JP4679808B2 - 位相差膜形成用組成物 - Google Patents
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Description
および特許文献2)。この反射防止膜は帯電防止性、耐擦傷性および透明性を向上させたものであり、膜の複屈折性については何ら開示されていない。
(A)長径と短径を有する形状異方性を示し、かつ長径方向の屈折率が長径方向と直交する方向の平均屈折率よりも大きく複屈折性を有する無機粒子と、
(B)該無機粒子(A)を固定化するための、硬化性化合物であるバインダーと
を含有する位相差膜形成用組成物であって、
該組成物から形成される位相差膜に膜面平行方向と膜厚方向との屈折率の差を生じさせ、該膜面平行方向の屈折率が膜厚方向の屈折率よりも大きいことを特徴としている。
該無機粒子(A)の長径方向の屈折率と長径方向と直交する方向の屈折率との差により、前記位相差膜に膜面平行方向と膜厚方向との屈折率の差を生じさせることが好ましい。また、前記位相差膜の膜面平行方向の屈折率と膜厚方向の屈折率との差は0.010以上であることが好ましい。
前記硬化性化合物は、(i)メラミン化合物、(ii)イソシアネート化合物、(iii
)アクリレート化合物、(iv)エポキシ化合物、または(v)加水分解性シラン化合物であることが好ましい。バインダー(B)の添加量は、無機粒子(A)100重量部に対して、1〜200重量部であることが好ましい。
前記位相差膜形成用組成物は、硬化開始剤(C)を含有することもできる。
本発明に係る位相差膜形成用組成物は、特定の無機粒子とバインダーとを含有する組成物であって、後述するような複屈折性を有する位相差膜を形成することができる。
本発明に用いられる無機粒子は、長径と短径を有する形状異方性を示し、かつ長径方向の屈折率が長径方向と直交する方向の平均屈折率よりも大きく、複屈折性を有する無機粒子(以下、「無機粒子(A)」という。)である。ここで、長径とは無機粒子(A)の最も長い径(以下、「a軸」ともいう)を意味し、短径とはa軸に垂直な軸のうち最も短い径(以下、「b軸」ともいう)を意味する。また、本明細書において、a軸とb軸の両軸に垂直な軸を「c軸」と定義する。
)と、a軸と直交する方向の屈折率の平均値(nr)との差(Δnp=na−nr)は、得られる位相差膜の膜面平行方向の屈折率と膜厚方向の屈折率との差が後述するような範囲となるものであれば特に限定されないが、通常0.010以上、好ましくは0.050以上、より好ましくは0.100以上、特に好ましくは0.200以上である。このΔnpが
上記範囲にあると、位相差膜の膜厚方向の屈折率を容易に調整することができ、膜面平行方向の屈折率と膜厚方向の屈折率との差を容易に制御することができる。
黄鉄鋼、黄銅鉱、辰砂、斑銅鋼、鶏簡石、石黄などの硫化鉱物類;
尖晶石(スピネル)、綱玉(コランダム)、赤鉄鋼、金紅石、金緑石、蛋白石などの酸化鉱物類;
水晶、紅石英、碧玉、玉髄などの石英類;
蛍石、氷晶石、岩塩などのハロゲン化鉱物類;
方解石、霰石、菱マンガン鉱、孔雀石、藍銅鉱などの炭酸塩鉱物類;
重晶石、天青石、石膏、硫酸鉛鉱などの硫酸塩鉱物;
トルコ石、バリッシャー石、燐灰石、ストレング石などの燐酸塩鉱物;
アダム鉱などの砒酸塩鉱物類;
橄纜石、石榴石、トパーズ、ジルコン、藍晶石、紅柱石、ダトー石、緑簾石、灰簾石、ベスブ石、緑柱石、電気石、翠銅鉱、菫青石、斧石、ベニ、ト石、透輝石、リチア輝石、ひすい輝石、透角閃石、リーベック閃石、バラ輝石、珪線石、滑石、珪孔雀石、白雲母、黒雲母、リチア雲母、ブドウ石、魚眼石、蛇紋石、青金石、方ソーダ石などの珪酸塩鉱物類;
カリ長石、斜長石、曹長石などの長石類;
方沸石、菱沸石、輝沸石、束沸石、ソーダ沸石、濁沸石などの沸石類;
タングステン酸塩鉱物;モリブデン鉱物;硼酸塩鉱物;バナジウム酸塩鉱物などが挙げられる。
、結晶系についても上記のような形状異方性と複屈折性を合わせもつ粒子であれば特に制限されず、三斜、単斜、斜方、稜面、正方、六方、立方のいずれでもよい。
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどの分子内に不飽和二重結合を有する化合物群;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどの分子内にエポキシ基を有する化合物類;
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの分子内にアミノ基を有する化合物類;
γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどの分子内にメルカプト基を有する化合物類;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどのアルキルシラン類;
テトラブトキシシチタン、テトラブトキシジルコニウム、テトライソプロポキシアルミニウムなどのカップリング剤が挙げられる。これらのカップリング剤は、1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
。
防止性能、機械的強度が不十分になることがある。
本発明に用いられるバインダー(B)は、前記無機粒子(A)を固定化できるものであって、可視光の吸収が少ないものが好ましい。具体的には、メラミン化合物、イソシアネート化合物、アクリレート化合物、エポキシ化物、加水分解性シラン化合物、およびこれらの単独重合体または共重合体、単独縮合体または共縮合体、水酸基含有重合体などが挙げられる。さらに、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリスチレン、後述するノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂、ポリエーテルスルホンなどの高分子化合物も用いることができる。これらは1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明に用いられるメラミン化合物は、分子内にメチロール基およびアルコキシ化メチル基、または前記置換基のうちのいずれか一方を2個以上有するメラミン化合物が最も好ましい。具体的には、ヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン化合物、ヘキサブチルエーテル化メチロールメラミン化合物、メチルブチル混合エーテル化メチロールメラミン化合物、メチルエーテル化メチロールメラミン化合物、ブチルエーテル化メチロールメラミン化合物などのメチル化メラミン化合物が挙げられる。
均一分散が比較的容易なポリビニルブチラール樹脂(変性ポリビニルブチラール樹脂を含む。)が最も好ましい。
