JP4690055B2 - ファームウェア更新方法およびファームウェア更新システム - Google Patents
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Description
現在適用されているファームウェアと通信の互換性がない新しいファームウェアを装置に対して適用する場合、管理装置を基点として、更新作業を行うべき該当装置を経由したネットワークの先にファームウェア未更新の装置が存在しないことを確認する必要がある。未更新の装置が該当装置以遠にあるまま、該当装置のファームウェアを更新してしまうと、管理装置から未更新装置へ接続できなくなり、遠隔でファームウェア更新ができなくなるという問題点を有している。
ネットワーク上位基幹部分に接続されている管理装置は、ファームウェア更新対象エリア内のPLC装置に関するアドレスと管理装置からの距離の情報から接続トポロジの作成を行い、管理装置から遠い距離にあるPLC装置から順にファームウェアの更新を行うものである。
ネットワークの上位基幹部に設けられた管理装置は、管理装置に接続されるファームウェア更新対象エリア内の複数のPLC装置の事前情報から、管理装置に最も近い距離にあるPLC装置を始点とし、このPLC装置に接続される親ノード以外のノードをリスト化し、このリストの現ノードにつながるノードの有無を確かめるPLC装置接続確認処理を再帰的に実行して、ファームウェア更新対象エリア内の全てのPLC装置のアドレス情報と、管理装置から各PLC装置までの距離情報を収集することによって接続トポロジを作成するとともに、接続トポロジ上の遠いPLC装置からファームウェア更新処理を行うものである。
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1はこの実施の形態1によるマスタスレーブ方式のネットワークを形成するPLC装置のファームウェア更新システム100を示す図である。PLC装置はネットワークを介して伝送される情報を内蔵するファームウェアに基づき中継するものである。
管理装置50は後述するPLC装置1〜14で構成されるネットワークの上位基幹部分に接続される。基幹部分に接続されることで、ネットワーク上にあるPLC装置1〜14すべてに対して管理作業を可能としている。基幹部分に置かれるPLC装置1、2は高電圧線下での通信に対応した機器であり、高圧線を通して、各地の変電所経由で低圧対応PLC装置3に接続される。PLC装置5、6は柱上電線等を介して、一般家庭に配置される宅内PLC装置7〜11が接続される。オフィス、工場では施設内の電灯線を介してさらに複数のPLC装置4、12〜14が接続されている。尚、図1の点線枠内に示されてたエリア110にファームウェア更新対象のPLC装置が設置されている。
ファームウェア更新は基幹部分に配置される任意のPLC装置以下をファームウェア更新を行うべき装置群のまとまりとして扱う。この実施の形態1の場合、図1に示すファームウェア更新対象エリア110内のPLC装置2に接続されるPLC装置群3〜14を更新対象エリアとしている。
図2にファームウェア更新の処理フローを示す。以下、フローに従って説明する。
ST1において管理装置50はファームウェア更新作業を行うにあたって、ST2で対象エリア110内のPLC装置2〜14から相互接続情報を収集し接続トポロジを作成する。その詳細は後述する。
情報の収集はグループ内すべてのPLC装置について行う。PLC装置は通常の通信を中継する前に、電灯線を介して直接接続される装置を確認することで通信路を確保する仕様となっている。この為、あるPLC装置内の情報を取得すれば、そこに接続されるPLC装置についての情報がそのまま得られる。よって、PLC装置2を始点として、接続情報を元に自身に接続されるPLC装置を辿っていくことでグループ内のPLC装置を網羅することができる。装置から別の装置へ辿る際に、PLC装置から得られる情報とは別に、管理装置50からその装置までに経由したPLC装置の数を併せて記録する。この経由数を管理装置50からの「距離」と呼ぶ。例えば、図1中のPLC装置6は、PLC装置1、2、3、5を経由するため、距離は4となる。
ST3で前記管理装置50から遠いPLC装置からファームウェア更新処理順番を決定する。
ST4でファームウェアを更新し、ST5で更新終了となる。なおその後、接続確認がなされるが、その説明は省略する。
