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JP4699017B2 - エンジンのためのシステム - Google Patents

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Description

本発明は、路上走行中の車両の内燃機関における気筒グループの燃焼を休止するときの駆動系のねじれ振動を抑制するためのシステムに関し、より具体的には、上記ねじれを抑制するための休止気筒のバルブの開放及び閉鎖の使用に関する。
内燃機関は一般的に、エンジン気筒内での燃焼を実行することにより、エンジン出力トルクを発生する。具体的には、エンジンの各気筒が空気と燃料を吸引して、空気燃料混合気を燃焼させ、それにより、気筒内圧力を増大させて、エンジンのクランクシャフトをピストンを介して回転させるトルクを発生する。エンジンの燃料経済性を向上させる一つの方法に、選択された気筒グループを休止して、それにより、マニフォールド圧を高め、そして燃焼を実行する残りの気筒のポンプ仕事を低減する、ということがある。気筒休止は、選択された気筒の吸気弁と排気弁を機械的に休止させることにより、なすことが出来る。
本件発明者は、ここで、そのような取組みの問題を認識した。具体的には、気筒休止モードの間、燃焼を実行する気筒で発生されるトルクと、休止気筒のトルクとの間の不釣合いが、エンジンの振動とハーシュネス(harshness)を高めることがあり得る。そのような振動とハーシュネスは、車両ドライバーが認知することになり、運転フィーリングを低下させる可能性がある。
休止気筒が起こすエンジン・トルクの変動を低下させる取組みの一つが特許文献1に記載されている。特定気筒が気筒休止制御の下で休止されるこの方法において、各休止気筒の排気弁が、ピストンが上死点に至る前の一定期間開放される。排気弁の開放時期は、休止気筒内の圧力が排気弁が開く時点で大気圧以下となるように、設定される。排気弁の閉時期は、休止気筒内の圧力ピーク値が、作動気筒内のピーク圧力にほぼ等しくなるように、決定される。
米国特許第6332446号明細書
本件発明者は、特許文献1の取組みの不利な点を認識した。具体的には、この取組みにおける気筒休止に用いられる方法は、休止気筒の排気弁を開閉するために余分な動力が用いられるので、燃料経済性を低下させる可能性がある。言い換えると、休止気筒の排気弁を開閉するためにエネルギーが用いられるが、その気筒は、エンジン回転を補助する正味トルクを実際には発生しない。そのようであるので、気筒休止により生じるトルク変動がドライバーにより認知されない場合であっても、休止気筒の排気弁を開閉するのにエネルギーが消費され、それにより、総合的なエンジン効率を低下させることになる。バルブの開閉に伴う電気的な損失に加えて、気筒内に閉じ込められた熱と質量の損失が非着火気筒内の圧力と温度の上昇のために増大するので、更なる燃料経済性の低下が生じる。それで、非点火気筒でのガス・サイクル損失に打勝つために、更なる燃料が着火気筒で消費される。最後に、バルブが大気圧よりも低い圧力下で開く場合、気筒内へ戻る排気の膨張ゆえに、休止気筒でのガス・サイクル損失を増大させることになるので、上記のような動作は更に燃料経済性を低下させる。
特許文献1に記載された取組みのまた別の不利な点は、オイル消費量の増大に関する。言い換えると、特許文献1の方法が休止気筒内の圧力が一定状態で大気圧よりも低くなることを要する場合、気筒内圧力もまた、一定状態でクランクケース圧力よりも低くなる。そのようであるので、クランクケース内の正圧がオイルを気筒内へ移送し、そのオイルが次に、燃焼中に燃焼して、エミッション性能を悪化させる。
上述の課題は、以下のシステムにより解決される。すなわち、そのシステムとは、それぞれが少なくとも一つずつ吸気弁と排気弁とを有する、少なくとも第1気筒と第2気筒とを持つエンジンのためのシステムであって、少なくとも上記第1気筒と第2気筒とが少なくともそれぞれの吸気弁と排気弁との両方を開閉して、空気を吸入し、吸入空気を噴射燃料と共に燃焼させ、そして燃焼ガス生成物を排出する第1モードで、上記エンジンを運転し、少なくとも、上記第1気筒と第2気筒との一方がその吸気弁と排気弁との両方を開閉して、空気を吸入し、吸入空気を噴射燃料と共に燃焼させ、そして燃焼ガス生成物を排出し、上記第1気筒と第2気筒との他方が、エンジンのサイクル中に、その吸気弁と排気弁との少なくとも一方を開閉しながら、少なくとも他方を閉じた状態に維持する第2モードで、上記エンジンを運転し、上記第1気筒と第2気筒との一方が、エンジンのサイクル中に、その吸気弁と排気弁との両方が閉じた状態で動作する第3モードで、上記エンジンを運転し、そして上記第1、第2及び第3モードを、運転状態に基づいて選択するように構成される制御器、を備え、上記制御器は、運転領域の低負荷側に上記第2又は第3モードで上記エンジンを運転する領域を有し、該領域内において該第2モードで該エンジンを運転する領域の方が該第3モードで該エンジンを運転する領域よりもエンジン速度の低速側にあるものである。
開弁状態での気筒休止と閉弁状態での気筒休止との両方を運転状態に応じて利用することにより、同時に高い燃料経済性を得ながら、エンジン振動を低減することが出来る。言い換えると、閉弁気筒休止が過剰な振動を生じ得る状態において、開弁気筒休止を利用することによって振動を低減することが可能である。同様に、上記振動が過剰ではない又はドライバーにより認知されないであろう状態においては、閉弁気筒休止を利用することによって、燃焼を実行しない気筒で弁開閉のためにエネルギーを消費することがなくなり燃料経済性の向上を得ることが可能である。
