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JP4611662B2 - 真空弁ユニット - Google Patents

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本発明は、真空式下水道システムに用いられる真空弁ユニットに関し、特に設置スペースが限られた宅地内に設置するのに好適な真空弁ユニットに関する。
近年、家屋からの排水を収集する下水道システムとして、従来の自然流下式の下水道システムに代えて真空吸引により収集を行う真空式下水道システムが開発され、敷設利用されるようになってきている。この真空式下水道システムは、図1に示すように、宅地内の地下に設置された自然流下式管路101、吸込管107、真空弁ユニット102で構成される宅地内排水設備と、宅地に隣接する公道等の公有地の地下に設置された真空管路103と、該真空管路103の下流側に設けられた真空ステーション104とを備えて構成されている。この真空式下水道システムでは、家屋から排出された汚水が、自然流下式管路101を通じて真空弁ユニット102の汚水ます105に流れ込みここに一時的に貯留される。そして、汚水ます105内の汚水Qが所定量以上溜まると、真空弁ユニット102の真空弁106を開くことで、真空弁106に接続された真空管路103に印加された真空吸引力により、汚水Qが真空管路103を通って真空ステーション104に収集される。
ところで、上記した真空式下水道システムにおいて、宅地内に設置する真空弁ユニット102は、例えば特許文献1に示すように、汚水ます105と、真空管路103に接続された真空弁106と、一端が汚水ます105内に配置され他端が真空弁106に連結された宅地ます107と、真空弁106の開閉を制御する図示しないコントローラや汚水ます内の水位を検出する図示しないセンサー等からなる真空弁106の付属部品とを具備し、これらの構成部品が一つの汚水ます105の中に収納配置されてユニット化されている。ここで、汚水ます105は、コンクリート製のものやFRP等の樹脂製のものがあり、これらは設置する場所の条件によって使い分けられている。この真空弁ユニット102を民間で所有する宅地内や隘路等に設置する場合は、小型の樹脂製の汚水ます105を用いたものが選定され、図1に示すように、自然流下式管路101に接続されている宅地ます107の一つと置き換えて、宅地内や隘路の地下に埋設して設置していた。
特開平10−60995号公報
ところが、上記したように宅地内や隘路等に真空弁ユニット102を埋設して設置すると、実際の設置現場においては設置スペースが狭いばかりでなく、建物が敷地一杯に建てられていたり、隣りの家屋と長屋のように繋がっていたりして、真空弁ユニット102の埋設設置に必要なスペースが確保できない場合があった。また、港町など地下水位が高い地域では、宅地内の地下は、狭隘なだけでなく堀削を行うことで家屋や塀などが倒壊する危険がある場所も多くあり、堀削可能な深さと堀削可能な面積に制限がある場合もあった。
従来、このような問題を解決するために、真空弁ユニット102を小型化したり、小口径の真空弁106を使用することで真空弁ユニット102の設置スペースを最小にする努力が行われてきた。現在の小型真空弁ユニットには、平面寸法が約φ600mmの円形のものや、500mm×1000mmの長方形のものなどがある。しかしながら、これら小型のものを選定しても、真空弁ユニット102は地下に設置するため一定規模の堀削工事が必要であり、上記した問題を完全に解決することはできない。また、現在の真空弁ユニット102をこれ以上小型化、小口径化すると、メンテナンスが困難になることや異物が閉塞し易くなること等の問題が生じてしまう。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、設置スペースの小さい民間の宅地内等にも容易に設置することができる真空弁ユニットを提供することにある。