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JP4601931B2 - X線ct装置 - Google Patents

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JP4601931B2 JP2003310044A JP2003310044A JP4601931B2 JP 4601931 B2 JP4601931 B2 JP 4601931B2 JP 2003310044 A JP2003310044 A JP 2003310044A JP 2003310044 A JP2003310044 A JP 2003310044A JP 4601931 B2 JP4601931 B2 JP 4601931B2
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Description

本発明は、X線CT装置に係り、特にCT値の観測が可能なX線CT装置に関する。
近年のX線CT装置では、X線検出装置や演算処理装置の高速化、高性能化に伴い、X線データ収集と並行して行われる高速画像再構成によって、X線CT画像のリアルタイム表示が可能となった。
更に、このような高速撮影技術を適用したダイナミックCT撮影法が開発され、臨床の場で既に実用化されている。ダイナミックCT撮影法とは、所定のスライス位置を複数回撮影し、その画像の時間的変化をリアルタイムで観測するものである。特に、造影剤を用いた造影ダイナミックCT撮影法では、血管内を流れる造影剤量を示すCT値の時間的変化情報に基づいて演算処理を行ない、血流量などの算出されたパラメータを画像化することによって、体内の血行動態の観測が行われている。
造影ダイナミックCT撮影法に使用される造影剤としては、Xenon系造影剤のように頭部の毛細血管から染み出て組織に蓄積されるタイプと、ヨード系造影剤のように毛細血管から染み出さないタイプがあるが、最近では、後者のヨード系造影剤が使用される。
図19は、従来の造影ダイナミックCT撮影法を示した図であり、図19(a)に造影剤注入、撮影開始及び撮影終了の各タイミングを、また図19(b)に撮影スライスにおける造影剤の量を示す。
ヨード系造影剤を使用した造影ダイナミックCT撮影法では、まず肘静脈に造影剤を注入してから所定時間T1後に撮影を開始し、所定時間T2後に撮影を終了する。この時間T1は、肘静脈に注入される造影剤が撮影されるスライスに到達するまでの時間に相当し、T2はこの造影剤がスライス面に流入してから流出(消失)するまでの時間に相当している。
これらの時間は血流の速度に依存し、従って被検者によって異なるため、被検者間のバラツキの範囲を考慮してT1は最も短い場合の値が、又、T2は最も長い場合の値がそれぞれ経験的に設定される。
この方法によれば、撮影開始から撮影終了の期間には大きなマージンが含まれ、被検者に対しては多くのX線被曝を与えている可能性がある。
このような問題点を解決するための第1の方法として、まず、診断を要するスライス位置に対して低線量を用いた低X線スキャンを行ない、この低X線スキャンによって得られた所定スライス位置のCT画像における血管に前記造影剤が表示されたならば高線量を用いた高X線スキャンに切り換える方法が考えられる。
一方、第2の方法として、前記スライス位置に対して準備画像の撮影を行ない、得られた準備画像データの特に血管が表示された領域に関心領域(以下、ROIという。)の位置を設定する。そして、このスライス位置に対して低X線スキャンを行ない、得られた画像データの前記ROIの位置におけるCT値を計測し、このCT値が予め設定した閾値を超えた時点で、高X線スキャンへの切り換えを自動的におこなう方法がある。(例えば、特許文献1参照。)。
又、第3の方法として、上述の方法と同様に低X線スキャンによって得られた画像データの所定のROIにおけるCT値が第1の閾値を越えるタイミングを自動的に検出し、この検出信号に基づいて高X線スキャンを開始する。そして、高X線スキャンによって得られた画像上の前記ROIにおけるCT値が、第2の閾値以下に低下するタイミングについても同様に自動検出し、全てのCT撮影を終了する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−342125号公報(第3−6頁、第1−4図) 特開平6−114049号公報(第2−4頁、第1−4図)
上述の第1の方法においては、低線量を用いた低X線スキャンによって得られた所定スライス位置のCT画像によって造影剤が到達したことを認識することは可能であるが、この到達タイミングを予め予測することができないため高X線スキャンの開始タイミングを正確に設定することは困難である。
又、第2の方法及び第3の方法では、装置が血管領域のCT値と予め設定された閾値とを比較することによって、高X線スキャンの開始タイミング、あるいは終了タイミングを自動的に設定する方法が採られているが、実際には、一義的に設定された閾値との比較から高X線スキャンの開始タイミングや、終了タイミングを正確に判断することは困難であった。何故ならば、CT値の変化曲線(time-density-curve:以下、TDCと呼ぶ。)のピーク値や形状は被検者によって異なるためである。従って、従来は高X線スキャンにおける照射タイミング(特に照射終了タイミング)を正確に判断することは難しく、患者は、高X線スキャンにおいてX線量を多く受けてしまう可能性があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされるものであり、その目的は、必要な情報を欠落なく収集し、不要なX線被曝を極力低減することが可能なX線CT装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明のX線CT装置は、被検体に対しX線を照射するX線管を有したX線発生手段と、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と、前記X線管及び前記X線検出手段の少なくとも何れかを前記被検体の周囲で回転させる回転手段と、前記X線発生手段と前記X線検出手段を用いて収集された前記被検体の投影データに基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データ生成手段による造影剤注入後の連続した複数からなる第1の画像データの生成と並行し、前記第1の画像データの関心領域におけるCT値を計測するCT値計測手段と、前記CT値に対する閾値を設定する閾値設定手段と、前記CT値計測手段によって計測された前記CT値が前記閾値設定手段によって設定された前記閾値に到達した場合、到達タイミング情報を発生するタイミング情報発生手段と、前記CT値の時間的変化を示すCT値変化曲線に前記到達タイミング情報を付加して表示する第1の表示手段と、前記第1の画像データに対する撮影条件を設定する撮影条件設定手段と、前記第1の表示手段によって表示された前記到達タイミング情報に基づいて前記第1の画像データの生成における撮影条件の更新あるいは前記第1の画像データの生成終了を指示するためのコマンド信号を入力するコマンド入力手段と、前記コマンド信号に基づいて前記被検体に対するCTスキャンの実行あるいは停止を制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、CT撮影における最適な開始タイミング、あるいは終了タイミングを容易に決定することができる。従って、診断に必要な画像データが過不足なく収集されるため、被検体に対する無駄なX線照射を低減することができる。
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例につき図1乃至図7を用いて説明する。
本実施例では、造影ダイナミックCT撮影における高X線スキャンの開始タイミング、及び終了タイミングを決定するために、画像データのCT値を第1の低X線スキャン(第1のスキャン)、高X線スキャン(第2のスキャン)及び第2の低X線スキャン(第3のスキャン)によって計測する。そして、この時得られるCT値をTDCとしてリアルタイムに時系列表示する。
(装置の構成)
図1は、本実施例におけるX線CT装置全体の概略構成を示すブロック図であり、このX線CT装置は、被検体30を載置する寝台1と、被検体30と被検体30を載せるための後述の天板を挿入する開口部を有し、被検体30の周囲で回転動作を行なう架台回転部2と、寝台1及び架台回転部2の移動や回転を行なう寝台・架台機構部3を備え、更に、この機構部3を制御する機構制御部4と、被検体30に対してX線を照射するX線発生部5と、被検体30を透過したX線データを収集するX線投影データ収集部6とを備えている。
又、このX線CT装置は、前記X線投影データ収集部6で収集したX線投影データを再構成してCT画像データを生成する画像データ生成部7と、この画像データからCT値を計測するCT値計測部8を備え、更に、CT画像及びCT値の時系列的変化を表示する表示部9と、撮影条件等を入力する入力部10と、これら全てのユニットを統括的に制御するシステム制御部11を備えている。
そして、寝台1は、寝台・架台機構部3の駆動により、その長手方向にスライド可能な天板を有し、通常、被検体30は、その体軸方向がこの天板の長手方向にほぼ一致するように載置される。又、機構制御部4は、システム制御部11からの制御信号により、寝台1の天板の長軸方向への移動、あるいは架台回転部2の回転を制御する。
一方、X線発生部5は、被検体30に対しX線を照射するX線管13と、このX線管13の陽極と陰極の間に印加する高電圧を発生する高電圧発生器12と、X線管13から照射されるX線をコリメートするX線絞り器14と、架台回転部2に据付けられるX線管13に電力を供給するためのスリップリング15を備えている。
