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JP4609315B2 - 撮像装置、ズーム時の画角枠表示方法、およびプログラム - Google Patents

撮像装置、ズーム時の画角枠表示方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明はデジタルカメラ等の撮像装置に係るズーム時の画角表示技術に関する。
デジタルカメラなど画像を撮影、記録する撮像装置でズーム機能を備えたものがある。ズーム機能は大別して2つに分類される。1つは光学レンズを移動して撮像素子に結像させる画像の倍率そのものを変化させる光学ズームであり、他の1つは撮像素子に結像した画像の一部を切り出してそれをデジタル処理することによって拡大/縮小する電子ズームである。光学ズームでは撮像素子に結像した画像を間引いて逐次液晶画面に表示しており、電子ズームではデジタル処理することによって拡大/縮小した画像を逐次液晶画面に表示している。
光学ズームは目的の画像を撮像素子全体に結像させることができ、明瞭な画像を得ることが可能であるが、目的の画角を決めるまでに繰り返しズームモータを駆動してレンズを機械的に移動させるので時間がかかり、所望の構図が得られるか否かはズーム動作が完了するまでわからないといった課題があった。
これに対し、電子ズーム時に、全体画像上に電子ズームに対応したエリア画角枠を重ねて表示することにより、被写体を正確且つ容易に録画画角に収めることができるようにしたファインダ表示装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、ズームプレビューボタンを押したままズームスイッチを操作すると、広角端の画面にズームスイッチの操作位置に対応するズーム画角を示すズーム画角表示記号(例えば枠線)を画面の中心に表示し、スイッチの操作が停止されるとズーム画角表示記号の範囲内の画像を画面に表示するようにして表示されている画像と比較しながら任意のズーム画角における撮像範囲を確認することを可能にし、画面構成を決め易くすると共にズーム画角の設定を容易にしたデジタルカメラが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、光学ズームの際、撮影画角(記録媒体に記録する撮影画像の画角)を設定した後、光学系により撮影画角より広角側に撮影画像の画角が変化した場合に設定された撮影画角を示す枠を表示することにより所望の画角で適正に撮影できるように構成したデジタルカメラが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
実開平5−91071号公報 特開平8−18833号公報 特開2004−32524号公報
上記特許文献1に開示のファインダ表示装置および特許文献2に開示のデジタルカメラでは、電子ズーム時に指定されたズーム値に対応する画角枠を表示するのでズームレンズの移動時間を要しないことから画角枠を表示する時間がほとんどかからず、ユーザは画角枠をみて容易に被写体画像を画角枠に収まるようすることができる。しかし、画角枠に収まるようにした画像が必ずしもユーザの意図する構図になるとは限らない。この場合、ズーム値を変更して構図決定を繰り返す必要が生じるという課題があった。また、光学ズームにおいては画角枠が表示されないので、電子ズームと光学ズームへの切替え操作を繰り返して構図決定を行わなければならず、使い勝手が悪いといった課題があった。
また、上記許文献3に開示の電子カメラでは、光学ズームの際、撮影画像が設定されている撮影画角より広角側に変化すると撮影画角を示す枠を表示するので、ユーザは所望の画角からはずれないようにして画像の構図を決定できる。しかしながら、設定した撮影画角で決定した画像の構図が必ずしも意図した撮影効果を生む構図とは限らないので、このような場合には撮影画角を設定して光学ズームを繰り返さなければならず、構図変更に手間取るといった課題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、光学ズームでの撮影時に、画角枠をいくつか表示してズーム動作完了後の構図をわかりやすくし、所望の構図を決定し易い撮像装置、ズーム時の画角表示方法、およびプログラムの提供を目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、ズーム値に応じてズームレンズを段階的に移動させて得た光学系からの画像を表示する光学ズーム機能を備えた撮像装置において、ユーザのズーム操作に基づいて1段のズーム