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、家屋が建てられた宅地の地下に埋設され、家屋から排水された汚水が自然流下式管路を通って流入する宅地ますと、一端が宅地に隣接する公有地の地下に埋設された真空管路に接続され、他端が宅地ます内に配置された吸込管に連結された真空弁と、宅地ますの上に設置した収納ケースと、を備え、真空弁を収納ケースの内部に収納し、吸込管を宅地ますの上部から突出させて真空弁に連結し、収納ケースに宅地ます内に空気を取り入れる空気取入口を設けたことを特徴とする真空弁ユニットにある。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の真空弁ユニットにおいて、真空弁の下流側に真空弁への真空の供給を遮断する真空仕切弁を設け、真空仕切弁は収納ケースの内部に収納配置されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の真空弁ユニットにおいて、真空弁の下流側に真空弁への真空の供給を遮断する真空仕切弁を設け、真空仕切弁は地下に埋設されたことを特徴とする
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の真空弁ユニットにおいて、宅地ますの上流側に家屋からの排水が流入する貯留槽を設け、貯留槽地下に埋設すると共に、該貯留槽は内に空気を取入れる空気取入口を設け、更に収納ケースには宅地ます内に空気を取入れる空気取入口を設けないことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、下記のような優れた効果が得られる。
(a)真空弁ユニットを設置する場合に、宅地内を新たに掘削する必要がなく設置工事が非常に簡単に行える。
(b)宅地内に十分な掘削スペースが確保できない場合でも、真空弁ユニットを設置できる。
(c)収納ケースは、宅地ますの上部に設置したので、真空弁ユニットの設置面積が小さくて済み、宅地内の設置スペースが小さい場合でも真空弁真空弁ユニットを容易に設置できる。
(d)また、宅地ますと収納ケースとの間に仕切り板を設置すれば、宅地ます内の汚水が飛散して収納ケース内の真空弁や付属装置等にかかることを防げる。
(e)真空弁は宅地ますの上に設けた収納ケース内に収納配置されているので、地下の排水設備の構成が簡単になることで、地下の設置スペースを最小限に抑えることができ、十分な掘削スペースが確保できない場所にも真空弁ユニットを設置することができる。また、真空弁を地上に設置したことで、真空弁ユニットのメンテナンス管理が非常に行い易くなる。
(f)真空弁は宅地ますの上に設けた収納ケース内に収納配置されているので、真空弁や付属装置の駆動により発生する騒音を低減することができる。また、真空弁や付属装置、吸込管が風雨に曝されることを防止できる。
請求項に記載の発明によれば、上記(a)乃至(f)の効果に加え、下記の効果が得られる。
・上部に収納ケースが設置された宅地ますの上流側に貯留槽を設けたので、家屋からの排水が一時的に多量になった場合でも、排水が溢れることを防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図2は本発明の第1実施例にかかる真空弁ユニット1−1を示す図で、同図(a)は真空弁ユニット1の概略側断面図で、同図(b)は同図(a)のII―II矢視断面図である。真空弁ユニット1―1は、民間で所有する宅地内の地下に埋設された宅地ますを利用した汚水だめ20を備えて構成される地下部40と、吸込管12と、真空弁11と、真空弁11の付属部品である真空仕切弁15、開閉コントローラ13、センサー管14等とを収納ケース10に収納して構成される地上部45とからなる。
地下部40の汚水だめ20は、従来から、宅地内排水設備として自然流下式管路に接続されて地下に埋設して設置されている宅地ますを利用する。この宅地ますは、口径が例えばφ300〜500mm程度の塩化ビニル樹脂製の配管部品を用いて有底のタンクとして構成されたものである。また、汚水だめ20には、宅地内の自然流下式管路と連結された汚水流入管21が接続され、汚水だめ20の側面に開口している。
一方、地上部45は、汚水ます20内にその一端部が配置され他端部が汚水ます20の上部から突出した吸込管12と、吸込管12の他端部に取り付けられた真空弁11と、真空弁11の下流側に取り付けられた真空仕切弁15と、真空弁11の開閉を制御する開閉コントローラ13と、汚水ます20内の水位を検知するセンサー管14とを具備し、これら構成部品が宅地ます20の上部に設置された収納ケース10内に収納配置されている。
