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JP4601160B2 - 耐食性部材 - Google Patents

耐食性部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素系塩素系等の腐食性ガスまたはそのプラズマに対して高い耐食性が要求される例えば、半導体素子を製造するのに用いられるプラズマ処理装置成膜装置内の内壁材Si基板を支持する支持部材等の具に適した耐食性部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造のドライエッチングプロセスやプラズマコーティング等、プラズマの利用は近年急速に進んでいる。例えば、半導体製造プロセスでは、プラズマプロセスにおいて、特にデポジションエッチング用やクリーニング用として、フッ素系塩素系等のハロゲン系腐食性ガスがその反応性の高さから多用されている。
【0003】
また、装置内の内壁等のハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに接触する部分では、ハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマによる腐食を防止するために、従来からアルミナ質焼結体から成るセラミック基材の表面に周期律表第2族もしくは第3族元素化合物から成る耐食材を接合させた耐食性部材が使用されている。
【0004】
なお、このような耐食性部材は一般にアルミナ質焼結体から成るセラミック基材の表面に第2族もしくは第3族元素化合物を溶射等の方法により20〜100μmの厚みに被着させることによって形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来使用されている耐食性部材は、アルミナ質焼結体から成るセラミック基材の表面に溶射等によって周期律表第2族もしくは第3族元素化合物から成る耐食材を被着させて形成しており、セラミック基材の表面に耐食材を溶射等によって形成した場合、耐食材の相対密度が90%程度、最大でも95%程度で、多数の開気孔を有し耐食性が不十分であるという問題を有していた。
【0006】
また、セラミック基材表面に溶射等の方法により被着される耐食材は、その厚みが20〜100μm程度と薄いことから短時間で消耗してしまい、その結果、長期間の使用に供さないという問題も有していた。
【0007】
さらに、セラミック基材表面に溶射等の方法により耐食材を被着させた場合、セラミック基材と耐食材との密着性が低いことから、半導体製造装置等への取付け時もしくは洗浄時等のハンドリング時に衝撃が加わった場合、耐食材がセラミック基材表面より容易に剥離してしまって耐食性部材としての機能喪失してしまうという問題も有してい
【0008】
本発明は上述の問題点に鑑み案出されたもので、その目的はセラミック基材表面に耐食性に優れた、厚みのある耐食材を強固に接合させ、長時間の使用に供することができる耐食性部材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の耐食性部材は、Alを主成分とし、少なくともMgO,SiOを含有し、MgOの含有量が1000〜70000質量ppmであり、SiO の含有量が400〜10000質量ppmであるアルミナ質焼結体から成るセラミック基材と、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)またはイットリアを主成分とする焼結体から成る耐食材とを、セラミック基材成形体上に耐食材成形体を形成した複合成形体を焼成することによって、セラミック基材成分,耐食材成分および少なくともMgまたはSiの化合物を含有する相互拡散層を介して接合したことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の耐食性部材は、好ましくは、前記耐食材の相対密度が98%以上であることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の耐食性部材は、好ましくは、前記耐食材の厚みが200μm以上であることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0014】