本発明では、イソシアネート化合物は、水酸基含有重合体と反応することが可能なイソシアネート基を有しているものであれば特に制限されるものではない。前記水酸基含有重合体は、メラミン化合物と併用される水酸基含有重合体と同じ重合体を用いることができる。イソシアネート化合物の具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネ−ト、4,4’−ビフェニレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネ−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト、水添ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト、2,5(または2,6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどが挙げられる。これらのイソシアネート化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明に用いられるアクリレート化合物は、分子内に少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を有しているものであれば特に制限されるものではない。たとえば、単官能(メタ)アクリレート化合物、多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。これらのうち、多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく、位相差膜形成用組成物の反応性を向上させることができる。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート類;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類;
ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能(メタ)アクリレート化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリヒドロキシエチルトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;
イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌレートのポリ(メタ)アクリレート類;
トリシクロデカンジイルジメチルジ(メタ)アクリレート等のシクロアルカンのポリ(メタ)アクリレート類;
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とから得られる(メタ)アクリレート等のビスフェノールAの(メタ)アクリレート誘導体類;
3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロオクタンジ(メタ)アクリレート、3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−ジ(メタ)アクリロイルプロパン、N−n−プロピル−N−2,3−ジ(メタ)アクリロイルプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミド等の含フッ素(メタ)アクリレート類が挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレート化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる
。
本発明に用いられるエポキシ化合物は、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有しているものであれば特に制限されるものではない。たとえば、ビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、ハロゲン化エポキシ化合物等が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物などのノボラック型エポキシ化合物;
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシ化テトラベンジルアルコール、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ラクトン変性エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール、シクロヘキセンオキサイド、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテルなどの脂環式エポキシ化合物類;
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどの脂肪族エポキシ化合物;
臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテルなどのハロゲン化エポキシ化合物;
テトラグリシジルアミノフェニルメタンなどのグリシジルアミン型エポキシ化合物が挙げられる。
のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシ化アマニ油などが挙げられる。
本発明に用いられる加水分解性シラン化合物は、分子内に少なくとも一つの加水分解性基を有しているものであれば特に制限されるものではない。たとえば、特開平2000−1648等で例示した加水分解性シラン化合物、およびこの加水分解性シラン化合物の単独縮合物または共縮合物が挙げられる。また、加水分解性シラン化合物の縮合物は、、市販品を用いることができる。たとえば、KR282、KR155、KR211、Polon MF40、KC89、KC88(以上、信越シリコーン社製)として入手することができる。
本発明に係る位相差膜形成用組成物は、さらに硬化開始剤(C)を含有することが好ましい。硬化開始剤(C)を添加することによって、位相差膜を短時間で、かつ低エネルギーで形成させることができる。
本発明では、メラミン化合物の硬化、メラミン化合物と水酸基含有重合体の硬化、およびエポキシ化合物の硬化の際に熱酸発生剤を用いることが好ましい。熱酸発生剤の具体例としては、脂肪族スルホン酸、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸塩、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸塩、金属塩、リン酸エステル、などが挙げられる。これらの熱酸発生剤は1種単独で、また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、熱酸発生剤と同様、メラミン化合物の硬化、メラミン化合物と水酸基含有重合体の硬化の際、加えてエポキシ化合物、加水分解性シラン化合物、および加水分解性シラン化合物の縮合物の硬化の際に光酸発生剤を用いることも好ましい。光酸発生剤の具体例としては、(4−n−デシロキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムトリフルオロスルホネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメチルスルホネート、ジフェニルジスルホン、ジトシルジスルホン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(クロルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシリルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドメチルスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトシルスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドカンファースルホネート、コハク酸イミドフェニルスルホネート、コハク酸イミドトシルスルホネート、コハク酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、コハク酸イミドカンファースルホネート、フタル酸イミドトリフルオロスルホネート、シス−5−ノルボルネン−エンド−2,3−ジカルボン酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、ベンゾイントシラート、1,2−ジフェニル−2−ヒドロキシプロピルトシラート、1,2−ジ(4−メチルメルカプトフェニル)−2−ヒドロキシプロピルトシラート、ピロガロールメチルスルホネート、ピロガロールエチルスルホネート、2,6−ジニトロフェニルメチルトシラート、オルト−ニトロフェニルメチルトシラート、パラ−ニトロフェニルトシラートなどが挙げられる。これらの光酸発生剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
フェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートが最も好ましい。この場合、(4−n−デシロキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを用いることによって、硬化速度をより向上させることができる。
本発明では、アクリレート化合物を硬化させる際に光重合開始剤(光ラジカル発生剤)を用いることが好ましい。光重合開始剤(光ラジカル発生剤)の具体例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイルプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤(光ラジカル発生剤)は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、前記バインダー(B)を有機溶剤(D)に溶解して使用することが好まし
い。このような有機溶剤(D)は無機粒子(A)の分散安定性、バインダー(B)および硬化開始剤(C)の溶解性、塗布膜厚または塗布環境によって適宜決定することができる。具体的な有機溶剤(D)としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル基含有アルコール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のヒドロキシエステル類;アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸ブチル等のβ―ケトエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。これらの有機溶剤(D)は1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
本発明に係る位相差膜形成用組成物は、本発明の目的や効果を損なわない範囲において、光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、無機充填剤、顔料、染料等の添加剤をさらに含有させることができる。
本発明に係る位相差膜形成用組成物は、前記無機粒子(A)、バインダー(B)、および必要に応じて硬化開始剤(C)、有機溶剤(D)、その他添加剤を、室温または加熱条件下で、ミキサ、ニーダー、ボールミル、三本ロール等の混合機を用いて混合することによって調製することができる。加熱条件下で混合する場合には、バインダー(B)や硬化開始剤(C)などの反応や分解などの変質が起きない温度以下で行うことが好ましい。
本発明に係る位相差膜は、前記位相差膜形成用組成物を後述する基材などの支持体に塗布(コーティング)し、乾燥および/または硬化させることによって形成させることができる。
0.1〜5J/cm2、より好ましくは0.3〜3J/cm2である。露光量が上記下限未満になると硬化不良が生じることがあり、また、露光量が上記上限を超えると硬化時間が過度に長くなり基材が劣化することがある。
、通常0.010以上、好ましくは0.020以上、より好ましくは0.030以上である。Δnfが上記範囲にあると位相差膜は優れた複屈折性を示し、膜厚方向の透過光に位
相差(Retardation)を良好に発現させることができる。
る。
本発明に係る位相差膜は、上記位相差膜と後述する透明導電性膜とからなる位相差膜であってもよい。すなわち、少なくとも前記位相差膜の片面に透明導電層を積層することができる。
性膜との間に必要に応じて接着層およびアンカーコート層を形成してもよい。接着層は、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリブタジエン、フェノール樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱樹脂を用いて形成することができる。また、アンカーコート層は、エポキシジアクリレート、ウレタンジアクリレート、ポリエステルジアクリレート等のアクリルプレポリマーなど含むアンカーコート剤を用いて、公知の硬化手法、たとえばUV硬化や加熱硬化により硬化させて形成することができる。
本発明に係る位相差膜は、この膜上に反射防止膜を形成して使用してもよい。位相差膜と反射防止膜とを組み合わせて使用することによって、反射防止効果が得られ光の透過率が向上する。反射防止膜を形成するための組成物(以下、「反射防止膜形成用組成物」という)は、たとえば、水酸基を有する含フッ素共重合体と、水酸基と反応し得る官能基を有する硬化性化合物とを含有することが好ましく、さらに、熱酸発生剤および/または有機溶剤を含有することが望ましい。このとき、反射防止膜の屈折率は、位相差膜の膜厚方向の屈折率とそれに接する基材等の媒体の屈折率との積の平方根の値から±10%の範囲に好ましく調整され、さらに好ましくはこの平方根の値から±5%の範囲内に調整される。反射防止膜の屈折率を上記範囲に調整することにより、より一層、光の透過率を向上させることができる。
本発明に用いられる水酸基を有する含フッ素共重合体(以下、単に「含フッ素共重合体」という)は、分子内に水酸基を有する含フッ素共重合体であれば特に制限されず、好適に使用することができる。具体的には、フッ素原子を含有する単量体(以下、「単量体(I)」という)と、水酸基またはエポキシ基を含有する単量体(以下、「単量体(II)」
という)とを共重合して得ることができる。また、必要に応じて、単量体(I)および単
量体(II)以外のエチレン性不飽和単量体(以下、「単量体(III)」という)とを添加
することが好ましい。
ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、(フルオロアルキル)ビニルエーテル、(フルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ(アルコキシビニルエーテル)、フッ素含有(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これら単量体(I
)は1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
ないが、通常10〜99モル%、好ましくは15〜97モル%である。