X線管13は、X線を発生する真空管であり、高電圧発生器12から供給される高電圧により電子を加速させ、タングステンターゲットに衝突させることでX線を発生させる。又、X線絞り器14は、X線管13と被検体30の間に位置し、X線管13から放射されるX線ビームを所定の受像サイズに絞り込むことによって鮮明な画像を得る機能を有している。
X線絞り器14は、X線管13から放射されるX線を有効視野領域(FOV)に基づいてコーンビーム(四角錐)状、又はファンビーム状のX線に成形する。
架台回転部2は、その開口部に挿入される被検体30を挟んで対向配置されるX線発生部5のX線管13と、X線投影データ収集部6のX線検出器16、スイッチ群17、データ収集回路(以下、DASと呼ぶ。)18、非接触のデータ伝送回路19の送信部及びスリップリング15を備えている。
そして、X線管13やX線検出器16は、架台固定部に対して回転可能な架台回転部2に設けられ、機構制御部4の駆動制御信号により、被検体30の体軸方向に平行な回転中心軸の周りで1回転/秒〜2回転/秒の高速回転が行なわれる。
X線投影データ収集部6は、被検体30を透過したX線を検出するX線検出器16と、このX線検出器16からの信号を所定のチャンネル数に束ねるスイッチ群17と、DAS18及びデータ伝送回路19とを備えている。そして、前記X線検出器16は、シンチレータとフォトダイオードからなる複数のX線検出素子を有している。
次に、図2(a)を用いてX線検出器16におけるX線検出素子の配列方法について説明する。図2(a)は、X線検出器16の展開図であり、マルチスライス方式のX線検出器16では、被検体30の体軸方向であるスライス方向(Z方向)に対して、例えば40素子、又、前記スライス方向に直交するチャンネル方向(X方向)に対して24素子のX線検出素子51が配置されている。但し、チャンネル方向に配列されたX線検出素子51は、実際には、X線管13の焦点を中心とした円弧に沿って架台回転部2に装着されている。そして、X線検出器16のスライス方向においては、その中心部に、0.5mmスライス厚のデータを得るためのX線検出素子51が16素子配置され、これら16素子のX線検出素子51の両端には、1.0mmスライス厚のデータを得るためのX線検出素子51が12素子夫々配置されている。
図1に戻って、X線投影データ収集部6のスイッチ群17は、X線検出器16にて検出される信号をDAS18へ転送する際、スライス方向におけるX線検出素子からの受信信号を所定チャンネル数にデータ束ねしてDAS18に供給する。
DAS18は、複数チャンネルの受信部を有し、この受信部は、X線検出器16からの電流信号を電圧に変換し、更に、図示しないA/D変換器によってデジタル信号に変換して投影データを生成する。
データ伝送回路19は、DAS18から出力される投影データを、例えば、光通信手段により後述する画像データ生成部7の投影データ記憶回路20に送り、保存する。尚、このデータ伝送方法は、回転体と固定体の間の信号伝送が可能であれば他の方法に替えることが可能であり、例えば、既に述べたスリップリングを使用してもよい。但し、X線検出器16では、1回転(約1秒)の間に2次元投影データの検出が行われており、このような膨大な投影データの伝送を実現するために、DAS18及びデータ伝送回路19には高速処理機能が要求される。
次に、図2(b)を用いて上述のX線投影データ収集部6における「データ束ね」について説明する。但し、この図2(b)では、説明を簡単にするために、チャンネル方向の1つのチャンネルにおいて、そのスライス方向にX線検出素子51−1乃至51−10を10個配列した場合について述べる。
即ち、図2(b)のX線検出器16では、例えば、スライス方向の中心部において4素子のX線検出素子51−4乃至51−7が1mm間隔で配置され、その両端には、3素子のX線検出素子51−1乃至51−3、及び51−8乃至51−10が2mm間隔で夫々配置されている。一方、DAS18は、例えば4列の受信部52−1乃至52−4から構成され、スイッチ群17は、例えば、X線検出素子において検出された10列の受信信号を4列にデータ束ねする。
この「データ束ね」によって、マルチスライスにおけるスライス厚を変えることが可能となる。例えば、X線検出素子51−4乃至51−7を、スイッチ群17を介してDAS18の受信部52−1乃至52−4に夫々接続することにより1mmのスライス幅のデータが4スライス分得られる。一方、4つの2mmスライス幅のデータが要求される場合には、X線検出素子51−3を受信部52−1、X線検出素子51−4及び51−5を受信部52−2、X線検出素子51−6及び51−7を受信部52−3、更に、X線検出素子51−8を受信部52−4に夫々接続する。
このような「データ束ね」によって、狭い領域を高分解能で撮影する場合と、広い領域を高感度で撮影する場合の何れにおいても対応することが可能となる。
再び図1に戻って、画像データ生成部7は、投影データ記憶回路20と、再構成演算回路21と、画像データ記憶回路22を備える。
投影データ記憶回路20は、X線検出器16にて検出されデータ伝送回路19を介して送られてくる被検体30の投影データを保存する記憶回路である。又、画像データ記憶回路22は、この投影データを再構成して生成される画像データを保存する記憶回路である。本実施例では、CT値計測用のROIを設定するための準備画像データ、臨床診断用の高X線スキャン画像データ、この高X線スキャンの撮影開始タイミング及び撮影終了タイミングを検知するための第1の低X線スキャン画像データ、及び第2の低X線スキャン画像データを生成するために収集されるX線投影データが投影データ記憶回路20に保存されている。又、これらの投影データを再構成して得られる各々の画像データが画像データ記憶回路22に保存される。
再構成演算回路21は、投影データ記憶回路20に保存されている投影データに対して再構成処理を施して準備画像、第1の低X線スキャン画像、高X線スキャン画像、及び第2の低X線スキャン画像の各画像データを生成する。
一方、CT値計測部8は、ROI位置記憶回路24と、CT値演算回路23と、CT値記憶回路25を備えている。
ROI位置記憶回路24は、準備画像データの所定の位置に、後述する入力部10のマウスによって設定されるROIの位置情報が保存される。又、このROIの設定が適当でないことが第1の低X線スキャン、あるいは高X線スキャンにおいて判明した場合、操作者のマウス操作やキーボード操作によって行なわれるROI変更に伴って、上記位置情報は更新される。
CT値演算回路23は、ROI位置記憶回路24に保存されているROI位置情報に基づいて、第1の低X線スキャン画像データ、高X線スキャン画像データ、及び第2の低X線スキャン画像データのCT値を計測し、計測結果をCT値記憶回路25に保存する。
表示部9は、表示用記憶回路26と、変換回路27と、モニタ28とを備えている。表示用記憶回路26は、モニタ28に表示する画像データを保存する画像データ記憶領域と、TDCなどのグラフやCT値などの数値あるいは文字などのデータを保存するTDCデータ記憶領域を有している。そして、画像データ記憶領域には、最新の画像データが順次更新して保存され、TDCデータ記憶領域には第1の低X線スキャンや、高X線スキャン、あるいは第2の低X線スキャンの画像データから得られるCT値が保存される。これらのモニタ表示用のデータは、変換回路27にてD/A変換とテレビフォーマット変換がなされた後、モニタ28に表示される。尚、表示部9のモニタ28と入力部10を用い、操作者は装置との対話が可能になっている。
入力部10は、表示パネルやキーボード、各種スイッチ、マウス等の入力デバイスを備えたインターラクティブなインターフェースであり、操作者は、CT画像撮影に先立ち、この入力部10を介して各種の撮影条件の設定を行なう。又、準備画像データが選択された段階において、操作者はこの画像に対してCT値計測用のROIを設定する。更に、このROI位置が不適当であることが、第1の低X線スキャン、あるいは高X線スキャンの途中で判明した場合には、同様の手順によるROIの変更や新規設定が可能である。
システム制御部11は、図示しないCPUと記憶回路を備えており、入力部10から送られてくる各種撮影条件や、各種コマンド信号を内部の記憶回路に一旦保存する。この入力部10からの指示に従って、機構制御部4、X線発生部5、X線投影データ処理部6、画像データ生成部7、CT値計測部8及び表示部9などシステムの各ユニットを統括的に制御する。又、各スキャンの実行と並行して、これらのスキャンによって得られるデータを用いて再構成処理やCT値計測を行ない、その結果を表示する。このような動作を繰り返すことによって画像データ及びTDCデータのリアルタイム表示を行なう。
(造影ダイナミックCT画像の撮影手順)
次に、本発明の第1の実施例における造影ダイナミックCT画像の撮影手順について図1乃至図7を用いて説明する。尚、図3は、本実施例における前記撮影手順を示すフローチャートである。
装置の操作者は、X線CT画像の撮影に先立って入力部10より種々の撮影条件を入力し、これによりシステム制御部11はこの撮影条件を図示しない記憶回路に保存する(ステップS1)。この段階で設定される撮影条件として、X線投影データ収集条件、再構成条件、画像表示/記録条件などがある。
X線投影データ収集条件には、撮影部位、スキャン方式、スライス間隔、スライス数、管電圧/管電流、撮影領域サイズ、スキャン間隔、ビュー間隔、寝台1の移動速度などがある。特に、管電流やスキャン間隔は本実施例におけるX線量低減において重要なパラメータである。
