JP4689428B2 - シートクッション - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明のシートクッションはポリウレタン発泡体よりなり、厚さが50〜60mmであって、共振周波数が4.0Hzを越え、5.0Hz以下であり、周波数2.0〜4.0Hzにおける共振倍率が4.0を越え、5.0以下である。シートクッションの厚さが50〜60mmであることから、従来の100mm以上の厚さに比べて十分に薄肉化され、それにより軽量化とスペースの節約を図ることができる。そのような薄肉のシートクッションであっても、共振周波数が4.0Hzを越え、5.0Hz以下に設定することで、人が不快と感ずる共振周波数(6Hz前後)を避けることができるとともに、共振倍率が4.0を越え、5.0以下に設定することで、共振を抑え、上下の揺れを抑えることができる。従って、シートクッションは、クッション感が良好で、底突き感を解消することができる。
本実施形態におけるシートクッションは、ポリウレタン発泡体(以下、単に発泡体ともいう)よりなり、厚さが50〜60mmのものである。係るポリウレタン発泡体としては軟質ポリウレタン発泡体が好ましく、該軟質ポリウレタン発泡体は一般にセル(気泡)が連通構造を有し、弾力性があり、かつ復元性のあるものをいう。シートクッションは車両用のシート等として使用される場合には、少なくとも着座部における厚さが50〜60mmであることが好ましい。シートクッションの厚さが50〜60mmという薄肉に形成されているため、シートクッションが軽量で、薄い分だけスペースが少なくて済む。
ポリオール類はポリエーテルポリオールとポリマーポリオールとにより構成される。ポリエーテルポリオールは、多価アルコールにアルキレンオキシドを付加重合させて得られる化合物のほか、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。多価アルコールとしては、グリセリン、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン等が用いられる。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が用いられる。
・ 本実施形態におけるシートクッションは薄肉のポリウレタン発泡体より形成され、共振周波数が4.0Hzを越え、5.0Hz以下に設定され、かつ周波数2.0〜4.0Hzにおける共振倍率が4.0を越え、5.0以下に設定されている。シートクッションの厚さが50〜60mmであることから、従来の100mm以上の厚さに比べて十分に薄肉化され、それにより軽量化とスペースの節約を図ることができる。そのような薄肉のシートクッションであっても、共振周波数が4.0Hzを越え、5.0Hz以下に設定することで、不快な共振周波数を回避することができ、かつ共振倍率が4.0を越え、5.0以下に設定することで、共振による揺れを規制することができる。従って、シートクッションは、クッション感が良好で、底突き感を解消することができる。その上、シートクッションの撓み感(ストローク感)が良く、耐久性(応力維持性)にも優れている。よって、シートクッションを自動車等の車両用のシート等、振動の伝達を低減するための部材として好適に用いることができる。
(実施例1〜9及び比較例1〜6)
まず、各実施例及び比較例で用いたポリウレタン発泡体の原料を以下に示す。
架橋剤1:ジエタノールアミン
架橋剤2:グリセリン
架橋剤3:トリメチロールプロパン系ポリオール、水酸基価920(mgKOH/g)、三井武田ケミカル(株)製、IR−94。
触媒2:第3級アミンとグリコールの混合物。
整泡剤:シリコーン整泡剤。
破泡剤:ポリオキシアルキレンポリオール、三井武田ケミカル(株)製、MF−19。
そして、表1及び表2に示す各成分の含有量でポリウレタン発泡体の原料を調製した。表1及び表2における各成分の含有量は、質量部を表す。ここで、比較例1では発泡体が硬くなり過ぎて共振倍率が5.0を上回る例、比較例2では発泡体が軟らかくなり過ぎて共振倍率が4.0以下で、かつ共振周波数が5.0を越える例を示す。比較例3では整泡剤の含有量が少なくなり過ぎて共振倍率が5.0を上回る例を示し、比較例4では整泡剤の含有量が多くなり過ぎて共振倍率が4.0以下となる例を示す。比較例5では破泡剤の含有量が多くなり過ぎて共振倍率が5.0を上回る例を示し、比較例6では破泡剤の含有量が少なくなり過ぎて共振倍率が4.0を下回る例を示す。
(測定方法)
見掛け密度(kg/m3):JIS K 7222:1999に準拠して測定した。
反発弾性率(%):JIS K 6400−3:2004に準拠して測定した。
振動特性
共振周波数(Hz):JASO B 408(自動車用シートのパッド材の性能試験方法)に準拠し、振動入力の振幅に対する振動出力の振幅の比が最も高くなる周波数としての共振周波数を算出した。
◎:クッション性が非常に良好である、○:クッション性が良好である、△:クッション性が強く、跳ね過ぎる、又はクッション性が不十分である。
◎:底に当たる感じが全くなく、非常に良好である、○:底に当たる感じがなく、良好である、△:底に当たる感じがして、不快である。
・ 振動特性として、振動伝達率等の範囲を規定することもできる。
・ ポリウレタン発泡体の特性として、通気性、硬度低下率等の範囲を規定することも可能である。
・ JIS K 6400に準拠して測定される反発弾性率が78%以上であることを特徴とする前記シートクッション。このように構成した場合、請求項1に係る発明の効果に加えて、薄肉のシートクッションについてクッション感を向上させることができる。
Claims (3)
- ポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤、触媒、架橋剤、整泡剤及び破泡剤を含有するポリウレタン発泡体の原料を反応させ、発泡及び硬化させて得られるポリウレタン発泡体よりなり、厚さが50〜60mmのシートクッションであって、
前記ポリオール類はポリエーテルポリオールとポリマーポリオールとにより構成され、前記ポリエーテルポリオールの含有量が前記ポリオール類中に45〜60質量%であり、前記ポリマーポリオールの含有量が前記ポリオール類中に55〜40質量%であり、
前記整泡剤はシリコーン系整泡剤であり、その含有量が前記ポリオール類100質量部当たり0.35〜0.45質量部であるとともに、前記破泡剤の含有量は前記ポリオール類100質量部当たり1.15〜1.45質量部であり、
前記シートクッションのJIS K 6400に準拠して測定される硬さが216〜245Nであり、共振周波数が4.2Hz以上、4.9Hz以下であり、周波数2.0〜4.0Hzにおける共振倍率が4.1以上、4.9以下であることを特徴とするシートクッション。 - JIS K 7222に準拠して測定される見掛け密度が35〜40kg/m3であることを特徴とする請求項1に記載のシートクッション。
- 前記ポリウレタン発泡体は、セルが連通した連通構造を有し、
前記ポリオール類の分子量は6500〜8000であり、前記ポリイソシアネート類のイソシアネート指数は98〜104であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシートクッション。
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