JP4683927B2 - 機能訓練装置 - Google Patents

Description

本出願は、2003年11月8日に米国出願した米国仮出願第60/425,181号に基づくものである。

本発明は一般的に、機能訓練装置に関し、特に、自主的に筋肉を伸縮することにより手足の運動を行うことができない人が使用する機能訓練装置に関する。

自らの手足の運動が制限された人にとって、正規の機能訓練は重要な利点をもつことは以前から知られている。このような人（脊髄の怪我、脳梗塞、多発性硬化症（MS）、筋ジストロフィー（MD）、または運動機能の（一時的または永久的な）障害をもたらす怪我または障害を被っている人）はまた、機能障害が、他の比較的影響のない体の部分の機能訓練にも顕著に悪い影響を与えることを理解している。

体の大部分の規則的な運動は、このような障害を受けた人を快適で、健康な満足の行く状態に促進することが必要であることを示している。そのようなことができないと、痛み、不健康、危険な結果がもたらされることになる。たとえば、動かないことにより、関節や腱が直ちに痛みだし、固くなる。長期間、使用するとなく、また十分な利用のない筋肉は萎縮することになる。血栓の形成が著しくなることが示されている。長期間、心臓血管システムが全体として悪化する。

対照的に、障害のある手足が規則的に機能訓練されると（理学療法士により手動で繰り返して伸長を受けると）、関節は柔軟になり、血液の循環は改善され、萎縮傾向は改善され、心臓は効果的に働き、患者は痛みや不快感を受けなくなる。このような機能訓練の利点は議論の余地のないところであるが、患者も補助者（療法士やボランティア）も、相当な時間と努力が必要となる。このような場合、身体障害をもった人の本当に効率的な機能訓練は、補助者の力やスタミナを顕著に消費する。

そのため、いくつかの機構および電気機械的装置が、身体障害をもった人に、さほど補助を受けることなく機能訓練をさせる実際の手段を提供するように設計されてきた。これらは利点はあるものの、これらの装置には限界がある。たとえば、特許文献１（ケネス・オー・リチャードソンによる「機能訓練装置」と題する米国特許明細書）には、手足を動かすことが困難な人の腕と足の機能訓練装置が開示されている。特許文献１に開示の機能訓練装置は効果的ではあるが、歩くときに達成されるのに比べて、足に動きを与えるものではない。
米国特許第4,773,399号明細書

本発明は、車いすを必要とする人のように、腰掛けた人の手足の機能訓練の装置を提供する。装置は、繰り返して、人の手足を伸ばし、足首を円を描くように回転させるものである。モータ駆動装置が、いろいろな運動を制御し、統合するように駆動軸に回転を与える。

本発明にしたがって、装置は伸長した回転可能な駆動シャフトを有する。駆動シャフトは、駆動シャフトの回転軸線からずれた二つの支持アーム（すなわちクランクアーム）を形成するように曲げられている。二つのペダルプレートが支持アームに、それぞれ回転可能に取り付けられている。好適には、支持アームは駆動シャフトの回転軸線に関して180度離れるように位置する。支持アームはまた、回転軸に関して或る角度、好適には5から25度の間、さらに好適には10から20度の間の角度で「傾斜（canted）」している。

この「傾斜」角度は、（人の足がペダルプレートに固定されたとき）ペダルプレートに円を描くように回転運動させるようにし、これにより人の足、足首は繰り返して、円を描くように回転運動を行う。

本発明にしたがって、ペダルプレートは支持アームに回転可能に取り付けられたブッシュに回動自在に取り付けられる。

好適に、本装置は、本装置の主要な要素を取り付けるフレームを有する。このフレームは、車いすをころがすことができるプラットフォーム部を含む。これに代えて、椅子、腰掛け、ベンチがプラットフォーム部に備えられてもよい。

本発明の他の態様にしたがって、一対の腕機能訓練部材が、装置のフレームに回動自在に取り付けられ、かつ駆動シャフトの連結され、その結果駆動シャフトが回転すると、クランクアームが揺動する。クランクアームは装置を使用する者により握られるハンドル部分を含む。

装置を使用する際、駆動シャフトが回転すると、使用者の腕、足が、足首の回転とともに、繰り返して伸長し、これにより歩いているときに体験するのと同様の広範囲な運動が実行される。