そして、低X線量を用いた低X線スキャン及び高X線量を用いた高X線スキャンのX線投影データ収集条件は、例えば図4に示した値に設定される。即ち、第1の低X線スキャンの管電流は50mA、スキャン間隔は2秒、高X線スキャンの管電流は100mA、スキャン間隔は1秒、又、第2の低X線スキャンの管電流は70mA、スキャン間隔は2秒である。但し、この図で示した管電流とスキャン間隔の何れか一方を選択して設定してもよい。尚、スキャン間隔は、所定のスライス位置で撮影される複数枚の画像データの撮影間隔であり、例えば、スキャン間隔が2秒の場合には、X線管13及びX線検出器16の回転スピードが1回転/秒であれば、2回転毎に1回の撮影が行なわれる。一方、ビュー間隔はX線管13及びX線検出器16の回転方向におけるデータ収集間隔である。
一方、再構成条件には、再構成方式、再構成領域サイズ、再構成マトリクスサイズなどがあり、画像表示・記録条件には、CT画像表示フォーマット及びTDC表示フォーマットなどがある。
上記の諸条件の設定が終了したならば、寝台1の天板上に被検体30を載せ、被検体30の観測しようとする部位が架台開口部の所定の位置になるように、天板及び被検体30を体軸方向に移動させる(ステップS2)。次に準備画像の撮影を行なう。準備画像データとは、被検体30の診断部位に対して撮影スライスの位置を決定するために事前に撮影される画像データであり、本実施例では、この画像を用いてCT値計測用のROI設定を行なう。スキャン方式は、ステップS1にて設定される方式が用いられ、ここではスライス厚が2mm、スライス数が4のマルチスライス方式について述べる。
準備画像データの撮影において、操作者は、入力部10より被検体30の移動と架台回転の指示信号を入力し、システム制御部11は、この指示信号に基づき機構制御部4を介して寝台・架台機構部3を制御する。即ち、寝台・架台機構部3は、被検体30を体軸方向に所定距離移動し、次に、この被検体30を挟むようにX線管13とX線検出器16が対向して配置される架台回転部2を、1回転/秒以上の速度で回転させて被検体30のX線投影データを収集する。
以下では、この準備画像データの撮影を例に、X線CT画像データ生成における装置動作の概略を説明するが、後述の第1の低X線スキャン、高X線スキャン及び第2の低X線スキャンにおける画像データ生成もほぼ同様の手順によって行われる。
被検体30へのX線照射に際して、高電圧発生器12は、システム制御部11の図示しない記憶回路に保存されている管電圧、及び管電流の設定条件に従って、準備画像データ撮影用のX線照射に必要な電力(管電圧と管電流)をX線管13に供給する。X線管13は、この電力の供給を受けて、被検体30に向けてコーンビームX線あるいはファンビームX線を照射する。尚、準備画像データの撮影において、X線管13には高X線スキャンと同様のX線量に対応した電力が供給され、又、スキャン間隔も高X線スキャンと同様に設定される。
X線管13から照射されたX線は、被検体30を透過した後X線投影データ収集部6のX線検出器16によって検出される。即ち、被検体30を透過したX線は、X線検出器16においてスライス方向に16素子、チャンネル方向に912素子配列されたX線検出素子51によって透過線量に比例した電荷に変換され、更に、スイッチ群17を介してデータ収集回路(DAS)18における4列の受信部52において、増幅処理とA/D変換が行われてX線投影データが形成される。
次に、X線投影データは、データ伝送回路19に送られ、架台回転部2に装着されるデータ伝送回路19の送信部において、上記電気信号は光信号に変換される。この光信号は、空中を介して架台固定部のデータ伝送回路19の受信部にて受信され、これらのデータは、画像データ生成部7の投影データ記憶回路20に保存される。即ち、X線管13、及びX線検出器16は被検体30の周囲を連続回転しながら、上記検出動作を、例えば1回転につき1000回の頻度で繰り返し行なう。そして、このとき得られる投影データは、スイッチ群17、DAS18、データ伝送回路19を介して投影データ記憶回路20に保存される。
このようにして、例えば、スライス厚2mmに設定した4つのスライス位置におけるX線投影データが投影データ記憶回路20に保存されたならば、再構成演算回路21は、この4スライス分のX線投影データの各々に対して、例えば180度+ファンビーム角度の範囲で得られた投影データを読み出して再構成処理を行ない、4枚の画像データを生成する。そして得られたこれらの画像データを画像データ記憶回路22に保存する。
一方、システム制御部11の図示しないCPUは、この4スライス分の画像データを表示用記憶回路26に一旦保存した後、変換回路27にてD/A変換とTVフォーマット変換を行ないモニタ28に表示する。
次いで、操作者は、予め設定されたスライス間隔(例えば、1mm間隔)で被検体30を体軸方向に順次移動しながら、上記の手順によって更に異なるスライス位置の画像データを複数回撮影する。そして、このようにして得られた複数枚の画像データの中から、後述の造影ダイナミックCT撮影に最適と思われるスライス位置を選択する(ステップS3)。
次いで、最適スライス位置の準備画像データに対してCT値計測用のROIの設定を行なう。操作者は、この準備画像データを表示部9のモニタ28に表示し、入力部10のマウス、あるいはキーボードを用いて、この画像上に複数のROIを設定する。
図5は、頭部の準備画像におけるROIの設定について示した図である。この場合、操作者は準備画像に表示されている血管(血管1乃至血管4)を対象に複数のROI(ROI1乃至ROI4)を設定し、識別番号(1乃至4)を付加する。特に、本実施例において重要となる造影剤が最も早く到達する血管1(動脈)と最も遅れて到達する血管4(静脈)には他のROIと区別して表示することが望ましく、例えば、前者には「early-sign」、後者には「reference」のような文字をINDEXとしてROI近傍に配置する。又、識別番号やINDEXが画像観察を妨げる場合には、この図5のように、ROIの境界線の形状や線種あるいは色で識別してもよい。尚、ROIの形状はROIの境界線に対し、マウスを用いてドラッグすることによって容易に変更することが可能である。入力部10のマウスによって設定されるROIの情報(位置情報や大きさ、境界線情報など)は、システム制御部11を介してROI位置記憶回路24に保存される(ステップS4)。
準備画像データにおけるCT値計測用ROIの設定が終了したならば、操作者は、被検体30の肘静脈にヨード系造影剤を注入し、所定時間T0後に入力部10より第1の低X線スキャン開始のコマンド信号を入力する(ステップS5)。コマンド信号はシステム制御部11に送られ、システム制御部11に既に保存されている表示条件に従って、表示用記憶回路26において画像データを保存する領域の他にTDCデータを保存する領域が新たに設定される。
一方、入力部10から第1の低X線スキャン開始コマンドを受けたシステム制御部11は、第1の低X線スキャン用の投影データ収集条件をX線投影データ収集部6に、又、再構成条件を画像データ生成部7に送り、これらを制御する。一方、システム制御部11は、低X線量による第1の低X線スキャン撮影を実現するために高電圧発生器12に対してその制御信号を送り、高電圧発生器12は、X線管13に対して低X線量照射に対応した管電圧及び管電流を供給する。
X線管13から照射されたX線は、被検体30を透過した後、X線投影データ収集部6にて検出され、4つのスライス位置における投影データが形成される。そして、この4つのスライス位置における投影データの中から選択された最適スライス位置における投影データは、架台回転部2におけるデータ伝送回路19の送信部から架台固定部におけるデータ伝送回路19の受信部に転送され、画像データ生成部7の投影データ記憶回路20に保存される。被検体30に対してX線管13及びX線検出器16を回転させて複数の方向から上記検出動作を行ない、このとき得られる投影データは、スイッチ群17、DAS18、データ伝送回路19を介して投影データ記憶回路20に保存される。
1画像分のX線投影データが投影データ記憶回路20に保存されたならば、再構成演算回路21は、このX線投影データを読み出して再構成処理を行ない、得られた画像データを画像データ記憶回路22に保存する。一方、システム制御部11の図示しないCPUは、この画像データを表示用記憶回路26に一旦保存した後、変換回路27にてD/A変換とTVフォーマット変換を行ないモニタ28に表示する。
次に、CT値演算回路23のCPUは、画像データ記憶回路22に保存される上記画像データを読み出す。そして、ROI位置記憶回路24に既に保存されている複数のROIの位置情報に基づいて上記画像データにROIを設定し、更に、各々のROIにおけるCT値を計測する。但し、このROIが複数の画像ピクセルから構成される場合には、それぞれのピクセルから得られる複数のCT値の中から最大値を抽出し、代表CT値としてCT値記憶回路25に保存する。又、最大値の替わりに平均値を代表CT値としてもよい。
ところで、CT値とは被測定物質のX線吸収係数を基本物質に対する相対値として表したもので、CT値=K[(μ―μ0)/μ0]で示される。但し、μは被測定物質のX線吸収係数、μ0は基本物質のX線吸収係数、Kは定数であり、一般に水のCT値が0、空気のCT値が−1000になるようにK=1000としている。又、X線吸収係数は単位厚さ当たりのX線吸収の割合を示す。
表示用記憶回路26は、システム制御部11から表示条件に関する制御信号を受け、その画像データ記憶領域において既に保存されている準備画像データに替えて、第1の低X線スキャンによって得られる最初の画像データを保存する。このとき、準備画像データに表示されていたROIの位置や形状に関する付帯情報はそのままの状態で同じ画像データ記憶領域に保存される。更に、同じ表示用記録回路26のTDCデータ記憶領域には、第1の低X線スキャンによって得られる最初の画像データのCT値が保存される。