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテ
ルなどが挙げられる。これら単量体(III)は1種単独で、または2種以上を組み合わせ
て使用することができる。
はないが、通常5〜45モル%、好ましくは10〜40モル%である。
本発明に用いられる水酸基と反応し得る官能基を有する硬化性化合物(以下、「反射防止膜用硬化性化合物」ともいう)としては、メラミン化合物、尿素化合物、グアナミン化合物、フェノール化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、多塩基酸などが挙げられる。これらの化合物は1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に用いられる熱酸発生剤は、反射防止膜形成用組成物の硬化反応が十分に進行するものであれば特に制限されないが、たとえば、位相差膜形成用組成物に用いられる熱酸発生剤と同じものが挙げられる。
射防止膜用硬化性化合物との合計量100重量部に対して、通常0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。熱酸発生剤の添加量が上記下限未満になると熱酸発生剤の添加効果が発現しないことがあり、また、熱酸発生剤の添加量が上記上限を超えると反射防止膜形成用組成物の保存安定性が低下することがある。
本発明に用いられる有機溶剤としては、位相差膜形成用組成物において用いられる有機溶剤(D)と同種の有機溶剤を使用することが好ましい。
本発明に係る位相差素子は前記位相差膜を有している。この位相差素子は、前記位相差膜形成用組成物を乾燥および/または硬化して得られた位相差膜を単体で使用して形成してもよく、また、基材上に前記位相差膜形成用組成物を塗布(コーティング)し、乾燥および/または硬化させた被膜(位相差膜)を使用して形成してもよい。
前記基材は、本発明の目的および効果を損なわない範囲であれば特に制限されず、所望の特性に応じて材質や形状を適宜選択することができる。たとえば、ガラスや石英等の透明な無機化合物、透明プラスチックのシートまたはフィルムが、基材として使用できる。また、レンズやプリズム形状の成形品を基材として使用してもよい。さらに、反射性の基材を用いることもできる。反射性の基材の上に前記位相差膜を形成すると反射光の位相差を制御することも可能となる。このような基材のうち、生産性を考慮すると一般的に光学用フィルムとして用いられる透明フィルムを基材として使用することが好ましい。
素子を用いることによって、液晶表示の位相差フィルムや視野角補償フィルムの利用分野において、優れた表示効果を得ることができる。上述した樹脂のうち、アクリル系樹脂やトリアセチルアセテート樹脂(TAC)などの比較的耐熱性に劣る樹脂からなる基材を使用する場合には、熱硬化よりも光硬化により位相差膜を形成することが好ましい。光硬化により位相差膜を形成することによって、耐熱性に劣る樹脂からなる基材であっても優れた表示効果を得ることができる。
(2)下記一般式(1)で表される多環式単量体と共重合性単量体との開環共重合体。
(3)上記(1)または(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体。
(4)上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体。
(5)下記一般式(1)で表される多環式単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体。
(6)下記一般式(1)で表される多環式単量体、ビニル系環状炭化水素単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体。
(7)下記一般式(1)で表される多環式単量体とアクリレートとの交互共重合体。
またはR4とは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正
の整数であり、pは0または正の整数である。)
〔開環(共)重合体〕
(多環式単量体)
上記多環式単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,
5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
くとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性を有する極性基を示し、mは0〜3の整数、pは0〜3の整数であり、より好ましくはm+p=0〜4、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくはm=1、p=0であるものである。m=1、p=0である前記多環式単量体は、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高く、かつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜12である。これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、(1)前記多環式単量体の開環重合体、および(2)前記多環式単量
体と共重合性単量体との開環共重合体を得るための開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下で行われる。
(a)W、MoおよびReを有する化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物(以下、化合物(a)という)と、
(b)デミングの周期律表IA族元素(たとえばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(たとえば、Mg、Caなど)、IIB族元素(たとえば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(たとえば、B、Alなど)、IVA族元素(たとえば、Si、Sn、Pbなど)、またはIVB族元素(たとえば、Ti、Zrなど)を有する化合物であって、この元素と炭素との結合またはこの元素と水素との結合を少なくとも1つ有する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、化合物(b)という)と
の組み合わせからなる触媒である。また、触媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)をさらに添加したものであってもよい。
26号公報第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。
開平1−132626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
開環重合反応において用いられる溶媒としては、たとえばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;クロロベンゼンなどのハロゲン化アリール化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができる。これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。このような溶媒は、分子量調節剤溶液を構成する溶媒、前記多環式単量体および/またはメ