値を特定し、この特定ズーム値を含み、且つ当該特定ズーム値の前後の段のズーム値からなる複数段のズーム値を取得するズーム値取得手段と、ズーム値取得手段によって取得されたズーム値に対応する画角枠表示情報を取得する画角枠表示情報取得手段と、画角枠表示情報取得手段によって取得された画角枠表示情報から画角枠像を生成する画角枠生成手段と、画角枠生成手段によって生成された複数段のズーム値に対応する複数の画角枠像を光学系からの画像に重ねて同時に表示する画角枠表示手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明では、ズーム値を指定若しくは設定するズーム値設定手段を備え、ズーム値取得手段は、ズーム値設定手段によって設定されたズーム値を特定ズーム値とすることを特徴とする
また、請求項3に記載の発明では、ズームレンズの移動指示を行うズーム動作指示手段と、このズーム動作指示手段によるズーム動作指示の終了を検出するズーム終了指示検出手段を備え、ズーム値取得手段は、ズーム終了指示検出手段によってズーム動作指示の終了が検出されるまでは、ズーム動作指示手段によるズーム動作指示に応じて移動するズームレンズの現在位置に対応するズーム値を特定ズーム値とすることを特徴とする
また、請求項に記載の発明では、画角枠表示手段は、特定ズーム値に対応する画角枠像と、特定ズーム値以外のズーム値に対応する画角枠像とを、互いに異なる色で表示することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明では、画角枠表示手段は、画角枠表示情報取得手段によって取得された画角枠表示情報に基づいて表示する画角枠上または該画角枠の近傍に該画角枠に対応しているズーム値を表示することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明では、段階的に変化するズーム値に応じてズームレンズを段階的に移動させるステップと、ズームレンズを含む光学系からの画像を表示するステップと、ユーザのズーム操作に基づいて1段のズーム値を特定し、この特定ズーム値を含み、且つ当該特定ズーム値の前後の段のズーム値からなる複数段のズーム値を取得するステップと、取得されたズーム値に対応する画角枠表示情報を取得するステップと、取得した画角枠表示情報から画角枠像を生成するステップと、生成された複数段のズーム値に対応する複数の画角枠像を光学系からの画像に重ねて同時に表示するステップと、を備えたことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、コンピュータに、段階的に変化するズーム値に応じてズームレンズを段階的に移動させる機能と、ズームレンズを含む光学系からの画像を表示する機能と、ユーザのズーム操作に基づいて1段のズーム値を特定し、この特定ズーム値を含み、且つ当該特定ズーム値の前後の段のズーム値からなる複数段のズーム値を取得する機能と、取得されたズーム値に対応する画角枠表示情報を取得する機能と、取得した画角枠表示情報から画角枠像を生成する機能と、生成された複数段のズーム値に対応する複数の画角枠像を光学系からの画像に重ねて同時に表示する機能と、を実現させるためのプログラムである。
本発明によれば、ズームレンズの位置に応じていくつかの画角枠を表示するので、ズーム動作完了後の構図がわかり易く、無駄なズーム変更動作を減らすことができ、構図決定がし易い。
本明細書において、ズーム値とはズーム操作により変化するズームレンズの位置に対応する値を意味し、焦点距離、ズーム倍率、ズーム段、画角を含む。また、本実施形態において、撮像装置はズーム機能として少なくとも光学ズーム機能を備えているものとする。
図1は、本発明に係る撮像装置の一実施例としてのデジタルカメラの外観を示す図であり、ここでは主として正面(図1(a))及び背面(図1(b))の外観を示す。デジタルカメラ100は、図1(a)に示すように正面側に撮像レンズ(レンズ群)2を有している。また、デジタルカメラ100の背面には図1(b)に示すように、モードダイアル3、液晶モニタ画面4、カーソルキー5、SETキー6、ズームボタン7(Wボタン7−1、Tボタン7−2)等が設けられている。また、上面にはシャッターキー8、電源ボタン9が設けられている。なお、側部には図示されていないが、パーソナルコンピュータ(以下、パソコン)やモデム等の外部装置とUSBケーブルに接続する場合に用いるUSB端子接続部が設けられている。