言い換えると、本件発明者は、運転フィーリングに関する顧客満足度を維持しながら、エンジン性能を全体的に最適化することができる。
本件発明は、V型8気筒、直列4気筒、直列6気筒、V型6気筒など、種々の形式のエンジンにおいて用いることができる。更に、例えば、電気機械作動バルブやカム機構などの機械作動バルブを用いることにより、種々のモードを設けることができる。
図1を参照すると、内燃機関(エンジン)10が示されている。エンジン10は、路上走行の乗用車又はトラックのエンジンである。エンジン10は、クランクシャフト13を介してトルク・コンバーターに結合されている。トルク・コンバーターは、タービン・シャフトを介して変速機に結合される。トルク・コンバーターは、締結、開放若しくは部分開放され得るバイパス・クラッチを持つ。クラッチが、開放又は部分開放されるとき、トルク・コンバーターがアンロック状態にあると言われる。タービン・シャフトはまた、変速機入力軸としても知られる。変速機は、複数の選択可能な有段変速段を持つ電子制御変速機である。変速機はまた、例えば最終変速比である種々の他の歯車を有する。変速機は、また車軸を介してタイアに結合される。タイアは、車両を路面に接触させる。
そのうちの一つが図1に示された複数の気筒を有する内燃機関10は、電子エンジン制御器12により制御される。エンジン10は、燃焼室30及び気筒壁32を、その中に配置されてクランクシャフト13に結合されるピストン36と共に含む。燃焼室30は、それぞれ吸気弁52と排気弁54とを介して吸気マニフォールド44及び排気マニフォールド48と連通する。排気酸素センサー16は、触媒コンバーター20の上流でエンジン10の排気マニフォールド48に結合される。一例において、コンバーター20は、理論空燃比回りでの動作中に排出物を変換するための三元触媒である。
図2(a)及び2(b)を参照してより詳細に後述されるように、吸気弁52と排気弁54の少なくとも一方、そして場合によっては両方が、装置210を介して電子制御される。
吸気マニフォールド44が、スロットル弁66を介してスロットル・ボディ64と連通する。スロットル弁66が、ETCドライバー69から信号を受ける電気モーター67により制御される。ETCドライバー69は、制御器12から制御信号DCを受ける。別の実施形態においては、スロットルが用いられることなく、空気量が吸気弁52と54のみを用いて制御される。更に、スロットル66が含まれる場合、吸排気弁52及び54が劣化したとき、又は補機駆動のため又は吸気騒音を低減するために負圧が望ましいとき、空気量を減少させるのに、スロットル66を用いることが出来る。
吸気マニフォールド44にはまた、制御器12からのパルス幅信号(fpw)に比例して燃料を供給するための燃料噴射弁68が結合されている。燃料が、燃料タンク、燃料ポンプ及び燃料レール(不図示)を含む通常の燃料システムにより、燃料噴射弁68へ供給される。
エンジン10は更に、制御器12に応答する点火プラグ92によって燃焼室30へ火花点火を行なうために通常のディストリビューターレスの点火システム88を含む。ここに記載の実施形態において、制御器12は、マイクロプロセッサー・ユニット102、入出力ポート104、この特定の例において電子プログラム可能メモリーである電子メモリー・チップ106、ランダム・アクセス・メモリー108及び通常のデータ・バスを含む、通常のマイクロコンピューターである。
制御器12は、エンジン10に結合されたセンサーからの各種信号を受け、そのような信号には、前述の信号に加えて、スロットル・ボディ64に結合された質量空気量センサー110からの吸入質量空気量の計測値(MAF)、冷却ジャケット114に結合された温度センサー112からのエンジン冷媒温度(ECT)、MAPセンサー129からのマニフォールド圧力の計測値、スロットル弁66に結合されたスロットル位置センサー117からのスロットル位置の計測値(TP)、トルク・センサー121からの変速機シャフト・トルク又はエンジン・シャフト・トルクの計測値、タービン・シャフトの速度を測るタービン速度センサー119からのタービン速度の計測値(Wt)(トルクコンバーターを備える場合、その出力である)及び、エンジン速度(N)と位置を表すクランクシャフト13に結合されたホール効果センサー118からのプロファイル点火ピックアップ信号(PIP)が含まれる。タービン速度は、車速と変速比とから求めても良い。
図1について続けると、アクセル・ペダル130が、ドライバーの足132と接続されているのが示されている。アクセル・ペダル位置(PP)が、ペダル位置センサー134により計測され、制御器12へと送られる。
電子制御スロットルが用いられない別の実施形態において、スロットル弁62をバイパスする空気量の制御を可能とするために、エア・バイパス・バルブ(不図示)を組み込むことが出来る。この代替実施形態において、エア・バイパス・バルブ(不図示)は、制御器12から制御信号(不図示)を受ける。