このようにして、表示用記憶回路26の画像データ記憶領域には、第1の低X線スキャンによる最初の画像データと複数のROI境界線が保存される。又、TDCデータ記憶領域には、ROI別に第1の低X線スキャンによる最初の画像データにおけるCT値が保存される。そして、これらのデータは、変換回路27を介してモニタ28にリアルタイム表示される(ステップS6)。
架台を定速回転させた状態で、第1の低X線スキャンによる最初の画像データが得られてから所定時間(スキャン間隔:Δt1)後に、システム制御部11は、高電圧発生器12に対して次の制御信号を送り、高電圧発生器12は、X線管13に対して低X線量に対応した管電圧及び管電流を供給する。X線照射に必要な電力が供給されたX線管13は、被検体30にX線を照射し、X線投影データ収集部6は、被検体30の前記最適スライス位置における投影データを収集する。同様にして、架台回転部2が高速で1回転する間に、X線投影データ収集部6は、被検体30に対して複数の方向から投影データを収集する。又、画像データ生成部7は、これらの投影データを用いて第1の低X線スキャンによる2番目の画像データを生成して画像データ記憶回路22に保存する。
一方、CT値演算回路23のCPUは、画像データ記憶回路22に保存される第1の低X線スキャンによる2番目の画像データを読み出す。次いで、ROI位置記憶回路24に既に保存されている複数のROIの位置情報に基づいて、上記第1の低X線スキャンによる2番目の画像データに対してROIを設定する。そして、これら各々のROIにおけるCT値を求め、その結果をCT値記憶回路25においてROI別に保存する。
次いで、システム制御部11は、表示用記憶回路26に既に保存されている第1の低X線スキャンによる最初の画像データを、新しく得られた第1の低X線スキャンによる2番目の画像データに更新し、この画像データに上記の複数のROI境界線を付加する。又、CT値演算回路23にて計測される第1の低X線スキャンの2番目の画像データにおけるCT値は、表示用記憶回路26のTDCデータ記憶領域にも送られ、既に保存されている第1の低X線スキャンの最初の画像データにおけるCT値に隣接して保存される。
従って、モニタ28では、複数のROIが付加された第1の低X線スキャンの2番目の画像データと、第1の低X線スキャンの1番目及び2番目の画像データにおいて計測されたCT値のTDCがROI別で時系列的に表示される。
以下同様にして、前記最適スライス位置において第1の低X線スキャンによる3番目以降の画像データの生成とCT値の計測及び表示がスキャン間隔Δt1で連続して行なわれる。そして、得られたこれらの画像データは、画像データ記憶回路22に順次保存されるとともに、モニタ28では最新の画像データがROIを付加した状態で表示される。
又、CT値演算回路23は、画像データ記憶回路22に保存される第1の低X線スキャン画像データに対して、予め設定されるROI位置情報に基づいて、そのROI内のCT値を計測する。更に、計測したCT値をCT値記憶回路25に保存し、モニタ28のTDCにおいてその値を時系列的に表示する。この場合、各々のTDCには、対応するROIの識別番号やINDEXなどの情報が付加される。
図6は、第1の低X線スキャン終了時のTDCを示したものであり、モニタ28には、第1の低X線スキャンにおける頭部のCT画像110aと、CT値のTDCグラフ110bが表示される。但し、TDCグラフ110bにおいて、実線の部分は第1の低X線スキャンによって得られるTDCであり、破線部分は後述する高X線スキャン及び第2の低X線スキャンによって得られるTDCを示している。
尚、初期の第1の低X線スキャンにおいては、造影剤がROIに到達しない状態のまま複数枚の画像データを収集する場合が多い。このような場合には、これら複数枚の画像データにおける各ピクセルの値を加算平均し、一枚の画像データとして保存や表示を行なうことが望ましい。この方法により画像枚数が削減され、しかも高いS/Nを有した画像データを得ることが可能となる。
次に、操作者は、モニタ28に表示されるそれぞれのROIのTDCを観察し、その変化曲線から造影剤が到達するタイミングを推定する。例えば、このCT画像のスライス面内において最も早く造影剤が到達するとして「early-sign」のタグを付けたROIにおけるTDC(TDCグラフ110bのα1)に特に注目する。そして、その最新の値、あるいは曲線の形状(勾配)などの情報から総合的に判断して高X線スキャン開始のタイミングを決定する(ステップS7)。
操作者は、TDCの情報から、その高X線スキャン開始の最適タイミングと判断したならば、入力部10より高X線スキャン開始のコマンド信号を入力する(ステップS8)。システム制御部11は、このコマンド信号を受け、高電圧発生器12に対して高X線スキャン用の制御信号を送り、高電圧発生器12は、X線管13に対して高X線スキャン用のX線量照射を行なうために、管電圧及び管電流を増大させて供給する。
又、この高X線スキャンでは、スライス方向の分解能をよくするためにマルチスライスのスライス厚を狭く(例えば1mm)してもよい。このとき、X線検出素子51の幅の狭小に伴うX線検出感度の劣化は、管電流の増大によって補ってもよい。
X線管13は、高電圧発生器12からX線照射の電力の供給を受け、被検体30に照射するX線を第1の低X線スキャン用の低X線量から高X線スキャン用の高X線量に変更する。そして、X線投影データ収集部6は、第1の低X線スキャンの場合と同様にして4スライス分のX線投影データの収集を行なう。即ち、X線投影データ収集部6は、架台を高速に回転しながら複数の方向から得られるX線投影データを4スライス分について収集し、画像データ生成部7は、これらの投影データを用いて高X線スキャンによる最初の画像データを生成して画像データ記憶回路22に保存する(ステップS9)。
CT値演算回路23は、画像データ記憶回路22に保存される高X線スキャンの最初の画像データの中から前記最適スライス位置における画像データを選択する。次いで、ROI位置記憶回路24に既に保存されている複数のROIの位置情報に基づいて、選択された画像データに設定されたROIにおけるCT値を求め、ROI別にCT値記憶回路25に保存する(ステップS10)。
システム制御部11は、表示用記憶回路26の画像データ記憶領域において、既に記憶されている前記最適スライス位置における第1の低X線スキャンの最後の画像データから高X線スキャンの最初の画像データへ更新し、この高X線スキャン画像データに、既に設定済みのROI情報をそのまま付加して保存する。
更に、システム制御部11は、CT値演算回路23にて計測される高X線スキャンの最初の画像データの各ROIにおけるCT値を表示用記憶回路26のTDCデータ記憶領域に供給し、第1の低X線スキャンの最後の画像データにて得られるCT値に隣接して保存する。従って、表示部9のモニタ28には、表示用記憶回路26に一旦保存された高X線スキャンの最初の画像データが表示され、更に、第1の低X線スキャン画像データにおける複数のCT値と、高X線スキャン画像データにおけるCT値のTDCがROI別に表示される(ステップS11)。
高X線スキャンの最初の画像データが得られてからスキャン間隔Δt2後に、高X線スキャンの最初の画像データの場合と同じ手順によって、高X線スキャンによる2番目の画像データを収集し、画像データ記憶回路22に保存する。尚、上記高X線スキャンにおける画像データ収集のスキャン間隔Δt2と第1の低X線スキャンにおける画像データ収集のスキャン間隔Δt1は、既に述べたように撮影開始前に操作者によって設定される撮影条件の1つであり、Δt1>Δt2で設定されるのが好ましい。
即ち、第1の低X線スキャンに対して、高X線スキャンでは画像データ収集間隔を短くして画像の時間分解能を向上させている。これに対して、第1の低X線スキャンは、被曝線量の大きい高X線スキャンに要する時間を可能な限り短縮するために、高X線スキャンの最適開始タイミングを知ることを目的にしている。従って、高い画像感度や時間分解能を要求されない第1の低X線スキャンにおいては、1回のX線照射における線量を減らし、更に、スキャン間隔を長くして単位時間あたりの照射回数を減らすことによって、1回の造影ダイナミックCT撮影における被曝線量が低減できる。
次いで、システム制御部11は、表示用記憶回路26に記憶されている高X線スキャンの最初の画像データを高X線スキャンの2番目の画像データに更新する。一方、CT値演算回路23のCPUは、画像データ記憶回路22に保存された高X線スキャンの2番目の画像データの各ROIにおけるCT値を計測し、更に、上記CPUは、得られたCT値をCT値記憶回路25に保存する。次いで、システム制御部11は、このCT値を表示用記憶回路26のTDCデータ記憶領域に送って、既に保存されている第1の低X線スキャン、及び高X線スキャンの最初の画像データにおけるCT値と共に保存する。そして、表示用記憶回路26に保存した高X線スキャンの2番目の画像データとCT値のTDCデータを、変換回路27を介してモニタ28にて表示する。
以下同様にして、前記最適スライス位置において高X線スキャンによる3番目以降の画像データの生成とCT値の計測及び表示がスキャン間隔Δt2で連続して行なわれる。そして、モニタ28において、後述する図7に示すように複数のROIが付加された最新の高X線スキャン画像と、第1の低X線スキャン及び高X線スキャンによって得られたCT値のTDCデータが表示される。
ところで、造影剤投与前の準備画像データにおいて設定したROIの位置は必ずしも最適でない場合がある。即ち、操作者は、モニタ28に表示されている第1の低X線スキャン画像、あるいは高X線スキャン画像を観測する。そして、既に設定したROIの位置が適当でないと判断した場合には、準備画像データにおいて行なったROI設定と同様な手順により、リアルタイム表示中の第1の低X線スキャン画像、あるいは高X線スキャン画像において、ROI位置の変更、あるいは新規ROIの設定を行なう。