図3は管理装置50がPLC装置2〜14の接続トポロジを作成する際の処理フローを示す。処理フローは情報取得されるPLC装置から再帰的に適用されていき、その上位への接続以外の接続情報が無くなったら、そのPLC装置のアドレス、距離が記録される。その後、処理フローを再開するということを再帰的に繰り返す。
図1に示したような接続構成のとき、図3のフローに従うと以下のような処理となる。ST1で管理装置50が接続トポロジ作成を行うためPLC装置接続確認を開始する。前記管理装置50は、ファームウェアを更新する必要のあるエリア内の複数のPLC装置に関する事前情報から、管理装置50に最も近い距離にあるPLC装置を接続トポロジ作成上の始点とする。ST2で始点はPLC装置2であるから、現ノードCをPLC装置2と置く。そして現ノードCに接続される親ノードP以外のノードLをリスト化する。すなわちこの実施の形態1ではPLC装置2に接続される装置は、PLC装置1とPLC装置3であるが、PLC装置1はPLC装置2にとって上位装置(親ノード)となり、対象外になる為、現ノードCに接続されるノードLとしては、接続リストに残るのはPLC装置3のみとなる。
よって、管理装置50が接続情報であるアドレスと距離を取得する(ST7が実施される)順番は、PLC装置12→PLC装置13→PLC装置14→PLC装置10→PLC装置11→PLC装置6→・・・というようになる。
収集した情報から管理装置50は、図4に示すようなツリー状の接続トポロジ図を内部で作成する。
図4に示すように管理装置50を基点として、PLC装置2以下に接続されるPLC装置の相互接続情報を元に作成されている。すべてのPLC装置は、上位に位置する装置と1対1で接続される。
このように、この実施の形態1によるファームウェア更新は、管理装置から遠いPLC装置から処理を行うので、装置間の接続が損なわれることなく、ファームウェア更新が漏れなく行うことができる。
上記実施の形態1で作成されたトポロジから同じ距離の更新対象装置間では、個々の更新作業中においても他の装置の更新による影響が無いことが保障される。図5は同距離のPLC装置、例えば距離3のPLC装置4とPLC装置5をグループ化した図である。このようにトポロジを作成することによって明確となった同一距離を有するPLC装置をグループ化して、図6の処理フローのように更新作業を同時並行に実行することで、更新作業にかかる時間を短縮できることを図8に示す。
図8は、前記実施の形態1とこの実施の形態2および後述の実施の形態3において、PLC装置5〜PLC装置11を例として、ファームウェア転送、更新処理、接続確認に必要とする作業時間の比較を示している。図8に示すように、実施の形態1に比較し、この実施の形態2のファームウェア転送、更新処理に要する時間が短縮され、さらに接続確認とを合わせた作業時間が大幅に短縮可能となる。
ファームウェア更新処理は、新ファームウェア転送、更新処理、接続確認の3ステップで行われる。このステップのうち、この実施の形態3では前述した実施の形態2の同距離の装置を同一グループすることに加えてファームウェア転送のみを各PLC装置に対して先に行うようにする。ファームウェア転送だけでは、PLC装置間の接続には影響しない為、作業順番に関わらず可能な限り並行して実行する。すべての転送が完了したら、ファームウェアを更新する処理命令を更新順番に基づいて連続して発行する。処理フローを図7に示す。これにより前述した図8に示す如くこの実施の形態3は、前記実施の形態1、2に比較して通信に影響を与える時間を最低限にして更新を実行できる。ここで、図8の実施の形態3の接続確認作業がPLC装置5〜PLC装置11へと、実施の形態1、2のそれとは逆になっているのは、この接続確認は上位PLC装置が仮に未接続の場合は、下位PLC装置は通信できない。従って、上位PLC装置→下位PLC装置の順となっている。尚、このファームウェア転送は、前記グループ化の有無にかかわらず実施してもよい。
この実施の形態4では、前述した実施の形態3に追加して、ファームウェア伝送完了後に発行されるファームウェア更新処理命令を、図9に示すように、任意に設定された時刻に発令する。このようにこの実施の形態4によると、ファームウェア更新作業が、例えば深夜等の利用者の少ない時間に実行できるという効果がある。
前記実施の形態1〜4では、ファームウェアを更新する場合を例として説明したが、これに限定されることなく、PLC装置のアドレスの変更や課金の変更等についてもこの発明は適用できることは言うまでもない。
110 ファームウェア更新対象エリア。
Claims (7)