図2は、図1に示したデジタルカメラの電子回路構成の一実施例を示す図である。図2で、デジタルカメラ100は、基本モードである撮影モードにおいて、ズームレンズ12−1を移動させて光学ズーム動作を行わせるズーム駆動部11−1、フォーカスレンズ12−2を移動させて合焦動作を行わせるAF駆動部11−2、ズームレンズ12−1及びフォーカスレンズ12−2を含む撮像レンズ2を構成するレンズ光学系12、撮像素子であるCCD13、タイミング発生器(TG)14、垂直ドライバ15、サンプルホールド回路(S/H)16、A/D変換器17、カラープロセス回路18、DMA(Direct Memory Access)コントローラ19、DRAMインターフェイス(I/F)20、DRAM21、制御部22、VRAMコントローラ23、VRAM24、デジタルビデオエンコーダ25、表示部26、JPEG回路27、保存メモリ28、およびキー入力部30を備えている。
撮影モードでのモニタリング状態においては、ズーム駆動部11−1は、図3(a)に示すように、光学ズーム指示があると制御部22からの制御信号に基づいて図示しないズームレンズ駆動モータを駆動してズームレンズ12−1を光軸に沿って前後に移動させることによりCCD13に結像させる画像の倍率そのものを変化させる。
また、AF駆動部11−2は図示しないフォーカスレンズ駆動モータを駆動してフォーカスレンズ12−2を移動させる。
そして、上記撮像レンズ2を構成する光学系12の撮影光軸後方に配置された撮像素子であるCCD13が、タイミング発生器(TG)14、垂直ドライバ15によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1フレーム分出力する。
CCD13は被写体の二次元画像を撮像する固体撮像デバイスであり、典型的には毎秒数十フレームの画像を撮像する。なお、撮像素子はCCDに限定されずCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像デバイスでもよい。
この光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路(S/H)16でサンプルホールドされ、A/D変換器17でデジタルデータ(画素)に変換され、カラープロセス回路18で画像補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理が行われて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb、Crが生成され、DMA(Direct Memory Access)コントローラ19に出力される。
DMAコントローラ19は、カラープロセス回路18の出力する輝度信号Y及び色差信号Cb、Crを、同じくカラープロセス回路18からの複合(composite)同期信号、メモリ書き込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いてDRAMインターフェイス(I/F)20を介してバッファメモリとして使用されるDRAM21にDMA転送する。
制御部22は、このデジタルカメラ100全体の制御動作を司るものであり、CPU若しくはMPU(以下、CPU)と、後述するようなズーム操作時の画角表示動作制御を含む該CPUで実行される動作プログラムを記憶したフラッシュメモリ等のプログラム格納メモリ、及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成され、上記輝度及び色差信号のDRAM21へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号をDRAMインターフェイス20を介してDRAM21から読出し、VRAMコントローラ23を介してVRAM24に書込む。
制御部22は、また、キー入力部30からの状態信号に対応してフラッシュメモリ等のプログラム格納用メモリに格納されている各モードに対応の処理プログラムやメニューデータを取り出して、デジタルカメラ100の各機能の実行制御、例えば、本発明に基づくズーム表示制御動作や、光学ズーム時のズームレンズの動作制御や、光学ズーム時のズーム画角表示制御のほか、電子ズームや、スルー表示、自動合焦、撮影、記録、及び記録した画像の再生・表示等の実行制御等や機能選択時の機能選択メニューの表示制御、設定画面の表示制御等を行う。
デジタルビデオエンコーダ25は、上記輝度及び色差信号をVRAMコントローラ23を介してVRAM24から定期的に読み出し、これらのデータを基にビデオ信号を生成して上記表示部26に出力する。
