JP4609651B2 - 自動機械システムおよびその通信制御方法 - Google Patents
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Description
一例として、従来のロボットシステムの構成図を図7に示す。図において、101はロボット、102はロボット101の作動を制御する制御部、103は可搬式教示操作部、104は制御部102と可搬式教示操作部103との間で操作ボタンや非常停止等の情報を伝送するケーブルである。可搬式教示操作部103の詳細図を図8に示す。図において、105は略T字型をなす筐体、106は作業者が把持するハンド部である。筐体105の操作面には、教示作業時に操作されるキーボード(ないしはキーシート)107と、教示データやロボット位置等の種々の情報を表示するLCDディスプレイ108と、非常停止スイッチ109(非常停止操作手段に相当する)とが設けられている。また、筐体105にはケーブル104の一端が接続されている。
作業者がキーボード107のロボット各軸の方向キーを押下すると、ケーブル104を介して軸動作情報が制御部102に伝送され、制御部102はロボット101の図示しない駆動軸モータへ指令を出力することでロボット101を動作させる。ここで、方向キーとは、教示作業時にモータの動作方向を指示するためのキーである。
同様に、作業者が非常停止スイッチ109を押下すると、ケーブル104を介して非常停止情報が制御部102に伝送され、制御部102はロボット101の図示しない駆動モータへの電力供給を遮断し各駆動軸モータに図示しないブレーキをかけてロボット101の動作を強制的に停止させる。これにより、万一の意図しない動作に対して確実にロボットを非常停止させることができる。
また、モータへの電力供給を遮断せずに可搬式教示操作部の非常停止回路をコントローラの非常停止回路に自動または手動で接続するシステムでは、可搬式教示操作部をコントローラに接続しておかなければロボットの操作を一切行うことができず、緊急の場合に手元で非常停止操作を行えないという危険があり、さらに可搬式教示操作部を接続した場合にも、ケーブルを用いることによる問題は依然残ったままであった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、無線化された可搬式教示操作部において、プレイバック運転時など必要に応じてシームレスに無線通信から有線通信に切替えることで、無線通信の通信障害が発生した場合でもロボット動作を停止させず、自動機械システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、1つ以上の駆動機構を備える機構部と、前記機構部を駆動制御するコントローラと、前記機構部を操作する教示装置を備える自動機械システムにおいて、前記教示装置は、前記コントローラとの無線通信を行う教示装置無線通信部と、前記コントローラとの有線通信を行う教示装置有線通信部とを備え、前記コントローラは、前記教示装置を搭載可能な形状を有する教示装置搭載部と、前記教示装置と無線通信を行うコントローラ無線通信部と、前記教示装置と有線通信を行うコントローラ有線通信部と、前記コントローラ無線通信部または前記コントローラ有線通信部にて受信した前記教示装置からの指令信号に基づいて前記機構部を駆動する駆動部とを備え、前記教示装置搭載部は、前記教示装置と電気的に接続可能な接続端子部と、前記教示装置が搭載されたことを検出するスイッチを備え、
前記教示装置が前記教示装置搭載部に搭載される際に前記接続端子部と接触した後に前記教示装置搭載部内のスイッチを押し下げることにより、前記コントローラとの通信を無線通信から有線通信に切替え、
前記教示装置が前記教示装置搭載部から離脱する際に前記スイッチを解除した後に前記接続端子部と離れることにより、前記コントローラとの通信を有線通信から無線通信に切替えることを特徴とする。
可搬式教示操作部3の詳細図を図2に示す。図において、5は略T字型をなす筐体、6は作業者が把持するハンド部である。筐体5の操作面には、教示作業時に作業者によって操作されるキーボード(ないしはキーシート)7と、教示データやロボット位置等の種々の情報を表示するLCDディスプレイ8と、非常停止スイッチ9(非常停止操作手段に相当する)とが設けられている。また、筐体5には無線通信4の送受信手段であるアンテナ10、コントローラ2から独立して電源を供給するためのバッテリ11、電源の供給を開始/停止するための電源スイッチ12が設けられている。