本発明のこれらおよび他の特徴は以下の記述および添付図面より明らかになろう。

図１、図２および図３に図示の機能訓練装置はフレーム12（これは一対のプラットフォーム14、16およびレール18から作られている）を有する。車いす22がプラットフォーム14、16の上に位置し、そこで適切な位置に配置され、車いすのブレーキ（図示せず）により固定される。車いす22は、椅子、腰掛け、ベンチで置き換えることができる。車いすに座る患者は、ペダルプレート28、30にある足ひも24、26により締め付けられ、患者の靴または足はペダルプレート28、30に固定される。

腕機能訓練部材32、34はレール18に、回動点36、38のところで、回動自在に連結されており、さらに一対のハンドル40、42を含む。腕機能訓練部材32、34は、一対のリンクアーム44、46（モータ駆動装置52により回転の軸線または中心線50を中心に回転するシャフト48と機能訓練部材50との間に連結されている。）を介して前後に揺動する。シャフト48は図２によく示されているように、レール18に取り付けられたシャフト支持部54、56により回転自在に支持されている。

図２、図３に示されているように、足ペダルプレート28、30はそれぞれフラットベース28a、30aを有し、その内側縁にそって側方足ガード28b，30bが、回転の際に足が足ペダル上に維持されるように上に伸長している。また、かかと支持部28c、30cにより、患者の足/靴がペダル28、30上に確実に位置し、ひも24、26で締め付けられる。一本のひもが各ペダル28、30に示されているが、本発明の思想、範囲内で、他のひもや足/靴を固定する締め付け具が設けられてもよい。

リンク44、46（腕機能訓練部材32および34にそれぞれ連結されている）は、シャフト48の、略Ｕ字形のベンド部分70、72に、ベアリング66、68により回転可能に取り付けられ、その結果シャフトは下述するように中心線50（シャフト48の回転軸線）を中心に回転すると、腕機能訓練部材32、34は回動点36、38を中心に、代わる代わる前後に移動する。

本発明は特に、駆動シャフト48の形状に関連する。駆動シャフトの両端48a、48bはブッシング74、76によりシャフト支持部54、56にそれぞれ回転可能に連結され、これにより駆動シャフト48はモータ駆動装置52により、回転軸線を中心に回転することができる。駆動シャフト48の端部48a、48bは略Ｕ字形のベンドへと続く。ベアリング66、68は上述にように、略Ｕ字形のベンド部に回転可能に取り付けられている。略Ｕ字形のベンド部70、72は、中心線50を中心として、互いに180度ずらされている。略Ｕ字形のベンド部70、72はＵ字形であるが、それぞれ中央部分70a、72a（共に中心線と平行）およびアーム部分70b、70c、72a、72b（シャフトの端部48a、48bおよび駆動シャフト48のペダル連結部80、82にアーム部分を連結するために、中心線50に関して所定の角度の範囲で上向きに伸長する）を有する。

ペダル連結部80は中央支持アーム80aおよび二つの側方アーム80bおよび80cを有する。同様に、ペダル連結部82は中央支持アーム82aおよび二つの側方アーム82bおよび82cを有する。側方アーム80bおよび82bは、略Ｕ字形ベンド部70および72の側方アーム70c、72bとそれぞれ結合する。連結部80および82の側方アーム70cおよび72bはそれぞれ、駆動シャフト48の中心線50でほぼ、互いに連結する。

本発明の主要な態様は、連結部80および82の支持アーム80aおよび82a、ならびに中心線50に関するそれらの位置に関する。すなわち、支持アーム80aおよび82aは中心線50に関して、それぞれbおよびaの角度で傾斜している。好適には、角度aおよびbは、支持アーム80aおよび82aが互いに平行となるように同一である。角度aおよびbは好適に、約5から25度の範囲で、より好適には10から20度の範囲である。また、支持アーム80a、82aは中心線50を中心として、互いに180度離れて位置している。支持アーム80aおよび82aの位置は、以下で詳説するように、本装置を取り扱う者に利点をもたらす中心線50に対し、対応する角度で、ペダル28および30を配置する。ペダル28、30のそれぞれは、ブッシング86、88により、シャフト48の支持アーム80a、82aに取り付けられている。図３において、ひとつのペダル（28）が示され、他のペダル（図２で符号30）は単純化のために省略されている。他のペダル（30）は図示の構造と同じ構造で、同じブッシングも有する。ブッシング86、88はシャフト48を貫通する円筒状穴を有し、その結果ペダル28および30はそれぞれ、ペダル連結部80および82の支持アーム80aおよび82aのところで自由に回転できる。任意であるが、ブッシング86、88は、必要に応じてシャフトに着脱できるように必要な手段により互いに止め付けられるいくつかの要素からなってもよい。