表示部26は、上述したように撮影モード時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、デジタルビデオエンコーダ25からのビデオ信号に基づいた表示を行うことで、その時点でVRAMコントローラ23から取込んでいる画像情報に基づく画像をリアルタイムに液晶モニタ画面4に表示することになる。
制御部22は合焦指示に応じてその時点でCCD13から取込んでいる1フレーム分の輝度及び色差信号のDRAM21へのDMA転送の終了後、直ちにCCD13からのDRAM21への経路を停止し、記録保存の状態に遷移する。
この保存記録の状態では、制御部22がDRAM21に書込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号をDRAMインターフェイス20を介してY、Cb、Crの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読み出してJPEG(Joint Photograph cording Experts Group)回路27に書込み、このJPEG回路27でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピー符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。そして得た符号データを1画像のデータファイルとしてJPEG回路27から読出し、保存メモリ28に記録保存する。また、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及び保存メモリ28への全圧縮データの書込み終了に伴って、制御部22はCCD13からDRAM21への経路を再び起動する。
また、基本モードである再生モード時には、制御部22が保存メモリ28に記録されている画像データを選択的に読出し、JPEG回路27で画像撮影モード時にデータ圧縮した手順とまったく逆の手順で圧縮されている画像データを伸張し、伸張した画像データをVRAMコントローラ23を介してVRAM24に展開して記憶させた上で、このVRAM24から定期的に読出し、これらの画像データを元にビデオ信号を生成して表示部26で再生出力させる。
上記JPEG回路27は複数の圧縮率に対応しており、圧縮率に対応させて記憶するモードには圧縮率の低い高解像度(一般に、高精細、ファイン、ノーマルなどと呼ばれる)に対応するモードと圧縮率の高い低解像度(一般にエコノミーなどと呼ばれる)モードがある。
また、高画素数から低画素数にも対応している。例えば、SXGA(1600×1200)、XGA(1024×786)、SVGA(800×600)、VGA(640×480)、QVGA(320×240)等と呼ばれる記録画素サイズがある。
保存メモリ28は、内蔵メモリ(フラッシュメモリ)やハードディスク、あるいは着脱可能なメモリカード等の記録媒体からなり画像データや撮影情報等を保存記録する。
キー入力部30は、上述したモードダイアル3、カーソルキー5、SETキー6、ズームボタン7(Wボタン7−1、Tボタン7−2)、シャッターキー8、および電源ボタン9と、キーが操作されると操作されたキーの操作信号を生成して制御部22に送出するキー処理部(図示せず)等から構成されている。
モードダイアル3は撮影モードや再生モードの選択を行うものである。ユーザはモードダイアル3を操作して、(静止画)通常撮影モード、マクロ撮影モード、連写モード、速写モード、・・、動画撮影モード、・・・等の撮影モードを選択することができる。
カーソルキー5はモード設定やメニュー選択等に際して液晶モニタ画面4に表示されるメニューやアイコン等をカーソルでポイント(指定)する際に操作するキーであり、カーソルキー5の操作によりカーソルを上下又は左右に移動させることができる。また、SETキー6はカーソルキー5によってカーソル表示されている項目を選択設定若しくは確認する際に押すキーである。
ズームボタン7は、ズーム操作に用いられ、光学ズームの場合はズームボタン7(Wボタン7−1またはTボタン7−2)の操作に対応してズームレンズ(可変焦点距離レンズ)12−1がワイド側またテレ側に移動され(図3(a)、(b))、ズームボタン7の操作に対応してズーム値が決定され、ズーム値の変化に追従して画角が実際に変化し、液晶モニタ画面4にはワイド(広角)画像又はテレ(望遠)画像が表示される。また、ズーム動作に応じて画角枠が表示される。
シャッターキー8は、撮影時にレリーズ操作を行うもので、2段階のストロークを有しており、1段目の操作(半押し状態)でオートフォーカス(AF)と自動露出(AE)を行わせるための合焦指示信号を発生し、2段目の操作(全押し状態)で撮影処理を行うための撮影指示信号を発生する。また、シャッターキー8を点灯若しくは点滅可能な構成としてもよく、発光ダイオード等を用いて赤色若しくは緑色等に点灯若しくは点滅可能に構成してもよい。