タセシス触媒を溶解するための溶媒として用いられる。
得られる開環(共)重合体の分子量は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によって調節することも可能であるが、分子量調節剤を反応系に共存させることによっても調節することができる。
前記開環共重合体は、後述する開環共重合反応において、前記多環式単量体と共重合性単量体とを開環重合させて得ることができるが、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなど、主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下で多環式単量体を開環重合させてもよい。
前記開環共重合体の製造方法は、環状オレフィンについての公知の開環重合反応を用いることができ、前記多環式単量体と共重合性単量体とを、前記開環重合用触媒や重合反応用溶媒、必要に応じて前記分子量調節剤の存在下で、開環重合させることによって製造することができる。
上記の方法で得られる開環(共)重合体は、そのまま使用してもよいが、これに水素添加した水素添加(共)重合体として使用してもよい。この水素添加(共)重合体は耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
水素添加(共)重合体としては、上述のように上記開環(共)重合体に水素添加したものを使用してもよいが、上記開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体を使用することもできる。
l2O3、HCl、CH3ClCOOH、ゼオライト、活性白土、などのルイス酸、ブレン
ステッド酸が用いられる。環化された開環(共)重合体は、上記開環(共)重合体の水素添加反応と同様の方法により水素添加できる。
前記環状オレフィン系樹脂として、前記多環式単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体も使用できる。この飽和共重合体は、触媒を用いて通常の付加重合反応により得ることができる。
不飽和二重結合含有化合物としては、たとえばエチレン、プロピレン、ブテンなど、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のオレフィン系化合物を挙げることができる。
付加重合触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物と、助触媒としての有機アルミニウム化合物とが用いられる。
VO(OR)aXb、またはV(OR)cXd
(式中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。)
で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物が用いられる。
付加重合反応に使用される重合反応用溶媒は、開環重合反応に用いられる溶媒と同じものを使用することができる。また、得られる飽和共重合体の分子量の調節は、通常、水素を用いて行われる。
前記環状オレフィン系樹脂として、前記多環式単量体、ビニル系環状炭化水素単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体も使用できる。
ビニル系環状炭化水素単量体としては、たとえば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチルー4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体;4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタンなどのビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体;4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体;4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体;スチレン、α―メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体;d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン
、ジペンテンなどのテルペン系単量体;4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体;4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタンなどのビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。これらのうち、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
シクロペンタジエン系単量体としては、たとえばシクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらのうち、シクロペンタジエンが好ましい。これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記多環式単量体、ビニル系環状炭化水素単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加重合反応は、上述した飽和共重合体における付加重合反応と同様の方法により実施することができる。また、この付加型(共)重合体の水素添加(共)重合体は、上述した開環(共)重合体の水素添加(共)重合体と同様の水添方法により得ることができる。
環状オレフィン系樹脂として、前記多環式単量体とアクリレートとの交互共重合体も使用できる。ここで、「交互共重合体」とは、前記多環式単量体に由来する構造単位は、必ずアクリレートに由来する構造単位に隣接する構造を有する共重合体を意味する。ただし、アクリレート由来の構造単位同士が隣接する構造を否定するものではない。すなわち、アクリレート由来の構造単位同士は隣接してもよいが、前記多環式単量体に由来する構造単位同士は隣接しない構造を有する共重合体を意味する。
アクリレートとしては、たとえば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等の炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート;グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレート等の炭素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート;ベンジルアクリレート等の炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート;イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート等炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
