JP4601354B2 - 医療用クッション材 - Google Patents
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また、本発明においては、さらに可塑剤を配合することができる。
例えば、ずれ力(25%)を求めるためには、変位5mm以下はバラツキがあり、30mmより大きいとスリップする可能性があるため、5mm〜30mmの間のデータからずれ力を求めることが好ましい。なお、変位が30mmでスケールオーバーする場合には、5mm以上、30mm未満の間の直線部分(例えば、5mm近傍での直線部分)から傾きを求めて、この値を用いてずれ力を求める。
ずれ力(25%)を求めるために用いられる数式におけるサンプル厚み(t)は、せん断力を与える前のサンプルの厚みであり、試験用サンプルに荷重をかけた後、厚みがほぼ一定になった時の試験用サンプルの厚みである。例えば図2に示すように、臀部モデル2の底面と試験用サンプル1の下面との間の距離(t)で示される。
また、活性水素成分ポリエーテルポリオール(A)は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールのオキシエチレン単位の含有量が40〜90モル%であり、かつ、水酸基価が5〜110mgKOH/gであることが好ましい。エチレン単位の含有量が40〜90モル%であれば、発泡剤としての水とのなじみが良くなり、整泡された柔軟な発泡体となる傾向にあり、水酸基価が5〜110mgKOH/gであれば、有機ポリイソシアネート(B)との相溶性がよく、ソフトセグメント部の比率が高まるので、柔軟な発泡体となる傾向にある。なお、活性水素成分ポリエーテルポリオールのエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)の割合が、EO側に偏っていれば、発泡がスムーズに行われやすく、安定した発泡につながり、結果として、ずれ力に対する特性はゲルに近いものとなると考えられる。
ポリイソシアネートプレポリマーは、ポリイソシアネートとしてTDI及び/又はMDIを主成分として使用し、ポリオールとして、ポリエーテルポリオールの平均官能基数が2〜8であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールのオキシエチレン単位の含有量が40〜90モル%、かつ、水酸基価が5〜110mgKOH/gであるポリオールを主成分として使用し、重合させてなるプレポリマーである。
有機ポリイソシアネートとしては、環境衛生上の観点からイソシアネート蒸気圧の低いポリイソシアネートプレポリマーを使用することが好ましい。ポリイソシアネートプレポリマーを作製する場合のポリオールとポリイソシアネートとの配合割合は、イソシアネートインデックスR(R=ポリオール/ポリイソシアネート)が2〜10の範囲で行うことが好ましい。
本発明において、活性水素成分ポリエーテルポリオール(A)と、有機ポリイソシアネート(B)との配合割合は、イソシアネートインデックスRが0.4〜1.2程度であることが好ましい。イソシアネートインデックスが0.4未満では、ポリオールがブルーミングを起こし、柔らかくなりすぎたり、さらには固まらない等の問題が発生することがある。また、イソシアネートインデックスが1.2より大きいと、後硬化によって水分と反応し、硬くなりすぎることがある。
本発明に用いられるグリコールジエーテル類としては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等を挙げることができる。可塑剤の含有量は、クッション材を形成する材料の合計質量中(ゲル組成中)、5〜30質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることが更に好ましい。可塑剤の含有量が5質量%未満では可塑化効果に乏しくなることがあり、一方、30質量%を超える場合には発泡体が柔らかくなりすぎて形状を保持することができないことがある。
活性水素成分ポリエーテルポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させるウレタン化触媒としては、ウレタン化反応を促進することができる触媒であれば特に限定されることなく使用することができる。例えば、トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N',N'−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の3級アミン類;酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸金属塩;スタナスオクトエート、ジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物等が挙げられる。
難燃剤としては、リン酸エステル類、ハロゲン化リン酸エステル類等が挙げられる。
(1)密度(単位:kg/m3)
クッション材を切り出し、その重量は電子天秤を用いて測定し、寸法はノギスを用いて測定し、これから密度を算出した。
万能試験機「Autograph AGS-100」を用い、200mmφの円盤を10mm/minの速度で圧縮させた。初期厚の25%まで圧縮した時の荷重値(N/314cm2)を圧縮モジュラス値とした。ただし、試験用サンプルとしては、クッション材を約40cm×約40cmの大きさに切断したものを使用した。
クッション材サンプル上にニッタ(株)製の「BIGMATセンサ」を敷き、さらにその上に臀部モデル(日本工業規格 JIS−D−4607の準拠品)を置いた。臀部モデルはネジ止め面が水平になるように角度を調節し、かつ、サンプルに与える荷重が臀部モデル自体の重量も含めて50kgとなるように、臀部モデルの上に重りを載せて調節した。その時の体圧分散図を作成し、この体圧分散図からMax圧力を読み取る。
クッション材から約40cm×約40cmの大きさに切り出し、試験用のサンプルとした。サンプルの上に、臀部モデル(日本工業規格 JIS−D−4607の準拠品)を載置した。この時、臀部モデルのネジ止め面が水平となるように角度を保ち、また、水平方向に力をかけた際には臀部モデル自体が水平方向に移動しないようにし、かつ、サンプルに与える荷重が臀部モデル自体の重量を合わせて50kgとなるように、臀部モデルの上に重りを載せて調節する。荷重をかけた状態で30分間放置した後、臀部モデル底面とサンプル下面間距離を測定し、サンプルの下固定面を100mm/minの速度で水平方向(せん断力がかかる方向)に万能試験機「Autograph AGS-100」を用いて引っ張る。この時の変位と応力を読み取り、変位−応力図を作成し、せん断力を与える前のサンプル厚みの25%に相当する量がずれた時のずれ力(25%)を下記式により求めた。