図2(a)及び2(b)を参照すると、カムレス(camless)エンジン10におけるバルブ212の全閉位置(図2(a)に示される)と全開位置(図2(b)に示される)との間での運動を制御するための装置210が示されている。装置210は、アッパー・コイル216とロア・コイル218を持つ電磁バルブ・アクチュエーター(electromagnetic valve actuator: EVA)214を含む。コイル216, 218は、バルブ212の運動を制御するために、アッパー・スプリング222及びロア・スプリング224の力に抗してアーマチュア220を電磁的に駆動する。
スイッチ型位置センサー228, 230及び232が設けられ、アーマチュア220がセンサー位置を通過したときに切換わるように、組み込まれる。スイッチ型センサーは、光学技術(例えばLEDや光電要素)に基き容易に製造することが出来、適切な非同期回路と組合わせれば、アーマチュアがセンサー位置を横切るときに、立ち上がりエッジを持つ信号を発生することになる、ということが予想される。更に、これらセンサーは、連続位置センサーと比較してコストが安くそして信頼性に富むことが、期待される。
制御器234(制御器12に組合わせることも、別個の制御器とすることも出来る)が、位置センサー228, 230及び232に結合され、そしてバルブ212の作動と着座を制御するためにアッパー・コイル216とロア・コイル218に結合される。
第1位置センサー228は、コイル216と218との間の中間位置辺りに配置され、第2位置センサー230はロア・コイル218の近くに配置され、そして、第3センサー232はアッパー・コイル216の近くに配置される。
電気駆動のエンジン・シリンダー・バルブを用いて車両燃料経済性を向上させる方法は種々あり、気筒休止が、エンジン・ポンプ損失と熱伝達損失を低減する方法の一つである。一例において、より効率的にエンジン出力要求を満たすように、複数の気筒の一部が休止され、残りの気筒が作動させられる。不幸なことに、気筒休止の使用は、振動ハーシュネスの増大を顧客が認識するかによって、一定の状態に制限される。気筒休止は、エンジンのねじり振動の周波数を大幅に低下させ、振幅を増大し、それで、通常のトルクコンバーター/フライホイール及びダンパー部品では、特にエンジン回転が低いとき、もはやトルク変動を許容可能なレベルまで適切にフィルター処理することが出来ない。例えば、典型的な休止制御において、2000 rpm未満でのエンジンねじれ振動が起こすNVH(ノイズ、振動そしてハーシュネス)が、顧客の運転フィーリングを低下させ得る。これは、市街地走行サイクルのかなりの割合の間で、全てのバルブが休止した気筒休止は、最適(若しくは顧客に許容可能)ではない場合がある、ということを意味する。
気筒休止に伴う別の問題は、オイル消費量の増大である。従来の休止方法において、エンジンのバルブは閉じられており、それで、気筒内に閉じ込められたガスは、ポリトロープ圧縮/膨張される。そのような期間にわたり、リング・パックを超えての熱伝達と質量損失が、最小気筒内圧力を大気圧未満にまで低下させる。運転サイクルのかなりの割合の間、休止気筒の気筒内圧力は、クランクケース圧力よりもかなり低くなる。これは、クランクケースから気筒内へのオイル移動量を増大させ、気筒が再起動されたときにそのオイルが燃焼する。
本発明は、上述の問題に対処するために、別の気筒休止方法を記載する。それは電子バルブ駆動に特に適している。というのが電子バルブ駆動は通常とは異なる吸排気現象が可能であるからである。しかしながら、例えば、カム・プロファイル切換機構が休止実行のために用いられるならば、標準的なカムシャフト型可変容積エンジンにも、本方法を適用することが出来る。この例において、NVHに関して問題の有る速度/負荷領域で最適にそれを打消し、燃料経済性を最適化させるようにプロファイルが設計される場合に、カム・プロファイル切換機構を選択することが出来る。
上述のように、気筒休止は、閉位置にあるポペット・バルブ(吸排気弁)を全て休止することにより、なすことが出来る。この方法は、非着火気筒での気体仕事損失を最小にするが、全体的な効率の観点からは必ずしも最も効率的ではない。システムの観点では、例えば、休止機構の損失が含まれ、それはバルブの全てを休止することにより得られる気体仕事の節約を上回る場合と上回らない場合とがある。また、休止方法は、エンジン出力トルク信号に対する大きな影響を持つ可能性があり、これは、一定のNVHに対する顧客の要求のもとで気筒休止を用いることの出来る運転状態の範囲に大きな影響を与える。
本発明は、同時に高い燃料経済性を維持しながら、エンジンのトルク特性を向上させ、そして潜在的なオイル消費量を低減するために、開弁気筒休止を(閉弁気筒休止と組合わせて)用いる。実施形態の一つにおいて、(触媒への望まれない空気流の通り抜けを防止するために)排気弁が休止され、吸気弁は、通常吸気行程中に開かれ、そして、通常は排気行程であった時期にも開かれる。この動作モードにより、望ましい場合に、非着火気筒を通過する正味空気流を無くすことが出来る。損失を低減して、エンジン負荷の関数としての望ましいトルク特性を得るために、正確な吸気弁の開閉時期が選択される。トルク特性は、正味のエンジン・トルク特性の低周波成分の振幅を最小化するように選択することが出来る。これは本質的に、エンジン・サイクルの半分の一方の間、気筒内圧力を吸気マニフォールド圧力近くに維持し、そして、エンジン・サイクルの半分の他方の間、圧縮と膨張トルク・レベルを増加させる。