前記多環式単量体とアクリレートとの交互共重合体は、ルイス酸存在下、前記多環式単量体とアクリレートとの合計量100モルに対して、通常、前記多環式単量体が30〜70モル、アクリレートが70〜30モルの割合で、好ましくは前記多環式単量体が40〜60モル、アクリレートが60〜40モル割合で、特に好ましくは前記多環式単量体が45〜55モル、アクリレートが55〜45モルの割合でラジカル重合することによって得ることができる。
g、さらに好ましくは0.3〜3dl/g、特に好ましくは0.4〜1.5dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)が20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000のものが好適である。固有粘度〔η〕inh、数平均分子量および重量平均分子量が上記範囲にあると、環状オレフィン系樹脂の耐
熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、この環状オレフィン系樹脂のフィルムを位相差素子の基材として使用したときの透過光の位相差の安定性とのバランスが良好となる。
CR)は、種々の文献(Polymer Journal,Vol.27,No.9,pp 943-950(1995);日本レオロジー学会誌,Vol.19, No.2, pp 93-97(1991);光弾性実験法,日刊工業新聞社,昭和50年第7版)に記載されており公知の事実であり、前者はポリマーがガラス状態での応力による位相差の発生程度を表すのに対し、後者は流動状態での応力による位相差の発生程度を表す。
または自らの凍結した歪みから発生した歪みから発生する応力などにおいて敏感に位相差を発生しやすくなってしまうことを表す。たとえば、温度変化や湿度変化などに伴う材料の収縮により発生する微小な応力によって、不必要な位相差を発生しやすいことを意味する。このことからできるだけ光弾性係数(CP)は小さい方がよい。
の発現性を付与する際に少ない延伸倍率で所望の位相差を得られるようになったり、大きな位相差を付与しうるフィルムを得やすくなったり、同じ位相差が必要な場合には応力光学係数(CR)が小さいものと比べてフィルムを薄肉化できるという大きなメリットがあ
る。
0-12Pa-1)、より好ましくは0〜30(×10-12Pa-1)、最も好ましくは0〜20(×10-12Pa-1)である。光弾性係数(CP)が上記上限を超えると位相差素子の基材として用いた場合に、位相差膜形成時に発生する応力や位相差素子使用時の環境変化などによって発生する、環状オレフィン系樹脂フィルムの複屈折性の変化のため、位相差素子として使用した時に透過光量が低下してしまうことがある。
〜350g/m2・24hrであり、さらに好ましくは10〜300g/m2・24hrである。水蒸気透過度が上記範囲にあると、位相差素子の基材として使用した場合の粘着剤や接着剤の含有水分による特性変化や、位相差素子が使用される環境の湿度による特性変化を低減・回避することができる。
が生じる。一方、上記上限を超えた濃度にすると溶液粘度が高くなりすぎて得られる環状オレフィン系樹脂フィルムの厚みや表面が均一になりにくくなる。
環状オレフィン系樹脂フィルムを溶剤キャスト法により製造する方法としては、上記溶液をダイスやコーターを使用して、金属ドラム、スチールベルト、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、テフロン(R)ベルトなどの支持体の上に塗布し、その後、溶剤を乾燥して支持体よりフィルムを剥離する方法が挙げられる。また、スプレー、ハケ、ロールスピンコート、デッピングなどで溶液を支持体に塗布し、その後、溶剤を乾燥して支持体よりフィルムを剥離して製造することもできる。なお、繰り返し塗布することにより厚みや表面平滑性などを制御することができる。
り、さらに好ましくは3×10-5(1/℃)以下であり、特に好ましくは1×10-5(1/℃)以下である。線膨張係数を上記範囲内にすると、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる位相差フィルムを位相差素子の基材をして使用した場合、使用時の温度および湿度などによる応力変化が及ぼす透過光の位相差変化が抑えられるとともに位相差膜との密着性が良好に保持され、長期にわたり安定した光学特性を有する位相差素子を得ることができる。
本発明に係る偏光板は、保護フィルム(a)と偏光膜(b)と保護フィルム(c)とをこの順で積層して得られる偏光板であって、保護フィルム(a)および/または(c)が前記位相差膜または前記位相差素子からなる偏光板である。また、本発明に係る偏光板は、上述した位相差膜および位相差素子と同様に、少なくともその片面に透明導電層を積層することもでき、このとき、接着層やアンカーコート層を形成することもできる。
(偏光板の製造方法)
本発明に係る偏光板は、偏光膜(b)と保護フィルム(a)および(c)とを公知の方法により貼合して製造することができる。本発明では、前記保護フィルム(a)および(c)のうちの少なくとも一方が前記位相差膜または位相差素子であればよい。偏光膜(b)と保護フィルム(a)および(c)とを貼合するために、粘着剤や接着剤を使用することができる。粘着剤、接着剤としては、透明性に優れたものが好ましく、具体的には、天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、ポリビニルエーテル、アクリル系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂等の粘着剤;水酸基、アミノ基等の官能基を有する前記樹脂等にイソシアナート基含有化合物などの硬化剤を添加した硬化型粘着剤;ポリウレタン系のドライラミネート用接着剤;合成ゴム系接着剤;エポキシ系接着剤などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に断りのない限り「重量部」および「重量%」を意味する。
スガ試験機社製ヘイズメーターHGM−2DP型を使用して測定した。
組成物を十分に乾燥して溶剤を除去するとともに硬化させ、2辺の長さが2cmでその2辺のなす角が90°で、かつ厚みが3mmである直角プリズムを作製した。この直角プリズムを用いてカルニュー光学社製屈折率計KPR−200により、波長590nmでの平均屈折率を測定した。電子顕微鏡観察により、この直角プリズムでは無機粒子が規則性なく並んでいることを確認した。
王子計測機器社製KOBRA−21ADHを用いて、透過光の波長590nmにおける膜厚方向の位相差値を測定した。ここで、膜厚方向の位相差値は次式で与えられる。
(4)位相差膜の膜厚:
無歪みガラス(BK7)上の片面に位相差膜を形成し測定サンプルを作製した。このサ
ンプルの位相差膜が形成されていない面を黒色スプレーで塗りつぶし、裏面からの反射をなくし、大塚電子社製反射分光膜厚計FTM−1000を用いて、反射率を測定し、その結果より位相差膜の膜厚を算出した。
得られた位相差膜について王子計測機社製自動複屈折計KOBRA−21ADHと組成物の平均屈折率とを用い、位相差膜の波長590nmにおける3次元屈折率Nx、Ny、Nzを求めた。得られた位相差膜の膜面平行方向と膜厚平行方向の屈折率は次式によって計算した。
膜厚方向:Nz
(6)位相差膜の密着性:
JIS K5400に記載の碁盤目セロハンテープ剥離試験に準拠して、100個の碁盤目(1mm角)の残膜率(%)で評価した。
位相差膜の断面を電子顕微鏡により観察した。位相差膜内部におけるボイド発生がなく、かつ微粒子の著しい凝集がないものを、粒子分散性が良好な位相差膜と判定した。