図3は光学ズームの概念図である。光学ズームは制御部22の制御下でズーム駆動部11がズームモータを駆動して、図3(a)、(c)に示すようにズームレンズ12−1の位置を移動させることにより、焦点距離f、f’を変化させて行う。ズームレンズ12−1の移動によって図3(b)、(d)に示すようにCCD13に結像される画像サイズが変化する。
(ズーム画角表示方法)
画角は表示範囲を角度で示すものであり、ズームレンズの焦点距離の変化に追従して変化する。デジタルカメラ等の撮像装置で撮影を行なう場合、通常、液晶モニタ画面に表示されるスルー画像を見て構図を確認するが、光学ズームの場合、ズームボタン7を押して構図を変える場合、ユーザにとって、ズームレンズの動作が完了するまでどのような画角(表示範囲)の構図になるかがわからない。
本発明のズーム画角表示方法は、ズーム動作中(若しくはズームボタン7の押し下げ中)に画面上にズーム停止位置、例えば、予め決められているズーム段数、若しくはズームボタン7を開放した際に決定されるズーム倍率に対応したズームレンズ停止位置に対応した画角枠を表示し、ズーム動作完了後(若しくはズーム動作前)にどのような構図になるかをユーザにとって分かり易くする。
図4は本発明に基づくズーム画角表示方法の説明図であり、図4で、符号41はスルー画像、符号42−1、42−2、42−3はズーム動作に応じて表示される画角枠を示す。図4の例で、ユーザがズームボタン7を押すと、スルー画像41に重ねて画角枠42−1、42−2、42−3、・・・が表示される。例えば、図5に示すようなズーム段(ズーム倍率)とズーム枠の表示座標との対応テーブル(ズーム画角対応テーブル)を用いて液晶モニタ4上に画角枠42−1、42−2、42−3、・・・を表示することができる。
なお、全ズーム段数に対応する画角枠を液晶モニタ4に表示するとスルー画像が見難くなるので指定されたズーム段の前後のいくつか(前後1つずつ(計3つ)若しくは前後2つずつ(計5つ))の画角枠を表示することが望ましい。
また、光学ズーム動作(つまり、ズームレンズ12−1の移動動作が)ズームボタン7を開放(レリーズ)した際に停止するように構成されている場合は、ズームボタン7の押し下げ中はズーム値の変化に応じてズーム画角対応テーブル(図5)を用いて液晶モニタ4上に画角枠を表示するようにしてもよい。
図5はズーム画角対応テーブルの一実施例を示す図であり、ズーム段(ズーム倍率)とズーム段に対応して表示される画角枠の4隅の座標とを対応付けた例である。図5で符号50は予めメモリに登録またはプログラムのテーブル定数として記憶されているズーム画角対応テーブルであり、符号51はズーム段数を記憶したズーム段数記憶欄、符号52はズーム段に対応した画角枠の4隅の表示画像上の座標を記憶した画角枠表示座標記憶欄である。なお、図5の例ではズーム段数(ズーム倍率)に画角枠表示座標を対応付けたが、焦点距離に画角枠表示座標を対応付けるようにしてもよい。
図6はデジタルカメラ100の撮影時の動作例を示すフローチャートであり、このフローチャートはデジタルカメラ100に本発明のズーム時の画角枠表示機能(ステップS3〜S6に相当)を実現させるためのプログラムを説明するためのものである。
以下に示す処理は基本的に制御部22が予めフラッシュメモリ等のプログラムメモリに記憶されたプログラムに従って実行する例で説明するが、全ての機能をプログラムメモリに格納する必要はなく、必要に応じて、その一部若しくは全部をネットワークを介して受信して実現するようにしてもよい。以下、図1〜図6に基いて説明する。なお、デジタルカメラ100が光学ズームと電子ズームを選択するように構成されている場合は、光学ズームが選択されているものとする。
デジタルカメラ1の電源がオンすると、制御部10は、まず、例えばRAM、DRAM21、VRAM27のクリアや、内蔵レジスタの設定等、必要な初期設定処理を実行する(ステップS1)。
次に、撮影モードが選択されると、制御部22はその時点のズーム値に対応した焦点距離でAE処理を実行し、光学系12からの被写体像を基にCCD13から画像データを得ると共に自動ホワイトバランス(AWB)処理により光源の色に対応したホワイトバランスになるようにカラープロセス回路18で調整を施した上で、DMAコントローラ19及びDRAMインターフェイス(I/F)20を介してDRAM21にDMA転送し、DRAM21に取り込んだ画像データから画素数を間引いたビデオスルー画像データでVRAM27を書き換えて表示部26の液晶モニタ画面4にスルー表示する(ステップS2)。