図1は、本発明の耐食性部材の一実施形態を示す斜視図である。この耐食性部材1は、Alを主成分とし、少なくともMgO,SiOを含有し、MgOの含有量が1000〜70000質量ppmであり、SiO の含有量が400〜10000質量ppmであるアルミナ質焼結体から成るセラミック基材2と、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)またはイットリアを主成分とする焼結体から成る耐食材3とを、セラミック基材2成形体上に耐食材3成形体を形成した複合成形体を焼成することによって、セラミック基材2成分,耐食材3成分および少なくともMgまたはSiの化合物を含有する相互拡散層4を介して接合してなる。
【0015】
ラミック基材2は、Al を主成分とし、少なくともMgO,SiO を含有するアルミ質焼結体から成り、耐食性部材1に強度および靱性をたせるための基材となるものであり、半導体製造装置等への取付け時もしくは洗浄時に欠けや割れが生じるのを防止する。
【0016】
ラミック基材2は、その3点曲げ強度が150MPa以上、破壊靭性が2MPa・√m以上としておくと、耐食性部材1の機械的強度が優れているので、半導体製造装置等への取付け時に欠けや割れ等が発生するのを有効に防止することができる。従って、セラミック基材2はその3点曲げ強度を150MPa以上、破壊靭性が2MPa・√m以上としておくことが好ましい。
【0017】
また、セラミック基材2は、主成分であるAl の純度を95量%以上としておくと、耐食性部材1として半導体製造装置等に用いる際、半導体素子に不純物が混入して半導体素子の特性に悪影響を与えるのを有効に防止できる。従って、アルミナ質焼結体から成るセラミック基材2は、アルミナの純度を95量%以上としておくことが好ましい。
【0018】
食材3は、YAGまたはイットリアを主成分とする焼結体から成る。
【0019】
AGまたはイットリアを主成分とする焼結体から成る耐食材3は、SF CF CHF ClF NF HF等のフッ素系ガス、Cl HClBCl CCl等の塩素系ガス、あるいはBr HBrBBr等の臭素系ガス等のハロゲン系腐食性ガスやこれらハロゲン系腐食性ガスのプラズマに対して優れた耐食性を具備し、半導体製造装置等に使用することによって、半導体製造装置の壁材等が腐食を受けるのを有効に防止することができる。
【0020】
食材3は、YAGまたはイットリアを主成分とする焼結体から成ることから、耐食材3の相対密度を98%以上とすることができ、耐食材3の相対密度98%以上であれば、開気孔の存在がほとんどなくなって耐食性が極めて優れたものとなる。従って、耐食材3の相対密度を98%以上としておくことが好ましい。
【0021】
また、セラミック基材2成形体上に耐食材3成形体を形成した複合成形体を焼成することによって、アルミナ質焼結体から成るセラミック基材と、YAGまたはイットリアを主成分とする焼結体から成る耐食材3とが接合されていることから、耐食材3の厚みを200μm以上することができ、耐食材3の厚み200μm以上であれば、耐食材3の消耗に時間を要することから長期間の使用に供することが可能となる。
【0022】
互拡散層4は、セラミック基材成分耐食材成分および少なくともMgまたはSiの化合物を含有しており、MgまたはSiの化合物は、アルミナ質焼結体から成るセラミック基材2およYAGまたはイットリアを主成分とする焼結体から成る耐食材3とのなじみがよく、接合性が極めていことから、相互拡散層4を介してセラミック基材2と耐食材3とを強固に接合することが可能となり、これによって半導体製造装置等への取付け時もしくは洗浄時等のハンドリング時に耐食性部材1に衝撃が加わったとしても耐食材3がセラミック基材2より剥離することはなく、耐食性部材1を常に安定して使用することができる。
【0023】
さら、相互拡散層4に含有されるMgやSiの化合物としては、例えば、MgAl SiO であり、MgAl SiO は、アルミナ質焼結体から成るセラミック基材2とYAGやイットリアを主成分とする焼結体から成る耐食材3と接合性がいためセラミック基材2と耐食材3との接合がより一層強固となる。
【0024】
次に耐食性部材1の具体的な製造方法について説明する。
【0025】
ず、セラミック基材2耐食材3となる原料粉末を調する。
【0026】
(セラミック基材用原料の調