即ち、操作者は、モニタ28に表示されている第1の低X線スキャン画像あるいは高X線スキャン画像に対して、入力部10に備えられるマウスあるいはキーボードを用いてROIの変更あるいは新規設定を行なう。例えば、キーボードによってROIの位置と大きさを変更する場合には、ROIの識別番号と同じ数字のキーによってROIを選択した状態で、矢印キーによるROIの移動、あるいはPage-Up/Page-Downキーによる拡大/縮小を行なう。このとき、システム制御部11は、入力部10のマウスから送られてくるROIの情報(位置情報や大きさ、境界線情報など)をROI位置記憶回路24に送り保存する。
一方、CT値演算回路23のCPUは、画像データ記憶回路22に保存されている第1の低X線スキャンの最初の画像データ以降の第1の低X線スキャンの画像データ、及び高X線スキャンの画像データを順次読み出す。次いで、変更したROIあるいは新規に設定したROIの位置情報に基づいて、上記画像データにROIを設定し、更に、各々のROIのCT値を計測してCT値記憶回路25に保存する。
一方、システム制御部11は、表示用記憶回路26の画像データ記憶領域に第1の低X線スキャンの画像データあるいは高X線スキャンの画像データを保存し、又、既に設定されているROIにおけるCT値とともに、上記の更新ROIあるいは新規ROIにおけるCT値を、CT値記憶回路25から読み出してTDCデータ記憶領域に保存する。従って、変更ROI、あるいは新規ROIに対しても第1の低X線スキャンの最初の画像データから最新画像データまでのTDCがROI別にモニタ28に表示される。尚、この場合の変更ROI及び新規ROIとこれらのTDCは他のROIのものと識別して表示することが望ましい。
以上のようにして、高解像度の造影ダイナミックCT画像データが高X線スキャンによって生成される。この高X線スキャンによる撮影は、被検体30に注入される造影剤が体内の血液循環によって排出されるまで継続して行われるが、この撮影を終了させる最適なタイミングを知ることも被曝線量低減のためには重要となる。
本実施例の高X線スキャン終了のタイミングを決定する方法は、高X線スキャン開始のタイミング決定と同様に、最終的には操作者によって行われるが、X線CT装置は、このタイミング決定に有益な情報を操作者に提供する機能を有している。
即ち、操作者は、高X線スキャン撮影中において、モニタ28に表示されるそれぞれのROIにおける複数のTDCを観測し、その変化曲線から造影剤の大部分が排出されるタイミングを推定する。特に、このCT画像のスライス面において最も遅くに造影剤が消失するとして「reference」のタグを付けたROIにおけるTDCに注目し、その最新の値、あるいは曲線の形状などから総合的に判断して上記タイミングを決定する(ステップS12)。
図7は、高X線スキャン終了時のTDCを示したものであり、モニタ28には、高X線スキャンにおける頭部のCT画像111aと、CT値のTDCグラフ111bが表示される。但し、TDCグラフ111bのTDCでは実線の部分が第1の低X線スキャン及び高X線スキャンによって得られるTDCであり、破線部分は後述する第2の低X線スキャンによるTDCを示す。
操作者は、モニタ28に表示されるTDCにおいて、例えば、このCT画像のスライス面内において最も遅く造影剤が到達するとして「reference」のタグを付けたROIにおけるTDC(TDCグラフ11bのα2)に特に注目する。そして、その最新の値、あるいは曲線の勾配などの形状から本撮影の終了タイミングを決定したならば、入力部10より第2の低X線スキャン開始コマンドを入力する(ステップS13)。
システム制御部11は、この入力コマンド信号を受け、高電圧発生器12に対して第2の低X線スキャン用の制御信号を送り、高電圧発生器12は、X線管13に対して第1の低X線スキャンの場合と同様な低X線量照射を行なうための管電圧及び管電流を供給する。X線管13は、高X線スキャン用の高X線量から第2の低X線スキャン用の低X線量に変更したX線を被検体30に照射し、X線投影データ収集部6は、被検体30の前記最適スライス位置におけるX線投影データを、架台を高速回転しながら複数の方向から収集する。一方、画像データ生成部7は、これらの投影データを用いて第2の低X線スキャンの画像データを生成し、画像データ記憶回路22に保存する。
CT値演算回路23は、画像データ記憶回路22に保存される第2の低X線スキャンの最初の画像データを読み出す。そして、ROI位置記憶回路24に保存されている複数のROI位置情報に基づいてこの画像データのCT値を求め、ROI別にCT値記憶回路25に保存する。
一方、システム制御部11は、表示用記憶回路26の画像データ記憶領域において、既に記憶されている最後の高X線スキャン画像データを第2の低X線スキャンの最初の画像データに更新し、この第2の低X線スキャン画像データに既に設定済みのROI情報をそのまま付加して保存する。
更に、システム制御部11は、CT値演算回路23にて計測された第2の低X線スキャンの最初の画像データの各ROIにおけるCT値を、表示用記憶回路26のTDCデータ記憶領域に供給し、最後の高X線スキャン画像データにて得られたCT値に隣接して保存する。従って、表示部9のモニタ28には、表示用記憶回路26に一旦保存された第2の低X線スキャンの最初の画像データが表示される。更に、第1の低X線スキャン画像データ及び高X線スキャン画像データにおけるCT値とともに、第2の低X線スキャンの最初の画像データから得られたCT値がTDCとして時系列的に表示される(ステップS14)。
次いで、第2の低X線スキャンの最初の画像データを得てからスキャン間隔Δt3後に、第2の低X線スキャンの2番目の画像データを収集する。そして、第2の低X線スキャンの2番目の画像データと、この画像データから得られるCT値は上記と同様な手順によって画像データ記憶回路22とCT値記憶回路25に保存され、更に、モニタ28に表示される。尚、上記第2の低X線スキャン画像データの生成におけるスキャン間隔Δt3は、高X線スキャンのスキャン間隔Δt2より大きく、第1の低X線スキャンのスキャン間隔Δt1にほぼ等しい値が設定される。
以下同様にして、前記最適スライス位置において第2の低X線スキャンによる3番目以降の画像データの生成とCT値の計測及び表示がスキャン間隔Δt3で連続して行なわれる。そして、得られたこれらの画像データは、画像データ記憶回路22に順次保存されるとともに、モニタ28では最新の画像データがROIを付加した状態で表示される。
又、CT値演算回路23は、画像データ記憶回路22に保存される第3の低X線スキャン画像データに対して、予め設定されるROI位置情報に基づいて、そのROI内のCT値を計測する。更に、計測したCT値をCT値記憶回路25に保存し、モニタ28上のTDCにおいてその値を時系列的に表示する。
操作者は、第2の低X線スキャン画像データにおいて得られたCT値のTDCを観察し、所定の値以下になったことを確認したならば、入力部10より撮影終了のコマンドを入力する(ステップS15)。
システム制御部11は、この撮影終了のコマンド信号に基づいて制御信号を高電圧発生器12に供給してX線管13への管電流、管電圧の供給を停止する。更に、システム制御部11は、機構制御部4へ停止信号を送り、架台の回転等全ての機構動作を停止して造影ダイナミックCTの画像データの撮影を終了する。
以上述べた第1の実施例によれば、操作者は、第1の低X線スキャン画像データから得られるCT値の値やTDCの形状などから、高X線スキャンの最適な開始タイミングを容易に、しかも正確に設定することができる。同様にして、高X線スキャン画像データによって得られるCT値やそのTDCから、高X線スキャンの最適終了タイミングを決定することもできる。従って、高X線スキャンに必要な画像データを過不足なく収集できるため、被検体に対する無駄なX線照射を低減することが可能となる。
尚、上記の説明では、CT値のTDCの特徴を捉えやすくするために、高X線スキャンが終了した時点で第2の低X線スキャンに移行した。この第2の低X線スキャン画像データにおけるCT値を引き続き計測して表示することにより、高X線スキャン終了タイミングの妥当性の確認が一層容易となる。又、被検体30へのX線照射をより低減するために、高X線スキャン終了の時点で造影ダイナミックCT撮影を終了することも可能である。
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例につき、図8乃至図9を用いて説明する。
この第2の実施例では、造影ダイナミックCTにおける高X線スキャンの開始、及び終了タイミングを決定するため、画像データのCT値を第1の低X線スキャン、高X線スキャン及び第2の低X線スキャンによって計測する。そして、これらのCT値を時系列的に表示したTDCにおいて、このCT値が予め設定した閾値に到達したことを表示する。
既に述べた第1の実施例では、操作者は、第1の低X線スキャン画像データ及び高X線スキャン画像データに設定したROIにおいて計測されるCT値のTDCを観測し、この曲線の形状あるいは最新のCT値などから、高X線スキャンの開始タイミングあるいは終了タイミングを決定した。
これに対して、本実施例では、第1の低X線スキャンを開始する前に上記のCT値やCT値の変化倍率、変化曲線(TDC)の形状を表す曲線の勾配、あるいは曲線の勾配の時間的変化量に対して閾値を設定する。そして、CT値計測中にTDCが上記閾値に到達したならば、操作者にその旨を伝える到達タイミング情報を発生する。操作者は、モニタ28に表示されるCT値のTDCや上記到達タイミング情報を参考に、高X線スキャンの開始タイミング、及び終了タイミングを決定する。
図8は、本実施例における造影ダイナミックCTの撮影手順のフローチャートを示す。但し、このフローチャートにおいて、上述した第1の実施例における手順と同一な手順については同一符号で示し、その詳細な説明を省略する。