作業者が可搬式教示操作部3のキーボード7に割り当てられたロボット1の軸毎の誘導操作ボタンを押すことで、無線通信4を介して軸動作情報がコントローラ2の制御部21に伝送され、制御部21はロボット1の駆動モータ23への電力を供給することでロボット1を動作させる。
また、作業者が非常停止スイッチ9を押下すると、無線通信4を介して非常停止情報がコントローラ2に伝送され、制御部21はロボット1の駆動モータ23への電力供給を遮断することでロボット1の動作を強制的に停止させる。これにより、万一の意図しない動作に対して確実にロボット1を非常停止させる。
作業者が可搬式教示操作部3を教示装置搭載部31に搭載することで、第1の有線接続部14における第1の通信接続端子13と第2の有線接続部30における第2の通信接続端子26が接続され、可搬式教示操作部3とコントローラ2間で有線通信を行うことができる。また、教示装置搭載部31はコントローラ2の制御部21と第2の有線通信線29で接続されており、コントローラ2の近傍に配置しても、ロボット1の近傍に配置しても良い。また、コントローラ2とロボット1が離れて配置されている場合には、教示装置搭載部31に無線通信の送受信手段であるアンテナ24を配置して、第2の有線通信線29を共用しても良い。
教示作業時などは、可搬式教示操作部3とコントローラ2との間では無線通信4による相互確認が常時行われる。すなわち、可搬式教示操作部3の電源投入の有無は勿論、無線通信4の通信障害の有無、相互の内部処理回路の障害有無、コントローラ2における非常停止回路のリレー溶着等の障害有無がチェックされる。相互確認の結果、障害が無く双方が正常に動作していると判断される場合にのみ、可搬式教示操作部3からロボット1の操作ができる。
実際の通信の切替えは、作業者の操作か、制御部21からの指令により第2の通信切替え部32によって行われる。または、無線および有線による通信信号を第2の通信切替え部32経由で制御部21にまで入出力させ、制御部21内で選択するようにしても良い。
同様に可搬式教示操作部3についても、無線および有線による通信信号を第1の通信切替え部15経由で制御部17にまで入出力させ、制御部17内で選択するようにしても良い。
有線通信の場合は、図5に示すように、制御部17から出力された信号は、第1の通信切替え部15で有線通信側に流れ、第1の有線通信線16を通り、第1の有線通信部14と第2の有線通信部30を介してコントローラ2側に渡される。第2の有線通信部30からは第2の有線通信線と第2の通信切替え部32を経由し、制御部21に入力される。
無線通信の場合は、制御部17から出力された信号は、第1の通信切替え部15で無線通信側に流れ、第1の無線通信部18(例えば無線LANアダプタ等)を通り、アンテナ10とアンテナ24を介して、コントローラ2側に渡される。アンテナ24からは第2の無線通信部33と第2の通信切替え部32を経由し、制御部21に入力される。
作業者は可搬式教示操作部3を教示装置搭載部31に搭載したままで、プレイバック運転のアラーム表示の確認や設定変更などを実施できる。これによりプレイバック運転中に無線通信の通信障害が発生するような場合でも、有線通信による接続によってロボットを停止することなく作業を続行でき、生産効率を低下させることがない。
図5に示す例では、可搬式教示操作部3の下部や背面に窪みを設け、その中に第1の有線通信部14を配置し、有線通信の通信接続端子13と、第1の有線通信線16を配置している。また、教示装置搭載部31の第2の有線通信部30に、有線通信の第2の通信接続端子26が弾性体27を介して配置されている。
通信接続端子26の下方の教示装置搭載部31底面には切替え検出器28が配置されており、可搬式教示操作部3の下部や背面が教示装置搭載部31に搭載されることを検出する。
同様に、可搬式教示操作部3を教示装置搭載部31から離脱する際には、まず切替え検出器28がOFF状態となり、次に教示装置搭載部31から可搬式教示操作部3の下部や背面が離れ、最後に第1の通信接続端子13と第2の通信接続端子26が離れる。
このように通信接続端子部分に弾性体があるため、有線通信から無線通信4へ切替える際、第1の通信接続端子13と第2の通信接続端子26とが離れる前に無線通信4を確立することができる。
なお、弾性体27は第1の通信接続端子13側に有っても良く、第1の通信接続端子13と第2の通信接続端子26の両側に有っても良い。
(1)教示作業中や、プレイバック運転中のロボット1の近傍で作業を行う場合などは、可搬式教示操作部3とコントローラ2間は無線通信で接続する。
(2)ロボット1のプレイバック運転時など作業者が可搬式教示操作部3を常時携帯する必要がない場合、作業者は可搬式教示操作部3を教示装置搭載部31に搭載する。その際、先に第1の通信接続端子13と第2の通信接続端子26が接触することで有線通信の通信確立が開始される。