真空弁11は、真空弁ユニット1−1の下流側に連結された真空管路17内の負圧と吸込管12内の大気圧との差圧により開閉する弁であり、この真空弁11の開閉動作は、汚水ます20内に延伸して取り付けられたセンサー管14と開閉コントローラ13によって制御されている。また、真空仕切弁15は、真空弁11への真空の供給を遮断するための弁であり、真空弁11の故障時、及び真空弁11の交換時や真空弁11のテストを実施する際に使用するものである。なお、18は緊急排水用のホースである。一方、地下部40の汚水だめ20と地上部45の収納ケース10との間には仕切板16が設けられており、汚水だめ20内の汚水が上部の収納ケース10内に飛散しないようになっている。
図3に、上記構成の真空弁ユニット1−1を宅地内に設置した状態を示す。通常、宅地54内には、風呂やトイレ等の設備からの排水を移送する宅内排水設備として、自然流下式管路51と宅地ます52が地下に埋設設置されている。真空弁ユニット1−1の地上部45を構成する収納ケース10は、図3に示すように、宅地内排水設備の最も下流に位置する宅地ます52(公有地55から宅地54に入った一番手前に位置する宅地ます52)の上に設置する。家屋からの排水は、自然流下式管路51と複数の宅地ます52を経由して、真空弁ユニット1−1の汚水ます20(宅地ます52)に流れ込み、真空弁ユニット1−1から宅地54に隣接する公道などの公有地55の地下に埋設された真空下水管53に移送される。
次に、図2を用いて真空弁ユニット1−1の動作を説明すると、家屋から排出された汚水が、自然流下式管路51を流下して汚水流入管21から汚水ます20内に流入してここに留められる。汚水ます20内の汚水が所定の水位に達すると、センサー管14により開閉コントローラ13を介して真空弁11が開かれ、汚水ます20内の汚水が吸込管12から吸い上げられて真空管路17へ圧送される。真空管路17を移送された汚水は図示しない真空ステーションに収集される。汚水ます20内の汚水が吸い上げられてその水位が低下すると、センサー管14により開閉コントローラ13を介して真空弁11が閉じられる。
図4は、本発明にかかる真空弁ユニットの第2実施例である真空弁ユニット1−2を示す図である。図4において、図2に示す真空弁ユニット1−1と共通する部分には同一の符号を付しその詳細な説明は省略する。真空弁ユニット1−2が、図2に示す真空弁ユニット1−1と異なるのは、収納ケース10内に配置した真空仕切弁15に代えて、真空管路17の下流側の地下に埋設された部分に埋設型仕切弁25を取り付けた点である。このように、真空弁ユニット1−2の設置スペースの状況に応じて、収納ケース10内に設置する装置を変更することができ、それにより収納ケース10のサイズを変えることができる。
図5は、本発明にかかる真空弁ユニットの第3実施例である真空弁ユニット1−3を示す図である。図5において、図2に示す真空弁ユニット1−1と共通する部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。真空弁ユニット1−3が、真空弁ユニット1−1と異なるのは、汚水だめ20の上流側に貯留槽30を設置した点である。この貯留槽30は、汚水ます20と同様に塩化ビニル樹脂製の配管部品を用いて有底のタンクとして形成したもので、貯留槽30には、宅地内の自然流下式管路と連結された汚水流入管21が取り付けられている。また、貯留槽30と汚水ます20との間には、これらを接続する接続管路31が設けられている。この貯留槽30は、風呂等からの排水により、一時的に排水量が多量になることでピーク水量に達した場合にこれを貯留することで、汚水ます20に溜まった汚水が溢れるのを防止するものである。
貯留槽30の上部は地上に露出しており、その上端には空気取入口32が設けられている。この空気取入口32は、本実施例のように貯留槽30の上部に設置する以外にも、従来の宅地内排水設備と同様に、自然流下式管路に地上まで延伸する管路を取り付けてこの先端部に設置することも可能である。