圧縮と膨張の過程は、エンジン・トルクの変動が滑らかになるように、自然に位相が合う(着火トルクが、非着火気筒内のガスを圧縮するように用いられ、続いて、膨張行程で回収される)。低負荷状態にあるV8エンジンの場合、エンジン・トルクの周波数成分と形状は、全着火のそれと、より似ている。別の例において、吸気弁が休止され、排気弁が通常の排気行程と、通常の吸気行程となるべき時期とで、開放される。この動作モードもまた、望ましい場合に、非着火気筒を通過する正味空気流を無くすことが出来る。正確な排気弁の開閉時期が、ポンプ損失を低減し、そしてエンジン負荷の関数として選択されたトルク特性を得る様に、選択される。排気弁開放制御は、気筒壁が過剰に冷却されるのを防止し、そして吸気マニフォールド内を加熱するのを避けるために、用いることが出来る(吸気加熱は、休止モードから作動モードへの切換え時の過渡燃料補正を困難にする可能性がある。吸気加熱はまた、吸気マニフォールドの有効圧力レベルが高い状態において、着火気筒にノッキングを起こす可能性がある。)。
望ましい場合に、吸気弁開制御は、排気弁開制御よりも僅かに良好な燃料経済性を得るのに用いることが出来る。言い換えると、吸気マニフォールドからの吸気の方が低温であるので、圧縮と膨張行程中の熱と質量伝達損失は、排気弁開放の場合よりも低い。
行程時期の調整も、過渡状態で、酸素及び/又は炭化水素が後処理システムへ通りぬけるのを防止するために用いることが出来る。上記の例においては、吸排気行程がポンプ仕事を低減するために通常とは異なる時期と期間を持つので、電子バルブ駆動(EVA)におけるような完全な自由度を持つバルブ・タイミングが、実施のための構成の一つとなるが、本発明は、休止モードに適したカム・プロファイルが用いられるならば、カム・プロファイル切換機構を用いて、実施することが出来る。
排気弁開放型(又は、吸気弁開放型)休止制御は、下死点(BDC)近くを中心とする短かい開放が行われるときに用いることが出来る、ということを記すべきである。ここで、回転ごとに圧縮と膨張がため、エンジン構成によっては、高負荷でのねじれ振動をより良く相殺し得る。しかしながら、より典型的な低回転低負荷状態のもとでは、圧縮と膨張の間の熱と質量の伝達損失は、排気(又は吸気)マニフォールドとの間のガス交換の間の損失よりも大きい。この実施形態ではまた、バルブ運動が多いほど損失が増大するので、より長期の開放制御(バルブが少なくともクランクシャフト1回転の間開放している)によって燃料消費量を低下させ、それで、燃料経済性向上のために用いることが出来る。
本発明は、従来の気筒休止制御に対して、いくつかの利点を持つ。すなわち
1. 気筒休止運転範囲を拡大して、燃料経済性を向上させることが出来る。
2. システム(例えば、トルク・コンバーター及びダンパー)の再構成を最小化することが出来るので、コストを最小化することが出来る。
3. 気筒内圧力が高いために、オイル消費量を低減することが出来る。
4. NVH性能が向上する。
5. 気筒内の冷却量が低減され、過渡燃料補正を単純化でき、そしてエミッション性能を向上させることができる。
基本的なVDE制御を、燃料経済性、エンジンねじれ振動及びオイル消費量の間のトレードオフを望ましいものとするために、適切なエンジン速度/負荷領域において、開弁型気筒休止を用いる様に、改良することが出来る。例えば、高いエンジン速度においては、エンジン着火周波数が高く、それで、許容できない駆動系振動を生じることなしに、完全な弁休止を用いることが出来る。これは、エンジンのポンプ損失が最小化されることになるので、燃料経済性を最適化することになる。低いエンジン回転数と負荷において、気筒休止による燃料経済性の向上を得ながら、振動を最小化するために、開弁休止が用いられることになる。開弁休止はまた、休止気筒内の圧力レベルを高め、オイル消費量を低下させるために、周期的に用いることも出来る。そのような取組みを、以下により詳細に述べる。
ここで図3を参照すると、エンジン運転モードとバルブ休止モードを選択するルーチンが記載されている。当業者には理解されるように、このフローチャートに記載のルーチン自体は、イベント・ドリブン、インターラプト・ドリブン、マルチ・タスキング、マルチ・スレッディングなど各種の処理法の一つ又は複数を表し得る。そうであるので、記載された各種工程又は機能は、記載された順番で又は並列に実行することも、若しくは場合によっては省略することも出来る。同様に、記載された処理の順番は、本発明の特徴及び効果を得るために必ずしも必要とされないが、図示及び記載を容易にするために決められている。明白に図示されていないが、図示のステップや機能は、用いられる制御によっては、反復して実行しても良いことを、この分野の当業者であれば認識するであろう。更に、これらの図は、コンピューター読取可能記憶媒体の中にプログラムされるべきコードを視覚的に表わすものである。
最初にステップ310において、ルーチンは、例えば、エンジン速度、エンジン負荷(又はトルク)、排気温度、気筒温度/エンジン冷媒温度及び他の各種パラメーターを含むエンジン運転パラメーターを読取る。次にステップ312において、ルーチンは、休止すべき気筒数と、何れの気筒が休止されるべきかを、決定する。言い換えると、ルーチンは、異なる気筒グループを順に休止することも、気筒グループ内の異なる気筒を順に休止することも出来る。一例において、ルーチンは、後述の図14に示されるように、エンジン速度と負荷に基き、気筒休止を可能とすべきか否かを選択する。しかしながら、他の例においては、目標エンジン・トルクや、例えば、エンジン温度、気筒温度、エンジン冷媒温度、バッテリー電圧など各種条件に基くものとしても良い。