(3)可搬式教示操作部3の下部や背面と教示装置搭載部31が接触した後、切替え検出器28がONする。
(4)コントローラ2の制御部21で有線通信の通信確立を確認後、無線通信4を解放し、可搬式教示操作部3とコントローラ2の通信は有線通信で接続される。同様に、可搬式教示操作部3の制御部17でも有線通信の通信確立を確認後、無線通信4を解放し、可搬式教示操作部3とコントローラ2間は有線通信で接続される。
(1)プレイバック運転などの場合、可搬式教示操作部3とコントローラ2間は有線通信で接続する。
(2)ロボット1の教示作業を変更するといった、作業者がロボット1の近傍で教示作業などを行う場合は、作業者は可搬式教示操作部3を教示装置搭載部31から離脱する。
(3)その際、可搬式教示操作部3の下部や背面と教示装置搭載部31が離れ、切替え検出器28がOFFする。これにより、無線通信4の通信確立が開始される。
(4)コントローラ2の制御部21で無線通信4の通信確立を確認後、有線通信を解放し、可搬式教示操作部3とコントローラ2間は無線通信4で接続される。同様に、可搬式教示操作部3の制御部17でも無線通信4の通信確立を確認後、有線通信を解放し、可搬式教示操作部3とコントローラ2間は無線通信4で接続される。
(5)最後に第1の通信接続端子13と第2の通信接続端子26が離れる。
本方式によれば、作業者が特に通信方法の切替えを意識することなく可搬式教示操作部3と教示装置搭載部31の搭載/離脱によって自動的に通信方法を切替えることができる。
作業者が可搬式教示操作部3を教示装置搭載部31に搭載した後も、所定の時間は無線通信4を解放せずに有線通信と併用するように制御部17や制御部21に設定する。
すなわち、制御部21は有線通信の通信確立を確認後に無線通信4を解放するが、有線通信確立を確認できない場合は無線通信4を続行することで通信状態を保つようにする。さらにその際に、有線通信が確立できずに継続して無線通信4で通信接続していることを可搬式教示操作部3のLCDディスプレイ8やコントローラ2のLCDディスプレイ25にアラーム表示しても良い。
本方式によれば、無線通信と有線通信を所定の時間併用することで、通信方法切替え中の接続異常で通信接続が切れることを防止できる。更に可搬式教示操作部を教示装置搭載部に搭載中でも無線通信を解放しないことで、接続端子部のスイッチのON/OFF識別処理を省くことができる。
図6に示すように、可搬式教示操作部3のLCDディスプレイ8に、現在の通信方式(無線通信、有線通信、併用など)および通信状態(通信確立、通信確立中、通信解放中、通信解放、通信異常など)を文字で表示する。
有線通信中に無線通信4の設定を変更する場合、作業者は有線通信状態であることをLCDディスプレイ8の表示で確認後、無線通信4の設定を変更する。無線通信4中に有線通信の設定を変更する場合も同様である。これにより、通信確立している通信方式の設定を通信中に変更してしまうことを防ぐことができる。また、無線あるいは有線通信に通信障害が発生した場合に、作業者はLCDディスプレイ8を見ることで、どの通信接続に異常があるかを即座に認識でき、直ぐに対応することができる。
また、LCDディスプレイでの表示の他に、表示灯での表示でも良く、音によって作業者に通信状態を提示しても良い。音とは、具体的には電子音や音声によるメッセージ等を指す。音声による提示を行うことで、作業者や周囲の人はLCDディスプレイに視線を向けていなくても通信状態を把握することができる。音声による提示はLCDディスプレイでの表示と組み合わせて使用しても良い。
本方式によれば、無線あるいは有線通信の状態を、可搬式教示操作部またはコントローラ上のLCDに表示したり音によって提示したりすることで、作業者は有線(無線)接続時に無線(有線)接続の設定を変更できる。更には通信障害が発生した場合に、どの接続に異常があるかを作業者が即座に認識できる。
可搬式教示操作部3を教示装置搭載部31に搭載している間に振動などが発生すると、第1の通信接続端子13と第2の通信接続端子26との間で接続不良が発生する場合がある。この場合、有線通信による通信が行えないため、コントローラ2の制御部21は第2の通信切替え部32で有線通信から無線通信4に通信接続を切替える処理を行う。
これにより、接続不良によって有線通信が行えなくなった場合でも、無線通信4により通信が続行され、ロボット1は継続して動作する。しかし、同時に無線の通信障害も発生した場合には、ロボット1が操作不能に陥ることを防止する必要がある。よって、有線通信遮断後、所定の時間が経過しても制御部21で無線通信4の通信確立も確認できない場合には、アンプ22に対してロボット1の動作を停止させる命令を出力する。