図6は、本発明にかかる真空弁ユニットの第4実施例である真空弁ユニット1−4を示す図である。図6において、図2に示す真空弁ユニット1−1と共通する部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。真空弁ユニット1−4が、真空弁ユニット1−1と異なるのは、収納ケース10内に配置した真空仕切弁15に代えて、真空管路17の下流側の地下に埋設された部分に埋設型仕切弁25を取り付けた点、及び汚水だめ20の上流側に貯留槽30を設置した点である。
上記した各実施例において、収納ケース10及びこれに収納された各装置を汚水だめ20の上部に設置した場合を示したが、設置場所の状況から可能であれば、収納ケース10及びこれに収納された各装置を真空弁ユニット1−1〜1−4の設置場所に隣接する壁面などに取り付けて壁掛けとすることもできる。また、収納ケース10の設置スペースが広く取れない場合等は、収納ケース10内に収納された装置の一部を地下に埋設して設置し、収納ケース10を小型化することが可能である。
また、貯留槽30を設けない場合は、地上部45の収納ケース10に、図示しない空気取入用のスリット部を設けて、該スリット部から汚水ます20内に空気を取り入れることもできる。
なお、上記各実施例では、真空弁11の全体を地上に設置した場合を示したが、真空弁11はその全体が地上に露出した状態で設置する場合に限らず、真空弁11の一部が地上に露出して他の部分が地下に埋設された状態で設置することも可能である。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
従来の真空式下水道システムを示す図である。 本発明の実施形態にかかる真空弁ユニット(実施例1)を示す図で、同図(a)は概略側断面図、同図(b)は同図(a)のII−II矢視断面図である。 真空弁ユニット1を宅地内に設置した状態を示す図である。 本発明の実施形態にかかる真空弁ユニット(実施例2)を示す図で、同図(a)は概略側断面図、同図(b)は同図(a)のIV−IV矢視断面図である。 本発明の実施形態にかかる真空弁ユニット(実施例3)を示す図で、同図(a)は概略側断面図、同図(b)は同図(a)のV―V矢視断面図である。 本発明の実施形態にかかる真空弁ユニット(実施例4)を示す図で、同図(a)は概略側断面図、同図(b)は同図(a)のVI−VI矢視断面図である。
1;真空弁ユニット
10;収納ケース
11;真空弁
12;吸込管
13;開閉コントローラ
14;センサー管
15;真空仕切弁
16;仕切板
17;真空管路
20;汚水ます
21;汚水流入管
25;埋設型仕切弁
30;貯留槽
31;接続管路
32;空気取入口
40;地下部
45;地上部
51;自然流下式管路
52;宅地ます
53;真空下水管
54;宅地
55;公有地

Claims (4)

  1. 家屋が建てられた宅地の地下に埋設され、前記家屋から排水された汚水が自然流下式管路を通って流入する宅地ますと、
    一端が前記宅地に隣接する公有地の地下に埋設された真空管路に接続され、他端が前記宅地ます内に設置された吸込管に連結された真空弁と、
    前記宅地ますの上に設置した収納ケースと、を備え、
    前記真空弁を収納ケースの内部に収納し、前記吸込管を前記宅地ますの上部から突出させて前記真空弁に連結し、
    前記収納ケースに前記宅地ます内に空気を取り入れる空気取入口を設けたことを特徴とする真空弁ユニット。
  2. 請求項1に記載の真空弁ユニットにおいて、
    前記真空弁の下流側に真空弁の真空の供給を遮断する真空仕切弁を設け、
    前記真空仕切弁は収納ケースの内部に収納配置されたことを特徴とする真空弁ユニット。
  3. 請求項1に記載の真空弁ユニットにおいて、
    前記真空弁の下流側に真空弁の真空の供給を遮断する真空仕切弁を設け、
    前記真空仕切弁は地下に埋設されたことを特徴とする真空弁ユニット。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の真空弁ユニットにおいて、前記宅地ますの上流側に家屋からの排水が流入する貯留槽を設け、前記貯留槽地下に埋設すると共に、該貯留槽は内に空気を取入れる空気取入口を設け、更に前記収納ケースには前記宅地ます内に空気を取入れる空気取入口を設けないことを特徴とする真空弁ユニット。
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