主成分としての酸化アルミニウムに、MgOSiO 0.01〜10量%含有させた原料粉末にワックスエマルジョン(ワックス+乳化剤)PVA(ポリビニルアルコール)PEG(ポリエチレングリコール)等の所望の有機バインダーを添加して混合した後、スプレードライにて造粒して原料を調する。
【0027】
(耐食材用原料の調
酸化アルミニウム粉末とイットリア粉末とを下式の割合で混合して1000〜1600℃で仮焼した後、これらを粉砕して平均粒子径0.6〜1.2μm、BET比表面積2〜5m/gのYAG粉末を作製する。
【0028】
A+B=1
0.365≦A≦0.385
0.615≦B≦0.635
A:イットリアのモル量
B:酸化アルミニウムのモル量
次に、このYAG粉末にPVA(ポリビニルアルコール)ワックスエマルジョン(ワックス+乳化剤)PEG(ポリエチレングリコール)等の所望の有機バインダーを添加して混合した後、スプレードライにて造粒して原料を調する。
【0029】
次に、上述の各原料を用いて金型プレス成形により所定の形状に成形する。この金型プレスによる成形は、まず金型プレス成形機内にセラミック基材用原料を充填した後に一定の圧力で押圧して、セラミック基材成形体を形成する。次に、このセラミック基材成形体上に耐食材用原料を充填した後に一定の圧力で押圧してセラミック基材成形体上に耐食材成形体を形成し、これによってセラミック基材成形体および耐食材成形体から成る複合成形体を得る。
【0030】
そして、この複合成形体を必要に応じて300〜600℃で脱脂し、しかる後、大気雰囲気中で約1500〜1750℃で焼成し、アルミナ質焼結体から成るセラミック基材2およびYAGを主成分とする焼結体から成る耐食材3形成されるとともに両者の界面にセラミック基材2成分,耐食材3成分および少なくともMgまたはSiの化合物を含有する相互拡散層4を介して接合された耐食性部材1が完成する。
【0031】
この場合、相互拡散層4に含有されるMgやSiの化合物が、MgAl SiO であれば、MgAl SiO は、アルミナ質焼結体から成るセラミック基材2とYAGを主成分とする焼結体から成る耐食材3と接合性がいためセラミック基材2と耐食材3との接合がより一層強固となる。
【0032】
特に、相互拡散層4にMgAl 含有されているときには、MgAl が相互拡散層4におけるアルミナ粒子の粒成長を抑制するので相互拡散層4の強度がり、同時にセラミック基材2と耐食材3との接合強度をより一層強固となすことが可能となる。従って、相互拡散層4はMgAl 含有するようにしておくことが好ましい。
【0033】
また、セラミック基材2であるアルミナ質焼結体は、MgOを1000〜70000質量ppm、SiOを400〜10000質量ppm含有することによって、セラミック基材2の表面に相互拡散層4を介して耐食材3を形成する際、相互拡散層4に適量のMgもしくはSiの化合物を生成しやすくなって、セラミック基材2と耐食材3とを強固に接合させることができる。
【0034】
なお、セラミック基材2であるアルミナ質焼結体は、一般に不可避不純物としてCaOが含有されており、CaOの含有量が4000量ppmを超えると、CaOが耐食材3へ極めて拡散しやすく相互拡散層4に低温で分解溶融しやすいCaOの化合物を形成し、これによってアルミナ質焼結体から成るセラミック基材2と耐食材3との界面にクラック等の欠陥が発生し、セラミック基材2より耐食材3が剥離してしまう危険性がある。従って、セラミック基材2であるアルミナ質焼結体に含有される不可避不純物としてのCaOの含有量は、4000量ppm以下とすることが好ましい。
【0035】
また、耐食性部材1を構成する耐食材3の厚みは耐食材用原料の充填量を調整することによって厚みを200μm以上とすることができ、耐食材3の厚みを200μm以上とすると、耐食材3の消耗に時間を要することから長期間の使用に供することが可能となる。
【0036】
さら、耐食材3はその厚みが30mmを超えると、耐食材用原料を焼成して焼結体から成る耐食材3を形成する際、耐食材用原料に含まれている有機バインダーを完全に脱脂するのが困難となって耐食材3の機械的強度を弱くしてしまう危険性がある。従って、耐食材3はその厚みを200μm〜30mmの範囲としておくのがい。
【0037】