本方式によれば、有線通信が遮断して所定の時間経過後に無線通信が確立できない場合に機構部の駆動を停止することで、教示装置搭載部から教示装置を離脱する際に無線通信に異常が発生してもロボットの操作不能を防げるという効果がある。更には、教示装置を教示装置搭載部に搭載中に有線接続の異常が発生した場合でも、ロボットが操作不能になることを防ぐことができる。
2 コントローラ
3 可搬式教示操作部
4 無線通信
5 筐体
6 ハンド部
7 キーボード
8 LCDディスプレイ
9 非常停止スイッチ
10 アンテナ
11 バッテリ
12 電源スイッチ
13 第1の通信接続端子
14 第1の有線通信部
15 第1の通信切替え部
16 第1の有線通信線
17 制御部
18 第1の無線通信部
21 制御部
22 サーボアンプ
23 駆動モータ
24 アンテナ
25 LCDディスプレイ
26 第2の通信接続端子
27 弾性体
28 切替え検出器
29 第2の有線通信線
30 第2の有線通信部
31 教示装置搭載部
32 第2の通信切替え部
33 第2の無線通信部
35 電源線
101 ロボット
102 制御部
103 可搬式教示操作部
104 ケーブル
105 筐体
106 ハンド部
107 キーボード
108 LCDディスプレイ
109 非常停止スイッチ
Claims (7)
- 1つ以上の駆動機構を備える機構部と、前記機構部を駆動制御するコントローラと、前記機構部を操作する教示装置を備える自動機械システムにおいて、
前記教示装置は、前記コントローラとの無線通信を行う教示装置無線通信部と、前記コントローラとの有線通信を行う教示装置有線通信部とを備え、
前記コントローラは、前記教示装置を搭載可能な形状を有する教示装置搭載部と、前記教示装置と無線通信を行うコントローラ無線通信部と、前記教示装置と有線通信を行うコントローラ有線通信部と、前記コントローラ無線通信部または前記コントローラ有線通信部にて受信した前記教示装置からの指令信号に基づいて前記機構部を駆動する駆動部とを備え、
前記教示装置搭載部は、前記教示装置と電気的に接続可能な接続端子部と、前記教示装置が搭載されたことを検出するスイッチを備え、
前記教示装置が前記教示装置搭載部に搭載される際に前記接続端子部と接触した後に前記教示装置搭載部内のスイッチを押し下げることにより、前記コントローラとの通信を無線通信から有線通信に切替え、
前記教示装置が前記教示装置搭載部から離脱する際に前記スイッチを解除した後に前記接続端子部と離れることにより、前記コントローラとの通信を有線通信から無線通信に切替えることを特徴とする自動機械システム。 - 前記教示装置搭載部の前記接続端子部は弾性体により保持されることを特徴とする請求項1記載の自動機械システム。
- 前記教示装置は、前記教示装置搭載部に搭載された後、所定の時間は無線通信と有線通信を併用して前記コントローラとの通信を行うことを特徴とする請求項1記載の自動機械システム。
- 前記教示装置は、前記コントローラとの通信状態を表示または音によって提示することを特徴とする請求項1記載の自動機械システム。
- 前記コントローラは、前記教示装置との通信状態を表示または音によって提示することを特徴とする請求項1記載の自動機械システム。
- 前記コントローラは、前記教示装置との有線通信遮断後、所定の時間内に無線通信が確立できない場合に前記機構部の駆動を停止することを特徴とする請求項1記載の自動機械システム。
- 1つ以上の駆動機構を備える機構部を駆動制御するコントローラと、前記コントローラと通信を行い前記機構部を操作する教示装置とを備える自動機械システムの通信制御方法において、
前記教示装置と電気的に接続可能な接続端子部と、前記教示装置が搭載されたことを検出するスイッチを備え、前記コントローラと有線通信線で接続された教示装置搭載部に対して前記教示装置を搭載することで無線通信から有線通信に切替え、前記教示装置を前記教示装置搭載部から離脱させることで有線通信から無線通信に切替えるとともに、
前記教示装置が前記教示装置搭載部に搭載される際に前記接続端子部と接触した後に前記教示装置搭載部内のスイッチを押し下げることにより、前記コントローラとの通信を無線通信から有線通信に切替え、
前記教示装置が前記教示装置搭載部から離脱する際に前記スイッチを解除した後に前記接続端子部と離れることにより、前記コントローラとの通信を有線通信から無線通信に切替えることを特徴とする自動機械システムの通信制御方法。
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