操作者は、撮影条件の設定(ステップS1)を行ない、次いで、被検体30の位置設定を行なう(ステップS2)。更に、被検体30に対して異なるスライス面のCT画像データを複数枚撮影し、これらの複数のCT画像データの中から造影ダイナミックCT撮影に最適なスライス位置の画像データを準備画像データとして選択する(ステップS3)。そして、選択した準備画像データの所望の位置にCT値計測用のROIを設定する(ステップS4)。
次いで、操作者は、準備画像上のROI設定を終了したならば、入力部10より閾値設定コマンドを入力する。システム制御部11は、このコマンド信号を受け、上記ROI位置記憶回路24に保存されているROI情報を一覧表の形式でモニタ28に表示する。操作者は、この一覧表にROI別で設定された閾値入力欄を入力部10のマウスを用いて選択し、更に、キーボードより所定の閾値を入力し、閾値の設定を終了する。(ステップS25)。
尚、それぞれの閾値はROI別に設定してもよいが、例えば、造影剤が最も早く到達する血管(動脈)と、最も遅れて到達する血管(静脈)に設定されるROIを中心に高X線スキャン開始用の閾値と、終了用の閾値を設定してもよい。
準備画像でのCT値計測用ROIと閾値の設定が終了したならば、操作者は、被検体30の肘静脈にヨード系造影剤を注入し、所定時間T0後に第1の低X線スキャンを開始する(ステップS26)。
システム制御部11は、架台回転部2の定速回転と寝台1の定速移動を行ない、スキャン間隔Δt1の低X線スキャンによって得られた画像データの各々に対して、既に準備画像データにおいて設定したROIの位置情報に基づいてROIを設定する。次いで、このROIにおけるCT値を計測し、得られたCT値の時間的変化をTDCとして表示部9に表示する(ステップS27)。
このような第1の低X線スキャン画像データにおけるCT値の計測の途中で、CT値、あるいはTDCの勾配などが所定の閾値を超えた場合、システム制御部11は、例えば、図9に示すようにTDCの所定位置に到達タイミング情報を付加する(ステップS28)。操作者は、モニタ28に表示されるCT値やそのTDCの形状に加えて上記到達タイミング情報を参考にして造影剤が到達するタイミングを推定する(ステップS29)。
次いで、操作者は、TDCに付加した到達タイミング情報から高X線スキャン開始の最適タイミングを検知したならば、入力部10より高X線スキャン開始のコマンド信号を入力して高X線スキャンを開始する(ステップS30)。
上記では、高X線スキャン開始のタイミングを、操作者が決定する場合におけるTDCの表示方法について述べたが、高X線スキャン終了のタイミング決定も同様な手順によって行なうことが可能である。即ち、高X線スキャン画像データにおけるCT値の計測の途中で、そのCT値やTDCの勾配などが所定の閾値に到達した場合、TDCの所定位置に到達タイミング情報を付加するか、表示部9あるいは入力部10において所定の信号を表示する。
操作者は、モニタ28に表示されるCT値やそのTDCの形状に加えて、上記到達タイミング情報を参考にして造影剤が消失するタイミング、即ち、高X線スキャンを終了するタイミングを決定する、そして、入力部10より高X線スキャン終了、あるいは第2の低X線スキャン開始のコマンド信号を入力して、高X線スキャンを終了する。
この第2の実施例によれば、第1の実施例の特徴であるTDCの表示に加えて、予め設定した閾値に対する比較情報が得られるため、操作者による高X線スキャンの最適な開始タイミング、及び終了タイミングの決定が容易となる。
以上、本発明の第1の実施例及び第2の実施例について述べてきたが、上記の実施例に限定されるものでは無く、変形して実施することが可能である。例えば、上記実施例における他の表示方法を図10、及び図11に示す。図10は、画像データの表示例を示しており、画像上にCT値計測用のROIを多数設定した場合には、その境界線や各種タグなどが増え、画像における細部の観測が困難となる。このような場合には、診断用の画像112aとROI設定用の画像112bを区別して表示することにより、上記問題を解決する。
一方、図11は、CT値計測用ROIを多数設定した場合のTDCの表示方法を示している。ROIを多数設定した場合は、TDCの数も増え、特に、高X線スキャンの開始と終了のタイミングを判断するために重要なROI1とROI4におけるTDCの観測が困難となるが、上記2つのTDCをTDCグラフ113bとして別途表示することによって改善することができる。尚、このときTDCグラフ113bに示されたTDCは、TDCグラフ113aから削除してもよい。
CT画像上に設定されるROIの形状は、円形、楕円形、矩形など面積の有するものに限定されず、点状のROIであってもよい。但し、点状ROIの場合にはS/N低下を防ぐために周囲のピクセルのCT値を加算平均することが望ましい。
ところで、造影ダイナミックCTにおいては、CT値そのものよりCT値増加分が重要となる場合がある。このような場合には、TDCとしてCT値増加分について算出し表示することが望ましい。この場合の基準となるCT値は、準備画像あるいは第1の低X線スキャンの初期の画像における各ROIのCT値が用いられる。
尚、上記実施例では造影剤としてヨード系造影剤を用いたが、これに限定されるものではなく、Xenon系造影剤などの造影剤であってもよい。
(実施例3)
次に、本発明の第3の実施例につき図12及び図13を用いて説明する。上述の第1の実施例では、高X線スキャン終了タイミングの妥当性を確認するために、高X線スキャンに後続して第2の低X線スキャンを行ない、操作者は、高X線スキャン画像データによって得られるCT値やTDCの形状などから高X線スキャンの最適な終了タイミングを決定した。
しかしながら、高X線スキャンから第2の低X線スキャンへの切り換えタイミングと第2の低X線スキャンの終了タイミングの設定を自動的に行なうことも可能である。この場合、例えば高X線スキャン中に計測されるCT値の最大値に対して、所定割合の値(例えば50%)を閾値に設定し、この閾値と連続して計測されるCT値を比較することによって前記切り換えタイミングの被検者間バラツキが低減される。
図12は、本実施例のX線CT装置の概略構成を示すブロック図であり、図1に示した第1の実施例との差異は、CT値計測部8においてCT値比較回路29が新たに追加されていることである。
CT値比較回路29は、CT値記憶回路25に保存されている高X線スキャンにおけるCT値の中から最大値(最大CT値)を検出し、この最大CT値に基づいて閾値を設定する。更に、設定された閾値と、高X線スキャン中にCT値演算回路23によって算出されるCT値とを比較する。そして、このCT値が前記閾値以下になった場合には、高X線スキャンから第2の低X線スキャンに切り替えるための制御信号を出力する。
次に、本発明の第3の実施例における造影ダイナミックCT画像の撮影手順を図13のフローチャートに基づいて説明する、但し、このフローチャートにおいて、図3に示した第1の実施例と同様な手順については同一符号で示し、その詳細な説明を省略する。
操作者は、撮影条件の設定を行ない(ステップS1)、次いで、被検体30の位置設定を行なう(ステップS2)。更に、操作者は、被検体30に対して異なるスライス面のCT画像データを複数枚撮影し、これらの複数のCT画像データの中から造影ダイナミックCT撮影に最適なスライス面の画像データを準備画像データとして選択する(ステップS3)。そして、選択した準備画像データの所望の位置にCT値計測用のROIを設定する(ステップS4)。
準備画像データにおけるROIの設定が終了したならば、操作者は、被検体30に造影剤を注入し、第1の低X線スキャンを開始する(ステップS5)。
システム制御部11は、架台回転部2を定速回転し、スキャン間隔Δt1の低X線スキャンによって順次得られるCT画像データの各々に対して、既に準備画像データにおいて設定したROIの位置情報に基づいてROIを設定する。次いで、このROIにおけるCT値を計測し、得られたCT値の時間的変化をTDCとして表示部9に表示する(ステップS6)。
次に、操作者は、表示部8に表示された前記TDCを観察し、その変化曲線から造影剤が到達するタイミングを推定して高X線スキャンの開始タイミングを決定する(ステップS7)。
次いで、操作者によって入力された高X線スキャン開始のコマンド信号に従い(ステップS8)、高電圧発生器12は、X線管13に対して高X線スキャン用の管電圧及び管電流を供給する。
X線管13は、高電圧発生器12からX線照射の電力の供給を受け、被検体30に照射するX線を第1の低X線スキャン用の低X線量から高X線スキャン用の高X線量に変更する。又、X線投影データ収集部6は、第1の低X線スキャンの場合と同様にしてX線投影データの収集を行ない、画像データ生成部7は、これらの投影データを用いて高X線スキャンによる最初の画像データを生成して画像データ記憶回路22に保存する(ステップS9)。
一方、CT値演算回路23は、画像データ記憶回路22に保存される高X線スキャンの最初の画像データを読み出す。そして、ROI位置記憶回路24に既に保存されている複数のROIの位置情報に基づいて設定されたROIにおけるCT値を計測し、その結果をCT値記憶回路25に保存する(ステップS10)。
同様にして、スキャン間隔Δt2で撮影される高X線スキャンの第2以降の画像データについてもCT値の計測を行ない、CT値記憶回路25に保存する。そして、第1の低X線スキャン及び高X線スキャンによって得られたCT値をTDCとしてモニタ28に表示する。
一方、CT値計測部8のCT値比較回路29は、上記の手順によってCT値演算回路23にて計測された一連のCT値を読み出し、高X線スキャン中に得られる最大CT値を検出する(ステップS31)。そして、この最大CT値に基づいて閾値を設定する。この閾値として、例えば、前記最大CT値の50%〜60%の値が設定される(ステップS32)。
