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JP4602266B2 - 電界検出光学システム、およびトランシーバ - Google Patents

電界検出光学システム、およびトランシーバ Download PDF

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Description

本発明は、電気信号の電位を調整する電位調整技術に関し、特に、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界から変換された電気信号の電位を調整する技術に関する。
携帯端末の小型化および高性能化によりウェアラブルコンピュータが注目されているが、図5はこのようなウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示している。同図に示すように、ウェアラブルコンピュータ7はそれぞれトランシーバ9を介して人間の腕、肩、胴体などに装着されて互いにデータの送受信を行うとともに、更に手足の先端で触れられるよう壁や床に設けられたトランシーバ9a、9bとケーブルとを介して外部に設けられたパソコン(PC)8と通信を行っている。
ここで、このようなウェアラブルコンピュータ7間、およびウェアラブルコンピュータ7とPC8間とのデータ通信に使用されるトランシーバ9は、例えば、図6に示すような構成をしており、レーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法による信号検出技術を利用していて、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体である生体に誘起させ、この誘起した電界を用いて情報の送受信を行うものである。
より詳しくは、トランシーバ9は、コンピュータ6からの送信データを入出力(I/O)回路901を介して受け取ると、この送信データを送信部902を介して送受信電極903に供給し、該送受信電極903および絶縁膜904を介して電界伝達媒体に電界を誘起させ、この電界を電界伝達媒体の他の部位に伝達させるようになっている。また、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を絶縁膜904を介して送受信電極903で検出し、この電界を電界検出光学部905に結合して電気信号に変換するようになっている。そして、この電気信号は、信号処理回路906で増幅、雑音除去などの信号処理を施され、更に波形整形回路907で波形整形されてから、入出力(I/O)回路901を介してコンピュータ6に出力されるようになっている。
尚、この出願に関連する先行技術文献情報としては、例えば次のものがある。
特開2001−352298号公報
図6に示すトランシーバにおいて、電界検出光学部905の光学モジュールには電界伝達媒体の個体差によるバラツキがあるため、電界検出光学部905から信号処理回路906に入力される2つの信号には電位差が発生する。電位差を吸収し、電界検出光学部905の性能を維持するために、信号処理回路906は、例えば、図7に示すような差動バランス調整回路を備える。
差動バランス調整回路図は、電界検出光学部905から入力される2つの信号の電圧(電位)のバランスを調整するための回路である。図示する差動バランス調整回路は、第1の信号が入力される第1の入力端子P1と、第1の抵抗101と、第1のコンデンサ102と、第2の信号が入力される第2の入力端子P2と、第2の抵抗201と、第2のコンデンサ202と、差動アンプ300と、出力端子400とを備える。なお、第2の抵抗201は、手動での調整が可能な可変抵抗である。
図示する差動バランス調整回路図の場合、電界検出光学部905の部品(光学モジュール等)の製造バラツキをなくすために、トランシーバ9の製造時(出荷時)において、あらかじめ手動で第2の抵抗201を調整する必要がある。これにより、作業負荷および作業コストが発生してしまうという問題がある。
本発明は、上記目的を解決するためになされたものであり、電界検出光学部905から入力される2つの信号電圧のバランスを自動調整し、作業負荷および作業コストをより低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の本発明は、電界検出光学装置と、差動バランス調整回路とを有する電界検出光学システムであって、前記電界検出光学装置は、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出して複数の電気信号に変換し、前記差動バランス調整装置は、複数の電位調整回路と、差動増幅器とを有し、前記電位調整回路各々は、前記電界検出光学装置が変換した電気信号を入力し、当該入力信号の電流を電圧に変換するインピーダンス変換器と、前記インピーダンス変換器が変換した入力信号に直流電圧が含まれているか否かを検出し、直流電圧が含まれている場合、所定の電圧と等しい負電位または所定の電圧を超える負電位を生成する電位検出器と、前記電位検出器が生成した負電位を前記入力信号に印加して負帰還を行う調整電位印加器と、を有し、前記差動増幅器は、前記各電位調整回路が出力した電位調整後の出力信号を入力し、当該出力信号の差分を出力する。
