JP4611961B2 - 塗布方法 - Google Patents
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Description
図7に示す時刻t0〜t1間において、1000rpm〜3000rpmにてウエハ10を安定回転させた後、一定量のレジストの滴下を行う。次に、一旦レジストの滴下を止めた後、ウエハ10を所望の膜厚が得られる回転数にまで加速し、時刻t1〜t2間において、その回転数で数秒間回転させる。その後、時刻t2〜t3にてウエハ10の裏面の洗浄を行い、時刻t4以降にて乾燥を行った後、終了する。
特許文献1では、図8に示すように、時刻t0〜t1間において、回転していないウエハ11上に一定量のレジストを滴下し、一旦レジスト滴下を止めた後、4000rpm以上の高速の回転数にて、滴下されたレジストを一気に塗り拡げている。このためレジストに含まれる揮発性の有機溶剤の揮発が少なく、過剰に液を供給しなくても揮発性の有機溶剤の揮発が少なく前述の方法に比べて、少量のレジストでも塗布ムラの発生がない。また、このような静止状態においてレジストを滴下しその後に加速し回転し始めるスタティック塗布においてだけでなく、加速後、回転が安定したところでレジストを滴下する方式であるダイナミック塗布においても効果を確認できることが開示されている。
特許文献2においては、レジスト滴下の前に有機溶剤のみを滴下することによりウエハを一旦濡らし、臨界表面張力を下げることで省液を達成している。
特許文献1では、スタティック塗布の場合では、静止したウエハに一定量のレジストを滴下した後、加速までにある期間静止状態が続く事と、臨界表面張力が高いシリコン基板上にレジストを滴下し回転により塗り拡げる為に、拡がりに時間がかかり有機溶剤の揮発が進む。この為、ある程度のレジストのまとまった量が必要となる。また、ダイナミック塗布の場合でも、一定速度で回転しているウエハに一定量のレジストを滴下した後、加速までに一定速度の期間の状態が続く為、僅かではあるがレジストがシリコン基板外に放出されてしまう事と、臨界表面張力の高い被処理基板上にレジストを滴下し回転により塗り拡げる為に、拡がりに時間がかかり有機溶剤の揮発が進み、その分だけ余分にレジストが必要となる。よって、特許文献1の方法では、滴下するレジストの量が多くなり省液に限界がある。
更に、特許文献1では、4000rpm以上の高速回転にてウエハを回転させた場合に、ウエハは結晶方向を明確にするための直線部分(オリフラ)が存在し、ウエハの重量中心とスピンチャックの中心が約0.4mmズレており、このズレにより回転軸にぶれが生じ面内の膜厚均一性に悪影響を及ぼすことがある。この問題に対し、特許文献1では総合中心を合わせる手段として、カウンターウエイト及び赤外線センサー若しくは反射方センサーなどの改造を施し解決しているが、装置の改造や別の専用の装置が必要となってしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、専用の設備を用いずに省液をより向上させながら、膜厚の均一性を向上させることができると共に、設備及び原材料のコスト低減を図ることができる塗布方法を提供することを目的としている。
また、本発明の請求項3による塗布方法は、請求項2において、前記加速塗布工程から継続して、前記定速回転工程においても前記基板上に塗布液を供給し続けることを特徴とする。
これら構成によれば、基板上への滴下(接液)と同時に当該基板の回転動作の加速を始め、これによって加速しながら滴下し続けるので、塗布液(レジスト)の広がりに合わせて遠心力が増幅される。このため、基板外へ放出される塗布液が少なくて済む。また、加速塗布工程、定速回転工程のあと、減速させた後の定速による安定化処理工程があるので、総合重心とのズレによる悪影響を緩和することができる。よって、設備の改造や新たな設備の設置が必要なくなる。
図1は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程における塗布方法の処理工程を示す図である。尚、下記において、回転速度とは単位時間あたりの回転数のことを示し、単に「回転数」とのみ記述する場合がある。また、加速度とは単位時間当たりの増加される回転数のことを示し、単に「加速度」と記述する場合がある。
図1に示す時刻t0〜t1間は、ウエハ20を図示せぬ回転塗布装置のスピンチャック上に固定した後、ウエハ20の回転を完全に停止させ静止している状態を示す(静止工程P1)。
次に、図1に示す時刻t1〜t2間において、レジストがウエハ20に接液すると同時に30000rpm/sec以上の加速度にてウエハ20の回転を開始させる(加速塗布工程P2)。