次に、CT値比較回路29は、設定された前記閾値とCT値演算回路から順次供給される最新画像データにおけるCT値を比較し、このCT値が前記閾値以下になった場合には、高X線スキャンから第2の低X線スキャンへ切り換えるための指示信号をシステム制御部11に供給する(ステップS33)。
この指示信号を受けたシステム制御部11は、各ユニットに制御信号を供給して第2の低X線スキャンを開始する(ステップS13)。そして、この第2の低X線スキャンによって得られた画像データのROIにおけるCT値の計測とTDCの表示を行なう(ステップS14)。
一方、操作者は、表示されたTDCを観察し、所定の値以下になったことを確認したならば、入力部10より撮影終了コマンドを入力して、造影ダイナミックCT画像の撮影を終了する(ステップS15)。
以上述べた第3の実施例によれば、高X線スキャンから第2の低X線スキャンへ切り換える際、予め設定した閾値と高X線スキャンによって得られるCT値を比較することによって、切り換えタイミングが自動的に設定されるため、操作者の負担が軽減する。
尚、上述の高X線スキャンから第2の低X線スキャンへの切り換えと同様な手順により、第2の低X線スキャンの終了タイミングを自動的に設定してもよい。この場合、操作者は、閾値β1及び閾値β2と同様に、第2の低X線スキャンの終了タイミングを決定するための閾値β3を予め設定しておき、前記第2の低X線スキャンにおけるCT値が、この閾値β3以下になった時点で撮影を終了する。但し、被検体30に注入された造影剤の体内循環等に起因したTDCのベースラインの上昇により前記閾値β3の設定が困難な場合は、高X線スキャンによって得られた最大CT値の時刻(TX1)と高X線スキャンから第2の低X線スキャンへの切り換え時刻(TX2)の時間差(ΔTX)を計測し、前記TX2からΔTXだけ時間が経過した時点で第2の低X線スキャンを終了してもよい。
又、切り換えタイミングを自動的に設定する場合には、CT値あるいはTDCの表示は行なわなくてもよい。但し、CT値が予め設定した閾値以下になった場合には、そのタイミングを示す表示を表示部9あるいは入力部10において行なうことが望ましい。この場合、スキャン切り換えの指示信号は、表示部9あるいは入力部10の上記表示を観察した操作者が行なってもよい。
一方、上述の閾値は、最大CT値に基づいて設定される場合について述べたが、予め設定された値、あるいは操作者等によって入力部10より設定された値であってもよく、後者の場合にはステップS2の撮影条件設定時に行なってもよい。
(実施例4)
次に、本発明の第4の実施例を図12、図14、及び図15を用いて説明する。本実施例は、第1の実施例乃至第3の実施例の応用であり、スライス位置を一定間隔で移動しながら画像データの生成を行なう。そして、これらの画像データにおけるCT値を順次計測することによって、このスライス位置が被検体領域内に有るか否かの情報が操作者に提供される。
尚、本実施例における投影データの収集や画像データの生成、更にはROIの設定方法については第1の実施例とほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
図14は、本実施例の撮影手順を示すフローチャートである。操作者は、第1の実施例と同様に、撮影のための諸条件とCT値に対する閾値γ1あるいはγ2を入力部10より設定する。(ステップS51)。但し、前記閾値γ1は、20程度のCT値を有する脳と、1000程度のCT値を有する頭蓋骨の境界を検出するための閾値であり、前記閾値γ2は、前記頭蓋骨と、−2000未満のCT値を有する空気の境界を検出するための閾値である。以下では、閾値γ1を使用した場合について述べる。
操作者は、寝台1の天板上に被検体30を載せ(ステップS52)、被検体30の診断部位(例えば頭部)が架台開口部の所定の位置になるように、天板及び被検体30を体軸方向に移動させる。そして、最初の画像データを準備画像データとして撮影し(ステップS53)、この画像データに対して1つあるいは複数のROIを設定する(ステップS54)。
一方、機構制御部4は、システム制御部11の指示に従い、寝台・架台機構部3に対して制御信号を供給し、寝台1の天板とともに被検体30を一定速度で体軸方向に移動させながら被検体30に対する投影データの収集を行なう。
図15は、スライス位置とTDCの関係を示す。図15(a)は本実施例における頭部の撮影部位を示したものであり、最初の画像がZ=Z1で撮影され、間隔ΔZで頭頂部に向かって画像データ生成のためのスキャンが行われる。このスキャンにより、ΔZ間隔で収集される夫々の投影データに対して画像再構成を行ない、画像データを生成する(ステップS55)。
次に、各撮影位置において得られた画像データに対して、予め設定したROIにおけるCT値γxを計測し、その値をCT値記憶回路25に記憶するとともにモニタ28にTDCとして表示する(ステップS56)。
一方、図15(b)は、モニタ28に表示されるTDCを示す。撮影スライスが被検体30の脳部にある場合は、通常の脳組織のCT値が得られるが、撮影位置の移動に伴ってZ=Z1で頭蓋骨のCT値、更にはZ=Z2で空気に対するCT値の計測が行なわれる。
図12のCT値計測部8におけるCT値比較回路29は、スキャン方向にΔZ間隔で設定されるスライス面において計測されるCT値γxと前記閾値γ1を比較する。そして、CT値γxが閾値γ1以上になった時点で撮影終了の指示信号をシステム制御部11に供給し、システム制御部11は、各ユニットに制御信号を供給して撮影を終了する。
尚、上述の方法においては、TDCの表示は必ずしも必要としない。又、計測されたCT値、あるいはTDCを表示部9に表示し、操作者は、表示されたCT値やTDCを観測することによって撮影終了タイミングを決定し、撮影終了コマンドを入力部10より入力してもよい。又、CT値γxと閾値γ1が一致した時点で、表示部9あるいは入力部10において所定の信号を表示してもよい。
尚、上記のTDC表示に用いられるCT値γxは、設定されたROIにおいて例えばピクセル単位で得られるCT値の最大値、あるいは平均値を用いることが好適である。
一方、上述の実施例では、脳組織と頭蓋骨の境界を検出するために閾値γ1を選択したが、閾値γ2に選択することによって頭蓋骨と空気の境界を検出してもよい。
(変形例)
次に、第4の実施例の変形例につき図16乃至図18を用いて説明する。この変形例では、上述の第4の実施例におけるCT値γxと閾値γ1あるいはγ2との比較に代わって、所定範囲のCT値を有するピクセル数ηxと閾値η1との比較により撮影終了タイミングの設定を行なう。
図16は、本変形例におけるX線CT装置の構成を示すブロック図であり、図1に示した第1の実施例との差異は、CT値計測部8において、ピクセル数比較回路31が新たに追加されていることである。
そして、CT値計測部8のCT値演算回路23は、所定の位置で得られた画像データの所定ROIにおいてピクセル単位でCT値γxの計測を行ない、その計測結果をCT値記憶回路25に保存する。一方、ピクセル数比較回路31は、CT値記憶回路25において保存されているピクセル単位のCT値γxを読み出し、予め設定されたCT値の範囲、即ちγa<γx<γbの範囲のCT値γxを有するピクセルの数ηxを計数する。更に、得られたピクセル数ηxと予め設定されたピクセル数の閾値η1とを比較する。
そして、スライス位置をスキャン方向に移動させながら上述のピクセル数ηxと閾値η1の比較を行ない、ηx<η1となった時点で撮影終了の指示信号を出力する。
次に、本変形例の撮影手順を、図17のフローチャートに基づいて説明する。但し、このフローチャートにおいて、上述した第4の実施例と同一な手順については同一符号で示し、その詳細な説明を省略する。
操作者は、第1の実施例と同様に、撮影のための諸条件、CT値範囲の下限値γa及び上限値γb、更には、ピクセル数の閾値η1を入力部10より設定する。(ステップS61)。但し、前記CT値範囲の下限値γa及び上限値γbは脳において通常計測されるCT値の最大値及び最小値にマージンを付加して設定される。
次に、寝台1の天板上に被検体30を載せ、被検体30の診断部位(例えば頭部)が架台開口部の所定の位置になるように、この天板及び被検体30を体軸方向に移動させる(ステップS62)。そして、先ず、準備画像データを撮影し(ステップS63)、この画像データに対してROIを設定する(ステップS64)。
一方、機構制御部4は、寝台・架台機構部3に対して制御信号を供給し、寝台上の天板とともに被検体30を一定速度で体軸方向に移動させながら被検体30に対する投影データの収集を行なう。
図18においてスライス位置とTDCの関係を示す。図18(a)は本実施例における頭部の撮影部位を示したものであり、最初の画像がZ=Z1で撮影され、間隔ΔZでスキャン方向に向かって画像データ生成のためのスキャンが行われる。このスキャンにより、ΔZ間隔で得られるそれぞれの投影データに対して画像再構成を行なって画像データを生成する(ステップS65)。
次に、CT値演算回路23は、所定の位置で得られた画像データのROIにおけるCT値γxをピクセル単位で計測し(ステップS66)、その計測結果をCT値記憶回路25に保存する。一方、ピクセル数比較回路31は、CT値記憶回路25に保存されているピクセル単位のCT値γxと予め設定されたCT値の範囲とを比較し、所定の範囲、即ちγa<γx<γbの範囲のCT値γxを有するピクセルの数ηxを計数する(ステップS67)。
一方、図18(b)は、モニタ28に表示されるピクセル数ηxのグラフを示す。所定スライス位置の画像データにおけるROIが被検体30の脳内にある場合、そのCT値γxの大部分はγa<γx<γbの範囲にある。一方、前記ROIが脳外、即ち頭蓋骨あるいは空気に設定された場合のCT値は、前記範囲から著しく外れるためピクセル数ηxは閾値η1以下となる。