- マスタスレーブ方式のネットワークを形成する複数のPLC装置のファームウェア更新方法であって、
前記ネットワーク上位基幹部分に接続されている管理装置は、ファームウェア更新対象エリア内の前記複数のPLC装置に関するアドレスと前記管理装置からの距離の情報から接続トポロジの作成を行い、前記管理装置から遠い距離にあるPLC装置から順にファームウェアの更新を行うことを特徴とするファームウェア更新方法。 - 前記管理装置は接続トポロジを作成した後、前記管理装置から遠い距離にあるPLC装置にファームウェアの伝送処理、およびファームウェア更新処理を実行後、次の遠い距離にあるPLC装置へのファームウェア伝送処理およびファームウェア更新処理を遂次行うことを特徴とする請求項1に記載のファームウェア更新方法。
- 前記管理装置は接続トポロジを作成した後、ファームウェア更新を行うエリア内の全てのPLC装置にファームウェアの伝送処理を行い、前記管理装置から遠い距離にあるPLC装置から遂次ファームウェア更新処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のファームウェア更新方法。
- 前記接続トポロジは、前記管理装置からの距離が等しいPLC装置を同一のグループとなるよう作成され、前記同一グループ内のPLC装置のファームウェア更新処理が同時並行に実行されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のファームウェア更新方法。
- 前記ファームウェア更新処理は、任意に設定された時刻に実行されることを特徴とする請求項3に記載のファームウェア更新方法。
- 前記接続トポロジは、前記管理装置が次のステップによって前記複数のPLC装置のアドレスと前記管理装置からの距離の情報を取得して作成することを特徴とする請求項1に記載のファームウェア更新方法。
ステップ1.前記管理装置はファームウェア更新対象エリア内の前記PLC装置の事前情報から、前記管理装置に最も近い距離にあるPLC装置を接続トポロジの始点のPLC装置とすると共に、距離1のPLC装置として定め、該PLC装置に接続されるPLC装置の接続確認を行うステップ。
ステップ2.前記PLC装置の現ノードに接続される親ノード以外のノードをリスト化するステップ。
ステップ3.前記リストから、前記現ノードに接続ノードの有無を確かめるステップ。
ステップ4.前記ステップ3において、接続ノードが有りのとき、前記始点のPLC装置に相当する上位PLC装置に定められた距離にプラス1を設定するとともに、前記接続ノード有りのPLC装置のノードを現ノードとし、前記リスト中の残る接続ノードについて前記ステップ1〜ステップ3を再度適用したPLC装置接続確認の再帰的処理を実行するステップ。
ステップ5.ステップ4におけるリスト中にまだ残る接続ノードの有無を確かめ、前記現ノードに接続される接続ノードが有りのとき、前記ステップ4に進み、無しのときステップ8に進むステップ。
ステップ6.前記ステップ3において、接続ノード無しのとき、前記管理装置は前記現ノードを有するPLC装置のアドレスと距離を記録するステップ。
ステップ7.前記管理装置は、前記ステップ6で記録したPLC装置との間で部分的な接続トポロジを作成後、再び前記ステップ4に進むステップ。
ステップ8.前記ステップ5において、前記現ノードに接続される接続ノードが無しのときに、前記リストからノードを削除するステップ。 - マスタスレーブ方式のネットワークを形成する複数のPLC装置のファームウェア更新システムであって、前記PLC装置はネットワークを介して伝送される情報を前記ファームウェアを基に中継するものであり、
前記ネットワークの上位基幹部に設けられた管理装置は、該管理装置に接続されるファームウェア更新対象エリア内の前記複数のPLC装置の事前情報から、前記管理装置に最も近い距離にあるPLC装置を始点とし、該PLC装置に接続される親ノード以外のノードをリスト化し、このリストの現ノードにつながるノードの有無を確かめるPLC装置接続確認処理を再帰的に実行して、前記ファームウェア更新対象エリア内の全ての前記複数のPLC装置のアドレス情報と、前記管理装置から前記各PLC装置までの距離情報を収集することによって接続トポロジを作成するとともに、前記接続トポロジ上の前記管理装置からの距離の遠いPLC装置からファームウェア更新処理を行うことを特徴とするファームウェア更新システム。
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