また、第2の本発明は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバであって、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出して複数の電気信号に変換する電界検出光学装置と、前記各電気信号を入力し、当該入力信号の電位を調整する複数の電位調整回路と、前記各電位調整回路が出力した複数の出力信号を入力し、当該複数の出力信号の差分を出力する差動増幅器と、を備え、前記電位調整回路各々は、前記入力信号の電流を電圧に変換するインピーダンス変換器と、前記インピーダンス変換器が変換した入力信号に直流電圧が含まれているか否かを検出し、直流電圧が含まれている場合、所定の電圧と等しい負電位または所定の電圧を超える負電位を生成する電位検出器と、前記電位検出器が生成した負電位を前記入力信号に印加して負帰還を行う調整電位印加器と、を有する。
本発明によれば、入力される2つの信号電圧のバランスを自動調整することにより、作業負荷および作業コストをより低減することができる。また、本発明によれば、電界検出光学部の性能を確保し、光路雑音をより低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るトランシーバ1の概略構成図である。図1に示すトランシーバ1は、レーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法による信号検出技術を利用していて、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体である生体に誘起させ、この誘起した電界を用いて情報の送受信を行うトランシーバである。
より詳しくは、トランシーバ1は、コンピュータ6からの送信データを入出力(I/O)回路901を介して受け取ると、この送信データを送信部902を介して送受信電極903に供給し、該送受信電極903および絶縁膜904を介して電界伝達媒体に電界を誘起させ、この電界を電界伝達媒体の他の部位に伝達させる。また、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を絶縁膜904を介して送受信電極903で検出し、この電界を電界検出光学部905に結合して電気信号に変換する。そして、この電気信号は、信号処理回路906で増幅、ノイズ除去などの信号処理を施され、更に波形整形回路907で波形整形がなされる。
そして、本実施形態のトランシーバ1は、電界検出光学部905と信号処理回路906との間に、差動バランス自動調整回路110を備える。差動バランス自動調整回路110は、電界検出光学部905から出力される2つの電気信号の電圧(電位)を自動調整し、調整後の逆位相の電気信号を差動増幅して信号処理回路906に出力する。これにより、光路雑音をより低減することができる。
以下に、差動バランス自動調整回路110について説明する。
図2は、差動バランス自動調整回路110が基本構成として備える電位調整回路を示す図である。電位調整回路は、当該電位調整回路に入力された電気信号の電流に影響をされることなく、電気信号の電圧(電位)を一定に保つように制御する。図示する電位調整回路は、入力端子Pと、トランスインピーダンスアンプ(インピーダンス変換機)202と、フィードバックアンプ(FB)204と、トランジスタ(Tr)205と、出力端子209と、を有する。
トランスインピーダンスアンプ(以下、「TIA」)202は、入力端子Pを介して電界検出光学部905から入力された信号(微小電流信号)を増幅する。すなわち、TIA202の反転入力端子に、電界検出光学部905の出力電流を入力し、当該出力電流を電圧(電位)に変換する。なお、この場合のトランスインピーダンスゲインの絶対値は、抵抗Rの値と等しくなる。
フィードバックアンプ204は、TIA202から出力された信号を入力し、定電圧源203により設定された設定電圧を直流電圧検出のための参照電圧として用いて、入力した信号に直流電圧が含まれているか否かを検出する。そして、直流電圧が含まれていない場合、フィードバックアンプ204は、入力した信号をそのまま出力端子209に出力する。
一方、直流電圧が含まれている場合、フィードバックアンプ204は、入力した信号をTIA202に負帰還させる。すなわち、フィードバックアンプ204は、入力した信号電圧と定電圧源の設定電圧とを比較し、入力した信号電圧が一定電圧と等しくなるように、直流電圧に応じて負電圧(負電位)を生成し、トランジスタ205を制御して負帰還を行う。なお、フィードバックアンプ204は、入力した信号電圧が一定電圧を超えるように、直流電圧に応じて負電圧(負電位)を生成し、トランジスタ205を制御して負帰還を行うこととしてもよい。