ステップ312に対する答えがYESのとき、ルーチンはステップ314へ進む。ステップ314において、ルーチンは、開弁気筒休止を用いるべきか、閉弁気筒休止を用いるべきかを決定する。図14に、一例の取組みが記載され、以下にそれを説明する。具体的には、開弁気筒休止又は閉弁気筒休止を可能とすべきか否かは、現在のエンジン速度及び負荷の閾値速度と負荷の値との比較に基づく。気筒休止の形式を決定するためには、例えば、目標エンジン・トルク及びエンジン速度、バッテリー温度など他のパラメーターを用いることも出来る。
ステップ314の結果がYESのとき、ルーチンはステップ316に進む。ステップ316において、吸気弁開放か排気弁開方のいずれが、開弁気筒休止中に用いられるべきであるかを判断する。具体的には、上述のように、休止気筒の吸気弁の開放又は休止気筒の排気弁の開放のいずれかを、エンジン・トルクの変動を抑えるために用いることが出来る。休止気筒の吸気弁の開放又は休止気筒の排気弁の開放のいずれを用いるべきかの判断は、各種エンジン運転状態に基づいても、休止気筒の吸気弁開放と排気弁開放との間で交互に選択することも出来る。吸気弁開放気筒休止が選択されるとき、ルーチンはステップ318へ進む。反対に、排気弁開方気筒休止が選択されるとき、ルーチンはステップ320へ進む。
休止気筒の吸気弁開放を用いるとき、排気弁は閉じたままとされることを記すべきである。反対に、休止気筒の排気弁開放を用いるとき、吸気弁は閉じたままとされる。一例において、弁開閉時期は、後処理装置性能、後処理装置温度などに影響する可能性のある、エンジンを通過する望ましくない正味空気流を無くすようにされる。エンジンを通過する正味空気流を調整することにより、排気システムの冷却や、冷間始動時に発熱反応を生成するために排気に酸素を供給する、といったいくつかの利点を提供することが可能である。
ステップ318において、エンジン負荷と望ましければ他の各種状態に基づき、吸気弁開放休止気筒の吸気弁開放及び/又は閉鎖時期を調整する。加えて、この吸気弁開放及び/又は閉鎖タイミングの調整は、燃焼実行中の動作気筒の燃料噴射量及び/又はバルブ・タイミングを介してエンジン出力を調整しながら、実行される。更に、(吸気弁が開放されるようにして)休止気筒への燃料噴射が停止される。吸気弁開放及び/又は閉鎖タイミングの調整量は、エンジン運転状態の範囲全体にわたりエンジン・トルクが釣合うように、エンジン運転状態に基づき選択される。具体的には、吸気弁開放及び/又は閉鎖時期の変更量が、エンジン運転パラメーターの範囲全体にわたり最適にエンジン・トルクを釣合わせるように、エンジン負荷の関数として、マップ化される。
同様に、ステップ320において、ルーチンは、エンジン負荷とに基づき、休止気筒の排気弁開放及び/又は閉鎖タイミングを調整する。更に、休止気筒の排気弁の開放及び/又は閉鎖時期の調整を実行しながら、動作気筒の燃料噴射弁及び/又はバルブ・タイミングの調整を通じて、エンジン出力が調整される。ステップ318におけるように、ルーチンは、エンジン運転パラメーターの範囲全体にわたりエンジン・トルクの釣合いを最適化する(それによりエンジン振動を最小にする)ように、エンジン運転状態(例えばエンジン負荷)の関数として、休止気筒の開弁及び/又は閉弁時期を調整する。
図3について続けると、ステップ314の結果がNOのとき、ルーチンはステップ322へ進み、動作気筒に燃焼を実行させる。更にステップ322においてルーチンは、選択された休止気筒を、吸排気弁両方が閉位置にある状態で動作させる。更にステップ322においてルーチンは、燃焼を実行する動作気筒における空気量及び/又は燃料噴射量を調整することにより、エンジン出力を調整する。
最後に、ステップ312の結果がNOのとき、ルーチンは、ステップ324へ進み、全ての気筒に燃焼を実行させる。
上述の動作は、吸気弁と排気弁を一つずつ持つ気筒についてのものであることを記すべきである。各気筒は、複数の吸気弁及び/又は複数の排気弁を持つことが出来る。更に、ルーチンは、一つの気筒内の対応する吸排気弁について全て同一の作動を実行することも、単純にその気筒の吸気弁の一つと排気弁の一つについて気筒休止制御を実行することも出来る。
ここで図4を参照すると、実施形態の一つによる一例としてのエンジン動作のタイミング・チャートが示されている。この図は、4気筒エンジンについて示し、ピストンの位置を、上死点をTそして下死点をBとして示している。星印は、気筒内の空気と燃料の着火を表す。更に、吸気弁(IN)又は排気弁(EX)のいずれかについてのバルブ・リフトが表されている。この図は、本発明における3つのモードを表している。最初に、全ての気筒が着火している。それから、図は、開弁気筒休止、具体的には排気弁開気筒休止の動作を示す。加えて、ルーチンは、エンジン・トルクの釣合いを向上するために、どのようにして、休止気筒の排気弁の開放と閉鎖時期を調整することが出来るを示す。最後に、この図は、休止気筒が吸排気弁が閉じたままの状態で動作する気筒休止を示す。弁開放の気筒休止モードにおいて、1サイクル毎に吸気弁又は排気弁のいずれかを開放することは求められていないことを記すべきである。むしろ、例えば、排気弁を、気筒から漏れ出る排気を考慮して、数サイクルごとに開くように出来る。加えて、休止気筒で1サイクル毎にバルブが開かれないとき、ルーチンは、エンジン・トルクの不釣合いを縮小するように排気弁の開時期及び/又は閉時期の新たな目標値が要求されるように、エンジン運転状態が大きく変化した特定のサイクルにおいて排気弁が開かれることを要求することが出来る。