かかる耐食性部材1は、半導体製造装置等の内壁材(チャンバー)マイクロ波導入窓フォーカスリング等に好適に使用することができる。例えば図2に示すようなエッチング装置においては、チャンバー5の中にハロゲン系腐食性ガスを注入し、周りに巻かれている誘導コイル9にRF電力を印してガスをプラズマ化し、下部電極7にも同様にRF電力を与えバイアスを発生させ、フォーカスリング6にてプラズマをウハー8近傍に集めて所望のエッチング加工なわれる。本装置にて発生したプラズマはチャンバー5やフォーカスリング6に接触するため、これらの部品は特に腐食を受けやすい。そこでチャンバー5やフォーカスリング6を本発明の耐食性部材1で形成することによって優れた耐食性を具備し、取付け時や洗浄時に欠けや割れ等が生じるのを防止することができる。
【0038】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更は可能であることは言うまでもない。
【0039】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
セラミック基材2用原料
主成分として平均粒径が1〜15μm、純度が95〜99量%の酸化アルミニウムに、酸化珪素(SiO)を200〜15000量ppmおよび酸化マグネシウム(MgO)を500〜90000量ppm添加し、有機バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA)ポリエチレングリコール(PEG)およびワックスエマルジョンをそれぞれ添加して混合した後、スプレードライにて造粒して原料を調製した
【0040】
耐食材用原料
主成分としてYAGおよびイットリアに、有機バインダーとしてPVAPEGおよびワックスエマルジョンを添加して混合した後、スプレードライにて造粒して各原料を調製した
【0041】
次に、金型プレス成形にてセラミック基材用原料および耐食材用原料を用いて順次成形し、各々直径が30mm、厚みが2mmのセラミック基材成形体上に耐食材成形体を形成した複合成形体を得
【0042】
次に、複合成形体を350℃で2時間脱脂した後、1500〜1750℃で5時間焼成してセラミック基材2および耐食材が表1に示す成分から成る各耐食性部材を製作した。
【0043】
また、従来例としてアルミナ質焼結体から成るセラミック基材(直径30mm、厚みが5mm)上に、YAGおよびイットリアを主成分とする耐食材を直径30mmみが1mmとなるように溶射によって形成した試料(試料No.22,23)を製作した。
【0044】
なお、各試料の耐食材の相対密度は次式で求めた。
【0045】
(焼結密度/理論密度)×100=相対密度(%)
さらに、相互拡散層については、試料を蛍光X線分析して含有成分を調査し、その後波長分散型X線マイクロアナライザー(EPMA)分析で、これらの含有成分をマッピングして、各成分の分布状態を観察した。相互拡散層の有無の判定は、セラミック基材成分,耐食材成分および少なくともMgまたはSiの化合物が、セラミック基材と耐食材接合界面において、確認できるものを相互拡散層とみなした。
【0046】
そして、各試料の接合状態を評価するため、各試料に熱サイクル(室温〜1400℃)を繰り返し印加し、熱サイクルの印加が20回未満において耐食材がセラミック基材より剥離したものは××、20〜30回未満で剥離したものを×、80〜90回で剥離したものを○、100回でも剥離しなかったものを◎とした。
【0047】
次いで、各試料の耐食性評価ため、各試料の耐食材をラップ加工により鏡面にするとともにRIE(Reactive Ion Etching)装置にセットしてClガス雰囲気下でプラズマ中に3時間曝し、その前後の耐食材の量の減少量から1分間当たりのエッチングレートを算出した。
【0048】
このエッチングレートの数値は、純度99.9量%の酸化アルミニウム質焼結体を基準試料とし、そのエッチングレートを1としたときの相対比較した値を示した。
【0049】
評価結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004601160
【0051】
表1から明らかなように、セラミック基材と耐食材との接合界面に相互拡散層を有する試料No.1〜21の場合、セラミック基材に対しての耐食材の接合性が優れていることが分かる。
【0052】
そして、セラミック基材を形成するアルミナ質焼結体中のMgOの含有量が1000〜70000質量ppmであり、SiOの含有量が400〜10000質量ppmである試料No.2〜7,10〜13,16〜21は、セラミック基材と耐食材とは極めて強固に接合されており、熱サイクルが繰り返し印加されたとしても耐食材がセラミック基材より剥離することはなく長期間の使用に供することができる。
