昇しない状態の場合に、前記故障を判定し、
    当該判定時、前記自動ブレーキ制御用切換弁手段を制御して、前記ホイールシリンダに作用している液圧を加圧する制御手段をさらに備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
  4. リザーバ内の作動液を所定の圧力に蓄圧するアキュムレータを含む液圧源と、
    前記液圧源から供給される作動液の液圧を操作部からの操作量に応じて調圧する調圧弁と、
    前記調圧弁により調圧された液圧により作動するホイールシリンダと、
    少なくとも、前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記アキュムレータを遮断する状態、ならびに前記ホイールシリンダおよび前記アキュムレータを接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を遮断する状態を切換可能な前記調圧弁とは異なる自動ブレーキ制御用切換弁手段と、
    前記調圧弁の出力する液圧を検出する第1液圧センサと、
    前記ホイールシリンダを作用させている液圧を検出する第2液圧センサと、
    前記操作部からの操作量を検出する操作量検出センサと、
    前記操作量検出センサによって検出された操作量に基づいて、あらかじめ設定されている基準圧力を決定する基準圧力決定手段と、
    前記第1液圧センサの検出値、前記第2液圧センサの検出値および前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力の相互関係に基づいて少なくとも前記自動ブレーキ制御用切換弁手段の故障を判定する異常判定手段と、を備え
    少なくとも、前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記リザーバを遮断する状態、ならびに前記ホイールシリンダおよび前記リザーバを接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を遮断する状態を切換可能な回生協調制御用切換弁手段をさらに備え
    前記異常判定手段は前記回生協調制御用切換弁手段の異常を判定可能に構成されているとともに、前記第1液圧センサの検出値および前記第2液圧センサの検出値が略等しく、かつ、それら双方の値よりも前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力が大きい状態で、さらに前記第1液圧センサおよび前記第2液圧センサの各検出値が上昇しない状態の場合に、前記故障を判定し、
    当該判定時、前記自動ブレーキ制御用切換弁手段を制御して、前記ホイールシリンダに作用している液圧を加圧する制御手段をさらに備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
  5. リザーバ内の作動液を所定の圧力に蓄圧するアキュムレータを含む液圧源と、
    前記液圧源から供給される作動液の液圧を操作部からの操作量に応じて調圧する調圧弁と、
    前記調圧弁により調圧された液圧により作動するホイールシリンダと、
    少なくとも、前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記リザーバを遮断する状態、ならびに前記ホイールシリンダおよび前記リザーバを接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を遮断する状態を切換可能な前記調圧弁とは異なる回生協調制御用切換弁手段と、
    前記調圧弁の出力する液圧を検出する第1液圧センサと、
    前記ホイールシリンダを作用させている液圧を検出する第2液圧センサと、
    前記操作部からの操作量を検出する操作量検出センサと、
    前記操作量検出センサによって検出された操作量に基づいて、あらかじめ設定されている基準圧力を決定する基準圧力決定手段と、
    前記第1液圧センサの検出値、前記第2液圧センサの検出値および前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力の相互関係に基づいて少なくとも前記回生協調制御用切換弁手段の故障を判定する異常判定手段と、を備え
    前記異常判定手段は、前記第1液圧センサの検出値および前記第2液圧センサの検出値が略等しく、かつ、それら双方の値よりも前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力が小さい状態で、さらに前記操作量検出センサの検出値が減少方向に変化した状態の場合に、前記故障を判定し、
    当該判定時、前記回生協調制御用切換弁手段を制御して、前記ホイールシリンダに作用している液圧を減圧する制御手段をさらに備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
  6. リザーバ内の作動液を所定の圧力に蓄圧するアキュムレータを含む液圧源と、
    前記液圧源から供給される作動液の液圧を操作部からの操作量に応じて調圧する調圧弁と、
    前記調圧弁により調圧された液圧により作動するホイールシリンダと、
    少なくとも、前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記アキュムレータを遮断する状態、ならびに前記ホイールシリンダおよび前記アキュムレータを接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を遮断する状態を切換可能な前記調圧弁とは異なる自動ブレーキ制御用切換弁手段と、
    前記調圧弁の出力する液圧を検出する第1液圧センサと、
    前記ホイールシリンダを作用させている液圧を検出する第2液圧センサと、
    前記操作部からの操作量を検出する操作量検出センサと、
    前記操作量検出センサによって検出された操作量に基づいて、あらかじめ設定されている基準圧力を決定する基準圧力決定手段と、
    前記第1液圧センサの検出値、前記第2液圧センサの検出値および前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力の相互関係に基づいて少なくとも前記自動ブレーキ制御用切換弁手段の故障を判定する異常判定手段と、を備え
    少なくとも、前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記リザーバを遮断する状態、ならびに前記ホイールシリンダおよび前記リザーバを接続するとともに前記ホイールシリンダおよび前記調圧弁を遮断する状態を切換可能な回生協調制御用切換弁手段をさらに備え
    前記異常判定手段は前記回生協調制御用切換弁手段の異常を判定可能に構成されているとともに、前記第1液圧センサの検出値および前記第2液圧センサの検出値が略等しく、かつ、それら双方の値よりも前記基準圧力決定手段によって決定された基準圧力が小さい状態で、さらに前記操作量検出センサの検出値が減少方向に変化した状態の場合に、前記故障を判定し、
    当該判定時、前記回生協調制御用切換弁手段を制御して、前記ホイールシリンダに作用している液圧を減圧する制御手段をさらに備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
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