ユーザはズームボタン7(Wボタン7−1、Tボタン7−2)を押すことにより光学ズーム段数を設定できるので、制御部22はキー入力部30からの信号を調べ、ズームボタン7が操作されたか否かを調べ、ズームボタン7が操作された場合はステップS4に進み、そうでない場合はステップS6に進む(ステップS3)。
制御部22は上記ステップS3で指定されたズーム段数で図4に示したようなズーム画角対応テーブル50のズーム段記憶欄51をサーチして指定されたズーム段に対応する画角枠の表示座標値と指定されたズーム段の前後のズーム段に対応する画角枠の表示座標値を取得し(ステップS4)、取得した各表示座標値を基にそれぞれの画角枠(データ)を生成し(ステップS5)、液晶モニタ画面4に表示されているスルー画像に重ねて表示する(ステップS6)。
制御部22は上記ステップS3で指定されたズーム段数を基にズーム駆動部11−1に制御信号を送り、指定されたズーム段数に対応する位置までズームレンズ12−1を移動させる(ステップS7)。
制御部22はキー入力部31からの信号を調べ、シャッターキー8が半押しされた場合はステップS9に進み、押されていない場合はステップS2に戻る(ステップS8)。
制御部22はAF駆動部11−2を制御して自動合焦処理を行わせ、自動合焦処理が終わると(つまり、フォーカスレンズを指定された合焦位置に移動させて合焦動作を行わせると共に絞り制御を行い合焦処理が終わると)合焦位置をロックしてステップS10に進む。なお、図示していないが合焦動作中もスルー画像は表示される(ステップS9)。
制御部22はキー入力部31からの信号を調べてシャッターキー8が全押し操作されたか否かを判定し、シャッターキー8が全押しされた場合はステップS11に進み、そうでない場合はステップS9に戻る(ステップS10)。
シャッターキー8が全押しされた場合は、その時点で直ちにCCD13からのDRAM21への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切替を実行して画像データを取り込み、JPEG回路26で画像圧縮処理を施し、この圧縮データからなる画像ファイルを保存メモリ24に記録し、1フレーム分の撮影処理を終了する(ステップS11)。
上記図6のフローチャートに示した動作により、ズームレンズが指定されたズーム段に対応する位置まで移動する間はズームレンズ12−1の現在位置に対応するズーム段に対応付けられた画角枠をスルー画像に重ねて表示するので、光学ズームの動作完了を待たなくても画像の範囲を確認して構図調整ができる。また、ズームレンズ12−1の現在位置に対応するズーム段の前後のいくつかのズーム段に対応付けられた画角枠を表示するので、構図の比較ができ、構図変更が必要に応じてスムースに行える。
なお、上記図6に示したフローチャートではステップS7でズームレンズ12−1の移動を行うように示したが、実際にはステップS7のズームレンズ12−1の動作と、ステップS2〜ステップSの動作は並行させて行うことが望ましい。
また、上記ステップS4では指定されたズーム段に対応する画角枠の表示座標値と指定されたズーム段の前後のズーム段に対応する画角枠の表示座標値を取得するようにしたが、指定されたズーム段の前後の複数のズーム段(例えば、前後2段ずつのズーム段)に対応する画角枠の表示座標値を取得するようにしてもよい。
また、上記図6のフローチャートのステップS6でズーム画角を表示する際、指定されたズーム段に対応する画角枠(例えば、図4の画角枠42−2)と、その前後のズーム段に対応付けられている画角枠(例えば、図4の画角枠42−1、42−3)の表示色を異なるようにしてもよい。
<変形例>
上記図6のフローチャートではズームボタン7の操作によりズーム段が指定される場合を例としたが、光学ズーム動作(つまり、ズームレンズ12−1の移動動作が)がズームボタン7を開放(レリーズ)した際に停止されるように構成されている場合は、ズームボタン7の押し下げ中はズームレンズ12の位置の変化に追従したズーム段の変化に応じてズーム画角対応テーブル(図5)を用いて液晶モニタ4上に画角枠を表示する例について説明する。
図7は変形例に係わるデジタルカメラ100の撮影時の動作例を示すフローチャートであり、ステップS1、S2およびステップS8以降の動作は図6に示したフローチャートのステップ1、S2およびステップS8以降の動作と同様である。