各プロットは、到達回転数を6000rpmとし、同種のレジストの滴下量(0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g)及び加速度を変化させた結果をプロットしたものである。加速度を増加させることで拡がり直径が大きくなることがわかる。
各プロットは、加速度を30000rpm/secで固定し同種のレジストの滴下量(0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g)及び最高到達回転数を変化させた結果をプロットしたものである。
図3に示すように、加速度を増加させることでレジストの拡がり直径が大きくなることがわかり、このときの加速度は20000rpm/sec以上が好ましく、30000rpm/sec以上がより好ましい。これより低い加速度になれば0.5gでも遠心力が不足しレジストが拡がらず塗布ムラとなってしまう場合がある。また、加速度は40000rpm/sec以下が好ましく、35000rpm/sec以下がより好ましい。これより高い加速度になった場合、真空吸着されている被処理基板がチャックより外れ被処理基板の破損につながる場合がある。
また、最初にウエハ20を完全に静止させた状態を設け、次にレジストがウエハ20に接液すると同時に高い加速度にてウエハ20の回転を開始することにより、効率的に遠心力を増加させることができ、被処理基板外への無駄なレジストの放出を抑えながらレジストのプリウエット膜を作ることができる。
このようにすることにより臨界表面張力の下がっている被処理基板に更に効率的にレジストを塗り拡げることができる。この時点で、定速回転工程P3に移行した場合においても、レジストの滴下を継続してもよい。レジストの滴下は継続すれば、よりプリウエットの効果が得られ更に省液が可能となる。
ここで、上記の方法で厚膜の形成を行った場合、ウエハ20の重量中心とスピンチャックの中心とが、例えばウエハ20径が150mmの場合、ウエハ20には結晶方向を明確にするための直線部分(オリフラ)が存在し総合重量中心は約0.4mmズレており、このズレにより4000rpm以上の回転数で回転させると回転軸にぶれが生じ、面内の膜厚均一性に影響を及ぼす場合がある。
しかし、本実施の形態の安定化処理工程P4を設けることによって、回転数及び時間のパラメータを各種のレジスト毎に変更すれば、どんなレジストであっても所望の均一性を有する膜厚を得ることが出来る。よって、後半の工程を行う時点において、どんなレジストでも所望の均一な膜厚を有しているので、後半の工程(図1の時刻t4〜t7間)において各種のパラメータを変更することなく共有することができる。
図4は、本実施の形態の塗布方法の加速塗布工程P2の終了直後の膜厚の分布を示す図である。縦軸は膜厚(単位:Å)。横軸はウエハ20のセンターをX軸方向に直線上に測定した座標位置を示す。各プロットは測定を行った3枚の平均値を示す。グラフは、センター付近が薄くなる、すり鉢型になっていることがわかる。
P1 静止工程
P2 加速塗布工程
P3 定速回転工程
P4 安定化処理工程
P5 膜厚決定工程
P6 裏面洗浄工程
P7 乾燥工程
Claims (4)
- 基板の上方から塗布液を前記基板の回転を停止させた状態で滴下した後に前記基板を回転させ、前記基板の回転に伴う遠心力により前記塗布液を前記基板の上面に塗布する塗布方法において、
前記塗布液が前記基板の上面に接液すると同時に前記基板の回転を開始し、前記基板の回転速度が4000rpm以上8000rpm以下の第1の回転速度になるまで前記基板の回転速度を20000rpm/sec以上40000rpm/sec以下の加速度で加速させる加速塗布工程を含むことを特徴とする塗布方法。 - 前記加速塗布工程で前記基板の回転速度を加速させた後、前記基板を前記第1の回転速度で定速回転させる定速回転工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
- 前記加速塗布工程から継続して、前記定速回転工程においても前記基板上に塗布液を供給し続けることを特徴とする請求項2に記載の塗布方法。
- 前記定速回転工程で前記基板を前記第1の回転速度で定速回転させた後、前記基板の回転速度が前記第1の回転速度よりも遅い第2の回転速度になるまで前記基板の回転速度を急速に減速させ、次いで前記基板を前記第2の回転速度で定速回転させる安定化処理工程を更に含むことを特徴とする請求項2または3に記載の塗布方法。
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