トランジスタ205は、フィードバックアンプ204の制御に基づいて、フィードバックアンプ204から出力された信号に負電圧(負電位)を印加する。すなわち、トランジスタ205は、入力された信号の直流成分のみを調整し、交流成分(信号成分)をTIA202に負帰還する。なお、トランジスタ205は、直流成分を接続されたグランドに流すことにより、入力された信号から直流成分を取り除く。
そして、TIA202は、トランジスタ205から負帰還された信号(交流成分)を、前述のとおり電圧に変換し、フィードバックアンプ204に出力する。フィードバックアンプ204は、前述のとおりTIA202から入力した信号に直流電圧が含まれているかを検出し、直流電圧が含まれていない場合は、入力した信号を出力端子209に出力する。
このような電位調整回路を用いることにより、電界検出光学部905から入力された信号の電圧(電位)を、常に一定の値に保つことができる。
図3は、差動バランス自動調整回路110を示す図である。
図示する差動バランス自動調整回路110は、第1の電位調整回路210と、第2の電位調整回路220と、第1のコンデンサ230と、第2のコンデンサ240と、差動アンプ(差動増幅器)250と、を有する。電位調整回路210、220は、図2の電位調整回路と同様である。各電位調整回路210、220は、図2で説明したように、一定の値に電位を調整した信号を、コンデンサ230、240を経由して差動アンプ250に出力する。
差動アンプ250は、第1の電位調整回路210から出力された信号と、第2の電位調整回路220から出力された信号を入力し、これら2つの信号を差動増幅し出力端子に出力する。例えば、第1の電位調整回路210から入力される信号が正極の信号であって、第2の電位調整回路220から入力される信号が負極の信号の場合、差動アンプ250により倍増された信号が出力端子260に出力される。
各電位調整回路が入力信号の電圧(電位)を一定に調整することにより、差動アンプ250には、電位調整回路各々から一定の電圧に保たれた等しい電位の信号が入力されることとなる。
図4は、電界検出光学部905と差動バランス自動調整回路110とを有する電界検出光学システムを示す図である。
図示する差動バランス自動調整回路110は、図3で説明した電位調整回路と同様である。電界検出光学部905は、電界伝達媒体に誘起されて伝達され、送受信電極903を介して結合される電界を検出し、電気信号に変換して差動バランス自動調整回路110に出力するように機能する。なお、電界検出光学部905については、例えば、特開平2004-012202に記載されている。
電界検出光学部905は、レーザ光と電気光学結晶とを用いた電気光学的手法により電界を検出するものであり、レーザ光源を構成するレーザダイオードおよび電気光学結晶からなる電気光学素子を有する。なお、電気光学素子は、レーザダイオードからのレーザ光の進行方向に対して直角方向に結合される電界にのみ感度を有し、この電界強度によって光学特性、すなわち複屈折率が変化し、この複屈折率の変化によりレーザ光の偏光が変化するようになっている。
電気光学素子の対向する両側面には第一および第二の電極が設けられている。この第一および第二の電極は、レーザダイオードからのレーザ光の電気光学素子内における進行方向を両側から挟み、レーザ光に対して電界を直角に結合させるようになっている。電界検出光学部905は、送受信電極903を構成する信号電極を有し、当該信号電極は第一の電極に接続されている。また、第一の電極に対向する第二の電極は、グランド電極に接続され、第一の電極に対してグランド電極として機能するように構成されている。信号電極は、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出すると、この電界を第一の電極に伝達し、第一の電極を介して電気光学素子に結合するようになっている。
レーザダイオードから出力されるレーザ光は、コリメートレンズを介して平行光にされ、平行光となったレーザ光は第一の波長板で偏光状態を調整されて電気光学素子に入射する。電気光学素子に入射したレーザ光は、電気光学素子内で第一、第二の電極の間を伝播するが、このレーザ光の伝播中において信号電極が電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出し、この電界を第一の電極を介して電気光学素子に結合すると、この電界は第一の電極からグランド電極に接続されている第二の電極に向かって形成されて、レーザダイオードから電気光学素子に入射したレーザ光の進行方向に直角であるため、電気光学素子の光学特性である複屈折率が変化し、これによりレーザ光の偏光が変化する。