図16のCT値計測部8におけるピクセル数比較回路29は、一定間隔でスキャン方向に設定されるスライス面の所定ROIにおいて計測されたピクセル数ηxと予め設定された閾値η1を比較する(ステップS68)。そして、ηx<η1になった時点で撮影終了の指示信号をシステム制御部11に供給し、システム制御部11は、各ユニットに制御信号を供給して撮影を終了する。
上述の第4の実施例、及びその変形例によれば、通常のCT撮影においても、装置は撮影を終了する際の最適なタイミングを操作者に提供、あるいは自動設定するため、被検体30に対するX線照射量を必要最小限に抑えることが可能となる。
尚、図18(b)に示したピクセル数のグラフは、表示部9において表示してもよいが、この表示は必ずしも必要ではない。又、ピクセル数ηxのグラフを表示部9に表示し、操作者は、このグラフを観測することによって撮影終了タイミングを決定して撮影終了コマンドを入力部10より入力してもよい。この場合、ピクセル数ηxと閾値η1が一致した時点で、表示部9あるいは入力部10において所定の信号を表示してもよい。
又、マルチスライス方式では、例えば、スライス厚1mmを有する4つのスライス位置で同時に得られた4枚の画像データの一部、あるいは全てに対して、準備画像で設定された位置情報に基づいたROIを設定してもよいが、頭頂部に最も近いスライスには常にROIを設定することが望ましい。
以上、本発明の実施例について述べてきたが、上記の実施例に限定されるものでは無く、変形して実施してもよい。例えば、上記の実施例におけるスキャン方式はマルチスライス方式を中心に述べたが、これに限定されるものではなく、シングルスライス方式やヘリカル方式でもよい。
更に、撮影終了タイミングは、TDCから決定する方法について述べたが、複数ROIのCT値に基づいて得られるヒストグラムから決定してもよい。
又、上述の実施例では、TDCを計測する際に、ROIが表示された第1及び第2の低X線画像データ、あるいは高X線画像データの表示を行ったが、ROI位置の更新などを行なう場合を除き、これらの画像データの表示は行わなくともよい。
一方、低X線スキャンは、高X線スキャンに比して被曝線量を低減するためにスキャン間隔を長くする方法と、管電流を低減する方法の併用について述べたが、いずれか一方のみを行なってもよい。又、操作者は、高X線スキャンのTDC特性から適当なタイミングを認識し、撮影終了の指示信号を入力してもよい。
更に、上記では第3世代のCT装置を用いて本発明の実施例について説明したが、第3世代のCT装置に限定されるものではなく、第4世代など、その他の世代のCT装置に適用してもよい。
本発明の第1の実施例に係るX線CT装置の構成を示すブロック図。 同実施例におけるX線検出素子の配列方法と「データ束ね」を示す図。 同実施例における造影ダイナミックCT画像データの生成手順を示すフローチャート。 同実施例における低X線スキャン及び高X線スキャンのX線投影データ収集条件を示す図。 同実施例におけるCT値計測用ROI設定方法を示す図。 同実施例における第1の低X線スキャン終了時のTDCを示す図。 同実施例における高X線スキャン終了時のTDCを示す図。 本発明の第2の実施例における造影ダイナミックCT画像データの生成手順を示すフローチャート。 同実施例における第1の低X線スキャン終了時のTDCを示す図。 本発明の第1及び第2の実施例におけるCT画像表示の変形例を示す図。 同実施例におけるTDC表示の変形例を示す図。 本発明の第3の実施例におけるX線CT装置の構成を示すブロック図。 同実施例における造影ダイナミックCT画像の撮影手順を示すフローチャート。 本発明の第4の実施例におけるCT画像の撮影手順を示すフローチャート。 同実施例におけるスライス位置とTDCを示す図。 同実施例の変形例に係るX線CT装置の構成を示すブロック図。 同変形例におけるCT画像の撮影手順を示すフローチャート。 同変形例におけるスライス位置とピクセル数グラフを示す図。 従来の造影ダイナミックCTの撮影方法を示す図。
符号の説明
1…寝台
2…架台回転部
3…寝台・架台機構部
4…機構制御部
5…X線発生部
6…X線投影データ収集部
7…画像生成部
8…CT値計測部
9…表示部
10…入力部
11…システム制御部
12…高電圧発生器
13…X線管
14…X線絞り器
15…スリップリング
16…X線検出器
17…スイッチ群
18…DAS
19…データ伝送回路
20…投影データ記憶回路
21…再構成演算回路
22…画像データ記憶回路
23…CT値演算回路
24…ROI位置記憶回路
25…CT値記憶回路
26…表示用記憶回路
27…変換回路
28…モニタ

Claims (10)

  1. 被検体に対しX線を照射するX線管を有したX線発生手段と、
    前記被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と、
    前記X線管及び前記X線検出手段の少なくとも何れかを前記被検体の周囲で回転させる回転手段と、
    前記X線発生手段と前記X線検出手段を用いて収集された前記被検体の投影データに基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記画像データ生成手段による造影剤注入後の連続した複数からなる第1の画像データの生成と並行し、前記第1の画像データの関心領域におけるCT値を計測するCT値計測手段と、
    前記CT値に対する閾値を設定する閾値設定手段と、
    前記CT値計測手段によって計測された前記CT値が前記閾値設定手段によって設定された前記閾値に到達した場合、到達タイミング情報を発生するタイミング情報発生手段と、
    前記CT値の時間的変化を示すCT値変化曲線に前記到達タイミング情報を付加して表示する第1の表示手段と、
    前記第1の画像データに対する撮影条件を設定する撮影条件設定手段と、
    前記第1の表示手段によって表示された前記到達タイミング情報に基づいて前記第1の画像データの生成における撮影条件の更新あるいは前記第1の画像データの生成終了を指示するためのコマンド信号を入力するコマンド入力手段と、
    前記コマンド信号に基づいて前記被検体に対するCTスキャンの実行あるいは停止を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記撮影条件設定手段は、前記第1の画像データの生成における前記被検体に対し低X線量のX線を照射するための第1の撮影条件及び高X線量のX線を照射するための第2の撮影条件を設定し、前記コマンド入力手段は、前記第1の表示手段によって表示された前記到達タイミング情報に基づいて前記第1の撮影条件による第1のスキャンに後続する前記第2の撮影条件による第2のスキャンの開始あるいは終了の少なくとも何れかを指示するための前記コマンド信号を入力することを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  3. 前記制御手段は、前記コマンド入力手段が入力する前記コマンド信号に基づき、前記第1の撮像条件による第3のスキャンを前記第2のスキャンに後続して実行することを特徴とする請求項2記載のX線CT装置。
  4. 前記閾値設定手段によって設定される前記閾値は、CT値、CT値の変化倍率、CT値変化曲線の勾配の少なくとも何れかであることを特徴とする請求項記載のX線CT装置
  5. 前記画像データ生成手段によって得られた造影剤注入前の第2の画像データに対して関心領域を設定し、この関心領域の位置情報に基づいて前記第1の画像データに対して関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記第1の画像データ及び前記第2の画像データに前記関心領域の情報を付加して表示する第2の表示手段を備え、前記関心領域設定手段は、前記第2の表示手段によって表示された前記第2の画像データに対して複数の関心領域を設定し、前記第1の表示手段及び前記第2の表示手段は、前記複数の関心領域とこれらの関心領域において得られたCT値変化曲線とを対応させて表示することを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  6. 前記第2の表示手段は、造影剤が最も早く到達する血管領域あるいは最も遅く到達する血管領域の少なくとも何れかに対応した前記関心領域に識別可能な所定のインデックスを付加して表示することを特徴とする請求項記載のX線CT装置。
  7. 前記第の表示手段は、造影剤が最も早く到達する血管領域あるいは最も遅く到達する血管領域の少なくとも何れかに対応した前記関心領域におけるCT値変化曲線を他の関心領域におけるCT値変化曲線と分離して表示することを特徴とする請求項記載のX線CT装置。
  8. 前記関心領域設定手段は、前記第1の画像データを用いて前記関心領域の更新あるいは新たな関心領域の設定を行なうことを特徴とする請求項記載のX線CT装置。
  9. 画像データ記憶手段を備え、前記CT値計測手段は、前記画像データ記憶手段に保存されている前記第1の画像データに対して前記関心領域設定手段が更新あるいは新たに設定する関心領域のCT値を計測し、前記第1の表示手段は、前記関心領域におけるCT値変化曲線を溯って表示することを特徴とする請求項記載のX線CT装置。
  10. 前記CT値計測手段は、前記第1の画像データの関心領域において複数のCT値を画素単位で計測し、計測された前記CT値の平均値あるいは最大値のいずれかを前記関心領域のCT値とすることを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
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