位相差素子を温度40℃、相対湿度95%の環境下にて500時間保持した。
位相差素子を温度80℃の環境下にて500時間保持した。
(ルチル型針状酸化チタン粒子分散液(1)の調製)
ルチル型針状酸化チタン微粉末(石原テクノ社製、商品名:TTO−S−4、長径の長さ(La):70nm、長径と短径の長さの比(La/Db):5)3.5重量部、デンカ
ブチラール#2000−L(電気化学工業(株)製、ポリビニルブチラール樹脂、平均重合度:約300、1分子中のポリビニルアルコール単位:21重量%以上、ガラス転移点(Tg):71℃、PVB#2000L)0.6重量部、メチルイソブチルケトン(MIBK)12重量部、およびt−ブタノール8重量部を混合し、ガラスビーズ用いて10時間分散させた後、ガラスビーズを除去して、ルチル型針状酸化チタン粒子分散液(1)24重量部を得た。得られたルチル型針状酸化チタン粒子分散液(1)をアルミ皿上で秤量し、120℃のホットプレート上で1時間乾燥して、全固形分濃度を求めた。全固形分濃度は17重量%であった。また、ルチル型針状酸化チタン粒子分散液(1)を磁性るつぼに秤量し、80℃のホットプレート上で30分間予備乾燥した後、750℃のマッフル炉中で1時間焼成を行い、得られた無機残渣量と前記全固形分濃度から、全固形分中の無機物含量を求めたところ、85重量%であった。
(ルチル型針状酸化チタン粒子分散液(2)の調製)
前記ルチル型針状酸化チタン微粉末3.5重量部、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体(平均重合度:約20)0.6重量部、MIBK12重量部、およびt−ブタノール8重量部を混合し、ガラスビーズ用いて10時間分散させた後、ガラスビーズを除去して、ルチル型針状酸化チタン粒子分散液(2)24重量部を得た。このルチル型針状酸化チタン粒子分散液(2)の全固形分濃度および全固形分中の無機物含量を製造例1と同様にして測定した。全固形分濃度は17重量%、無機物含量は85重量%であっ
た。
(ジルコニア被覆ルチル型針状酸化チタン粒子分散液の調製)
ルチル型針状酸化チタン微粉末の代わりに、ジルコニア被覆されたルチル型針状酸化チタン微粉末(石原テクノ社製、商品名:TTO−S−2、長径の長さ(La):70nm
、長径と短径の長さの比(La/Db):5)を用いた以外は、製造例2と同様にしてジルコニア被覆ルチル型針状酸化チタン粒子分散液を調製した。このジルコニア被覆ルチル型針状酸化チタン粒子分散液の全固形分濃度および全固形分中の無機物含量を製造例1と同様に測定した。全固形分濃度は17重量%、無機物含量は85重量%であった。
(針状酸化スズ粒子分散液の調製)
ルチル型針状酸化チタン微粉末の代わりに、針状酸化スズ微粉末(石原テクノ社製、商品名:FS−10P、長径の長さ(La):1000nm、長径と短径の長さの比(La/Db):70)を用いた以外は、製造例2と同様にして針状酸化スズ粒子分散液を調製し
た。この針状酸化スズ粒子分散液の全固形分濃度および全固形分中の無機含量を製造例1と同様に測定した。全固形分濃度は17重量%、無機物含量は85重量%であった。
(球状酸化チタン粒子分散液の調製)
ルチル型針状酸化チタン微粉末の代わりに、球状酸化チタン微粉末(石原テクノ社製、商品名:TTO−51(D)、長径の長さ(La):40nm、長径と短径の長さの比(
La/Db):1.2)を用いた以外は、製造例2と同様にして球状酸化チタン粒子分散液を調製した。この球状酸化チタン粒子分散液の全固形分濃度および全固形分中の無機含量を製造例1と同様に測定した。全固形分濃度は17重量%、無機物含量は85重量%であった。
(チタン酸カリウム粒子分散液の調製)
ルチル型針状酸化チタン微粉末の代わりに、チタン酸カリウム微粉末(大塚化学社製、商品名:ティスモN、長径の長さ(La):15μm、長径と短径の長さの比(La/Db
):30)を用いた以外は、製造例2と同様にしてチタン酸カリウム粒子分散液を調製した。このチタン酸カリウム粒子分散液の全固形分濃度および全固形分中の無機含量を製造例1と同様に測定した。全固形分濃度は17重量%、無機物含量は85重量%であった。
)は5mPa・sであった。
ルチル型針状酸化チタン粒子分散液(1)の代わりに、比較製造例1で調製した球状酸化チタン粒子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして、均一な膜形成用組成物(a)を得た。この組成物(a)中の全固形分濃度を製造例1と同様に測定した。全固形分濃度
は20重量%であった。また、この組成物(a)の粘度(25℃)は5mPa・sであった。
ルチル型針状酸化チタン粒子分散液(1)の代わりに、比較製造例2で調製したチタン酸カリウム粒子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして、均一な膜形成用組成物(b)を得た。この組成物(b)中の全固形分濃度を製造例1と同様に測定した。全固形分濃度は20重量%であった。また、この組成物(b)の粘度(25℃)は10mPa・sであった。
サイメル303(三井サイテック(株)製)21重量部と、キャタリスト4050(三井サイテック(株)製)1重量部と、メチルイソブチルケトン50重量部とtert−ブタノールを加え、均一な溶液の位相差膜形成用組成物(c)を得た。この組成物(c)中の全固形分濃度を製造例1と同様に測定した。全固形分濃度は20重量%であった。また、組成物(6)の粘度(25℃)は10mPa・sであった。
J/cm2の紫外線照射し、位相差膜(6)を有する位相差素子(6)を得た。この位相
差膜(6)および位相差素子(6)について実施例9と同様の評価を行った。位相差膜(6)および位相差素子(6)についての評価結果を表3に示す。
位相差膜形成用組成物(1)の代わりに、比較例1で調製した膜形成用組成物(a)を用いた以外は実施例9と同様にして、位相差膜(a)を有する位相差素子(a)を得た。この位相差膜(a)および位相差素子(a)について実施例9と同様の評価を行った。位相差膜(a)および位相差素子(a)についての評価結果を表4に示す。得られた位相差
膜(a)は透明性が良好なものの、膜厚方向の位相差値が得られなかった。
位相差膜形成用組成物(1)の代わりに、比較例2で調製した膜形成用組成物(b)を用いた以外は実施例9と同様にして、位相差膜(b)を有する位相差素子(b)を得た。この位相差膜(b)および位相差素子(b)について実施例9と同様の評価を行った。位相差膜(b)および位相差素子(b)についての評価結果を表4に示す。得られた位相差膜(b)は透明性がなく、膜厚方向の位相差値の測定できなかった。
位相差膜形成用組成物(1)の代わりに、比較例3で調製した膜形成用組成物(c)を用いた以外は実施例14と同様にして、位相差膜(c)を有する位相差素子(c)を得た。この位相差膜(c)および位相差素子(c)について実施例9と同様の評価を行った。位相差膜(c)および位相差素子(c)についての評価結果を表4に示す。得られた位相差膜(c)は透明性が良好なものの、膜厚方向の位相差値が十分得られなかった。
(含フッ素重合体の製造)