ここで図5乃至8を参照すると、V8エンジンのエンジン動作を示すフローチャートが各動作モードで示されている。このエンジンは、1-5-4-2-6-3-7-8の点火順序を持つ。縦の線は、上死点と下死点を表し、符号I, C, P及びEはそれぞれ、通常動作における、吸気、圧縮、膨張及び排気行程となるものを表す。吸排気弁の開時期はそれぞれ、実線と点線で示されている。
ここで図5を参照すると、V8エンジンの2気筒についてのタイミング・チャートが示されており、休止気筒の全部のバルブの休止が用いられている。最初に1番気筒及び5番気筒がV8動作モードで動作しており、点火を表す星印により示されるように、両気筒が着火している。エンジンが4気筒モードへ移行して、5番気筒の排気行程が終了すると、燃料噴射及び点火が休止され、吸気弁と排気弁の両方が続く数サイクルの間、閉じたままとされる。2, 3及び8番気筒(不図示)もまた、休止される一方、1, 4, 6及び7番気筒は着火し続ける。全V8モードが望まれるとき、5番気筒(そして2, 3及び8番気筒)が図に示されるように再起動される。本明細書の背景技術で述べたように、図5におけるような取組みは、着火気筒と非着火気筒との間のトルクの不釣合いが、騒音、振動及び/又はハーシュネスを増大させ得る、という不利を伴う。
図6は、吸気弁が閉じられ、排気弁は開放され続け、トルクの相殺と内部充填のために気筒内圧力を高める、気筒休止制御を示している。具体的には、これは、長期排気弁開型気筒休止の一例を示している。ここで、エンジンは最初にV8モードで動作する。4気筒モードへ移行するために、5番気筒の排気弁が吸気行程の間も開いたままになり、それから、目標圧力レベルになるように、BDCを過ぎたところで閉じる(2, 3及び8番気筒も同様)。4気筒モードの間、燃料噴射と点火は、吸気弁と共に休止される。更に、その期間は、矢印410により示されるように、望ましいならば、負荷の関数として、休止気筒における圧力レベルを設定するように、調整することが出来る。
図7は、吸気弁が開閉する一方、排気弁は閉じたままの、気筒休止制御を示している。これは、長期吸気弁開型気筒休止の一例として示されている。図6のそれと同様の態様で、過渡状態が示されている。更に、その期間は、望ましいならば、矢印420により表されるように、負荷の関数として、休止気筒における圧力レベルを設定するように、調整することが出来る。
図8は、排気弁が下死点に先立ち開放し下死点の少し後に閉じる、短期排気弁開型気筒休止の一例を示す。ここで、その開放は、気筒からの漏れ、熱伝達及び負荷変化に応じた間欠的なものとすることが出来る。なお、吸気弁は閉じられる。また、矢印430により示されるように、負荷の関数として、休止気筒における圧力を設定するために、その期間を調整することが可能である。バルブは、負荷、気筒漏れ量及び熱損失率などに基き、目標圧力レベルを設定するように、間欠的に開放することが出来る、ということを記すべきである。
本発明の特徴の更なる例を、VDE動作の各モードの気筒内圧力とその後のクランクシャフト出力トルクを比較することにより、示すことが出来る。図9は、1000 rpmそして1.5 bar BMEP負荷で動作中のV-8エンジンについての図示エンジン出力トルクの推定値を示す。通常動作(全気筒着火)が、4気筒モードで動作するように半分の気筒が休止される気筒休止モードとともに示されている。図に示された図示トルクは、個々の気筒内圧力の推移、クランク・トレインの幾何学的配置及び質量パラメーターから単純に構成されたものである。サイクル・シミュレーション・モデル及びEVAエンジンにおいて計測されたデータの両方を、気筒内圧力データを得るために、用いることが出来る。
図9に示されるように、気筒休止は、全弁休止が用いられるならば、全気筒着火に対して、トルク信号の振幅(若しくは"AC"成分)を増大させる。対照的に、エンジン・サイクル中の適切な又は選択された時期に吸気弁又は排気弁が開かれる場合、非着火気筒の圧縮トルクが、通常着火のトルク出力をある程度オフセットし、そして、正の膨張トルクが、着火の間に生じるトルク差を満たす。これが、エンジン軽負荷で、信号の振幅を減じ、そして周波数を本質的に二倍にし、それで、ドライブ・サイクル全体での気筒休止のより積極的な使用を可能とする。より高い周波数は、駆動系のねじれダンパーとエンジン・マウントが、より効果的に、振動の伝達を抑制するのを可能とする。それで、非着火気筒へのエネルギーの貯蔵と放出とは、駆動系と車両構造物へ伝達されるねじり振動を低減するのに最適に位相が合わせられる。
図10は、全弁休止及び一部弁休止の両方について、休止気筒の気筒内圧力−容積線図を示す。ここに示されたシミュレーションは、吸気マニフォールド圧力が本質的に大気圧である、スロットル全開状態についてのものである。正味平均有効圧力(又はエンジン・サイクル中に実行されたガス仕事の容積で標準化された値)は、燃料経済性を低下させ得る寄生損失であり、線図中で囲まれた部分の面積により表される。開弁型気筒休止サイクルが高い損失を持つ一方、他の寄生損失と比較すれば、その損失は低く、それで、両方の場合において気筒休止は、大きな燃料節約効果を示す。気筒休止運転の範囲が開弁休止の優れたトルク特性のために広げられる場合、更なる燃料節約効果は、ガス仕事損失の増加を打消す以上のものとなり得る。事実、完全に自由なバルブ制御(例えばEVA)を用いるならば、エンジン高回転(ねじり振動の問題は比較的小さい)での全弁休止と低回転(流量損失が比較的小さい)での開弁休止との間で、エンジン制御を切換えることが出来る。