動作中、駆動シャフト48はモータ駆動装置50により所望の速度で回転し、これによりペダルは中心線50を中心として円を描くように回転する。中心線50に関して足ペダル28、30を配置する角度のために、足プレートに固定された患者の足は、足ペダルの中心線50に関して付けられた角度aおよびbのために、足と足首の回転運動とともに、前後に移動する。

図３に示されているように、足プレートが最も後方に位置するように駆動軸48が（中心線50を中心に）回転すると、足ペダル28の右側はその左側よりも後方へと向く。しかし、シャフト48が中心線50を中心に180度回転して、最も前方にくると、足プレート28の右側はその左側よりも前方へと向く。足プレート30（図３には示されていない）は同様の動きを受ける。このことは、駆動シャフト48が中心線50を中心に回転するとき、（足プレート28、30に足が縛り付けられた患者の）足と足首の回転をもたらす。

腕機能訓練部材に関連して同期した動きの利点は、歩行に同期した動きに似ており、これにより機動性が増し、筋肉が正常な状態になり、手足が動く範囲が維持される。さらに、この機能は脳を再教育して、脊髄および外傷性の頭部疾患をもつ人に対して、新たな神経経路を見出すことを支援する。本装置の他の利点は、血行不良、痙縮、関節のこわばり、筋萎縮およびはれた足首を改善することである。このことは、拘縮を改善し、車いすに長期間利用後に自由な動きをもたらすべく支援するために重要である。

図４および図５に示された他の実施例では、足ペダルがブッシング92（ブッシング86に対応）に回動自在に取り付けられ、その結果ブッシング92の上面に関して回動できる。たとえば、ボルト94が足プレートを貫通して取り付けられ、このことによりペダル90の表面を含む面において、さらに回動することができ、患者の足や足首の運動範囲がさらに増すことになる。

本発明は好適な実施例に関連して記述されてきたが、明細書、特許請求の範囲の記述、説明に基づき、当業者であれば同等の変更、修正をなすことできる。上記した要素（組立体、装置、回路など）により達成される種々の機能に関して、その要素を説明するために使用されている用語（手段も含む）は、本発明の例示において機能を達成する構成と構成上同等でないものでも、記述した要素の特定の機能を達成する要素（すなわち、機能的に同等なもの）にも対応するものである。さらに、本発明の特定の特徴がいくつかの実施例のひとつでもって記述されてはいるが、このような特徴は、望ましい他の実施例、特定の応用例に対して利点をもつ実施例のいくつかと組み合わせることができる。

図１は本発明の機能訓練装置の斜視図である。 図２は図１の機能訓練装置の拡大斜視図である。 図３は図１および図２の装置の、一部切り欠きした正面図である。 図４はブッシングに取り付けられたペダルプレートの他の実施例の斜視図である。 図５は図４のペダルプレートの、線5-5にそった断面図である。

Claims (3)

1. 人の足の機能訓練装置であって、
   人が腰掛ける椅子を支持するフレームと、
   該フレームに回転可能に支持されるシャフトと、
   シャフトの回転軸線を中心にシャフトを回転させるための駆動装置と、
   を含み、
   回転可能なシャフトは、第一および第二の足ペダルがそれぞれ回転自在に取り付けられる、間隔があけられた第一および第二の支持部を有してクランク形状をなし、
   各支持部は、シャフトの回転軸線に関して５度から２５度の間の角度で傾斜した支持アームを有し、各支持部の支持アームは互いに平行ではあるが、シャフトの回転軸線に関しては平行ではなく、
   回転軸線に関して傾斜した支持アームに回転自在に取り付けられる第一および第二の足ペダルのそれぞれはシャフトが回転軸線を中心に回転するとき人の足を前後に移動させるとともに、足および足首を回転運動させる、
   ところの機能訓練装置。
2. 支持アームの一方が、シャフトの回転軸線を中心とする回転に関して、支持アームの他方から180度離れて位置する、請求項１に記載の機能訓練装置。
3. さらに、一対の腕機能訓練部材により特徴付けられ、
   各腕機能訓練部材は、腕機能訓練部材の動きがシャフトの回転と同期して揺動するように、当該機能訓練装置のフレームに取り付けられ、シャフトに連結される、請求項１に記載の機能訓練装置。

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