ずれ力(25%)={(変位30mmの応力−変位5mmの応力)/(30mm−5mm)}×0.25×サンプル厚み
なお、上記式において、変位5mm以下はバラツキがあり、変位30mm以上はスリップする可能性があるため、データの取扱いは変位が5mm〜30mmの間で求めた。変位30mmでスケールオーバーする場合は、変位が5mm以上の部分で直線の傾きを求め、その値にサンプル厚みの25%を乗じて値を算出した。
ボランティア10名による官能試験評価を行った。すなわち、座り心地性を、体圧分散性、座位保持性を含めて、5段階(1、2、3、4、5)で評価してもらった。数字が大きいほど座り心地性に優れており、「5」が一番優れていることを示す。
・ポリイソシアネートプレポリマーAの合成:
MDIを50部、及び、ポリオール(EO/PO=75/25、OH価=56、分子量=3,000)を50部配合し、80℃で攪拌しながら加熱してポリイソシアネートプレポリマーAを作製した。
・ポリイソシアネートプレポリマーBの合成:
TDIを5部、及び、ポリオール(EO/PO=70/30、OH価=7.5、分子量=15,000)を95部配合し、80℃で攪拌しながら加熱してポリイソシアネートプレポリマーBを作製した。
ポリイソシアネートプレポリマーAを21部、ポリイソシアネートプレポリマーBを14部、及び、ポリエーテルポリオールとしてポリオキシエチルポリオキシプロピル化グリセリン(EO/PO=50/50)を65部混合し、80℃で約2時間加温した後、室温に戻し、水を3部加えて攪拌、混合し、次いで型に流し入れた。その後、室温下で1日放置して硬化させてクッション材(約40cm×約40cm×約3cm)を作製した。得られたクッション材について、密度、圧縮モジュラス、Max圧力、ずれ力の測定を行った。また、得られたクッション材の表面を、30μm厚のウレタンフィルムで覆い、カバー付きクッション材を作製した。得られたカバー付きクッション材について、座り心地性の評価を行った。その結果を表1に示す。
ポリイソシアネートプレポリマーAを13部、ポリイソシアネートプレポリマーBを42部、及び、ポリエーテルポリオールとしてポリオキシエチルポリオキシプロピル化グリセリン(EO/PO=50/50)を45部混合し、80℃で約2時間加温した後、室温に戻し、水を3部加えて攪拌、混合し、次いで型に流し入れた。その後、室温下で1日放置して硬化させて、クッション材(約40cm×約40cm×約3cm)を作製した。また、このクッション材の表面を、30μm厚のウレタンフィルムで覆い、カバー付きクッション材を作製した。得られたクッション材及びカバー付きクッション材について、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。
市販品である低反発ウレタン発泡体を2種類、すなわち、波形形状のクッション材(約40cm×約40cm×約3cm)と、直方体のクッション材(約40cm×約40cm×約5cm)とを用意した。これらについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。
市販品であるゲルクッション材を2種類、すなわち、ポリウレタンゲル製クッション材(約40cm×約40cm×約2.5cm)と、イソプレンゴムを主成分とするゲル製クッション材(約40cm×約40cm×約4cm)とを用意した。これらのゲルクッション材について、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。
一方、低反発ウレタン発泡体のクッション材である比較例1及び比較例2は、圧縮モジュラスが大きく、また、ずれ応力も大きくて劣っているものであることが分かった。また、ゲルクッション材である比較例3及び比較例4は、圧縮モジュラスが大きいものであることが分かった。比較例1〜4のクッション材は、座り心地性の評価において5段階評価の「3」以下であり、実施例1〜2と比べて、劣ったものであることが分かった。
2 臀部モデル
3 荷重付加用台
4 ネジ止め面
5 重り
6 引張り用ワイヤ
7 万能試験機
8 平行移動台
Claims (5)
- 活性水素成分ポリエーテルポリオール(A)と、有機ポリイソシアネート(B)と、発泡剤(C)とを必須成分として成り、前記活性水素成分ポリエーテルポリオール(A)は、平均官能基数が2以上、8以下であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールのオキシエチレン単位の含有量が40モル%以上、90モル%以下であり、水酸基価が5mgKOH/g以上、110mgKOH/g以下であり、前記発泡剤(C)の使用量が活性水素成分ポリエーテルポリオール100質量部に対して3質量部以上、6質量部以下であり、かつ、密度が80kg/m3以上、700kg/m3以下であり、ずれ力が25N以上、65N以下であることを特徴とする医療用クッション材。
- 前記有機ポリイソシアネート(B)が、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、及び、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートからなる群のうち少なくとも1つであるか、あるいは、ポリイソシアネートプレポリマーであることを特徴とする請求項1記載の医療用クッション材。
- 前記ポリイソシアネートプレポリマーが、ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート及び/又はメチレンジフェニルジイソシアネートを主成分とし、ポリオールとして、ポリエーテルポリオールの平均官能基数が2以上、8以下であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールのオキシエチレン単位の含有量が40モル%以上、90モル%以下、かつ、水酸基価が5mgKOH/g以上、110mgKOH/g以下であるポリオールを重合させてなることを特徴とする請求項2記載の医療用クッション材。
- 前記ポリイソシアネートプレポリマーと、前記活性水素成分ポリエーテルポリオール(A)とを、予め加熱処理した後、水を加えて発泡させたことを特徴とする請求項2又は3記載の医療用クッション材。
- さらに可塑剤を配合することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の医療用クッション材。
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