図11は、正味エンジン負荷が0.7 bar BMEPに減じられた場合のトルク線図を示す。ここでは、全弁休止が用いられるときは同様の傾向があり、その結果は、振幅が大きい低周波数トルク出力となる。図10に示されたバルブ・タイミング(吸気弁開IVOと吸気弁閉IVCとが下死点BDCで起きる)が休止気筒に用いられるとき、モータリング・トルク・ピークは実際、着火トルク・ピークを上回る。バルブがBDCの前又は後で閉じ、BDCの前で閉じるように、開弁時期と閉弁時期を調整することにより、トルクを、より一様な結果が出るように最適化することができる。これが図12に示され、それは、最適化された開弁時期と閉弁時期についてのより一様な振幅を表す。この場合の圧力−容積線図が、閉弁時期が遅い場合について図13に示されている。
図14は、エンジン速度と負荷の関数としてのエンジンの異なる運転領域のいくつかの一例を概略的に示す。気筒休止により得られるトルク出力を要求トルク出力が越えると通常、全気筒が着火される。負荷を気筒の半分が休止された状態で得ることが出来、エンジン回転数が振動面での制約から求められる値RPMNVHを越えるとき、全てのバルブが休止された状態で気筒休止を用いることが出来る。エンジン速度がRPMNVHを下回ると、NVHを向上させ、低速低負荷領域で気筒休止を実行するために、上記開弁気筒休止が用いられる。
図15は、1250 rpmそして1.0 bar BMEPで動作中の8気筒EVAエンジンで計測されたトルク・データを示し、そこにおいて、開弁型気筒休止が閉弁型気筒休止と比較される。示されたトルクは、動力計の入力で計測されたもので、エンジン・フライホイールと出力軸ダンパー・システムの下流のものであって、クランクシャフトの出力トルクがある程度フィルター処理されている。トルク信号の振幅は、開弁気筒休止を用いることにより、約30 Nmから約10 Nmへとかなり減じられ、全気筒着火エンジンが発生するトルク振幅と同等である。
図16を参照すると、休止気筒についての開弁時期及び閉弁時期が、エンジン負荷の関数としてどのように変化するかをグラフが示している。
この図は、1250 rpmで動作中のV8エンジンについて、エンジン負荷の関数として、トルクの相殺を最適化するために用いられたバルブ・タイミングを示す。負荷が増大すると、開弁時期と閉弁時期とが下死点に近づく。これが、非着火気筒のための圧縮トルクを増大させ、より高い着火気筒のトルクをより良好に相殺する。それはまた、着火の間にトルク信号を満たすように、膨張トルクを増大する。
これで、本発明の説明を終える。それを読んだ当業者は、本発明の思想及び範囲から逸脱することなしに、多くの変更及び改良を想到するであろう。従って、本発明の範囲は、下記の請求項により規定されることが意図される。
本発明に関連する種々の構成部品を示すエンジンのブロック図である。 (a)バルブが全閉位置にある状態で示されたバルブ作動を制御する図1に示された装置の概略縦断面図である。(b)バルブが全開位置にある状態で示されたバルブ作動を制御する図1に示された装置の概略縦断面図である。 本発明で使用されるハイレベル・フローチャートである。 本発明の一例によるエンジン・バルブ動作を示すタイミング・チャートである。 本発明の一例によるエンジン・バルブ動作を示すタイミング・チャートである。 本発明の一例によるエンジン・バルブ動作を示すタイミング・チャートである。 本発明の一例によるエンジン・バルブ動作を示すタイミング・チャートである。 本発明の一例によるエンジン・バルブ動作を示すタイミング・チャートである。 実験及びシミュレーション・データを示す図である。 実験及びシミュレーション・データを示す図である。 実験及びシミュレーション・データを示す図である。 実験及びシミュレーション・データを示す図である。 実験及びシミュレーション・データを示す図である。 本発明の実施形態の1つの動作モードを表すグラフである。 実験及びシミュレーション・データを示す図である。 実験及びシミュレーション・データを示す図である。
10 エンジン
12 電子エンジン制御器(制御器)
30 燃焼室(気筒)
32 気筒壁(気筒)
36 ピストン(気筒)
52 吸気弁
54 排気弁

Claims (17)

  1. それぞれが少なくとも一つずつ吸気弁と排気弁とを有する、少なくとも第1気筒と第2気筒とを持つエンジンのためのシステムであって、
    少なくとも上記第1気筒と第2気筒とが少なくともそれぞれの吸気弁と排気弁との両方を開閉して、空気を吸入し、吸入空気を噴射燃料と共に燃焼させ、そして燃焼ガス生成物を排出する第1モードで、上記エンジンを運転し、
    少なくとも、上記第1気筒と第2気筒との一方がその吸気弁と排気弁との両方を開閉して、空気を吸入し、吸入空気を噴射燃料と共に燃焼させ、そして燃焼ガス生成物を排出し、上記第1気筒と第2気筒との他方が、エンジンのサイクル中に、少なくとも、その吸気弁と排気弁との一方を開閉しながら、他方を閉じた状態に維持する第2モードで、上記エンジンを運転し、