【0053】
また、本発明の実施例の試料耐食材の相対密度が98%以上で、且つエッチングレートが0.24(Å/min)以下であり極めて耐食性に優れていることから、耐食材の消耗が少なく長期間の使用に供することができる。
【0054】
これに対し、セラミック基材に耐食材を溶射で被着させた従来例(試料No.22,23)は、セラミック基材と耐食材の接合が弱く、熱サイクルの印加が20回未満で耐食材がセラミック基材より剥離してしまい長期間の使用に供することができないことが分かる。
【0055】
また、従来例(試料No.22,23)はエッチングレートが0.92(Å/min)以上で耐食性に劣り短期間に消耗してしまうことが分かった
【0056】
【発明の効果】
本発明の耐食性部材によれば、Alを主成分とし、少なくともMgO,SiOを含有し、MgOの含有量が1000〜70000質量ppmであり、SiO の含有量が400〜10000質量ppmであるアルミナ質焼結体から成るセラミック基材と、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)またはイットリアを主成分とする焼結体から成る耐食材とを、セラミック基材成形体上に耐食材成形体を形成した複合成形体を焼成することによって、セラミック基材成分,耐食材成分および少なくともMgまたはSiの化合物を含有する相互拡散層を介して接合したことから、セラミック基材と耐食材との接合が強固となり、半導体製造装置等への取付け時もしくは洗浄時等のハンドリング時に衝撃が加わったとしても耐食材がセラミック基材より剥離することはなく、耐食性部材を常に安定して使用することができる。
【0057】
ここで、本発明の耐食性部材、アルミナ質焼結体にMgOを1000〜70000質量ppm、SiOを400〜10000質量ppm含有していることにより、セラミック基材と耐食材との界面に形成される相互拡散層にセラミック基材と耐食材とを強固に接合させるMgまたはSiの化合物が生成しやすくなり、MgやSiの化合物は、アルミナ質焼結体から成るセラミック基材とYAGまたはイットリアを主成分とする焼結体から成る耐食材との接合性がよいことから、セラミック基材と耐食材とをより一層強固に接合することができるのである
【0058】
また、本発明の耐食性部材によれば、耐食材の相対密度98%以上であるときには、開気孔の存在がほとんどなくなって耐食性が極めて優れたものとなる。
【0059】
さらに、本発明の耐食性部材によれば、耐食材の厚み200μm以上であるときには、耐食材の消耗に時間を要することから長期間の使用に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の耐食性部材の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】 本発明の耐食性部材を備えたエッチング装置内部の概略図である。
【符号の説明】
1:耐食性部材
2:セラミック基材
3:耐食材
4:相互拡散層
5:チャンバー
6:フォーカスリング
7:下部電極
8:ウエハー
9:誘導コイル

Claims (3)

  1. Alを主成分とし、少なくともMgO,SiOを含有し、MgOの含有量が1000〜70000質量ppmであり、SiO の含有量が400〜10000質量ppmであるアルミナ質焼結体から成るセラミック基材と、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)またはイットリアを主成分とする焼結体から成る耐食材とを、セラミック基材成形体上に耐食材成形体を形成した複合成形体を焼成することによって、セラミック基材成分,耐食材成分および少なくともMgまたはSiの化合物を含有する相互拡散層を介して接合したことを特徴とする耐食性部材。
  2. 前記耐食材は、相対密度が98%以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性部材。
  3. 前記耐食材は、厚みが200μm以上であることを特徴とする請求項1または請求項に記載の耐食性部材。
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