図7で、スルー画像が表示されると、ユーザはズームボタン7(Wボタン7−1、Tボタン7−2)を押すことによりズームレンズ12−7を移動させ、ユーザがズームキー7を開放(レリーズ)するとズームレンズ12−7の動作を停止させるので、制御部22はキー入力部30からの信号を基にズームボタン7が押されているか否かを調べ、ズームボタン7が押された場合はステップS3−2に進み、そうでない場合はステップS8に進む(ステップS3−1)。
ズームキー7が押されると、制御部22はキー入力部30からの信号を基にズームボタン7が開放されたか否かを調べ、ズームボタン7が開放された場合はステップS3−3に進み、そうでない場合はステップS4−1に進む(ステップS3−2)。
ズームボタン7が開放された場合は、制御部22はズームレンズ12−1の移動を停止し、ステップS8に進む(ステップS3−3)。
制御部22は、ズームボタン7が押されている間は、現在のズームレンズ12−1の位置をズーム駆動部11−1からの信号を基に取得し、取得したズームレンズ12−1の位置から現在のズーム倍率を算出し(ステップS4−1)、算出されたズーム倍率を基に図7に示したようなズーム画角対応テーブル70のズーム段記憶欄71をサーチし、算出されたズーム倍率に一致または最も近いズーム段数に対応する画角枠の表示座標値とズーム倍率記憶欄71に記憶されているズーム段数のうち、算出されたズーム倍率に一致または最も近いズーム段数の前後のズーム段数に対応する画角枠の表示座標値を取得し(ステップS4−2)、取得した各表示座標値を基にそれぞれの画角枠(データ)を生成し(ステップS5)、液晶モニタ画面4に表示されているスルー画像に重ねて表示する(ステップS6)。
制御部22はズームボタン7が開放されるまでズーム駆動部11−1に制御信号を送り、ズームレンズ12−1を移動さる(ステップS7)。
上記図7のフローチャートに示した動作により、ズームボタン7が押されている間は、ズームレンズ12−1の位置に応じた画角枠とその画角枠を中心とした画角枠がいくつかスルー画像に重ねて表示されることから、光学ズームの動作完了を待たなくても画角の範囲を確認して構図調整ができ、構図の決定が容易になる。また、所望の構図となった時点でズームボタン7を開放すれば光学ズームも停止するので、所望の画角の画像を撮影することができる。また、ズームレンズ12−1の現在位置に応じた画角枠の表示範囲のほか、ズームレンズ12−1の現在位置の前後の画角が表示されるので、構図の比較ができ、構図変更が必要に応じてスムースに行える。
なお、上記図7に示したフローチャートではステップS7でズームレンズ12−1の移動を行うように示したが、実際にはステップS7のズームレンズ12−1の動作と、ステップS2〜S6、ステップS8の動作は並行させて行うことが望ましい。
また、上記ステップS4−2では設定されたズーム値に一致または最も近いズーム値に対応する画角枠の表示座標値とそのズーム値の前後のズーム段に対応する画角枠の表示座標値を取得するようにしたが、指定されたズーム段の前後の複数のズーム段(例えば、画角枠対応テーブル50のズーム段数記憶欄51の前後2ずつのズーム値)に対応する画角枠の表示座標値を取得するようにしてもよい。
また、上記図7のフローチャートのステップS6で画角枠を表示する際、図8に示すように表示する各画角枠42−1、42−2、42−3に関連付けてズーム値43−1、43−2、43−3を表示するようにしてもよい。更に、画角枠を表示する際、指定されたズーム段に対応する画角枠と、その前後のズーム段のズーム表示枠の表示色を異なるようにしてもよく、表示するズーム値を反転表示するなどしてズーム値がよく見えるようにしてもよい。
上記実施形態およびその変形例では光学系12にズーム駆動部11−1およびAF駆動部11−2を設け、ズームレンズ12−1とフォーカスレンズ12−2を別々に駆動可能とした例で説明したが、本発明はズームレンズ12−1とフォーカスレンズ12−2に共通した1つのレンズ駆動部を設け、1つのモータでズーミングとフォーカシングを可能とするいわゆるズームフォーカス方式によりレンズを移動させる撮像装置にも適用できる。
以上、本発明のいくつかの実施例について説明したが本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能であることはいうまでもない。例えば撮像装置という用語は、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話機のほか、撮像部を有する情報機器などにも適用し得るものである。