内容積1.5Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを、窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル500g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(FPVE)43.2g、エチルビニルエーテル(EVE)41.2g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)21.5g、ノニオン性反応性乳化剤として「アデカリアソープNE−30」(旭電化工業(株)製)40.5g、アゾ基含有ポリジメチルシロキサンとして「VPS−1001」(和光純薬工業(株)製)6.0gおよび過酸化ラウロイル1.25gを加え、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
の後、70℃で20時間、攪拌下で反応を継続し、圧力が1.7×105Paに低下した
時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出し、オートクレーブを開放して、固形分濃度26.4%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入し、ポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い、220gの含フッ素重合体を得た。
(反射防止膜形成用組成物の調製)
参考製造例1で得られた含フッ素重合体100gを、サイメル303(三井サイテック(株)製)30gとともにMIBK900g中に溶解し、100℃にて5時間、攪拌下で反応させた。得られた反応液100gと、硬化触媒であるキャタリスト4050(三井サイテック(株)製、芳香族スルホン酸化合物、固形分濃度32重量%)2gとを、MIBK900gに添加して溶解させることにより、反射防止膜形成用組成物を調製した。この組成物のMIBK溶液を、スピンコーターによりシリコンウェーハー上に、乾燥後の厚みが約0.1μmとなるように塗布した。これを、オーブンを用いて120℃で60分間加熱し、反射防止膜を得た。得られた反射防止膜について、エリプソメーターを用いて25℃での波長589nmにおける屈折率(nD 25)を測定したところ、1.41であった。
厚さ50μmのポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素5g、ヨウ化カリウム250g、ほう酸10g、水1000gからなる40℃の浴に浸漬しながら約5分間で4倍まで一軸延伸して偏光膜を得た。この偏光膜の表面に、n−ブチルアクリレート90重量%、エチルアクリレート7重量%、アクリル酸3重量%からなるアクリル系樹脂100部とトリレンジイソシアナート(3モル)のトリメチロールプロパン(1モル)付加物の75重量%酢酸エチル溶液2部からなる架橋剤とを混合して得られた粘着剤を用いて、実施例9で作製した位相差素子(1)、およびトリアセチルセルロースフィルム(厚さ80μm:富士写真フィルム社製)をそれぞれ偏光膜に片面ずつ粘着させ偏光板(1)を得た。この偏光板(1)を80℃、90%相対湿度の条件下で500時間の耐久試験を行い、その外観変化を目視で観察したところ、いずれも白化や膨れ等の外観異常は認められず、また、偏光度についても、初期値に対して95%以上の偏光度を保持しており良好な耐久性を有していることが確認された。
予め一軸延伸により面内位相差値を100nmに調整した環状オレフィン系樹脂フィルム(JSR(株)製 ARTONフィルム)を基材として実施例9と同様にして位相差素子(11)を作製した。位相差素子(1)の代わりに、この位相差素子(11)を用いた以外は実施例19と同様にして偏光板(2)を得た。この偏光板(2)を80℃、90%相対湿度の条件下で500時間の耐久試験を行い、その外観変化を目視で観察したところ、いずれも白化や膨れ等の外観異常は認められず、また、偏光度についても、初期値に対して95%以上の偏光度を保持しており良好な耐久性を有していることが確認された。
実施例9で得られた位相差素子(1)に対し、位相差膜を設けた面と反対側の面にスパッター機(中外炉工業社製)を用いて、以下の条件にて透明導電性膜(ITO膜)を形成し、透明導電性膜を有する位相差素子(12)を得た。
基板温度:70℃
ターゲット:In2O3/SnO2=90/10(重量比)の合金
雰囲気:アルゴンガス流入下
スパッター速度:270オングストローム/分
スパッター圧力:10-2 Torr
得られたITO膜の厚さは2,500オングストローム、比抵抗は1.5×10-3Ω・cmであった。ITO膜の密着性を実施例9と同様に評価したところ、残膜率が100%であった。この位相差素子(12)を、位相差素子(1)の代わりに用いた以外は実施例19と同様にして偏光板(3)を得た。この偏光板(3)を80℃、90%相対湿度の条件下で500時間の耐久試験を行い、その外観変化を目視で観察したところ、いずれも白化や膨れ等の外観異常は認められず、また、偏光度についても、初期値に対して95%以上の偏光度を保持しており良好な耐久性を有していることが確認された。
位相差素子(1)の代わりに、実施例20で得られた位相差素子(11)を用いた以外は実施例21と同様にして位相差素子(13)を得た。
DVD等の光ディスクの記録・再生装置に使用される波長板としても有用である。
Claims (7)
- (A)長径と短径を有する形状異方性を示し、かつ長径方向の屈折率が長径方向と直交する方向の平均屈折率よりも大きく複屈折性を有する針状の無機粒子と、
(B)該針状の無機粒子(A)を固定化するための、硬化性化合物であるバインダーと
を含有する位相差膜形成用組成物であって、
該組成物から形成される無延伸状態の位相差膜に膜面平行方向と膜厚方向との屈折率の差を生じさせ、該膜面平行方向の屈折率が膜厚方向の屈折率よりも大きくなることを特徴とする位相差膜形成用組成物。 - 前記位相差膜形成用組成物から形成される位相差膜において、針状の無機粒子(A)の長径方向が膜平面に実質的に平行に配置され、
該針状の無機粒子(A)の長径方向の屈折率と長径方向と直交する方向の屈折率との差により、前記位相差膜に膜面平行方向と膜厚方向との屈折率の差を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の位相差膜形成用組成物。 - 前記位相差膜の膜面平行方向の屈折率と膜厚方向の屈折率との差が0.010以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の位相差膜形成用組成物。
- 前記針状の無機粒子(A)が、平均長径が2μm以下の結晶性を有する針状の無機粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の位相差膜形成用組成物。
- 前記硬化性化合物が、(i)メラミン化合物、(ii)イソシアネート化合物、(iii)アクリレート化合物、(iv)エポキシ化合物、または(v)加水分解性シラン化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位相差膜形成用組成物。
- バインダー(B)の添加量が、針状の無機粒子(A)100重量部に対して、1〜200重量部であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位相差膜形成用組成物。
- 硬化開始剤(C)を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の位相差膜形成用組成物。
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