    上記第1気筒と第2気筒との一方が、エンジンのサイクル中に、その吸気弁と排気弁との両方が閉じた状態で動作する第3モードで、上記エンジンを運転し、そして
    上記第1、第2及び第3モードを、運転状態に基づいて選択するように構成される制御器、を備え、
    上記制御器は、運転領域の低負荷側に上記第2又は第3モードで上記エンジンを運転する領域を有し、該領域内において該第2モードで該エンジンを運転する領域の方が該第3モードで該エンジンを運転する領域よりもエンジン速度の低速側にあるシステム。
  2. 上記制御器は、上記第2モードでは、上記第1気筒と第2気筒とのうち上記吸気弁及び排気弁の一方を開閉しながら、他方を閉じた状態に維持する気筒において、該吸気弁と排気弁との何れを停止させるのかを、エンジン運転状態に基づいて選択する請求項1に記載のシステム。
  3. 上記第1気筒と第2気筒との両方が、噴射燃料なしに空気を吸入するように、それぞれの吸気弁と排気弁との両方を開閉する第4モード、を提供するように上記制御器が更に構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 上記第3モードの間、上記第1と第2気筒との他方に、空気を吸入し、空気を噴射燃料と共に燃焼し、そして燃焼ガス生成物を排出するように、それの吸気弁と排気弁の両方を開閉動作させるように、上記制御器が更に構成される、請求項1〜3のいずれか1つに記載のシステム。
  5. 上記制御器は、上記第1、第2及び第3モードをさらにエンジン負荷に基づいて選択する、請求項1に記載のシステム。
  6. 上記制御器が更に、休止気筒への燃料噴射を停止させるように構成される、請求項1〜5のいずれか1つに記載のシステム。
  7. 上記第2モードにおいて、上記吸気弁を閉じたままで、その排気弁の開閉時期をエンジン負荷と速度に基づいて調整するように、上記制御器が更に構成される、請求項1〜6のいずれか1つに記載のシステム。
  8. 選択された状態でのオイル消費を低減するために休止気筒内の圧力をクランクケース圧力よりも高く維持するように、上記制御器が更に構成される、請求項1〜7のいずれか1つに記載のシステム。
  9. 上記第2モードの間、上記第1と第2気筒との他方が、少なくとも一つの吸気弁を閉じた状態に維持しながら少なくとも一つの排気弁を開閉する、請求項1〜8のいずれか1つに記載のシステム。
  10. 上記第2モードの間、上記第1及び第2気筒の他方が、少なくとも一つの排気弁を閉じた状態に維持しながら少なくとも一つの吸気弁を開閉する、請求項1〜8のいずれか1つに記載のシステム。
  11. それぞれが少なくとも一つずつ吸気弁と排気弁を有する、少なくとも第1気筒と第2気筒とを持つエンジンのためのシステムであって、
    少なくとも上記第1気筒と第2気筒とが少なくともそれぞれの吸気弁と排気弁との両方を開閉して、空気を吸入し、吸入空気を噴射燃料と共に燃焼させ、そして燃焼ガス生成物を排出する第1モードで、上記エンジンを運転し、
    少なくとも、上記第1気筒と第2気筒との一方がその吸気弁と排気弁との両方を開閉して、空気を吸入し、吸入空気を噴射燃料と共に燃焼させ、そして燃焼ガス生成物を排出し、上記第1気筒と第2気筒との他方が、エンジンのサイクル中に、少なくともその排気弁を開閉しながら、少なくともその吸気弁を閉じた状態に維持する第2モードで、上記エンジンを運転し、
    上記第1気筒と第2気筒との一方が、エンジンのサイクル中に、その吸気弁と排気弁との両方が閉じた状態で動作する第3モードで、上記エンジンを運転し、そして
    上記第1、第2及び第3モードを、運転状態に基づいて、選択するように構成された制御器、を備え、
    上記制御器は、運転領域の低負荷側に上記第2又は第3モードで上記エンジンを運転する領域を有し、該領域内において該第2モードで該エンジンを運転する領域の方が該第3モードで該エンジンを運転する領域よりもエンジン速度の低速側にあるシステム。
  12. 上記第1気筒と第2気筒との両方が、噴射燃料なしに空気を吸入するように、それぞれの吸気弁と排気弁との両方を開閉する第4モード、を提供するように上記制御器が更に構成される、請求項11に記載のシステム。
  13. 上記第3モードの間、上記第1と第2気筒との他方に、空気を吸入し、空気を噴射燃料と共に燃焼し、そして燃焼ガス生成物を排出するように、それの吸気弁と排気弁の両方を開閉動作させるように、上記制御器が更に構成される、請求項11又は12に記載のシステム。
  14. 上記制御器は、上記第1、第2及び第3モードをさらにエンジン負荷に基づいて選択する、請求項11に記載のシステム。
  15. 上記制御器が更に、休止気筒への燃料噴射を停止させるように構成される、請求項11〜14のいずれか1つに記載のシステム。
  16. 上記第2モードにおける排気弁の開閉時期をエンジン負荷と速度に基づいて調整するように、上記制御器が更に構成される、請求項11〜15のいずれか1つに記載のシステム。
  17. 選択された状態でのオイル消費を低減するために休止気筒内の圧力をクランクケース圧力よりも高く維持するように、上記制御器が更に構成された、請求項11〜16のいずれか1つに記載のシステム。
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