デジタルカメラの外観構成の一例を示す図である。 図1に示したデジタルカメラの電子回路構成の一実施例を示す図である。 光学ズームの概念図である。 本発明に基づくズーム画角表示方法の説明図である。 画角枠の座標対応テーブルの説明図である。 デジタルカメラの撮影時の動作例を示すフローチャートである。 デジタルカメラの撮影時の動作の変形例を示すフローチャートである。 本発明に基づくズーム画角表示方法の変形例の説明図である。
符号の説明
7 ズームボタン(ズーム値設定手段、ズーム動作指示手段)
11−1 ズーム駆動部
12−1 ズームレンズ
22 制御部(ズーム動作指示手段、画像枠表示情報取得手段、画像枠生成手段)
26 表示部(画角枠表示手段)
42−1、42−2、42−3 画像枠(画像枠像)
100 デジタルカメラ(撮像装置)

Claims (7)

  1. ズーム値に応じてズームレンズを段階的に移動させて得た光学系からの画像を表示する光学ズーム機能を備えた撮像装置において、
    ユーザのズーム操作に基づいて1段のズーム値を特定し、この特定ズーム値を含み、且つ当該特定ズーム値の前後の段のズーム値からなる複数段のズーム値を取得するズーム値取得手段と、
    前記ズーム値取得手段によって取得されたズーム値に対応する画角枠表示情報を取得する画角枠表示情報取得手段と、
    前記画角枠表示情報取得手段によって取得された画角枠表示情報から画角枠像を生成する画角枠生成手段と、
    前記画角枠生成手段によって生成された複数段のズーム値に対応する複数の画角枠像を前記光学系からの画像に重ねて同時に表示する画角枠表示手段と、
    を備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. ズーム値を指定若しくは設定するズーム値設定手段を備え、
    前記ズーム値取得手段は、前記ズーム値設定手段によって設定されたズーム値を前記特定ズーム値とすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. ズームレンズの移動指示を行うズーム動作指示手段と、このズーム動作指示手段によるズーム動作指示の終了を検出するズーム終了指示検出手段を備え、
    前記ズーム値取得手段は、前記ズーム終了指示検出手段によってズーム動作指示の終了が検出されるまでは、前記ズーム動作指示手段によるズーム動作指示に応じて移動する前記ズームレンズの現在位置に対応するズーム値を前記特定ズーム値とすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記画角枠表示手段は、前記特定ズーム値に対応する画角枠像と、前記特定ズーム値以外のズーム値に対応する画角枠像とを、互いに異なる色で表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記画角枠表示手段は、前記画角枠表示情報取得手段によって取得された画角枠表示情報に基づいて表示する画角枠上または該画角枠の近傍に該画角枠に対応しているズーム値を表示することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  6. 段階的に変化するズーム値に応じてズームレンズを段階的に移動させるステップと、
    前記ズームレンズを含む光学系からの画像を表示するステップと、
    ユーザのズーム操作に基づいて1段のズーム値を特定し、この特定ズーム値を含み、且つ当該特定ズーム値の前後の段のズーム値からなる複数段のズーム値を取得するステップと、
    前記取得されたズーム値に対応する画角枠表示情報を取得するステップと、
    前記取得した画角枠表示情報から画角枠像を生成するステップと、
    前記生成された複数段のズーム値に対応する複数の画角枠像を前記光学系からの画像に重ねて同時に表示するステップと、
    を備えたことを特徴とするズーム時の画角枠表示方法
  7. コンピュータに、
    段階的に変化するズーム値に応じてズームレンズを段階的に移動させる機能と、
    前記ズームレンズを含む光学系からの画像を表示する機能と、
    ユーザのズーム操作に基づいて1段のズーム値を特定し、この特定ズーム値を含み、且つ当該特定ズーム値の前後の段のズーム値からなる複数段のズーム値を取得する機能と、
    前記取得されたズーム値に対応する画角枠表示情報を取得する機能と、
    前記取得した画角枠表示情報から画角枠像を生成する機能と、
    前記生成された複数段のズーム値に対応する複数の画角枠像を前記光学系からの画像に重ねて同時に表示する機能と、
    実現させるためのプログラム
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