このように電気光学素子において第一の電極からの電界によって偏光が変化したレーザ光は、第二の波長板で偏光状態を調整されて偏光ビームスプリッタに入射する。偏光ビームスプリッタは、第二の波長板から入射されたレーザ光をP波およびS波に分離して、光の強度変化に変換する。この偏光ビームスプリッタでP波成分およびS波成分に分離されたレーザ光は、それぞれ第一、第二の集光レンズで集光されてから、第一、第二のフォトダイオードに供給され、第一、第二のフォトダイオードにおいてP波光信号とS波光信号をそれぞれの電気信号に変換して出力するようになっている。
そして、電界検出光学部905の第1および第2のフォトダイオードから出力される電気信号は、入力端子P1、P2を介して、差動バランス自動調整回路110に入力される。
図4に示す差動バランス自動調整回路110は、フォトダイオードから出力される電気信号の電圧をそれぞれ一定に調整し、各電気信号を差動増幅させる。これにより、電界検出光学部905の性能を確保し、光路雑音をより低減することができる。
以上説明した本実施形態では、電位調整回路が、電界検出光学部905から入力された信号の電圧(電位)を、自動調整する。これにより、作業負荷および作業コストをより低減することができる。また、電界検出光学部905の部品(光学モジュール等)の製造バラツキを吸収するとともに、電界検出光学部905の性能を確保し、光路雑音をより低減することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。
本発明の実施の形態に係るトランシーバの概略構成を示すブロック図である。 自動調整回路の構成を示す図である。 差動バランス自動調整回路の構成を示す図である。 電界検出光学システムの構成を示す図である。 トランシーバを介してウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示す説明図である。 従来のトランシーバの回路構成を示すブロック図である。 従来の差動バランス調整回路の構成を示す図である。
符号の説明
1,9 トランシーバ
6 コンピュータ
7 ウェアラブルコンピュータ
8 PC
110 差動バランス自動調整回路
901 I/O回路
902 送信部
903 送受信電極
904 絶縁膜
905 電界検出光学部
906 信号処理回路
907 波形整形回路
910 受信部

Claims (4)

  1. 電界検出光学装置と、差動バランス調整回路とを有する電界検出光学システムであって、
    前記電界検出光学装置は、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出して複数の電気信号に変換し、
    前記差動バランス調整装置は、複数の電位調整回路と、差動増幅器とを有し、
    前記電位調整回路各々は、
    前記電界検出光学装置が変換した電気信号を入力し、当該入力信号の電流を電圧に変換するインピーダンス変換器と、
    前記インピーダンス変換器が変換した入力信号に直流電圧が含まれているか否かを検出し、直流電圧が含まれている場合、所定の電圧と等しい負電位または所定の電圧を超える負電位を生成する電位検出器と、
    前記電位検出器が生成した負電位を前記入力信号に印加して負帰還を行う調整電位印加器と、を有し、
    前記差動増幅器は、前記各電位調整回路が出力した電位調整後の出力信号を入力し、当該出力信号の差分を出力すること
    を特徴とする電界検出光学システム。
  2. 請求項1記載の電界検出光学システムであって、
    前記調整電位印加器は、トランジスタであること
    を特徴とする電界検出光学システム。
  3. 送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバであって、
    電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を検出して複数の電気信号に変換する電界検出光学装置と、
    前記各電気信号を入力し、当該入力信号の電位を調整する複数の電位調整回路と、
    前記各電位調整回路が出力した複数の出力信号を入力し、当該複数の出力信号の差分を出力する差動増幅器と、を備え、
    前記電位調整回路各々は、
    前記入力信号の電流を電圧に変換するインピーダンス変換器と、
    前記インピーダンス変換器が変換した入力信号に直流電圧が含まれているか否かを検出し、直流電圧が含まれている場合、所定の電圧と等しい負電位または所定の電圧を超える負電位を生成する電位検出器と、
    前記電位検出器が生成した負電位を前記入力信号に印加して負帰還を行う調整電位印加器と、を有すること
    を特徴とするトランシーバ。
  4. 請求項3記載のトランシーバであって、
    前記調整電位印加器は、トランジスタであること
    を特徴とするトランシーバ。
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